JPH0627842U - エレベータ電磁ブレーキの動作状態検出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 可動鉄心の吸引、釈放時の移動状態測定を簡
便に行なえるとともに、安価なエレベータ電磁ブレーキ
の動作状態検出装置の提供。 【構成】 可動鉄心６の釈放最終位置に取付けた接触お
よび離れると信号を出力する第１の接触センサ２１と、
レバー１０が可動鉄心６で押される最終位置に取付けた
接触および離れると信号を出力する第２の接触センサ２
２と、第１の接触センサ２１と第２の接触センサ２２の
出力信号の入力間隔時限を計測する時限装置２３とを備
えた構成である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はエレベータ電磁ブレーキの動作状態検出装置に係り、特に可動鉄心の 吸引および釈放時限を計測するエレベータ電磁ブレーキの動作状態検出装置に関 する。

【０００２】

【従来の技術】

エレベータには、停止した状態を維持するための電動機に連結されているブレ ーキドラムを挟持するブレーキシューを有するアームがあり、このアームの上部 には、停止時、ブレーキドラムをブレーキシューが挟持してこれによって、所定 の制動力をブレーキドラムに付与する制動ばねが設けられていて、エレベータが 稼働する時は、制動ばねの作用によりアームに加わりブレーキドラムに付与され ている制動力を開放する方向にアームを作動させる電磁装置から成る電磁ブレー キが設けられている。

【０００３】 またエレベータの性能を維持するために、定期的に保守会社の保守作業員によ って、各種機器の状態の点検が行なわれ、この点検作業の一つの項目として、電 流コイル、固定鉄心、可動鉄心から構成される電磁装置の可動鉄心の可動状態を 測定する電磁ブレーキの動作特性の測定があり、特公平２−６４３７号公報に記 載のエレベータの電磁ブレーキの動作状態検出装置が挙げられる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来技術の装置は、非接触式の変位検出器と、電流検出器と、マイクロコ ンピュータ等により構成されており、可動鉄心の移動状態測定を行なうための装 置としては高価なものとなり、エレベータ１台毎に設置することは、保守経費が 増大するので実用的でない。

【０００５】 また上記従来技術の装置で電磁ブレーキの動作特性を用い高精度測定を行なう 場合は、電磁ブレーキを分解整備した時や電磁ブレーキの動作に異常があると判 断されたとき等であり、通常の保守作業では必要がない。

【０００６】 本考案の目的は、可動鉄心の吸引、釈放時の移動状態測定を簡便に行なえると ともに、安価なエレベータ電磁ブレーキの動作状態検出装置を提供することにあ る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案は、ブレーキシューを着装したアームは、 ばねによって前記ブレーキシューに対し動作押圧力を発生するとともに、電磁コ イル、固定鉄心、可動鉄心で構成される電磁装置の可動鉄心の吸引で押されるレ バーを介して前記アームを開閉させる電磁ブレーキの可動鉄心の動作特性を測定 するエレベータ電磁ブレーキの動作状態検出装置において、前記可動鉄心の釈放 最終位置に取付けた、接触および離れると信号を出力する第１の接触センサと、 前記レバーが前記可動鉄心で押される最終位置に取付けた接触および離れると信 号を出力する第２の接触センサと、前記第１の接触センサと前記第２の接触セン サの出力信号の入力間隔時限を計測する時限装置とを備えたものである。

【０００８】

【作用】

このように構成されているので、第１の接触センサおよび第２の接触センサで 出力される信号の入力時限を時限装置が計測し、可動鉄心の吸引時限および釈放 時限として測定するので、保守作業員はその測定時限から電磁ブレーキの動作状 態の良否が判定できるので、安価な装置で簡便に電磁ブレーキの動作状態が測定 できる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図に基づいて説明する。

【００１０】 図において、ブレーキドラム１の外周面にブレーキライニング２がブレーキシ ュー３を介してアーム４の内側に固定されている。アーム４の上部にロッド５ａ に挿入されて制動ばね５が取付けてあり、制動ばね５の圧力はアーム４、ブレー キシュー３、ブレーキライニング２を介してブレーキドラム１の外周面に伝達さ れブレーキドラム１に制動力が付与される。また、ブレーキドラム１の上部に電 磁石２０が設けられ、電磁石２０の可動鉄心６が固定鉄心７に吸引され、押し下 げロッド８が押し棒９に接触しているレバー１０を押し下げることにより制動力 を開放する。ここで、可動鉄心６が接触したとき、および離れたときそれぞれ信 号を出力する第１の接触センサ２１は、可動鉄心６の釈放端部の位置に、可動鉄 心６の上部ブラケット１２に取付ける。また、レバー１０が接触したとき、およ び、離れたときそれぞれ信号を出力する第２の接触センサ２２は、レバー１０が 押し棒９に押し下げられる端部の位置に、ロッド５ａに取付けられる。

【００１１】 また、第１の接触センサ２１と第２の接触センサ２２は、１番目の信号が入力 されると起動し、２番目の信号が入力されると停止し、その信号間隔の時限を計 測する時限装置２３に接続されている。

【００１２】 次に動作の説明を行なう。

【００１３】 まず、可動鉄心６を吸引させると、第１の接触センサ１から可動鉄心６が離れ 、信号が時限装置２３に入力されて時限装置２３は時限を計数し始める。次に可 動鉄心６が吸引を終了すると、第２の接触センサにロッド１０が接触し、信号が 時限装置２３に入力され時限装置２３の時限計測は停止して、表示部２３ａに吸 引時限を表示する。また可動鉄心６の釈放時も時限装置２３へ入力する信号が第 ２の接触センサ信号から第１の接触センサ信号の値となるだけであるので説明は 省略する。

【００１４】 このように、表示部２３ａに表示された吸引、および釈放時限から、設計で定 めた基準となる時限と比べて保守員は電磁ブレーキの動作状態の良否が判定でき る。

【００１５】

【考案の効果】

本考案によれば、第１の接触センサおよび第２の接触センサで出力される信号 の入力時限装置が計測し、可動鉄心の吸引時限および釈放時限として測定するの で、保守作業員はその測定時限から電磁ブレーキの動作状態の良否が判定できる ので、安価な装置で簡便に電磁ブレーキの動作状態が測定できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す要部構成図である。

【符号の説明】

５ａ ロッド ６ 可動鉄心 １０ レバー １２ ブラケット ２１ 第１の接触センサ ２２ 第２の接触センサ ２３ 時限装置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ブレーキシューを着装したアームは、ば
   ねによって前記ブレーキシューに対し動作押圧力を発生
   するとともに、電磁コイル、固定鉄心、可動鉄心で構成
   される電磁装置の可動鉄心の吸引で押されるレバーを介
   して前記アームを開閉させる電磁ブレーキの可動鉄心の
   動作特性を測定するエレベータ電磁ブレーキの動作状態
   検出装置において、前記可動鉄心の釈放最終位置に取付
   けた、接触および離れると信号を出力する第１の接触セ
   ンサと、前記レバーが前記可動鉄心で押される最終位置
   に取付けた接触および離れると信号を出力する第２の接
   触センサと、前記第１の接触センサと前記第２の接触セ
   ンサの出力信号の入力間隔時限を計測する時限装置とを
   備えたことを特徴とするエレベータ電磁ブレーキの動作
   状態検出装置。