JPH06277702A - プレス成形性に優れたステンレス冷間圧延鋼帯およびその製造方法 - Google Patents

プレス成形性に優れたステンレス冷間圧延鋼帯およびその製造方法

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JPH06277702A
JPH06277702A JP8953493A JP8953493A JPH06277702A JP H06277702 A JPH06277702 A JP H06277702A JP 8953493 A JP8953493 A JP 8953493A JP 8953493 A JP8953493 A JP 8953493A JP H06277702 A JPH06277702 A JP H06277702A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面形態の調整により、優れたプレス成形性
を有するステンレス冷延鋼板およびその製造方法を提供
する。 【構成】 深さ3μm 以上10μm 以下、圧延方向又は
圧延直角方向の最大長さ20μm 以上120μm 以下の
表面凹みを面積率で10%以上50%以下の割合で有
し、且つ表面粗さ測定値PVOC(2.0)が100以上
800以下であるプレス成形性に優れたステンレス冷間
圧延鋼板。 PVOC(2.0):表面粗さ断面の谷の中で平均線より
2.0μm 以上の深さを有する谷の1inch当たりの数(単
位:個/inch)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プレス成形性に優れた
ステンレス冷間圧延鋼帯およびその製造方法に関するも
ので、表面形態の調整により、優れたプレス成形性を有
するステンレス冷間圧延鋼帯ならびにその製造方法を提
供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】ステンレス冷延鋼板は、耐食性、耐高温
酸化性、高温強度や表面の美麗さに優れていることか
ら、建築内外装材、熱交換器管、自動車の排気管系、食
器・料理器具類など様々な用途に幅広く利用されてい
る。このため、種々のプレス成形を受けることが多く、
プレス成形性に優れたステンレス冷間圧延鋼帯の開発が
数多くなされているが、その大部分は、一般的に成分や
製造条件により金属組織や集合組織を制御してプレス成
形性を向上させるものである。
【0003】前記したプレス成形は被成形物と治具との
潤滑条件の影響を大きく受けるため、被成形物の表面は
プレス成形性を決める大きな因子のひとつである。ステ
ンレス冷間圧延鋼帯の表面とプレス成形性の関係につい
ては、「鉄と鋼」誌63(1977)の812〜823
頁に述べられているように、表面粗さにより潤滑条件が
変化し、ある特定の粗さで成形性が向上することが知ら
れている。
【0004】また、ステンレス冷間圧延鋼帯の表面形態
については、近年、大径のワークロールを有するタンデ
ム型冷間圧延機の利用が検討されることに伴い、その調
査が行われ始めている。これは、従来の小径のワークロ
ールを有するリバース型冷間圧延機に比べ、大径のワー
クロールを有する例えばタンデム型冷間圧延機は、生産
性は優れているものの、製品であるステンレス冷間圧延
鋼帯の表面が粗く、光沢も乏しくて美麗さが著しく劣る
ため、その改善の必要が生じたからである。
【0005】上記した表面の美麗さ劣化の原因は、「材
料とプロセス」誌4(1991)の492〜494頁お
よび1585頁に述べられているように、大径ロールを
用いた高速圧延では多量の圧延油を引込むため、表面に
凹部分が生成しやすいからであり、このため、表面光沢
を確保する方法としては、例えば特公平2−14122 では
前段を大径ロールで圧延し、後段では前段より小径ロー
ルで圧延する方法が開示されている。また、特開平1−
122604では圧下率5%以下の無潤滑圧延を行なった後、
少なくとも最終パスのワークロール径を400mm以下の
タンデム型冷間圧延機にて冷間圧延する方法が開示され
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した「鉄と鋼」誌
のように、従来の表面を調整してプレス成形性を向上さ
せる方法では、表面の条件を粗さのみで規定している場
合がほとんどである。しかし、例えば表面の粗さ曲線が
異なる場合でも、中心線平均粗さRaが同じ値を示すこと
があるように、表面粗さはステンレス表面の潤滑条件を
一義的に決定するものではなく、ステンレス冷間圧延鋼
帯の表面形態で潤滑条件を考える必要がある。更に、同
誌にはプレス成形性に優れた表面を得るための、工業的
に有利な方法については何も明らかにされていない。
【0007】また前述したように、タンデム型冷間圧延
機にて冷間圧延を行ったステンレス冷間圧延鋼帯の表面
に形成される凹部分は、表面の美麗さにとり有害である
ため、その削減にのみ注意が払われていた。したがっ
て、その表面形態を積極的に制御して、表面の美麗さを
損なうことなくプレス成形性を向上させた製品は開発さ
れておらず、また生産性に優れた製造方法も確立されて
いない。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記したような
従来技術における課題を解消することについて検討を重
ねた結果、生産性において好ましい方法としてのタンデ
ム型冷間圧延機によるステンレス冷間圧延鋼帯表面に形
成される凹部分はプレス成形時に摺動面に対し潤滑油の
供給源となることに着目した。即ち、ステンレス冷間圧
延鋼帯の表面形態を種々調整し、鋼板表面の観察とプレ
ス成形試験を繰り返し実施した結果、従来全く知られて
いなかった知見として、凹部分の深さ、大きさ、密度、
分布を適正化することにより、ステンレス冷間圧延鋼帯
のプレス成形性が向上することを初めて見出したもので
あって、以下の如くである。
【0009】 深さが3μm 以上10μm 以下であり
圧延方向または圧延直角方向の最大長さが20μm 以上
120μm 以下である表面の凹みを面積率にして10%
以上50%以下の割合で有し、かつ下記に示す表面粗さ
の測定値PVOC(2.0)が100以上800以下であ
ることを特徴とするプレス成形性に優れたステンレス冷
間圧延鋼帯。
【0010】
【数3】 PVOC(2.0):表面粗さ断面曲線の谷のなかで、平均
線より2.0μm 以上の深さを有する谷の1inch当たりの
数。(単位;個/inch)
【0011】 下記する表面粗さの測定値PVOC
(10.0)が10以上60以下である冷間圧延用ステン
レス鋼帯を、少なくとも第1スタンドのワークロールが
直径400mm以上のタンデム型冷間圧延機により冷間圧
延し、最終焼鈍・酸洗および場合により調質圧延をする
ことを特徴とするプレス成形性に優れたステンレス冷間
圧延鋼帯の製造方法。
【0012】
【数4】 PVOC(10.0):表面粗さ断面曲線の谷のなかで、
平均線より10.0μm以上の深さを有する谷の1inch当
たりの数。(単位;個/inch)
【0013】なお本発明特許請求の範囲第1項における
表面形態の調整は、冷間圧延前の圧延原板の表面形態を
変化させて冷間圧延したり、冷間圧延時のワークロール
径を変化させたり、冷間圧延鋼板を表面形態を変化させ
たワークロールにより調質圧延したり、冷間圧延鋼板に
ショットブラストを投射したり、冷間圧延鋼板の表面を
酸により侵食したり、冷間圧延鋼板の表面を研磨・研削
したりすること等により実施できる。
【0014】
【作用】上記のように本発明においては表面の凹み深さ
を3μm 以上10μm 以下とするもので、表面の凹みの
深さは、3μm 未満だと十分な量の潤滑油を保持できな
いため、プレス成形性は向上しない。一方、その深さが
10μm を超えるとその効果が飽和し、しかも10μm
を超える深さの凹みを鋼板に付与することは著しく困難
となる。従って、表面の凹みの深さを3μm 以上10μ
m 以下の範囲とする。
【0015】また本発明では、表面の凹みの圧延方向ま
たは圧延直角方向の最大長さ;20μm 以上120μm
以下とするもので、表面の凹みの圧延方向または圧延直
角方向の最大長さは、20μm 未満だと十分な量の潤滑
油を保持できないため、プレス成形性は向上しない。ま
た、その最大長さが120μm を超えると潤滑油の分布
が不均一となりプレス成形性は低下する。従って、表面
の凹みの圧延方向または圧延直角方向の最大長さを20
μm 以上120μm 以下の範囲として潤滑油の保持と分
布を適切化する。
【0016】更に上記したような要件を満足する表面凹
みの面積率は10〜50%とするものであるが、このよ
うな表面における凹みの面積率は10%未満だと充分な
量の潤滑油を保持できないため、プレス成形性は向上し
ない。また、その面積率が50%を超えると鋼板平坦部
とダイスとの接触面圧が高くなるため、プレス成形性は
向上しない。つまり、深さが3μm 以上10μm 以下で
あり、圧延方向または圧延直角方向の最大長さが20μ
m 以上120μm 以下である表面の凹みの面積率を10
%以上50%以下の範囲とすることにより好ましい製品
を得しめる。
【0017】また本発明は、ステンレス冷間圧延鋼帯の
表面粗さの測定値PVOC(2.0)を100以上800
以下とするもので、表面粗さの測定値PVOC(2.0)
は、100未満であると上記したような要件を満たす表
面の凹みが疎であることを示し、また800を超えると
その表面の凹みが密であることを示す。すなわち、PV
OC(2.0)が100未満あるいは800を超えること
は表面の凹みの分布に片寄りがあることを意味し、その
時は均一なプレス成形性向上の効果は得られない。従っ
て、表面粗さの測定値PVOC(2.0)を100以上8
00以下の範囲とした。
【0018】更に付け加えるならば、個々の凹部分の配
列は、特に規定していないが、ランダムであることが望
ましい。もし、個々の凹部分が規則性をもって配列して
いたならば、各凹部分の平均間隔が方向により異なるた
め、プレス成形時にはしゅう動方向により潤滑条件が変
化し、均一なプレス成形が行えない可能性があるからで
ある。例えば、個々の凹部分が碁盤目状に配列している
場合、碁盤目の対角線上の間隔と梁線上の間隔は異なる
ため、プレス成形異方性の原因となる可能性がある。従
って、本発明では、凹部分の配列はランダムであること
が望ましく、このためPVOC(2.0)の測定では、測
定場所および測定方向を特に定めるものではない。
【0019】次に本発明においては生産性および成形性
・機械的性質・表面性状等の特性に優れた鋼製造法とし
て、上記した表面凹部分の形態は、主に冷間圧延前の圧
延原板の表面形態と冷間圧延時のワークロール径との調
整により、その制御を効率よく行なうことができること
を発見した。即ち、冷間圧延前の圧延原板の表面形態と
してPVOC(10.0)を種々の方法で変化させた後、
また種々のワークロール径の冷間圧延機により冷間圧延
を行なってステンレス冷間圧延鋼帯を製造し、その表面
を観察して適正な凹部分の形態が得られる条件を見いだ
した。
【0020】先ず、冷間圧延原板となる例えばステンレ
ス熱間圧延・焼鈍・酸洗を経由した鋼帯の表面形態は、
冷間圧延後の表面形態を決める因子であり、鋼帯の表面
粗さの測定値PVOC(10.0)を、10以上60以下
とするものである。冷間圧延原板の表面粗さの測定値P
VOC(10.0)が10未満では表面が平滑なため、冷
間圧延後に本発明範囲の表面形態を得ることはできな
い。また、PVOC(10.0)が60を超えても冷間圧
延後に本発明範囲の表面形態を得られるがその効果が飽
和し、しかも製造が著しく困難となる。従って、表面粗
さの測定値PVOC(10.0)を10以上60以下の範
囲とする。
【0021】また、冷間圧延時のワークロール径は本発
明の重要な構成因子であり、本発明においては、タンデ
ム型冷間圧延機の少なくとも第1スタンドのワークロー
ルの直径を400mm以上とするものである。ワークロー
ル径が400mm未満では、冷間圧延原板の調整を行なっ
ても冷間圧延後に目的の表面形態を得られない。また、
冷間圧延後の表面形態は冷間圧延初期に形成される凹み
の形態の影響を大きく受けるため、タンデム型冷間圧延
時の第1スタンドでは必ず直径400mm以上のワークロ
ールを使用する必要がある。しかし、少なくとも第1ス
タンドで直径400mm以上のワークロールを用いれば目
的の表面形態の製造は可能であり、全スタンドのワーク
ロール径を規定する必要はなく、第2スタンド以降に直
径400mm未満のワークロールを用いても本発明の作用
は損なわれない。従って、少なくともタンデム型冷間圧
延機の第1スタンドのワークロールの直径を400mm以
上の範囲とする。
【0022】
【実施例】上記したような本発明によるものの仔細を説
明すると、図1は、SUS304, 板厚1.0mmについて
プレス成形性におよぼす表面の凹部分の密度と分布、す
なわち凹部面積率ならびにPVOC(2.0)の影響を示
したものである。ここでプレス成形性はブランク径11
0mm, ポンチ径50mmには円筒深絞り試験を行い、その
限界成形高さで評価したものであり、凹部面積率は鋼板
表面の光学顕微鏡像を画像解析処理を行なうことにより
測定したものである。同図に示されるように、◎は成形
性が非常に優れることを、○は成形性に優れることを、
×は成形性に劣ることを示す。また、記号右下の数字は
円筒深絞り試験の限界成形高さであり、この値が高いほ
ど成形性が良好であることを示す。なお、この時の凹部
深さは4〜6μm 、凹部の圧延方向または圧延垂直方向
の最大長さ(以下最大長さと呼ぶ)は50〜70μm で
ある。
【0023】上記した図1によれば、深さが3μm 以上
10μm 以下であり、最大長さが20μm 以上120μ
m 以下である凹部分の面積率(以下、有効面積率と呼
ぶ)が10%以上50%以下の範囲にあり、かつPVO
C(2.0)を100以上800以下の範囲に制御するこ
とにより、プレス成形性が大幅に向上することがわか
る。これは、この凹部分がプレス成形時に潤滑油のミク
ロ的な供給源となり、この密度と分布の時に継続的かつ
均一に潤滑油が供給されるためと考えられる。
【0024】次の図2は、SUS304, 板厚1.0mmに
ついてプレス成形性におよぼす表面の凹部分の形状、す
なわち凹部分の深さならびに最大長さの影響を示したも
のである。ここでプレス成形性は図1の場合と同様の手
法で評価した。また、深さは光学顕微鏡機能を有する3
次元粗さ計により測定し、最大長さは鋼板表面の光学顕
微鏡像を画像解析処理を行なうことにより測定したもの
である。同図に示されるように、◎は成形性が非常に優
れることを、○は成形性に優れることを、×は成形性に
劣ることを示す。また、記号右下の数字は円筒深絞り試
験の限界成形高さであり、この値が高いほど成形性が良
好であることを示す。なお、この時の全部の凹部面積率
は30〜40%、PVOC(2.0)は150〜500で
ある。
【0025】図2によれば、表面の凹部分の深さが3μ
m 以上10μm 以下であり、最大長さが20μm 以上1
20μm 以下の場合に、優れたプレス成形性が得られる
ことがわかる。これは、このような形状であれば十分な
量の潤滑油を保持でき、また潤滑油の供給が均一に行な
われるためと考えられる。
【0026】然して本発明では製造方法として前記した
ように表面粗さの測定値PVOC(10.0)が10以上
60以下に調整したステンレス鋼の熱間圧延・焼鈍酸洗
鋼帯を冷間圧延原板とし、少なくとも第1スタンドのワ
ークロールが直径400mm以上のタンデム型冷間圧延機
により冷間圧延することにより、プレス成形性に適正な
表面形態が得られることを見出した。ここでPVOC
(10.0)は、表面粗さ断面曲線の谷のなかで、平均線
より10.0μm 以上の深さを有する谷の1inch当たりの
数である。
【0027】冷間圧延原板の表面形態の調整は、ステン
レス鋼の熱間圧延・焼鈍酸洗鋼帯を研削・研磨したり、
表面形態を種々調整したワークロールにより無潤滑圧延
したり、またステンレス熱間圧延鋼帯の焼鈍酸洗工程の
前後またはその途中に、ショットを種々の条件で投射し
たりすること等により行なったが、いずれも同様の結果
が得られており、特に冷間圧延原板の表面形態調整方法
を限定するものではない。
【0028】図3には、表面凹部分の形態におよぼす冷
間圧延前の圧延原板のPVOC(10.0)ならびに冷間
圧延時のワークロール径の影響を示した。ここで表面凹
部分の形態は、その深さ、最大長さ、有効面積率および
PVOC(2.0)により代表させている。同図に示され
るように、○の範囲では、深さ、最大長さ、有効面積率
およびPVOC(2.0)が特許請求範囲第1項を満た
し、プレス成形性に適した表面凹部分の形態が得られ
る。また、×の範囲では、プレス成形性に適した凹部分
の形態が得られないことを示す。
【0029】図3によれば、本発明による製造法の好ま
しい冷間圧延前の圧延原板のPVOC(10.0)を10
以上60以下の範囲にかつ冷間圧延時のワークロール径
を400mm以上の範囲に制御することにより、プレス成
形性に優れる表面凹部分の形態を得られることがわか
る。これは、ワークロール径が小さいと冷間圧延時に圧
延油の引込量が少なくなり、ワークロールとストリップ
が容易に接触して、表面の凹みが平滑化されるためであ
る。
【0030】本発明による具体的な製造例について以下
に説明すると、先ず次の表1には本発明で用いたステン
レス冷間圧延鋼帯の鋼種について示すが、用いた鋼種は
オーステナイト系3種類、フェライト系2種類の計5種
類である。
【0031】
【表1】
【0032】また次の表2,表3,表4および表5に
は、前記した表1に示した各鋼種のステンレス冷間圧延
鋼板について、その表面の凹部分の深さおよび圧延方向
または圧延垂直方向の最大長さおよび面積率、ならびに
その表面粗さの測定値PVOC(2.0)に対するプレス
成形性の優劣について示したものである。ここで、表面
の凹部分の面積率は、全部の凹部分の面積率とプレス成
形性を向上させる凹部分の面積率すなわち有効面積率に
ついて示している。また、中心線平均粗さRa ならびに
表面形態の製造方法についても併記した。
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】即ち前記した表2、表3、表4および表5
によれば、表面の凹部分の深さが3μm 以上10μm 以
下であり圧延方向または圧延直角方向の最大長さが20
μm以上120μm 以下であり、かつその表面の凹部分
の有効面積率が10%以上50%以下であり、かつ表面
粗さの測定値PVOC(2.0)が100以上800以下
で優れたプレス成形性を示すことがわかる。また、製造
方法は関係無い。さらに、表面の凹部分の深さが4μm
以上8μm 以下であり圧延方向または圧延直角方向の最
大長さが30μm 以上90μm 以下であり、かつその表
面の凹部分の有効面積率が25%以上40%以下であ
り、かつPVOC(2.0)が150以上500以下で非
常に優れたプレス成形性を示すことがわかる。また、同
表より、Ra および全凹部分面積率はプレス成形性に影
響をおよぼさないことも明かである。
【0038】次の表6、表7、表8および表9は、本発
明を高能率で達成する第2発明によるものであって、前
記した表1に示す各鋼種のステンレス冷間圧延鋼帯につ
いて、圧延原板であるステンレス熱間圧延・焼鈍酸洗鋼
帯の表面粗さの測定値PVOC(10.0)およびタンデ
ム型冷間圧延機の各スタンドのワークロール径を変化さ
せた場合に、冷間圧延により形成される表面の凹部分の
形態ならびにそのプレス成形性について示したものであ
る。また、全冷間圧延率に占める直径400mm以上のワ
ークロールによる圧延の割合および400mm未満のワー
クロール径による圧延率の割合、ならびに調質圧延の有
無についても併記する。
【0039】
【表6】
【0040】
【表7】
【0041】
【表8】
【0042】
【表9】
【0043】上記した表6,表7,表8および表9によ
れば、表面粗さの測定値PVOC(10.0)が10以上
60以下であるステンレス鋼の熱間圧延・焼鈍・酸洗を
経た鋼帯を、少なくとも第1スタンドのワークロールが
直径400mm以上のタンデム型冷間圧延機により冷間圧
延することにより、プレス成形性に適正な表面の凹部分
の形態が得られ、優れたプレス成形性を示すことがわか
る。またこれらの表により、調質圧延はプレス成形性に
影響をおよばさないことがわかる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したような本発明によるとき
は、プレス成形性に卓越したステンレス冷間圧延鋼帯お
よびその好ましい製造法を提供することができるもので
あって、工業的にその効果の大きい発明がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】プレス成形性におよぼす表面の凹部面積率なら
びにPVOC(2.0)の影響を示した図表である。
【図2】同じくプレス成形性におよぼす表面の凹み形
状、すなわち凹部分の深さならびに最大長さの影響を示
した図表である。
【図3】ステンレス冷間圧延鋼帯の表面凹部分の形態に
およぼす冷間圧延前の圧延原板のPVOC(10.0)な
らびに冷間圧延時のワークロール径の影響を示した図表
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 隆 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 深さが3μm 以上10μm 以下であり圧
    延方向または圧延直角方向の最大長さが20μm 以上1
    20μm 以下である表面の凹みを面積率にして10%以
    上50%以下の割合で有し、かつ下記に示す表面粗さの
    測定値PVOC(2.0)が100以上800以下である
    ことを特徴とするプレス成形性に優れたステンレス冷間
    圧延鋼帯。 【数1】 PVOC(2.0):表面粗さ断面曲線の谷のなかで、平均
    線より2.0μm 以上の深さを有する谷の1inch当たりの
    数。(単位;個/inch)
  2. 【請求項2】 下記する表面粗さの測定値PVOC(1
    0.0)が10以上60以下である冷間圧延用ステンレス
    鋼帯を、少なくとも第1スタンドのワークロールが直径
    400mm以上のタンデム型冷間圧延機により冷間圧延
    し、最終焼鈍・酸洗および場合により調質圧延をするこ
    とを特徴とするプレス成形性に優れたステンレス冷間圧
    延鋼帯の製造方法。 【数2】 PVOC(10.0):表面粗さ断面曲線の谷のなかで、
    平均線より10.0μm以上の深さを有する谷の1inch当
    たりの数。(単位;個/inch)
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114370844A (zh) * 2021-12-20 2022-04-19 包头钢铁(集团)有限责任公司 一种板材表面特征值均匀度统计方法

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CN114370844A (zh) * 2021-12-20 2022-04-19 包头钢铁(集团)有限责任公司 一种板材表面特征值均匀度统计方法
CN114370844B (zh) * 2021-12-20 2024-03-22 包头钢铁(集团)有限责任公司 一种板材表面特征值均匀度统计方法

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