JPH06267531A - 電極材料 - Google Patents
電極材料Info
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- JPH06267531A JPH06267531A JP5048286A JP4828693A JPH06267531A JP H06267531 A JPH06267531 A JP H06267531A JP 5048286 A JP5048286 A JP 5048286A JP 4828693 A JP4828693 A JP 4828693A JP H06267531 A JPH06267531 A JP H06267531A
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Abstract
性の炭素質物(C)で被覆した多相構造とした電極材料: (1) X線広角回折におけるdoo2 が3.37Å以下、
真密度が2.10g/cm3以上であり、体積平均粒径が5μ
m以上であること; (2) X線広角回折におけるdoo2 が3.38Å以上、
波長5145Åのアルゴンイオンレーザー光を用いたラ
マンスペクトル分析において、1580〜1620cm-1
の範囲にピークPA、1350〜1370cm-1の範囲に
ピークPBを有し、上記PAの強度IAに対するPBの強度
IBの比R=IB/IAが0.2以上であること。 【効果】 電極容量が大きく、充放電サイクル特性の優
れた電極を提供する。
Description
関するものである。更に詳しくは本発明は、高容量で充
放電特性にすぐれた二次電池用負極電極材料に関するも
のである。
としてポリアセチレンなどの導電性高分子を用いること
が提案されている(特開昭57-121168号公報)。しか
し、導電性高分子はリチウムイオンのドープ量、すなわ
ち電極容量及び安定な充放電特性に欠けるという欠点が
ある。またリチウム金属を、リチウム二次電池の負極電
極に用いることも試みられているが、この場合には充放
電サイクル特性が極めて悪いものになる。すなわち、電
池の放電時には負極体からLiがLiイオンとなって電
解液中に移動し、充電時にはこのLiイオンが金属Li
となって再び負極体に電析するが、この充放電サイクル
を反復させるとそれに伴って電析する金属Liはデンド
ライト状となることである。このデンドライト状Liは
極めて活性な物質であるため、電解液を分解せしめ、そ
の結果、電池の充放電サイクル特性が劣化するという不
都合を生じる。さらにこれが成長していくと、最後に
は、このデンドライト状の金属Li電析物がセパレータ
を貫通して正極体に達し、短絡現象を起こすという問題
を生ずる。別言すれば、充放電のサイクル寿命が短いと
いう問題が生ずる。
極として有機化合物を焼成した炭素質物を担持体とし、
これにLiまたはLiを主体とするアルカリ金属を担持
せしめて構成することが試みられている。このような負
極体を用いることにより、負極電極の充放電サイクル特
性は飛躍的に改良されたが、しかし一方で、この負極電
極の電極容量は満足しうる程に大きいものではなかっ
た。本発明は、かかる状況の下に、電極容量が大きく、
充放電サイクル特性にすぐれた負極電極を可能にする電
極材料を提供することを目的としたものである。
(1)の条件を満たす炭素質物(A)の粒子と、下記(2)の条
件を満たす有機化合物(B)の粒子を混合した後、これを
加熱して有機化合物(B)を炭素化することにより、炭素
質物(A)の粒子を、下記(3)の条件を満たす炭素質物(C)
で被覆した多相構造とした電極材料を提供するものであ
る。 (1) X線広角回折におけるdoo2 が3.37Å以下、
真密度が2.10g/cm3以上であり、体積平均粒径が5μ
m以上であること; (2) 体積平均粒径が炭素質物(A)より小さいこと; (3) X線広角回折におけるdoo2 が3.38Å以上、
波長5145Åのアルゴンイオンレーザー光を用いたラ
マンスペクトル分析において、1580〜1620cm-1
の範囲にピークPA、1350〜1370cm-1の範囲に
ピークPBを有し、上記PAの強度IAに対するPBの強度
IBの比R=IB/IAが0.2以上であること。
物(A)の粒子と有機化合物(B)の粒子とを混合した後、こ
れを加熱して有機化合物を炭素化することにより、炭素
質物(A)を炭素質物(C)で被覆した構造を有する電極材料
であり、炭素質物(A)および炭素質物(B)はそれぞれ特定
の結晶特性を有している。炭素質物(A)は炭素質物(B)に
より全面を被覆されるのが好ましいが、場合によって
は、部分的に被覆された構造であってもよい。
が3.37Å以下、好ましくは3.35〜3.37Å、よ
り好ましくは3.35〜3.36Å、さらに好ましくは
3.36Åである。さらにC軸方向の結晶子の大きさL
cは、好ましくは150Å以上、より好ましくは200
Å以上、さらに好ましくは220Å以上、とくに好まし
くは250Å以上、最も好ましくは300Å以上であ
る。また、真密度は2.10g/cm3以上、好ましくは2.
12g/cm3以上、より好ましくは2.14g/cm3以上、さ
らに好ましくは2.16g/cm3以上、とくに好ましくは
2.18g/cm3以上、最も好ましくは2.20〜2.26g/
cm3である。平均粒径は、5μm以上、好ましくは7μ
m以上60μm以下、より好ましくは8〜50μm、さ
らに好ましくは10〜40μm、とくに好ましくは12
〜30μm、最も好ましくは15〜25μmである。比
表面積は、好ましくは70m2/g以下、より好ましくは
0.1〜50m2/g、さらに好ましくは0.5〜30m2/g、
とくに好ましくは0.8〜20m2/g、最も好ましくは1.
0〜15m2/gである。
のが好ましい。このピッチについてさらに詳述すると、
ナフサの分解の際に生成するエチレンヘビーエンドピッ
チ、原油ピッチ、コールピッチ、アスファルト分解ピッ
チ、ポリ塩化ビニル等を熱分解して生成するピッチなど
を例として挙げることができる。また、これらの各種の
ピッチをさらに不活性ガス流下などで加熱し、キノリン
不溶分が好ましくは80%以上、より好ましくは90%
以上、さらに好ましくは95%以上のメソフェーズピッ
チにして用いることができる。それ以外に有機化合物と
しては、ナフタレン、フェナンスレン、アントラセン、
トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ピセ
ン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセンのような、3
員環以上の単環炭化水素化合物が互いに2個以上縮合し
てなる縮合多環式炭化水素化合物;又は上記化合物のカ
ルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸イミドのよう
な誘導体;インドール、イソインドール、キノリン、イ
ソキノリン、キノキサリン、フタラジン、カルバゾー
ル、アクリジン、フェナジン、フェナントリジンのよう
な、3員環以上の複素単環化合物が互いに少なくとも2
個以上結合するか、または1個以上の3員環以上の単環
炭化水素化合物と結合してなる縮合複素環化合物;上記
各化合物のカルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸
イミドのような誘導体を用いることもできる。さらに有
機化合物として、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン
などのハロゲン化ビニル樹脂、アクリル樹脂、フェノー
ル樹脂、セルロース樹脂を用いることもできる。有機化
合物として、上述の有機化合物の1種又は2種以上を同
時に用いることができる。
(2)(μm)が上述の炭素質物(A)の体積平均粒径D(1)
(μm)より小さい。好ましくはD(2)≦2/3・D
(1)、より好ましくはD(2)≦1/2・D(1)、さらに好
ましくはD(2)≦1/3・D(1)である。このように、炭
素質物(A)の体積平均粒径より小さい体積平均粒径を有
する有機化合物の粒子を選んで混合することにより、炭
素質物(A)の粒子のまわりに有機化合物の粒子を効果的
に被覆させることができる。
下記のとおりである。W(A)=炭素質物(A)の重量/[炭
素質物(A)の重量+有機化合物(B)の重量]が好ましくは
0.40〜0.95、より好ましくは0.50〜0.93、
さらに好ましくは0.55〜0.90、とくに好ましくは
0.60〜0.85、最も好ましくは0.65〜0.80で
ある。
質物(A)の粒子と、有機化合物の粒子(2)の混合物を、加
圧密着して、炭素質物(A)の粒子と有機化合物(B)の粒子
とを密着させるのが好ましい。次に、この圧縮密着物
を、不活性ガス流下または真空下で加熱して炭素化す
る。炭素化は、酸素濃度が好ましくは5vol%以下、よ
り好ましくは3vol%以下、さらに好ましくは1vol%以
下、とくに好ましくは0.5vol%以下、最も好ましくは
0.3vol%以下の雰囲気で行う。炭素化の温度は、好ま
しくは500〜2800℃、より好ましくは700〜2
500℃、さらに好ましくは800〜2100℃であ
る。かくして有機化合物(B)を炭素化させて得られる炭
素質物(C)で、炭素質物(A)の粒子を被覆してなる多相構
造を有する炭素質物が得られる。すなわち炭素質物(A)
の粒子の表面の全部ないし一部を、炭素質物(C)で被覆
した多相構造の電極材料が得られる。このようにして炭
素化した電極材料は、次に粉砕し、高分子材料を用いて
結着し、電極の形状に成形される。
広角回折における002面の面間隔doo2 が3.38
Å以上である。より好ましくは3.39〜3.80Å、さ
らに好ましくは3.40〜3.75Å、とくに好ましくは
3.43〜3.70Å、最も好ましくは3.45〜3.65
Åである。
アルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分
析において、1580〜1620cm-1の範囲にピークP
A、1350〜1370cm-1の範囲にピークPBを有し、
上記PAの強度IAに対するPBの強度IBの比:R=IB
/IAが0.2以上である。PAは芳香環網面の広がりが
積層して成長、形成される結晶構造に対応して観察され
るピークであり、PBは乱れた非晶構造に対応したピー
クである。炭素質物(C)は、好ましくはRが0.25以
上、より好ましくは0.3〜1.6、さらに好ましくは
0.4〜1.5、とくに好ましくは0.5〜1.3である。
が220Å未満であることが好ましく、200Å以下で
あることがより好ましく、10Å以上150Å未満であ
ることがさらに好ましく、15〜100Åであることが
とくに好ましく、16〜70Åであることがとくに好ま
しい。
炭素質物(A)の粒子の表面の全部ないし一部を、炭素質
物(C)で被覆した多相構造を有するが、それに対応して
下記特性を有する。すなわち上述のラマンスペクトル分
析において、1580〜1620cm-1の範囲にピークP
A、1350〜1370cm-1の範囲にピークPBを有し、
上記PAの強度IAに対するPBの強度IBの比:R=IB
/IAが0.1以上であり、好ましくは0.2以上、より
好ましくは0.3〜1.6、さらに好ましくは0.4〜1.
5、とくに好ましくは0.5〜1.3である。さらに、本
発明の電極材料は、上述の多相構造に対応してX線広角
回折において少なくとも2つのピークを有することが好
ましい。すなわち、炭素質物(A)と炭素質物(C)に対応す
る2つのピークを有する。両者のピークは、各ピークの
プロフィールを非対称ピアソンVII関数で近似し、最小
二乗法はガウス−ジョルダン法を適用して分離すること
ができる。すなわち炭素質物(A)に対応してdoo2 が
3.37Å以下のピークと、炭素質物(C)に対応するdo
o2 が3.38Å以上のピークを有することが好まし
い。両者のピーク強度の比:IR=I(doo2 が3.3
8Å以上のピーク)/I(doo2 が3.37Å以下の
ピーク)が0.001以上であることが好ましく、0.0
02〜0.50であることがより好ましく、0.003〜
0.30であることがさらに好ましく、0.005〜0.
15であることがとくに好ましく、0.007〜0.10
であることが最も好ましい。本発明の電極材料は、真密
度が2.05g/cm3以上であることが好ましく、2.08g
/cm3以上であることがより好ましく、2.10〜2.25
g/cm3であることがさらに好ましく、2.12〜2.22g
/cm3であることがとくに好ましく、2.15〜2.20g/
cm3であることが最も好ましい。また、本発明の電極材
料は、体積平均粒径が5〜80μmであることが好まし
く、7〜70μmであることがより好ましく、8〜60
μmであることがさらに好ましく、10〜50μmであ
ることがとくに好ましく、12〜40μmであることが
最も好ましい。
常、高分子結着剤と混合し、ついで電極の形状に成形さ
れる。高分子結着剤としては、次のようなものが挙げら
れる。 ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレ
フタレート、芳香族ポリアミド、セルロースなどの樹脂
状高分子。 スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタ
ジエンゴム、エチレン・プロピレンゴムなどのゴム状高
分子。 スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合
体、その水素添加物、スチレン・イソプレン・スチレン
ブロック共重合体、その水素添加物などの熱可塑性エラ
ストマー状高分子。 シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体、プロピレン・α−オレフィ
ン(炭素数2又は4〜12)共重合体などの軟質樹脂状
高分子。 アルカリ金属イオン、とくにLiイオンのイオン伝
導性を有する高分子組成物。
ては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシ
ド、ポリエピクロロヒドリン、ポリホスファゼン、ポリ
フッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリルなどの高分子
化合物に、リチウム塩又はリチウムを主体とするアルカ
リ金属塩を複合させた系、あるいは、さらにこれにプロ
ピレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチ
ロラクトンなどの高い誘電率を有する有機化合物を配合
した系を用いることができる。ポリホスファゼンは、側
鎖にポリエーテル鎖、とくにポリオキシエチレン鎖を有
するものが好ましい。このようなイオン伝導性高分子組
成物の室温におけるイオン伝導率は、好ましくは10-8
S・cm-1以上、より好ましくは10-6S・cm-1以上、さらに
好ましくは10-4S・cm-1以上、とくに好ましくは10-3
S・cm-1以上である。本発明の電極材料と上述の高分子結
着剤との混合形態としては、各種の形態をとることがで
きる。すなわち、単に両者の粒子が混合した形態、繊維
状の結着剤が電極材料の粒子に絡み合う形で混合した形
態、又は上記のゴム状高分子、熱可塑性エラストマー、
軟質樹脂、イオン伝導性高分子組成物などの結着剤の層
が電極材料の粒子の表面に付着した形態などが挙げられ
る。繊維状の結着剤を用いる場合、該結着剤の繊維の直
径は、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm
以下のフィブリル(極細繊維)であり、とくに好ましく
は、フィブリッド状(触手状の超極細フィブリルを有す
る粉状体)である。電極材料と結着剤との混合割合は、
電極材料100重量部に対して、結着剤が好ましくは
0.1〜30重量部、より好ましくは0.5〜20重量
部、さらに好ましくは1〜10重量部である。
ルカリ金属、とりわけリチウムと合金を形成しうる金
属、たとえばアルミニウムを混合して用いることができ
る。あるいはそのような金属とアルカリ金属、とりわけ
リチウムとからなる合金、たとえばリチウムアルミニウ
ム合金を混合して用いることもできる。このような金属
ないし合金は、粒子状でも、電極材料の表面をコーティ
ングした薄層の形態でも、あるいは電極材料の内部に包
含される形態であっても差し支えない。このような金属
ないし合金の配合割合は、電極材料100重量部に対し
て、金属ないし合金が好ましくは70重量部以下、より
好ましくは5〜60重量部、さらに好ましくは10〜5
0重量部、とくに好ましくは15〜40重量部である。
の結着剤との混合物、あるいはさらに上述のような活物
質と合金を形成しうる金属又は活物質と該金属との合金
を配合してなる混合物からなる電極成形用材料とし、こ
れをロール成形、圧縮成形などの方法で電極の形状に成
形して、電極成形体を得ることができる。あるいは、こ
れらの成分を溶媒中に分散させて、金属製の集電体など
に塗布してもよい。電極成形体の形状は、シート状、ペ
レット状など、任意に設定できる。
物質であるアルカリ金属、好ましくはリチウム金属を、
電池の組立に先立って、又は組立の際に担持させること
ができる。担持体に活物質を担持させる方法としては、
化学的方法、電気化学的方法、物理的方法などがある。
たとえば、所定濃度のアルカリ金属カチオン、好ましく
はLiイオンを含む電解液中に電極成形体を浸漬し、か
つ対極にリチウムを用いて、この電極成形体を陽極にし
て電解含浸する方法、電極成形体を得る過程でアルカリ
金属の粉末、好ましくはリチウム粉末を混合する方法な
どを適用することができる。あるいは、リチウム金属と
電極成形体を電気的に接触させる方法も用いられる。こ
の場合、リチウム金属と電極成形体中の炭素質材料と
を、リチウムイオン伝導性高分子組成物を介して接触さ
せることが好ましい。このようにしてあらかじめ電極成
形体に担持されるリチウムの量は、担持体1重量部あた
り、好ましくは0.030〜0.250重量部、より好ま
しくは0.060〜0.200重量部、さらに好ましくは
0.070〜0.150重量部、とくに好ましくは0.0
75〜0.120重量部、最も好ましくは0.080〜
0.100重量部である。このような電極材料を用いた
本発明の電極は、通常、二次電池の負極として用い、セ
パレーターを介して正極と対峙させる。
ないが、たとえば、Liイオンなどのアルカリ金属カチ
オンを充放電反応に伴って放出もしくは獲得する金属カ
ルコゲン化合物からなることが好ましい。そのような金
属カルコゲン化合物としては、バナジウムの酸化物、バ
ナジウムの硫化物、モリブデンの酸化物、モリブデンの
硫化物、マンガンの酸化物、クロムの酸化物、チタンの
酸化物、チタンの硫化物及びこれらの複合酸化物、複合
硫化物などが挙げられる。好ましくはCr3O8、V
2O5、V6O13、VO2、Cr2O5、MnO2、TiO2、
MoV2O8;TiS2、V2S5、MoS2、MoS3、V
S2、Cr0.25V0.75S2、Cr0.5V0.5S2などであ
る。また、LiCoO2、WO3などの酸化物;CuS、
Fe0.25V0.75S2、Na0.1CrS2などの硫化物;N
iPS3、FePS3などのリン、イオウ化合物;VSe
2、NbSe3などのセレン化合物などを用いることもで
きる。また、ポリアニリン、ポリピロールなどの導電性
ポリマーを用いることができる。さらに、比表面積が1
0m2/g以上、好ましくは100m2/g以上、さらに好まし
くは500m2/g以上、特に好ましくは1000m2/g以
上、最も好ましくは2000m2/g以上の炭素質物を正極
に用いることができる。
電解質としてアルカリ金属塩ないし4級アンモニウム塩
を溶解させてなる電解液を用いる。電解質としては、L
iClO4、LiPF6、LiAsF6、LiBF4、Li
SO3CF3、LiN(SO2CF3)2、などのアルカリ
金属塩、テトラアルキルアンモニウム塩等を用いること
ができる。アルカリ金属塩が好ましい。濃度は、0.2
モル/リットル以下が好ましく、0.3〜1.9モル/リ
ットルがより好ましい。電解質を溶解させる溶媒は、エ
チレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレ
ンカーボネート、ビニレンカーボネート、γ−ブチロラ
クトンなどの環状エステル化合物を用いることができ
る。また鎖状エーテル、環状エーテル、鎖状エステル化
合物などを用いることができる。鎖状エーテル化合物の
例としては、1,2−ジメトキシエタン、環状エーテル
化合物の例としてはクラウンエーテル(12−クラウン
−4等)、1,2−ジメチルテトラヒドロフラン、ジオ
キソラン、テトラヒドロフラン等をあげることができ
る。鎖状エステル化合物としては、ジエチルカーボネー
トなどをあげることができる。電解質を溶解させる溶媒
は、少なくとも2種の溶媒からなる混合溶媒を用いるこ
とが好ましい。たとえば混合溶媒中のエチレンカーボネ
ートを、5vol%以上60vol%未満、より好ましくは7
vol%以上50vol%未満、さらに好ましくは10〜45
vol%、とくに好ましくは12〜40vol%、最も好まし
くは15〜40vol%含有することができる。また、L
iイオンなどのアルカリ金属カチオンの誘導体である固
体電解質を、正極体と負極体との間に介在させることも
できる。電解液を保持するセパレーターは、一般に保液
性に優れた材料、例えばポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフィンの不織布を使用することができる。
においては充電時に担持体に活物質イオンが担持され、
放電時には担持体中の活物質イオンが放出されることに
よって、充放電の電極反応が進行する。一方、正極にお
いては、金属カルコゲン化合物を用いた場合、充電時に
正極体に活物質イオンが放出され、放電時に活物質イオ
ンが担持されることで、充放電の電極反応が進行する。
あるいは、正極にポリアニリンなどの導電性ポリマーを
用いた場合には、充電時に活物質イオンの対イオンが正
極体に担持され、放電時に活物質イオンの対イオンが正
極体から放出されることで電極反応が進行する。以上の
ように、正極体、負極体の電極反応の組み合わせで、電
池としての充放電に伴う電池反応が進行する。
物の(イ)X線広角回折、(ロ)真密度、(ハ)体積平
均粒径および(ニ)ラマンスペクトル等の各特性は、下
記方法により測定した。 (イ)X線広角回折: (1) (002)面の面間隔(d002) 炭素質物が粉末の場合はそのまま、微小片状の場合には
めのう乳鉢で粉末化し、試料に対して約15重量%のX
線標準用高純度シリコン粉末を内部標準物質として混合
し、試料セルにつめ、グラファイトモノクロメーターで
単色化したCuKα線を線源とし、反射式デイフラクト
メーター法によって広角X線回折曲線を測定する。曲線
の補正には、いわゆるローレンツ、偏光因子、吸収因
子、原子散乱因子等に関する補正は行わず次の簡便法を
用いる。即ち(002)回折に相当する曲線のベースラ
インを引き、ベースラインからの実質強度をプロットし
直して(002)面の補正曲線を得る。この曲線のピー
ク高さの3分の2の高さに引いた角度軸に平行な線が回
折曲線と交わる線分の中点を求め、中点の角度を内部標
準で補正し、これを回折角の2倍とし、CuKα線の波
長λとから次式のブラッグ式によってd002を求める。
位置におけるいわゆる半価幅βを用いてc軸方向の結晶
子の大きさを次式より求める。
については前項と同じ意味である。 (ロ)真密度:マルチピクノメーター(湯浅アイオニク
ス社製)を用い、ヘリウムガスでのガス置換法を用いて
測定した。 (ハ)体積平均粒径:レーザー回折式粒度分布測定装置
(堀場製作所製)を用いて測定した。 (ニ)ラマンスペクトル:光源にアルゴンレーザー光を
用い、分光器として日本分光工業NR1000 を用いて測定
した。
る。
2.25g/cm3、体積平均粒径が20μm、比表面積が
8.7m2/gの炭素質物(A)の粒子70重量部に、体積平均
粒径2μmのピッチ粒子30重量部を添加し、混合し
た。この混合物を、加圧して密着させた後混合物を、電
気加熱炉にセットし、N2流下200℃/時間で昇温
し、1300℃迄昇温した。さらに1300℃で1時間
保持し、ピッチを炭素化させた。炭素質物(C)のdoo2
は3.50Å、ラマンスペクトルにおけるピーク強度
比:Rは0.50であった。これを粉砕し、体積平均粒
径25μmの粒子の電極材料とした。この粒子はX線回
折においてdoo2 が3.36Åと3.50Åの2つのピ
ークを有し、ラマンスペクトルにおけるピーク強度比R
が0.49であった。また真密度は2.16g/cm3、BE
T比表面積は1.2m2/gであった。この電極材料93重
量部に、ポリエチレン7重量部を混合して、混合物をニ
ッケル金網上に圧着した。これを真空中で130℃に加
熱することにより乾燥して、電極成形体を得た。ガラス
セルに濃度1モル/リットルのLiClO4/エチレン
カーボネート(50vol%)とジエチルカーボネート
(50vol%)の溶液を入れ、上述の電極成形体を、リ
チウム金属をニッケル金網上に圧着した電極に対向させ
て電池セルを構成した。両電極の間に1.5mAで0V
迄充電し、1.5V迄放電する操作を繰り返した。その
結果を表1に示す。
0℃/時間で昇温し、1300℃迄昇温した。さらに1
300℃で1時間保持し、炭素化させた。この炭素質物
を、実施例1の炭素質に代えて用いた以外は、すべて実
施例1と同様にして電極性能を評価した。結果を表1に
示す。
質物を主成分として用いることにより、電極成形体に賦
形されて二次電池用の電極として用いられたときに、電
極容量が大きく、充放電サイクル特性の優れた特性を発
揮する。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記(1)の条件を満たす炭素質物(A)の粒
子と、下記(2)の条件を満たす有機化合物(B)の粒子を混
合した後、これを加熱して有機化合物(B)を炭素化する
ことにより、炭素質物(A)の粒子を、下記(3)の条件を満
たす炭素質物(C)で被覆した多相構造とした電極材料: (1) X線広角回折におけるdoo2 が3.37Å以下、
真密度が2.10g/cm3以上であり、体積平均粒径が5μ
m以上であること; (2) 体積平均粒径が炭素質物(A)より小さいこと; (3) X線広角回折におけるdoo2 が3.38Å以上、
波長5145Åのアルゴンイオンレーザー光を用いたラ
マンスペクトル分析において、1580〜1620cm-1
の範囲にピークPA、1350〜1370cm-1の範囲に
ピークPBを有し、上記PAの強度IAに対するPBの強度
IBの比R=IB/IAが0.2以上であること。
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