JP2520191B2 - 酸素製鋼炉の吹錬制御方法 - Google Patents

酸素製鋼炉の吹錬制御方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、銑鉄を用いる酸素製鋼炉の吹錬制御方法に
関し、精錬用酸素ガスの吹き込みパターン、媒溶剤・冷
却材の使用パターンを決定し、吹錬中の実績に応じてパ
ターンを修正し、出鋼可否判断をし、出鋼時に合金鉄を
投入をする方法に関し、さらに詳細に述べれば、脱珪終
了点・低炭期間始点の決定法および冷却材の投入開始点
の決定法に関する。
〔従来の技術〕
製鋼炉の吹錬制御を自動化しようとする希望は、製鋼
技術者が希求してきた技術であった。
酸素製鋼法における終点〔C〕の動的制御方法につい
ては、特公昭49−18332号公報に示されたように、脱珪
期・脱炭期・低炭期に分けられた酸素は脱炭効率の係数
を使う方法が用いられている。
しかし、脱珪終了点・低炭期間始点の決定法に関して
は、溶鋼の推定成分が特定値に達した時点とし、冷却材
等の副原料の投入開始点の決定法に関しても経験に基づ
き決まる特定の時点としていた。
本来、脱珪終了点・低炭期間始点や冷却材等の副原料
の投入開始点の適正なポイントが早過ぎたり遅過ぎたり
するために、操業が始終不安定になったり;操業が不安
定化した後での回復や、類似の鋼種の繰り返し作業での
学習が遅い;といった問題があった。
例えば、脱珪終了点を誤って遅く決定して作業を行っ
た場合には、脱炭期の活発なガス発生に相応しいパター
ンがとれないために、噴出(スロッピング)の発生の危
険が高い。鉄鉱石投入開始点が早すぎる場合には、浴温
度が上がらず、媒溶剤の滓化不良が発生し、鉄鉱石投入
開始点が遅すぎる場合には、浴温度が上がりすぎ、噴出
の発生危険が高まる。また、例えば、低炭期開始点の推
定時期が実績よりも早すぎた場合には、吹錬時間が延長
し、遅すぎた場合には、スラグ中の(T.Fe)の上昇によ
る歩留り低下が起こるなど、不適正な推定時期は、早す
ぎも遅すぎも害がある。
また、実際上、脱珪終了点の決定のために最も重要な
情報である装入溶銑の成分値の到着などが、副原料の投
入開始予定時に遅れることもあるなどのために、吹錬中
に、それ迄に得られた最新の情報により、予定された作
業の修正作業を行うことを可能にすることが、強く望ま
れていた。
そして、これら脱珪終了点等の適正なポイントでの作
業を行うための対策として、吹錬開始後の情報(動的情
報)により動的制御をする方法があるが、副原料の投入
予定時期の変更などは、複数の装置をシーケンスを追っ
て制御しなければならないために、吹錬中に制御パター
ンの修正を数多く実施するのは困難でもあった。
この動的制御の実施は、サブランスによる溶鋼の成分
等の測定により、終点成分と温度とに的中制御すること
程度しか、実用化されていないという問題があった。
このような問題のため、上底吹き転炉吹錬の自動吹錬
の程度は、底吹きガスの種類と流量の制御が、90%(ヒ
ート%)程度できるのみであった。この理由は、吹錬開
始時に選択した、目標終点を得るために最適と考えられ
た基本的な吹錬パターンであっても、吹錬途中での実績
により修正せざるをえぬが、この修正作業が煩雑のため
に、この修正作業を含んだ吹錬の全作業を自動吹錬する
までの技術が確立出来なかったためである。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、銑鉄を用いる製鋼法において、精錬用酸素
ガスの吹き込みパターン、媒溶剤・冷却材の使用パター
ンの決定法に関し、吹錬開始前に、噴出・滓化パラメー
タによる評価を使用して決定方法を提供する。
さらに、吹錬の途中段階において、その時点迄の実績
情報から判断して最も適正な、脱珪終了点・低炭期開始
点の決定法および冷却材の投入開始点の決定方法を提供
する。
〔発明を解決するための手段〕
(1)本発明による酸素製鋼炉の吹錬制御方法におい
て、下記の(a),(b)および(c)の方法からなる
ことを特徴とする。
(a)吹錬反応遷移点の決定方法は、 脱珪期終了点の決定法として、 (イ)炉内Si量≧[Si](2)%の範囲では、 (Si量の減少速度)=一定値、 (ロ)[Si](2)%≧炉内Si量≧[Si](1)%の範囲で
は、 (炉内Si量の減少速度)=定数×[炉内Si量]%、 として決定する。ここで、[Si](1)、[Si](2)はそれ
ぞれ、脱Si反応の終点、脱Si反応速度遷移点である。
(b)冷却材の投入開始点(鉄鉱石の投入開始点)の決
定法は、鉄鉱石の投入量を終点目標温度と初期装入条件
・副原料使用量等から求め、ついで、鉄鉱石の投入開始
時の浴温度TOREを目標値にして、吹錬開始からの投入副
原料、吹き込み酸素、底吹きガス量等をもとに熱収支計
算を行い、浴温度TOREの値が、1380〜1450℃となる点
を、冷却材の投入開始点として決定する。
(c)低炭期開始点の決定法として、[C]=C(1)%の
点を、ダイナミックモデルで作成された経験式を用い
て、計算されたスラグ量・吹込積算酸素量等のパラメー
タをもとに、終点目標から逆算して、式(1)および式
(2)により求める。
ΔG02=(β/107)[ln{XE/(1−XE)} −ln{XS/(1−XS)}]−γ …(1) ここで、ΔG02:酸素流量、(Nm3/T) β=aWs+b,ここで,a,bは定数、 XE=exp{(25−cE)/β}、 XS=exp{(25−c(1)/β}、 (変化点積算酸素量)=T01−ΔG02×WST、 …(2) (変化的積算酸素量):(Nm3)、 T01:計算必要酸素量(Nm3)、 Ws:スラグ量(Kg/T)、 cE:終点目標[C](10-2%)、 WST:溶鋼量(Ton)。
(2)本発明による吹錬制御値の変更点の決定方法は、 吹錬制御値の変更点として、脱珪期終了点、低炭期開
始点、冷却材投入開始点を含む10〜20点を吹錬開始時よ
り制御変更予定点として設定し、各点に、精錬パラメー
タをなす吹錬制御パラメータの制御値の群である、 上吹きランスの高さの制御値、 上吹酸素流量の制御値、 底吹ガス流量の制御値、 媒溶剤・冷却材の使用の制御値、 炉内圧力の制御値、および スカート高さの制御値 を割付記録しておく。
精錬開始前に、先ず熱収支と滓化・噴出予期モデルに
より副原料の使用量の決定を行い、次に全吹錬時間につ
いての精錬パラメータの基本型による反応シミュレーシ
ョンを行い、上吹ランス高さと上吹酸素流量と造滓剤添
加量については滓化パラメータ・噴出パラメータとスラ
グ量レベルにより吹錬形態毎のマトリックスからパター
ンを抽出し、精錬パラメータの設定値とし、この精錬パ
ラメータの設定値により反応シュミレーションの結果
(時系列的な温度と鋼浴成分との変化および副原料の投
入)と、精錬パラメータの基本型からの調整理由ととも
に表示装置にスタティックモデル画面として表示する。
(3)本発明による精錬パラメータの適正さの評価方法
と適正さの監視・修正の方法は、1〜10秒の一定間隔毎
に排ガスの流量と成分を実績値として取り込み炉内現象
の時間が同一になるようにトランスポーテーションラグ
を各々について補正して揃えたデータ群を作成し、この
排ガスのデータ群と、副原料添加データ群と、随時サブ
ランス等により得られる鋼浴直接測定データ群から、物
質収支と熱収支との実績による炉内鋼浴の温度と成分、
脱炭酸素効率DC/DO2、の時系列的変化に基づいて、脱珪
期終了遷移点・低炭期開始遷移点を修正するとともに、
滓化・噴出パラメータの算出を行い、操業監視者の監視
のために表示装置にそれらの時系列的変化を表示し、精
錬パラメータの適正さの監視の方法とする。
滓化・噴出パラメータの異常、脱炭酸素効率DC/DO2
時系列的変化の異常については、大きな異常が発生する
前に演算装置により精錬パラメータの調整を行い、精錬
パラメータが常時適正であるよう補正する方法とする。
〔作用〕
本発明の吹錬制御方法によれば、脱珪期終了遷移点・
低炭期開始遷移点の正確な把握と、冷却材の投入開始点
の適正な実行が行われる。
この結果、脱珪終了からの活発なガス発生に対して、
滓化が適正でかつ噴出危険性の無い制御値が決定されて
おり、なおかつ、排ガスの情報により脱珪終了の予定時
期からのズレを監視し調整しているので、噴出の発生が
なく、鉄鉱石の投入時期が適正なために噴出を防止しつ
つ滓化促進がされ、また低炭期には、余剰なスラグ中T.
Feを生じさせない範囲で供給酸素速度を最大値に抑え
て、脱炭・脱燐・温度上昇のバランスのとれた高能率な
吹錬により、サンプリングのための倒炉無し・操作盤作
業者一人の吹錬作業が出来る。
〔実施例〕
本発明の方法を、300トン上底吹き転炉で実施した例
を、以下に説明する。
既設の、設備制御・実績管理機能を有する製鋼炉精錬
制御装置に、第3図(a)に示す吹錬パターン設計用演
算機システムを接続した。この吹錬パターン設計用演算
機の機能として、第3図(b)に示す滓化噴出予測・迅
速出鋼判定・吹錬調整と、第3図(a)の図中に示す合
金鉄計算機能、データ加工機能(この中で、後述する滓
化噴出パラメータの計算をしている)を持たせた。第4
図は本実施例のガイダンスで用いられた表示の画面であ
り、第4図(a)はスタティックモデル画面を示し、第
4図(b)は(迅速)出鋼判定画面を示し、第4図
(c)は吹錬パターン監視画面を示している。
第1図に、吹錬制御値の変更点の数を15点として素鋼
を炭素含有量が0.10%以下の低炭素鋼の吹錬を行った例
を示す。第1図中、Aは脱珪期終了点を示し、Bは冷却
材投入開始点を示し、浴温度TOREは1430℃であり、Cは
低炭期開示点を示し、溶鋼の炭素含有量〔C〕=C(1)
点であり、C(1)=0.5%、からまでの符号は吹錬制
御値の変更点を示す。
Aの脱珪期終了点を決定した方法は、 (1)炉内Si量≧[Si](2)%の範囲では、 (炉内Si量の減少速度の計算式)=一定値、 (2)[Si](2)%≧炉内Si量≧[Si](1)%の範囲で
は、 (炉内Si量の減少速度の計算式) =定数×[炉内Si量]%、 とする方法で、[Si](2)=0.10%で、で示す点であ
り、[Si](1)=0.02%で、で示したが、 [Si](2)には0.06から0.10%が適用出来、[Si](1)
には0.01から0.03%が適用出来ることを溶銑処理の反応
で確認して用いた。[Si](1)から完全脱Si完了迄の脱S
iに消費される酸素量は、0.16Nm3/Tとわずかであり、次
の制御点迄の間に、この反応は完了している。
Bの冷却材投入開始点の浴温度TOREを1430℃に定めた
理由は、吹錬の前半においては炉内の添加焼石灰CaOの
一部は未溶解で溶解分は2CaO・SiO2と考えており、早期
造滓による反応促進利益とスラグ温度の上昇遅れによる
反応遅延・それに続く噴出の発生の不利益とを考慮し
て、2CaO・SiO2の融点である1450℃とその融点が多元系
で融点降下している実際の融点1380℃近傍との間が望ま
しい冷却剤投入開始温度と考えた。
Cの低炭期間始点を決定した方法は、下記の式(1)
および(2)において、経験に基づいて a=1.44,b=66.8,c=48.8 として、求めた。
ΔG02=(β/107)[ln{XE/(1−XE)} −ln{XS(1−XS)}〕−γ …(1) ここで、ΔG02:流量、(Nm3/T) β=aWs+b、 XE=exp{(25−cE)/β}、 XS=exp{(25−c(1)/β}、 (変化点積算酸素量)=T01−ΔG02×WST、 …(2) ここで、(変化点積算酸素量):(Nm3)、 T01:計算必要酸素量(Nm3)、 Ws:スラグ量(Kg/T)、 cE:終点目標[C](10-2%)、 WST:溶鋼量(Ton)、 験により、脱炭の遷移点以降の脱炭反応効率が対数的に
変化すること、およびスラグ量の影響があることを見出
している。
Cの低炭期開始点の以降の吹錬制御値の変更点は、順
にC(1)=0.4,0.3,0.2,0.1%としている。
第2図は、第6図に示す方法で、第4図(a)図の画
面を参照しながら設計された吹錬パターンの一例であ
る。
吹錬制御値の変更点として、脱珪期終了点、低炭期開
始点、冷却材投入開始点を含む15点を吹錬開始時より制
御変更予定点として設定し、第4図(c)図中に点線で
描かれた低炭素材吹錬の精錬パラメータの基本型に基づ
いて、その15点の制御変更予定点の各点に精錬パラメー
タをなす吹錬制御パラメータの制御値の群である、 上吹きランスの高さの制御値、上吹酸素流量の制
御値、底吹ガス流量の制御値、媒溶材・冷却材の使
用の制御値、炉内圧力の制御値、スカート高さの制
御値 を割付記録しておく。
この精錬パラメータの基本型に基づいて、先ず熱収支
と滓化・噴出予測モデルにより副原料の使用量の決定を
行い、次に全吹錬時間についての反応シュミレーション
を行った。反応シュミレーションの結果と滓化パラメー
タ・噴出パラメータとスラグ量レベルにより、上吹ラン
ス高さと上吹酸素流量と底吹ガス流量については吹錬形
態毎のマトリックスからパターンを抽出し、精錬パラメ
ータの設定値とした。第2図は、このようにして設定さ
れた精錬パラメータの中から上吹きランスの高さの制
御値と上吹酸素流量の制御値だけを示したものであ
り、第4図(a)図の画面には反応シュミレーションの
結果の全体(時系列的な温度と鋼浴成分との変化および
副原料の投入)と、精錬パラメータの基本型からの調整
理由とがともに表示してある。
なお、第4図(c)の実線と点線とは、予定線と実績
線とを同一画面に表示することも可能であり、この場合
には、初期設定からの調整を即時に示すことにより監視
者の状況判断を明確にすることができるので、機械演算
による知識判定への信頼獲得に大きな効果がある。
ここに述べた滓化パラメータと噴出パラメータとは、
第5図に例示する方法で求める。滓化パラメータ1が一
番滓化性が良く、滓化パラメータ5が滓化性が悪い。例
示したように、溶銑温度を5段階評価し、溶銑〔Si〕を
5段階評価し、スラグコーティング量を5段階評価し、
その他焼石灰使用量等の5段階評価と一緒にして、滓化
パラメータの評価テーブルによって求めている。噴出パ
ラメータの例も第5図中に示した。
第7図各図に、本発明による精錬パラメータの適正さ
の評価方法と適正さの監視・修正の方法の一実施例を示
した。吹錬排ガスの流量と成分を排ガス煙道の測定点
(図示してない)から2秒毎に実績値として取込み、分
析の各成分毎に炉口通過から測定値到着迄のトランスポ
ーテイションラグが異なり、流量測定にも炉口通過から
測定値到着迄のトランスポーテイションラグをもってい
るので、全ての実績データを炉口通過の時刻に正準化し
たデータ群を作成する。
この排ガスのデータ群と、副原料添加データ群と、随
時サブランス等により得られる鋼浴直接測定データ群か
ら、物質収支と熱収支との実績により炉内鋼浴の温度と
成分、脱炭酸素効率DC/DO2の時系列的変化が求まる。第
7図(a)は、脱炭酸素効率DC/DO2の時系列的変化を横
軸に積算酸素量(オペレーターガイダンス上は、気体酸
素量、マスバランス上は気体酸素と固体酸素の和)をと
って図示したものである。
一例として、脱炭酸素効率DC/DO2の監視による脱珪期
終了の判断は、吹錬開始後DC/DO2が逐次増加して、図中
のa線を越えた時に判断出来る。例えばaの値は0.90〜
1.00kg/Nm3をとればよい。
また、吹錬中期にDC/DO2がtを下回ったら噴出の可能
性が高く、吹錬調整を第7図(c)のテーブルにより行
う。例えばtの値は0.80〜0.90kg/Nm3(但し、吹止予定
の4000Nm3前まで)をとればよい。
また、低炭期開始点の判断は、DC/DO2がb(例えば、
0.7kg/Nm3)を連続して複数回下回ったときに判断すれ
ばよい。
第7図(b)は、このように異常による吹錬調整の演
算の流れを示す図である。
第7図(c)は、吹錬調整の決定を行う論理部分を示
す吹錬調整基準テーブルを示す図である。すなわち、滓
化パラメータと噴出パラメータとのマトリックスで決ま
る選択テーブルが、図中の右側の表のように決めてお
き、第2図のように設定した精錬パターンの基準値を図
中の右側の表の値だけ調整する。
このように、熱収支と物質収支と滓化パラメータと噴
出パラメータとを常時監視し、異常値が大きな異常にな
る前に、演算装置により精錬パラメータの調整を行うこ
とにより、精錬パラメータが常時適正であるよう補正を
行う。
第8図は本発明の方法と従来の方法とのスロッピング
の発生の比較図である。本発明の方法による操業では、
スロッピングの発生が月間平均0.5%以下と低く、吹錬
が安定しているため、炉内容物の炉外への損失が少な
く、歩留りの向上に寄与しているとともに、モデルの終
点推定精度の向上にも効果がある。
また、第1表に本発明により転炉の自動吹錬を試み
て、成功したヒートの比率を示す。従来の自動吹錬で
は、底吹きガスの制御のみについて自動吹錬が成功して
いたが、本発明の方法では、上吹ランス高さ制御・上吹
酸素流量制御・副原料と合金鉄の投入制御の全てにわた
って自動吹錬に成功している。副原料と合金鉄の投入制
御の成功率が93%である理由は、出鋼判定に接近したタ
イミングで鋼種の変更が決断された場合に、操業クルー
が手動介入で合金鉄の投入量調整をすることがあるため
である。この場合であっても、終点の炉内状況が良く標
準化されているために、トラブルの無い作業が行われて
いる。
第9図は本発明の方法と従来の方法との連続鋳造鋳造
時の溶鋼の燐〔P〕含有量の比較図であって、本発明の
方法による操業では、バラツキが従来法の80%に減少し
ており、著しい技術の進歩があることが示されている。
そして、規格外れなく行った操業の平均値が規格値に近
づいている(3.6→2.6x10-3%)ことは、吹錬に使用し
た媒溶剤の削減がなされたことを示している。
第10図は本発明の方法と従来の方法との転炉操業要員
配置の比較図であって、本発明の方法では、転炉の操業
要員が3名で可能であることを示している。
〔発明の効果〕
本発明の方法によれば、噴出の危険が少なく、精錬の
終点条件がバラツキの少ない経済的な操業が出来、操業
要員も少なく出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法による吹錬反応遷移点と制御値変
更点の例を示す図、第2図は本発明の方法による吹錬制
御の例を示す図、第3図は本発明の実施例の装置構成を
示す図(第3図(a))と情報の伝達を示す図((第3
図(b))、第4図は本発明の実施例の表示装置を示す
図、第5図は本発明の滓化噴出パラメータ算出の情報伝
達とルール群の実施例を示す図、第6図は本発明の滓化
噴出パラメータを利用した吹錬パターン設計の方法の説
明図、第7図は本発明の異常判定の説明図で、第7図
(a)は脱炭酸素効率DC/DO2の時系列的変化により異常
を判断する例を図示した説明図、第7図(b)は吹錬パ
ターン調整の方法の説明図、第7図(c)は吹錬パター
ン調整に用いる吹錬形態別のマトリックステーブルの一
例を示す図、第8図は本発明の方法と従来の方法とのス
ロッピングの発生の比較図、第9図は本発明の方法と従
来の方法との連続鋳造鋳造時の溶鋼の燐〔P〕含有量の
比較図、第10図は本発明の方法と従来の方法との転炉操
業要員配置の比較図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸素製鋼炉の吹錬制御方法において、下記
    の方法(a),(b)および(c)からなることを特徴
    とする酸素製鋼炉の吹錬制御方法。 (a)脱珪期反応遷移点の決定方法は、 (イ)炉内Si量≧[Si](2)%の範囲では、 (Si量の減少速度)=一定値、 (ロ)[Si](2)%≧炉内Si量≧[Si](1)%の範囲で
    は、 (炉内Si量の減少速度)=定数×[炉内Si量]%、 として決定する。ここで、[Si](1)、[Si](2)はそれ
    ぞれ、脱Si反応の終点、脱Si反応速度遷移点である、 (b)冷却材の投入開始点(鉄鉱石の投入開始点)の決
    定法は、鉄鉱石の投入量を終点目標温度で初期装入条件
    ・副原料使用量等から求め、ついで、鉄鉱石の投入開始
    時の浴温度TOREを目標値にして、吹錬開始からの投入副
    原料、吹き込み酸素、底吹きガス量等をもとに熱収支計
    算を行い、浴温度TOREの値が、1380〜1450℃となる点
    を、冷却材の投入開始点として決定する、 (c)低炭期開始点の決定法として、[C]=C(1)%の
    点を、ダイナミックモデルで作成された経験式を用い
    て、計算されたスラグ量・吹込積算酸素量等のパラメー
    タをもとに、終点目標から逆算して、式(1)および式
    (2)により求める。 ΔG02=(β/107)[In{XE/(1−XE)} −In{XS/(1−XS)}]−γ …(1) ここで、ΔG02:酸素流量(Nm3/T)、 β=aWs+b、ここで、a,bは定数、 XE=exp{(25−cE)/β}、 XS=exp{(25−c(1)/β}、 (変化点積算酸素量)=T01−ΔG02×WST、 …(2) (変化点積算酸素量):(Nm3)、 T01:計算必要酸素量(Nm3)、 Ws:スラグ量(Kg/T)、 cE:終点目標[C](10-2%)、 WST:溶鋼量(Ton)。
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