JPH0626874B2 - 樹脂被覆金属板およびその製造方法 - Google Patents

樹脂被覆金属板およびその製造方法

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JPH0626874B2
JPH0626874B2 JP63213375A JP21337588A JPH0626874B2 JP H0626874 B2 JPH0626874 B2 JP H0626874B2 JP 63213375 A JP63213375 A JP 63213375A JP 21337588 A JP21337588 A JP 21337588A JP H0626874 B2 JPH0626874 B2 JP H0626874B2
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哲夫 斉藤
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、建材、家電製品、車両等に使用される樹脂被
覆金属板とその製造方法に関し、さらに詳しくは、不燃
性、耐食性、耐候性、加工性に優れた前記の樹脂被覆金
属板とその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
建材、家電製品、車両等に使用される樹脂被覆金属板と
しては、従来から鋼板、亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム
−亜鉛合金メッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、ステ
ンレス鋼板等の上に、熱硬化性ポリエステル樹脂、シリ
コンポリエステル樹脂、フッ素樹脂等を塗料にして塗装
するなどの方法で被覆した薄膜型樹脂被覆鋼板や、塩化
ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂等を塗装するかまたは
フィルムにしてラミネートするなどの方法で被覆した厚
膜型樹脂被覆鋼板等が用いられている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、熱硬化性ポリエステル樹脂、シリコンポリエ
ステル樹脂、フッ素樹脂等を被覆した薄膜型樹脂被覆鋼
板は、被覆した樹脂層の厚さが薄いため、不燃性に優れ
る反面、透水率が高く耐食性に劣る。また折り曲げ部分
等で亜鉛メッキ層のクラックが発生したりするのを樹脂
層の伸びでカバーしきれず、樹脂層に割れが生じ金属部
分が露出して錆びるなど加工性および耐食性が悪く、特
に海岸線に近い場所で使用するときは平面部といえど1
0年ももたないのが実情で長期耐久性に乏しい。
また、塩化ビニル樹脂を被覆した厚膜型樹脂被覆鋼板
は、ジオクチルフタレートなどの経時飛散性可塑剤を使
用しているため樹脂層が経時劣化しやすく、さらに太陽
光線があたると脱塩酸反応が生じて樹脂層が劣化するの
で厚膜にしなければならない。また透水率も高いため、
これを補って加工性、耐食性および耐候性を良好にする
には、厚さを150μm以上にしなければならず、この
ように樹脂層の厚さを厚くすると、塩化ビニル樹脂が可
燃性であるため不燃性が劣化して、100μm以上の厚
さでは不燃材として使用できなくなり、さらに火災時に
は塩化ビニル樹脂が分解して有毒ガスが発生するという
難点がある。
さらに、ポリオレフィン樹脂を被覆した厚膜型樹脂被覆
鋼板は、耐候性に優れ、また透水率が非常に低くて耐食
性に優れ、さらに樹脂層自体の伸び率がかなり大きく加
工性に優れるが、太陽光線があたると、紫外線により樹
脂層が劣化し、さらに紫外線が樹脂層を透過して、鋼板
に対して接着性が悪いポリオレフィン樹脂を良好に接着
させるため鋼板との間に設けた接着層が劣化するという
難点があり、この紫外線の透過を防ぐため、着色顔料な
どを添加することが行われているが、生産性および物性
を損なわずに顔料を添加しようとすると多量の顔料を添
加できないことから、樹脂層を100μm以上厚くして
これを捕捉しなければならず、このように樹脂層の厚さ
を厚くすると、ポリオレフィン樹脂は燃焼時の発熱量が
大きいため不燃性が劣化し、90μm以上では建設省告
示第1828号に規定する不燃材試験に合格することが
難しくなる。さらにポリオレフィン樹脂を被覆した鋼板
の製造方法は、着色顔料を入れたポリオレフィン樹脂を
押出装置から金属板上に押出して被覆する方法と、着色
顔料料入りのポリオレフィン樹脂をフィルムにして金属
板上へラミネートする方法とが行われており、ともにポ
リオレフィン樹脂の色が表面化粧板となる。このため、
前者の方法では、稼動前に色合わせ調整用樹脂等で色合
わせを行っているが、かなり熟練度を要し、また膜厚の
コントロール等困難な作業もあって、稼動前の準備時間
がかなりかかり、度々色替えをすると稼動率が低下す
る。また、後者の方法では、石油化学メーカー等で製造
された大巻きのポリオレフィンフィルムを購入してラミ
ネートしているため、度々色替えすればポリオレフィン
フィルムの交換を度々しなければならず、いずれも多品
種少量生産には対応し難い。
〔課題を解決するための手段〕
この発明はかかる現状に鑑み鋭意研究を行った結果なさ
れたもので、金属板の表面に、プライマーを介するかあ
るいは介さないで接着性変性ポリオレフィン樹脂層を設
け、さらにその上にポリオレフィン樹脂層を介するかあ
るいは介さないで樹脂塗膜層を設けることによって、不
燃性、耐食性、耐候性、加工性を充分に備えさせ、さら
に多品種少量生産にも充分に対応することができるよう
にしたものである。
具体的には、接着性変性ポリオレフィン樹脂層からなる
中間層、もしくは接着性変性ポリオレフィン樹脂層上に
ポリオレフィン樹脂層を積層してなる中間層が、これら
の中に含まれる顔料等を除いた樹脂のみの厚さに換算し
て15〜70μm厚に設定されている。また、樹脂塗膜
層が熱硬化性ポリエステル樹脂又はフッ素樹脂からな
り、樹脂100重量部に対して着色顔料を30〜100
重量部含んで5〜40μm厚に設定されていることを特
徴とする。
この発明によれば、金属板の表面に、プライマーを介す
るかあるいは介さないで接着性変性ポリオレフィン樹脂
層さらにはポリオレフィン樹脂層を設けているため、接
着性変性ポリオレフィン樹脂層によって、本来接着性に
劣るポリオレフィン樹脂層が金属板の表面に接着性よく
形成される。
また、プライマーの介在によって耐食性が向上され、さ
らに接着性変性ポリオレフィン樹脂層およびポリオレフ
ィン樹脂層は、透水率が極めて低いためこれらのポリオ
レフィン樹脂層によっても耐食性が充分に向上される。
さらに、接着性変性ポリオレフィン樹脂層およびポリオ
レフィン樹脂層は、樹脂自体の伸び率がかなり大きいた
め、亜鉛メッキ層のクラックが発生したりするのを樹脂
層の伸びでカバーすることができ、樹脂層に割れが生じ
金属部分が露出して錆びたりすることもなく、加工性が
充分に向上される。
また、接着性変性ポリオレフィン樹脂層さらにはポリオ
レフィン樹脂層上に、顔料混入率の高い樹脂塗膜層が形
成されているため、太陽光線による接着性変性ポリオレ
フィン樹脂層及びポリオレフィン樹脂層の劣化を防止す
ることができ、その結果、接着性変性ポリオレフィン樹
脂層及びポリオレフィン樹脂層の厚さを薄くすることが
できるため、不燃性を充分に向上することができる。
さらに、最上層に樹脂塗膜層を設けているため、この樹
脂灘層の塗装において、色の異なる塗料の塗装機を交換
可能に設けておき、この塗装機を切り換えることで樹脂
被覆金属板の色調を種々に変化させることができ、接着
性変性ポリオレフィン樹脂層およびポリオレフィン樹脂
の色替えが不要となり、少量多品種生産にも充分に対応
することができ、色調の意匠性も向上される。
以下、本発明樹脂被覆金属板の実施例を示す第1図ない
し第3図を参照しながら説明する。
第1図ないし第3図において、1は鋼板、ステンレス鋼
板、銅板、アルミニウム板などからなる金属板である。
2は金属板1の表面にメッキを施して形成されたメッキ
層であり、亜鉛メッキ、アルルミニウムメッキ、アルミ
ニウム−亜鉛合金メッキなどが施される。
3はメッキ層2の表面を化学処理して形成された化学処
理層で、通常、化学処理としては、リン酸亜鉛処理、ク
ロメート処理、あるいは塗布型クロメート処理等の化学
処理が施される。
4は化学処理層上に被覆形成されたプライマーであり、
必要な場合はストロンチームクロメート、ジンククロメ
ート等の防錆顔料を加え、樹脂および有機溶剤とともに
混合分散して塗料を調製し、この塗料を化学処理層上に
塗布、乾燥して被覆形成される。ここで使用される樹脂
としてはエポキシ樹脂が最適であるが、ポリエステル、
アクリル樹脂、ウレタン樹脂などもエポキシ変性されて
用いられる。また、防錆顔料を加える場合、防錆顔料の
樹脂に対する使用割合は、プライマーの膜厚、用途、乾
燥条件等で決められ、膜厚が薄い場合は防錆顔料の割合
が高く、膜厚が厚い場合はその比率が低い傾向にある
が、樹脂100重量部に対して5〜30重量部の範囲内
で使用される。
このようにしてプライマー4が被覆形成されると、金属
板1の端部や表層部からのキズによる発錆が、このプラ
イマー4によって効果的に防止され、耐食性が向上され
る。このように腐食防止機能に優れたプライマー4は、
耐食性能をさほど要求されない内装材、器物用途材など
の場合、必ずしも設けなくてもよいが、屋外用建材等に
使用する場合は、プライマー4を設けるのが好ましく、
この場合、プライマー4の層厚が3μm未満では長期耐
食性がなく、15μmより厚くすると効果の増加が期待
できず、コストアップとなるため、プライマー4の層厚
は3〜15μmの範囲内にするのが好ましい。
5はプライマー4上に被覆形成された接着性変性ポリオ
レフィン樹脂層であり、この接着性変性ポリオレフィン
樹脂層5によって、本来接着性に劣るポリオレフィン樹
脂の接着性が改善される。しかして、プライマー4上に
接着性よく被覆され、プライマー4が設けられていない
場合は化学処理層3上に接着性よく被覆される。さらに
化学処理層3およびメッキ層2も設けられていない場合
は、第2図に示すように金属板1の表面に接着性よく被
覆される。
この接着性変性ポリオレフィン樹脂層5に用いられる変
性ポリオレフィン樹脂としては、マレイン酸、メタクリ
ル酸、アクリル酸、フタル酸などで変性されたポリエチ
レン樹脂、ポリプロピレン樹脂などが好ましく使用さ
れ、接着性変性ポリオレフィン樹脂層5の被覆形成は、
これらの樹脂に必要な場合は、酸化チタン、酸化鉄鉛丹
などの顔料を混合分散し、これをプライマー4上に押出
装置から押出して塗装するか、あるいはこれらの接着性
変性ポリオレフィン樹脂からなるフィルムを予め形成
し、これをプライマー4上にラミネートするなどの方法
で行われる。また、プライマー4が設けられていない場
合は、化学処理層3上に同様にして被覆形成され、さら
に化学処理層3およびッキ層2も設けられていない場合
は、同様にして第2図に示すように金属板1の表面に被
覆形成される。
このような接着性変性ポリオレフィン樹脂層5上に形成
されるポリオレフィン樹脂層6は、ポリエチレン樹脂、
ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂に、必要
な場合は、酸化チタン、酸化鉄、鉛丹などの顔料を混合
分散して、接着性変性ポリオレフィン樹脂層5上に押出
装置から押出して塗装するか、あるいはこれらのポリオ
レフィン樹脂からなるフィルムを予め形成し、これを接
着性変性ポリオレフィン樹脂層5上にラミネートするな
どの方法で被覆形成される。
このようにして被覆形成されるポリオレフィン樹脂層6
は、接着性変性ポリオレフィン樹脂層5と共通するポリ
オレフィン樹脂から構成されているため、接着性変性ポ
リオレフィン樹脂層5上に接着性よく形成される。ま
た、これら接着性変性ポリオレフィン樹脂層5およびポ
リオレフィン樹脂層6は、合計厚が15μmより薄くな
ると透水が高くなって、長期耐食性が望めなくなり、反
対にあまり厚くすると不燃性が劣化し、合計厚が90μ
m位になると建設省告示828号に不適格となるため、
これら両者の合計厚は、これらの中に含まれる顔料等を
除いた樹脂のみの厚さに換算して15〜70μmの範囲
内であることが好ましい。この場合、これら接着性変性
ポリオレフィン樹脂層5およびポリオレフィン樹脂層6
中に、酸化チタン、酸化鉄、鉛丹などの不燃性顔料が添
加される場合は、これら不燃性顔料の添加が不燃性を劣
化させることもないため、これら不燃性顔料に見合った
重量分だけこれら両者の合計厚を厚くしてもよい。これ
ら両者の中に含まれる顔料等を除いた合計厚は、全体の
重量(g/m)から不燃性顔料の重量(g/m)を
差し引いたものを全体の樹脂の密度(g/cm3)で除し
たクリヤー膜厚換算値で表すことができる。なお、これ
ら両者の合計厚のうち、接着性変性ポリオレフィン樹脂
層5の層厚は、この接着性変性ポリオレフィン樹脂層5
の接着性改善効果を充分に発揮させるため、8〜15μ
mの範囲内にするのが好ましい。
このような接着性変性ポリオレフィン樹脂層5およびポ
リオレフィン樹脂層6は、必ずしもこれら2層を積層し
て形成する必要はなく、第3図に示すように、ポリオレ
フィン樹脂層6を省いて、接着性変性ポリオレフィン樹
脂層5を厚くしてもよく、接着性変性ポリオレフィン樹
脂層5のみの形成によっても、ポリオレフィン樹脂層6
を積層した場合と同じ効果が得られる。なお、これらポ
リオレフィン樹脂層5、6を着色顔料で白色に着色して
おくと、この上に塗装する樹脂塗膜層の色の隠蔽性を向
上させることができる。
7はポリオレフィン樹脂層6上に被覆形成された樹脂塗
膜層で、この樹脂塗層7は、熱硬化性ポリエステル樹
脂、シリコンポリエステル樹脂、フッ素樹脂等を適当な
溶剤に溶解した後、この中に種々の着色顔料を混合分散
して塗料を調製し、この塗料をポリオレフィン樹脂層6
上にコールコーター等で塗布し、金属板の温度を180
〜240℃に上昇させて焼き付け乾燥することによって
被覆形成される。また、ポリオレフィン樹脂層6が設け
られていない場合は、接着性変性ポリオレフィン樹脂層
5上に同様にして被覆形成される。
このようにして樹脂塗膜層7が被覆形成されると、樹脂
塗膜層7に使用した熱硬化性ポリエステル樹脂、シリコ
ンポリエステル樹脂、フッ素樹脂等が耐候性に優れてい
るため、耐候性が充分に向上される。また樹脂塗膜層7
は着色顔料を高い比率で含有させることができ、太陽光
線の紫外線の透過を良好に防止することができるため、
紫外線によるポリオレフィン樹脂層6または接着性変性
ポリオレフィン樹脂層5への悪影響が効果的に抑制され
る。その結果、ポリオレフィン樹脂層6および接着性変
性ポリオレフィン樹脂層5の厚さを薄くすることがで
き、不燃性を充分に向上することができる。さらに、樹
脂塗膜層7の形成に際しては、塗料の焼き付け乾燥の条
件として、金属板の温度を180〜240℃に上昇させ
ているため、前記の両ポリオレフィン樹脂を塗装した
り、フィルムにしてラミネートした後の再加熱養性を、
この塗料の焼き付け乾燥で兼ねることができ、製造工程
を簡略化することができる。
また、この樹脂塗膜層7の塗装については、着色の異な
った塗料の塗装機を交換可能に設けて置き、これらの塗
装機を切り換えて塗装することによって、樹脂被覆金属
板の色を容易に種々に変化させることができ、多品種少
量生産にも充分に対応することができる。
このような樹脂塗膜層7は、所期の効果を発揮させるた
め、樹脂100重量部に対して着色顔料を30〜100
重量部の範囲内で樹脂塗膜層7中に含有させるのが好ま
ししく、また、樹脂塗膜層7の厚さは、5μm未満にす
ると黒色系を除いた場合、充分な隠蔽性が得られず、ま
た紫外線が透過してポリオレフィン樹脂に悪影響を及ぼ
し、40μmより厚く塗装すると、乾燥条件が悪くなっ
てラインの生産能率を落としたり、また塗膜物性の劣化
などが見られる場合が多く、単にコストアップになるた
め、5〜40μmの範囲内にするのが好ましい。
なお、ポリオレフィン樹脂層6または接着性変性ポリオ
レフィン樹脂層5上に樹脂塗膜層7を形成する際、樹脂
塗料を塗布、乾燥するだけで塗装を施すことは、一般的
には難しいため、火災処理、コロナ放電処理などを塗装
面に施すのが好ましく、このような火災処理、コロナ放
電処理などを施すと、ポリオレフィン樹脂層6または接
着性変性ポリオレフィン樹脂層5の表面にカルボニル基
が生じて、樹脂塗膜層7との密着性が一段と良好にな
る。
〔実施例〕
次に、この発明の実施例について説明する。
実施例1 第4図に示す樹脂被覆装置を使用し、巻戻ロール8から
亜鉛メッキ(目付Z22)を施した厚さ0.5mmの鋼板1
を送り出し、化学処理装置10でリン酸亜鉛処理して、
メッキ層上に1μmの化学処理層を形成した。
次いで、塗布装置11でエポキシ樹脂(日本油脂社製、
P−32)を塗布し、乾燥装置12で、190℃で焼き
付け乾燥して塗装し、化学処理層上に厚さが5μmのプ
ライマーを形成した。
次に、供給ロール13から、下側が厚さ12μmの接着
性変性ポリオレフィン樹脂層で、上側が厚さ38μmの
ポリエチレン樹脂層からなる白色のポリエチレンフィル
ム(日立化成社製、ヒタレックスPE)14を、ガイド
ロール15および16を介して一対の圧着ロール17,
17間に挿入し、鋼板1の温度190℃でプライマー上
にラミネートした。続いて火災処理装置18で約2秒間
火災処理を施して、接着性変性ポリオレフィン樹脂層お
よびポリエチレン樹脂層を、プライマー上に形成した。
次いで、交換可能に設けられた塗布装置19a,19b
のうち19aを使用してグレー色の熱硬化性ポリエステ
ル樹脂(日本油脂社製、NO3750)を塗布し、乾燥
装置20で温度190℃で焼き付け乾燥を行って、厚さ
15μmの樹脂塗膜層をポリエチレン樹脂層上に形成し
た。しかる後、巻き取りロール21に巻き取り、第1図
に示すように鋼板1上にメッキ層2、化学処理層3、プ
ライマー4、接着性変性ポリエチレン樹脂層5、ポリエ
チレン樹脂層6、樹脂塗膜層7を順次に積層形成した樹
脂被覆鋼板をつくった。
実施例2 実施例1におけるプライマーの形成において、エポキシ
樹脂(目本油脂社製、P−32)に代えて、エポキシ樹
脂(日本ペイント社製、P−62)を使用した以外は実
施例1と同様にして厚さ5μmのプライマーを形成し、
樹脂塗膜層の形成において、グー色の熱硬化性ポリエス
テル樹脂(日本油脂社製、NO3750)に代えて、グ
レー色のシリコンポリエステル樹脂(日本ペイント社
製、S−30)を使用し、焼き付け乾燥温度を190℃
から210℃に変更した以外は実施例1と同様にして厚
さ20μmの樹脂塗膜層を形成し、さらに実施例と同様
にして、化学処理層、接着性変性ポリエチレン樹脂層、
およびポリエチレン樹脂層を形成して樹脂被覆鋼板をつ
くった。
実施例3 実施例1における樹脂塗膜層の形成において、グレー色
の熱硬化性ポリエステル樹脂(日本油脂社製、NO37
50)に代えて、グレー色のフッ素樹脂(日本油脂社
製、NO8000)を使用し、焼き付け乾燥温度を19
0℃から240℃に変更した以外は実施例1と同様にし
て厚さ20μmの樹脂塗膜層を形成し、さらに実施例1
と同様にして、化学処理層、プライマー、接着性変性ポ
リエチレン樹脂層、およびポリエチレン樹脂層を形成
し、樹脂被覆鋼板をつくった。
実施例4 実施例1における接着性変性ポリエチレン樹脂層および
ポリエチレン樹脂層の形成において、下側が厚さ12μ
mの接着性変性ポリエチレン樹脂層で、上側が厚さ38
μmのポリエチレン樹脂層からなる白色のポリエチレン
フィルム(日本化成社製、ヒタックスPE)に代えて、
下側が厚さ12μmの接着性変性ポリエチレン樹脂層
で、上側が厚さ58μmのポリエチレン樹脂層からなる
白色のポリエチレンフィルム(日立化成社製、ヒタレッ
クスPE)を使用した以外は、実施例1と同様にして接
着性変性ポリエチレン樹脂層およびポリエチレン樹脂層
を形成し、樹脂塗膜層の形成において、グレー色の熱硬
化性ポリエステル樹脂(日本油脂社製、NO3750)
に代えて、白色の熱硬化性ポリエステル樹脂(日本油脂
社製、NO3800)を使用した以外は実施例1と同様
にて厚さ7μmの樹脂塗膜層を形成し、さらに実施例1
と同様にして、化学処理層、プライマー、接着性変性ポ
リエチレン樹脂層、およびポリエチレン樹脂層を形成
し、樹脂被覆鋼板をつくった。
実施例5 実施例2における接着性変性ポリエチレン樹脂層および
ポリエチレン樹脂層の形成において、下側が厚さ12μ
mの接着性変性ポリエチレン樹脂層で、上側が厚さ38
μmのポリエチレン樹脂層からなる白色のポリエチレン
フィルム(日本化成社製、ヒタレックスPE)に代え
て、厚さが30μmの接着性変性ポリエチレン樹脂層か
らなる白色のポリエチレンフィルム(住友化学社製、ボ
ンドファースト)を使用したた以外は、実施例2と同様
にして接着性変性ポリエチレン樹脂層を形成し、樹脂塗
膜層の形成において、グレー色のシリコンポリエステル
樹脂(日本ペイント社製、S−30)に代えて、ベージ
ュ色の熱硬化性ポリエステル樹脂(日本油脂社製、NO
310)を使用し、焼き付け乾燥温度を210℃から1
90℃に変更した以外は実施例2と同様にして厚さ30
μmの樹脂塗膜層を形成し、さらに実施例2と同様にし
て、化学処理層およびプライマーを形成し、樹脂被覆鋼
板をつくった。
比較例1 実施例1において、接着性変性ポリエチレン樹脂層およ
びポリエチレン樹脂層の形成処理を省いた以外は、実施
例1と同様にして、化学処理層、プライマーおよび樹脂
塗膜層を形成し、樹脂被覆鋼板をつくった。
比較例2 実施例2において、接着性変性ポリエチレン樹脂層およ
びポリエチレン樹脂層の形成処理を省いた以外は、実施
例2と同様にして、化学処理層、プライマーおよび樹脂
塗膜層を形成し、樹脂被覆鋼板をつくった。
比較例3 実施例3と同様にして、亜鉛メッキ鋼板の表面に化学処
理層を形成し、次いで、化学処理層上にフッ素樹脂(日
本油脂社製、フッ素用プライマー)を塗布し、190℃
で焼き付け乾燥して厚さ5μmのプライマーを形成し
た。
次に、プライマー上に実施例3と同様にして厚さ20μ
mの樹脂塗膜層を形成し、樹脂被覆鋼板をつくった。
比較例4 実施例1と同様にして、亜鉛メッキ鋼板の表面に化学処
理層を形成し、次いで、化学処理層上にエポキシフェノ
ール樹脂(日本ペイント社製、NO1640)を塗装し
て、厚さ8μmのプライマーを形成した。
次に、プライマー上にグレー色の塩化ビニル樹脂(日本
ペイント社製、NO1000YK)を塗布し、焼き付け
乾燥を行って、厚さ150μmの樹脂塗膜層を形成し、
樹脂被覆鋼板をつくった。
比較例5 実施例1と同様にして、亜鉛メッキ鋼板の表面に化学処
理層を形成し、次いで、化学処理層上にエポキシ樹脂
(日本油脂社製、P−32)を塗装し、焼き付け乾燥を
行って、厚さ5μmのプライマーを形成した。
次に、プライマー上に、厚さ150μmのグレー色のポ
リエチレンフィルム(日立化成社製、ヒタレックス)
を、鋼板温度190℃でラミネートして、樹脂被覆鋼板
をつくった。
各実施例および比較例で得られた樹脂被覆鋼板につい
て、樹脂層の密着性、加工性、耐食性、耐候性および不
燃性を試験した。樹脂層の密着性の試験は、JIS、D
0202碁盤目試験方法に基づいて剥離数をを測定して
行い、加工性試験は、折り曲げ角度が180度密着曲げ
と直径2mm180度曲げの場合におけるクラックの発生
を調べて行った。また耐候性試験は、サンシャインウエ
ザオメータで2000時間照射した後の樹脂層の鋼板か
らの剥離の有無、および色差を測定して行い、耐食性試
験は、JIS、Z2371に基づいて行い、ふくれなど
の判定はASTM法によった。さらに不燃性試験は、建
設省告示第1828号に基づいて行い、合格、不合格を
判定した。
下記第1表はその結果である。
〔発明の効果〕 上記第1表から明らかなように、この発明で得られた樹
脂被覆鋼板(実施例1〜5)は、比較例1〜5で得られ
た樹脂被覆鋼板に比し、樹脂層の密着性および耐候性が
同等で、加工性、耐食性がよく、また不燃性試験は合格
判定であり、このことからこの発明で得られる樹脂被覆
金属板は、不燃性、耐食性、耐候性および加工性に優れ
ていることがわかる。
また、この発明の製造方法によれば、最上層に設けた樹
脂塗膜層の塗装にあたって、塗装機を交換するだけで樹
脂被覆金属板の色を容易に種々に変化させることがで
き、接着性変性ポリオレフィン樹脂層およびポリオレフ
ィン樹脂層の色替えが不要となり、多品種少量生産にも
充分に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明で得られた樹脂被覆金属板の一実施例
を示す部分拡大断面図、第2図および第3図は同樹脂被
覆金属板の他の例を示す部分拡大断面図、第4図はこの
発明の樹脂被覆金属板の製造工程を示す概略説明図であ
る。 1……金属板(鋼板)、4……プライマー、5……接着
性変性ポリオレフィン樹脂層、6……ポリオレフィン樹
脂層、7……樹脂塗膜層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属板の表面にプライマーを介するかある
    いは介さないで、 接着性変性ポリオレフィン樹脂層からなる中間層、もし
    くは接着性変性ポリオレフィン樹脂層上にポリオレフィ
    ン樹脂層を積層してなる中間層が、これの中に含まれる
    顔料等を除いた樹脂のみの厚さに換算して15〜70μ
    m厚に設けられており、 前記中間層の上に、熱硬化性ポリエステル樹脂又はフッ
    素樹脂からなり、樹脂100重量部に対して着色顔料を
    30〜100重量部含んで5〜40μm厚の樹脂塗膜層
    が設けられていることを特徴とする樹脂被覆金属板。
  2. 【請求項2】金属板の表面に接着性変性ポリオレフィン
    樹脂層を形成するか、あるいは金属板の表面にプライマ
    ーを形成した後このプライマー上に接着性変性ポリオレ
    フィン樹脂層を形成し、 次いで、これらの接着性変性ポリオレフィン樹脂層上に
    樹脂塗膜層を形成するか、あるいはこれらの接着性変性
    ポリオレフィン樹脂層上にさらにポリオレフィン樹脂層
    を形成した後このポリオレフィン樹脂層上に樹脂塗膜層
    を形成し、 接着性変性ポリオレフィン樹脂層の厚さ、もしくは接着
    性変性ポリオレフィン樹脂層とポリオレフィン樹脂層と
    の合計厚さが、これらの中に含まれる顔料等を除いた樹
    脂のみの厚さに換算して15〜70μmに設定されてお
    り、 樹脂塗膜層が、熱硬化性ポリエステル樹脂又はフッ素樹
    脂からなり、樹脂100重量部に対して着色顔料を30
    〜100重量部含んで5〜40μm厚に設定されている
    ことを特徴とする樹脂被覆金属板の製造方法。
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