JPH06264963A - 制振柱およびそれを備えた建築構造物 - Google Patents
制振柱およびそれを備えた建築構造物Info
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- JPH06264963A JPH06264963A JP5422393A JP5422393A JPH06264963A JP H06264963 A JPH06264963 A JP H06264963A JP 5422393 A JP5422393 A JP 5422393A JP 5422393 A JP5422393 A JP 5422393A JP H06264963 A JPH06264963 A JP H06264963A
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- Japan
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- vibration
- damping
- column
- outer cylinder
- floor slab
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- Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
- Vibration Prevention Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 振動遮断効果や固体伝幡音遮断効果等を有効
に発揮させつつ、建築物内部空間の効率的かつ高付加価
値的利用を図ることができる制振柱およびそれを備えた
建築構造物を提供することを目的とする。 【構成】 外筒21と、この外筒21内に挿入した内柱
22とからなる内外の二重構造からなり、外筒21の底
部と内柱22の先端部との間には積層ゴムを敷設し、か
つ外筒21の内周面と内柱22の外周面との間には制振
材を介装させた制振柱Sを、振動発生源である軌道2を
載置した床版Bの下方の下層躯体10の上面に設置し
て、この制振柱Sで床版Bを支持する構成とした。
に発揮させつつ、建築物内部空間の効率的かつ高付加価
値的利用を図ることができる制振柱およびそれを備えた
建築構造物を提供することを目的とする。 【構成】 外筒21と、この外筒21内に挿入した内柱
22とからなる内外の二重構造からなり、外筒21の底
部と内柱22の先端部との間には積層ゴムを敷設し、か
つ外筒21の内周面と内柱22の外周面との間には制振
材を介装させた制振柱Sを、振動発生源である軌道2を
載置した床版Bの下方の下層躯体10の上面に設置し
て、この制振柱Sで床版Bを支持する構成とした。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、鉄道軌道,道
路,工場等において、機械的振動等の振動発生源に起因
する固体振動やそれに伴う振動音等を遮断するのに好適
な制振柱およびそれを備えた建築構造物に関するもので
ある。
路,工場等において、機械的振動等の振動発生源に起因
する固体振動やそれに伴う振動音等を遮断するのに好適
な制振柱およびそれを備えた建築構造物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えば鉄道軌道,道路,機械な
どの振動発生源からの固体振動やそれに伴う振動音を遮
断もしくは軽減するために、振動発生源とこれを支持す
る地盤等の支持部との間に、硬質弾性ゴム等からなる防
振マットや、バネなどの振動遮断効果の大きい緩衝材を
敷設している。
どの振動発生源からの固体振動やそれに伴う振動音を遮
断もしくは軽減するために、振動発生源とこれを支持す
る地盤等の支持部との間に、硬質弾性ゴム等からなる防
振マットや、バネなどの振動遮断効果の大きい緩衝材を
敷設している。
【0003】例えば、駅ビルやターミナルビルなどのよ
うに鉄道軌道や高架道路等の振動発生源を内部に引き込
む形態となった建築物では、その振動発生源からの固体
振動やそれに伴う振動音を遮断もしくは軽減するための
種々の方法が従来から採られている。
うに鉄道軌道や高架道路等の振動発生源を内部に引き込
む形態となった建築物では、その振動発生源からの固体
振動やそれに伴う振動音を遮断もしくは軽減するための
種々の方法が従来から採られている。
【0004】従来の、例えば駅ビル等における振動遮断
方法として、図7、あるいは図8に示すような方法が知
られている。これらのうち、図7に示すものは、鉄道車
両1の軌道2の下に硬質弾性ゴム等からなる防振マット
や、バネなどの振動遮断効果の大きい緩衝材を敷設する
ことで、建築物3の架構(床版)4に対して及ぼす振動
を軽減する構成としたものである。
方法として、図7、あるいは図8に示すような方法が知
られている。これらのうち、図7に示すものは、鉄道車
両1の軌道2の下に硬質弾性ゴム等からなる防振マット
や、バネなどの振動遮断効果の大きい緩衝材を敷設する
ことで、建築物3の架構(床版)4に対して及ぼす振動
を軽減する構成としたものである。
【0005】また、図8に示すものは、建築物3の躯体
とは別に、軌道2を支持する床版5とこの床版5を支持
する柱6を備える架構を基礎から独立して構築すると共
に、この架構の柱6の下端を、建築物3の躯体を貫通し
て地盤7中の基礎杭8で支持させる構成としたものであ
る。
とは別に、軌道2を支持する床版5とこの床版5を支持
する柱6を備える架構を基礎から独立して構築すると共
に、この架構の柱6の下端を、建築物3の躯体を貫通し
て地盤7中の基礎杭8で支持させる構成としたものであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の振動遮断方法には、次のような課題が存
する。まず、図7に示した方法では、振動発生源の重量
が車両を含めて相当に大きいものとなることから、それ
に対応して振動遮断用緩衝材の剛性も著しく大きくしな
ければならず、したがって、緩衝材に緩衝機能を持たせ
る目的からは相反する構造とならざるを得ないために充
分な振動遮断効果を発揮させることができず、根本的解
決策とは言えない。
たような従来の振動遮断方法には、次のような課題が存
する。まず、図7に示した方法では、振動発生源の重量
が車両を含めて相当に大きいものとなることから、それ
に対応して振動遮断用緩衝材の剛性も著しく大きくしな
ければならず、したがって、緩衝材に緩衝機能を持たせ
る目的からは相反する構造とならざるを得ないために充
分な振動遮断効果を発揮させることができず、根本的解
決策とは言えない。
【0007】一方、図8に示した方法では、軌道2が載
せられる床版5とこの床版5を支持する柱6とを備える
架構を、建築物の躯体とは別体の独立架構としているこ
とから、振動遮断効果や固体伝幡音遮断効果等は有効に
発揮され、これにより建築物の高付加価値的利用を図る
ことができるものの、軌道よりも下の階層においては、
建築物の躯体を支持する柱9とは別に、軌道2を支持す
る独立架構の柱6が存在することになり、この結果、空
間の利用効率が落ちるという問題がある。
せられる床版5とこの床版5を支持する柱6とを備える
架構を、建築物の躯体とは別体の独立架構としているこ
とから、振動遮断効果や固体伝幡音遮断効果等は有効に
発揮され、これにより建築物の高付加価値的利用を図る
ことができるものの、軌道よりも下の階層においては、
建築物の躯体を支持する柱9とは別に、軌道2を支持す
る独立架構の柱6が存在することになり、この結果、空
間の利用効率が落ちるという問題がある。
【0008】本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたもので、振動遮断効果や固体伝幡音遮断効果等を有
効に発揮させつつ、建築物内部空間の効率的かつ高付加
価値的利用を図ることができる制振柱およびそれを備え
た建築構造物を提供することを目的とする。
れたもので、振動遮断効果や固体伝幡音遮断効果等を有
効に発揮させつつ、建築物内部空間の効率的かつ高付加
価値的利用を図ることができる制振柱およびそれを備え
た建築構造物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
振動発生源と該振動発生源を支持する支持部との間に設
置された制振柱であって、前記振動発生源もしくは前記
支持部のどちらか一方の側には、他方の側へ延びる軸線
を有する筒状の部材からなる外筒の基端部が固定され、
前記他方の側には、前記外筒に軸線を一致させて前記一
方の側へ延び、該外筒内に挿入された柱状の部材からな
る内柱の基端部が固定され、前記外筒の底面と内柱の先
端面との間には、該制振柱の軸線方向に積層された積層
ゴムが敷設され、さらに、前記外筒の内周面と前記内柱
の外周面との間には制振材が介装されてなることを特徴
としている。
振動発生源と該振動発生源を支持する支持部との間に設
置された制振柱であって、前記振動発生源もしくは前記
支持部のどちらか一方の側には、他方の側へ延びる軸線
を有する筒状の部材からなる外筒の基端部が固定され、
前記他方の側には、前記外筒に軸線を一致させて前記一
方の側へ延び、該外筒内に挿入された柱状の部材からな
る内柱の基端部が固定され、前記外筒の底面と内柱の先
端面との間には、該制振柱の軸線方向に積層された積層
ゴムが敷設され、さらに、前記外筒の内周面と前記内柱
の外周面との間には制振材が介装されてなることを特徴
としている。
【0010】請求項2に係る発明は、請求項1記載の制
振柱において、前記振動発生源側に取り付けられた外筒
の内周面もしくは内柱の外周面に、前記制振柱の軸線に
略直交する面内に位置する溝が形成されていることを特
徴としている。
振柱において、前記振動発生源側に取り付けられた外筒
の内周面もしくは内柱の外周面に、前記制振柱の軸線に
略直交する面内に位置する溝が形成されていることを特
徴としている。
【0011】請求項3に係る発明は、請求項1または2
記載の制振柱を具備する建築構造物であって、振動発生
源が載置された振動発生源支持床版が、該振動発生源支
持床版よりも下方の下層躯体に立設された前記制振柱で
支持されていることを特徴としている。
記載の制振柱を具備する建築構造物であって、振動発生
源が載置された振動発生源支持床版が、該振動発生源支
持床版よりも下方の下層躯体に立設された前記制振柱で
支持されていることを特徴としている。
【0012】請求項4に係る発明は、請求項3記載の制
振柱を備えた建築構造物において、振動発生源支持床版
よりも上方に、前記下層躯体に支持された基盤が設けら
れ、前記振動発生源支持床版よりも上方の上層躯体が、
該基盤上に構築されていることを特徴としている。
振柱を備えた建築構造物において、振動発生源支持床版
よりも上方に、前記下層躯体に支持された基盤が設けら
れ、前記振動発生源支持床版よりも上方の上層躯体が、
該基盤上に構築されていることを特徴としている。
【0013】
【作用】請求項1記載の発明では、振動発生源と該振動
発生源を支持する支持部との間に設置した制振柱であっ
て、前記振動発生源もしくは前記支持部のどちらか一方
の側には、他方の側へ延びる軸線を有する筒状の部材か
らなる外筒の基端部を固定し、前記他方の側には、前記
外筒に軸線を一致させて前記一方の側へ延び、該外筒内
に挿入した柱状の部材からなる内柱の基端部を固定し、
前記外筒の底面と内柱の先端面との間には、該制振柱の
軸線方向に積層された積層ゴムを敷設し、さらに、前記
外筒の内周面と前記内柱の外周面との間には制振材を介
装させた。そして、振動発生源で振動が発生したときに
は、外筒と内柱とが相対移動する。すると、積層ゴムが
その積層方向に圧縮され、また制振材が外筒と内柱との
摩擦剪断力により変形し、これによって制振柱の軸線方
向の振動エネルギーが吸収されて、振動が減衰される。
発生源を支持する支持部との間に設置した制振柱であっ
て、前記振動発生源もしくは前記支持部のどちらか一方
の側には、他方の側へ延びる軸線を有する筒状の部材か
らなる外筒の基端部を固定し、前記他方の側には、前記
外筒に軸線を一致させて前記一方の側へ延び、該外筒内
に挿入した柱状の部材からなる内柱の基端部を固定し、
前記外筒の底面と内柱の先端面との間には、該制振柱の
軸線方向に積層された積層ゴムを敷設し、さらに、前記
外筒の内周面と前記内柱の外周面との間には制振材を介
装させた。そして、振動発生源で振動が発生したときに
は、外筒と内柱とが相対移動する。すると、積層ゴムが
その積層方向に圧縮され、また制振材が外筒と内柱との
摩擦剪断力により変形し、これによって制振柱の軸線方
向の振動エネルギーが吸収されて、振動が減衰される。
【0014】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
制振柱において、振動発生源側に取り付けた外筒の内周
面もしくは内柱の外周面に、制振柱の軸線に略直交する
面内に位置する溝を形成した。そして、振動発生源で振
動が発生したときには、外筒と内柱とが相対移動する。
すると、積層ゴムがその積層方向に圧縮され、また制振
材が前記溝との支圧剪断により変形し、これらによって
制振柱の軸線方向の振動エネルギーが吸収され、振動が
減衰される。
制振柱において、振動発生源側に取り付けた外筒の内周
面もしくは内柱の外周面に、制振柱の軸線に略直交する
面内に位置する溝を形成した。そして、振動発生源で振
動が発生したときには、外筒と内柱とが相対移動する。
すると、積層ゴムがその積層方向に圧縮され、また制振
材が前記溝との支圧剪断により変形し、これらによって
制振柱の軸線方向の振動エネルギーが吸収され、振動が
減衰される。
【0015】請求項3記載の発明では、振動発生源が載
置されている振動発生源支持床版を、該振動発生源支持
床版よりも下方の下層躯体に立設した前記制振柱で支持
した。これにより、振動発生源支持床版からの振動は前
記制振柱で減衰される。
置されている振動発生源支持床版を、該振動発生源支持
床版よりも下方の下層躯体に立設した前記制振柱で支持
した。これにより、振動発生源支持床版からの振動は前
記制振柱で減衰される。
【0016】請求項4記載の発明では、振動発生源支持
床版よりも上方に、前記下層躯体で支持した基盤を設
け、振動発生源支持床版よりも上方の上層躯体をこの基
盤上に構築した。これにより、上層躯体は、振動発生源
支持床版からの振動が減衰された下層躯体に支持された
ことになる。
床版よりも上方に、前記下層躯体で支持した基盤を設
け、振動発生源支持床版よりも上方の上層躯体をこの基
盤上に構築した。これにより、上層躯体は、振動発生源
支持床版からの振動が減衰された下層躯体に支持された
ことになる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を図1ないし図6に示す実施例
を参照して説明する。ここでは、例えば、鉄道軌道を備
えた建築構造物に本発明に係る制振柱を備えた場合の実
施例を用いて説明する。図1および2は、本発明に係る
制振柱を備えた建築物(建築構造物)Aを示すものであ
る。図2に示すように、建築物Aは、地表階に設置され
て、振動発生源となる鉄道車両1の軌道(振動発生源)
2が載置された床版(振動発生源支持床版)Bと、この
床版Bの下方に構築された複数階の階層からなる下層躯
体(支持部)10と、床版Bの上方に構築された複数階
の階層からなる上層躯体11とから構成されている。
を参照して説明する。ここでは、例えば、鉄道軌道を備
えた建築構造物に本発明に係る制振柱を備えた場合の実
施例を用いて説明する。図1および2は、本発明に係る
制振柱を備えた建築物(建築構造物)Aを示すものであ
る。図2に示すように、建築物Aは、地表階に設置され
て、振動発生源となる鉄道車両1の軌道(振動発生源)
2が載置された床版(振動発生源支持床版)Bと、この
床版Bの下方に構築された複数階の階層からなる下層躯
体(支持部)10と、床版Bの上方に構築された複数階
の階層からなる上層躯体11とから構成されている。
【0018】図1に示すように、下層躯体10は、通常
の建築構造物と同様に、地中に構築された地中壁12間
に架設された複数の地下床版13a,13b,13c
と、これを支持する断面視矩形の鉄筋コンクリート造か
らなる複数の柱14とを主要構成としている。この複数
の柱14は、床版Bに敷設された各軌道2の中心線に沿
って所定間隔で地盤中の基礎杭15上に立設されてい
る。複数の地下床版13のうち、床版Bの直下に位置す
る地下床版13a,地盤中の基礎杭15の上面に位置す
る地下床版13cは、梁を備えない、いわゆるマットス
ラブ構造とされている。これにより、型枠材料ならびに
型枠組立・解体の手間を低減させることができる。ま
た、地下床版13aと13cとの間に位置する地下床版
13bは、柱14,14,…間に互いに直交して架設さ
れた梁16,16,…と、この梁16,16,…上に載
置された床スラブ17とから構成されている。
の建築構造物と同様に、地中に構築された地中壁12間
に架設された複数の地下床版13a,13b,13c
と、これを支持する断面視矩形の鉄筋コンクリート造か
らなる複数の柱14とを主要構成としている。この複数
の柱14は、床版Bに敷設された各軌道2の中心線に沿
って所定間隔で地盤中の基礎杭15上に立設されてい
る。複数の地下床版13のうち、床版Bの直下に位置す
る地下床版13a,地盤中の基礎杭15の上面に位置す
る地下床版13cは、梁を備えない、いわゆるマットス
ラブ構造とされている。これにより、型枠材料ならびに
型枠組立・解体の手間を低減させることができる。ま
た、地下床版13aと13cとの間に位置する地下床版
13bは、柱14,14,…間に互いに直交して架設さ
れた梁16,16,…と、この梁16,16,…上に載
置された床スラブ17とから構成されている。
【0019】上記の下層躯体10の地下床版13aの上
面には、前記柱14,14,…とそれぞれ軸線を同一と
して、制振柱S,S,…が立設されている。これらの制
振柱Sの上面には、軌道2の延在する方向に沿って制振
桁梁19,19,…が架設されるとともに、制振桁梁1
9と直交する方向に梁部材20,20,…が架設されて
いる。これら制振桁梁19および梁部材20上には、前
記床版Bが載置されている。すなわちこれにより、複数
の制振柱Sが、振動発生源である軌道2を載置した床版
Bとこの床版Bを支持する下層躯体10との間に設置さ
れて、床版Bを支持する構造となっている。
面には、前記柱14,14,…とそれぞれ軸線を同一と
して、制振柱S,S,…が立設されている。これらの制
振柱Sの上面には、軌道2の延在する方向に沿って制振
桁梁19,19,…が架設されるとともに、制振桁梁1
9と直交する方向に梁部材20,20,…が架設されて
いる。これら制振桁梁19および梁部材20上には、前
記床版Bが載置されている。すなわちこれにより、複数
の制振柱Sが、振動発生源である軌道2を載置した床版
Bとこの床版Bを支持する下層躯体10との間に設置さ
れて、床版Bを支持する構造となっている。
【0020】図3に示すように、制振柱Sは、下層躯体
10の地下床版13aの上面にその基端部21aが固定
されて、この基端部21aから鉛直上方に延びる円筒状
の鋼管からなる外筒21と、床版Bの制振桁梁19の下
面にその基端部22aが固定されて、外筒21と軸線を
一致させてこの基端部22aから鉛直下方に延びる円柱
状の内柱22とから構成されている。すなわち制振柱S
は、外筒21と内柱22とが、同心円状に一定間隔を隔
てて配置された内外の二重構造となっている(図4参
照)。なお内柱22は、その先端面22bが鋼鈑で覆わ
れた有底円筒状の鋼管内にコンクリートCが充填された
構造とされている。
10の地下床版13aの上面にその基端部21aが固定
されて、この基端部21aから鉛直上方に延びる円筒状
の鋼管からなる外筒21と、床版Bの制振桁梁19の下
面にその基端部22aが固定されて、外筒21と軸線を
一致させてこの基端部22aから鉛直下方に延びる円柱
状の内柱22とから構成されている。すなわち制振柱S
は、外筒21と内柱22とが、同心円状に一定間隔を隔
てて配置された内外の二重構造となっている(図4参
照)。なお内柱22は、その先端面22bが鋼鈑で覆わ
れた有底円筒状の鋼管内にコンクリートCが充填された
構造とされている。
【0021】外筒21の底面21bと内柱22の先端面
22bとの間には、制振柱Sの軸線方向にゴムと鋼鈑が
積層された積層ゴム25が敷設されている。また、外筒
21の内周面と内柱22の外周面との間には、例えば粘
弾性体からなる制振材26が充填されている。この制振
柱Sでは、床版Bからの振動により、下層躯体10に固
定された外筒21に対して、床版Bに固定された内柱2
2が上下方向に相対移動する。すると、積層ゴム25が
その積層方向に圧縮されて変形し、これによって振動エ
ネルギーが吸収される。また、これとともに、制振材2
6が、内柱22との摩擦剪断力により変形し、これによ
っても振動エネルギーが吸収される。また、例えば地震
時等においては、水平方向の振動に対して、制振柱Sの
径方向に移動する内柱22に対して制振材26が圧縮さ
れて抗力を発し、これにより内柱22の水平方向の移動
が拘束される。
22bとの間には、制振柱Sの軸線方向にゴムと鋼鈑が
積層された積層ゴム25が敷設されている。また、外筒
21の内周面と内柱22の外周面との間には、例えば粘
弾性体からなる制振材26が充填されている。この制振
柱Sでは、床版Bからの振動により、下層躯体10に固
定された外筒21に対して、床版Bに固定された内柱2
2が上下方向に相対移動する。すると、積層ゴム25が
その積層方向に圧縮されて変形し、これによって振動エ
ネルギーが吸収される。また、これとともに、制振材2
6が、内柱22との摩擦剪断力により変形し、これによ
っても振動エネルギーが吸収される。また、例えば地震
時等においては、水平方向の振動に対して、制振柱Sの
径方向に移動する内柱22に対して制振材26が圧縮さ
れて抗力を発し、これにより内柱22の水平方向の移動
が拘束される。
【0022】図5に示すように、前記制振桁梁19は、
梁材27と、この下面に備えられた桁梁制振装置28と
から構成されている。桁梁制振装置28は、長尺な鋼鈑
29,29,…が、2組に分けられて、粘弾性体30,
30,…を介して積層されたものである。すなわち、上
下および中間の3枚の鋼鈑29a,29a,29aの一
端(図5において右端)が梁材27に固定され、他の鋼
鈑29b,29bの一端(同、左端)が同様に梁材に固
定され、これらの鋼鈑29が、粘弾性体30,30,…
を挟み込んで交互に積層された構成とされている。この
制振桁梁19の中間部は、図示しない金具により、梁材
27の下面から垂れ下がらないように支持されている。
この制振桁梁19は、床版Bが振動したときには、梁材
27の上部および下部が伸縮するように変形し、このと
き、桁梁制振装置28を構成する各鋼鈑29が梁材27
の長手方向に相対的にずれることになり、これにより粘
弾性体30,30,…が変形して振動エネルギーが吸収
され、梁材27の上下振動が速やかに減衰されるもので
ある。なお、ここで、この制振桁梁19の桁梁制振装置
28に備えられた各鋼鈑29を、磁性合金で形成するこ
とにより、その制振効果をさらに向上させることが可能
になる。
梁材27と、この下面に備えられた桁梁制振装置28と
から構成されている。桁梁制振装置28は、長尺な鋼鈑
29,29,…が、2組に分けられて、粘弾性体30,
30,…を介して積層されたものである。すなわち、上
下および中間の3枚の鋼鈑29a,29a,29aの一
端(図5において右端)が梁材27に固定され、他の鋼
鈑29b,29bの一端(同、左端)が同様に梁材に固
定され、これらの鋼鈑29が、粘弾性体30,30,…
を挟み込んで交互に積層された構成とされている。この
制振桁梁19の中間部は、図示しない金具により、梁材
27の下面から垂れ下がらないように支持されている。
この制振桁梁19は、床版Bが振動したときには、梁材
27の上部および下部が伸縮するように変形し、このと
き、桁梁制振装置28を構成する各鋼鈑29が梁材27
の長手方向に相対的にずれることになり、これにより粘
弾性体30,30,…が変形して振動エネルギーが吸収
され、梁材27の上下振動が速やかに減衰されるもので
ある。なお、ここで、この制振桁梁19の桁梁制振装置
28に備えられた各鋼鈑29を、磁性合金で形成するこ
とにより、その制振効果をさらに向上させることが可能
になる。
【0023】上記の構成により、床版Bは、制振桁梁1
9,制振柱Sを介して、下層躯体10で支持された構造
となっている。そして、床版B上に敷設された各軌道2
上を鉄道車両1が走行するときに生じる床版Bの上下方
向の振動は、まず各軌道2の中心線に沿って設けられた
制振桁梁19により減衰される。そして、この制振桁梁
19で減衰しきれない振動は、制振桁梁19の下面と柱
14の上端面との間に設置された制振柱Sにより、速や
かに減衰される。これにより、床版Bから下方の下層躯
体10への振動の伝達は遮断もしくは軽減される。
9,制振柱Sを介して、下層躯体10で支持された構造
となっている。そして、床版B上に敷設された各軌道2
上を鉄道車両1が走行するときに生じる床版Bの上下方
向の振動は、まず各軌道2の中心線に沿って設けられた
制振桁梁19により減衰される。そして、この制振桁梁
19で減衰しきれない振動は、制振桁梁19の下面と柱
14の上端面との間に設置された制振柱Sにより、速や
かに減衰される。これにより、床版Bから下方の下層躯
体10への振動の伝達は遮断もしくは軽減される。
【0024】次に、床版Bの上方に設けられた複数階の
階層からなる上層躯体11の支持構造について説明す
る。図2に示したように、床版Bの上方には、下層躯体
10の地中壁12上に立設された支持壁31に支持され
て、トラス構造からなる基盤32が設けられている。そ
してこの基盤32上に、複数階の階層を有する上層躯体
11が構築されている。この構成により、上層躯体11
は、支持壁31,基盤32を介して下層躯体10に支持
されたことになる。これにより、上層躯体11は、床版
Bからの振動が遮断もしくは軽減された下層躯体10に
支持されたことになり、したがって上層躯体11への振
動の伝達が遮断もしくは軽減される。
階層からなる上層躯体11の支持構造について説明す
る。図2に示したように、床版Bの上方には、下層躯体
10の地中壁12上に立設された支持壁31に支持され
て、トラス構造からなる基盤32が設けられている。そ
してこの基盤32上に、複数階の階層を有する上層躯体
11が構築されている。この構成により、上層躯体11
は、支持壁31,基盤32を介して下層躯体10に支持
されたことになる。これにより、上層躯体11は、床版
Bからの振動が遮断もしくは軽減された下層躯体10に
支持されたことになり、したがって上層躯体11への振
動の伝達が遮断もしくは軽減される。
【0025】上述したように、建築物Aの床版Bは、制
振桁梁19,制振柱Sを介して、下層躯体10で支持さ
れた構造となっている。これにより、床版B上に敷設さ
れた各軌道2上を鉄道車両1が走行するときに生じる床
版Bの上下方向の振動は、制振桁梁19,制振柱Sによ
り減衰される。したがって、床版Bから下層躯体10へ
の振動や固体伝播音を充分に遮断することができる。
振桁梁19,制振柱Sを介して、下層躯体10で支持さ
れた構造となっている。これにより、床版B上に敷設さ
れた各軌道2上を鉄道車両1が走行するときに生じる床
版Bの上下方向の振動は、制振桁梁19,制振柱Sによ
り減衰される。したがって、床版Bから下層躯体10へ
の振動や固体伝播音を充分に遮断することができる。
【0026】また、制振柱Sでは、床版Bからの振動に
より、下層躯体10に固定された内柱22に対して、床
版Bに固定された外筒21が相対移動する。すると、積
層ゴム25がその積層方向に圧縮されて変形し、これに
よって振動エネルギーを吸収する。これとともに、制振
材26が、内柱22との摩擦剪断力により変形し、これ
によっても振動エネルギーを吸収する。したがって、積
層ゴム25と制振材26とにより、床版Bからの振動を
制振柱Sで減衰させ、振動音や固体伝播音の遮断効果を
有効に発揮することができる。また、地震などの水平方
向の振動に対しては、制振材26により内柱22の外筒
21に対する移動を拘束することができ耐震性に優れた
構造とすることができる。また、この制振柱Sは、非常
にコンパクトであるため、大掛かりな構造とすることな
く、下層躯体10上に設置して床版Bを支持するのみで
その機能を発揮することができる。したがって、その施
工が容易であり、低コストで振動や固体伝播音の遮断効
果を発揮することが可能になる。
より、下層躯体10に固定された内柱22に対して、床
版Bに固定された外筒21が相対移動する。すると、積
層ゴム25がその積層方向に圧縮されて変形し、これに
よって振動エネルギーを吸収する。これとともに、制振
材26が、内柱22との摩擦剪断力により変形し、これ
によっても振動エネルギーを吸収する。したがって、積
層ゴム25と制振材26とにより、床版Bからの振動を
制振柱Sで減衰させ、振動音や固体伝播音の遮断効果を
有効に発揮することができる。また、地震などの水平方
向の振動に対しては、制振材26により内柱22の外筒
21に対する移動を拘束することができ耐震性に優れた
構造とすることができる。また、この制振柱Sは、非常
にコンパクトであるため、大掛かりな構造とすることな
く、下層躯体10上に設置して床版Bを支持するのみで
その機能を発揮することができる。したがって、その施
工が容易であり、低コストで振動や固体伝播音の遮断効
果を発揮することが可能になる。
【0027】また、下層躯体10は、通常と同様の構造
とされており、この建築物Aにおける床版Bよりも下の
階層には、床版Bを支持する架構の柱が別に存在してそ
の階層空間の一部を占有することはなく、したがって空
間の効率的利用を図ることができる。
とされており、この建築物Aにおける床版Bよりも下の
階層には、床版Bを支持する架構の柱が別に存在してそ
の階層空間の一部を占有することはなく、したがって空
間の効率的利用を図ることができる。
【0028】さらに、上層躯体11は、支持壁31,基
盤32を介して下層躯体10に支持されている。これに
より、上層躯体11は、床版Bからの振動が遮断もしく
は軽減された下層躯体10に支持されたことになり、し
たがって上層躯体11への振動の伝達を充分に遮断する
ことができる。
盤32を介して下層躯体10に支持されている。これに
より、上層躯体11は、床版Bからの振動が遮断もしく
は軽減された下層躯体10に支持されたことになり、し
たがって上層躯体11への振動の伝達を充分に遮断する
ことができる。
【0029】ここで、上記実施例においては、制振柱S
の内柱22を、その外周面が平滑な円柱状に形成した
が、以下に示す別の実施例のようにしてもよい。ここで
は、図3に示した制振柱Sとの相違点のみを示し、他の
構成は同様とする。図6に示すように、制振柱S2の内
柱33の鋼管34の外周面には、制振柱S2の軸線に直
交する方向、すなわち水平面内に位置する多数の溝35
が形成されている。この制振柱S2では、床版Bからの
振動により、下層躯体10に固定された内柱33に対し
て、床版Bに固定された外筒21が相対移動する。する
と、制振材26が溝35との支圧剪断力により変形し、
さらに効率良く振動エネルギーが吸収される。これによ
り、床版Bから下層躯体10,上層躯体11への振動,
固体伝播音の遮断効果をより効果的に発揮することがで
きる。
の内柱22を、その外周面が平滑な円柱状に形成した
が、以下に示す別の実施例のようにしてもよい。ここで
は、図3に示した制振柱Sとの相違点のみを示し、他の
構成は同様とする。図6に示すように、制振柱S2の内
柱33の鋼管34の外周面には、制振柱S2の軸線に直
交する方向、すなわち水平面内に位置する多数の溝35
が形成されている。この制振柱S2では、床版Bからの
振動により、下層躯体10に固定された内柱33に対し
て、床版Bに固定された外筒21が相対移動する。する
と、制振材26が溝35との支圧剪断力により変形し、
さらに効率良く振動エネルギーが吸収される。これによ
り、床版Bから下層躯体10,上層躯体11への振動,
固体伝播音の遮断効果をより効果的に発揮することがで
きる。
【0030】なお、上記各実施例において、振動発生源
である軌道2を載置した床版Bを、建築物Aの地表階に
設置する例を用いたが、これに限るものではない。例え
ば、この床版Bを地下1階に設置する場合には、床版B
より下層の階、すなわち地下2階以下の躯体を、上記実
施例における下層躯体10と同様に構成し、床版Bより
上層の階、すなわち地上1階以上の躯体を、上記実施例
における上層躯体11と同様に地中壁で支持された基盤
上に設ける構成とすればよい。また、例えば床版Bを、
地表より上方の階に設置する場合にも、同様の構成とす
ればよい。これにより、上記実施例と同様の効果を得る
ことができる。
である軌道2を載置した床版Bを、建築物Aの地表階に
設置する例を用いたが、これに限るものではない。例え
ば、この床版Bを地下1階に設置する場合には、床版B
より下層の階、すなわち地下2階以下の躯体を、上記実
施例における下層躯体10と同様に構成し、床版Bより
上層の階、すなわち地上1階以上の躯体を、上記実施例
における上層躯体11と同様に地中壁で支持された基盤
上に設ける構成とすればよい。また、例えば床版Bを、
地表より上方の階に設置する場合にも、同様の構成とす
ればよい。これにより、上記実施例と同様の効果を得る
ことができる。
【0031】また、この制振柱Sをその軸線が鉛直方向
に位置するように設置したが、これに限るものではな
く、例えば水平方向の振動に対してこの制振柱Sを適用
するときには、その軸線が水平方向に位置するように設
置してもよい。
に位置するように設置したが、これに限るものではな
く、例えば水平方向の振動に対してこの制振柱Sを適用
するときには、その軸線が水平方向に位置するように設
置してもよい。
【0032】さらには、振動発生源として、床版B上に
鉄道用の軌道2を載置した例を用いたが、例えば道路,
機械等を有する建築物、工場などにおいても、同様の構
成とすることにより、同様の効果を得ることができるの
は言うまでもない。
鉄道用の軌道2を載置した例を用いたが、例えば道路,
機械等を有する建築物、工場などにおいても、同様の構
成とすることにより、同様の効果を得ることができるの
は言うまでもない。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る制
振柱によれば、振動発生源で制振柱の軸線方向の振動が
発生したときには、振動発生源と支持部とのどちらか一
方に固定された外筒と、他方に固定された内柱とが相対
移動する。すると、外筒の底部と内柱の先端部との間に
制振柱の軸線方向に積層されて敷設された積層ゴムがそ
の積層方向に圧縮され、これとともに外筒の内周面と内
柱の外周面との間に介装された制振材が外筒と内柱との
摩擦剪断力により変形する。これによって振動発生源か
らの制振柱の軸線方向の振動エネルギーが吸収され、振
動を減衰して支持部への振動,固体伝播音の伝達を充分
に遮断することができる。また、制振柱の軸線と直交す
る方向の振動が発生したときには、外筒と内柱とが前記
方向に相対移動する。このとき、制振材が圧縮されて抗
力を発し、この外筒と内柱の相対移動を拘束するので、
この制振柱を耐震性に優れた構造とすることができる。
また、この制振柱は、非常にコンパクトであるため、大
掛かりな構造とすることなく、振動発生源とこれを支持
する支持部との間に設置するのみでその機能を発揮する
ことができる。したがって、その施工が容易であり、低
コストで振動や固体伝播音の遮断効果を得ることができ
る。
振柱によれば、振動発生源で制振柱の軸線方向の振動が
発生したときには、振動発生源と支持部とのどちらか一
方に固定された外筒と、他方に固定された内柱とが相対
移動する。すると、外筒の底部と内柱の先端部との間に
制振柱の軸線方向に積層されて敷設された積層ゴムがそ
の積層方向に圧縮され、これとともに外筒の内周面と内
柱の外周面との間に介装された制振材が外筒と内柱との
摩擦剪断力により変形する。これによって振動発生源か
らの制振柱の軸線方向の振動エネルギーが吸収され、振
動を減衰して支持部への振動,固体伝播音の伝達を充分
に遮断することができる。また、制振柱の軸線と直交す
る方向の振動が発生したときには、外筒と内柱とが前記
方向に相対移動する。このとき、制振材が圧縮されて抗
力を発し、この外筒と内柱の相対移動を拘束するので、
この制振柱を耐震性に優れた構造とすることができる。
また、この制振柱は、非常にコンパクトであるため、大
掛かりな構造とすることなく、振動発生源とこれを支持
する支持部との間に設置するのみでその機能を発揮する
ことができる。したがって、その施工が容易であり、低
コストで振動や固体伝播音の遮断効果を得ることができ
る。
【0034】請求項2に係る制振柱によれば、請求項1
記載の制振柱において、振動発生源側に取り付けた外筒
の内周面もしくは内柱の外周面に、制振柱の軸線に直交
する面内に位置する溝を形成した。そして、振動発生源
で振動が発生したときには、外筒と内柱とが相対移動す
る。すると、積層ゴムがその積層方向に圧縮されるとと
もに、制振材が前記溝との支圧剪断力により変形し、さ
らに効率良く振動エネルギーが吸収される。これによ
り、振動発生源からの振動をこの制振柱で効率良く減衰
させて、これを支持する支持部への伝達をより効果的に
遮断することが可能になる。
記載の制振柱において、振動発生源側に取り付けた外筒
の内周面もしくは内柱の外周面に、制振柱の軸線に直交
する面内に位置する溝を形成した。そして、振動発生源
で振動が発生したときには、外筒と内柱とが相対移動す
る。すると、積層ゴムがその積層方向に圧縮されるとと
もに、制振材が前記溝との支圧剪断力により変形し、さ
らに効率良く振動エネルギーが吸収される。これによ
り、振動発生源からの振動をこの制振柱で効率良く減衰
させて、これを支持する支持部への伝達をより効果的に
遮断することが可能になる。
【0035】請求項3に係る制振柱を備えた建築構造物
によれば、振動発生源が載置されている振動発生源支持
床版を、該振動発生源支持床版よりも下方の下層躯体に
立設した前記制振柱で支持した。これにより、振動発生
源支持床版からの振動は前記制振柱で減衰され、下方の
下層躯体への振動,固体伝播音の遮断効果を有効に発揮
することができる。また、下層躯体は、通常と同様の構
造で構成することができるので、この建築構造物におけ
る振動発生源支持床版よりも下の階層には、振動発生源
支持床版を支持する架構の柱が別に存在してその階層空
間の一部を占有することはなくなり、したがって空間の
効率的利用を図ることができる。
によれば、振動発生源が載置されている振動発生源支持
床版を、該振動発生源支持床版よりも下方の下層躯体に
立設した前記制振柱で支持した。これにより、振動発生
源支持床版からの振動は前記制振柱で減衰され、下方の
下層躯体への振動,固体伝播音の遮断効果を有効に発揮
することができる。また、下層躯体は、通常と同様の構
造で構成することができるので、この建築構造物におけ
る振動発生源支持床版よりも下の階層には、振動発生源
支持床版を支持する架構の柱が別に存在してその階層空
間の一部を占有することはなくなり、したがって空間の
効率的利用を図ることができる。
【0036】請求項4に係る制振柱を備えた建築構造物
によれば、振動発生源支持床版よりも上方に、前記下層
躯体で支持した基盤を設け、振動発生源支持床版よりも
上方の上層躯体をこの基盤上に構築した。これにより、
上層躯体は、振動発生源支持床版からの振動が遮断もし
くは軽減された下層躯体に支持されたことになり、した
がって上層躯体への振動,固体伝播音の伝達を充分に遮
断することができる。
によれば、振動発生源支持床版よりも上方に、前記下層
躯体で支持した基盤を設け、振動発生源支持床版よりも
上方の上層躯体をこの基盤上に構築した。これにより、
上層躯体は、振動発生源支持床版からの振動が遮断もし
くは軽減された下層躯体に支持されたことになり、した
がって上層躯体への振動,固体伝播音の伝達を充分に遮
断することができる。
【図1】本発明に係る制振柱を備えた建築構造物の地下
部を示す正断面図である。
部を示す正断面図である。
【図2】同建築構造物の一例を示す正断面図である。
【図3】本発明に係る制振柱の一例を示す正断面図であ
る。
る。
【図4】同制振柱を示す平断面図である。
【図5】同制振柱を備えた建築構造物の地下部に設けら
れた他の制振装置を示す側面図である。
れた他の制振装置を示す側面図である。
【図6】本発明に係る制振柱の他の一例を示す正断面図
である。
である。
【図7】従来の制振装置を備えた建築構造物の一例を示
す正面図である。
す正面図である。
【図8】従来の制振装置を備えた建築構造物の他の一例
を示す正面図である。
を示す正面図である。
【符号の説明】 2 軌道(振動発生源) 10 下層躯体(支持部) 11 上層躯体 21 外筒 22 内柱 25 積層ゴム 26 制振材 32 基盤 35 溝 A 建築物(建築構造物) B 床版(振動発生源支持床版) S,S2 制振柱
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 勝沢 勝栄 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 秋山 顕二郎 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 熊谷 武紀 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 中谷 芳広 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 高梨 和光 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 前林 和彦 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 大槻 明 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 金木 義三 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 高橋 諭 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 草間 伊知郎 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 野中 稔 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 塩川 英世 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 振動発生源と該振動発生源を支持する支
持部との間に設置された制振柱であって、前記振動発生
源もしくは前記支持部のどちらか一方の側には、他方の
側へ延びる軸線を有する筒状の部材からなる外筒の基端
部が固定され、前記他方の側には、前記外筒に軸線を一
致させて前記一方の側へ延び、該外筒内に挿入された柱
状の部材からなる内柱の基端部が固定され、前記外筒の
底面と内柱の先端面との間には、該制振柱の軸線方向に
積層された積層ゴムが敷設され、さらに、前記外筒の内
周面と前記内柱の外周面との間には制振材が介装されて
なることを特徴とする制振柱。 - 【請求項2】 請求項1記載の制振柱において、前記振
動発生源側に取り付けられた外筒の内周面もしくは内柱
の外周面に、前記制振柱の軸線に略直交する面内に位置
する溝が形成されていることを特徴とする制振柱。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の制振柱を具備す
る建築構造物であって、振動発生源が載置された振動発
生源支持床版が、該振動発生源支持床版よりも下方の下
層躯体に立設された前記制振柱で支持されていることを
特徴とする制振柱を備えた建築構造物。 - 【請求項4】 請求項3記載の制振柱を備えた建築構造
物において、振動発生源支持床版よりも上方に、前記下
層躯体に支持された基盤が設けられ、前記振動発生源支
持床版よりも上方の上層躯体が、該基盤上に構築されて
いることを特徴とする制振柱を備えた建築構造物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5422393A JPH06264963A (ja) | 1993-03-15 | 1993-03-15 | 制振柱およびそれを備えた建築構造物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5422393A JPH06264963A (ja) | 1993-03-15 | 1993-03-15 | 制振柱およびそれを備えた建築構造物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06264963A true JPH06264963A (ja) | 1994-09-20 |
Family
ID=12964543
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5422393A Pending JPH06264963A (ja) | 1993-03-15 | 1993-03-15 | 制振柱およびそれを備えた建築構造物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06264963A (ja) |
-
1993
- 1993-03-15 JP JP5422393A patent/JPH06264963A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20011002 |