JP3410757B2 - 電極材料 - Google Patents

電極材料

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JP3410757B2
JP3410757B2 JP06431993A JP6431993A JP3410757B2 JP 3410757 B2 JP3410757 B2 JP 3410757B2 JP 06431993 A JP06431993 A JP 06431993A JP 6431993 A JP6431993 A JP 6431993A JP 3410757 B2 JP3410757 B2 JP 3410757B2
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電極材料に関するもの
であり、さらには、二次電池の電極として有用な電極材
料に関するものである。さらに詳しくは本発明は、高容
量で長期の充放電サイクル特性にすぐれ、かつ長期の信
頼性、安全性にすぐれた二次電池を可能とする電極材料
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高容量の二次電池としてリチウム二次電
池の開発が注目されている。このリチウム二次電池向け
の電極材料としてポリアセチレンなどの導電性高分子を
用いることが提案されている(特開昭57-121168号公
報)。しかし導電性高分子はとくにリチウムイオンのド
ープ能力と充放電サイクルの安定性に欠ける。また、リ
チウム金属をリチウム二次電池の負極電極材料に用いる
ことも試みられているが、この場合には充放電サイクル
特性が極めて悪いものになる。すなわち、電池の放電時
に負極体からイオンとなって電解液中に移動したLiが
充電時に負極体に電析するとき、充放電サイクルの反復
に伴いデンドライト状となるからである。デンドライト
状Liは極めて高活性なため、電解液を分解し、電池の
充放電サイクル特性を劣化させる。加えて、このデンド
ライト状Liが成長すると、最後にはセパレータを貫通
して正極体に達して短絡を引き起こすため、充放電サイ
クル寿命も短いという問題がある。一方、有機化合物を
焼成した炭素質物を担持体とし、これにLiまたはLiを
主体とするアルカリ金属を担持させた物質を負極電極と
して用いることも提案されている。かかる電極を用いる
ことにより、負極電極の充放電サイクル特性は飛躍的に
向上した。しかし、この負極体を用いた二次電池は、容
量が充分満足できるものではなかった。一方、こうした
炭素質物と、リチウムと合金可能な金属ないし合金の混
合物を負極体に用いることで、高容量な二次電池を実現
する試みもなされていた。しかし、高容量で長期の充放
電サイクル特性にすぐれ、かつ長期の信頼性にすぐれた
二次電池を実現する目的には、まだ不充分であった。本
発明の目的は、かかる状況に鑑み、高容量で長期の充放
電サイクル特性にすぐれ、かつ長期の信頼性にすぐれた
二次電池を可能にする電極材料を提供することにある。
【0003】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の第1
は、アルカリ金属と合金を形成することが可能な金属お
よび/またはアルカリ金属の合金の粒子(A)と有機化合
物とを混合した後、該有機化合物を炭素化させて得られ
る、下記(1)の条件をみたす炭素質物(C)の内部に該粒子
(A)を包含した粒子状複合物[I]からなる二次電池用電極
材料を提供する: (1)X線広角回折による(002)面の面間隔d002
が3.37Å以上。さらにまた本発明の第2は、アルカ
リ金属と合金を形成することが可能な金属および/また
はアルカリ金属の合金の粒子(A)、下記(1)の条件をみた
す炭素質物の粒子(B)および有機化合物を混合した後、
該有機化合物を炭素化させて得られる、該粒子(A)およ
び該粒子(B)を、下記(2)の条件をみたす炭素質物(D)で
包含した粒子状複合物[II]からなる二次電池用電極材料
を提供する: (1)X線広角回折による(002)面の面間隔d002
3.37〜3.80Å; (2)X線広角回折による(002)面の面間隔d002
3.40Å以上。
【0004】以下に本発明をさらに詳細に説明する。 〔複合構造〕前述のように本発明の電極材料は、その1
つは粒子状複合物[I]からなる電極材料であり、他の1
つは粒子状複合物[II]からなる電極材料である。粒子状
複合物[I]は、アルカリ金属と合金を形成することが可
能な金属および/またはアルカリ金属の合金の粒子(A)
の粒子と有機化合物の粒子とを混合した後、これを加熱
して有機化合物を炭素化することにより、アルカリ金属
と合金を形成することが可能な金属および/またはアル
カリ金属の合金の粒子(A)を炭素質物(C)の中に包含した
構造を有する電極材料であり、このとき炭素質物(C)は
次のような特定の結晶特性を有している。 (1)X線広角回折による(002)面の面間隔d002
3.37Å以上。 ここで「包含」とは、アルカリ金属と合金を形成するこ
とが可能な金属および/またはアルカリ金属の合金の粒
子(A)の全表面が炭素質物(B)により被覆されている状態
だけでなく、部分的に被覆された構造であってもよい。
粒子(A)を炭素質物(C)で包含する程度は、粒子(A)の表
面の好ましくは1/5以上、より好ましくは1/3以
上、さらに好ましくは1/2以上、とくに好ましくは2
/3以上、最も好ましくは3/4以上を炭素質物(C)で
被覆してなることが好ましい。
【0005】粒子状複合物[II]は、アルカリ金属と合金
を形成することが可能な金属および/またはアルカリ金
属の合金の粒子(A)と特定の結晶特性を有する炭素質物
の粒子(B)および有機化合物を混合した後、有機化合物
を炭素化させることにより、金属の粒子(A)と炭素質物
の粒子(B)を、炭素質物(D)で包含した構造を有する電極
材料であり、このとき炭素質物(B)と炭素質物(D)はそれ
ぞれ次の(1)、(2)のような結晶特性を有している。 (1)X線広角回折による(002)面の面間隔d002 が3.
37〜3.80Å; (2)X線広角回折による(002)面の面間隔d002 が3.
40Å以上。 この場合でも「包含」とは、上記と同様の意味である。
粒子状複合物[II]の場合には、有機化合物の炭素化の前
に金属の粒子(A)と炭素質物の粒子(B)が混合されている
ので、粒子(A)と粒子(B)が隣接した状態あるいは粒子
(A)を粒子(B)が囲繞した状態でこれを炭素質物(D)が包
含し、または連結した状態である。この場合、包含する
程度は、粒子(A)の表面の好ましくは1/5以上、より
好ましくは1/3以上、さらに好ましくは1/2以上、
とくに好ましくは2/3以上、最も好ましくは3/4以
上を炭素質物(B)と炭素質物(D)で被覆してなることが好
ましい。また、粒子(A)と粒子(B)の表面の好ましくは1
/5以上、より好ましくは1/3以上、より好ましくは
1/2以上、とくに好ましくは2/3以上、最も好まし
くは3/4以上を炭素質物(D)で被覆してなることが好
ましい。
【0006】〔粒子状複合物[I]の合成〕 (原料) アルカリ金属と合金を形成することが可能な金属および
/またはアルカリ金属の合金の粒子(A) 本発明において、アルカリ金属としては、好ましくはリ
チウム金属である。アルカリ金属と合金可能な金属、好
ましくはリチウム金属と合金可能な金属としては、例え
ばアルミニウム(Al)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)、ス
ズ(Sn)、ビスマス(Bi)、インジウム(In)、マ
グネシウム(Mg)、ガリウム(Ga)、カドミウム(C
d)、銀(Ag)、ケイ素(Si)、ホウ素(B)、アン
チモン(Sb)等が挙げられ、好ましくはAl、Sn、P
b、In、BiおよびGdであり、さらに好ましくはAl、
Sn、Pb、Inであり、とくに好ましくはAl、Sn、Pb
であり、最も好ましくはAl、Snである。また上記の金
属の合金も使用することができ、とくに好ましくはAl
とSnの合金、AlとPbの合金をアルカリ金属と合金可
能な金属として用いることができる。アルカリ金属の合
金、好ましくはリチウム金属の合金としては、合金の組
成(モル組成)をLixM(xは金属Mに対するモル
比)と表すとすると、Mとしては上述の金属が用いられ
る。xは0<x≦9を満たすことが好ましく、より好ま
しくは0.1≦x≦5であり、さらに好ましくは0.5≦
x≦3であり、とくに好ましくは0.7≦x≦2であ
る。合金中には上述の金属以外にさらに他の元素を50
モル%以下の範囲で含有していてもよい。また、上述し
たアルカリ金属の合金を二種以上用いることもできる。
アルカリ金属と合金可能な金属ないし合金の粒子の体積
平均粒径は、好ましくは0.1〜150μm、より好ま
しくは0.3〜100μm、さらに好ましくは0.5〜7
0μm、0.7〜50μm、とくに好ましくは0.8〜3
0μm、最も好ましくは1〜10μmである。
【0007】有機化合物 有機化合物としては、ナフタレン、フェナンスレン、ア
ントラセン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフ
タセン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセン
のような、3員環以上の単環炭化水素化合物が互いに2
個以上縮合してなる縮合多環式炭化水素化合物例えばピ
ッチ;または上記化合物のカルボン酸、カルボン酸無水
物、カルボン酸イミドのような誘導体;インドール、イ
ソインドール、キノリン、イソキノリン、キノキサリ
ン、フタラジン、カルバゾール、アクリジン、フェナジ
ン、フェナントリジンのような、3員環以上の複素単環
化合物が互いに少なくとも2個以上結合するか、または
1個以上の3員環以上の単環炭化水素化合物と結合して
なる縮合複素環化合物;上記各化合物のカルボン酸、カ
ルボン酸無水物、カルボン酸イミドのような誘導体;さ
らにベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族単環
炭化水素、またそれらのカルボン酸、カルボン酸無水
物、カルボン酸イミドのような誘導体、例えば1,2,
4,5−テトラカルボン酸、その二無水物、またはその
ジイミドなどの誘導体等を挙げることができる。
【0008】上述のピッチについてさらに詳述すると、
ナフサの分解の際に生成するエチレンヘビーエンドピッ
チ、原油ピッチ、コールピッチ、アスファルト分解ピッ
チ、ポリ塩化ビニル等を熱分解して生成するピッチなど
を例として挙げることができる。また、これらの各種の
ピッチをさらに不活性ガス流下などで加熱し、キノリン
不溶分が好ましくは80%以上、より好ましくは90%
以上、さらに好ましくは95%以上のメソフェーズピッ
チにして用いることができる。さらに、プロパン、プロ
ピレンのような脂肪族の飽和または不飽和の炭化水素
や、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリ
塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル、ポリ(α−ハロゲ
ン化アクリロニトリル)などのアクリル樹脂、ポリアセ
チレン、ポリフェニレンビニレンなどの共役系樹脂のよ
うな有機高分子をも用いることができる。
【0009】(炭素化)アルカリ金属と合金を形成する
ことが可能な金属および/またはアルカリ金属の合金の
粒子(A)の表面上で、これと混合された有機化合物を炭
素化させる方法には、たとえば、 (1) 比較的低分子の有機化合物を有機溶媒に溶かし、こ
れと金属の粒子(A)を混合する。加熱により有機溶媒を
蒸発させ、金属粒子(A)の表面上に有機化合物を被覆す
る。その後、有機化合物を加熱、分解して炭素質物(C)
を形成する。
【0010】(2) 縮合多環炭化水素化合物、複素多環化
合物と、金属の粒子(A)を混合し、その後加熱する。縮
合多環炭化水素化合物、複素多環化合物が液相で、金属
の粒子(A)の表面と接触した状態を経由して炭素化をす
すめる。かくして金属の粒子(A)の表面上に炭素質物(C)
を形成する。この場合、縮合多環炭化水素として上述の
ピッチを用いることができる。特にこの方法では、メソ
フェーズと呼ばれる液晶状態を経由して炭素化をすすめ
炭素質物(C)を形成することが好ましい。
【0011】(3) 金属の粒子(A)の表面を有機高分子化
合物で被覆し、その後固相で熱分解して炭素質物を形成
させる。有機高分子としては、セルロース;フェノール
樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリ(α−ハロゲン化ア
クリロニトリル)などのアクリル系樹脂;ポリアミドイ
ミド樹脂;ポリアミド樹脂;などを用いることができ
る。
【0012】上述の(2)または(3)の方法において、有機
化合物と金属の粒子(A)を混合するとき、有機化合物を
金属の粒子の体積平均粒径より小さい体積平均粒径の粒
子として混合することが好ましい。有機化合物の粒子の
体積平均粒径を、金属の粒子の体積平均粒径の2/3以
下とするのがより好ましく、1/2以下とするのがさら
に好ましく、1/3以下とするのがとくに好ましい。
【0013】上述の炭素化は、酸素濃度が好ましくは5
vol%以下、より好ましくは3vol%以下、さらに
好ましくは2vol%以下、とくに好ましくは1vol
%以下、最も好ましくは0.5vol%以下の雰囲気中
で行う。炭素化の温度は、好ましくは200〜1500
℃、より好ましくは300〜1200℃、さらに好まし
くは400〜1100℃、とくに好ましくは500〜1
000℃、最も好ましくは550〜900℃である、と
くに最も好ましくは600〜850℃である。なお、炭
素化温度を低温で行うために、リン化合物(リン酸等)
などの黒鉛化触媒を、有機化合物に添加することができ
る。黒鉛化触媒の添加割合は、有機化合物100重量部
に対し好ましくは、0.5〜30重量部、より好ましく
は1〜20重量部、さらに好ましくは2〜15重量部で
ある。
【0014】金属の粒子(A)の表面で有機化合物を炭素
化し、炭素質物の内部に金属の粒子(A)を包含してなる
複合物を形成した後、さらに炭素化温度を上げて炭素質
物の結晶の成長を進めることができる。この時、金属の
粒子(A)は、融解して液相状態をとることがある。この
場合も炭素質物の結晶化をすすめた後、冷却することに
より、金属の粒子(A)を内部に包含した複合物[I]を得
ることができる。このようにして得られる複合物を、粒
子状の場合はそのままで、塊状の場合は、さらに粉砕し
て粒子状複合物[I]とし、次いで高分子結着剤と配合し
て電極に成形する。
【0015】〔粒子状複合物[I]の特性〕本発明の電極
材料である粒子状複合物[I]は、上述のようにして生成
する炭素質物(C)の内部に、アルカリ金属と合金を形成
することが可能な金属および/またはアルカリ金属の合
金の粒子(A)を包含してなる粒子状複合物[I]である。こ
れは、以下のような物理特性を有している。 (X線広角回折)炭素質物(C)はX線広角回折による
(002)面の面間隔d002が3.37Å以上、好ましく
は3.39Å以上、より好ましくは3.41〜3.80
Å、さらに好ましくは3.43〜3.75Å、とくに好ま
しくは3.45〜3.70Å、最も好ましくは3.50〜
3.60Åである。C軸方向の結晶子の大きさ(Lc)
が150Å以下、好ましくは8〜70Å、さらに好まし
くは10〜55Å、さらに好ましくは11〜50Å、と
くに好ましくは12〜40Å、最も好ましくは15〜3
0Åである。
【0016】(ラマンスペクトル)さらに本発明の電極
材料である粒子状複合物[I]を構成する炭素質物(C)は、
波長5145Åのアルゴンイオンレーザー光を用いたラ
マンスペクトル分析において、下記のようなスペクトル
の特徴を有する。以下、とくに断らない限り、スペクト
ルおよびピークは上記の条件によるラマンスペクトルで
ある。すなわち、1580〜1620cm-1の範囲にピー
クPA、1350〜1370cm-1の範囲にピークPBを有
する。PAは芳香環網面の広がりが積層して成長、形成
される結晶構造に対応して観察されるピークであり、P
Bは乱れた非晶構造に対応したピークである。
【0017】すなわち、PAの位置は結晶部分の完全性
の度合によって変化する。本発明に用いられる炭素質物
のPAの位置は、前述のように1580〜1620cm-1
であるが、好ましくは1585〜1620cm-1、より好
ましくは1590〜1620cm-1、さらに好ましくは1
595〜1615cm-1、とくに好ましくは1600〜1
610cm-1の範囲である。ピークの半値半幅は、炭素質
物の高次構造が均一であるほど狭い。本発明に用いられ
る炭素質物のPAの半値半幅は、好ましくは10cm-1
上、より好ましくは12cm-1以上、さらに好ましくは1
5〜60cm-1、とくに好ましくは20〜55cm-1、最も
好ましくは25〜50cm-1である。PBは通常、136
0cm-1にピークを有する。PBの半値半幅は、好ましく
は20cm-1以上、より好ましくは20〜120cm-1、さ
らに好ましくは25〜110cm-1、とくに好ましくは3
0〜100cm-1、最も好ましくは30〜90cm-1であ
る。
【0018】PAの強度をIA、PBの強度をIBとする
と、両者のピーク強度の比:R=IB/IA は、炭素質
物、すなわち炭素質粒子、炭素質繊維などの表層におけ
る非晶構造部分の割合が大きいほど、大きな値を示す。
すなわち、上記式で示されるR値が好ましくは0.30
以上、より好ましくは0.40以上、さらに好ましくは
0.45〜1.80、とくに好ましくは0.50〜1.5
0、最も好ましくは0.60〜1.40、とくに最も好ま
しくは0.80〜1.20である。
【0019】また、下記式で示されるG値が好ましくは
0.30以上、より好ましくは0.40以上、さらに好ま
しくは0.45〜1.80、さらに好ましくは0.50〜
1.50、とくに好ましくは0.60〜1.40、最も好
ましくは0.80〜1.20である。
【0020】
【数1】
【0021】(組成の存在割合)本発明の粒子状複合物
[I]におけるアルカリ金属と合金を形成することが可能
な金属および/またはアルカリ金属の合金の粒子(A)の
割合はW(A)は、W(A)= 金属粒子(A)の重量/粒子状
複合物[I]の重量において、W(A)が好ましくは0.05
〜0.80、より好ましくは0.10〜0.70、さらに
好ましくは0.15〜0.60、よりさらに好ましくは
0.20〜0.50、とくに好ましくは0.25〜0.4
0、最も好ましくは0.27〜0.35である。
【0022】(炭素質物(C)の密度)炭素質物(C)の密度
は、好ましくは1.30g/cm3以上より好ましくは1.4
0〜2.15g/cm3、さらに好ましくは1.50〜2.10
g/cm3、とくに好ましくは1.70〜2.08g/cm3、最も
好ましくは1.80〜2.05g/cm3である。また、生成
した粒子状複合物[I]の密度は、好ましくは1.50g/cm
3以上、より好ましくは1.60g/cm3以上、さらに好ま
しくは1.80g/cm3以上、とくに好ましくは1.90〜
4.0g/cm3、最も好ましくは2.0〜3.5g/cm3であ
る。
【0023】(粒径)粒子状複合物[I]の粒子は、体積
平均粒径が好ましくは0.5〜200μm、より好まし
くは0.8〜150μm、さらに好ましくは1〜100
μm、とくに好ましくは2〜80μm、最も好ましくは
3〜60μmである。
【0024】(比表面積)粒子状複合物[I]の粒子の比
表面積は、好ましくは0.1〜50m2/g、より好ましく
は0.2〜30m2/g、さらに好ましくは0.3〜20m2/
g、とくに好ましくは0.5〜15m2/g、最も好ましくは
0.7〜10m2/gである。
【0025】〔粒子状複合物[II]〕 (原料) アルカリ金属と合金を形成することが可能な金属および
/またはアルカリ金属の合金の粒子(A) 粒子状複合物[II]の合成に使用する金属粒子(A)は、前
記の粒子状複合物[I]の合成に使用するものと同じで
ある。炭素質物の粒子(B) (X線広角回折)炭素質物(B)は、X線広角回折による
(002)面の面間隔d002 が3.37〜3.80Å、好
ましくは3.40〜3.75Å、より好ましくは3.41
〜3.70Å、さらに好ましくは3.43〜3.65Å、
とくに好ましくは3.45〜3.60Åである。炭素質物
(B)のC軸方向の結晶子の大きさLc(B)は、好ましくは
10〜150Å、より好ましくは14〜100Å、さら
に好ましくは15〜70Å、とくに好ましくは17〜5
0Å、最も好ましくは18〜40Åである。
【0026】(真密度)さらに炭素質物(B)の真密度
は、好ましくは1.80〜2.15g/cm3、より好ましく
は1.90〜2.10g/cm3、さらに好ましくは1.92〜
2.08g/cm3であり、最も好ましくは1.95〜2.05
g/cm3である。
【0027】(平均体積粒径)さらに炭素質物(B)の粒
子の体積平均粒径は好ましくは50μm以下、より好ま
しくは40μm以下、さらに好ましくは0.1〜30μ
m、とくに好ましくは0.2〜20μm、最も好ましく
は0.5〜10μmである。炭素質物(B)の体積平均粒径
は、金属粒子(A)の体積平均粒径より小さいことが好ま
しく、より好ましくは2/3以下、さらに好ましくは1
/2以下、とくに好ましくは1/3以下である。
【0028】有機化合物 粒子状複合物[II]の合成に使用する有機化合物として
は、前記の粒子状複合物[I]の合成に使用する有機化合
物と同じ種類のものであってよい。 (炭素化)金属の粒子(A)と炭素質物(B)の粒子と有機化
合物を混合させた後、該有機化合物を炭素化させる方法
には、たとえば (1) 比較的低分子の有機化合物を有機溶媒に溶かし、こ
れに金属の粒子(A)と、炭素質物(B)の粒子とを混合す
る。加熱により有機溶媒を蒸発させ、金属の粒子(A)と
炭素質物(B)の粒子を有機化合物で被覆、連結する。そ
の後、加熱により有機化合物を分解して炭素質物(D)を
形成させる。 (2) 金属の粒子(A)と炭素質物の粒子(B)を混合する。さ
らに縮合多環炭化水素化合物、複素多環化合物等を混合
し、その後、加熱してこれを炭素化する。縮合多環炭化
水素化合物としてはピッチを用いることが好ましい。 (3) 金属の粒子(A)と炭素質物(B)の粒子とを有機高分子
で被覆、連結し、その後固相で有機高分子を熱分解して
炭素質物(D)を形成させる。 上述の(2)または(3)の方法で、金属(A)の粒子と炭素質
物(B)の粒子と、有機化合物の粒子を混合させるとき、
有機化合物の粒子の体積平均粒径を炭素質物(B)の粒子
の体積平均粒径より小さくすることが好ましい。有機化
合物の炭素化の条件は、前述の粒子状複合物[I]の合成
における炭素化の条件に準じて行うことができる。
【0029】〔複合物[II]の特性〕 (組成の存在割合)粒子状複合物[II]における金属粒子
(A)の存在割合W(A)は、 W(A)=金属粒子(A)の重量/粒子状複合物[II]の重量 において、W(A)が好ましくは0.05〜0.80、より
好ましくは0.10〜0.70、さらに好ましくは0.2
0〜0.60、とくに好ましくは0.30〜0.50であ
る。粒子状複合物[II]における炭素質物(B)の存在割合
W(B)は、 W(B)=炭素質物(B)の重量/粒子状複合物[II]の重量 において、W(B)が好ましくは0.10〜0.80、より
好ましくは0.20〜0.70、さらに好ましくは0.3
0〜0.60、とくに好ましくは0.40〜0.55であ
る。粒子状複合物[II]における炭素質物(D)の存在割合
W(D)は、 W(D)=炭素質物(D)の重量/粒子状複合物[II]の重量 において、W(D)が好ましくは0.02〜0.50、より
好ましくは0.03〜0.40、さらに好ましくは0.0
4〜0.30、とくに好ましくは0.05〜0.20であ
る。
【0030】(X線広角回折)炭素質物(D)は、X線広
角回折による(002)面の面間隔d002 が3.40Å
以上、好ましくは3.43Å以上、より好ましくは3.4
5Å以上、さらに好ましくは3.48Å以上、とくに好
ましくは3.50Å以上、最も好ましくは3.53Å以上
である。また、炭素質物(D)のd002 (D)は、炭素質物
(B)のd002 (B)に対し、d002 (D)>d002 (B)であるこ
とが好ましく、d002 (D)≧d002 (B)+0.01がより
好ましく、d002 (D)≧d002 (B)+0.02がさらに好
ましく、d002 (D)≧d002 (B)+0.03がとくに好ま
しく、d002 (D)≧d002 (B)+0.04が最も好まし
い。炭素質物(D)のC軸方向の結晶子の大きさLc(D)
は、好ましくは150Å以下、より好ましくは100Å
以下、さらに好ましくは70Å以下、とくに好ましくは
50Å以下、最も好ましくは30Å以下である。また、
炭素質物(D)のLc(D)は、炭素質物(B)のLc(B)に対し、
Lc(B)>Lc(D)であることが好ましく、Lc(B)≧Lc(D)
+1がより好ましく、Lc(B)≧Lc(D)+2がさらに好ま
しく、Lc(B)≧Lc(D)+3がとくに好ましく、Lc(B)≧
Lc(D)+4が最も好ましい。また、炭素質物(D)の構造
として、X線回折パターンがブロードな曲線を有するア
モルファス構造をとることが可能である。また、炭素質
物(D)は、真密度(ρ)が2.15g/cm3以下であること
が好ましく、2.10g/cm3以下であることがより好まし
く、2.05g/cm3以下であることがさらに好ましく、
1.30〜2.03g/cm3であることがとくに好ましく、
1.40〜2.00g/cm3であることが最も好ましい。炭
素質物(D)の真密度ρ(D)は、炭素質物(B)の真密度ρ(B)
に対しρ(B)>ρ(D)であることが好ましく、ρ(B)≧ρ
(D)+0.1がより好ましく、ρ(B)≧ρ(D)+0.2がさ
らに好ましく、ρ(B)≧ρ(D)+0.3がとくに好まし
い。
【0031】(ラマンスペクトル等)炭素質物(D)のラ
マンスペクトルの特性は、炭素質物(C)の特性に準ず
る。粒子状複合物[II]の粒径、比表面積等の物性は、前
述の粒子状複合物[I]のそれに準ずる。
【0032】〔高分子結着剤〕本発明の粒子状複合物
[I]および[II]は、通常、高分子結着剤と混合して電
極材料とし、ついで電極の形状に成形される。高分子結
着剤としては、次のようなものが挙げられる。 ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレ
フタレート、芳香族ポリアミド、セルロース、ポリフッ
化ビニリデンなどの樹脂状高分子。 スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタ
ジエンゴム、エチレン・プロピレンゴムなどのゴム状高
分子。 スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合
体、その水素添加物、スチレン・イソプレン・スチレン
ブロック共重合体、その水素添加物などの熱可塑性エラ
ストマー状高分子。 シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体、プロピレン・α−オレフィン
(炭素数2または4〜12)共重合体などの軟質樹脂状
高分子。 アルカリ金属イオン、とくにLiイオンのイオン伝
導性を有する高分子組成物。 上記ののイオン伝導性高分子組成物としては、ポリエ
チレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエピク
ロロヒドリン、ポリホスファゼン、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリアクリロニトリルなどの高分子化合物に、リチ
ウム塩またはリチウムを主体とするアルカリ金属塩を複
合させた系、あるいは、さらにこれにプロピレンカーボ
ネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトンな
どの高い誘電率を有する有機化合物を配合した系を用い
ることができる。ポリホスファゼンは、側鎖にポリエー
テル鎖、とくにポリオキシエチレン鎖を有するものが好
ましい。このようなイオン伝導性高分子組成物の室温に
おけるイオン伝導率は、好ましくは10-8s・cm-1
上、より好ましくは10-6s・cm-1以上、さらに好まし
くは10-4s・cm-1以上、とくに好ましくは10-3s・
cm-1以上である。本発明に用いる複合物と上述の高分子
結着剤との混合形態としては、各種の形態をとることが
できる。すなわち、単に両者の粒子が混合した形態、繊
維状の結着剤が複合物の粒子に絡み合う形で混合した形
態、または上記のゴム状高分子、熱可塑性エラストマ
ー、軟質樹脂、イオン伝導性高分子組成物などの結着剤
の層が複合物の粒子の表面に付着した形態などが挙げら
れる。繊維状の結着剤を用いる場合、該結着剤の繊維の
直径は、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μ
m以下のフィブリル(極細繊維)であり、フィブリッド
状(触手状の超極細フィブリルを有する粉状体)である
ことが、とくに好ましい。複合物と結着剤との混合割合
は、炭素質物100重量部に対して、結着剤が好ましく
は0.1〜30重量部、より好ましくは0.5〜20重量
部、さらに好ましくは1〜10重量部である。
【0033】〔電極の成形〕本発明に用いる複合物は、
前述の結着剤との混合物からなる電極材料とし、該電極
材料をそのまま、ロール成形、圧縮成形などの方法で電
極の形状に成形して、電極成形体を得ることができる。
あるいは、これらの成分を溶媒中に分散させて、金属製
の集電体などに塗布してもよい。電極成形体の形状は、
シート状、ペレット状など、任意に設定できる。このよ
うにして得られた電極成形体に、活物質であるアルカリ
金属、好ましくはリチウム金属を、電池の組立に先立っ
て、または組立の際に担持させることができる。担持体
に活物質を担持させる方法としては、化学的方法、電気
化学的方法、物理的方法などがある。たとえば、所定濃
度のアルカリ金属カチオン、好ましくはLiイオンを含
む電解液中に電極成形体を浸漬し、かつ対極にリチウム
を用いて、この電極成形体を陽極にして電解含浸する方
法、電極成形体を得る過程でアルカリ金属の粉末、好ま
しくはリチウム粉末を混合する方法などを適用すること
ができる。あるいは、リチウム金属と電極成形体を電気
的に接触させる方法も用いられる。この場合、リチウム
金属と電極成形体中の炭素質材料とを、リチウムイオン
伝導性高分子組成物を介して接触させることが好まし
い。このようにしてあらかじめ電極成形体に担持される
リチウムの量は、担持体1重量部あたり、好ましくは
0.030〜0.250重量部、より好ましくは0.06
0〜0.200重量部、さらに好ましくは0.070〜
0.150重量部、とくに好ましくは0.075〜0.1
20重量部、最も好ましくは0.080〜0.100重量
部である。このような炭素質材料を用いた本発明の電極
は、通常、二次電池の負極として用い、セパレーターを
介して正極と対峙させる。
【0034】〔正極〕正極体の材料は、とくに限定され
ないが、たとえば、Liイオンなどのアルカリ金属カチ
オンを充放電反応に伴って放出もしくは獲得する金属カ
ルコゲン化合物からなることが好ましい。そのような金
属カルコゲン化合物としては、バナジウムの酸化物、バ
ナジウムの硫化物、モリブデンの酸化物、モリブデンの
硫化物、マンガンの酸化物、クロムの酸化物、チタンの
酸化物、チタンの硫化物およびこれらの複合酸化物、複
合硫化物などが挙げられる。好ましくはCr38、V2
5、V613、VO2、Cr25、MnO2、TiO2、MoV2
8;TiS2、V25、MoS2、MoS3、VS2、Cr
0.250.752、Cr0.50.52などである。また、Li
CoO2、WO3などの酸化物;CuS、Fe0.25
0.752、Na0.1CrS2などの硫化物;NiPS3、FeP
3などのリン、イオン化合物;VSe2、NbSe3などの
セレン化合物などを用いることもできる。また、ポリア
ニリン、ポリピロールなどの導電性ポリマーを用いるこ
とができる。また、比表面積が10m2/g以上、好ましく
は100m2/g以上、さらに好ましくは500m2/g以上、
特に好ましくは1000m2/g以上、最も好ましくは20
00m2/g以上の炭素質物を正極に用いることができる。
【0035】〔電解液〕電解液として、非水溶媒に、ア
ルカリ金属塩ないし4級アンモニウム塩を溶解させてな
る電解液を用いる。電解質としてはLiClO4、LiPF
6、LiAsF6、LiBF4、LiSO3CF3、LiN(SO
2CF32、などのアルカリ金属塩、テトラアルキルア
ンモニウム塩等を用いることができる。アルカリ金属塩
が好ましい。濃度は、0.2〜2モル/リットルが好ま
しく、0.3〜1.9モル/リットルがより好ましい。電
解質を溶解させる非水溶媒としては、プロピレンカーボ
ネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネー
ト、ビニレンカーボネート、γ−ブチロラクトンなどの
環状エステル、ジエチルカーボネートなどの鎖状エステ
ル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキソラン、テトラ
ヒドロフラン、1,2−ジメチルテトラヒドロフラン、
クラウンエーテル(12−crown−4等)などのエ
ーテル化合物をあげることができる。電解液を保持する
セパレーターは、一般に保液性に優れた材料、例えばポ
リエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンの不織
布を使用することができる。このようにして構成された
電池、たとえば、正極に金属カルコゲン化合物を用い、
負極に本発明の炭素質物を用いた電池では、負極電極に
おいて、充電時に活物質イオン(とくにリチウムイオン
が好ましい)がドープされ、放電時に活物質イオンが放
出されることによって充放電の電極反応が進行する。正
極においては充電時に正極体より活物質イオンが放出さ
れ、放電時に活物質イオンがドープされて、充放電の電
極反応が進行する。また、正極に上述の導電性高分子な
いしは比表面積の大きな炭素質物を用い、負極に本発明
の炭素質物を用いた電池では、負極電極においては充電
時に、電解液中のカチオンがドープされ、放電時には負
極体中のカチオンが放出されて、充放電の電極反応が進
行する。一方、正極においては、充電時に、電解液中の
アニオンがドープされ、放電時には正極体中のアニオン
が放出されて、充放電の電極反応が進行する。本発明の
炭素質物を電極に用いた二次電池は、電池容量と長期の
充放電サイクル特性のバランスと安全性にすぐれた特性
を発揮する。
【0036】〔測定方法〕なお本発明において、炭素質
物の(イ)X線広角回折、(ロ)真密度、(ハ)体積平
均粒径および(ニ)ラマンスペクトル等の各特性は、下
記方法により測定した。 (イ)X線広角回折: (1) (002)面の面間隔(d002) 炭素質物が粉末の場合はそのまま、微小片状の場合には
めのう乳鉢で粉末化し、試料に対して約15重量%のX
線標準用高純度シリコン粉末を内部標準物質として混合
し、試料セルにつめ、グラファイトモノクロメーターで
単色化したCuKα線を線源とし、反射式デイフラクト
メーター法によって広角X線回折曲線を測定する。曲線
の補正には、いわゆるローレンツ、偏光因子、吸収因
子、原子散乱因子等に関する補正は行わず次の簡便法を
用いる。即ち(002)回折に相当する曲線のベースラ
インを引き、ベースラインからの実質強度をプロットし
直して(002)面の補正曲線を得る。この曲線のピー
ク高さの3分の2の高さに引いた角度軸に平行な線が回
折曲線と交わる線分の中点を求め、中点の角度を内部標
準で補正し、これを回折角の2倍とし、CuKα線の波
長λとから次式のブラッグ式によってd002を求める。
【0037】
【数2】
【0038】λ:1.5418Å θ:d002に相当する回折角 (2) c軸方向の結晶子の大きさ:Lc 前項で得た補正回折曲線において、ピーク高さの半分の
位置におけるいわゆる半価幅βを用いてc軸方向の結晶
子の大きさを次式より求める。
【0039】
【数3】
【0040】形状因子Kには0.90を用いた。λ、θ
については前項と同じ意味である。 (ロ)真密度:マルチピクノメーター(湯浅アイオニク
ス社製)を用い、ヘリウムガスでのガス置換法を用いて
測定した。 (ハ)体積平均粒径:レーザー回折式粒度分布測定装置
(堀場製作所製)を用いて測定した。 (ニ)ラマンスペクトル:光源にアルゴンレーザー光を
用い、分光器として日本分光工業NR1000 を用いて測定
した。
【0041】以下、実施例により本発明をさらに説明す
る。
【実施例】実施例 1 平均粒径10μmのアルミニウム粉末と、ピッチ(リン
酸10重量%含む)粉末(7μm)とを混合した。混合
割合は、アルミニウム粉末35重量%、ピッチ65重量
%であった。この混合物を、電気加熱炉にセットし、N
2気流中150℃/hrで800℃迄昇温した。これを
平均粒径25μmに粉砕した。かくして、炭素質物(C)
の内部にアルミニウムの粒子を包含してなる粒子状複合
物[I]の粒子を調製した。炭素質物(C)のX線広角回折に
よるd002 は3.62Å、Lcは17Åであった。上述の
粒子状複合物[I]の粒子90重量%に、ポリエチレン粉
末10重量%を混合し、混合物をニッケル金網上に圧着
した。これを真空中で130℃に加熱することにより乾
燥して、電極成形体を得た。ガラスセルに濃度1モル/
lのLiClO4/プロピレンカーボネート溶液を入れ、
上述の電極成形体を、リチウム金属をニッケル金網に圧
着した電極に対向させて電池セルを構成した。両電極の
間に、2mA定電流で0v迄充電し、1.5v迄放電す
る操作を繰り返した。その結果を表1に示す。
【0042】実施例 2 平均粒径10μmのアルミニウム粉末28重量%と、炭
素質物(B)の粉末の50重量%とピッチ粉末22重量%
を混合した。炭素質物(B)は、d002 が3.50Å、Lc
が20Å、真密度が2.03g/cm3であり、体積平均粒径
4μmの粒子であった。上述の混合物を、圧縮プレスし
た後、電気加熱炉にセットし、N2気流中20℃/hr
で800℃迄昇温した。これを平均粒径28μmの粒子
に粉砕した。かくして、アルミニウム粉末と炭素質物
(B)の粒子を、ピッチの炭素質物(D)で被覆、連結した粒
子状複合物[II]の粒子を合成した。炭素質物(D)は、d
002 が3.63Å、Lcは15Åであった。上述の粒子状
複合物[II]の粒子を、実施例1の粒子状複合物[I]の粒
子にかえて用いた以外はすべて実施例1と同様にして電
極特性を測定した。結果を表1に示す。
【0043】比較例 1 実施例1において、アルミニウムをいっさい用いずに炭
素質物のみからなる粒子を合成して用いたこと以外は、
すべて実施例1と同様にして電極特性を測定した。結果
を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明の電極材料は、前述のようなアル
カリ金属と合金を形成することが可能な金属および/ま
たはアルカリ金属の合金の粒子(A)を、特定の結晶特性
を有する炭素質物で包含した構造とし、あるいはこの中
にさらに特定の結晶特性を有する炭素質物(B)を包含さ
せたので、これを電極成形体に賦形して二次電池用の電
極として用いたときには、電極容量が大きく、充放電サ
イクル特性に優れた電極となる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルカリ金属と合金を形成することが可能
    な金属および/またはアルカリ金属の合金の粒子(A)と
    有機化合物とを混合した後、該有機化合物を炭素化させ
    て得られる、下記(1)の条件をみたす炭素質物(C)の内部
    に該粒子(A)を包含した粒子状複合物[I]からなる二次電
    池用電極材料: (1)X線広角回折による(002)面の面間隔d002
    が3.37Å以上。
  2. 【請求項2】アルカリ金属と合金を形成することが可能
    な金属および/またはアルカリ金属の合金の粒子(A)、
    下記(1)の条件をみたす炭素質物の粒子(B)および有機化
    合物を混合した後、該有機化合物を炭素化させて得られ
    る、該粒子(A)および該粒子(B)を、下記(2)の条件をみ
    たす炭素質物(D)で包含した粒子状複合物[II]からなる
    二次電池用電極材料: (1)X線広角回折による(002)面の面間隔d002
    3.37〜3.80Å; (2)X線広角回折による(002)面の面間隔d002
    3.40Å以上。
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