JPH06269583A - 回転付きジグザグ刺繍機 - Google Patents

回転付きジグザグ刺繍機

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JPH06269583A
JPH06269583A JP8818293A JP8818293A JPH06269583A JP H06269583 A JPH06269583 A JP H06269583A JP 8818293 A JP8818293 A JP 8818293A JP 8818293 A JP8818293 A JP 8818293A JP H06269583 A JPH06269583 A JP H06269583A
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JP
Japan
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frame
rotation
embroidery
needle
axis
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Pending
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JP8818293A
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English (en)
Inventor
Akira Okuno
晃 奥野
Keiichi Ito
敬一 伊藤
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NIPPON DENPA KK
Original Assignee
NIPPON DENPA KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 刺繍布上の各針落ち点に刺繍針を順次運針さ
せるときに、運針途中で上糸(下糸)が余分に引き出さ
れるのを防止し、刺繍品質を向上させる。 【構成】 アルファベッドの「O」字模様をなす刺繍柄
を実現する場合、例えば回転枠16の枠中心Cを枠中心
C1 から枠中心C2 に移動させて刺繍針を針落ち点S1
′から針落ち点S2 に運針させるときに、まず回転角
Δθ2 を所定角度α毎に5分割し、枠中心Cm1,Cm2,
Cm3,…,Cm5毎に移動枠のx軸,y軸方向移動と回転
枠16の回転とを同時終着させるように繰返した後に、
枠中心Cを枠中心Cm5から枠中心C2 へと移動量ΔX2
,ΔY2 をもって移動させると共に、刺繍針を針落ち
点S2 の位置へと振り幅W2 で揺動させて同時終着縫い
制御を行い、運針途中で上糸(下糸)が余分に引き出さ
れてしまうのを防止し、刺繍柄の品質を向上させるよう
にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば回転付きジグザ
グ模様等の刺繍柄を運針データに基づいて実現するのに
好適に用いられる回転付きジグザグ刺繍機に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、刺繍用の下糸が配置される基台
と、該基台上に設けられ、前記下糸側と対向する位置で
上糸側の刺繍針を上,下に往復動させ、かつ所要の振り
幅で揺動させる刺繍機のヘッドと、該ヘッドの下側に位
置して前記基台上に移動可能に設けられ、駆動源により
該基台上で左右方向および前後方向(x軸方向およびy
軸方向)に駆動される移動枠と、該移動枠内で刺繍布を
展張した状態に保持し、該移動枠に設けた回転源によ
り、該移動枠内で刺繍布と共に回転される回転枠とから
構成してなる回転付きジグザグ刺繍機としての回転付き
ジグザグミシンは、例えば特開昭63−203188号
公報等で知られている。
【0003】この種の従来技術による回転付きジグザグ
ミシンでは、刺繍機のヘッドにより刺繍針を所要の振り
幅で揺動させつつ上,下に往復動させるときに、移動枠
をx軸,y軸方向に駆動すると共に、該移動枠内で刺繍
布を回転枠と共に回転させるようにしているから、刺繍
針の振り幅に応じたジグザグ模様に回転を加えた刺繍柄
を前記刺繍布上に比較的短時間で実現できるという利点
がある。
【0004】ここで、この種の回転付きジグザグミシン
には、移動枠のx軸、y軸方向の移動量を検出する位置
検出手段と、移動枠に対する回転枠の回転角を検出する
回転角検出手段と、刺繍針の振り幅を検出する振り幅検
出手段とが設けられ、前記刺繍柄を繰返し再現するのに
先立って、通常「例示学習」方式といわれているティー
チング作業が行われる。
【0005】そして、このティーチング作業時には、熟
練者であるオペレータが移動枠および回転枠を手動で移
動、回転させながら、往復動する刺繍針の振り幅を調整
することにより、所望の刺繍柄を作成するときに、前記
検出手段からそれぞれ信号を読込んで移動枠(回転枠の
枠中心)の位置、回転枠の回転角および刺繍針の振り幅
等を含む前記刺繍針の針中心に対する回転枠の枠中心の
データを記憶し、この記憶したデータに基づいて前記駆
動源や回転源等を作動させて、熟練者と同様の刺繍柄を
繰返し再現させるようにしている。
【0006】しかし、上述した従来技術では、熟練者で
あるオペレータがティーチング作業により、所謂ティー
チングデータを作成し、このデータに基づいて刺繍機の
ヘッド、駆動源および回転源を作動させるものであるか
ら、ティーチング作業による刺繍柄を単純に再現するこ
とは可能であるものの、この刺繍柄を拡大、縮小または
変形したり、位置を変更したりして刺繍柄を高品質に再
現させるのが困難になっている。
【0007】そこで、本出願人は先に、特願平4−24
4300号等において、ティーチング作業により作成し
た回転枠の回転角Δθおよび刺繍針の振り幅Wを含む刺
繍針の針中心Nに対する回転枠の枠中心Cのデータを、
前記回転枠の枠中心Cに対する刺繍針の針中心Nのデー
タに変換演算し、この変換演算したデータに基づいて刺
繍柄の拡大、縮小または変更等を行った後に、このデー
タを枠中心Cの運針データにさらに変換演算して刺繍機
のヘッド、駆動源および回転源を作動制御するようにし
た回転付きジグザグ刺繍機(以下、先行技術という)を
提案した。
【0008】そして、この先行技術による回転付きジグ
ザグ刺繍機では、例えば図12に示す如きアルファベッ
ドの「O」字模様をなす刺繍柄を実現するときに、まず
図13に示すように回転枠100に展張状態で保持した
刺繍布101を移動枠(図示せず)と共に枠移動させ、
針中心N1 の位置からx軸方向に一定寸法だけ離間した
枠中心C1 の位置に回転枠100の枠中心Cを配置し、
針中心N1 の位置から刺繍針を左,右に振り幅W1 をも
って揺動させることにより、該刺繍針を針落ち点S1 ,
S1 ′に運針させる。この場合、枠中心C1 の運針デー
タは、
【0009】
【数1】C1 (Δx1 ,Δy1 ,Δθ1 ,W1 ) 但し、Δx1 =x1 −0 Δy1 =y1 −0=0 Δθ1 =θ1 −0=0 となる。
【0010】次に、回転枠100の枠中心Cを図14お
よび図17に示すように枠中心C1から枠中心C2 に移
動させて刺繍針を針中心N2 の位置に配置し、この針中
心N2 の位置から刺繍針を左,右に振り幅W2 をもって
揺動させることにより、該刺繍針を針落ち点S2 ,S2
′に運針させる。この場合、枠中心C2 の運針データ
は、
【0011】
【数2】C2 (Δx2 ,Δy2 ,Δθ2 ,W2 ) 但し、Δx2 =x2 −x1 Δy2 =y2 −y1 Δθ2 =θ2 −θ1 となり、回転枠100は枠中心C1 から枠中心C2 の位
置までx軸,y軸方向に移動量Δx2 ,Δy2 だけ枠移
動しつつ、x軸に対して例えば30°の回転角Δθ2 だ
け回転して針中心N2 の位置に刺繍針を配置させる。
【0012】そして、刺繍針を針落ち点S3 ,S3 ′に
運針させるときには、回転枠100の枠中心Cを図15
に示すように枠中心C2 から枠中心C3 に移動させて刺
繍針を針中心N3 の位置に配置し、この針中心N3 の位
置から刺繍針を左,右に振り幅W3 をもって揺動させる
ことにより、該刺繍針を針落ち点S3 ,S3 ′に運針さ
せる。この場合、枠中心C3 の運針データは、
【0013】
【数3】C3 (Δx3 ,Δy3 ,Δθ3 ,W3 ) 但し、Δx3 =x3 −x2 Δy3 =y3 −y2 Δθ3 =θ3 −θ2 となり、回転枠100は枠中心C2 から枠中心C3 の位
置までx軸,y軸方向に移動量Δx3 ,Δy3 だけ枠移
動しつつ、さらに30°の回転角Δθ3 だけ回転して針
中心N3 の位置に刺繍針を配置させる。
【0014】また、刺繍針を針落ち点S4 ,S4 ′に運
針させるときには、回転枠100の枠中心Cを図16に
示すように枠中心C3 から枠中心C4 に移動させて刺繍
針を針中心N4 の位置に配置し、この針中心N4 の位置
から刺繍針を左,右に振り幅W4 をもって揺動させるこ
とにより、該刺繍針を針落ち点S4 ,S4 ′に運針させ
る。この場合、枠中心C4 の運針データは、
【0015】
【数4】C4 (Δx4 ,Δy4 ,Δθ4 ,W4 ) 但し、Δx4 =x4 −x3 Δy4 =y4 −y3 Δθ4 =θ4 −θ3 となり、回転枠100は枠中心C3 から枠中心C4 の位
置までx軸,y軸方向に移動量Δx4 ,Δy4 だけ枠移
動しつつ、x軸に対して例えば90°となるようにさら
に30°の回転角Δθ4 だけ回転して針中心N4 の位置
に刺繍針を配置させる。
【0016】さらに、その後も回転枠100の枠中心C
を順次x軸,y軸方向に枠移動しつつ、x軸に対して例
えば120°,150°,…となるように順次30°の
回転角Δθをもって回転枠100を回転し、各針中心N
の位置で刺繍針を振り幅Wだけ左,右に揺動して各針落
ち点S,S′に運針させることにより、図12に示す如
き刺繍柄を実現する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した先
行技術による回転付きジグザグ刺繍機では、枠中心Cの
運針データに基づき回転枠100を駆動源でx軸,y軸
方向に枠移動すると共に回転源により回転角Δθだけ回
転させつつ、刺繍針を振り幅Wをもって針落ち点S,
S′に運針させるときに、駆動源および回転源等はそれ
ぞれ所定の速度で作動しているから、例えば図12に示
す如きアルファベッドの「O」字模様をなす刺繍柄を実
現する場合に、枠中心Cは図13〜図17に示すように
枠中心C1 から枠中心C2 ,C3 ,C4 ,…へと軌跡R
に沿って遠回りで移動するようになり、このときの刺繍
布101の移動に応じて刺繍針から上糸(下糸)が実際
の刺繍模様に必要な糸長さよりも余分に引き出され、刺
繍品質を低下させる原因になってしまう。
【0018】即ち、例えば図17に示すように回転枠1
00の枠中心Cを枠中心C1 から枠中心C2 に移動させ
るときには、x軸方向の移動量Δx2 よりもy軸方向の
移動量Δy2 が大きくなって枠中心Cは軌跡Rに沿って
略「く」字状に遠回りで移動しつつ、この上にさらに回
転角Δθ2 分の回転が加えられるから、このときに枠中
心C1 ,C2 間の軌跡Rと円弧Eとの寸法差分だけ上糸
(下糸)は余分に引き出されてしまい、一旦引き出され
た糸はそのまま刺繍模様の一部となって刺繍布上に残っ
てしまうので刺繍品質を悪くするという未解決な問題が
ある。
【0019】本発明は上述した先行技術の未解決な問題
に鑑みなされたもので、本発明は刺繍布上の各針落ち点
に刺繍針を順次運針させるときに、運針途中で上糸(下
糸)が余分に引き出されてしまうのを防止でき、刺繍品
質を大幅に向上できるようにした回転付きジグザグ刺繍
機を提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、刺繍用の下糸が配置される基台と、該
基台上に設けられ、前記下糸側と対向する位置で上糸側
の刺繍針を上,下に往復動させ、かつ所要の振り幅Wで
揺動させる刺繍機のヘッドと、該ヘッドの下側に位置し
て前記基台上に移動可能に設けられ、駆動源により該基
台上でx軸,y軸方向に駆動される移動枠と、該移動枠
内に刺繍布を展張した状態で保持し、該移動枠に設けた
回転源により該移動枠内で刺繍布を回転角Δθをもって
回転させる回転枠と、前記回転角Δθおよび振り幅Wを
含んだ運針データに基づいて前記ヘッド、駆動源および
回転源を作動制御し、前記刺繍針を刺繍布に対してそれ
ぞれ所定の各針落ち点で運針させる刺繍制御装置とを備
え、該刺繍制御装置には、前記各針落ち点のうち任意の
針落ち点から次なる針落ち点に前記刺繍針を運針させる
ときに、少なくとも前記移動枠のx軸,y軸方向移動と
回転枠の回転とが同時終着するように、前記ヘッド、駆
動源および回転源の作動速度を可変に調整する速度調整
手段を設けてなる構成を採用している。
【0021】この場合、前記刺繍制御装置は、前記回転
角Δθが所定角度αを越えるか否かを判定する角度判定
手段を有し、該角度判定手段で回転角Δθが所定角度α
を越えると判定したときには、前記回転枠が所定角度α
だけ回転する度毎に前記移動枠のx軸,y軸方向移動と
回転枠の回転とが同時終着するように、前記速度調整手
段によって前記ヘッド、駆動源および回転源の作動速度
を可変に調整する構成とするのが好ましい。
【0022】また、前記刺繍制御装置は、前記角度判定
手段で回転角Δθが所定角度αを越えると判定したとき
に、前記回転枠を順次所定角度αずつ回転角Δθ分だけ
回転させ、前記移動枠のx軸,y軸方向移動と回転枠の
回転とをそれぞれ同時終着させた後に、前記次なる針落
ち点の位置で前記移動枠のx軸,y軸方向移動と振り幅
Wをもった刺繍針の揺動とが同時終着するように、前記
速度調整手段によって前記ヘッドおよび駆動源の作動速
度を可変に調整する構成としてもよい。
【0023】
【作用】上記構成により、刺繍針を任意の針落ち点から
次なる針落ち点に運針させるときに、刺繍機のヘッド、
駆動源および回転源の作動速度をそれぞれ可変に調整し
て、移動枠がx軸,y軸方向にそれぞれ移動する時間と
回転枠が回転角Δθ分だけ回転するに要する時間とを実
質的に等しくでき、刺繍布を任意の針落ち点から次なる
針落ち点に移動させる間で移動枠のx軸,y軸方向移動
と回転枠の回転とを同時終着させ、上糸および下糸の引
出し量(繰出し量)を刺繍模様に必要な糸長さに調整で
きる。
【0024】また、回転角Δθが所定角度αを越えると
きには、前記回転枠が所定角度αだけ回転する度毎に前
記移動枠のx軸,y軸方向移動と回転枠の回転とを同時
終着させるようにすれば、回転角Δθが比較的大きい場
合でも上糸および下糸の引出し量(繰出し量)を刺繍模
様に適した糸長さに調整でき、前記回転枠の回転速度に
比較して前記移動枠のx軸,y軸方向の移動速度を過剰
に遅くしたりする必要がなくなる。
【0025】さらに、前記次なる針落ち点の位置で前記
移動枠のx軸,y軸方向移動と振り幅Wをもった刺繍針
の揺動とを同時終着させるようにすれば、回転枠の回転
を所定角度αずつ分割して移動枠のx軸,y軸方向移動
と回転枠の回転とを繰返し行ったときに、多少でも糸の
緩みが発生したとしても、このときの糸の緩みを前記移
動枠のx軸,y軸方向移動および刺繍針の振り幅Wをも
った揺動で吸収でき、糸調子のよい刺繍を実現すること
ができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例による回転付きジグザ
グ刺繍機としての回転付きジグザグミシンを図1ないし
図10に基づき説明する。なお、実施例では前述した図
12ないし図17に示す先行技術と同一の構成要素に同
一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0027】図において、1は回転付きジグザグミシン
の基台を示し、該基台1は複数本の脚部2,2,…と、
該各脚部2上に設けられた支持板3とからなり、該支持
板3の中央部には図2に示す如く後述する移動枠13、
回転枠16等の下側に位置して略長方形状の針板4が設
けられている。そして、該針板4には後述の刺繍針10
が挿通される針穴が長円形状に穿設され、その下側には
下糸用のボビン(いずれも図示せず)が配設されてい
る。また、支持板3には図2に示す如く、移動枠13を
左右方向としてのx軸方向に移動させるx軸方向の枠移
動機構5と、移動枠13を前後方向としてのy軸方向に
移動させるy軸方向の枠移動機構6とが設けられ、該枠
移動機構5,6には移動枠13をx軸,y軸方向にガイ
ドするための各ガイドローラ5A,6Aおよび各ガイド
レール5B,6B等が設けられている。
【0028】7は移動枠13上に延びるように支持板3
上に設けられた刺繍機のヘッドとしてのミシンヘッドを
示し、該ミシンヘッド7は図2、図3に示す如く支持板
3の下側に配設した主軸モータ8によりはずみ車9等を
介して駆動され、前記下糸側と対向する位置で上糸側の
刺繍針10を針軸11を介して上,下に往復動させる構
成となっている。また、該ミシンヘッド7にはパルスモ
ータ等からなる針軸揺動モータ12(図6参照)が付設
され、該針軸揺動モータ12は図5に示す如く針軸11
の支点11Aを中心にして刺繍針10を振り幅Wだけ、
例えば左右方向としてのx軸方向に揺動させる。
【0029】13はミシンヘッド7の下側に位置して支
持板3上に移動可能に設けられた移動枠を示し、該移動
枠13は図2に示す如く略長方形の板状に形成され、そ
の下面側には下向きに突出する縁取り部(図示せず)が
設けられている。そして、該移動枠13は縁取り部が枠
移動機構5,6の各ガイドローラ5A,6Aに係合状態
で保持され、後述のx軸モータ14およびy軸モータ1
5(図6参照)で枠移動機構5,6を駆動することによ
りx軸方向およびy軸方向に移動される。
【0030】14,15は枠移動機構5,6を駆動して
移動枠13をx軸方向およびy軸方向に移動させる駆動
源としてのx軸モータおよびy軸モータを示し、該x軸
モータ14およびy軸モータ15はパルスモータ等によ
って構成され、その出力軸はプーリ、タイミングベルト
(いずれも図示せず)等を介して枠移動機構5,6に連
結されている。そして、移動枠13はx軸モータ14に
より枠移動機構5を介してx軸方向に移動され、y軸モ
ータ15により枠移動機構6を介してy軸方向に移動さ
れ、このときの移動速度はx軸モータ14およびy軸モ
ータ15の回転速度によって決められる。
【0031】16は移動枠13の中央部に回転可能に配
設された回転枠を示し、該回転枠16は先行技術で述べ
た回転枠100とほぼ同様に構成され、刺繍布101を
展張した状態で保持するようになっている。そして、該
回転枠16は後述の枠回転モータ17により回転駆動さ
れ、移動枠13上で刺繍布101を回転枠16の枠中心
Cを中心にして回転角Δθだけ回転させる。
【0032】17は移動枠13上に設けられた回転源と
しての枠回転モータを示し、該枠回転モータ17はその
出力軸がタイミングベルト(図示せず)等を介して回転
枠16に連結され、回転枠16を移動枠13上で回転角
Δθをもって回転駆動する。ここで、該枠回転モータ1
7はx軸モータ14およびy軸モータ15等と同様にパ
ルスモータによって構成され、後述のミシン制御部36
から制御信号として出力されるパルス信号のパルス数に
応じて回転枠16を正方向または逆方向にオープンルー
プ制御で回転させる。そして、該枠回転モータ17はx
軸モータ14およびy軸モータ15等と同様にミシン制
御部36からの制御信号により回転速度が調整され、回
転枠16の回転速度を適宜に変化させる。
【0033】18は支持板3上に所定の高さをもって配
設されたカバー兼用のチーズ台を示し、該チーズ台18
上にはチーズとしての上糸用のボビン19,19,…
と、該各ボビン19からの上糸20をミシンヘッド7に
向けて供給する上糸ガイド21等とが設けられている。
なお、図3中ではチーズ台18上に配置する各ボビン1
9を省略して示している。
【0034】22はチーズ台18上にブラケット23を
介して設けられた操作ボックスを示し、該操作ボックス
22には図4に示す如く、表示器24、電源ON,OF
Fスイッチ25A,25B、ソフトキー26、キーボー
ド27およびフロッピーディスク装置28等が設けら
れ、ミシン制御部36の一部を内蔵している。そして、
ソフトキー26は表示器24に表示されるメニューに対
応して運針データの読込み、書込み、データの入,出力
および拡大、縮小等を行うと共に、さらに機械条件の設
定(回転角Δθに基づいた回転方向の設定を含む)、柄
変更、柄選択、柄の追加、柄の組合せ、色替え変更等を
行う所謂対話キーを構成している。
【0035】また、前記キーボード27にはドライブス
イッチ29、スタートスイッチ30、ストップ/バック
スイッチ31、ジョグキー部32、テンキー部33、ブ
ザー34およびスピード可変つまみ35等が設けられ、
ジョグキー部32にはx軸,y軸方向の枠移動キー32
A、オリジンスイッチ32Bおよび枠回転キー32C,
32C等が設けられている。そして、ジョグキー部32
の枠移動キー32Aはオペレータによって手動操作され
るときに、x軸モータ14およびy軸モータ15を駆動
させ、移動枠13をx軸方向およびy軸方向にその操作
時間に応じた移動量だけ移動させる。また、各枠回転キ
ー32Cは刺繍柄の作成に先立って、例えば刺繍布10
1の布目と回転枠16の回転位置とを合せるときに手動
操作され、枠回転モータ17により回転枠16を刺繍布
101と共に回転させる。
【0036】一方、支持板3には前記枠移動機構5,6
の下側に位置してx軸、y軸側の原点スイッチ(いずれ
も図示せず)が設けられ、この原点スイッチは図2に示
す如く刺繍針10の針中心Nと回転枠16の枠中心Cと
が一致したときに、枠移動機構5,6を介してこれを検
出し、移動枠13が刺繍針10に対して原点位置にある
ことをミシン制御部36等で判別させるようになってい
る。なお、回転角Δθおよび振り幅Wの原点検出も同様
に行うが、ここではその説明を省略する。
【0037】さらに、36は操作ボックス22に近い位
置で支持板3の下側に配設された刺繍制御装置としての
ミシン制御部を示し、該ミシン制御部36はマイクロコ
ンピュータ等によって構成され、その入力側には図6に
示す如くソフトキー26、キーボード27、フロッピー
ディスク装置28等が接続され、場合によってはテープ
リーダ、編集機、柄作成機、ティーチング機(いずれも
図示せず)が、例えば通信回線等を介して接続される。
また、該ミシン制御部36の出力側には前記主軸モータ
8、針軸揺動モータ12、x軸モータ14、y軸モータ
15、枠回転モータ17および表示器24等が接続され
ている。
【0038】そして、該ミシン制御部36はその記憶回
路内に図7、図8に示すプログラム等を格納し、移動枠
13のx軸,y軸方向移動と回転枠16の回転等とを同
時終着させる同時終着縫い制御を含むミシン制御処理等
を行うようになっている。また、該ミシン制御部36の
記憶回路にはその記憶エリア36A内に、例えばフロッ
ピーディスク装置28から読込んだ運針データを記憶す
ると共に、回転角Δθの判定値となる所定角度α(α=
6°)等を記憶している。
【0039】ここで、該ミシン制御部36は外部から読
込んだ針中心NのデータN( ΔX,ΔY,θ,W) を前
記先行技術(特願平4−244300号)に記載の通
り、枠中心Cの運針データC( Δx,Δy, Δθ, W)
に変換演算し、この運針データC( Δx,Δy,Δθ,
W)に基づき主軸モータ8、x軸モータ14、y軸モー
タ15、枠回転モータ17および針軸揺動モータ12等
を作動制御して移動枠13および回転枠16等を移動、
回転させつつ、刺繍針10を振り幅Wで揺動させること
により、例えば図12に示す如くアルファベッドの
「O」字模様をなす刺繍柄等を刺繍布101に実現す
る。
【0040】本実施例による回転付きジグザグミシンは
上述の如き構成を有するもので、次に、ミシン制御部3
6による同時終着縫い制御を含むミシン制御処理につい
て図7および図8を参照して説明する。
【0041】まず、同時終着縫い制御を行うための条件
設定をソフトキー26等の操作により実行し、前記枠中
心Cの運針データC(Δx,Δy,Δθ,W)を読込ん
で処理動作をスタートさせると、ステップ1で針落ち点
Si に該当する枠中心Ci の運針データCi (Δxi ,
Δyi ,Δθi ,Wi )から回転角Δθi が所定角度α
(α=6°)を越えているか否かを判定する。
【0042】そして、ステップ1で「NO」と判定した
ときには回転角Δθi が所定角度α以下で比較的小さ
く、回転枠16の枠中心Cを枠中心Ci-1 から枠中心C
i に移動させ、刺繍針10を針落ち点Si-1 ′(Si-1
)から針落ち点Si に運針させるときに、回転枠16
を回転角Δθi をもって微少時間で回転できるから、ス
テップ2に移ってこのときの移動枠13の移動量Δxi
,Δyi 、回転枠16の回転角Δθi および刺繍針1
0の振り幅Wi に該当するそれぞれの移動時間、即ちx
軸モータ14、y軸モータ15、枠回転モータ17およ
び針軸揺動モータ12を最高速度で回転駆動した場合の
それぞれの移動時間を算定する。
【0043】次に、ステップ3ではステップ2で算定し
た各移動時間のうち、最長となる移動時間Tm を選定
し、ステップ4に移って移動枠13の移動量Δxi ,Δ
yi 、回転枠16の回転角Δθi および刺繍針10の振
り幅Wi に該当するそれぞれの移動時間がこの移動時間
Tm に一致するように、x軸モータ14、y軸モータ1
5、枠回転モータ17および針軸揺動モータ12の回転
速度をそれぞれ個別に算定し、この算定結果に基づき後
述のステップ6でx軸モータ14、y軸モータ15、枠
回転モータ17および針軸揺動モータ12の回転速度を
それぞれ可変に調整して同時終着縫い動作を実行できる
ようにする。
【0044】次に、ステップ5では前記移動時間Tm に
基づいて主軸モータ8の回転速度を算定する。この場
合、主軸モータ8が1回転するときに刺繍針10は上死
点から下死点に達して再び上死点へと戻ってくるように
なり、刺繍針10が刺繍布101から針抜けして枠移動
および枠回転等が可能となるのは主軸モータ8の1/2
回転にほぼ該当するから、例えば前記移動時間Tm の2
倍となる時間(2Tm )で主軸モータ8が1回転するよ
うに、主軸モータ8の回転速度を算定し、この回転速度
で主軸モータ8を回転駆動させる。
【0045】そして、ステップ6ではミシンヘッド7の
主軸に設けたエンコーダ(図示せず)等からの針抜け信
号に基づき、刺繍針10が刺繍布101から針抜けした
後に再び刺繍布101上に針落ちするまでの間に、前記
移動時間Tm だけx軸モータ14、y軸モータ15、枠
回転モータ17および針軸揺動モータ12を前記ステッ
プ4によるそれぞれの調整速度で作動させ、これによっ
て前記移動量Δxi ,Δyi 分の移動枠13のx軸,y
軸方向移動と前記回転角Δθi 分の回転枠16の回転と
前記振り幅Wi をもった刺繍針10の揺動とを移動時間
Tm で同時終着させ、前記針落ち点Si に刺繍針10を
運針させる同時終着縫い制御を行う。
【0046】次に、ステップ7では順次読み込んだ運針
データから次データが有るか否かを判定し、例えば刺繍
完了時等には運針データ中のエンドファンクションに基
づいて「NO」と判定するから、ステップ8に移ってリ
ターンし、例えば縫止め、糸切り、終了点移動等の刺繍
終了動作を実行する。また、ステップ7で「YES」と
判定したときには次データが有るので、ステップ1に戻
ってこれ以降の処理を繰返すようにする。
【0047】次に、前記ステップ1で「YES」と判定
した場合には回転角Δθi が比較的大きく、回転枠16
の回転を所定角度αずつ分割して移動枠13のx軸,y
軸方向移動と回転枠16の回転とを繰返し行う必要があ
るので、図8に示すステップ9に移ってこのときの回転
角Δθi を所定角度α毎に分割すべく、
【0048】
【数5】Δθ=n×α+β 但し、n=1,2,3,… β:余り角度 なる演算を行う。そして、ステップ10に移って所定角
度α毎の最長移動時間Tm1,Tm2,…,Tmnを前記ステ
ップ3と同様に算定する。
【0049】この場合、図9および図10に基づき図1
2に示したアルファベッドの「O」字模様を刺繍する場
合を具体的に例に挙げて説明すると、回転枠16の枠中
心Cを枠中心C1 から枠中心C2 に移動させ、刺繍針1
0を針落ち点S1 ′(S1 )から針落ち点S2 に運針さ
せる場合に、前記数2の式により枠中心C2 は運針デー
タC2 (Δx2 ,Δy2 ,Δθ2 ,W2 )となって回転
角Δθ2 は30°であり、これは前記ステップ9の数5
の式から、
【0050】
【数6】Δθ2 =5×α=30° n=5 α=6° β=0 として演算される。
【0051】そこで、この場合には回転角Δθ2 を所定
角度α毎に5分割し、図9に例示した枠中心Cm1,Cm
2,Cm3,Cm4,Cm5毎に移動枠13のx軸,y軸方向
移動と回転枠16の枠中心Cを枠中心C1 から枠中心C
m1,Cm2,Cm3,Cm4,Cm5に順次移動させるときのそ
れぞれの最長移動時間Tm1,Tm2,Tm3,Tm4,Tm5を
算定する。
【0052】次に、ステップ11に移ってこれらの最長
移動時間Tm1,Tm2,Tm3,Tm4,Tm5の合計の時間T
M を、
【0053】
【数7】TM =Tm1+Tm2+…+Tmn =Tm1+Tm2+Tm3+Tm4+Tm5 として演算する。そして、ステップ12では前記数5の
式による余り角度β分の最長移動時間Tmbを算定する。
この場合、β=0であり、Tmb=0となる。
【0054】次に、ステップ13では図9、図10に示
す枠中心Cm5から枠中心C2 に枠中心Cを移動させる場
合の同時終着移動時間Tmcを算定する。この場合、移動
枠13はx軸,y軸方向に針中心N1 ,N2 間のX,Y
軸移動量データとしての移動量ΔX2 ,ΔY2 (移動量
ΔX2 ,ΔY2 がなす三角形は移動量Δx2 ,Δy2が
なす三角形と相似関係にある)、
【0055】
【数8】ΔX2 =Δx2 ×1/k ΔY2 =Δy2 ×1/k 分だけx軸モータ14、y軸モータ15の駆動によって
枠移動し、刺繍針10は針落ち点S1 ′から針落ち点S
2 に揺動されるときに針軸揺動モータ12が、
【0056】
【数9】ΔW2 =W2 −W1 なる振り幅差ΔW2 分だけ駆動されるから、x軸モータ
14、y軸モータ15による前記移動量ΔX2 ,ΔY2
分の移動と針軸揺動モータ12による振り幅差ΔW2 分
の移動との同時終着移動時間Tmcを算定する。
【0057】次に、ステップ14では前記数7の式によ
る合計の時間TM と前記余り角度β分の最長移動時間T
mbと同時終着移動時間Tmcとを加算した全体の時間T
を、
【0058】
【数10】T=TM +Tmb+Tmc として演算し、主軸モータ8がこの時間Tの2倍となる
時間(2T)で1回転するように、主軸モータ8の回転
速度を算定し、この回転速度をもって主軸モータ8を回
転駆動させる。
【0059】次に、ステップ15では前記エンコーダ等
からの針抜け信号に基づき刺繍針10が刺繍布101か
ら針抜けすると、まず最初の最長移動時間Tm1だけx軸
モータ14、y軸モータ15および枠回転モータ17を
それぞれの調整速度で回転駆動し、移動枠13のx軸,
y軸方向移動と回転枠16の回転とが同時終着するよう
に回転枠16の枠中心Cを枠中心C1 から枠中心Cm1に
移動させる。そして、その後は最長移動時間Tm2,Tm
3,Tm4,Tm5をもってx軸モータ14、y軸モータ1
5および枠回転モータ17をそれぞれの調整速度で順次
回転駆動し、移動枠13のx軸,y軸方向移動と回転枠
16の回転とが同時終着するように回転枠16の枠中心
Cを枠中心Cm1から枠中心Cm2,Cm3,Cm4,Cm5に順
次移動させる。
【0060】このようにして回転角Δθ2 を所定角度α
毎に5分割した枠中心Cm1,Cm2,Cm3,Cm4,Cm5毎
の同時終着動作が実行されると、次にステップ16に移
って同時終着移動時間Tmcだけx軸モータ14、y軸モ
ータ15および針軸揺動モータ12をそれぞれの調整速
度で回転駆動し、前記移動量ΔX2 ,ΔY2 分の移動枠
13のx軸,y軸方向移動と振り幅差ΔW2 分の針軸揺
動モータ12の駆動とが同時終着して、枠中心Cが図9
に示す枠中心Cm5から図10に示す枠中心C2へと移動
量ΔX2 ,ΔY2 をもって移動されるときに、同時に刺
繍針10が針落ち点S2 の位置まで振り幅W2 をもって
揺動するように同時終着縫い制御を実行する。
【0061】かくして、本実施例によれば、アルファベ
ッドの「O」字模様をなす刺繍柄を実現する場合、例え
ば回転枠16の枠中心Cを枠中心C1 から枠中心C2 に
移動させて刺繍針10を針落ち点S1 ′から針落ち点S
2 に運針させるときに、まず回転角Δθ2 を所定角度α
毎に5分割し、図9に例示した枠中心Cm1,Cm2,Cm
3,Cm4,Cm5毎に移動枠13のx軸,y軸方向移動と
回転枠16の回転とを同時終着させるように繰返した後
に、枠中心Cを図9に示す枠中心Cm5から図10に示す
枠中心C2 へと移動量ΔX2 ,ΔY2 をもって移動させ
ると共に、刺繍針10を針落ち点S2 の位置へと振り幅
W2 で揺動させて同時終着縫い制御を行うようにしたか
ら、下記のような作用効果を得ることができる。
【0062】即ち、回転角Δθi としての回転角Δθ2
が所定角度α(α=6°)を越える場合に、この回転角
Δθ2 を所定角度α毎に分割して移動枠13のx軸,y
軸方向移動と回転枠16の回転とを同時終着させるよう
に繰返すことにより、上糸20および下糸の引出し量
(繰出し量)を刺繍模様に適した糸長さに調整でき、前
記回転枠16の回転速度に比較して前記移動枠13のx
軸,y軸方向の移動速度が過剰に遅くなったりするのを
防止できる。
【0063】そして、刺繍針10が刺繍布101から針
抜けした後に再び刺繍布101上に針落ちするまでの間
に、所定角度α毎の同時終着動作を繰り返した後に次な
る針落ち点S2 の位置で前記移動枠13のx軸,y軸方
向移動と振り幅W2 をもった刺繍針10の揺動とを同時
終着させることにより、回転枠16の回転を所定角度α
ずつ分割して移動枠13のx軸,y軸方向移動と回転枠
16の回転とを繰返し行ったときに、多少でも糸の緩み
が発生したとしても、このときの糸の緩みを前記移動枠
13のx軸,y軸方向移動および刺繍針10の振り幅W
2 をもった揺動で吸収でき、糸調子のよい刺繍を実現す
ることができる。
【0064】また、回転角Δθi が所定角度αよりも小
さいときには、刺繍針10が刺繍布101から針抜けし
た後に再び刺繍布101上に針落ちするまでの間に、x
軸モータ14、y軸モータ15、枠回転モータ17およ
び針軸揺動モータ12をそれぞれの調整速度で作動させ
れば、これによって前記移動量Δxi ,Δyi 分の移動
枠13のx軸,y軸方向移動と前記回転角Δθi 分の回
転枠16の回転と前記振り幅Wi をもった刺繍針10の
揺動とを同時終着させることができ、次なる針落ち点S
i の位置で刺繍針10を運針させるときに、上糸20お
よび下糸の引出し量(繰出し量)を刺繍模様に必要な糸
長さに調整できる。
【0065】従って本実施例では、前述の如く同時終着
縫い制御を行うことにより、刺繍布101上の各針落ち
点Sに刺繍針10を順次運針させるときに、運針途中で
上糸20(下糸)が余分に引き出されてしまうのを防止
でき、刺繍柄の品質を確実に向上させることができる
等、種々の効果を奏する。
【0066】なお、前記実施例では、図7および図8に
示すプログラムのうち、ステップ1が本発明の構成要件
となる角度判定手段の具体例を示し、ステップ2〜6お
よびステップ10〜16が速度調整手段の具体例を示し
ている。
【0067】また、前記実施例では、回転枠16の回転
を所定角度αずつ分割して移動枠13のx軸,y軸方向
移動と回転枠16の回転とを繰返し行った後に、移動枠
13のx軸,y軸方向移動と刺繍針10の振り幅Wをも
った揺動(振り幅差ΔW分の針軸揺動モータ12の駆
動)とを同時終着させるものとして述べたが、これに替
えて、回転枠16の回転を所定角度αずつ分割して移動
枠13のx軸,y軸方向移動と回転枠16の回転とを繰
返し行うときに、振り幅差ΔW分だけ針軸揺動モータ1
2を駆動しておき、その後に移動量ΔX,ΔY分となる
移動枠13のx軸,y軸方向移動を同時終着させる構成
としてもよく、この場合には、例えば振り幅差ΔWに急
激な変化があったときでも、縫い上り具合を良くし刺繍
品質を向上させることができる。
【0068】さらに、前記実施例では、移動枠13のx
軸,y軸方向移動と回転枠16の回転等とを同時終着さ
せるときに、図7および図8に示すステップ2,3およ
び10でx軸モータ14、y軸モータ15、枠回転モー
タ17および針軸揺動モータ12を最高速度で回転駆動
する場合のそれぞれの移動時間を算定して、該各移動時
間のうち最長となる移動時間Tm を選定するものとして
述べたが、本発明はこれに限るものではなく、この移動
時間Tm はx軸モータ14、y軸モータ15、枠回転モ
ータ17および針軸揺動モータ12を最高速度よりも所
要速度分遅い速度で回転駆動した場合のそれぞれの移動
時間から最長となる移動時間Tm を選定するようにして
もよい。
【0069】即ち、主軸モータ8等の回転速度が刺繍針
10を各針落ち点Sに運針させる毎に大きく変動する
と、刺繍動作を円滑に行うことができなくなるから、
前,後の数針分の運針データで主軸モータ8等の回転速
度が滑らかに変化するように、スローアップ、スローダ
ウンのコントロール(スムージング)を行う必要があ
る。そこで、前記移動時間Tm 等を選定する場合には、
前,後の数針分に該当する針落ち点Sの運針データに基
づき主軸モータ8等の回転速度が滑らかに変化するよう
に、x軸モータ14、y軸モータ15、枠回転モータ1
7および針軸揺動モータ12の回転速度を適宜に調整す
る構成とするのが好ましい。
【0070】また、x軸モータ14、y軸モータ15、
枠回転モータ17および針軸揺動モータ12の回転速度
に5倍以上の速度差が生じると、刺繍動作を円滑に行う
ことが難しくなるから、この場合にもこれらの速度差が
5倍以内となるように、x軸モータ14、y軸モータ1
5、枠回転モータ17および針軸揺動モータ12の回転
速度を適宜に調整する構成とするのがよい。
【0071】さらに、前記実施例では、所定角度αを6
°とした場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに
限らず、例えば回転枠16の径等を大きくする場合には
所定角度αを6°以下とし、径を小さくする場合には所
定角度αを6°以上とするように、所定角度αの値を適
宜に変えてもよい。
【0072】さらにまた、前記実施例では、図12等に
示す如きアルファベッドの「O」字模様をなす刺繍柄を
実現するときに、針中心Ni (i =1,2,3,…)の位置か
ら刺繍針10を左,右に振り幅Wi をもって揺動するこ
とにより、該刺繍針10を針落ち点Si ,Si ′に運針
させるものとして述べたが、これに替えて、例えば図1
1に示す変形例の刺繍柄のように、針中心Ni ,Ni+1
(i =1,2,3,…)の位置から刺繍針を左方向または右方
向に順次振り幅Wi ,Wi+1 (図示せず)をもって揺動
させることにより、該刺繍針を針落ち点Si ,Si+1 に
順次運針させる構成としてもよい。
【0073】また、振り幅Wi が常に一定となる刺繍柄
では、針軸揺動モータ12を駆動する必要がなくなるの
で、刺繍針10が刺繍布101から針抜けした後に再び
刺繍布101上に針落ちするまでの間に、x軸モータ1
4、y軸モータ15および枠回転モータ17をそれぞれ
の調整速度で作動させ、これによって移動枠13のx
軸,y軸方向移動および回転枠16の回転のみを同時終
着させる構成とすればよい。
【0074】
【発明の効果】以上詳述した通り本発明によれば、各針
落ち点のうち任意の針落ち点から次なる針落ち点に刺繍
針を運針させるときに、少なくとも移動枠のx軸,y軸
方向移動と回転枠の回転とが同時終着するように、刺繍
機のヘッド、駆動源および回転源の作動速度を可変に調
整する構成としたから、刺繍布を任意の針落ち点から次
なる針落ち点に移動させる間で移動枠のx軸,y軸方向
移動と回転枠の回転とを同時終着させ、上糸および下糸
の引出し量(繰出し量)を刺繍模様に必要な糸長さに調
整でき、刺繍品質を確実に向上させることができる。
【0075】また、回転角Δθが所定角度αを越えると
きには、前記回転枠が所定角度αだけ回転する度毎に前
記移動枠のx軸,y軸方向移動と回転枠の回転とを同時
終着させることにより、回転角Δθが比較的大きい場合
でも上糸および下糸の引出し量(繰出し量)を刺繍模様
に適した糸長さに調整できる。
【0076】さらに、次なる針落ち点の位置で前記移動
枠のx軸,y軸方向移動と振り幅Wをもった刺繍針の揺
動とを同時終着させるようにすれば、回転枠の回転を所
定角度αずつ分割して移動枠のx軸,y軸方向移動と回
転枠の回転とを繰返し行ったときに、多少でも糸の緩み
が発生したとしても、このときの糸の緩みを移動枠のx
軸,y軸方向移動および刺繍針の振り幅Wをもった揺動
で吸収でき、糸調子をより効果的に向上させて高品質の
刺繍柄を実現することができる等、種々の効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による回転付きジグザグ
ミシンを示す正面図である。
【図2】図1に示す回転付きジグザグミシンの平面図で
ある。
【図3】図1に示す回転付きジグザグミシンの右側面図
である。
【図4】図1に示す操作ボックスの正面拡大図である。
【図5】針軸および刺繍針の振り幅を示す説明図であ
る。
【図6】図1に示す回転付きジグザグミシンの制御ブロ
ック図である。
【図7】同時終着縫い制御を含むミシン制御処理を示す
流れ図である。
【図8】図7に続くミシン制御処理を示す流れ図であ
る。
【図9】回転枠を回転角Δθ2 分だけ所定角度αずつ分
割して回転させた状態を示す動作説明図である。
【図10】針落ち点S2 の位置でx軸,y軸方向移動と
振り幅Wをもった刺繍針の揺動とを同時終着させた状態
を示す動作説明図である。
【図11】変形例による刺繍柄の各針落ち点Sを示す説
明図である。
【図12】先行技術による刺繍柄の各針落ち点Sを示す
説明図である。
【図13】図12に示す刺繍柄の針落ち点S1 ,S1 ′
に刺繍針を運針させる状態を示す動作説明図である。
【図14】図12に示す刺繍柄の針落ち点S2 ,S2 ′
に刺繍針を運針させる状態を示す動作説明図である。
【図15】図12に示す刺繍柄の針落ち点S3 ,S3 ′
に刺繍針を運針させる状態を示す動作説明図である。
【図16】図12に示す刺繍柄の針落ち点S4 ,S4 ′
に刺繍針を運針させる状態を示す動作説明図である。
【図17】図14の要部拡大図である。
【符号の説明】
1 基台 3 支持板 5,6 枠移動機構 7 ミシンヘッド(刺繍機のヘッド) 10 刺繍針 12 針軸揺動モータ 13 移動枠 14 x軸モータ(駆動源) 15 y軸モータ(駆動源) 16 回転枠 17 枠回転モータ(回転源) 20 上糸 22 操作ボックス 24 表示器 26 ソフトキー 28 フロッピーディスク装置 36 ミシン制御部 101 刺繍布 C,C1 ,C2 ,Ci 枠中心 N,N1 ,N2 ,Ni 針中心 S,S1 ,S1 ′,S2 ,S2 ′,Si ,Si ′ 針落
ち点 W,W1 ,W2 ,Wi 振り幅 ΔW,ΔW2 振り幅差 Δθ,Δθ2 ,Δθ3 ,Δθi 回転角

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 刺繍用の下糸が配置される基台と、該基
    台上に設けられ、前記下糸側と対向する位置で上糸側の
    刺繍針を上,下に往復動させ、かつ所要の振り幅Wで揺
    動させる刺繍機のヘッドと、該ヘッドの下側に位置して
    前記基台上に移動可能に設けられ、駆動源により該基台
    上でx軸,y軸方向に駆動される移動枠と、該移動枠内
    に刺繍布を展張した状態で保持し、該移動枠に設けた回
    転源により該移動枠内で刺繍布を回転角Δθをもって回
    転させる回転枠と、前記回転角Δθおよび振り幅Wを含
    んだ運針データに基づいて前記ヘッド、駆動源および回
    転源を作動制御し、前記刺繍針を刺繍布に対してそれぞ
    れ所定の各針落ち点で運針させる刺繍制御装置とを備
    え、該刺繍制御装置には、前記各針落ち点のうち任意の
    針落ち点から次なる針落ち点に前記刺繍針を運針させる
    ときに、少なくとも前記移動枠のx軸,y軸方向移動と
    回転枠の回転とが同時終着するように、前記ヘッド、駆
    動源および回転源の作動速度を可変に調整する速度調整
    手段を設けてなる回転付きジグザグ刺繍機。
  2. 【請求項2】 前記刺繍制御装置は、前記回転角Δθが
    所定角度αを越えるか否かを判定する角度判定手段を有
    し、該角度判定手段で回転角Δθが所定角度αを越える
    と判定したときには、前記回転枠が所定角度αだけ回転
    する度毎に前記移動枠のx軸,y軸方向移動と回転枠の
    回転とが同時終着するように、前記速度調整手段によっ
    て前記ヘッド、駆動源および回転源の作動速度を可変に
    調整する構成としてなる請求項1に記載の回転付きジグ
    ザグ刺繍機。
  3. 【請求項3】 前記刺繍制御装置は、前記角度判定手段
    で回転角Δθが所定角度αを越えると判定したときに、
    前記回転枠を順次所定角度αずつ回転角Δθ分だけ回転
    させ、前記移動枠のx軸,y軸方向移動と回転枠の回転
    とをそれぞれ同時終着させた後に、前記次なる針落ち点
    の位置で前記移動枠のx軸,y軸方向移動と振り幅Wを
    もった刺繍針の揺動とが同時終着するように、前記速度
    調整手段によって前記ヘッドおよび駆動源の作動速度を
    可変に調整する構成としてなる請求項2に記載の回転付
    きジグザグ刺繍機。
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