JP3660522B2 - チューインガム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、チューインガムに関し、詳しくは、製品ガム中に配合した充填剤を均一に分散させ、多量の充填剤を配合してもチューインガムにソフトな硬さで良好なチューイング性を賦与することが出来る、食感に優れたチューインガムに関する。充填剤を多量に配合したチューインガムは、投げ捨て廃棄された際の清掃が容易である。
【0002】
【従来の技術】
チューインガムは、噛み心地を味わい、後にゴム状の物質を残す、遊び心を持った特異な菓子である。そして、味ガム(ミント系、フルーツ系、その他)、チューイング性と膨れることを目的とした風船ガム、菓子ガム(糖衣ガム、キャンデーで包んだガム、ジャム・ゼリーを包んだキャンデーガム)等の各種のガムが市販されている。
【0003】
チューインガム用の基材として使用されるガムベースは、そしゃく可能な水不溶性物質の配合製剤である。具体的には、植物性樹脂、熱軟化性樹脂、ワックス等に、弾性調節・粘着性防止の目的で炭酸カルシウム又はタルクが配合され、また、分離防止、歯付き防止、軟化性向上の目的で低HLBの非イオン性乳化剤(脂肪酸モノグリセライド、シューガーエステル)等が配合されている。一般に、製品ガムは、このガムベースに、甘味成分、香料、着色料などを加えて均一混合し、錬成・成型工程を経て製造される。
【0004】
近年、骨粗鬆症が社会問題となり、カルシウムを強化した牛乳などの多種のカルシウム強化飲食品が市販されていること等を背景に、チューインガムに配合される炭酸カルシウムについては、平成9年4月17日付けで使用基準が2重量%以下から10重量%以下に拡大された。その主な理由は、上記の栄養強化と共に廃棄物清掃のし易さを改善する点にある。すなわち、チューインガムは、味わった後にゴム状の物質を残すことから、投げ捨て等により廃棄物が路面に固着して清掃が困難になることがある。そこで、充填剤の配合量を増加することにより、チューインガムの路面への固着力を低下させて上記の問題に対処せんとしている。タルクについては、現在のところ5.0重量%以下とされている。
【0005】
しかしながら、上記の様な多量の充填剤を配合した場合は、チューインガム特有の食感が低下し、特に、噛んだ時に硬く感じたり、噛んでいる間に柔らかさが低下するという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、その目的は、製品ガム中に配合した充填剤を均一に分散させ、投げ捨て廃棄された際の清掃を容易とするために多量の充填剤を配合した場合においても、チューインガムにソフトな硬さで良好なチューイング性を賦与することが出来る、食感にも優れたチューインガムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、種々検討を重ねた結果、特定の乳化剤の使用により、チューインガムに配合される充填剤の分散性が改良され、上記の目的を容易に達成し得るとの知見を得た。
【0008】
本発明は、上記の知見に基づき完成されたものであり、その要旨は、製品ガム中に充填剤として炭酸カルシウム又はタルクを含有すると共に乳化剤としてHLB10以上のショ糖脂肪酸エステルを含有することを特徴とするチューインガムに存する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のチューインガムに使用するガムベースは、天然チクル等の植物性樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、エステルガム、イソブチレン重合体などの熱軟化性樹脂をベースとし、これに、ワックス、乳化剤、トリアセチン等と共に炭酸カルシウム又はタルクを所定量配合して調製される。
【0010】
ガムベースの使用量は、製品チューインガム中に20〜30重量%の範囲が適当である。炭酸カルシウム又はタルクの粒径は、ガムベース中に均一に分散させることが出来る限り制限されないが、10〜100μmの範囲が適当である。
【0011】
炭酸カルシウムの起源については、食品用として使用可能である限り特に制限されず、石灰石、貝殻、卵殻由来のもの等が使用できる。製品チューインガム中の炭酸カルシウムの含有量は特に制限されないが、食感、栄養強化、廃棄物清掃のし易さの点から、通常2〜20重量%、好ましくは3〜15重量%、更に好ましくは5〜15重量%の範囲である。
【0012】
一方、タルクは、含水ケイ酸マグネシウムを主成分とし、通常、滑石片岩(カンラン岩・輝石など)より混在物を除いて微粉とし、酸および水で洗浄・精選して得られたもの等が使用される。製品チューインガム中のタルクの含有量は特に制限されないが、食感、廃棄物清掃のし易さの点から、通常5〜25重量%、好ましくは7〜25重量%、更に好ましくは10〜25重量%の範囲である。
【0013】
本発明においては、乳化剤としてHLB10以上のショ糖脂肪酸エステルを使用することが重要であるが、併せて乳化剤としてアニオン性界面活性剤を使用してもよい。斯かる特定の乳化剤の使用により、製品ガム中に上記の様に炭酸カルシウム又はタルクを多量に配合した場合においても、これを均一に分散させ、チューインガムにソフトな硬さで良好なチューイング性を賦与することが出来る。乳化剤の使用量は、製品チューインガム中の割合として、通常0.1〜2重量%、好ましくは0.3〜1重量%の範囲である。
【0014】
上記のショ糖脂肪酸エステルとしては、炭素数12〜18の脂肪酸を構成脂肪酸とするショ糖脂肪酸エステルが挙げられ、その具体例としては、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル等が挙げられる。特に、構成脂肪酸として飽和脂肪酸を主体とするショ糖脂肪酸エステルが好ましく、パルミチン酸とステアリン酸を主体とするショ糖脂肪酸エステルが更に好ましく、ステアリン酸が60重量%以上、特には70重量%以上のショ糖脂肪酸エステルが一層好ましい。
【0015】
上記のアニオン性界面活性剤としては、脂肪酸金属塩、乳酸脂肪酸エステル、有機酸モノグリセライド等が挙げられる。脂肪酸金属塩としては、上記の炭素数12〜18の脂肪酸のアルカリ金属塩が挙げられる。乳酸脂肪酸エステルの構成脂肪酸としては、同様の脂肪酸が挙げられる。アニオン性有機酸モノグリセライドを構成する有機酸としては、クエン酸、コハク酸、酒石酸などが挙げられる。
【0016】
チューインガムの食感の点から、ショ糖脂肪酸エステルとアニオン性界面活性剤を併用することが特に好ましい。この場合、両者の比率は、特に限定はないが、ショ糖脂肪酸エステル:アニオン性界面活性剤の重量比として、通常9:1〜5:5、好ましくは8:2〜6:4の範囲とされる。
【0017】
本発明のチューインガムには、上記の成分の他に、チューインガムに通常配合される各種の成分、例えば、250メッシュより細かい微粉糖、ブドウ糖や水飴、軟化剤(グリセりン・D-ソルビトール)、香料、着色剤などを配合することが出来る。ブドウ糖や水飴は、滑らかさと適当な湿潤度の付与と甘み調節のために使用される。
【0018】
本発明のチューインガムは、常法に従い製造することが出来る。例えば、所定原料を混練して調製したガムベースに、砂糖、甘味料、香料などを加え、ガムミキサーで均一に混合した後、押出機およびロールを経て所定の大きさに裁断する。そして、ガムベースは、ニーダーを使用して次の様な手順で調製される。すなわち、予備加熱後、植物性樹脂、ポリビニルアルコール、合成ゴム、エステルガム等を順次に添加し、更に、炭酸カルシウム又はタルクを添加して錬成し、1次練成後にワックスを添加し、2次練成後に乳化剤を添加し、更に練成することにより、十分練り合わせたガムベースを得る。
【0019】
炭酸カルシウム又はタルクと乳化剤は、ガムベースの調製に所定量の全量を添加してもよいが、その一部は、砂糖、甘味料、香料などと共に調製したガムベースに添加してガムミキサーで均一混合してもよい。
【0020】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0021】
実施例1〜2及び比較例1〜3
(ガムベースの調製)
表1に示す各成分を混練してガムベースを調製した。混練はニーダー(守山製ニーダーSY−2C型)を使用し、予備加熱後に、ポリビニルアルコール、合成ゴム、エステルガム、炭酸カルシウムの順に添加し、1次仕込み・1次練成後にワックスを添加し、2次仕込み・2次練成後に乳化剤を添加し、3次仕込み・3次練成後に成型してガムベースを得た。表2に使用した乳化剤を示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
(チューインガムの製造・評価)
上記で調製したガムベースを使用し、表3に示した原料配合に従ってガムミキサーで均一に混合し、押出機およびロールを経て所定の大きさに裁断して対応するチューインガムを製造した。得られたガムについて15人のパネルで初期の食感(柔らかさ)及びチューイング性(3分間噛んだ時の柔らかさの持続性)の評価を行い、その結果を○×の2分法で表4に示す。表4中、初期の食感はパネル全員の判断を示し、チューイング性は「○と判断した人数/×と判断した人数」を示す。
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】
参照例1
市販のチューインガム(乳化剤:「S−370」、炭酸カルシウム含有量:1.5重量%)について上記と同様の評価を行ったところ、実施例2と略同等の評価であった。
【0028】
実施例3
実施例1において、炭酸カルシウムに代えてタルク50重量%を配合したガムベースを使用した他は、実施例1と同様にして、チューインガムの製造・評価を行った。官能試験の結果、初期の食感の評価は「やわらか」であり、チューイング性の評価は全員が「○」であった。
【0029】
実施例4
実施例1において、炭酸カルシウムを30重量%とし、PVAC、合成ゴム、エステルゴム、ワックスの比率を変えずに合計66重量%とした配合のガムベースを使用した他は、実施例1と同様にして、チューインガムの製造・評価を行った。官能試験の結果、初期の食感の評価は「やわらか」であり、チューイング性の評価は全員が「○」であった。
【0030】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、製品ガム中に配合した充填剤を均一に分散させ、投げ捨て廃棄された際の清掃を容易とするために多量の充填剤を配合した場合においても、チューインガムにソフトな硬さで良好なチューイング性を賦与することが出来る、食感にも優れたチューインガムが提供される。
Claims (4)
- 製品ガム中に充填剤として炭酸カルシウム又はタルクを含有すると共に乳化剤としてHLB10以上のショ糖脂肪酸エステルを含有することを特徴とするチューインガム。
- 乳化剤としてアニオン性界面活性剤を含有する請求項1に記載のチューインガム。
- 炭酸カルシウムの含有量がカルシウムとして2〜20重量%である請求項1又は2に記載のチューインガム。
- タルクの含有量が5〜25重量%である請求項1〜3の何れかに記載のチューインガム。
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