JPH06278434A - 自動車用後輪サスペンション装置 - Google Patents
自動車用後輪サスペンション装置Info
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- JPH06278434A JPH06278434A JP9197993A JP9197993A JPH06278434A JP H06278434 A JPH06278434 A JP H06278434A JP 9197993 A JP9197993 A JP 9197993A JP 9197993 A JP9197993 A JP 9197993A JP H06278434 A JPH06278434 A JP H06278434A
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- JP
- Japan
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- shock absorber
- axle housing
- toe
- axle
- rear wheel
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ショックアブソーバの取付角度に制限を受け
ることなく、当該ショックアブソーバの発生減衰力を利
用して後輪をトーイン或いはトーアウト側へと自動的に
コンプライアンスステアさせて自動車の操縦および走行
安定性をより向上させる。 【構成】 アクスルハウジング3に車軸4回りの回転モ
ーメントMo,Miを加えたときに、当該回転モーメン
トMo,Miの方向に対応してアクスルハウジング3が
トーイン或いはトーアウト側へと自動転舵するコンプラ
イアンス機能を備えた後輪サスペンション装置におい
て、アクスルハウジング3の車軸4回転中心から前方或
いは後方にオフセットした部分と車体9との間にショッ
クアブソーバ12を介装する。
ることなく、当該ショックアブソーバの発生減衰力を利
用して後輪をトーイン或いはトーアウト側へと自動的に
コンプライアンスステアさせて自動車の操縦および走行
安定性をより向上させる。 【構成】 アクスルハウジング3に車軸4回りの回転モ
ーメントMo,Miを加えたときに、当該回転モーメン
トMo,Miの方向に対応してアクスルハウジング3が
トーイン或いはトーアウト側へと自動転舵するコンプラ
イアンス機能を備えた後輪サスペンション装置におい
て、アクスルハウジング3の車軸4回転中心から前方或
いは後方にオフセットした部分と車体9との間にショッ
クアブソーバ12を介装する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車の後輪を懸架
するサスペンション装置に関し、さらに詳しくは、ショ
ックアブソーバの発生減衰力を利用して後輪をトーイン
或いはトーアウト側へと自動的にコンプライアンスステ
アさせる自動車用後輪サスペンション装置に関する。
するサスペンション装置に関し、さらに詳しくは、ショ
ックアブソーバの発生減衰力を利用して後輪をトーイン
或いはトーアウト側へと自動的にコンプライアンスステ
アさせる自動車用後輪サスペンション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の自動車用後輪サスペンション装
置として、後輪荷重の増加に伴うショックアブソーバの
圧側発生減衰力を利用して後輪をトーイン側へと自動的
にコンプライアンスステアさせるようにしたものが、例
えば平成4年特許出願公開第362407号公報におい
て既に提案されている。
置として、後輪荷重の増加に伴うショックアブソーバの
圧側発生減衰力を利用して後輪をトーイン側へと自動的
にコンプライアンスステアさせるようにしたものが、例
えば平成4年特許出願公開第362407号公報におい
て既に提案されている。
【0003】すなわち、このものは、コンプライアンス
機能を備えたダブルトレーリングリンク式の後輪サスペ
ンション装置において、アクスルハウジングを揺動可能
に支持する支持リンク(ロアアーム)と車体間にショッ
クアブソーバを斜めにして取り付けている。
機能を備えたダブルトレーリングリンク式の後輪サスペ
ンション装置において、アクスルハウジングを揺動可能
に支持する支持リンク(ロアアーム)と車体間にショッ
クアブソーバを斜めにして取り付けている。
【0004】かくして、後輪の荷重変化に伴う当該ショ
ックアブソーバの作動時における圧側発生減衰力の反力
を前記支持リンクに入力し、この入力の車体前方向への
分力により支持リンクを介してアクスルハウジングを車
体前方向へとコンプライアンスさせつつ後輪をトーイン
側にコンプライアンスステアさせる。
ックアブソーバの作動時における圧側発生減衰力の反力
を前記支持リンクに入力し、この入力の車体前方向への
分力により支持リンクを介してアクスルハウジングを車
体前方向へとコンプライアンスさせつつ後輪をトーイン
側にコンプライアンスステアさせる。
【0005】或いは、支持リンクにコンプライアンス機
能を付与する前後のマウントインシュレータの横方向弾
性力に差を与えておくと共に、前記ショックアブソーバ
の圧側発生減衰力に基づく支持リンクへの入力の車体横
方向への分力を利用し、この分力で前後のマウントイン
シュレータに圧縮および伸展力を加えて車体横方向に弾
性変形させつつ、これら前後のマウントインシュレータ
の弾性力差により支持リンクを車体前方向へとコンプラ
イアンスさせ、アクスルハウジングを通して後輪をトー
イン側へとコンプライアンスステアさせるようにしてい
る。
能を付与する前後のマウントインシュレータの横方向弾
性力に差を与えておくと共に、前記ショックアブソーバ
の圧側発生減衰力に基づく支持リンクへの入力の車体横
方向への分力を利用し、この分力で前後のマウントイン
シュレータに圧縮および伸展力を加えて車体横方向に弾
性変形させつつ、これら前後のマウントインシュレータ
の弾性力差により支持リンクを車体前方向へとコンプラ
イアンスさせ、アクスルハウジングを通して後輪をトー
イン側へとコンプライアンスステアさせるようにしてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来提案
されたこの種の自動車用後輪サスペンション装置にあっ
ては、前記モーメント制御および分力制御の如何を問わ
ず、ショックアブソーバの発生減衰力に基づく反力の水
平方向分力を用いて支持リンクを車体前方向へとコンプ
ライアンスさせ、この支持リンクからアクスルハウジン
グを通して後輪をトーイン側にコンプライアンスステア
させるというものである。
されたこの種の自動車用後輪サスペンション装置にあっ
ては、前記モーメント制御および分力制御の如何を問わ
ず、ショックアブソーバの発生減衰力に基づく反力の水
平方向分力を用いて支持リンクを車体前方向へとコンプ
ライアンスさせ、この支持リンクからアクスルハウジン
グを通して後輪をトーイン側にコンプライアンスステア
させるというものである。
【0007】したがって、言うまでもなく、上記ショッ
クアブソーバの圧側発生減衰力に基づく反力の水平方向
分力は、支持リンクとアクスルハウジングを通して後輪
をトーイン側にコンプライアンスステアさせるのに充分
な大きさをもつものでなければならない。
クアブソーバの圧側発生減衰力に基づく反力の水平方向
分力は、支持リンクとアクスルハウジングを通して後輪
をトーイン側にコンプライアンスステアさせるのに充分
な大きさをもつものでなければならない。
【0008】しかし、反面、ショックアブソーバの本来
の役目は、路面状況によって車体と車輪間に生じる上下
振動を制振して乗心地の向上或いは積荷の保護を図る点
にあり、その点から当該ショックアブソーバの圧側発生
減衰力特性(圧縮速度に応じた減衰力カーブ)は、車種
や車重に対応して最適値に設定してやらなければならな
い。
の役目は、路面状況によって車体と車輪間に生じる上下
振動を制振して乗心地の向上或いは積荷の保護を図る点
にあり、その点から当該ショックアブソーバの圧側発生
減衰力特性(圧縮速度に応じた減衰力カーブ)は、車種
や車重に対応して最適値に設定してやらなければならな
い。
【0009】上記2つの点を満足させる手段としては、
ショックアブソーバの圧側発生減衰力を高く設定すると
共にその取付角度を大きくとり、当該圧側発生減衰力に
基づく反力の水平方向分力を大きくしつつ垂直方向分力
は小さくして所望の圧側発生減衰力特性を確保し得るよ
うにしてやることが考えられる。
ショックアブソーバの圧側発生減衰力を高く設定すると
共にその取付角度を大きくとり、当該圧側発生減衰力に
基づく反力の水平方向分力を大きくしつつ垂直方向分力
は小さくして所望の圧側発生減衰力特性を確保し得るよ
うにしてやることが考えられる。
【0010】しかし、このようにすると、乗員や積荷の
増減による車高変化によってショックアブソーバの取付
角度が大きく変動することから、所期の取付角度範囲を
大きく逸脱してショックアブソーバ本来の最適な制振作
用を果たし得なくなるという不都合が生じる。
増減による車高変化によってショックアブソーバの取付
角度が大きく変動することから、所期の取付角度範囲を
大きく逸脱してショックアブソーバ本来の最適な制振作
用を果たし得なくなるという不都合が生じる。
【0011】そうかと言って、上記車高変化がショック
アブソーバの圧側発生減衰力特性に極力悪影響を与えな
いようにその取付角度を設定すると、もともと圧側発生
減衰力特性は、制振作用を効果的に発揮するために伸側
発生減衰力に比べてに低く設定されるのが普通であるた
め、圧側発生減衰力に基づく反力の水平方向分力が充分
にとれないことになって所期のコンプライアンスステア
を行い得なくなるという不都合を生じる。
アブソーバの圧側発生減衰力特性に極力悪影響を与えな
いようにその取付角度を設定すると、もともと圧側発生
減衰力特性は、制振作用を効果的に発揮するために伸側
発生減衰力に比べてに低く設定されるのが普通であるた
め、圧側発生減衰力に基づく反力の水平方向分力が充分
にとれないことになって所期のコンプライアンスステア
を行い得なくなるという不都合を生じる。
【0012】したがって、この発明の目的は、ショック
アブソーバの取付角度に制限を受けることなく、当該シ
ョックアブソーバの発生減衰力を利用して後輪をトーイ
ン或いはトーアウト側へと自動的にコンプライアンスス
テアさせることできるこの種自動車用後輪サスペンショ
ン装置を提供することである。
アブソーバの取付角度に制限を受けることなく、当該シ
ョックアブソーバの発生減衰力を利用して後輪をトーイ
ン或いはトーアウト側へと自動的にコンプライアンスス
テアさせることできるこの種自動車用後輪サスペンショ
ン装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的の達成のため
に、この発明にあっては、アクスルハウジングに車軸回
りの回転モーメントを加えたときに、当該回転モーメン
トの方向に対応してアクスルハウジングがトーイン或い
はトーアウト側へと自動転舵するコンプライアンス機能
を備えた後輪サスペンション装置において、アクスルハ
ウジングの車軸回転中心から前方或いは後方にオフセッ
トした部分と車体間にショックアブソーバを介装しする
ようにたのである。
に、この発明にあっては、アクスルハウジングに車軸回
りの回転モーメントを加えたときに、当該回転モーメン
トの方向に対応してアクスルハウジングがトーイン或い
はトーアウト側へと自動転舵するコンプライアンス機能
を備えた後輪サスペンション装置において、アクスルハ
ウジングの車軸回転中心から前方或いは後方にオフセッ
トした部分と車体間にショックアブソーバを介装しする
ようにたのである。
【0014】
【作用】これにより、自動車の走行中に車体にロール生
じて一方の側が沈み込むと共に他方の側が浮き上がる
と、この沈み込み側のショックアブソーバは圧縮側に動
作し、逆に、浮き上がり側のショックアブソーバは伸長
側に動作する。
じて一方の側が沈み込むと共に他方の側が浮き上がる
と、この沈み込み側のショックアブソーバは圧縮側に動
作し、逆に、浮き上がり側のショックアブソーバは伸長
側に動作する。
【0015】すると、これら各ショックアブソーバは、
それぞれの側のアクスルハウジングに対し前方或いは後
方にオフセットして連結されているため、これらショッ
クアブソーバに発生した圧側減衰力と伸側減衰力の反力
で左右のアクスルハウジングには車軸回りの互いに逆方
向の回転モーメントが発生する。
それぞれの側のアクスルハウジングに対し前方或いは後
方にオフセットして連結されているため、これらショッ
クアブソーバに発生した圧側減衰力と伸側減衰力の反力
で左右のアクスルハウジングには車軸回りの互いに逆方
向の回転モーメントが発生する。
【0016】そのため、上記回転モーメントに対応して
後輪サスペンションのコンプライアンスにより沈み込み
側の後輪はトーイン側に転舵され、また、浮き上がり側
の後輪はトーアウト側へと転舵される。
後輪サスペンションのコンプライアンスにより沈み込み
側の後輪はトーイン側に転舵され、また、浮き上がり側
の後輪はトーアウト側へと転舵される。
【0017】このように、後輪は、ショックアブソーバ
の取付角度に関係なくそれ自体の圧側および伸側発生減
衰力に基づく反力を、アクスルハウジング回りの回転モ
ーメントに変換することによってトーイン或いはトーア
ウト側へと自動的に転舵されることになる。
の取付角度に関係なくそれ自体の圧側および伸側発生減
衰力に基づく反力を、アクスルハウジング回りの回転モ
ーメントに変換することによってトーイン或いはトーア
ウト側へと自動的に転舵されることになる。
【0018】かくして、ショックアブソーバとしての本
来の制振機能を損なうことなく、車線変更等の操舵時に
前後輪操舵作用(4WS効果)を発揮して自動車の尻振
り現象を防止しつつ安定した走行を確保するばかりか、
悪路走行時における車体のローリングに対しても、それ
に対応して後輪を自動的にトーイン・トーアウト制御し
て走行安定性を確保する。
来の制振機能を損なうことなく、車線変更等の操舵時に
前後輪操舵作用(4WS効果)を発揮して自動車の尻振
り現象を防止しつつ安定した走行を確保するばかりか、
悪路走行時における車体のローリングに対しても、それ
に対応して後輪を自動的にトーイン・トーアウト制御し
て走行安定性を確保する。
【0019】
【実施例】以下、図面に基づいてこの発明を説明する
が、ここでの実施例は、ダブルトレーリングリンク式サ
スペンション装置に当該発明を実施した場合について例
示している。
が、ここでの実施例は、ダブルトレーリングリンク式サ
スペンション装置に当該発明を実施した場合について例
示している。
【0020】図1および図2において、左右の後輪1
は、ラテラルロッド2で車体9に結ばれたそれぞれのア
クスルハウジング3を介して回転自在に支持されてお
り、これらアクスルハウジング3と当該アクスルハウジ
ング3に連結した車軸4を通して回転駆動される。
は、ラテラルロッド2で車体9に結ばれたそれぞれのア
クスルハウジング3を介して回転自在に支持されてお
り、これらアクスルハウジング3と当該アクスルハウジ
ング3に連結した車軸4を通して回転駆動される。
【0021】上記アクスルハウジング3における前側の
上部内方と下部外方には、後輪1の回転中心を挟んで斜
めにオフセットした一対の支持リンクであるアッパリン
ク5とロアリンク6の先端側がそれぞれ揺動可能に連結
してあり、かつ、これらアッパリンク5とロアリンク6
の両基端部は、それぞれゴムブッシュ7,8を介して前
方側の車体9の部分に同じく揺動可能に連結してある。
上部内方と下部外方には、後輪1の回転中心を挟んで斜
めにオフセットした一対の支持リンクであるアッパリン
ク5とロアリンク6の先端側がそれぞれ揺動可能に連結
してあり、かつ、これらアッパリンク5とロアリンク6
の両基端部は、それぞれゴムブッシュ7,8を介して前
方側の車体9の部分に同じく揺動可能に連結してある。
【0022】また、アクスルハウジング3の上面とその
上方の車体9の部分との間には懸架用スプリング10が
介装してあり、かくして、左右の後輪1を車体9に対
し、アクスルハウジング3と、一対のアッパリンク5と
ロアリンク6、および懸架用スプリング10を介してそ
れぞれコンプライアンス可能に弾性支持している。
上方の車体9の部分との間には懸架用スプリング10が
介装してあり、かくして、左右の後輪1を車体9に対
し、アクスルハウジング3と、一対のアッパリンク5と
ロアリンク6、および懸架用スプリング10を介してそ
れぞれコンプライアンス可能に弾性支持している。
【0023】そして、上記構成からなるダブルトレーリ
ングリンク式サスペンション装置において、左右のアク
スルハウジング3の後ろ側からブラケット11を後方へ
と向けてそれぞれ突出させ、これらブラケット11と車
体9との間にショックアブソーバ12をアクスルハウジ
ング3からオフセットして垂直に取り付けてある。
ングリンク式サスペンション装置において、左右のアク
スルハウジング3の後ろ側からブラケット11を後方へ
と向けてそれぞれ突出させ、これらブラケット11と車
体9との間にショックアブソーバ12をアクスルハウジ
ング3からオフセットして垂直に取り付けてある。
【0024】なお、この実施例では、ショックアブソー
バ12を垂直状態にして取り付けてあるが、必ずしもそ
れに限られることはなく、当該ショックアブソーバ12
としての機能を損なわない範囲であれば何れの方向に多
少傾けて取り付けるようにしてもよい。
バ12を垂直状態にして取り付けてあるが、必ずしもそ
れに限られることはなく、当該ショックアブソーバ12
としての機能を損なわない範囲であれば何れの方向に多
少傾けて取り付けるようにしてもよい。
【0025】前記構成の後輪サスペンション装置によれ
ば、自動車が旋回を開始するとロールモーメントによっ
て車体9が外側へと傾き、この旋回方向外側(以下、単
に外側という)の後輪1と車体9間に介装したショック
アブソーバ12は圧縮側に動作し、逆に、旋回方向内側
(以下、単に内側という)の後輪1と車体9間に介装し
たショックアブソーバ12は伸長側に動作する。
ば、自動車が旋回を開始するとロールモーメントによっ
て車体9が外側へと傾き、この旋回方向外側(以下、単
に外側という)の後輪1と車体9間に介装したショック
アブソーバ12は圧縮側に動作し、逆に、旋回方向内側
(以下、単に内側という)の後輪1と車体9間に介装し
たショックアブソーバ12は伸長側に動作する。
【0026】これにより、外側のショックアブソーバ1
2は、車体9のロール速度に対応した圧側減衰力を発生
してその下向き反力Fcをアクスルハウジング3におけ
るブラケット11の先端に加え、また、内側のアクスル
ハウジング3におけるブラケット11の先端には、車体
9のロール速度に対応したショックアブソーバ12の伸
側減衰力による上向き反力Ftが作用する。
2は、車体9のロール速度に対応した圧側減衰力を発生
してその下向き反力Fcをアクスルハウジング3におけ
るブラケット11の先端に加え、また、内側のアクスル
ハウジング3におけるブラケット11の先端には、車体
9のロール速度に対応したショックアブソーバ12の伸
側減衰力による上向き反力Ftが作用する。
【0027】この下向き反力Fcと上向き反力Ftは、
ショックアブソーバ12がアクスルハウジング3に対し
後方にオフセットして取り付けられているため、このオ
フセット量rに対応して外側のアクスルハウジング3に
は後輪1の回転方向と逆回りの回転モーメント「Mo=
r×Fc」を、内側のアクスルハウジング3には後輪1
の回転方向と同じ方向の回転モーメント「Mi=r×F
t」を加える。
ショックアブソーバ12がアクスルハウジング3に対し
後方にオフセットして取り付けられているため、このオ
フセット量rに対応して外側のアクスルハウジング3に
は後輪1の回転方向と逆回りの回転モーメント「Mo=
r×Fc」を、内側のアクスルハウジング3には後輪1
の回転方向と同じ方向の回転モーメント「Mi=r×F
t」を加える。
【0028】一方、左右のアクスルハウジング3は、後
輪1の回転中心を挟んで縦方向にオフセット量m,横方
向にはオフセット量nをもって斜めにオフセット連結し
たアッパリンク5とロアリンク6によって車体9に結ば
れている。
輪1の回転中心を挟んで縦方向にオフセット量m,横方
向にはオフセット量nをもって斜めにオフセット連結し
たアッパリンク5とロアリンク6によって車体9に結ば
れている。
【0029】そのため、外側のアクスルハウジング3に
あっては、上記後輪1の回転方向と逆回りの回転モーメ
ントMoによりアッパリング5の連結点aに後ろ向きの
力Pが、また、ロアリンク6の連結点bには前向きの力
Qが作用し、逆に内側のアクスルハウジング3にあって
は、上記回転モーメントMiによりアッパリング5の連
結点aに前向きの力Qが、また、ロアリンク6の連結点
bには後ろ向きの力Pが作用する。
あっては、上記後輪1の回転方向と逆回りの回転モーメ
ントMoによりアッパリング5の連結点aに後ろ向きの
力Pが、また、ロアリンク6の連結点bには前向きの力
Qが作用し、逆に内側のアクスルハウジング3にあって
は、上記回転モーメントMiによりアッパリング5の連
結点aに前向きの力Qが、また、ロアリンク6の連結点
bには後ろ向きの力Pが作用する。
【0030】これにより、上記後ろ向きの力Pと前向き
の力Qとによって、左右のアクスルハウジング3には上
からみて同じ時計回り方向のモーメントMが作用し、車
体9に対するアッパリンク5とロアリンク6の支持点
a,b,c,dに介装したゴムブッシュ7,8のコンプ
ライアンスにより、外側の後輪1はトーイン側にまた内
側の後輪1は逆にトーアウト側へと転舵される。
の力Qとによって、左右のアクスルハウジング3には上
からみて同じ時計回り方向のモーメントMが作用し、車
体9に対するアッパリンク5とロアリンク6の支持点
a,b,c,dに介装したゴムブッシュ7,8のコンプ
ライアンスにより、外側の後輪1はトーイン側にまた内
側の後輪1は逆にトーアウト側へと転舵される。
【0031】このように、後輪1は、ショックアブソー
バ12の取付角度に関係なくそれ自体の圧側および伸側
発生減衰力に基づく反力Fc,Ftをアクスルハウジン
グ3の車軸4回りの回転モーメントMo,Miに変換し
たのち、さらに、これをコンプライアンス機能をもつア
ッパリンク5とロアリンク6でアクスルハウジング3回
りの水平方向の回転モーメントMに変換することによっ
てトーイン或いはトーアウト側へと自動的に転舵される
ことになる。
バ12の取付角度に関係なくそれ自体の圧側および伸側
発生減衰力に基づく反力Fc,Ftをアクスルハウジン
グ3の車軸4回りの回転モーメントMo,Miに変換し
たのち、さらに、これをコンプライアンス機能をもつア
ッパリンク5とロアリンク6でアクスルハウジング3回
りの水平方向の回転モーメントMに変換することによっ
てトーイン或いはトーアウト側へと自動的に転舵される
ことになる。
【0032】かくして、ショックアブソーバ12として
の本来の制振機能を全く損なうことなく、車線変更等の
操舵時に前後輪操舵作用(4WS効果)を発揮して自動
車の尻振り現象を防止しつつ安定した走行を確保するば
かりか、悪路走行時における車体のローリングに対して
も、それに対応して後輪を自動的にトーイン・トーアウ
ト制御して走行安定性を確保する。
の本来の制振機能を全く損なうことなく、車線変更等の
操舵時に前後輪操舵作用(4WS効果)を発揮して自動
車の尻振り現象を防止しつつ安定した走行を確保するば
かりか、悪路走行時における車体のローリングに対して
も、それに対応して後輪を自動的にトーイン・トーアウ
ト制御して走行安定性を確保する。
【0033】なお、上記実施例では、ショックアブソー
バ12をアクスルハウジング3の後方にオフセットして
取り付けたが、アッパリンク5を外側にかつロアリンク
6を内側にしてレイアウトすることにより、当該ショッ
クアブソーバ12の取り付けを逆にアクスルハウジング
3の前方側として同様の作用を行わせ得ることは先の説
明に基づいて明らかである。
バ12をアクスルハウジング3の後方にオフセットして
取り付けたが、アッパリンク5を外側にかつロアリンク
6を内側にしてレイアウトすることにより、当該ショッ
クアブソーバ12の取り付けを逆にアクスルハウジング
3の前方側として同様の作用を行わせ得ることは先の説
明に基づいて明らかである。
【0034】また、以上の実施例にあっては、ダブルト
レーリングリンク式の後輪サスペンション装置にこの発
明を実施した場合を例にとって説明してきたが、例え
ば、ダブルウィッシュボーン式やマルチリンク式のよう
に、アクスルハウジングをアッパとロアの上下2つのリ
ンク部材で車体に揺動可能に支持する後輪サスペンショ
ン装置であれば、他の公知の後輪サスペンション装置で
あってもこの発明を適用し得ることは言うまでもない。
レーリングリンク式の後輪サスペンション装置にこの発
明を実施した場合を例にとって説明してきたが、例え
ば、ダブルウィッシュボーン式やマルチリンク式のよう
に、アクスルハウジングをアッパとロアの上下2つのリ
ンク部材で車体に揺動可能に支持する後輪サスペンショ
ン装置であれば、他の公知の後輪サスペンション装置で
あってもこの発明を適用し得ることは言うまでもない。
【0035】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、ショックアブソーバの取付角度に制限を受けること
なく、当該ショックアブソーバの発生減衰力を利用して
後輪をトーイン或いはトーアウト側へと自動的にコンプ
ライアンスステアさせることできる。
ば、ショックアブソーバの取付角度に制限を受けること
なく、当該ショックアブソーバの発生減衰力を利用して
後輪をトーイン或いはトーアウト側へと自動的にコンプ
ライアンスステアさせることできる。
【0036】したがって、ショックアブソーバを垂直或
いはそれに近い取付角度で用いることができるので、当
該ショックアブソーバの本来の機能である制振機能を損
なうことなく、かつ、その発生減衰力を充分に利用して
コンプライアンスによる転舵角を大きく設定し、4WS
効果や悪路走行時における走行安定性を充分に引き出す
ことが可能になる。
いはそれに近い取付角度で用いることができるので、当
該ショックアブソーバの本来の機能である制振機能を損
なうことなく、かつ、その発生減衰力を充分に利用して
コンプライアンスによる転舵角を大きく設定し、4WS
効果や悪路走行時における走行安定性を充分に引き出す
ことが可能になる。
【0037】また、請求項2の発明によれば、アッパリ
ンクとロアリンクの取り付け位置を斜めにオフセットし
たダブルトレーリングリンク式サスペンション装置にこ
の発明を適用して上記の効果を達成することができる。
ンクとロアリンクの取り付け位置を斜めにオフセットし
たダブルトレーリングリンク式サスペンション装置にこ
の発明を適用して上記の効果を達成することができる。
【図1】この発明をダブルトレーリングリンク式の後輪
サスペンション装置に適用した場合の実施例を示す側面
図である。
サスペンション装置に適用した場合の実施例を示す側面
図である。
【図2】同上平面図である。
3 アクスルハウジング 4 車軸 5 アッパリンク 6 ロアリンク 7,8 ゴムブッシュ 12 ショックアブソーバ
Claims (2)
- 【請求項1】 アクスルハウジングに車軸回りの回転モ
ーメントを加えたときに、当該回転モーメントの方向に
対応してアクスルハウジングがトーイン或いはトーアウ
ト側へと自動転舵するコンプライアンス機能を備えた後
輪サスペンション装置において、アクスルハウジングの
車軸回転中心から前方或いは後方にオフセットした部分
と車体間にショックアブソーバを介装したことを特徴と
する自動車用後輪サスペンション装置。 - 【請求項2】 上下2つのリンク部材をアクスルハウジ
ングへと車軸を挟んで斜めにオフセットして連結し、こ
れらリンク部材を介して当該アクスルハウジングを車体
に対しコンプライアンス可能に揺動支持した後輪サスペ
ンション装置において、アクスルハウジングの車軸回転
中心から前方或いは後方にオフセットした部分と車体間
にショックアブソーバを介装したことを特徴とする自動
車用後輪サスペンション装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9197993A JPH06278434A (ja) | 1993-03-26 | 1993-03-26 | 自動車用後輪サスペンション装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9197993A JPH06278434A (ja) | 1993-03-26 | 1993-03-26 | 自動車用後輪サスペンション装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06278434A true JPH06278434A (ja) | 1994-10-04 |
Family
ID=14041624
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9197993A Pending JPH06278434A (ja) | 1993-03-26 | 1993-03-26 | 自動車用後輪サスペンション装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06278434A (ja) |
-
1993
- 1993-03-26 JP JP9197993A patent/JPH06278434A/ja active Pending
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