JP3154714B2 - 二次電池用電極 - Google Patents

二次電池用電極

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JP3154714B2 JP22512190A JP22512190A JP3154714B2 JP 3154714 B2 JP3154714 B2 JP 3154714B2 JP 22512190 A JP22512190 A JP 22512190A JP 22512190 A JP22512190 A JP 22512190A JP 3154714 B2 JP3154714 B2 JP 3154714B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は高容量で充放電特性が優れた二次電池用電極
に関し、さらに詳しくは、活物質がアルカリ金属、とく
にリチウムである二次電池用電極に関する。
[従来の技術 二次電池の電極として、ポリアセチレンなどの導電性
高分子を用いることが提案されている。しかし、導電性
高分子はLiイオンのドープ量、すなわち電極容量及び安
定な充放電特性に欠ける。
また、リチウム金属をリチウム二次電池の負極電極に
用いることも試みられているが、この場合には充放電サ
イクル特性が極めて悪いものになる。
すなわち、電池の放電時には負極体からリチウムがLi
イオンとなって電解液中に移動し、充電時にはこのLiイ
オンが金属リチウムとなって再び負極体に電析するが、
この充放電サイクルを反復させると、それに伴って電析
する金属リチウムはデンドライト状となる。このデンド
ライト状の金属リチウムは極めて活性な物質であるた
め、電解液を分解せしめ、その結果、電池の充放電サイ
クル特性が劣化するという不都合が生ずる。さらにこれ
が成長していくと、最後には、このデンドライト状の金
属リチウム電析物がセパレーターを貫通して正極体に達
し、短絡現象を起こすという問題が生ずる。換言すれ
ば、充放電サイクル寿命が短いという問題が生ずる。
このような問題を回避するために、負極電極として有
機化合物を焼成した炭素質物を担持体とし、これにアル
カリ金属、特にリチウムを活物質として担持せしめて構
成することが試みられている。このような負極体を用い
ることにより、負極の充放電サイクル特性は飛躍的に改
良されるが、この場合、あらかじめ必要な活物質を負極
担持体あるいは正極に担持させる工程が必要であった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、かかる技術的背景の下に活物質をあらかじ
め簡単、効率的に担持することのできる二次電池用負極
電極を提供することを目的とするものである。
さらに、本発明は、渦巻状電極にして円筒形二次電池
を構成したり、薄形のシート状電極としてシート形二次
電池を構成することのできる可撓性を有する二次電池用
負極を提供することを、もう一つの目的としている。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは上記の問題を解決すべく、負極電極に関
して鋭意研究を重ねた結果、後述の物性値を有する炭素
質物と結着剤との混合物を成形してなる担持体に、活物
質を担持してなる電極の構成とすると、上述の目的の達
成のために極めて有効であることを見出し、本発明に到
達した。
すなわち、本発明の二次電池用電極は、水素/炭素の
原子比が0.15未満、かつX線広角回折法による(002)
面の面間隔d002が3.37Å以上の炭素質物と、融点ないし
軟化点が179℃以上の、フッ素元素を含有しない有機高
分子結着剤との混合物を成形してなる担持体に、アルカ
リ金属を活物質として担持してなる電極であり;さら
に、二次電池を構成する前に、アルカリ金属を、担持体
成形物の表面の少なくとも一部に、含浸ないしコーティ
ングにより担持してなる二次電池用電極である。
本発明の二次電池用電極は、上記の負極電極の構成に
特徴があり、他の要素は従来の二次電池用電極と同じよ
うに構成することができる。
本発明にかかる電極において、活物質はアルカリ金
属、好ましくはリチウムである。この活物質は、電池の
充放電に対応して、電極体を出入する。
本発明において、電極体を構成する活物質の担持体に
用いる炭素質物は、 (イ)水素/炭素の原子比(H/C)が0.15未満であり;
かつ、 (ロ)X線広角回折法により(002)面の面間隔
(d002)が3.37Å以上 という特性を有する。この炭素質物には、他の原子、例
えば窒素、酸素、ハロゲン等の原子が好ましくは7モル
%以下、さらに好ましくは4モル%以下、特に好ましく
は2モル%以下の割合で存在していてもよい。
H/Cは好ましくは0.10未満、さらに好ましくは0.07未
満、特に好ましくは0.05未満である。
(002)面の面間隔(d002)は好ましくは3.38Å以
上、より好ましくは3.39〜3.75Å、さらに好ましくは3.
41〜3.70Å、特に好ましくは3.45〜3.70Åである。
これらのパラメータ、すなわち、H/C及びd002のいず
れかが上記範囲から逸脱している場合は、電極体におけ
る充放電時の過電圧が大きくなり、その結果、電極体か
らガスが発生して電池の安全性が著しく損なわれるばか
りでなく、充放電サイクル特性も低下する。
さらに、本発明にかかる電極体の担持体に用いる炭素
質物は、次に述べる特性を有することが好ましい。
すなわち、c軸方向の結晶子の大きさLcは好ましくは
220Å以下、より好ましくは180Å以下、さらに好ましく
は5〜150Å、特に好ましくは10〜80Å、最も好ましく
は12〜70Åである。
また、波長5,145Åのアルゴンイオンレーザ光を用い
たラマンスペクトル分析において、下記式: で定義されるG値が2.5未満であることが好ましく、さ
らに好ましくは2.0未満であり、特に好ましくは0.2以上
1.2未満、最も好ましくは0.3以上1.0未満である。
ここでG値とは、上述の炭素質物に対して波長5,145
Åのアルゴンイオンレーザ光を用いてラマンスペクトル
分析を行った際にチャートに記録されているスペクトル
強度曲線において、波数1,580±100cm-1の範囲内のスペ
クトル強度の積分値(面積強度)を、波数1,360±100cm
-1の範囲内の面積強度で除した値を指し、その炭素質物
の黒鉛化度の尺度に相当するものである。
すなわち、この炭素質物は結晶質部分と非結晶質部分
を有していて、G値はこの炭素質組織における結晶質部
分の割合を示すパラメータであるといえる。
さらに、本発明にかかる電極体の担持体に用いる炭素
質物にあっては、次の条件を満足していることが望まし
い。すなわち、X線広角回折分析における(110)面の
面間隔d110の2倍の距離a0(2d110)が2.38〜2.47Å、
さらに好ましくは2.39〜2.46Å;a軸方向の結晶子の大き
さLaが好ましくは10Å以上、さらに好ましくは15〜150
Å、特に好ましくは19〜70Åである。
さらに、この炭素質物は、粒状、繊維状等の任意の形
態を取りうるが、粒状又は繊維状の形態が好ましい。
粒状の場合、この炭素質物は、好ましくは体積平均粒
径が300μm以下、より好ましくは0.2〜200μm、さら
に好ましくは0.5〜150μm、とくに好ましくは2〜100
μm、最も好ましくは5〜60μmの粒子である。
また、本発明に用いる炭素質物は、全比表面積が好ま
しくは1m2/g以上、より好ましくは2m2/g以上、さらに好
ましくは3m2/g以上、とくに好ましくは3.5〜150m2/g、
最も好ましくは4〜80m2/gである。
さらに、本発明に用いる炭素質物は、水銀ポロシメー
ターによる細孔容積が、好ましくは0.1ml/g以上、より
好ましくは0.2ml/g以上、さらに好ましくは0.4ml/g以
上、とくに好ましくは0.5ml/g以上である。この水銀ポ
ロシメーターによる細孔容積が大きいと、後述する液相
において炭素質物の細孔に活物質が含浸されやすいから
である。
さらに、この炭素質物は窒素ガスの吸着量より求めた
全細孔容積が1.5×10-3ml/g以上であることが好まし
い。より好ましくは全細孔容積が2.0×10-3ml/g以上、
さらに好ましくは3.0×10-3〜8×10-2ml/g、とくに好
ましくは4.0×10-3〜3×10-2ml/gである。
全細孔容積及び後述の平均細孔半径は、定容法を用い
て、幾つかの平衡圧力下で試料への吸着ガス量(ないし
は脱離ガス量)を測定しながら、試料に吸着しているガ
ス量を測定することにより求める。
全細孔容積は、細孔が液体窒素により充填されている
と仮定して、相対圧力P/P0=0.995で吸着したガスの全
量から求める。
P :吸着ガスの蒸気圧(mmHg) P0:冷却温度での吸着ガスの飽和蒸気圧(mmHg) さらに吸着した窒素ガス量(Vads)より下記(1)式
を用いて細孔中に充填されている液体窒素量(Vliq)に
換算することで、全細孔容積を求める。
ここで、PaとTはそれぞれ大気圧力(kgf/cm2)と温
度(゜K)であり、Vmは吸着したガスの分子容積(窒素
では34.7cm3/mol)である。
また、窒素ガスの吸着から求めた該炭素質物の平均細
孔半径(γ)は8Å以上であることが好ましい。より
好ましくは10Å以上、さらに好ましくは10〜80Å、とく
に好ましくは12〜60Å、最も好ましくは14〜40Åであ
る。
なお、平均細孔半径(γ)は、上述の(1)式より
求めたVliqと、BET比表面積Sから、下記(2)式を用
いて計算することで求めたものである。
ここで細孔は円筒状であると仮定する。
このような炭素質物は、たとえば有機化合物を通常の
不活性ガス流下に、300〜3,000℃の温度で加熱・分解
し、炭素化させて得ることができる。
出発源となる有機化合物としては、例えばセルロー
ス;フェノール樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリ(α
−ハロゲン化アクリロニトリル)などのアクリル系樹
脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリ
塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル樹脂;ポリアミドイ
ミド樹脂;ポリアミド樹脂;ポリアセチレン、ポリ(p
−フェニレン)などの共役系樹脂のような任意の有機高
分子化合物;ナフタレン、フェナントレン、アントラセ
ン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、
ピセン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセンのような
3員環以上の単環炭化水素化合物が互いに2個以上縮合
してなる縮合環式炭化水素化合物;又は上記化合物のカ
ルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸イミドのよう
な誘導体;上記各化合物の混合物を主成分とする各種の
ピッチ;インドール、イソインドール、キノリン、イソ
キノリン、キノキサリン、フタラジン、カルバゾール、
アクリジン、フェナジン、フェナントリジンのような3
員環以上の複素単環化合物が互いに少なくとも2個以上
結合するか、または1個以上の3員環以上の単環炭化水
素化合物と結合してなる縮合複素環化合物;上記各化合
物のカルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸イミド
のような誘導体;さらにベンゼンもしくはそのカルボン
酸、カルボン酸無水物、カルボン酸イミドのような誘導
体、例えば1,2,4,5−テトラカルボン酸、その二無水物
又はそのジイミドなどの誘導体を挙げることができる。
また、メタン、エタン、プロパン、トルエンなどを加熱
分解、炭素化することもできる。
さらに、出発源としてカーボンブラック、コークス等
の炭素質物を用い、これをさらに加熱して炭素化を適当
に進めて、本発明にかかる電極体の担持体を構成する炭
素質物としてもよい。
本発明の電極は、上述の炭素質物と、融点ないし軟化
点が、活物質であるリチウムの融点である179℃以上で
ある結着剤との混合物を成形してなる担持体を有する。
フッ素元素を含有しない有機高分子であって、融点な
いし軟化点が179℃以上である結着剤としては、たとえ
ばポリアミド、好ましくは芳香族ポリアミド、とくに好
ましくは全芳香族ポリアミド;ポリエステル、好ましく
は芳香族ポリエステルなどの有機高分子が用いられる。
好ましくは、融点ないし軟化点が200℃以上、より好ま
しくは230℃以上、とくに好ましくは250℃以上の結着剤
が用いられる。結着剤の融点ないし軟化点が179℃未満
の場合は、後述の、担持体成形物にリチウムを溶融状態
で含浸ないしコーティングする工程で、結着剤の融解、
劣化などにより、担持体成形物の変形、変質が起こり、
好ましくない。
使用される有機高分子結着剤の形態は、粒状、又は繊
維状が好ましい。
結着剤粒子としては、担持体の炭素質物粒子の粒径よ
り小さい、好ましくはその1/2以下、さらに好ましくは1
/3以下の粒径を有する結着剤粒子を用いるのがよい。
とくに繊維状の有機高分子繊維を結着剤に用いること
で、結着剤のからみあい効果により、効果的に担持体の
炭素質物の粒子や繊維をシート状、ペレット状の電極に
成形することができる。
繊維状の有機高分子は、好ましくは平均直径が30μm
以下、より好ましくは20μm以下、さらに好ましくは15
μm以下、最も好ましくは10μm以下である。また繊維
の平均長さは、好ましくは100mm以下、より好ましくは7
0mm以下、さらに好ましくは0.3〜50mm、とくに好ましく
は0.5〜20mm、最も好ましくは0.7〜5mmである。
特に好ましい繊維状の有機高分子の形態としては、繊
維が10μm未満、さらには5μm以下、とくに3μm以
下の平均直径をした微細繊維(フィブリル)からなった
ものである。
いずれにしても、有機高分子繊維の平均直径は、炭素
質物の粒子の平均粒径の好ましくは2/3以下、より好ま
しくは3/5以下、さらに好ましくは1/100〜1/2、とくに
好ましくは1/10〜1/3である。
また、炭素質物も繊維状である場合、有機高分子繊維
の平均繊維直径は炭素質物の組織の平均直径の好ましく
は2/3以下、より好ましくは3/5以下、さらに好ましくは
1/100〜1/2、とくに好ましくは1/10〜1/3である。
このような細い繊維が絡み合って、前述の炭素質物を
結着させることができる。
有機高分子繊維としては、フッ素原子を含まないもの
が用いられる。フッ素原子は、活物質のアルカリ金属と
反応する可能性があるので好ましくない。
上述の担持体の炭素質物と結着剤との混合割合は、炭
素質物100重量部に対し結着剤が30重量部以下が好まし
く、20重量部以下がより好ましく、5〜15重量部がさら
に好ましい。
本発明の電極の担持体には、上述の炭素質物と結着剤
との混合物に、導電剤を添加することができる。導電剤
は、膨張黒鉛、アルミニウム等の金属粉等を、炭素質物
と結着剤の混合物に対して通常50重量%未満、好ましく
は30重量%未満添加することができる。
本発明の電極は、上述の炭素質物と結着剤との混合物
からなる担持体の表面に、活物質であるアルカリ金属
を、二次電池を組立てる前にあらかじめ含浸ないしコー
ティングすることができる。活物質は好ましくは金属リ
チウムを用いる。
含浸ないしコーティングは、該活物質をアルカリ金属
の融点以上で溶融状態にして、これを上述の炭素質物と
結着剤との混合物からなる担持体成形体を接触させるこ
とにより、含浸ないしコーティングする。好ましくは常
圧下で、より好ましくは3kg/cm2G、さらに好ましくは10
kg/cm2G以上の圧力で含浸させる。
コーティングは、担持体成形物の表面に好ましくは50
μm以下、より好ましくは0.5〜30μm、さらに好まし
くは1〜20μmの厚みにコーティングする。
含浸及びコーティングは、アルカリ金属の溶融液中に
担持体成形物を浸漬させた後、引上げる方法、あるいは
溶射などの方法を用いることができる。
このようにして活物質を、担持体である炭素質物にあ
らかじめ含浸ないしコーティングすることに加えて、さ
らに他の化学的方法、電気化学的方法、物理的方法、例
えば、所定濃度のLiイオン又はアルカリ金属イオンを含
む電解液中に担持体を浸漬し、かつ対極にリチウムを用
いてこの担持体を陽極にして電解含浸する方法等で、活
物質を担持させることができる。
このようにしてあらかじめ負極担持体に担持させる活
物質、好ましくはリチウムの量は、担持体1重量部あた
り、好ましくは0.02〜0.25重量部、より好ましくは0.03
〜0.20重量部、さらに好ましくは0.04〜0.15重量部、と
くに好ましくは0.05.12重量部以下、最も好ましくは0.0
6〜0.10重量部である。
本発明の二次電池用電極は、通常負極として用いら
れ、セパレーターを介して正極と対峙される。
たとえば第1図のように正極体(1)と本発明の負極
体(2)をセパレーター(3)を介して対峙させた形で
渦巻状にまるめ、これの円筒形の缶に収納して、円筒形
二次電池とすることができる。
正極体は、とくに限定されないが、例えば、Liイオン
等のアルカリ金属カチオンを充放電反応に伴なって放出
もしくは獲得する金属カルコゲン化合物からなることが
好ましい。そのような金属カルコゲン化合物としてはバ
ナジウムの酸化物、バナジウムの硫化物、モリブデンの
酸化物、モリブデンの硫化物、マンガンの酸化物、クロ
ムの酸化物、チタンの酸化物、チタンの硫化物及びこれ
らの複合酸化物、複合硫化物等が挙げられる。好ましく
は、Cr3O8、V2O5、V6O13、VO2、Cr2O5、MnO2、TiO2、Mo
V2O8、TiS2、V2S5、MoS2、MoS3、VS2、Cr0.25
0.75S2、Cr0.50.5S2等である。また、LiCoO2、WO3
の酸化物、CuS、Fe0.250.75Na0.1CrS2等の硫化物、Ni
PS3、FePS3等のリン、イオウ化合物、VSe2、NbSe3等の
セレン化合物などを用いることができる。
また、ポリアニリン、ポリピロールなどの導電性ポリ
マーを用いることができる。
電解液を保持するセパレーター(3)は、保液性に優
れた材料、例えばポリオレフィン系樹脂の不織布よりな
る。そして、このセパレーター(3)には、プロピレン
カーボネート、1,3−ジオキソラン、1,2−ジメトキシエ
タン等の非プロトン性有機溶媒に、LiClO4、LiBF4、LiA
sF6、LiPF6等の電解質を溶解させた所定濃度の非水電解
液が含浸されている。
また、Liイオン等のアルカリ金属カチオンの導電体で
ある固体電解質を、正極体と負極体との間に介在させる
こともできる。
[作用] このようにして構成された二次電池では、負極電極に
おいては充電時に担持体へ活物質イオンが担持され、放
電時には担持体中の活物質イオンが放出されることによ
って、充放電の電極反応が進行する。
一方、正極においては、金属カルコゲン化合物を用い
た場合、充電時に正極体に活物質イオンが放出され、放
電時に活物質イオンが担持されることで、充放電の電極
反応が進行する。
あるいは、正極にポリアニリンなどの導電性ポリマー
を用いた場合には、充電時に活物質イオンの対イオンが
正極体に担持され、放電時に活物質イオンの対イオンが
正極体から放出されることで電極反応が進行する。
このような、正極体、負極体の電極反応の組み合わせ
で電池としての充放電に伴なう電池反応が進行する。
[発明の効果] 本発明の二次電池用電極は、前述の炭素質物と結着剤
との混合物からなる担持体の成形体の表面に、該活物質
を、二次電池を組立てる前にあらかじめ含浸ないしコー
ティングすることにより、活物質を担持させるものであ
り、活物質の担持が簡単かつ効果的になされ、かつ高容
量で充放電サイクル特性に優れた二次電池用電極を提供
するものである。
さらに本発明の二次電池用電極は、あらかじめ活物質
が担持されており、出力が大きく、充放電サイクル寿命
の極めて優れた二次電池用電極、とくにリチウム二次電
池用電極を提供することができる。
[発明の実施例] 以下、本発明を実施例及び比較例によって説明する。
なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
本発明において、元素分析及びX線広角回折の各測定
は、下記の方法により実施した。
「元素分析」 サンプルを120℃で約15時間減圧乾燥し、その後ドラ
イボックス内のホットプレート上で100℃において1時
間乾燥した。ついで、アルゴン雰囲気中でアルミニウム
カップにサンプリングし、燃焼により発生するCO2ガス
の重量から炭素含有量を、また、発生するH2Oの重量か
ら水素含有量を求めた。なお、後述する本発明の実施例
では、パーキンエルマー240C型元素分析計を使用して測
定した。
「X線広角回折」 (1)(002)面の面間隔(d002)及び(110)面の面間
隔(d100) 炭素質材料が粉末の場合はそのまま、微小片状の場合
にはメノウ乳鉢で粉末化し、試料に対して約15重量%の
X線標準用高純度シリコン粉末を内部標準物質として加
えて混合し、試料セルにつめ、グラファイトモノクロメ
ーターで単色化したCuK α線を線源とし、反射式ディフ
ラクトメーター法によって広角X線回折曲線を測定し
た。曲線の補正には、いわるゆローレンツ、偏向因子、
吸収因子、原子散乱因子等に関する補正は行わず、次の
簡便法を用いた。すなわち(002)及び(110)回折に相
当する曲線のベースラインを引き、ベースラインからの
実質強度をプロットし直して、(002)面及び(110)面
の補正曲線を得た。この曲線のピーク高さの3分の2の
高さに引いた角度軸に平行な線が回折曲線と交わる線分
の中点を求め、中点の角度を内部標準で補正し、これを
回折角の2倍とし、CuKα線の波長λとから次式のブラ
ッグ式によってd002及びd110を求めた。
λ:1.5418Å θ、θ′:d002、d110に相当する回折角 (2)c軸及びa軸方向の結晶子の大きさ:Lc;La 前項で得た補正回折曲線において、ピーク高さの半分
の位置におけるいわゆる半値幅βを用いてc軸及びa軸
方向の結晶子の大きさを次式より求めた。
形状因子Kについては種々議論もあるが、K=0.90を
用いた。λ,θ及びθ′については前項と同じ意味であ
る。
実施例1 (1)炭素質物の合成 結晶セルロースの顆粒物(平均半径1mm程度)を電気
加熱炉にセットし、窒素ガス流下250℃/時間の昇温速
度で1,000℃まで昇温し、さらに1,000℃に1時間保持し
た。
その後、放冷し、得られた炭素質物の粒子を別の電気
炉にセットし、窒素ガス流下、1,000℃/時間の昇温速
度で1,800℃まで昇温し、更に1,800℃に1時間保持し
た。
こうして得られた炭素質物を500mlのメノウ製容器に
入れ、直径30mmのメノウ製ボール2個、直径20mmのメノ
ウ製ボール6個及び直径20mmのメノウ製ボール16個を入
れて15分間粉砕した。
得られた炭素質物は、元素分析、X線広角回折等の分
析及び粒度分布、比表面積等の測定の結果、以下の特性
を有していた。
水素/炭素(原子比)=0.04 d002=3.59Å、Lc=14Å a0(2d110)=2.41、La=25Å 体積平均粒径=21μm 比表面積(BET)=17.3m2/g また、水銀ポロシメーターによる細孔分布を第2図に
示す。これにより得られた細孔容積は0.702m2/gであっ
た。
(2)負極担持体の製造 融点が415℃であるポリメタフェニレンイソフタルア
ミドからなるパルプ状の結着剤を水に分散させ、これに
上述の炭素質材料の粒子を、炭素質物90重量部に対し、
バルブ10重量部の割合で混合した。
この混合物を抄紙装置を用いて、厚さ150μmの薄い
シート状に成形した。
(3)負極担持体の成形物の表面へのリチウムの含浸 (2)で得られたシート状担持体成形物を、アルゴン
ガス雰囲気下にリチウムの溶融液中に浸漬して引上げ、
そのまま放置して、炭素質物100重量部あたり6.0重量部
のリチウムを含浸させた。
(4)正極体の製造 MnO2粉末100重量部と、粉末状のポリテトラフルオロ
エチレン10重量部とを混練し、得られた混練物をロール
成形して、厚み150mmのシートとした。
(5)電池の組立 (3)で得られた、炭素質物に結着剤を混合した成形
し、リチウムを含浸したシート状電極を負極とし、ポリ
プロピレン製の不織布をセパレーターとして介在させ、
正極として上述のMnO2からなるシート状電極を積層さ
せ、これを渦巻き状に第1図にようにまるめた形にし
て、ステンレス製の円筒缶に収納した。
セパレーターに、LiClO4の1モル/−プロピレンカ
ーボネート溶液を含浸させ、電池をシールして、第1図
のような電池を組み立てた。
(6)電池の特性 このようにして製作した電池について、20mAの定電流
で、電池電圧が1.0Vになるまで放電した。その後、20mA
の定電流で、電池電圧が3.3Vになるまで充電し、その
後、上限が3.3V、下限が1.8Vの電位規制で20mAの定電流
で予備的な充放電を5サイクル実施した。
その後、3.3Vの定電圧で一定電気量(450mAh)を充電
し、ついで200Ωで放電することを繰り返し、サイクル
評価を行なった。8サイクル目と50サイクル目の性能を
表1に示す。
比較例1 実施例1の負極電極の代わりにリチウム金属シートを
用いた以外は、すべて実施例1と同様にして電池を構成
した。
電池の特性を表1に示す。
50サイクル目のクローン効率が、比較例1において著
しく低下したのに対して、実施例1では8サイクル目に
比べてほとんど変化しなかった。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1の電池の構成を示す説明図である。 1……正極体 2……負極体 3……セパレーター(電解液を含む) 第2図は実施例1で合成された炭素質物の細孔分布を示
す水銀ポロシメーターのチャートである。 A……細孔容積分布 B……累積細孔容積分布 C……累積細孔面積分布
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/02 - 4/04 H01M 4/62 H01M 10/40

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水素/炭素の原子比が0.15未満、かつX線
    広角回折法による(002)面の面間隔d002が3.37Å以上
    の炭素質物からなる担持体であって、活物質と合金可能
    な金属又は活物質の合金を含有しない担持体;と、融点
    又は軟化点が179℃以上の、フッ素元素を含有しない有
    機高分子結着剤;との混合物を成形してなる担持体成形
    物に、アルカリ金属を活物質として担持している二次電
    子用負極。
  2. 【請求項2】アルカリ金属を、担持体成形物の表面の少
    なくとも一部に含浸又はコーティーングにより担持して
    なる請求項1記載の負極。
  3. 【請求項3】前記の結着剤が繊維状である請求項1又は
    2記載の負極。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載の負極
    を有する二次電池。
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