JPH06273726A - 液晶複合膜およびその製造方法 - Google Patents

液晶複合膜およびその製造方法

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JPH06273726A
JPH06273726A JP5874393A JP5874393A JPH06273726A JP H06273726 A JPH06273726 A JP H06273726A JP 5874393 A JP5874393 A JP 5874393A JP 5874393 A JP5874393 A JP 5874393A JP H06273726 A JPH06273726 A JP H06273726A
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JP
Japan
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liquid crystal
composite film
polymer
crystal material
macromolecule
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JP5874393A
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English (en)
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Toru Kashiwagi
亨 柏木
Kensaku Takada
憲作 高田
Koji Hara
浩二 原
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 均一な相分離構造を有し、かつ良好な表面状
態を有する液晶複合膜の提供。 【構成】 高分子と液晶材料とからなり、前記液晶材料
がハロゲン原子が結合した液晶成分を含む混合液晶材料
であり、かつ前記高分子が塩素原子が結合した単量体の
重合物を含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、TFT(薄膜トランジ
スタ)駆動による投射型表示、反射型表示、調光窓等に
用いる新規な液晶複合膜およびその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】高分子材料と液晶材料とからなり、白濁
⇔透明の電気光学効果を示す液晶複合膜には、その形成
法から種々のものがあり、液晶をカプセルに封じ込めた
もの(J. L. Fergason 、特表昭58-501631 号公報) 、オ
リゴマーの熱硬化により液晶が粒状に析出したもの(J.
W. Doane、特表昭61-502128 号公報) 、オリゴマーの光
硬化により液晶が粒状に析出したもの(Vaz、特開昭62-2
231 号公報) などがある。これらの液晶複合膜はいずれ
も液晶材料を膜中に粒子状に分散させたものである。
【0003】一方、高分子材料と液晶材料とをそれらの
共通溶媒に溶解した均一な溶液から、溶媒を蒸発させて
液晶複合膜を形成することが、1979年に梶山らによって
初めて報告された(Chem. lett. p.679-682 (1979))。こ
の液晶複合膜は、溶媒蒸発時の高分子と液晶材料との相
分離により、スポンジ状の高分子マトリクスの連続した
孔内に、液晶材料が連続相にて3次元ネットワーク状に
充填された構造(ミクロ相分離構造)を有するものであ
ることが報告されている(J. Appl. Polym. Sci. 29, 3
955-3964 (1984))。また、溶媒蒸発により液晶複合膜の
電気光学応答は、特表昭63-501512 号公報、特開平1-23
0693号公報などに記載がある。
【0004】上記液晶複合膜においては、無電圧時に
は、孔内の液晶分子がランダムな状態にあるため、入射
光が散乱されて、複合膜は不透明な状態になっている。
そして、複合膜を挟着した一対の導電性基材に電圧が印
加されると、Δε>0〔但し、Δεは誘電率異方性であ
って、式:
【0005】
【数1】
【0006】で表される(なお、
【0007】
【外1】
【0008】は分子軸方向の誘電率、
【0009】
【外2】
【0010】は分子軸に対して直交方向の誘電率を示
す。)〕のとき、液晶分子が電場方向に配向し、高分子
の屈折率np と液晶の常光屈折率no とがほぼ一致して
いれば、入射光が散乱されずに複合膜を通過できるよう
になり、複合膜が透明な状態に転換する電気光学効果を
示す。かかる液晶複合膜は、高分子材料と液晶材料とを
溶解させた溶液を塗布、乾燥させるだけで製造できるた
め、液晶表示素子の大面積化が可能になるという利点が
ある。しかも、高分子化合物の選択により複合膜に可撓
性を付与できるので、表面に導電膜を形成するなどして
導電性を付与した可撓性のフィルム等を導電基材として
組み合わせることにより、液晶表示素子に可撓性を付与
することが可能になる。
【0011】上記液晶複合膜の製造における特徴は、高
分子と液晶材料とを溶媒中に溶解した均一な混合溶液を
導電基材上に流延塗布すると、溶媒が蒸発するにしたが
って高分子と液晶材料とが非相溶状態となるため、相分
離して三次元網目状の構造を形成することである。要
は、相分離が溶媒蒸発により引き起こされるものであ
る。このような複合膜の形成方法は前述した文献によっ
て公知である。
【0012】上記複合膜の製造における「溶媒蒸発によ
る相分離」は、先に示した他の方法とは全く異なる独自
の方法であり、梶山らが前記した文献においてはじめて
明らかにしたものある。また、複合膜内において、液晶
材料はスポンジ状の高分子マトリクスの連続した孔中
に、粒子状でなく、三次元ネットワーク状の連続相とし
て存在していることも大きな特徴である。
【0013】また、液晶複合膜に関しては、液晶材料と
オリゴマーの光重合による相分離形成法が数多く検討さ
れており、フッ素系オリゴマーを用いた光硬化物につい
て報告がある(特開平3-220530号公報、同4-168422号公
報) 。さらに、フッ素系オリゴマーとフッ素系液晶材料
とからなる組成物の光重合法によって得られた液晶複合
膜では、5Vの低電圧駆動で98%の保持率が得られた
という報告もある(Japan Display '92,予稿集, p695-6
98, 1992) 。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】溶媒蒸発により相分離
する液晶複合膜においては、液晶材料と、重合度の上が
った高分子とを共通溶媒に溶解する工程が必要であるた
め、フッ素系高分子を用いる場合は、使用できる溶媒が
ほとんどなく、そのため実際上、液晶複合膜を作製する
ことがきわめて困難であった。
【0015】また、フッ素系高分子でなくとも、液晶材
料と高分子との化学的親和性が適当でない場合は、溶媒
蒸発後の液晶複合膜の表面が荒れ、ミクロに見て平坦で
なくなり、そのため対向基板を重ねて液晶素子とした後
も、不均一模様が生じるなどの問題があった。このよう
な問題は、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子が結
合した液晶材料を成分の一部として含む混合液晶材料を
用いた場合に顕著であり、その改善が望まれていた。
【0016】従って、本発明の主たる目的は、均一な相
分離構造を有し、かつ表面状態が良好な液晶複合膜およ
びその製造方法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段および作用】本発明の液晶
複合膜は、高分子と液晶材料とからなり、液晶材料がハ
ロゲン原子が結合した液晶成分を含む混合液晶材料であ
り、前記高分子が塩素原子が結合した単量体の重合物を
含むことを特徴とする。また、本発明の液晶複合膜の製
造方法は、ハロゲン原子が結合した液晶成分を含む混合
液晶材料と、塩素原子が結合した単量体の重合物を含む
高分子とを、そられの共通溶媒に溶解して得た溶液を基
板上に塗布し、溶媒を除去乾燥することを特徴とする。
【0018】すなわち、本発明によれば、ハロゲン原子
が結合した液晶成分を含む混合液晶材料に対して、塩素
原子が結合した単量体の重合物を含む高分子を使用する
ため、液晶材料と高分子との親和性および共通溶媒への
溶解性が増大し、その結果均一な相分離構造を有し、か
つ表面状態が良好な液晶複合膜を作製することができ
る。
【0019】以下、本発明の液晶複合膜およびその製造
方法をより詳細に説明する。通常の液晶複合膜では、液
晶材料の誘電率異方性Δεを配向の駆動力としているた
め、Δεの大きな液晶材料を使用するのが高速応答、低
電圧動作を得る上で望ましい。最もΔεの大きなものと
して実用的に使用され入手できる液晶材料としては、シ
アノ基を末端に有する液晶材料(例えばシアノビフェニ
ル等)があげられる。しかしながら、シアノ基を有する
液晶材料ではその電気抵抗を1011Ωcm以上に上げるこ
とは困難であり、かつ実使用下でその抵抗率は漸減する
ためにTFT(薄膜トランジスタ)等の非線形素子によ
る駆動においては、電荷保持率が低くなり、液晶TV等
の表示を行ったときにコントラストが悪くなる状況を生
じる。
【0020】これを改善するためには、電気抵抗率の高
い(1012〜1013 Ωcm以上)液晶材料を用いること
が必要である。このため、シアノ基を末端に有する液晶
材料の代わりに、フッ素原子、塩素原子などのハロゲン
原子が結合した液晶材料が開発されている。このような
液晶材料は、シアノ基を末端に有する液晶材料に比べて
粘性が低く、誘電異方性Δε、屈折率異方性Δnが共に
やや小さいとはいえ、電気抵抗率が1012〜1013 Ω
cm以上と高く、実使用環境下でも高い電荷保持率を維持
することが知られている。
【0021】かかるハロゲン原子が結合した液晶成分と
しては、骨格構造は特に限定されず、その末端または分
子中、あるいは側鎖端などにハロゲン原子が結合したも
のがあげられ、具体的には、例えば下記式で表されるよ
うな化合物があげられる。
【0022】
【化1】
【0023】各式中、Rはアルキル基またはアルコキシ
基、Xはハロゲン原子、Yはエチレン基、カルボニルオ
キシ基、オキシカルボニル基、ビニレン基、エチニレン
基などを示すが、これらのみに限定されるものではな
い。また、各式中のベンゼン環に代えてシクロヘキサン
環であってもよく、置換基Xは1つだけでなく2または
それ以上が結合していてもよい。ハロゲン原子として
は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子があげられ
る。
【0024】これらの液晶成分のうち、ハロゲン原子が
フッ素原子または塩素原子であるものが好ましいが、両
者を比較すると、塩素系のほうが上記ΔεおよびΔnが
共に大きく、かつ電荷保持率はフッ素系と同等であるの
で、塩素系の液晶成分(上記式でXが塩素原子である液
晶成分)を使用するのがより好ましい。本発明における
液晶材料はハロゲン原子が結合した液晶成分を含む多成
分の混合物で使用される。そのうち、上記ハロゲン原子
が結合した液晶成分は全液晶材料に対して20重量%以
上、とくに50重量%以上であるのが好ましいが、使用
する高分子との関係から比率が決定されるため、とくに
限定されるものではない。なお、ハロゲン原子が結合し
た液晶成分の全液晶材料に対する割合の上限は、通常9
0重量%程度である。
【0025】ハロゲン原子が結合した液晶成分と混合す
る他の液晶成分としては、例えばメルク社から市販され
ているフェニルシクロヘキサン類(PCH)、フェニル
ジオキサン類(PDX)、シクロヘキシルシクロヘキサ
ン類(CCH)、ジアルキル−フェニルシクロヘキサン
類(PCH)、アルキル−アルコキシ−フェニルシクロ
ヘキサン類(PCH)、ビフェニルシクロヘキサン類
(BCH)、シクロヘキシル−ビフェニルシクロヘキサ
ン類(CBC)、フェニルベンゾエート類(P)、フェ
ニル−シクロヘキサンカルボキシレート類(D)、シク
ロヘキシル−シクロヘキサンカルボキシレート類(O
S)、フェニル−シクロヘキシルベンゾエート類(H
P)、シクロヘキシル−シクロヘキシルベンゾエート類
(HH)、シクロヘキシルフェニル−シクロヘキサンカ
ルボキシレート類(HD)などがあげられる。
【0026】好ましい混合液晶材料としては、例えばメ
ルクジャパン社製のMJ92279などがあげられる。
溶媒蒸発による相分離によって作製される液晶複合膜で
は、溶液の塗布後、溶媒の蒸発につれて高分子と液晶材
料とが相分離してくる。高分子と液晶材料との親和性が
高い場合、得られる複合膜はミクロ相分離構造となり、
光散乱により白濁を示している。これに対して、親和性
が低い場合には良好な相分離構造を与えず、マクロな相
分離を起こす場合が多い。
【0027】ミクロ相分離構造を与える場合、その相分
離は主に高分子と液晶材料の分子量の違いによって引き
起こされる。アクリル酸エステル系またはメタクリル酸
エステル系高分子とシアノビフェニル系液晶材料との組
み合わせでは、それらの間の親和性が充分に高くかつ高
分子の分子量が充分に大きい場合に理想的なミクロ相分
離構造を有する複合膜を得ることができる。
【0028】一方、上記ハロゲン原子が結合した液晶成
分を使用する場合は、上記と同じアクリル酸エステル系
またはメタクリル酸エステル系高分子を使用すると、一
応、ミクロ相分離構造の膜を与えるものの、成膜後の膜
表面が荒れ、微細に観察すると、膜表面に液晶が浮き出
した状態となる場合が多い。この現象は、特に相分離後
の複合膜の高分子を架橋剤等で架橋する場合に顕著に認
められる。
【0029】このような現象が生じる原因としては、以
下のようなことが推定される。すなわち、シアノビフェ
ニル液晶とアクリル酸エステル系またはメタクリル酸エ
ステル系高分子とは親和性がよく、液晶が1ないし数μ
mのドメイン径を有するミクロ相分離構造複合膜中に保
持された場合でも、その親和性のために膜中に安定に含
まれ、高分子材料に多少の弾性変形、体積変化が生じて
も、液晶分子は一時的にも高分子の分子網目中に入り込
んだりすることが可能であるため、変形等の影響を吸収
しうる能力があると考えられる。ところが、フッ素系や
塩素系の液晶分子の場合は、アクリル酸エステル系等の
高分子との親和性が低いため、溶媒蒸発や架橋等による
高分子の硬化収縮に対して高分子中に入り込むなどの挙
動を行いにくく、そのため強い変形等を受けると、複合
膜の表面の孔から外部に滲み出さざるをえないようにな
ると考えられる。このように液晶材料が滲み出した表面
では、これに対向基板を貼り合わせて液晶素子としたと
きに、不均一模様となって現れ、実用的に使用できなく
なる。
【0030】液晶分子の構造上の相違は、末端がシアノ
基か、ハロゲン原子であるかだけであるため、アクリル
酸エステル系等の高分子との化学親和性にそれほど大き
な隔たりはなく、いずれも良好なミクロ相分離構造を形
成するのであるが、微細部分においては、化学親和性の
不一致の影響が現れ、それが重畳されてマクロ的にも認
知できる現象、すなわち液晶材料の滲み出しとなると考
えられる。
【0031】このような現象は、高分子として、塩素原
子が結合した単量体の重合物を含むものを使用すること
により顕著に改善される。かかる高分子としては、例え
ばポリ塩化ビニル、式:
【0032】
【化2】
【0033】で表される環状エーテルを用いて開環重合
させた塩素化ポリエーテルなどのように全単量体に塩素
原子を含むものがあげられるが、本発明においては、液
晶材料との親和性を調整するために、部分的に塩素化し
た高分子を使用するのがより好ましい。このような部分
塩素化高分子としては、例えば式:
【0034】
【化3】
【0035】で表される単量体を用いた部分クロロメチ
ル化ポリスチレンなどがあげられる。また、アクリル酸
エステルやメタクリル酸エステルその他のビニル系共重
合体において、単量体として、下記式に示すように、塩
素原子を有するもののいずれかを共重合させたものを使
用するのがより一層好ましい。
【0036】
【化4】
【0037】(式中、R1 はアルキル基、nは1〜12
の整数である。) 高分子の重合方法はとくに限定されず、ラジカル重合、
イオン重合(アニオン重合、カチオン重合)、グラフト
重合などが適宜採用可能である。高分子中の塩素原子の
含有量もとくに限定されず、使用する液晶材料のハロゲ
ン原子含有量に応じて、成膜性を考慮して、共重合比を
調節すればよい。
【0038】また、液晶複合膜の機械的強度を向上させ
るために、高分子に架橋剤を配合し、複合膜形成後、加
熱処理にて架橋させてもよい。架橋剤としては、例えば
ヘキサメチレンジイソシアネートなどの2官能または多
官能のイソシアネート化合物などがあげられる。高分子
/液晶材料の混合比率は、使用する各材料の種類に応じ
て適宜決定されるが、通常重量比で1/9〜5/5の範
囲であるのが好ましい。
【0039】本発明の液晶複合膜を用いて液晶表示素子
等を得るには、従来と同様に、一方の透明電極上に、前
記各成分を溶解した溶液を塗布し、乾燥固化させて複合
膜を形成した後、この複合膜上に他方の透明電極を重ね
合わせることにより製造できるので、製造が容易で、工
程数の削減が可能である。高分子および液晶材料を溶解
する溶媒としては、使用する高分子および液晶材料に対
して溶解度の高いものが使用されるが、一般には、例え
ばジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエ
タン、アセトン、テトラヒドロフランなどがあげられ
る。
【0040】複合膜を挟着する一対の透明電極として
は、ガラス、プラスチックフィルム〔例えばポリエチレ
ンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルホン
(PES)〕等の透明支持体の表面にITO(インジウ
ムチンオキサイド)やSnO2 等の透明導電膜を蒸着や
スパッタリング等で形成したものがあげられるほか、通
常の液晶表示素子に用いられる透明導電ガラスやフィル
ムがあげられる。
【0041】複合膜の厚さは、通常5〜30μmである
のが適当である。上記溶液を透明電極上に塗布するに
は、バーコート法、スピンコート法、スプレーコート
法、ローラコート法等の従来公知のコート法がいずれも
採用可能である。
【0042】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明の液晶複合膜お
よびその製造方法を説明するが、本発明は実施例のみに
限定されるものでない。実施例1 ポリ塩化ビニル(信越化学社製のTK2500R)10
重量部および液晶材料であるMJ92279(メルクジ
ャパン社製の商品名、塩素系液晶成分を70重量%を含
有、誘電異方性Δεが11.6、屈折率異方性Δnが
0.227)20重量部をジクロロメタン140重量部
に溶解し、塗布液を得た。これをITO付ガラス基板
(3cm×4cm、1.1mm厚)上にスピンコートし、複合
膜を得た。この複合膜の表面を目視および実体顕微鏡で
観察したところ、表面が均一で液晶の滲み出しがないこ
とを確認した。
【0043】つぎに、複合膜上にもう1枚のITO付ガ
ラス基板を重ね合わせ、50℃で1時間、ついで100
℃で1時間アニールした後、得られた液晶素子に1kH
zの電界を0→100V印加し、中間調の状況を観察し
たが、途中電界でも均一なムラのない中間調を示した。実施例2 高分子として、ポリ塩化ビニルに代えて、2−クロロエ
チルアクリレート/ブチルアクリレート/ヒドロキシエ
チルメタクリレート=50/40/10(重量比)から
なる共重合体10重量部に、架橋剤としてポリイソシア
ネート化合物(武田薬品社製)を共重合体中の水酸基当
量分だけ加えたものを用いたほかは、実施例1と同様に
して複合膜を得た。ついで、100℃で1時間加熱処理
して架橋反応を完了させた。得られた架橋複合膜の表面
を実施例1と同様にして観察したところ、表面が均一で
液晶の滲み出しがないことを確認した。実施例3 液晶材料として、MJ92279に代えてZLI−47
92(メルクジャパン社製の商品名、フッ素系液晶成分
を50重量%を含有、誘電異方性Δεが8.7、屈折率
異方性Δnが0.097)を用いたほかは実施例2と同
様にして複合膜を得、架橋反応を行った。得られた架橋
複合膜の表面を実施例1と同様にして観察したところ、
表面が均一で液晶の滲み出しがないことを確認した。
【0044】これらの実施例2,3についても、実施例
1と同様にして液晶素子を作製し、中間調の状況を観察
したところ、いずれも均一なムラのない中間調を示し
た。比較例1 高分子として、ブチルアクリレート/アクリロニトリル
/ヒドロキシエチルメタクリレート=83/7/10
(重量比)からなる共重合体を用いたほかは実施例2と
同様にして架橋複合膜を得た。この複合膜の表面を観察
したところ、表面に液晶の滲み出しが認められた。比較例2 液晶材料として、実施例3で用いたと同じ液晶材料を使
用したほかは、比較例1と同様にして架橋複合膜を得
た。この複合膜の表面を観察したところ、表面に液晶の
滲み出しが認められた。比較例3 液晶材料として、E31LV(メルクジャパン社製の商
品名、ハロゲン系液晶成分を含有せず、シアノビフェニ
ル系が主体の液晶材料、誘電異方性Δεが16.2、屈
折率異方性Δnが0.227)を用いたほかは実施例2
と同様にして複合膜を得、架橋反応を行った。得られた
架橋複合膜の表面を実施例1と同様にして観察したとこ
ろ、目視でも不均一な相分離が認められた。
【0045】これらの比較例1〜3についても、実施例
1と同様にして液晶素子を作製し、中間調の状況を観察
したところ、いずれも中間調にムラを生じた。
【0046】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、均一な相
分離構造で良好な表面状態を有する液晶複合膜を得るこ
とができるという効果がある。従って、本発明の液晶複
合膜はTFTなどの非線形素子による駆動に有用であ
る。また表示以外でも、大面積素子、調光窓等に好適に
使用することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子と液晶材料とからなる液晶複合膜で
    あって、前記液晶材料がハロゲン原子が結合した液晶成
    分を含む混合液晶材料であり、かつ前記高分子が塩素原
    子が結合した単量体の重合物を含むことを特徴とする液
    晶複合膜。
  2. 【請求項2】前記液晶に結合したハロゲン原子が塩素原
    子である請求項1記載の液晶複合膜。
  3. 【請求項3】ハロゲン原子が結合した液晶成分を含む混
    合液晶材料と、塩素原子が結合した単量体の重合物を含
    む高分子とを、そられの共通溶媒に溶解して得た溶液を
    基板上に塗布し、溶媒を除去乾燥することを特徴とする
    液晶複合膜の製造方法。
  4. 【請求項4】前記液晶に結合したハロゲン原子が塩素原
    子である請求項3記載の液晶複合膜の製造方法。
JP5874393A 1993-03-18 1993-03-18 液晶複合膜およびその製造方法 Pending JPH06273726A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6764614B2 (en) * 2000-12-14 2004-07-20 Koninklijke Philips Electronics N.V. Stratified phase-separated composite having cross-linked polymeric layer

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6764614B2 (en) * 2000-12-14 2004-07-20 Koninklijke Philips Electronics N.V. Stratified phase-separated composite having cross-linked polymeric layer

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