JPH06269248A - 香味持続性チューインガムの製造法 - Google Patents

香味持続性チューインガムの製造法

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JPH06269248A
JPH06269248A JP5085737A JP8573793A JPH06269248A JP H06269248 A JPH06269248 A JP H06269248A JP 5085737 A JP5085737 A JP 5085737A JP 8573793 A JP8573793 A JP 8573793A JP H06269248 A JPH06269248 A JP H06269248A
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JP
Japan
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flavor
mixture
chewing gum
sweetener
melting point
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JP5085737A
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Masami Aizawa
正巳 相沢
Kaori Ema
香里 江間
Toshiro Hori
俊郎 堀
Tomoji Kato
友治 加藤
Masatsugu Yamashita
政続 山下
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Taiyo Kagaku KK
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Taiyo Kagaku KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 香味の持続性が極めて長く、長時間香味を楽
しむことができるチューインガムの製造法を提供するこ
とを目的とする。 【構成】 融点55℃以上の油脂類及び/又はワックス
類を溶融し、これに香料及び甘味料の混合物を添加し均
一に分散させ、これを噴霧冷却することにより得られる
香料及び甘味料の混合物のコーティング物を配合するこ
とを特徴とするチューインガム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、香味の持続性に優れた
チューインガムの製造法に関する。詳しくは融点55℃
以上の油脂類及び/又はワックス類を溶融し、これに香
料及び甘味料の混合物を添加し均一に分散させ、これを
噴霧冷却(スプレークール)することにより得られる香
料及び甘味料の混合物のコーティング物を配合すること
を特徴とする、香味の持続性が極めて長く、長時間香味
を楽しむことができるチューインガムの製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、チューインガムは、疎水性ガムベ
ース,疎水性香料および水溶性甘味料から製造されてき
た。このようなガムは、噛んだ最初に強い甘味,香味を
放出し、噛んでから最初の3〜5分間で甘味・香味が急
速に低下し、その後はほとんどこれらを感じなくなる。
このように、従来のチューインガムは、甘味・香味が急
速に低下し、しかも噛み終わったあとも香料がチューイ
ンガム中に60〜70%も残存し、実際に溶出される香
料は、添加量の30〜40%のみであった。それ故、香
味がより強く、しかも長く持続するチューインガムが要
求されていた。このような問題を解決するため、従来、
香料の添加率を増加する方法がとられていたが、香料の
添加率を増加すると、ガムのだれ感等の食感の低下や、
コストの上昇が課題となっていた。一方、特開平3−1
55753号では、香料をサイクロデキストリンにて包
接し、持続性を持たせる方法、また特開平4−3048
48号では、ゼラチン又は寒天からなる球状被膜でフレ
ーバーを封入し、マイクロカプセル化させることによ
り、香料の持続性を向上させる方法が開示されている。
しかしながら、これらの方法は、香料の持続性が向上し
ても甘味料の持続性はそのままであるため、香味として
は持続性がほとんどない。なぜなら、チューインガムの
香味は、疎水性のガムベース中に溶解している疎水性香
料が、分散している水溶性甘味料と一緒に、唾液中に溶
出され感じられるものであるからである。甘味料に溶出
されない香料は、甘味が抜けたあとは、いくら咀嚼して
もガムベース中に残存したままである。従って、香料と
共に甘味料も持続性を向上させる必要がある。特表平2
−502607では、甘味料と香料とを一緒にブレンド
して、これを約130°Fより高い融点をもつ溶融ワッ
クスにて被覆し、甘味料及び香料の両成分を除放させる
方法を開示している。この方法では、甘味料及び香料と
溶融ワックスとの混合物をトレー上に薄く拡げて冷却固
化したものを粉砕してワックス被覆粒子を得ている。し
かしながら、この方法では、甘味料及び香料に対する被
覆率にバラツキが生じやすく、甘味料及び香料を均一に
被覆することが容易ではなかったため、香味の持続とい
う点では満足し得るものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、香味の持続
性が極めて長く、長時間香味を楽しむことができるチュ
ーインガムの製造法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の実
情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、融点55℃以上の油脂
類及び/又はワックス類を溶融し、これに香料及び甘味
料の混合物を添加し均一に分散させ、これを噴霧冷却
(スプレークール)することにより得られる香料及び甘
味料のコーティング物をガムベース中に分散させること
により、上記目的を達成できることを見出し、本発明を
完成するに至った。すなわち、本発明は、融点55℃以
上の油脂類及び/又はワックス類を溶融し、これに香料
及び甘味料の混合物を添加し均一に分散させ、噴霧冷却
(スプレークール)することにより得られる香料及び甘
味料の混合物のコーティング物を配合することを特徴と
するチューインガムの製造法に関する。次に本発明を詳
しく説明する。本発明で使用する油脂類及びワックス類
は、牛脂,菜種油,魚油,大豆油等の各種動植物油脂を
極度水素添加した極度硬化油、ポリエチレンワックス,
パラフィンワックス,ライスワックス,キャンデリラワ
ックス,蜜ろう,カルナウバろう等の各種合成及び天然
ワックス類、更にグリセリン脂肪酸エステル及びその誘
導体等より適宜選択されるが、これらに限定されるもの
ではない。本発明に使用される香料は、天然香料,合成
香料などの油性香料、更には粉末香料等より選択される
が、これらに限定されるものではない。また、甘味料
は、従来使用されている水溶性甘味料,水溶性人工甘味
料,ジペプチド系甘味料等から選択されるが、これらに
限定されるものではない。ただ、甘味料は、粒径100
メッシュ以下の粉末が好ましい。上記香料と甘味料粉末
との混合物に対する油脂類及び/又はワックス類のコー
ティング量は特に限定されるものではないが、好ましく
は20〜90重量%である。
【0005】本発明で使用する油脂類及び/又はワック
ス類の融点は55℃以上のものが必要であることがわか
った。融点が55℃未満だと香味の持続性が悪くなり、
また食感が損なわれる。これは、通常のチューインガム
の製法が、約52〜53℃の温度に保たれている溶融ガ
ムベースに様々な成分を均一に混合することにより作ら
れているので、融点が55℃未満だと、チューインガム
製造時に香料と甘味料の混合物をコーティングしている
油脂類及びワックス類が溶け出すためと思われる。上記
油脂類及び/又はワックス類の、香料と甘味料粉末との
混合物に対するコーティング量は特に限定されるもので
はないが、20重量%未満であると、香料と甘味料粉末
との混合物を十分にコーティングできず、香料の持続性
が悪くなる傾向があり、90重量%を越えると食感が損
なわれる傾向があるので、20〜90重量%が好まし
い。上記甘味料の粒径が100メッシュより大きいと、
溶融油脂類及びワックス類中に均一に分散せずに沈降
し、被覆率が低下する。このコーティング方法は、融点
55℃以上の油脂類及び/又はワックス類を溶融し、こ
れに香料及び甘味料粉末とをブレンドした混合物を添加
し、均一に分散させ、この分散液を噴霧冷却(スプレー
クール)することにより得られる。更に、溶融油脂類及
び/又はワックス類中における香料と甘味料粉末との混
合物の分散性を高めたり、また分散液の粘度を調整する
目的で食品用乳化剤を使用することもできる。得られた
コーティング物の最終的な粒径は特に限定されるもので
はないが、好ましくは20〜60メッシュのものが良
い。粒径が20メッシュを越えると咀嚼時に異物感を感
じる。60メッシュより小さいと被覆率が低下する。こ
のようにして得られた本発明のコーティング物は、従来
のように香料のみを被覆するのではなく、香料を甘味料
と共に被覆することによって、香料のみならず甘味料を
も持続性を持たせることができ、しかも噴霧冷却(スプ
レークール)により甘味料と香料を均一に被覆できるた
め、香味が極めて長く持続される。上記コーティング物
をチューインガムに添加する場合は、該コーティング物
と通常使用されるガムベース及び他の原料を合わせて混
練し、常法に従い調製すれば本発明のチューインガムと
なる。次に、実施例により本発明を具体的に説明する。
【0006】
【実施例】
実施例1 キャンデリラワックス(融点約72℃)1kgを110
℃にて溶融し、これに粉糖1kgとペパーミント香料3
0gの混合物を添加し、均一に分散させた。この分散液
を品温85℃にてスプレークールを行い、24メッシュ
の篩に通して香料と粉糖の混合物のコーティング物1.
8kgを得た。これを使用して表1に示す配合にて約4
0℃の温度で混合機中で15分間均質混合後、72×1
9×1.9mmに圧延,裁断してチューインガムを得
た。
【0007】
【表1】
【0008】実施例2 大豆極度硬化油(融点約67℃)0.6kgを120℃
にて溶融し、これに粉糖1.4kgとペパーミント香料
30gの混合物及び分散剤としてポリグリセリン脂肪酸
エステル(太陽化学(株)製 サンソフトNo.818
SX)30gを添加し、均一に分散させた。この分散液
を品温80℃にてスプレークールを行い、24メッシュ
の篩に通して香料及び粉糖の混合物のコーティング物
1.8kgを得た。これを使用して表1に示す配合にて
実施例1と同様にチューインガムを得た。
【0009】実施例3 大豆極度硬化油(融点約67℃)0.5kgとライスワ
ックス(融点約80℃)0.5kgを120℃にて溶融
し、これにアスパルテーム1kgとペパーミント香料3
0gの混合物を添加し、均一に分散させた。この分散液
を品温80℃にてスプレークールを行い、24メッシュ
の篩に通して香料及びアスパルテームの混合物のコーテ
ィング物1.8kgを得た。これと実施例2で得た香料
及び粉糖の混合物のコーティング物を使用して表2に示
す配合にて実施例1と同様にチューインガムを得た。
【0010】
【表2】
【0011】実施例4 グリセリン脂肪酸エステル(太陽化学(株)製「サンソ
フトNo.8000」,融点約65℃)0.8kgを1
20℃にて溶融し、これに粉糖1.2kgとペパーミン
ト香料30gの混合物を添加し、均一に分散させた。こ
の分散液を品温80℃にてスプレークールを行い、24
メッシュの篩に通して香料及び粉糖の混合物のコーティ
ング物1.8kgを得た。これを使用して表1に示す配
合にて実施例1と同様にチューインガムを得た。
【0012】比較例1,2 表3の配合にて、香料及び甘味料を油脂類及び/又はワ
ックス類でコーティングしない、従来のチューインガム
を実施例1と同様に得た。
【0013】
【表3】
【0014】比較例3 キャンデリラワックス(融点約72℃)1kgを110
℃にて溶融し、これに粉糖1kgとペパーミント香料30
gの混合物を添加し、均一に分散させた。これを厚さ1
〜2cmでトレー上で拡げ、室温にて冷却固化した。これ
を粉砕機で粉砕して24メッシュの篩に通して香料及び
粉糖の混合物のコーティング物1.8kgを得た。これ
を使用して表1に示す配合にて実施例1と同様にチュー
インガムを得た。
【0015】比較例4 比較例1におけるペパーミント香料の代わりに、特開平
3−155753号に基づき、ペパーミント香料をサイ
クロデキストリンにて包接したものを使用し、実施例1
と同様にチューインガムを得た。
【0016】比較例5 実施例1におけるキャンデリラワックスの代わりに、牛
脂部分硬化油(融点約50℃)を用いて、実施例1と同
様にチューインガムを得た。
【0017】試験例1 実施例1〜4で得た本発明のチューインガムと、比較例
1〜5のチューインガムについて、専門パネラー20名
によって官能評価試験を実施した。パネラーは、チュー
インガムを噛んでから、1,5,10分後に、香味の強
さ,食感(噛み心地)の程度を5段階で評価し、良いも
のほど高得点とした。結果を表4に示す。
【0018】
【表4】
【0019】表4の結果から、実施例のチューインガム
は何れも、比較例に比べ、香味が極めて長時間持続し、
また食感的にも好ましいものであった。
【0020】実施例5〜9 粉糖とペパーミンント香料の混合物に対する牛脂極度硬
化油(融点約60℃)のコーティング量を表5に示す通
りに種々変化させて、実施例2と同様の方法でチューイ
ンガムを得た。
【0021】
【表5】
【0022】比較例6〜10 粉糖とペパーミント香料の混合物に対する牛脂極度硬化
油(融点約60℃)のコーティング量を表6に示す通り
に種々変化させて、比較例3と同様の方法でチューイン
ガムを得た。
【0023】
【表6】
【0024】試験例2 実施例5〜9で得た本発明のチューインガムと、比較例
6〜10のチューインガムについて、試験例1と同様に
官能評価試験を実施した。結果を表7に示す。
【0025】
【表7】
【0026】表7の結果から、香料及び甘味料の混合物
に対する牛脂極度硬化油のコーティング量が15重量%
だと、香味の持続性が悪くなる傾向があり、また95重
量%だと香味が弱くなり、しかも食感が損なわれる傾向
があり、20〜90重量%では香味,食感とも良好であ
った。また、実施例6,7,8は比較例7,8,9に比
べ、発泡感が極めて長時間持続し、また食感的にも好ま
しいものであった。
【0027】
【発明の効果】本発明のチューインガムによれば、融点
55℃以上の油脂類及び/又はワックス類を溶融し、こ
れに香料及び甘味料の混合物を添加し均一に分散させ、
これを噴霧冷却(スプレークール)することにより得ら
れる香料及び甘味料の混合物のコーティング物をガムベ
ース中に均一に分散させることにより、これを咀嚼した
時に、香料と甘味料を被覆する油脂類及び/又はワック
ス類が除々に口中で潰れ、その都度甘味料の溶出と共に
香料が揮散され、香味が極めて長く持続される。また香
料は甘味料と共に揮散されるので、ガムベース中にほと
んど残存することなく溶出されるので香味が強い。ま
た、食感的にも通常のチューインガムに比べ何ら遜色が
ない。また、チューインガム製造に際しては、従来と同
様の方法で製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 友治 三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽化 学株式会社内 (72)発明者 山下 政続 三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽化 学株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点55℃以上の油脂類及び/又はワッ
    クス類を溶融し、これに香料及び甘味料の混合物を添加
    し均一に分散させ、これを噴霧冷却(スプレークール)
    することにより得られる香料及び甘味料の混合物のコー
    ティング物を配合することを特徴とするチューインガム
    の製造法。
  2. 【請求項2】 融点55℃以上の油脂類及び/又はワッ
    クス類のコーティング量が、香料及び甘味料の混合物に
    対し、20〜90重量%である請求項1記載のチューイ
    ンガムの製造法。
JP5085737A 1993-03-19 1993-03-19 香味持続性チューインガムの製造法 Pending JPH06269248A (ja)

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