JPH06280129A - 発塵性の少ない繊維構造物 - Google Patents

発塵性の少ない繊維構造物

Info

Publication number
JPH06280129A
JPH06280129A JP5151331A JP15133193A JPH06280129A JP H06280129 A JPH06280129 A JP H06280129A JP 5151331 A JP5151331 A JP 5151331A JP 15133193 A JP15133193 A JP 15133193A JP H06280129 A JPH06280129 A JP H06280129A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lubricant
fiber
polymer
polyester
core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5151331A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH081019B2 (ja
Inventor
Masao Matsui
雅男 松井
Hiroshi Naito
寛 内藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanebo Ltd filed Critical Kanebo Ltd
Priority to JP5151331A priority Critical patent/JPH081019B2/ja
Publication of JPH06280129A publication Critical patent/JPH06280129A/ja
Publication of JPH081019B2 publication Critical patent/JPH081019B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Professional, Industrial, Or Sporting Protective Garments (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Multicomponent Fibers (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 発塵性の少ない改善された繊維構造物を提供
する。 【構成】 繊維の少なくとも一部がポリエチレンテレフ
タレート,ポリブチレンテレフタレート及びそれらの変
性体からなる群から選ばれたポリエステルに、パラフィ
ン,ポリオレフィン,ポリアルキレンエーテル,アルキ
ル基を有する化合物、有機シリコン化合物及び有機弗素
化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種で分子量
が500〜50000の滑剤を含有せしめたものであ
り、且つ該繊維の摩擦係数が滑剤を含まぬもののそれの
90%以下である繊維構造物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発塵性の少ない繊維構
造物に関する。精密工業,半導体,医薬品,食品などの
製造工程において、又病院や微生物を取扱う分野におい
て所謂クリーンルームがめざましく発展しておりこれら
のクリーンルーム内の作業衣として防塵性の優れた衣服
が必要とされている。
【0002】
【従来の技術】防塵衣の必要な性能としては、(イ)塵
通過阻止能が高いこと、(ロ)塵が付着し難く落易いこ
と、(ハ)発塵性が低いこと、(ニ)制電性が優れてい
ること、(ホ)耐薬品性に優れていることなど総合的に
優れた性能が要求される。
【0003】従来の防塵衣の素材としては、例えば特開
昭55−30436号実施例に示されるように、ポリエ
チレンテレフタレート繊維が用いられているが、これは
発塵性の見地から不満足なものである。即ちポリエチレ
ンテレフタレートは着用や洗濯時の摩擦によって繊維が
破断、フィブリル化、脱落し塵埃を発生させる傾向が強
いという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は発塵性
の少ない改善された繊維構造物を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の繊維構造物は、
繊維の少なくとも1部がポリエチレンテレフタレート
(以下PETと記す),ポリブチレンテレフタレート
(以下PBTと記す)及びそれらの変性体からなる群か
ら選ばれたポリエステルに、パラフィン,ポリオレフィ
ン,ポリアルキレンエーテル,アルキル基を有する化合
物、有機シリコン化合物及び有機弗素化合物からなる群
から選ばれた少なくとも1種で分子量が500〜500
00の滑剤を含有せしめたものであり、且つ該繊維の摩
擦係数が滑剤を含まぬもののそれの90%以下の繊維構
造物である。
【0006】ここで変性体とは、PET又はPBTに少
量の(50%以下、特に30%以下、最も多くの場合
0.1〜10%)第3成分を共重合又は混合して、例え
ば親水性,染色性,色彩,帯電防止性,滑剤との親和性
などの性質を変えたものを云う。例えばPET(ホモポ
リマー)にポリエチレンオキシド,ポリプロピレンオキ
シド,ポリブチレンオキシドなどを0.5〜5%共重合
することにより油脂状の滑剤を含有し易く且つ比較的低
温でも滑剤が表面に浸出し易く変性(改質)することが
出来る。
【0007】上記滑剤の具体例としては鉱物油,パラフ
ィン,ポリエチレン,ポリブテン,それらの共重合ポリ
オレフィン,ポリエチレンオキシド,ポリプロピレンオ
キシド,ポリブチレンオキシド,それらの共重合ポリエ
ーテル,脂肪酸,脂肪酸エステル又は金属塩,高級アル
コール及びそのエステル,動植物油脂,アルキルベンゼ
ン,ポリアルキルジフェニルなどの合成油脂状物,ポリ
オルガノシロキサンなどのシリコン油類,弗化エチレン
重合体,同共重合体,弗化アルキル基を有する化合物な
どがあげられる。
【0008】上記以外でもPET,PBT,変性PE
T,変性PBTと混合可能で摩擦係数を非添加の場合の
摩擦係数の90%以下に低減し得るものは利用出来る。
摩擦係数はPET,PBTでは0.3〜0.4程度であ
るが、滑剤を添加して(未添加時を100%として)9
0%以下、特に80%以下に低下せしめることが好まし
く、60%以下に低下させることが最も好ましい。
【0009】摩擦係数は、紡糸時又は染色仕上時に表面
に付与される油剤,柔軟剤,制電剤などの影響を排除す
るため適切な洗濯の後溶剤又は溶剤でよく洗滌し、且つ
必要に応じて繊維内部の滑剤が表面に浸出するように適
宜加熱したりエージング(例えば24時間以上)した後
に、測定する。
【0010】勿論滑剤は、通常の洗濯やドライクリーニ
ングで、抽出脱落し難いものを選ぶ必要がある。滑剤は
油状,ワックス状,樹脂状のものがあるが、表面への浸
出の見地からは油状,ワックス状など比較的分子量が小
さいもの(例えば分子量10000以下、特に500〜
5000程度)が好ましい。逆に耐洗濯,耐ドライクリ
ーニングの見地からは分子量がやや大き目のもの(例え
ば5000〜50000)が好ましい。
【0011】滑剤の添加は、一般に繊維の性能、例えば
強度,伸度,弾性率,耐熱性,耐候性,耐フィブリル化
性,染色堅牢性などの劣化を起こすことがあり、そのよ
うな劣化の少ないものを、必要最小限添加することが望
ましい。通常、滑剤の含有率は0.001〜20%、特
に0.01〜5%が好ましく、0.05〜2%が最も好
ましい。
【0012】本発明に用いる滑剤含有ポリエステルを成
分とする繊維は、単成分フィラメントでもよいが、複数
の成分が接合された複合フィラメントも好適である。特
に、芯成分として滑剤を含有し易いポリマー(例えばP
BT,変性PBT,変性PET,ポリアミド,変性ポリ
アミド,ポリオレフィン等)に滑剤を比較的多量(例え
ば1〜20%)含有せしめ、未変性又は変性度の低いポ
リエステルからなる鞘成分に徐々に拡散浸出せしめるよ
うな芯鞘複合フィラメントは本発明の目的に最も好まし
い繊維の1つである。
【0013】芯鞘複合フィラメントの複合比は任意であ
るが、例えば9/1〜1/20(体積比)とすることが
出来る。芯に変性度の大きいポリマーを用い、多量に滑
剤を含有せしめる場合は、芯の複合比を小さくすること
が望ましい。
【0014】同様に、滑剤をより多く含む成分が繊維の
表面の1部を占めるような複合繊維も有用である。この
場合は、滑剤が表面に浸出し易いという長所がある反
面、滑剤によって劣化し易い成分が表面に露出している
ためにその欠点が目立ったり、又洗濯等により滑剤が抽
出除去されてしまいその効果が失なわれる恐れがあるの
で、滑剤含有成分をよく吟味して選ぶ必要がある。この
ような欠点は、滑剤高含有成分の占める表面積を小さく
すること、例えば表面積占有率を30%以下、特に10
%以下、最も好ましくは5%以下とすることにより改善
することが出来る。
【0015】図1〜図6は本発明に好適な複合繊維の横
断面図の例である。図において滑剤含有率が小さい成分
を1で示し、含有率が大きい成分を2で示す。勿論複合
紡糸時に成分1は滑剤を全く含まなくても、その後加熱
やエージングにより成分2中の滑剤を成分1の中に拡散
浸透させることが出来る。
【0016】図1は同心円芯鞘型、図2は非円形の芯を
持つもの、図3は芯と鞘が非円形のもの、図4〜図6は
滑剤含有率が大きい成分2の表面積占有率を小さくした
例である。図7は成分2の表面積占有率が50%の通常
の並列複合の例である。
【0017】図1〜図6の成分1と2とを入替えると滑
剤をより多く含む成分が繊維の表面の全部又は大部分を
占めるので、滑剤の効果は顕著であるが、滑剤による繊
維の他の性質の劣化に注意しなくてはならない。勿論滑
剤を含む1成分のみからなる単成分繊維でも同様であ
る。
【0018】複合繊維又は単成分繊維の断面の形は円形
でも非円形でもよい。非円形繊維は塵埃の通過阻止能な
どが優れるが、摩擦によりフィブリル化し易いという欠
点があり注意を要する。単糸繊度は0.1〜5d、特に
0.5〜3dが好ましく、0.7〜2.5dが最も好ま
しい。
【0019】布地は塵埃通過阻止の観点から通気度が低
いことが好ましい。通気度はJISL−1096(19
79)A法(フラジール法)によって測定する。通気度
は30ml/cm3 /秒以下が好ましく、10ml/cm3 /秒
が特に好ましく、5ml/cm3秒が最も好ましい。しかし
ながら、通気度が小さすぎると着用感が劣るので0.1
ml/cm3 /秒以上、特に0.3ml/cm3 秒以上が好まし
い。
【0020】通気度の低い(塵埃阻止能の高い)布は、
細い繊維(例えば単糸3d以下、特に0.1〜2d)を
高密度で製繊したり高い収縮率(例えば面積収縮率10
%以上、特に20〜50%)で収縮することにより得ら
れる。更に必要があればカレンダー加工等、布を押圧し
て布地を緻密化することや、ラミネート法又はコーティ
ング法で樹脂薄膜を布地に付与し阻止能を高めることが
出来る。
【0021】布地は帯電防止性であることが好ましい。
これは静電気による塵埃や微生物の吸着を防ぐ目的の
他、半導体を取扱う工業において静電気による半導体の
破壊を防止するためである。このため布地を木製の台上
に置き、綿,羊毛又はアクリル繊維からなる摩擦布で充
分摩擦した後、台から引離した時の帯電圧(絶対値)が
6KV以下であることが好ましく、特に3KV以下が好
ましく、2KV以下が最も好ましい。
【0022】摩擦帯電の測定法は本発明者等が特開昭5
6−48550号公報に開示した方法、特に同公報図2
又は図3に開示した装置によって正確に測定することが
出来る。試料調整及び測定の雰囲気は25℃、40%R
Hとする(JIS L−1094(1980)B法、所
謂ロータリイスタチックテスタによる摩擦帯電圧の測定
は誤差が大きく再現性に劣り好ましくない)。
【0023】上記本発明者等が開示した方法で測定した
帯電圧E(ボルト)と、ファラデーケージ法によって測
定した単位面積当りの布の電気量Q(クーロン/m2
と間には、(帯電圧8KV以下の領域で)Q=3×10
-10 Eの関係が成立つことが確かめられている。すなわ
ち、帯電圧6KVは約1.8μC/m2 、3KVは0.
9μC/m2 、2KVは0.6μC/m2 の電荷密度に
相当する。
【0024】上記のような制電性を布地に付与するため
には、導電性繊維を混用する方法が最適である。導電性
繊維としては金属繊維,金属メッキ繊維,金属化合物
(半導体など)、その他の導電性物質(比抵抗107 Ω
・cm以下)からなる導電層を表面や内部に有する繊
維,導電性粒子又は高い導電性を有する成分を混合した
樹脂からなる導電層を表面又は内部に有する繊維などが
あげられる。
【0025】導電性粒子としてはカーボンブラック,金
属粒子,金属化合物粒子,金属又は金属化合物の薄層を
表面に有する粒子などがあげられる。中でも導電性粒子
を含む導電層と繊維形成性のポリマーからなる保護層と
が接合された複合繊維が最も好適である。導電性繊維の
長さ1cm当りの電気抵抗は1010Ω以下が好ましく、
105 Ω以下が最も好ましい。
【0026】編織物の発塵性の測定方法を図8に示す。
試料3は上端を支持棒4に固定され、下端に荷重5を取
付けられ一定の張力が加えられる。一方回転板6に複数
個の摩擦棒7が取付けられその表面は摩擦布8によって
覆われている。回転板6が矢印方向に回転すると試料3
は摩擦布8によって間欠的に摩擦され発生した塵は空気
吸引口9より吸引され粒子カウンター10により測定さ
れる。11は高性能フィルターで塵埃を除去された清浄
空気の入口であり、12はケースである。摩擦布8を省
略すれば試料と摩擦棒との摩擦による発塵を評価出来
る。摩擦棒は金属,セラミックス,樹脂等を目的に応じ
て用いればよいが、一般に耐摩耗性の優れたものがよ
く、形も自由であるが、丸棒が一般的である。摩擦布も
任意であるが、耐摩耗性の優れたナイロン,ポリエステ
ルなどが好ましい。また8を試料とし、3を摩擦布とす
ることも出来る。
【0027】
【実施例】以下の実施例では、試料は巾6cmとし、超
音波(溶融)切断により切断面の発塵を防止し二つに折
り(巾3cm)背面中央に切断部が来るように取付け、
荷重は60gとする。同じく摩擦棒は直径8mm、長さ
6cm、硬質アルミナ磁器で、摩擦布は顔料を含まぬナ
イロン6の40d/10fのトリコット(編物)を巾5
cmに超音波切断したもので、切断面が試料に接触しな
いように取付ける。円板11の回転速度は30rpm
(摩擦回数180回/分)とする。試料は清浄な水で洗
滌しクリーンルーム中で乾燥したものを用いる。測定装
置もクリーンルーム(クリーンベンチでもよい)内に設
置する。粒子カウンター15の空気吸引速度0.5 l/
分である。
【0028】繊維の摩擦係数は次のようにして測定す
る。試料(フィラメント)はベンゼン/メタノール(1
/1)混合液にてよく洗滌し、乾熱120℃で20分間
熱処理したものを用いる。摩擦体として梨地(約1.5
S)硬質クロムメッキした直径約1cmの鋼丸棒を用
い、糸を摩擦体に180°接触させながら300m/分
の速度で走行させ摩擦体の前後の張力T1 ,T2 を測定
する。T1 を10gになるように張力調整器にて調整す
る。摩擦係数は下記式によって算出する。
【0029】
【式1】
【0030】以下の実施例において部,%等は特記しな
い限り重量比率である。
【0031】実施例1 分子量18000で顔料を含まぬPETを285℃,直
径0.25mmのオリフィスから紡出し冷却,給油しつ
つ1500m/分の速度で巻取り、80℃で3.3倍に
延伸し、150℃緊張熱処理して得た75d/36fの
円形断面の延伸糸をY1とする。同様にして得た150
d/48fの円型断面延伸糸をY2とする。Y1及びY
2の摩擦係数は夫々0.41,0.41であった。
【0032】Y1、1本に導電性複合繊維(鐘紡、ポリ
エステル「ベルトロン」)20d/6f1本を合糸した
糸をY3とする。Y1及びY3(4mm間隔に1本、導
電糸混用率約0.8%)を経糸とし、Y2を緯糸として
平織物を得、以下常法により染色仕上した織物をF1と
する。
【0033】F1の通気度は1.3ml/cm3 /秒であ
り、ウールを摩擦布とした時の摩擦帯電圧は−1.8K
Vであった。
【0034】F1とほぼ同様にして、但しPETの紡糸
時に滑剤としてシリコン油(ポリメチルフェニルシロキ
サン、信越化学、KF54)を0.2%混合し以下同様
にして得た織物をF2とする。
【0035】F2の経糸及び緯糸の摩擦係数は夫々0.
33,0.32であり、シリコン油無添加のものに対し
て夫々80%,78%であった。F2の通気度は1.3
ml/cm3 /秒であり、摩擦帯電圧は−1.9KVであっ
た。
【0036】PETに対して分子量600のポリブチレ
ングリコールを3%共重合した分子量20000のポリ
エステルをポリマーP1とする。PBTに対して分子量
2000のポリブチレングリコールを8%共重合した分
子量21000、顔料として1.2%の酸化チタン粒
子,滑剤として上記シリコン油を3%混合したものをポ
リマーP2とする。
【0037】ポリマーP1を鞘とし、ポリマーP2を芯
とし285℃で両者を図1のような芯鞘型(体積複合比
2/1)に複合紡糸し、1500m/分の速度で巻取
り、80℃で3.4倍に延伸し150℃緊張熱処理して
得た75d/36fの延伸糸をY4とし、同じく150
d/48fの延伸糸をY5とする。
【0038】Y4と前記導電複合糸20d/1fとを合
撚した糸をY6とする。Y4及びY6(4mm間隔)を
経糸とし、Y5を緯糸として平織物を得、以下常法によ
り染色仕上した織物をF3とする。F3の通気度は1.
0ml/cm3 /秒、摩擦帯電圧は−1.8KVであった。
【0039】比較のためポリマーP1のみからなる単成
分糸を同じ紡糸延伸条件で製造した75d/36fの延
伸糸をY7、同じく150d/48fの延伸糸をY8と
する。Y7及びY7に上記導電複合糸を合撚して得たY
9を経糸とし、Y8を緯糸として得た平織物(染色仕上
品)をF4とする。F4の通気度は1.1ml/cm3
秒、摩擦帯電圧は1.9KVであった。Y4及びY6の
摩擦係数は0.30,0.31で、夫々Y7,Y9のそ
れに対して夫々66%,67%に相当する。
【0040】各織物の摩擦発塵性を図8の方法で測定し
た。粒子は経5μm以上,2μm以上,1μm以上,
0.5μm以上,0.3μm以上に区分して計数し空気
1 l(2分間)中の数で示す。摩擦は約1時間連続して
行ない、0〜4分間の平均を2分後の数とし、28〜3
2分間の平均を30分後、58〜62分間の平均を60
分後カウント数とし、夫々有効数字3桁で示す(4捨5
入)。また各織物を50回洗濯(乾燥110℃20分)
した後の発塵性を同様に測定した。結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】実施例2 実施例1のポリマーP2とほぼ同じで、但し滑剤として
シリコン油の代りに種々の化合物を夫々3%混合したポ
リマーを芯とし、P1を鞘として複合紡糸し、以下実施
例1のF3と同様にして得た5種平織物F5〜F9の発
塵性を測定した。滑剤の種類,混合率との関係を表2に
示す。発塵粒子数は摩擦1時間後の値を示す。なお摩擦
係数比率は、実施例1のポリマーP1のみからなる延伸
糸の摩擦係数に対する比率(75d,150d平均)を
示す。
【0043】
【表2】
【0044】実施例3 実施例1のポリマーP1及びP2を用い、複合比3/1
で図4のように溶融複合紡糸して75d/36f,15
0d/48fの延伸糸を得た。摩擦係数は実施例1の糸
Y7及びY8のそれに較べて、夫々56%,58%であ
った。上記延伸糸を用い、以下実施例1のF3と同様の
方法で得た平織物をF10とする。F10の発塵性(1
時間後)を表3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】実施例4 導電性複合繊維の代わりにポリエステル系非導電性繊維
を用いて、F2と同様に平織物を製造した。この織物
は、実施例1と同様に発塵性の少ないものであった。
【0047】
【発明の効果】実施例から明らかなように、本発明の防
塵衣は摩擦による発塵性が低く優れている。この効果は
繊維中に滑剤を含有させることにより摩擦係数を低減さ
せることにより得られたものである。またこの結果は洗
濯やドライクリーニングに対する耐久性があることが望
ましい。摩擦係数低減効果の洗濯及びクリーニング耐久
性は、ポリマーの種類、滑剤の種類及び複合構造(特に
芯鞘型)を適切に選ぶことにより充分高くすることが出
来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に好適な複合繊維の横断面の例を示す。
【図2】本発明に好適な複合繊維の横断面の例を示す。
【図3】本発明に好適な複合繊維の横断面の例を示す。
【図4】本発明に好適な複合繊維の横断面の例を示す。
【図5】本発明に好適な複合繊維の横断面の例を示す。
【図6】本発明に好適な複合繊維の横断面の例を示す。
【図7】並列複合の横断面の例を示す。
【図8】発塵性の測定方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 滑剤含有率が小さい成分 2 滑剤含有率が大きい成分 3 試料 4 支持棒 5 荷重 6 回転板 7 摩擦棒 8 摩擦布 9 空気吸引口 10 粒子カウンター 11 清浄空気入口 12 ケース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/92 301 Q 7199−3B A 7199−3B 8/14 B 7199−3B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維の少なくとも一部がポリエチレンテ
    レフタレート,ポリブチレンテレフタレート及びそれら
    の変性体からなる群から選ばれたポリエステルに、パラ
    フィン,ポリオレフィン,ポリアルキレンエーテル,ア
    ルキル基を有する化合物、有機シリコン化合物及び有機
    弗素化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種で分
    子量が500〜50000の滑剤を含有せしめたもので
    あり、且つ該繊維の摩擦係数が滑剤を含まぬもののそれ
    の90%以下である繊維構造物。
  2. 【請求項2】 繊維の少なくとも一部がポリエチレンテ
    レフタレート,ポリブチレンテレフタレート及びそれら
    の変性体からなる群から選ばれたポリエステルに、パラ
    フィン,ポリオレフィン,ポリアルキレンエーテル,ア
    ルキル基を有する化合物、有機シリコン化合物及び有機
    弗素化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種で分
    子量が500〜50000の滑剤を含有せしめたもので
    あり、且つ該繊維の摩擦係数が滑剤を含まぬもののそれ
    の90%以下であり、更に導電性繊維が混用されている
    繊維構造物。
  3. 【請求項3】 滑剤含有ポリエステルの摩擦係数が滑剤
    を含まぬもののそれの80%以下である請求項1記載の
    繊維構造物。
  4. 【請求項4】 繊維の1部もしくは全部が滑剤を含むポ
    リマーからなる芯と、滑剤含有率が芯ポリマーのそれよ
    りも小さいポリエステルを鞘とする芯鞘複合繊維である
    請求項1記載の繊維構造物。
  5. 【請求項5】 布地を構成する繊維の1部もしくは全部
    が、滑剤含有率の大きいポリマーからなる成分の表面積
    占有率が50%以下であり、滑剤含有率の小さいポリエ
    ステルからなる成分の表面積占有率が50%以上の複合
    繊維である請求項1記載の繊維構造物。
JP5151331A 1993-05-27 1993-05-27 発塵性の少ない繊維構造物 Expired - Lifetime JPH081019B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5151331A JPH081019B2 (ja) 1993-05-27 1993-05-27 発塵性の少ない繊維構造物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5151331A JPH081019B2 (ja) 1993-05-27 1993-05-27 発塵性の少ない繊維構造物

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP59190126A Division JPS6170003A (ja) 1984-09-10 1984-09-10 防塵衣

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06280129A true JPH06280129A (ja) 1994-10-04
JPH081019B2 JPH081019B2 (ja) 1996-01-10

Family

ID=15516257

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5151331A Expired - Lifetime JPH081019B2 (ja) 1993-05-27 1993-05-27 発塵性の少ない繊維構造物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH081019B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001053585A1 (fr) * 2000-01-19 2001-07-26 Mitsui Chemicals, Inc. Textile non tisse file-lie et stratifie

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57143521A (en) * 1981-02-25 1982-09-04 Teijin Ltd Preparation of molded thermoplastic article

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57143521A (en) * 1981-02-25 1982-09-04 Teijin Ltd Preparation of molded thermoplastic article

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001053585A1 (fr) * 2000-01-19 2001-07-26 Mitsui Chemicals, Inc. Textile non tisse file-lie et stratifie
US6759357B1 (en) 2000-01-19 2004-07-06 Mitsui Chemicals, Inc. Spunbonded non-woven fabric and laminate

Also Published As

Publication number Publication date
JPH081019B2 (ja) 1996-01-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3679541A (en) Sheath/core bicomponent filaments and process of preparing same
US4388370A (en) Electrically-conductive fibres
JP4902545B2 (ja) 導電性複合繊維及びその製造方法
JP4100327B2 (ja) 複合繊維
JP2004162244A (ja) ナノファイバー
JP3917524B2 (ja) 繊維複合体及びその用途
JPS61194275A (ja) 撥水性を有する制電ポリエステル織編物
JP2001164474A (ja) 防塵衣用織物および作業衣
JPS6037203B2 (ja) 吸水性人造繊維の製造法
JPH06280129A (ja) 発塵性の少ない繊維構造物
JPS5929283B2 (ja) 制電性炉過布
JP2004044071A (ja) 導電性複合繊維及び導電性織編物
JPH0351801B2 (ja)
JP2005133250A (ja) 芯鞘複合繊維
JP2022129752A (ja) 繊維構造物および繊維製品
JPH073571A (ja) 編織物
JPS6056802B2 (ja) 制電性ポリエステル繊維
JP2813368B2 (ja) 制電性複合繊維
JP3684678B2 (ja) ポリエステル防塵衣
JP2848791B2 (ja) 制電性極細繊維布帛及びその製造方法
JP2006097145A (ja) 繊維複合体およびその用途
JP2003147665A (ja) 布 帛
JPH03180511A (ja) 制電性複合繊維
JPS61201011A (ja) 制電性ポリエステル繊維
JPS633078B2 (ja)