JPH0626422U - コンバインにおける穀稈移送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、掻込装置により掻き込んだ刈取穀
稈を横方向に搬送しながら合流させ、これを穀稈搬送装
置により脱穀装置に供給するものにおいて、掻込装置か
ら横搬送装置への穀稈継送を良好にすると共に深扱調節
範囲を拡大することを目的とするもので有る。 【構成】 走行装置を備えた機台上に脱穀装置を搭載
し、該脱穀装置の前方に、複数の穀稈引起体４と、刈刃
３ａと複数の掻込経路を有する掻込装置と、掻込まれた
刈取穀稈を合流させる横搬送装置と、合流した穀稈を脱
穀装置に搬送供給すると共に後部を中心として上下回動
して扱深さ調節する穀稈搬送装置３とからなる前処理装
置を配設し、前記横搬送装置の株元横搬送チェーンの搬
送終端を後方へ延出させたコンバインにおいて、上記株
元横搬送チェーンを前記掻込装置の株元掻込チェーンよ
りも前上り傾斜にすると共に株元横搬送チェーンの前部
を株元掻込チェーンに接近させたコンバインにおける穀
稈移送装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、穀稈を刈取り、これを脱穀装置により脱穀処理する自脱型のコンバ インにおける穀稈移送装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、立毛穀稈を引起すと共に掻き込んで刈刃により刈取り、複数の掻込経路 から掻き込んだ刈取穀稈を一側から他側に向かう横搬送装置により合流させ、合 流した穀稈を穀稈搬送装置により脱穀装置に搬送供給しながら扱深さ調節するコ ンバインは既に知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記既知のコンバインにおける横搬送装置の搬送チェーンは掻込チェーンと同 一の前下がり傾斜になっていたので、茎が太くかつ多量の藁屑が付着している部 分を移送する株元掻込チェーンと株元横搬送チェーンの前端部との間隔が広くな って穀稈の受継が不確実になり、稈漏れや詰まりを生じ易かった。また、横搬送 して合流させた穀稈の株元部を株元横搬送チェーンの終端で移送方向を後方へ変 換してから穀稈搬送装置の株元搬送体の前端に受継するが、その際、株元掻込チ ェーンの後部が高くなって扱深さ調節範囲の下限、即ち、短稈に対する深扱調節 範囲が制限された。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、走行装置を備えた機台上に脱穀装置を搭載し、該脱穀装置の前方に 、複数の穀稈引起体と、刈刃と複数の掻込経路を有する掻込装置と、掻込まれた 刈取穀稈を合流させる横搬送装置と、合流した穀稈を脱穀装置に搬送供給すると 共に後部を中心として上下回動して扱深さ調節する穀稈搬送装置とからなる前処 理装置を配設し、前記横搬送装置の株元横搬送チェーンの搬送終端を後方へ延出 させたコンバインにおいて、上記株元横搬送チェーンを前記掻込装置の株元掻込 チェーンよりも前上り傾斜にすると共に株元横搬送チェーンの前部を株元掻込チ ェーンに接近させることにより前述の課題を解決した。

【０００５】

【作用】

穀稈引起体が引起した穀稈を掻込装置が後方へ掻込みむ過程で、刈刃が刈取り 、各掻込経路から掻き込まれた刈取穀稈は横搬送装置により一側から他側に移送 する過程で合流し、この合流した穀稈の株元部は株元掻込チェーンから株元横搬 送チェーンに受継がれて後送され、これが更に穀稈搬送装置の株元搬送体に受け 継がれ、茎部は穀稈搬送装置の穂側搬送体に受継され、脱穀装置に搬送供給され る間に扱深さ調節される。そして、穀稈が掻込装置から横搬送装置へ継送される 時、株元横搬送チェーンの前部は、株元掻込チェーンに接近しているので、穀稈 の株元部の受継を確実に行うことができ、株元横搬送チェーンの搬送終端が従来 のものより低くなるので、穀稈搬送装置の株元搬送体を低い位置まで下降させて 扱深さ調節することができる。

【０００６】

【実施例】

本考案の一実施例を図面について説明すると、左右一対のクローラからなる走 行装置を有する機台上の一側に自脱型の脱穀装置を搭載し、他側には操作盤、運 転席、穀粒タンク及びエンジンを配設し、前記脱穀装置の前方には刈取装置２と 穀稈搬送装置３とからなる前処理装置を上下傾動可能に装着してある。

【０００７】 前記刈取装置２は前部に６個の分草体５個の穀稈引起体４・・を併設した４条 刈タイプのものであって、既刈地側（進行方向右側）の間隔が広くなっており、 刈刃３ａの上部には相互に噛合した４個の掻込輪５・・を軸支して、対をなす２ 組の掻込輪５・・により２つの掻込経路を形成し、これらの掻込輪５・・の上端 に取付けたＶプーリー６と斜め前方外側に向かうケース状のカバー６ｂの前部に 軸支したＶプーリー６ａにはその前方から後方に亙る可撓ラグ７ａ・・付きの掻 込ベルト７を張設してあり、各掻込経路の左側の掻込輪５の軸に取付けたスプロ ケット８には後方へ掻込む株元掻込チェーン９の前部を巻き掛けてある。

【０００８】 前記各掻込経路の後部には、株元横搬送チェーン１６及び起伏する長いタイン １７が装着された上下２段の茎部横搬送チェーン１７ａ，１７ｂと株元ガイド杆 １８・・及び茎部ガイド杆２０とにより形成される横搬送経路を設けてあり、こ の横搬送経路の搬送終端から脱穀装置の供給口及びフィードチェーン２１の始端 に亙る部位には、穂側搬送体２２と株元搬送体２３とからなる前記穀稈搬送装置 ３を後部を中心として上下傾動することにより扱深さ調節するように軸支し、穂 側搬送体２２のチェーンには前部で起立突出して後部で倒伏する多数のタイン２ ２ａを装着し、その搬送面にはガイドレールを対設し、株元搬送体２３の搬送面 には挟持レールを対設してある。

【００１０】 また、前記未刈地側の掻込経路の後部外側から横搬送経路の終端外側を経て後 方へ延出した株元横搬送チェーン１６及び茎部横搬送チェーン１７ａ，１７ｂの 後方へ向かう部分と対向する部位に亙って茎部継送掻込体２５と穂部継送掻込体 ２６を設けてあり、これらの継送掻込体２５，２６のチェーンに枢着した複数の タイン２７・・を前部で起立突出させ、後部で倒伏するようにガイドレールによ り姿勢を制御してあり、上記継送掻込体２５，２６の傾斜角は前記掻込輪５・・ 、掻込ベルト７及び茎部掻込輪２８と同一であるが、株元横搬送チェーン１６及 び上下の茎部横搬送チェーン１７ａ，１７ｂは、前記掻込輪５・・及び株元掻込 チェーン９よりもθだけ緩傾斜になっていて、株元横搬送チェーン１６（株元掻 込チェーン９よりも前上り傾斜になっている。）の搬送終端部における前端部は 株元掻込チェーン９に接近している。

【００１１】 そして、前記分草体により分草された後、穀稈引起体４・・により引き起され た穀稈は、掻込輪５・・、掻込ベルト７・・及び株元掻込チェーン９，９により 掻込まれると共に刈刃３ａにより刈取られ、更に後方の横搬送経路まで掻き込ま れ、次いで、株元横搬送チェーン１６及び茎部横搬送チェーン１７ａ，１７ｂに より横移送されると共に次の掻込経路からの穀稈が合流し、横移送終端では、未 刈地側の掻込経路からの穀稈が合流する。この時、合流部の外側では、株元掻込 チェーン９の後部が株元横搬送チェーン１６の終端の後方へ向かう部位と対向す るように延出されており、上下の継送掻込体２５，２６は合流部と対向する部位 から茎部横搬送チェーン１７ａ，１７ｂの終端と対向する部位を経て穂側搬送体 ２２のタイン２２ａの前端回行軌跡と平面視でラップする位置にまで亙っており 、株元横搬送チェーン１６終端の前部は側面視で、側部の株元掻込チェーン９に 上下でも接近しているので、合流した穀稈を穀稈搬送装置の前端に，乱れや洩れ のない状態でスムーズに継送することができる。また、穀稈搬送装置を下降傾動 させて短稈に対して深扱ぎ調節する場合、株元横搬送チェーン１６の終端の後方 へ延出している部分は低くなっているので、充分な深扱ぎ調節を行うことができ る。

【００１２】

【考案の効果】

本考案は、走行装置を備えた機台上に脱穀装置を搭載し、該脱穀装置の前方に 、複数の穀稈引起体４と、刈刃３ａと複数の掻込経路を有する掻込装置と、掻込 まれた刈取穀稈を合流させる横搬送装置と、合流した穀稈を脱穀装置に搬送供給 すると共に後部を中心として上下回動して扱深さ調節する穀稈搬送装置３とから なる前処理装置を配設し、前記横搬送装置の株元横搬送チェーン１６の搬送終端 を後方へ延出させたコンバインにおいて、上記株元横搬送チェーン１６を前記掻 込装置の株元掻込チェーン９よりも前上り傾斜にすると共に株元横搬送チェーン １６の前部を株元掻込チェーン９に接近させたので、刈取穀稈の株元部は太くか つ藁屑量も多いが、株元横搬送チェーン１６の前部は株元掻込チェーン９に接近 しているので、株元掻込チェーン９により良く纏められた株元部を受け継ぐこと が可能になり、詰まりや稈漏れのない状態で受継搬送することができる。また、 株元横搬送チェーン１６の後部は従来方式よりも低くなるので、穀稈搬送装置を 下降傾動して行う深扱ぎ調節範囲を拡大して著しい短稈でも適切な扱深さ調節を 施すことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】コンバインの前部の側面図である。

【図２】同上平面図である。

【符号の説明】

２ 刈取装置 ３ 穀稈搬送装置 ５ 掻込輪 ７ 掻込ベルト ９ 株元掻込チェーン １６ 株元横搬送チェーン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 走行装置を備えた機台上に脱穀装置を搭
   載し、該脱穀装置の前方に、複数の穀稈引起体４と、刈
   刃３ａと複数の掻込経路を有する掻込装置と、掻込まれ
   た刈取穀稈を合流させる横搬送装置と、合流した穀稈を
   脱穀装置に搬送供給すると共に後部を中心として上下回
   動して扱深さ調節する穀稈搬送装置３とからなる前処理
   装置を配設し、前記横搬送装置の株元横搬送チェーン１
   ６の搬送終端を後方へ延出させたコンバインにおいて、
   上記株元横搬送チェーン１６を前記掻込装置の株元掻込
   チェーン９よりも前上り傾斜にすると共に株元横搬送チ
   ェーンの前部を株元掻込チェーン９に接近させたことを
   特徴とするコンバインにおける穀稈移送装置。