JPH06271822A - 粘着シート - Google Patents

粘着シート

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JPH06271822A
JPH06271822A JP5063774A JP6377493A JPH06271822A JP H06271822 A JPH06271822 A JP H06271822A JP 5063774 A JP5063774 A JP 5063774A JP 6377493 A JP6377493 A JP 6377493A JP H06271822 A JPH06271822 A JP H06271822A
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meth
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Hideaki Suzuki
英明 鈴木
Hirosuke Hamada
弘介 浜田
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New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】インクジェットプリンター記録用に、インク受
容性に優れ、鮮明で輪郭の明確な記録像が得られ、さら
に記録像の保存性や筆記性にも優れ、且つラベルの脱落
や粘着剤のはみ出しを改善した粘着シートを提供する。 【構成】表面基材、粘着剤、剥離剤、下塗剤、剥離基体
を積層した粘着シートであり、表面基材が基紙及びカチ
オン性合成樹脂とカチオン性表面サイズ剤を0.003 〜0.
2 重量%(対固形分)含む塗工剤からなり、且つ、下塗
剤が分子中に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステ
ルの少なくとも一種及びこれと共重合可能な他のビニル
系モノマーの少なくとも一種とを乳化共重合して得られ
るコポリマーと顔料とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粘着シートに関し、特
にインクジェット記録適性に優れると同時に筆記適性や
ラベル適性を改善した粘着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】粘着シートは商業用、事務用、家庭用等
非常に広範囲に亘ってラベル、シール、ステッカー、ワ
ッペン等に加工して使用されている。粘着シートの一般
的な構成は、表面基材、粘着剤、剥離剤、下塗剤、剥離
基体を積層して形成したものである。表面基材には紙、
フィルム、金属フォイル等が用いられ、剥離基体として
はグラシン紙のような高密度原紙、クレーコート紙、ポ
リエチレンラミネート原紙等にシリコーン化合物や弗素
化合物のような剥離剤を塗工したものが用いられる。ま
た、粘着剤としては、ゴム系、アクリル系、ビニルエー
テル系等のエマルジョン型、溶剤型、無溶剤型等の各種
粘着剤が使用される。
【0003】粘着シートは、用途に合わせてスリッター
断裁加工、ギロチン断裁加工、ダイカット加工等が行わ
れるが、その加工段階でスリッター断裁刃、ギロチン断
裁刃、ダイカット加工刃等に粘着剤が付着することが問
題である。この粘着剤の付着は断裁加工の際の作業能率
を低下させる。また刃に付着した粘着剤がシートに転着
すると、シートに印刷する際やラベル貼着の際にスムー
ズな給紙ができなくなり、作業能率が非常に低下する原
因となっている。
【0004】一方、このような粘着シートへの印刷や記
録には、インクジェットプリンターの利用が増加しつつ
ある。インクジェットプリンターは、近年の情報化社会
に於けるコンピュータの台頭に伴って、騒音が少なく高
速記録が可能であり、多色化が容易なこと等の利点があ
る。
【0005】従来、インクジェットプリンター用粘着シ
ートの表面基材として上質紙やコーテッド紙等の一般市
販用紙が使用できるように、記録装置やインク組成面か
らの改良努力がなされているが、未だに満足な製品が得
られていないのが実状である。また、より一層の高速記
録、記録の高精細化といった記録装置面の性能改善や記
録のフルカラー化といった用途の拡大に伴い、表面基材
に対するより高度の特性が要求されている。
【0006】インクジェットプリンター用粘着シートの
表面基材としての品質は具体的に、インクの吸収が速
く滲みや汚れが発生しないこと、インクドットの横方
向への拡散が必要以上に大きくならず均一であること、
インクドットの濃度が高く鮮明であること、記録画
像が保存中に光や空気中の酸素等の影響で変色や褪色を
起こさないこと等が要求されている。
【0007】これらの品質要求に対し、従来からいくつ
かの提案がなされてきた。例えば、基材上にインク吸収
性の良い顔料と結着剤とを主体とするインク受容層を設
ける工夫はインクジェット記録用紙の開発当初より試み
られている。インク受容層用の顔料としてはシリカ系顔
料が、特開昭52−9074号、同55−51583 号、同56−1485
83号、同58−72495 号等に提案されており一般的に用い
られてきた。また、水溶性高分子塗工層をインク受容層
に用いた、特開昭55−144172号、同55−146786号等も提
案されている。
【0008】ところが、前者の顔料塗工の場合は、顔料
の塗工層を設けるために捺印性や筆記性に劣り紙粉が発
生したりする。また、後者の水溶性高分子塗工層の場合
は、高濃度記録やインク乾燥性等の効果を目指している
が、吸水性を主体としてサイズ度を極めて低く設定する
インクジェット適性を主にしたものであるために、水性
ペン等による筆記を行った場合にインクのにじみが生じ
てしまう欠点があり、インクジェット適性と水性ペンに
よる筆記性を共に満足するものは得られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、インクジェ
ットプリンターの記録においてインク受容性に優れ、鮮
明で輪郭の明確な記録像が得られ、記録像の保存性や筆
記性にも優れ、かつ、粘着シートの断裁印刷等の加工に
おいてラベルの脱落や粘着剤のはみ出しを改善した粘着
シートを提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、表面基材、粘
着剤、剥離剤、下塗剤、剥離基体を積層した粘着シート
において、表面基材が基紙及びカチオン性合成樹脂とカ
チオン性表面サイズ剤0.003 〜0.2 重量%(対全固形
分)を含む塗工剤からなり、且つ、下塗剤が主成分とし
て分子中に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル
の少なくとも1種及びこれと共重合可能な他のビニル系
モノマーの少なくとも1種とを乳化共重合して得られる
コポリマーと顔料とを含むことを特徴とする粘着シート
である。
【0011】
【作用】本発明における表面基材の基紙に塗工する塗工
剤に主成分として用いるカチオン性合成樹脂としては、
例えばポリアミドエピクロルヒドリン樹脂、メラミンホ
ルムアルデヒド樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂が例
示でき、これらの樹脂を水性塗工液に調製して塗工す
る。
【0012】また、水溶性高分子として、ポリビニルア
ルコール,カチオン性ポリビニルアルコール等の合成高
分子,酸化澱粉、カチオン化澱粉等の澱粉類,カルボキ
シメチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロース等の
セルローズ誘導体などを本発明の効果を損なわない程度
の範囲で併用してもよい。
【0013】そして、上記の水性塗工液に助剤として含
有させるカチオン性表面サイズ剤としては、例えばスチ
レン系、スチレンアクリル系、アミド系等が例示でき
る。その添加量は、塗工液の合成樹脂主成分に対して0.
003 〜0.2 重量%、より好ましくは0.005 〜0.15重量%
の範囲内で用いるのが重要である。添加量が0.003 重量
%未満では水性ペン書き適性が悪い。一方、0.2 重量%
を越えるような添加は、インクジェットインクの乾燥性
が低下してしまう。
【0014】本発明は、主成分の合成樹脂としてカチオ
ン性合成樹脂を使用し、更に、助剤としてカチオン性表
面サイズ剤を併用することにより、カチオン性合成樹脂
のみのインク受容層では得られない水性ペン書き適性を
改良することができる。
【0015】上記の塗工液は、ツーロールあるいはメー
タリングブレード式のサイズプレス、グラビアコート、
ゲートロール、ビルブレードおよびショートドウェルコ
ーター等の塗工装置によって塗工される。塗工量は両面
で0.5 〜3.0 g/m2 程度が望ましい。また、必要に応
じてキャレンダー、スーパーキャレンダー等の装置によ
り平滑化を行う。
【0016】表面基材の基紙は、抄紙原料のパルプ組成
としてKP、SP、AP法等の針葉樹や広葉樹等の化学
パルプ、および、SCP、BCTMP、CTMP、CG
P、RGP、SGP、TMP等の機械パルプ、さらに、
DIP等の古紙パルプを主成分とし、必要に応じて、麻
パルプのような非木材パルプ、合成パルプ、各種の合成
繊維、ガラス繊維が適宜組合わされる。
【0017】そして、抄紙原料の填料は、タルク、カオ
リン、クレー、焼成カオリン、炭酸カルシウム、水酸化
アルミニウム、二酸化チタン、珪酸マグネシウム、硫酸
マグネシウム、アルミノ珪酸塩、シリカ、ベントナイト
等の鉱物質填料やポリスチレン樹脂微粒子、尿素ホルマ
リン樹脂微粒子および熱膨張性微小中空粒子あるいは非
熱膨張性微小中空粒子やその他の有機系填料等を使用す
る。
【0018】また、抄紙添加剤としてアニオン、カチオ
ン性ロジン系サイズ、石油系サイズ、アルキルケテンダ
イマー系サイズ、アルケニル無水コハク酸サイズ及び無
水ステアリン酸系サイズ等のサイズ剤、および、アニオ
ン性、カチオン性、ノニオン性又は両性のポリアクリル
アミド系重合体、ポリエチレンイミン及びその誘導体、
ポリアミド、ポリアミンおよびその誘導体、ポリエチレ
ンオキサイド、植物ガム、ポリビニルアルコール、カチ
オン性ラテックス、カチオン性尿素ホルマリン樹脂、メ
ラミンホルマリン樹脂、ポリアミド樹脂等の有機系化合
物の歩留向上剤、ろ水性向上剤、紙力増強剤等が使用さ
れ、さらに染料、pH調整剤、ピッチコントロール剤、
スライムコントロール剤、消泡剤等を必要に応じて適宜
選択して使用することができる。
【0019】上記の抄紙原料の抄紙は、長網抄紙機、ツ
インワイヤー抄紙機、短網抄紙機、丸網抄紙機、ヤンキ
ー抄紙機等により、酸性あるいは中性で抄紙する。
【0020】本発明のインクジェット記録適性に優れた
表面基材を得るために、表面基材の基紙として、ジエチ
レングリコール50重量%水溶液の初期浸透速度が3.5 g
/秒以上の基紙を使用することが好ましい。この初期浸
透速度が3.5 g/秒未満の場合は、基紙に前記塗液を塗
工しても、塗液成分の大部分が紙表面層に留まることに
なり、インクジェットインクの吸収性が低下する傾向に
ある。
【0021】ここで言う初期浸透速度は、動的濡れ性試
験器(WET−3000/レスカ社製)を用いて、特定の水
溶液の被記録用紙への初期の浸透量を時間的に表現した
値である。具体的には、上記試験器を用い、巾 2cm×
長さ 5cm試験片を液中に長さ方向12mmの深さに浸漬
させ、浸漬時間(秒)と水溶液の浸透量(g)を測定す
る。浸漬は浸透量がほぼ平衡状態になるまで行う。
【0022】測定した浸漬時間(秒)と水溶液の浸透量
(g)を図示して、その曲線から0秒への接線を引いて
平衡状態の浸透量とその時の浸漬時間を得る。そして、
その平衡浸透量を浸漬時間で割って初期浸透速度g/秒
とする。さらに、図面を用いて説明すると、サンプルが
液中12mmの深さまで浸漬した時、C点を通る。このC
点の値を浸透量の基準とし、C点以降の曲線(C,D,
E,F,G)が浸透量の動きとなる。C点からの直線部
を延長し(X)、平衡状態の浸透量値との交点をZ点と
し、さらにZ点から基準値へ垂線をおろし、その曲線に
対してZY(g)/CY(秒)の値を固有の初期浸透速
度として数値化する。
【0023】例えば一定時間後の浸透量が同一でも、紙
の種類により初期浸透速度の値は異なる。この初期浸透
速度を測定することにより、記録用紙の初期の浸透状態
を極めて鋭敏に知ることができ、インクジェット適性と
水性ペン書き適性を併せて評価できる。
【0024】また、種々の水溶液の中でも、ジエチレン
グリコール50重量%水溶液を用いた初期浸透速度は極め
て高い相関関係を示すことがわかった。
【0025】基紙の初期浸透速度を調節するには、パル
プ組成、叩解条件、填料、紙力増強剤、内添サイズ剤、
pH調節剤等の配合のコントロール、乾燥条件、加圧条
件等、抄紙機に合わせた操業条件の調節を適宜選択して
行うことができる。
【0026】また、本発明の、主成分としてカチオン性
合成樹脂と、助剤としてカチオン性表面サイズ剤を0.00
3 〜0.2 重量%を含んだ塗工剤液を塗工して得られる表
面基材が、エチレングリコール50重量%水溶液の初期浸
透速度3.0 〜7.0 g/秒、より好ましくは3.5 〜6.5 g
/秒の範囲であることが好ましい。表面基材の初期浸透
速度が3.0 g/秒未満の場合は水性ペン書き適性は良好
であるが、インクジェット記録濃度が高くなっても、記
録後のインク吸収が著しく遅くなり記録部の擦れ汚れが
生じる傾向になる。一方、7.0 g/秒を越える場合に
は、インクジェット記録後のインク吸収は速いが記録濃
度が低くなり、水性ペン書きによるにじみが生じ易い。
【0027】本発明の粘着シートを構成する剥離シート
は、剥離基体に下塗剤層を設けた上に剥離剤を塗工した
ものが用いられる。その下塗剤は、分子中に水酸基を有
する(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも1種と、
これと共重合可能な他のビニル系モノマーの少なくとも
1種とを乳化共重合して得られるエマルジョンに顔料を
添加したものを主成分とするものである。
【0028】本発明において用いられる上記特定のエマ
ルジョンを構成する分子中に水酸基を有する(メタ)ア
クリル酸エステルとしては、例えば2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メ
タ)アクリルレート、グリセロールモノ(メタ)アクリ
レート等が挙げられ、これらの少なくとも1種を用いる
ことができる。
【0029】これらの水酸基を有する(メタ)アクリル
酸エステルは、シリコーン樹脂との密着性を著しく改善
し、その使用量としては、全モノマー量に対して0.5 重
量%程度以上とするのがよいが、特に 3〜20重量%程度
としたときにはシリコーン樹脂との密着性が著しく向上
し高温架橋型および低温架橋型のいずれのシリコーン樹
脂にも適用可能となり好ましい。ただし、水酸基を有す
る(メタ)アクリル酸エステルの使用量が30重量%以上
になると、得られるエマルジョンの安定性が低下するた
めに好ましくない。
【0030】上記の水酸基を有する(メタ)アクリル酸
エステルと共重合可能な他のビニル系モノマーとして
は、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン
酸、イタコン酸、フマル酸、モノアルキルマレイン酸、
モノアルキルフマル酸等のエチレン性不飽和カルボン酸
含有モノマー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メ
タ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、
(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸−2
−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メ
タ)アクリル酸ステアリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、
塩化ビニリデン、(メタ)アクリロニトリル、スチレ
ン、エチレン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポ
リ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−
ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチ
ロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジビニルベ
ンゼン、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジ
ル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アク
リルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,
N′−メチレンビス(メタ)アクリルアミド等が挙げら
れ、これらの一種もしくは二種以上を併用することがで
きる。
【0031】コポリマー中に占めるこれらの共重合可能
な他のモノマーの割合は、70〜99.5重量%の範囲で調節
される。
【0032】本発明の剥離紙においては、上記の水酸基
を有する(メタ)アクリル酸エステル 3〜15重量%、エ
チレン性不飽和カルボン酸 2〜20重量%、C4 〜C10
アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル40〜80
重量%、(メタ)アクリロニトリルのような他のモノマ
ー 2〜40重量%を共重合して得られるエマルジョンが好
ましく用いられる。
【0033】また、本発明においては、必要に応じてメ
ラミン、エポキシ、イソシアネート、アジリジン系化合
物を架橋剤として使用してもよい。
【0034】上記のエマルジョンは通常の乳化重合によ
り得ることができる。この重合反応は水性媒体中で行わ
れ、乳化剤はモノマー全量に対して 2〜 6重量%の範囲
で含有させる。乳化剤の使用量が 2重量%未満に下回る
と、得られるエマルジョンの安定性が不十分となりポリ
マーの粒子径が大きくなってしまう。また、 6重量%を
越えると下塗剤層と剥離剤層との密着性が低下する。
【0035】乳化剤としては、オレイン酸カリウム、ラ
ウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、
ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチ
レンアルキルアリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキ
シエチレンジアルキル硫酸アンモニウム、ポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポ
リオキシエチレンアルキルアリルエーテルリン酸エステ
ル等のアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエ
ーテル、ポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)ブ
ロックコポリマー、ポリエチレングリコール脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等
のノニオン系界面活性剤を例示できる。また、乳化分散
能力を有する低分子量の高分子化合物として、例えばポ
リビニルアルコールおよびその変成物、ポリアクリルア
ミド、ポリエチレングリコール誘導体、ポリカルボン酸
共重合体の中和物、カゼイン等を単独あるいは上記乳化
剤と併用して使用できる。
【0036】重合時のモノマー濃度としては、30〜70重
量%程度、より好ましくは40〜60重量%程度が適当であ
る。また、重合の際に用いる重合開始剤としては、例え
ば過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、2,2′−アゾビ
スイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物、過酸化水
素、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサ
イド等の過酸化物、過硫酸アンモニウム又はそれらと亜
硫酸ソーダ、酸性亜硫酸ソーダ等の還元剤との組合わせ
からなる所謂レドックス系の重合開始剤等が挙げられ
る。上記重合開始剤の使用量は、重合に供するモノマー
の全量に対して0.2 〜 2重量%程度、好ましくは0.3 〜
1重量%程度とするのが望ましい。重合反応は通常60〜
100 ℃程度で 2〜 8時間程度行われる。
【0037】本発明では、このようにして得られるエマ
ルジョンに含まれるコポリマーのガラス転移温度も重要
であり、−30〜+20℃、より好ましくは−20〜+10℃の
ガラス転移温度を有するコポリマーが選択的に使用され
る。ガラス転移温度が−30℃未満に低くなると、皮膜の
粘着性が強くなり過ぎ、逆に20℃を越えて高くなると、
得られる皮膜が硬くなり過ぎて実用性がなくなってしま
う。
【0038】なお、共重合体のガラス転移温度Tgは、
本発明においては下記一般式(1)に基づいて推定され
る。
【0039】
【数1】
【0040】本発明の下塗剤層には、顔料を含有させる
ことが必要であり、顔料を含有する下塗剤層を設けるこ
とで、下塗剤層のブロッキングが制御され、塗工時の塗
料安定性も向上される。下塗剤層に含有させる顔料とし
ては通常の無機または有機の顔料が使用でき、具体的に
は例えば、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウ
ム、チタン、アルミニウム、アンチモン、鉛等の各種金
属の酸化物、水酸化物、硫化物、炭酸塩、硫酸塩又は珪
酸塩化合物やポリスチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビ
ニル等の固体高分子微粉末等が挙げられる。中でも、カ
オリン、タルク、シリカ、石膏、バライト粉、アルミナ
ホワイト、グロスホワイト、サチンホワイト、酸化チタ
ン、炭酸カルシウム等の無機顔料を使用すると効率良く
ブロッキングを防止することができる。
【0041】下塗剤層中に含有させる顔料の量は、コポ
リマー 100重量部に対して顔料を50〜150 重量部の範囲
に調節するのが望ましい。50重量部未満に少ないと皮膜
の粘着性が強くなり過ぎ、150 重量部を越えて多くなる
と皮膜の溶剤バリヤー性が不十分となり適性な剥離性能
が得られない。
【0042】本発明の下塗剤塗工液中には、本発明の所
望の効果を阻害しない範囲で、例えばメチルセルロー
ス、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、デ
キストリン、酸処理澱粉、酸化澱粉、架橋澱粉、澱粉エ
ステル、グラフトコポリマー澱粉等の澱粉誘導体等の各
種の水溶性天然高分子類;エチレングリコール、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール
等の多価アルコール類、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類
等の水溶性可塑剤;尿素・ホルムアルデヒド樹脂、メラ
ミン・ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド・ポリアミン
・エピクロルヒドリン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、
エポキシ樹脂等の架橋剤;さらには無機塩;充填剤;消
泡剤;濡れ剤;レベリング剤;硬化剤;増粘剤;皮膜形
成助剤等を適宜添加することができる。
【0043】下塗剤塗工液の剥離紙基体への塗工または
含浸の方法については、例えばエアーナイフコーター、
ロールコーター、グラビアコーター、バーコーター、ブ
レードコーター、ロッドブレードコーター、サイズプレ
スコーター等の各種装置が適宜使用される。塗工または
含浸の量は、乾燥重量で0.1 〜20g/m2 程度の範囲で
調節するのが好ましく、特に 1〜10g/m2 程度が望ま
しい。
【0044】本発明の剥離紙において、剥離基体として
は坪量30〜300 g/m2 程度、厚さ30〜300 μm程度の
各種繊維シート類が使用される。
【0045】下塗剤層の上に塗工される剥離剤について
は、特に限定されず、各種のシリコーン化合物やフッ素
化合物等が常法に従って塗布される。
【0046】このようにして得られる本発明の粘着シー
トに用いる剥離基体、下塗剤層、剥離剤層からなる剥離
シートは、基体上に特定のモノマー組成とガラス転移温
度を有するエマルジョンに顔料を添加した下塗剤層が形
成されているため、特にカールの発生が効果的に防止さ
れ、通紙適性や複写適性等に優れた粘着紙を構成するこ
とができるものである。
【0047】この下塗剤層を設けた基体に剥離剤層を形
成して剥離シートが製造されるが、剥離シートとして
は、剥離剤層表面とクロロプレンゴム(ショアーA 硬度
65±2°)との動摩擦係数( JIS P 8147 )が0.2 以上
であることが好ましい。動摩擦係数が0.2 未満である
と、粘着剤が加工刃や断裁面に付着するのを防止する効
果が乏しく、インクジェットプリンターでの用紙走行不
良の原因となる。
【0048】動摩擦係数を与える剥離剤の具体例として
は、東レダウコーニング社製のSD−7239,BY2
4−162、LTC−300B、LTC−350A、L
TC−350G、LTC−370G、BY14−40
3、BY14−405、BY14−407、BY14−
413、BY14−414、BY14−411、BY1
4−420、信越化学工業社製のKS−845、KS−
770、KNS−202A、KNS−305、KNS−
316、KNS−319、KNS−320、X−62−
A232、X−62−1233等が挙げられる。
【0049】本発明の粘着シートは、上記のようにして
得られた表面基材と剥離シートを組合わせることによ
り、インク受容性、筆記性を十分満足し、且つ、ラベル
の脱落や粘着剤のはみ出しを防止することができる。
【0050】なお、粘着シートを構成する方法について
は格別の限定はなく、常法に従って剥離シートの剥離剤
層上に粘着剤を塗工し、必要に応じて乾燥することによ
り粘着剤層を形成し、表面基材を貼り合わせて、調湿等
を行い仕上げられる。
【0051】また、粘着剤は、以下のように重合して得
ることができる。(メタ)アクリル酸エステルの群から
選択されたエステル基含有モノマーの少なくとも1種を
主成分とするシードポリマーが重合される。このシード
ポリマーは215 〜303 Kのガラス転移温度〔Tg〕を有
するポリマーが望ましい。Tgが215 K未満に低いと凝
集力が著しく低下し、303 Kを越えて高いと粘着力が低
下する傾向があるからである。上記シードポリマーは、
公知の乳化重合法(例えば一次仕込み重合法、モノマー
添加重合法、プレエマルジョン添加重合法等)によって
製造されたものが好ましい。
【0052】シードポリマーの平均粒子径は0.15〜0.35
μm、より好ましくは0.2 〜0.3 μmである。0.15μm
未満では、第2段目の乳化重合(シード重合)によって
粘度の高い、且つ塗工適性の悪いエマルジョンを生成
し、0.35μmよりも大きいと生成するコポリマーの粒子
内における粘着付与剤樹脂の分布が不規則になったり、
接着性能を十分向上させることができない。
【0053】またシードポリマーとしては、モノマーの
重合転化率が98%以上(残存モノマー量が 2%未満)の
ものが望ましい。重合転化率の低い(残存モノマー量の
多い)エマルジョンでは、上記の第2段目の乳化重合に
おいて反応系を不安定化したり、粘着付与剤樹脂が凝集
した粗大粒子を生成する場合がある。このシードポリマ
ーは(メタ)アクリル酸エステル、例えば(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メ
タ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−t−
ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)
アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸
イソノニル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)ア
クリル酸ステアリルから選択される少なくとも一種を主
成分とし、エチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エ
チレン性不飽和カルボン酸、架橋性モノマー、(α−メ
チル)スチレン、N−アルキル(メタ)アクリルアミ
ド、(メタ)アクリロニトリルから選択された共重合可
能なモノマーの少なくとも1種からなるコポリマーが好
ましい。エチレン性不飽和カルボン酸としては、例えば
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、
マレイン酸、無水マレイン酸、アルキル基の炭素数が 1
〜12のモノアルキルマレート、ヒドロキシエチル(プロ
ピル)モノマレート、フタル酸、イタコン酸のモノアル
キル(炭素数 1〜12)エステル等が挙げられる。また、
架橋性モノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸−
2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒド
ロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシ
エチル、ポリエチレングリコール又はポリプロピレング
リコールのモノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有モ
ノマー、グリシジル(メタ)アクリレートのようなエポ
キシ基含有モノマー、(メタ)アクリルアミド、ダイア
セトンアクリルアミド等の−CONH2 基やメチロール
基を有するモノマー、ジビニルベンゼン、ジビニルシラ
ン、ジアリルフタレート、シクロペンタジエン、メチレ
ンビスアクリルアミド、ジアリルマレート、テトラアリ
ルオキシエタン等のエレン性不飽和結合を2個以上有す
るモノマーを挙げることができる。
【0054】本発明の粘着剤は、上記1段目の乳化重合
により生成したコポリマーのエマルジョンを適用し連続
して第2段目の乳化重合を行ったコポリマーが用いられ
る。ここで、第2段目の乳化重合では、炭素数 4〜18の
アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルを主体とし、これとエチレン性不飽和カルボン酸及び
架橋性モノマーから選択される官能基含有モノマーの少
なくとも1種と、またはさらに、ビニルエステル、炭素
数 1〜3 のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、
(α−メチル)スチレンおよびベンジル(メタ)アクリ
レートから選択された非イオン性モノマーの少なくとも
1種に、粘着付与剤樹脂を添加した乳化モノマー混合物
を上記第1段目のシードポリマーに添加して重合され
る。
【0055】本発明に使用する粘着付与剤樹脂として
は、例えば、生ロジン、水添ロジン、水添ロジンエステ
ル、不均化ロジンエステル、重合ロジンエステル等のロ
ジン系樹脂、α−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、ジペン
テン系樹脂、テルペン−フェノール樹脂等のポリテルペ
ン系樹脂、ハイレッツ(三井石油化学製)、クイントン
(日本ゼオン製)、タッキロール(住友化学製)、エス
テコレッツ1000(エッソ化学製)等の脂肪族系石油
樹脂、ネオポリマーS(日本合成樹脂製)、ペトロジン
(三井石油化学製)、ペトライト(東洋ソーダ製)等の
芳香族石油樹脂、ハイレジン(東邦石油化学製)、タッ
クエース(三井石油化学製)、エステコレッツ200
(エッソ化学製)等の純モノマー共重合系石油樹脂、ア
ルコン(荒川化学製)、エステコレッツ(エッソ化学
製)等の脂環系石油樹脂、トーマイド(富士化性工業
製)等ポリアミド系樹脂、エピコート(シェル化学
製)、エポミック(三井石油化学エポキシ製)、エポト
ート(東都化成製)等のエポキシ系樹脂、天然ゴム、イ
ソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、スチレン−ブ
タジエンブロックポリマー、スチレン−イソプレンブロ
ックポリマー、エチレン−イソプレン−スチレンブロッ
クポリマー等のエラストマーが挙げられる。
【0056】本発明の粘着剤は、第1段目のシードポリ
マー 100重量部に対して、第2段目のポリマー300 〜3,
000 重量部を混合したものが用いられる。300 重量部未
満に少ないと接着力の向上が認められなく、3,000 重量
部を越えて多いと乳化重合安定性および生成したエマル
ジョンの安定性が悪くなるので好ましくない。
【0057】また、粘着剤層を形成する粘着剤の、引張
り強さ(JIS K 6301)が0.5 〜2.0kg/cm2 、且
つ、伸び率(JIS K 6301)が1,500 〜3,000 %である
と、粘着シートをシートカットした際にカット刃や断裁
面への粘着剤の付着が更に制御されるので好ましい。
【0058】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、勿論これらに限定されるものではない。な
お、例中の「部」および「%」は、特に断らない限りそ
れぞれ「重量部」および「重量%」を示す。
【0059】実施例1 〔表面基材〕フリーネス500 mlのNBKP20部および
LBKP80部のパルプスラリーに、タルク 5部、ロジン
エマルジョンサイズ0.2 部、硫酸バンド 2部を添加した
抄紙原料を、長網抄紙機で米坪64g/m2 となるように
抄紙して基紙を得た。この基紙に、主成分のカチオン性
合成樹脂としてポリアミドエピクロルヒドリン樹脂と酸
化澱粉を4:1とした中に、カチオン性アミド系表面サ
イズ剤0.05重量%を含む濃度 3%の塗液を、塗工液量が
40g/m2 となるようにサイズプレスで塗工し、乾燥、
マシンカレンダー処理して、紙水分6.5 %の表面基材と
した。
【0060】〔剥離シート〕メタクリル酸−2−ヒドロ
キシエチル20g、アクリル酸ブチル 240g、アクリルニ
トリル40g、アクリル酸20g、メタクリル酸メチル68
g、N−メチロールアクリルアミド12g、アルキルフェ
ニルエーテルサルフェート型乳化剤(三洋化成社製、商
品名「エレミノールES−70」)10g、イオン交換水
170gからなる乳化モノマー混合液(A)を調製した。
【0061】次に、攪拌機、クーラー、滴下ロート、窒
素吸い込み管、温度計を付帯した 2リットルの四つ口フ
ラスコにイオン交換水 240gと上記と同じ乳化剤 2g、
過硫酸カリウム0.8 gを仕込み、窒素置換しながら70℃
まで昇温した後、上記の乳化モノマー混合液(A)の 1
/6を滴下した。反応率が90%に達した時点で残りの乳化
モノマー混合液(A)を 2時間かけて滴下して重合させ
た。滴下終了後70℃で2時間熟成して反応を完結させ
た。熟成終了後フラスコ内容物を40℃に冷却し、水酸化
ナトリウム水溶液を添加して中和反応を行い、反応終了
後に強攪拌して本発明で使用する水性コポリマー(イ)
を得た。得られたコポリマーのガラス転移温度は 4℃で
ある。また、乳化剤量は3.0 %である。
【0062】水性コポリマー(イ) 100部、湿式重質炭
酸カルシウム(備北粉化工業社製、商品名「ハイドロカ
ーブK−9」) 100部、潤滑剤(サンノプコ社製、商品
名「ノプコートC−104」) 1部、消泡剤(サンノプ
コ社製、商品名「ノプコ1407K)0.6 部、濃度45%
の下塗層塗液を調製し、米坪49g/m2 、厚さ65μmの
上質紙に、ロッドブレードコーターで乾燥重量が 5g/
2 となるように塗工し乾燥して剥離基体とした。
【0063】この剥離基体の表面に、シリコーン剥離剤
(信越化学工業社製、商品名「KS−845」動摩擦係
数0.27)の 9%トルエン溶液を乾燥塗工量が1.0 g/m
2 となるようにバーコーターで塗工し乾燥して剥離シー
トとした。
【0064】〔粘着剤〕まず、下記のとおりシードエマ
ルジョンを調整した。酢酸ビニル30部、アクリル酸−2
−エチルヘキシル68部、アクリル酸 2部、N−メチロー
ルアクリルアミド0.3 部のモノマー混合物を、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム 1
部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2 部、ポ
リオキシエチレンノニルフエニルエーテル(HLB約1
0) 1部、酢酸ナトリウム0.3 部、イオン交換水30部の
乳化剤水溶液の中に添加、攪拌してプレエマルジョンに
した。
【0065】攪拌機、温度計、冷却管を備えた反応容器
の中に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2
部、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル(HL
B約10) 1部、酢酸ナトリウム0.3 部、イオン交換水30
部の乳化剤水溶液を仕込み、窒素ガスを通し攪拌しなが
ら液温度を75℃に昇温し、前記プレエマルジョンの 5/
100 を添加して30分間初期重合を行い、その後残りの量
を 4時間にわたって滴下し、75〜80℃に保持して重合を
行った。滴下終了後さらに80℃に保持して後期重合を行
ってシードエマルジョンとした。ここで得られたシード
エマルジョンは固形分濃度50%、粘度100 cps、pH
3.0 、平均粒子径0.23μm、コポリマーのガラス転移温
度は−44℃であった。
【0066】次に、下記のとおり粘着付与剤樹脂コポリ
マーエマルジョンを調整した。アクリル酸メチル30部、
アクリル酸−2−エチルヘキシル58部、アクリル酸 2部
のモノマー混合物(コポリマーのガラス転移温度は−45
℃)、粘着付与剤(荒川化学社製、商品名「樹脂スーパ
ーエステルA−100」)10部の混合液を、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム 1
部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3 部、ポ
リオキシエチレンノニルフエニルエーテル(HLB約1
0) 1部、酢酸ナトリウム0.4 部、イオン交換水30部の
乳化剤水溶液の中に添加、攪拌してプレエマルジョンに
した。
【0067】さらに、攪拌機、温度計、冷却管を備えた
反応容器の中に、前記シードエマルジョン20部、イオン
交換水18部を仕込み、窒素ガスを通し攪拌しながら液温
度を75℃に昇温保持し、前記プレエマルジョン 132.7部
と過硫酸カリウム0.3 部、イオン交換水 7部の溶液を 4
時間わたって滴下して重合を行った。得られたコポリマ
ーエマルジョンは固形分濃度65%、粘度 400cps、p
H3.5 、平均粒子径0.45μmであった。
【0068】そして、このコポリマーエマルジョンをア
ンモニア25%水で中和した後、増粘剤(花王社製、商品
名「ビスサーフ1400」)を配合して粘度5,000 cp
sに調整して粘着剤を得た。
【0069】〔粘着シート〕上記の剥離シートの剥離剤
層面に上記粘着剤(引張り強さ2.0 kg/cm2 、伸び
率1,500 %)をリバースロールコーターで乾燥塗工量が
17g/m2 となるように塗工して乾燥した。続いて、こ
の粘着剤層面に前記表面基材を重ねてプレスロールで貼
り合わせて粘着シートを得た。
【0070】実施例2 表面基材は実施例1と同様にした。剥離シートは、実施
例1における水性コポリマー(イ)を(中央理化社製、
商品名「リカボンドET−L236」ガラス転移温度−
11℃)とし、下塗剤の塗工乾燥重量を4.5 g/m2 とし
た以外は実施例1と同様にして剥離基体を得て、シリコ
ーン剥離剤を(東レダウコーニング社製、商品名「LT
C−350A」動摩擦係数0.21)とし、乾燥塗工量を1.
1 g/m 2 とした以外は実施例1と同様にして剥離シー
トとした。この剥離シートを用いた以外は粘着剤とその
塗工は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
【0071】実施例3 表面基材は実施例1の基紙に、カチオン性高分子樹脂と
してカチオン製ポリアミド系樹脂とポリビニルアルコー
ルを4:2とした中に、カチオン性スチレン系表面サイ
ズ剤0.03重量%を含む濃度 4%の塗液を塗工液量が35g
/m2 となるようにサイズプレスで塗工し、乾燥し、マ
シンカレンダー処理し、紙水分6.5 %の表面基材とし
た。この表面基材を用いた以外、剥離シートおよび粘着
シートは実施例1と同様にして粘着シートを得た。
【0072】実施例4 〔表面基材〕フリーネス520 mlのNBKP10部および
フリーネス500 mlのLBKP90部のパルプスラリー
に、炭酸カルシウム 8部、アルキルケテンダイマー系サ
イズ剤0.2 部、を添加した抄紙原料を、長網抄紙機で米
坪64g/m2 となるように抄紙して基紙を得た。この基
紙に、カチオン性高分子樹脂としてカチオン性ポリアミ
ド系樹脂とポリビニルアルコールを4:1とした中に、
スチレン−アクリル系表面サイズ剤0.06重量%を含む濃
度 4%の塗液を、塗工液量が40g/m2 となるようにサ
イズプレスで塗工し、乾燥マシンカレンダー処理して、
紙水分6.5 %の表面基材とした。
【0073】〔剥離シート〕実施例1と同様にして剥離
基紙を得て、シリコーン剥離剤を(東レダウコーニング
社製、商品名「LTC−300B」動摩擦係数 0.21 )
とし、乾燥塗工量を1.0 g/m2 とした以外は実施例1
と同様にした。
【0074】〔粘着シート〕上記の剥離シートの剥離剤
層面にアクリル系粘着剤(カネボウNSC社製、商品名
「デュロタックAQ−432T」引張り強さ1.5 kg/
cm2 、伸び率2,500 %)をスロットダイコーターで乾
燥塗工量が14g/m2 となるように塗工して乾燥した。
続いて、この粘着剤層面に前記表面基材を重ねてプレス
ロールで貼り合わせて粘着シートを得た。
【0075】実施例5 〔表面基材〕実施例1において、基紙に、カチオン性高
分子樹脂としてポリアミドエピクロルヒドリン樹脂と酸
化澱粉を4:2とした以外は実施例1と同様にして表面
基材とした。
【0076】〔剥離シート〕実施例2と同様にして剥離
基体を得て、シリコーン剥離剤を(東レダウコーニング
社製、商品名「SD−7239」動摩擦係数 0.25 )と
し、乾燥塗布量を1.0 g/m2 となるようにした以外は
実施例2と同様にした。
【0077】〔粘着シート〕実施例1において、粘着付
与剤樹脂を(安原油脂社製、商品名「YSレジンTO−
105」とした以外は実施例1と同様にして粘着剤を得
た。上記の剥離シートと上記の粘着剤(引張り強さ1.8
kg/cm2 、伸び率2,500 %)をリバースロールコー
ターで乾燥塗工量が15g/m2 となるように塗工乾燥
し、粘着剤層面に上記表面基材を重ねてプレスロールで
貼り合わせて粘着シートを得た。
【0078】実施例6 〔表面基材〕実施例4において、基紙に、カチオン性高
分子樹脂としてカチオン性ポリアミド系樹脂とポリビニ
ルアルコールを4:2とした中に、スチレン−アクリル
系表面サイズ剤0.07重量%を含む濃度 4%の塗液をサイ
ズプレスで塗工した以外は実施例4と同様にした。
【0079】〔剥離シート〕実施例2と同様にして剥離
基紙を得て、シリコーン剥離剤を(東レダウコーニング
社製、商品名「LTC−350A」動摩擦係数 0.21 )
とし、乾燥塗工量を1.0 g/m2 とした以外は実施例2
と同様にした。
【0080】〔粘着シート〕上記の剥離シートの剥離剤
層面にアクリル系粘着剤(カネボウNSC社製、商品名
「デュロタックAQ−432T」引張り強さ1.5 kg/
cm2 、伸び率2,500 %)をスロットダイコーターで乾
燥塗工量が14g/m2 となるように塗工して乾燥した。
続いて、この粘着剤層面に前記表面基材を重ねてプレス
ロールで貼り合わせて粘着シートを得た。
【0081】実施例1において、粘着付与剤樹脂を溶解
したモノマー混合物に、N−メチロールメタクリルアミ
ド0.3 部を添加した以外は実施例1と同様にして粘着剤
を得た。上記の剥離シートと上記の粘着剤(引張り強さ
1.2 kg/cm2 、伸び率1,600 %)をナイフコーター
で乾燥塗工量が17g/m2 となるように塗工乾燥し、粘
着剤層面に上記表面基材を重ねてプレスロールで貼り合
わせて粘着シートを得た。
【0082】比較例1 実施例1において、カチオン性アミド系表面サイズ剤を
添加しない以外は実施例1と同様にして表面基材を得
て、この表面基材を用いた以外は実施例1と同様にして
粘着シートを得た。
【0083】比較例2 実施例1において、カチオン性アミド系表面サイズ剤を
0.002 %とした以外は実施例1と同様にして表面基材を
得て、この表面基材を用いた以外は実施例1と同様にし
て粘着シートを得た。
【0084】比較例3 実施例1において、カチオン性アミド系表面サイズ剤を
0.3 %とした以外は実施例1と同様にして表面基材を得
た。実施例2の剥離シートの剥離剤層面にアクリル系粘
着剤(三菱油化バーディッシュ社製、商品名「アクロナ
ールYJ8655−DB」引張り強さ2.1 kg/c
2 、伸び率3,200 %)をリバースロールコーターで乾
燥塗工量が20g/m2 となるように塗工して乾燥した。
続いて、この粘着剤層面に上記表面基材を重ねてプレス
ロールで貼り合わせて粘着シートを得た。
【0085】このようにして得られた9種類の粘着シー
トについて、下記の評価を行いその結果を表1に示す。 〔乾燥性〕記録装置(Canon Canoward α−50)で所定
パターンを記録し、記録直後の記録部をガーゼで擦りイ
ンクの広がりによる汚れを目視評価する。 ○:汚れない ×:汚れる 〔記録濃度〕上記の記録部を濃度計(Macbes−RD914 )
で測定する。 〔水性ペン書きによるにじみ評価〕J-TAPPI 紙パルプ試
験法 No.12-76 に準じて評価し、数字が大きいほど滲み
がなく線がシャープである。 〔接着力〕粘着剤表面のステンレス板に対する接着力
で、JIS Z 1528に準じて、20℃60RHの室内で粘着シート
をステンレス板に2 kgのローラーで2 往復して貼り付
け、2時間後に、インストロン型引張試験機によって300
mm/minの引張速度で180 °の角度に剥離した際
の荷重(g/25mm)を測定する。 〔断裁適性〕粘着シートを長さ20cm:幅15cmにし
て、100 枚重ねてギロチンテスト機(六合製作所製、商
品名「CM−450」)で幅方向に20回連続して断裁し
た後、ギロチン刃に付着した粘着剤の量(mg)を測定
した。
【0086】
【表1】
【0087】
【発明の効果】表1から明らかなように、本発明の実施
例で得られた粘着シートは、インク受容性、記録濃度、
筆記適性に優れ、且つギロチン断裁における粘着剤のは
み出しを抑制し、記録装置での通紙適性の優れた粘着シ
ートである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の初期浸透速度について説明する
ためのもので、上部のグラフは時間に対する浸透量の動
きを示し、下部はサンプルの液面への浸漬を説明するも
のである。
【符号の説明】
S:サンプル W:水溶液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41M 5/00 B 8808−2H D21H 19/20 19/24

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面基材、粘着剤、剥離剤、下塗剤、剥離
    基体を積層した粘着シートにおいて、表面基材が基紙及
    びカチオン性合成樹脂とカチオン性表面サイズ剤0.003
    〜0.2 重量%(対全固型分)を含む塗工剤からなり、且
    つ、下塗剤が主成分として分子中に水酸基を有する(メ
    タ)アクリル酸エステルの少なくとも1種及びこれと共
    重合可能な他のビニル系モノマーの少なくとも1種とを
    乳化共重合して得られるコポリマーと顔料とを含むこと
    を特徴とする粘着シート。
  2. 【請求項2】粘着剤が平均粒子径0.15〜0.35μmの(メ
    タ)アクリル酸エステルを主成分とするシードポリマー
    100重量部のエマルジョンに(メタ)アクリル酸エステ
    ルを主成分とするモノマー混合物、粘着付与剤、乳化
    剤、水を含有するプレエマルジョンの固形分換算300 〜
    3,000 重量部を、逐次添加して乳化共重合することによ
    って得られる、粘着付与剤樹脂が選択的にポリマー粒子
    内に共存する粘着剤である請求項1記載の粘着シート。
  3. 【請求項3】粘着剤が引張り強さ0.5 〜2.0 kg/cm
    2 、伸び率1,500 〜3,000 %である請求項1または2記
    載の粘着シート。
  4. 【請求項4】表面基材に用いる基紙がジエチレングリコ
    ール50重量%水溶液の初期浸透速度3.5 g/秒以上であ
    る請求項1記載の粘着シート。
  5. 【請求項5】表面基材がジエチレングリコール50重量%
    水溶液の初期浸透速度3.0 〜7.0 g/秒である請求項1
    または4記載の粘着シート。
  6. 【請求項6】剥離剤表面がショアーA 硬度65±2 °のク
    ロロプレンゴムとの動摩擦係数(JIS P 8147)0.2 以上
    である請求項1記載の粘着シート。
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