JPH06274231A - 転炉吹錬制御装置及び制御方法 - Google Patents

転炉吹錬制御装置及び制御方法

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JPH06274231A
JPH06274231A JP6556993A JP6556993A JPH06274231A JP H06274231 A JPH06274231 A JP H06274231A JP 6556993 A JP6556993 A JP 6556993A JP 6556993 A JP6556993 A JP 6556993A JP H06274231 A JPH06274231 A JP H06274231A
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JP
Japan
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molten steel
carbon concentration
calculation unit
steel temperature
secondary combustion
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Application number
JP6556993A
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English (en)
Inventor
Takeshi Iwamura
健 岩村
Hidefumi Tachibana
秀文 橘
Toshiyuki Yamamoto
俊行 山本
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 排ガス中のCO、CO2 濃度より上吹き酸素
の脱炭酸素効率αact 、排ガス中のCO2 、N2 濃度に
より二次燃焼率βを演算する演算部21、22と、炭素
濃度で異なる脱炭酸素効率αに基づく酸素消費速度の式
より溶鋼中の炭素濃度C、脱炭酸素効率α及び二次燃焼
率βに基づく昇温速度の式より溶鋼温度Tを推定する演
算部23、24と、目標炭素濃度及び目標溶鋼温度の記
憶部25と、上吹き酸素流量Fo2 、メインランス13
の高さL及びスカート15高さの変化量Sh の適応修正
量の演算部26とを含み、各演算部21〜26及び記憶
部25を制御する制御手段20を備えている転炉吹錬制
御装置。 【効果】 オンラインで溶鋼中炭素濃度C及び溶鋼温度
Tを迅速、かつ正確に推定することができ、これらの推
定値と目標値との誤差に基づいて修正処理を施すことが
でき、転炉吹錬工程を高精度に制御することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は転炉吹錬制御装置及び制
御方法に関し、より詳細には転炉吹錬における溶鋼の炭
素濃度及び温度を制御する転炉吹錬制御装置及び制御方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】転炉吹錬は、転炉中の溶銑にメインラン
スを用いて酸素を上部から吹き込み、炭素等の不純物を
酸化除去して鋼を製造する工程であり、品質やコスト管
理上、吹錬の終点における溶鋼の炭素濃度及び温度を制
御することはきわめて重要である。しかし反応が短時間
に行なわれ、また制御因子が多いため、吹錬の終点を制
御するには高度の技術が必要となる。従来の制御方法に
は、スタティック制御及びダイナミック制御が用いられ
ている。
【0003】スタティック制御は、吹錬前に測定した溶
銑温度・組成等に基づいて吹き込み酸素量、副原料投入
量等を決定し、吹錬終点時における溶鋼の炭素濃度及び
温度を制御する方法である。
【0004】またダイナミック制御は、吹錬途中で溶鋼
(動浴)にサブランスを浸漬してサンプリングを行ない
(以下、サブランス測定と記す)、その際の炭素濃度及
び温度に基づいてサブランス測定時から吹錬終点までの
吹き込み酸素量、冷材投入量等を決定し、吹錬終点時に
おける溶鋼の炭素濃度及び温度を制御する方法である。
【0005】最近のダイナミック制御では、前記サブラ
ンス測定に加え、さらに吹錬時の排ガス情報を利用し、
転炉吹錬の終点を制御する方式が提案されている。この
種制御法には特開平2−194135号公報記載の方法
がある。この方法は、まずサブランス測定により溶鋼中
の炭素濃度[C]を測定する。また排ガス成分及び排ガ
ス量を随時測定して転炉内の酸素存在量を把握し、これ
より転炉内の鉄成分の酸化反応量を推定し、スラグ中の
鉄濃度を算出する。次にこのスラグ中の鉄濃度とサブラ
ンス測定時における溶鋼中の炭素濃度[C]とに基づい
てサブランス測定よりt秒後におけるスラグ中の鉄の濃
度(T.Fe)を推定し、目標のスラグ中の鉄濃度との
比較から吹錬終点時間を推定する。
【0006】また、特開平4−143209号公報によ
る方法は、まずサブランス測定により溶鋼中の炭素濃度
を測定し、次に排ガス中のCO、CO2 濃度及び排ガス
流量を測定して脱炭速度を算出する。さらに炉内圧変
動、排ガス流量変動等より、サンプリング時と分析完了
時とのタイミングのずれに基づく誤差を推定し、補正値
を求める。そしてサブランス測定して得られた炭素濃度
を初期値とし、かつ溶銑温度、溶銑シリコン濃度、溶銑
硫黄濃度等をパラメータとして用い、タイミングのずれ
による誤差を補正しつつ脱炭速度を推定し、鋼中の目標
炭素濃度との対比により、吹錬終点時間とそのときの炭
素濃度とを推定する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記したサブランス測
定値から吹錬終点を制御する方法においては、用いられ
るほとんどの数式モデルが統計的手法に基づく統計モデ
ルであるため、鋼種が変化したり、吹錬条件や副原料の
添加条件が変動する場合、これら変化に追随することが
できず、したがって制御の精度が低下するという課題が
あった。
【0008】また、排出ガス情報をダイナミック制御に
利用する方法においては、ガス分析に時間を要するた
め、サンプリング時と分析完了時とのタイミングのずれ
により、吹錬終点の推定に誤差が生じるという課題があ
った。また所要の係数を用いてこの誤差を補正しても、
測定系の汚れや排出ガス量の変動等により、精度が一定
しないという課題があった。
【0009】また、排出ガス流量等に基づいてタイミン
グのずれを補正する方法においても、パラメータのメン
テナンスが複雑で、対応が難しいという課題があった。
【0010】本発明はこのような課題に鑑みなされたも
のであり、排ガスのサンプリングと分析のずれの補正を
簡単に行なうことができ、吹錬終点時における鋼中炭素
濃度及び溶鋼温度を正確に推定することができ、吹錬終
点のみならず工程全般にわたり、予め設定した炭素濃度
及び温度の目標パターンに則って制御することができ、
転炉操業における品質及び作業能率を向上させることが
できる転炉吹錬制御装置及び制御方法を提供することを
目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る転炉吹錬制御装置は、上吹き酸素流量、
メインランス高さ及びスカート高さを操作して溶鋼中炭
素濃度と溶鋼温度とを制御する転炉吹錬制御装置におい
て、排ガス中のCO、CO2 濃度より上吹き酸素の脱炭
酸素効率を演算する脱炭酸素効率演算部と、排ガス中の
CO2 、N2 濃度により二次燃焼率を演算する二次燃焼
率演算部と、炭素濃度で異なる脱炭酸素効率に基づいて
包括的に表わした酸素消費速度の式より溶鋼中の炭素濃
度を推定する溶鋼炭素濃度演算部と、炭素濃度で異なる
前記脱炭酸素効率及び前記二次燃焼率に基づいて包括的
に表わした昇温速度の式より溶鋼温度を推定する溶鋼温
度演算部と、目標炭素濃度及び目標溶鋼温度を記憶する
記憶部と、上吹き酸素流量、メインランス高さ及びスカ
ート高さの適応修正量を演算する適応修正演算部と、前
記各演算部及び記憶部を制御する制御手段とを備えてい
ることを特徴としている。
【0012】また本発明に係る転炉吹錬制御方法は、前
記脱炭酸素効率演算部で求めた脱炭酸素効率より前記溶
鋼炭素濃度演算部で溶鋼中の炭素濃度を推定し、前記脱
炭酸素効率と前記二次燃焼率演算部で求めた二次燃焼率
とより前記溶鋼温度演算部で溶鋼温度を推定し、該溶鋼
温度及び前記炭素濃度と前記記憶部に予め記憶させてあ
る前記目標溶鋼温度及び前記目標炭素濃度との誤差に基
づき、前記適応修正演算部で上吹き酸素流量、メインラ
ンス高さ及び/またはスカート高さの修正量を求めて修
正操作を行ない、溶鋼中炭素濃度及び溶鋼温度を制御す
ることを特徴としている。
【0013】
【作用】本発明に係る制御装置及び制御方法において
は、まず脱炭酸素効率演算部で、排ガス中のCO、CO
2 濃度に基づいて上吹き酸素による脱炭素効率αact
下記の数1、数2及び数3から求める。
【0014】
【数1】
【0015】
【数2】
【0016】
【数3】
【0017】なお、図3は上吹き酸素流量Fo2、排ガス
中のCO濃度及び排ガス流量FL と時間との関係を模式
的に示した曲線図である。この図よりサブランス測定を
行なう場合に上吹き酸素量を減少させた際、排ガス中の
CO濃度の変化は酸素量を減少したときから時間τ1
に認められ、排ガス流量の変化は時間τ2 後に遅れて表
われると言える。したがって排ガス分析の遅れ時間をτ
1 、排ガス流量計測の遅れ時間をτ2 と定義する。
【0018】また二次燃焼率演算部では、排ガス中のC
2 、N2 濃度に基づいて二次燃焼率βを一定周期で下
記の数4から求める。
【0019】
【数4】
【0020】また前記溶鋼炭素濃度演算部では、下記の
酸素消費速度の数5式及び脱炭酸素効率の数6式から溶
鋼中の炭素濃度Cを推定する。数5式は低炭素領域及び
高炭素領域においてそれぞれ異なる脱炭素効率αに基づ
いて酸素消費速度△O2 /Wstを包括的に示したもので
ある。また図4は脱炭酸素効率αと溶鋼中炭素濃度Cと
の関係を模式的に示した曲線図である。数6式はこの関
係を数式化したものであり、脱炭酸素効率αは、高炭素
領域では一定であるが、溶鋼中炭素濃度Cが減少するに
つれて低下することを示している。
【0021】
【数5】
【0022】
【数6】
【0023】また図4に示した曲線は一定ではなく、吹
錬条件等により変動しており、数6式におけるa0 、a
1 のパラメータは吹錬操業ごとに変化する。そこで、前
記脱炭酸素効率演算部において得られた脱炭酸素効率α
act を用い、下記の数7、数式からこれらのパラメータ
ーを求める。
【0024】
【数7】
【0025】
【数8】
【0026】すなわち、まずサブランス測定時に、この
ときよりX秒前の過去におけるm個の脱炭酸素効率α
act,i の平均値(最大脱炭酸素効率時のαact )を求め
る。すると炭素濃度Cが高い場合には上記した数6式に
おける右辺のa1 の項を無視することができるため、上
記した数7式からパラメーターa0 が求まる。吹錬操業
(1チャージ)中、このパラメーターa0 は固定的に使
用する。次にサブランス測定時以降、所定周期ごとに上
記した数7の式を用いて計算を行ない、パラメーターa
1,i を学習する。ただし、このパラメーターa1,i の学
習はサブランス測定後の1分間程度だけ行ない、これ以
降は前記した1分間に求めたパラメーターa1,i の平均
値を1チャージ中固定的に使用する。その理由は、パラ
メーターa1,i は脱炭過程の脱炭遷移点近傍におけるも
のが重要であり、脱炭遷移点から1分間経過以降のパラ
メーターa1,i は変動が少なく、固定的に使用しても精
度への影響が少ないためであり、かつこのパラメーター
1,i を固定的に使用することにより、排ガス分析の遅
れτ1 及び排ガス流量計測の遅れτ2 の影響が排除され
る。従来、パラメーターa0 、a1 は多重回帰により求
め、一旦決定されたパラメータを他の吹錬チャージにも
流用していたため、溶鋼中炭素濃度Cの推定精度がよく
なく、また推定精度を修正するには再度パラメーターを
決め直す手間を必要としていた。前記溶鋼炭素演算部に
おける前記演算方法により、パラメーターa0 、a1
メンテナンスは自動的に行なわれ、溶鋼中炭素濃度Cが
正確に推定されることとなる。
【0027】次に前記溶鋼温度演算部では、下記の数9
式を用いて昇温量△Tを求める。数9式は低炭素領域及
び高炭素領域においてそれぞれ異なる脱炭酸素効率及び
二次燃焼率βに基づいて昇温量△Tを包括的に示したも
のである。
【0028】
【数9】
【0029】そして上記溶鋼炭素濃度演算部において一
定周期ごとに推定された溶鋼中炭素濃度C及び二次燃焼
率βを用いて昇温量△Tを算出し、溶鋼温度Tを推定す
る。
【0030】また前記適応修正演算部では、前記記憶部
に保存された溶鋼中炭素濃度C及び溶鋼温度の目標値
と、前記溶鋼炭素濃度演算部で算出された溶鋼中炭素濃
度Cの推定値及び前記溶鋼温度演算部で算出された溶鋼
温度Tの推定値との差の値が入力される。溶鋼中炭素濃
度及び溶鋼温度の目標値は、サブランス測定時より吹錬
終了時までの間における軌跡データ(目標パターン)と
して保存されており、溶銑成分、温度、チャージ回数、
鋼種等により標準化されている。そして下記の数10、
数11、数12式からランス高さの変化量△L、上吹き
酸素流量の変化量△Fo2 、スカート高さの変化量△S
h がそれぞれ演算され、ランス高さL、酸素流量Fo
2 、スカート高さSを調整することにより転炉吹錬の制
御が行なわれる。
【0031】
【数10】
【0032】
【数11】
【0033】
【数12】
【0034】上記構成の転炉吹錬制御装置によれば、排
ガス中のCO、CO2 濃度より上吹き酸素の脱炭酸素効
率を演算する脱炭酸素効率演算部と、排ガス中のCO
2 、N2 濃度により二次燃焼率を演算する二次燃焼率演
算部と、炭素濃度で異なる脱炭酸素効率に基づいて包括
的に表わした酸素消費速度の式より溶鋼中の炭素濃度を
推定する溶鋼炭素濃度演算部と、炭素濃度で異なる前記
脱炭酸素効率及び前記二次燃焼率に基づいて包括的に表
わした昇温速度の式より溶鋼温度を推定する溶鋼温度演
算部と、目標炭素濃度及び目標溶鋼温度を記憶する記憶
部と、上吹き酸素流量、メインランス高さ及びスカート
高さの適応修正量を演算する適応修正演算部と、前記各
演算部及び記憶部を制御する制御手段とを備えているの
で、オンラインで溶鋼中炭素濃度C及び溶鋼温度Tが迅
速、かつ正確に推定され、これらの推定値と目標値との
誤差に基づいて前記適応修正演算部で自動的に修正処理
が施され、転炉吹錬工程を高精度に制御しうることとな
る。
【0035】また本発明に係る転炉吹錬制御方法によれ
ば、前記脱炭酸素効率演算部で求めた脱炭酸素効率より
前記溶鋼炭素濃度演算部で溶鋼中の炭素濃度を推定し、
前記脱炭酸素効率と前記二次燃焼率演算部で求めた二次
燃焼率とより前記溶鋼温度演算部で溶鋼温度を推定し、
該溶鋼温度及び前記炭素濃度と前記記憶部に予め記憶さ
せてある前記目標溶鋼温度及び前記目標炭素濃度との誤
差に基づき、前記適応修正演算部で上吹き酸素流量、メ
インランス高さ及び/またはスカート高さの修正量を求
めて修正操作を行ない、溶鋼中炭素濃度及び溶鋼温度を
制御するので、排ガスのサンプリングと分析とのずれの
補正及びパラメーターのメンテナンスが正確、かつ自動
的に行なわれ、溶鋼中炭素濃度C及び溶鋼温度Tが正確
に推定され、目標パターンに則って正確に制御しうるこ
ととなり、転炉操業における品質及び作業能率の向上が
図れることとなる。
【0036】
【実施例】以下、本発明に係る転炉吹錬制御装置及び制
御方法の実施例を図面に基づいて説明する。図1は実施
例に係る転炉吹錬制御装置を模式的に示した部分断面ブ
ロック構成図であり、図中11は略有底円筒形形状をし
た転炉を示している。転炉11内には原料としての溶銑
12が充填され、溶銑12上にはパイプ形状に形成され
たメインランス13が配設されており、メインランス1
3は先端部13aと溶銑12面との高さLが調整可能に
装備され、メインランス13の他端部13bには図示し
ない酸素ガス供給配管が接続されている。またメインラ
ンス13の側方にはパイプ形状に形成されたサブランス
14が配設されており、サブランス14は上下方向に移
動可能に装備されている。転炉11の上部には略円錐台
形状のフード11aが延設されており、フード11aの
上方には円錐台形状のスカート15が配設され、フード
11aとスカート15との間隔Sが調整可能となってい
る。スカート15上部には排ガス煙道16が接続されて
おり、排ガス煙道16の所定箇所には排ガス分析計1
7、排ガス流量計18が接続されている。
【0037】一方、図中20は制御手段を示しており、
制御手段20は脱炭酸素効率演算部21、二次燃焼率演
算部22、溶鋼炭素濃度演算部23、溶鋼温度演算部2
4、記憶部25及び適応修正演算部26とを含んで構成
されている。排ガス分析計17、排ガス流量計18はそ
れぞれ脱炭酸素効率演算部21を介して溶鋼炭素濃度演
算部23に接続され、溶鋼炭素濃度演算部23は溶鋼温
度演算部24と適応修正演算部26とに接続されてい
る。また排ガス分析計17、排ガス流量計18はそれぞ
れ二次燃焼率演算部22、溶鋼温度演算部24を介して
適応修正演算部26に接続されており、また適応修正演
算部26には記憶部25が接続されている。
【0038】このように構成された装置を用いて吹錬す
る場合、まず制御の目標パターンを選択・決定し、その
データを記憶部25から適応修正演算部26に出力す
る。次に転炉11に溶銑12を充填し、メインランス1
3から酸素を供給して吹錬を開始する。吹錬開始ととも
に排ガス分析計17、排ガス流量計18を用いて所定周
期ごとに排ガス情報の採取を行ない、脱炭酸素効率演算
部21、二次燃焼率演算部22においてそれぞれ脱炭酸
素効率αact 、二次燃焼率βを求める。次にサブランス
14を用いて溶鋼の温度、溶鋼炭素濃度CSLを測定し、
ダイナミック制御を始める。まず溶鋼炭素濃度演算部2
3で脱炭酸素効率αact やサブランス測定時における溶
鋼炭素濃度CSL等からパラメーターa0 を求め、学習に
よりa1 を設定し、その後に得られた所定周期ごとの排
ガス情報に基づいて溶鋼中炭素濃度Cを推定する。また
溶鋼温度演算部24で二次燃焼率β等より溶鋼温度Tを
推定する。そして適応修正演算部26において溶鋼中炭
素濃度と溶鋼温度について目標値と推定値の誤差を計算
させ、メインランス13の高さL、上吹き酸素量Fo
2 、スカート15高さの変化量Sh の内で最も有効な修
正処理が実行される。
【0039】次に、図1に示した装置を用い、転炉吹錬
を行なった結果について説明する。図2は溶鋼中炭素濃
度C、鋼浴温度T、メインランス13の高さLについて
それぞれ吹錬時間に関する推移を示した曲線図であり、
図中点線は予め記憶部25に保存された目標パターン、
実線は推定値をそれぞれ示している。例えば時間Aで、
推定値の溶鋼温度Tが目標値より低下し、かつ推定値の
溶鋼中炭素濃度Cが目標値より大きくなった場合、適応
修正演算部26においてこれが判断され、これらの誤差
+△Cerr 、−△Terr が適応修正演算部26に入力さ
れ、メインランス13における高さLの修正量△L、上
吹き酸素流量Fo2 の修正量△Fo2 、スカート15高さ
の変化量Sh の修正量△Shが演算される。次に、このと
きの溶鋼中炭素濃度C、鋼浴温度Tにおいて誤差+△C
err 、−△Terr の修正に最も有効であるメインランス
13における高さLの修正が選択され、メインランス1
3の駆動装置(図示せず)に修正量△Lが指示され、メ
インランス13が溶鋼面に近付く。すると酸素による脱
炭反応が促進され、これにともない溶鋼温度が上昇し、
時間Bにおいて推定値の溶鋼中炭素濃度C、鋼浴温度T
が目標パターンに沿うようになる。そこで再びメインラ
ンス13の高さLが元の位置に修正され、溶鋼中炭素濃
度C及び溶鋼温度Tが目標値に維持される。
【0040】この結果から明らかなように、実施例に係
る転炉吹錬制御装置では、脱炭酸素効率演算部21、二
次燃焼率演算部22、溶鋼炭素濃度演算部23、溶鋼温
度演算部24、適応修正演算部26及び記憶部25とを
含む制御手段20を備えているので、オンラインで溶鋼
中炭素濃度C及び溶鋼温度Tを迅速、かつ正確に推定す
ることができ、これらの推定値と目標値との誤差に基づ
いて適応修正演算部26で自動的に修正処理を施すこと
ができ、転炉吹錬工程を高精度に制御することができ
る。
【0041】また、実施例に係る転炉吹錬制御方法で
は、脱炭酸素効率演算部21で求めた脱炭酸素効率α
act により溶鋼炭素濃度演算部23で炭素濃度Cを推定
し、脱炭酸素効率αact と二次燃焼率演算部22で求め
た二次燃焼率βとにより溶鋼温度演算部24で溶鋼温度
Tを推定し、溶鋼温度T及び炭素濃度Cと記憶部25に
予め記憶させてある目標溶鋼温度及び目標炭素濃度との
誤差に基づき、適応修正演算部26で酸素供給量Fo2
メインランス13の高さL及び/またはスカート15高
さの変化量Sh の修正量を求めて修正を行ない、溶鋼中
炭素濃度C及び溶鋼温度Tを制御するので、排ガスのサ
ンプリングと分析とのずれの補正及びパラメーターのメ
ンテナンスを正確、かつ自動的に行なうことができ、溶
鋼中炭素濃度C及び溶鋼温度Tを正確に推定することが
でき、目標パターンに則って正確に制御することがで
き、転炉操業における品質及び作業能率の向上を図るこ
とができる。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る転炉吹
錬制御装置にあっては、排ガス中のCO、CO2 濃度よ
り上吹き酸素の脱炭酸素効率を演算する脱炭酸素効率演
算部と、排ガス中のCO2 、N2 濃度により二次燃焼率
を演算する二次燃焼率演算部と、炭素濃度で異なる脱炭
酸素効率に基づいて包括的に表わした酸素消費速度の式
より溶鋼中の炭素濃度を推定する溶鋼炭素濃度演算部
と、炭素濃度で異なる前記脱炭酸素効率及び前記二次燃
焼率に基づいて包括的に表わした昇温速度の式より溶鋼
温度を推定する溶鋼温度演算部と、目標炭素濃度及び目
標溶鋼温度を記憶する記憶部と、上吹き酸素流量、メイ
ンランス高さ及びスカート高さの適応修正量を演算する
適応修正演算部と、前記各演算部及び記憶部を制御する
制御手段とを備えているので、オンラインで溶鋼中炭素
濃度C及び溶鋼温度Tを迅速、かつ正確に推定すること
ができ、これらの推定値と目標値との誤差に基づいて前
記適応修正演算部で自動的に修正処理を施すことがで
き、転炉吹錬工程を高精度に制御することができる。
【0043】また本発明に係る転炉吹錬制御方法にあっ
ては、前記脱炭酸素効率演算部で求めた脱炭酸素効率よ
り前記溶鋼炭素濃度演算部で溶鋼中の炭素濃度を推定
し、前記脱炭酸素効率と前記二次燃焼率演算部で求めた
二次燃焼率とより前記溶鋼温度演算部で溶鋼温度を推定
し、該溶鋼温度及び前記炭素濃度と前記記憶部に予め記
憶させてある前記目標溶鋼温度及び前記目標炭素濃度と
の誤差に基づき、前記適応修正演算部で上吹き酸素流
量、メインランス高さ及び/またはスカート高さの修正
量を求めて修正操作を行ない、溶鋼中炭素濃度及び溶鋼
温度を制御するので、排ガスのサンプリングと分析との
ずれの補正及びパラメーターのメンテナンスを正確、か
つ自動的に行なうことができ、溶鋼中炭素濃度C及び溶
鋼温度Tを正確に推定することができ、目標パターンに
則って正確に制御することができ、転炉操業における品
質及び作業能率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る転炉吹錬制御装置を模式
的に示した部分断面ブロック構成図である。
【図2】実施例に係る転炉吹錬制御装置を用いた場合に
おける鋼中炭素濃度C、溶鋼温度T、メインランスの高
さLについて吹錬時間に対する推移を示した曲線図であ
り、図中点線は予め記憶部に保存された目標パターン、
実線は推定値を示している。
【図3】上吹き酸素量Fo2 、排ガス中のCO濃度及び
排ガス流量FL と時間との関係を模式的に示した曲線図
である。
【図4】脱炭酸素効率αと溶鋼中炭素濃度Cとの関係を
模式的に示した曲線図である。
【符号の説明】
11 転炉 13 メインランス 14 サブランス 15 スカート 16 排ガス煙道 17 排ガス分析計 18 排ガス流量計 20 制御手段 21 脱炭酸素効率演算部 22 二次燃焼率演算部 23 溶鋼炭素濃度演算部 24 溶鋼温度演算部 25 記憶部 26 適応修正演算部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上吹き酸素流量、メインランス高さ及び
    スカート高さを操作して溶鋼中炭素濃度と溶鋼温度とを
    制御する転炉吹錬制御装置において、排ガス中のCO、
    CO2 濃度より上吹き酸素の脱炭酸素効率を演算する脱
    炭酸素効率演算部と、排ガス中のCO2 、N2 濃度によ
    り二次燃焼率を演算する二次燃焼率演算部と、炭素濃度
    で異なる脱炭酸素効率に基づいて包括的に表わした酸素
    消費速度の式より溶鋼中の炭素濃度を推定する溶鋼炭素
    濃度演算部と、炭素濃度で異なる前記脱炭酸素効率及び
    前記二次燃焼率に基づいて包括的に表わした昇温速度の
    式より溶鋼温度を推定する溶鋼温度演算部と、目標炭素
    濃度及び目標溶鋼温度を記憶する記憶部と、上吹き酸素
    流量、メインランス高さ及びスカート高さの適応修正量
    を演算する適応修正演算部と、前記各演算部及び記憶部
    を制御する制御手段とを備えていることを特徴とする転
    炉吹錬制御装置。
  2. 【請求項2】 前記脱炭酸素効率演算部で求めた脱炭酸
    素効率より前記溶鋼炭素濃度演算部で溶鋼中の炭素濃度
    を推定し、前記脱炭酸素効率と前記二次燃焼率演算部で
    求めた二次燃焼率とより前記溶鋼温度演算部で溶鋼温度
    を推定し、該溶鋼温度及び前記炭素濃度と前記記憶部に
    予め記憶させてある前記目標溶鋼温度及び前記目標炭素
    濃度との誤差に基づき、前記適応修正演算部で上吹き酸
    素流量、メインランス高さ及び/またはスカート高さの
    修正量を求めて修正操作を行ない、溶鋼中炭素濃度及び
    溶鋼温度を制御することを特徴とする転炉吹錬制御方
    法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100428582B1 (ko) * 1999-12-29 2004-04-30 주식회사 포스코 복합취련용 전로에서의 탄소의 이차연소비 예측방법 및용강중 탄소농도의 예측방법
JP2007171096A (ja) * 2005-12-26 2007-07-05 Fuji Electric Systems Co Ltd 転炉排ガス処理装置のスカート位置検出器異常検知方法およびその異常検知に係るスカート位置修正制御方法
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