JPH06263066A - 転輪走行レ−ルを改良したゴムクロ−ラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 ゴムクロ−ラに関し、その軽量化を図り、振
動や騒音を低減させる。 【構成】 無端状ゴム弾性体の幅方向に横並べされ、一
定ピッチをもって多数の芯金１２が埋設され、この芯金
を外囲いしたスチ−ルコ−ドと、外周面にラグを形成し
たゴムクロ−ラであって、当該ゴムクロ−ラの内周面で
ある前記ゴム弾性体面より、前記芯金よりのびる一対の
角部１７と、この角部に並列に芯金に備えられた前記ゴ
ム弾性体面に露出した転輪走行レ−ル１９_１を有し、当
該転輪走行レ−ルに窪み部２０を形成し、この窪み部内
にゴム弾性体が充填されたことを特徴とするゴムクロ−
ラ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はゴムクロ−ラに関するも
のであって、主として建設機械や土木作業機械の走行部
に用いられるゴムクロ−ラに係るものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、ゴムクロ−ラは鉄シュ−クロ−ラ
に代って、農業機械のみならず建設機械や土木作業機械
等の大型機械の走行部に広く用いられるようになってき
た。しかるに、ゴムクロ−ラは、鉄シュ−クロ−ラと異
なり弾力性のあるゴム弾性体がその主体をなしているの
で、機械側に備えられた転輪やスプロケット等がゴムク
ロ−ラと接触する部位の耐久性を向上させる必要があ
る。

【０００３】図８は、通常のゴムクロ−ラの断面を示す
ものであり、無端状ゴム弾性体１中に一定ピッチをもっ
て多数埋設された芯金２と、これを外側より囲ったスチ
−ルコ−ド列３、及び外周側にラグ４を形成したもので
ある。しかるに、機械側に備えられた転輪５は、芯金２
よりのびでゴムクロ−ラの内周面６より突出する角部
７、７をまたいで、或いはこの角部７、７の頂面に接触
しつつ、ゴムクロ−ラの内周面６、６に転輪５の外端周
面８、８が接触する形式のものが多い。

【０００４】このため、転輪５の外端周面８、８が接触
するゴムクロ−ラの内周面６、６のゴムに亀裂が入った
り、ゴムの欠損を生じたりすることとなる。又、転輪５
との接触面がゴムであるため、その接触時にゴムが変形
し、それだけ転輪５が上下動してオペレ−タ−に対して
振動の発生原因となっている。従って、このようなゴム
クロ−ラに用いられる芯金２は、図９及び図１０に示す
ように、転輪５と接触する部位に転輪走行レ−ル９、９
を形成して、ゴムの欠損や、転輪の振動の発生防止に対
処している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかるに、通常の芯金
よりこの転輪走行レ−ル分だけ重量の重い芯金を用いる
こととなり、従って、ゴムクロ−ラ全体としての重量も
かなり重くなる。又、折角特徴あるゴムクロ−ラを使用
したのに、転輪とゴムクロ−ラとの接触部位は、金属同
士の接触が主となるため、騒音の発生もそれほど減少し
ない。本発明は、以上のような従来技術に鑑みて、芯金
の転輪走行レ−ルに工夫を加えたものであって、ゴムク
ロ−ラの軽量化と共に騒音の発生を低くおさえ、かつ振
動の低減を目的としたゴムクロ−ラを提供するものであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、無端状
ゴム弾性体の幅方向に横並べされ、一定ピッチをもって
多数の芯金が埋設され、この芯金を外囲いしたスチ−ル
コ−ドと、外周面にラグを形成したゴムクロ−ラであっ
て、当該ゴムクロ−ラの内周面である前記ゴム弾性体面
より、前記芯金よりのびる一対の角部と、この角部に並
列に芯金に備えられた前記ゴム弾性体面に露出した転輪
走行レ−ルを有し、当該転輪走行レ−ルに窪み部を形成
し、この窪み部内にゴム弾性体が充填されたことを特徴
とする転輪走行レ−ルを改良したゴムクロ−ラにかかる
ものである。

【０００７】そして、好ましくは、窪み部は芯金の幅方
向の中央に形成されるものであり、場合によっては、窪
み部は芯金を貫通するものである。この場合の窪み部内
に充填されたゴム弾性体は、ゴムクロ−ラを形成するゴ
ム弾性体と一体となるものであり、特に好ましくは、窪
み部内に充填されたゴム弾性体は、転輪走行レ−ル面よ
りも突出しているものである。

【０００８】

【作用】本発明は以上の構成を有し、特に言えば、転輪
走行レ−ルに窪み部を形成し、ここにゴム弾性体を充填
したものである。従って、重量の重い金属部分に窪み部
を形成したために、全体としてゴムクロ−ラの軽量化が
達成されるものである。そして、この窪み部にゴム弾性
体を充填することにより、転輪がこの走行レ−ル上を走
行する際、金属同士の接触も少なくなり、特に、このレ
−ル面よりも充填されるゴム弾性体が突出されている場
合にあっては、転輪が上下動することは少なくなり、か
つ、騒音の低減を達成するものとなるのである。

【０００９】

【実施例】以下、本発明のゴムクロ−ラを実施例をもっ
て更に詳細に説明する。図１は、本発明のゴムクロ−ラ
の第１実施例の内周面側の平面図であり、図２は、図１
におけるＡ−Ａ線での芯金及び窪み部内に充填されたゴ
ム弾性体の拡大断面図である。即ち、ゴムクロ−ラの主
体となる無端状ゴム弾性体１１に、その幅方向に一定ピ
ッチをもって多数埋設された芯金１２と、これを外側よ
り囲ったスチ−ルコ−ド列１３、及び外周側にラグ１４
が形成されている。そして、機械側に備えられた転輪１
５は、芯金１２よりのびてゴムクロ−ラの内周面１６よ
り突出する角部１７、１７をまたいで、或いはこの角部
１７、１７の頂面に接触しつつ、ゴムクロ−ラの内周面
１６に転輪１５の外端周面１８、１８が接触する。この
ゴムクロ−ラは、転輪１５と接触するゴムクロ−ラの内
周面１６の部位に、芯金１２よりのびる転輪走行レ−ル
１９₁ 、１９₂ が露出している。

【００１０】さて、本発明の実施例にあっては、転輪走
行レ−ル１９₁ 、１９₂ に、芯金１２の幅方向の中央に
対応して窪み部２０が構成され、ここにゴム弾性体２１
が充填されている。従って、この転輪走行レ−ル１９
₁ 、１９₂ 上を走行する転輪１５は、先ず、転輪走行レ
−ル１９₁ の前端１９₁₁に乗り上げ、このレ−ル１９₁
上を走行し、そして、ゴム弾性体２１上を通過して後端
１９₁₂から転輪が離れることとなる。しかるに、転輪１
５が後端１９₁₂から離れる時点では、今度は他方の走行
レ−ル１９₂ 上を走行しており、その後、後端１９₂₂か
ら離れることとなる。このように、転輪走行レ−ル１９
₁ 、１９₂ に窪み部２０を形成したために芯金１２の軽
量化が図られ、更に、転輪１５が転輪走行レ−ル１９
₁ 、１９₂ を走行する際に、ゴム弾性体２１と接触する
ことによって、振動と騒音が低減されることとなるので
ある。

【００１１】図３は、本発明のゴムクロ−ラの第２実施
例を示し、図２と同じ部位の断面を示すものである。こ
の例では、転輪走行レ−ル１９₁ の前端１９₁₁及び転輪
走行レ−ル１９₂ の後端１９₂₂の走行面に、先端部の背
丈（ｈ）が高い傾斜面１９₀を形成したものである。従
って、転輪１５が転輪走行レ−ル１９₁ の前端１９₁₁に
乗り上げ、又、転輪走行レ−ル１９₂ の後端１９₂₂から
転輪１５が離れる際、本発明の顕著な特徴に加えて、転
輪１５の上下動が更に少なくなる特徴がある。尚、傾斜
面１９₀ は種々考えられ、例えば図４に示すように平坦
部と傾斜部との組み合わせもある。転輪走行レ−ル１９
の先端部の背丈ｈは装着される機体の重量によって異な
るが、通常は約０．５〜５ｍｍ程度がよい。

【００１２】図５は、窪み部２０とゴム弾性体２１との
関係の別例を示す部分断面図であって、ゴム弾性体２１
は窪み部２０より上方に突出（ｄ）した例である。この
場合には、転輪１５はその上下動が更に低減されること
となる。尚、窪み部２０とゴム弾性体２１の境に凹み２
２を構成することにより、ゴム弾性体２１と窪み部２０
との間の接着剥離現象を低減し、ゴムクロ−ラとしての
耐久性を向上することができる。ゴム弾性体２１の突出
量ｄもこれ又機体の重量によって異なるが、通常は約２
〜８ｍｍ程度がよい。

【００１３】図６は、本発明のゴムクロ−ラの第３実施
例の、図２と同じ部位の断面を示すものである。この例
では、転輪走行レ−ル１９₁ 、１９₂ 上に形成される窪
み部２０は芯金１２をも貫いている例である。この場
合、窪み部２０内に充填されるゴム弾性体２１は、ゴム
クロ−ラを構成するゴム弾性体１１と同体になる。

【００１４】図７は、図６に示すゴムクロ−ラの変形例
を示すもので、図２と同じ部位の断面を示すものであ
る。この例では、転輪走行レ−ル１９₁ 、１９₂ 上に形
成される窪み部２０は芯金１２を貫いているだけでな
く、更に、芯金１２からのびている角部１７、１７にも
窪み部２３を形成し、ここにゴム弾性体２４を充填した
例である。このゴムクロ−ラにあっては、特に軽量化が
図れると共に、角分１７、１７上に転輪が接触するよう
な場合であっても、転輪の上下動が緩和されかつ騒音も
低減されるという特徴がある。

【００１５】

【説明の効果】本発明のゴムクロ−ラは、以上の構成を
有し、特にゴム中に多数埋設される芯金の形状を改良し
たため、全体として軽量化が図られると共に、転輪の上
下動が少なくなることにより振動の発生が押えられ、更
に、騒音の発生も低減されるものとなった。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明のゴムクロ−ラの第１実施例の
内周面側の平面図である。

【図２】図２は、図１におけるＡ−Ａ線での芯金及び窪
み部内に充填されたゴム弾性体の拡大断面図である。

【図３】図３は、本発明のゴムクロ−ラの第２実施例を
示し、図２と同じ部位の断面図である。

【図４】図４は、転輪走行レ−ルの他の例を示す側面図
である。

【図５】図５は、窪み部とゴム弾性体との関係の別例を
示す部分断面図である。

【図６】図６は、本発明のゴムクロ−ラの第３実施例を
示し、図２と同じ部位の断面図である。

【図７】図７は、図６に示すゴムクロ−ラの変形例を示
す、図２と同じ部位の断面図である。

【図８】図８は、通常のゴムクロ−ラの断面図である。

【図９】図９は、改良型の芯金を示す正面図である。

【図１０】図１０は、図９にて示す芯金の平面図であ
る。

【符号の説明】

１１‥‥無端状ゴム弾性体、 １２‥‥芯金、 １３‥‥スチ−ルコ−ド列、 １４‥‥ラグ、 １５‥‥転輪、 １６‥‥ゴムクロ−ラの内周面、 １７‥‥角部、 １８‥‥転輪の外端周面、 １９₁ 、１９₂ ‥‥転輪走行レ−ル、 ２０‥‥窪み部、 ２１‥‥窪み部２０内に充填されるゴム弾性体、 １９₁₁‥‥転輪走行レ−ル１９₁ の前端、 １９₁₂‥‥転輪走行レ−ル１９₁ の後端、 １９₂₂‥‥転輪走行レ−ル１９₂ の後端、 １９₀ ‥‥転輪走行レ−ルの傾斜面、 ２２‥‥窪み部２０とゴム弾性体２１の境の凹み。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 無端状ゴム弾性体の幅方向に横並べさ
   れ、一定ピッチをもって多数の芯金が埋設され、この芯
   金を外囲いしたスチ−ルコ−ドと、外周面にラグを形成
   したゴムクロ−ラであって、当該ゴムクロ−ラの内周面
   である前記ゴム弾性体面より、前記芯金よりのびる一対
   の角部と、この角部に並列に芯金に備えられた前記ゴム
   弾性体面に露出した転輪走行レ−ルを有し、当該転輪走
   行レ−ルに窪み部を形成し、この窪み部内にゴム弾性体
   が充填されたことを特徴とする転輪走行レ−ルを改良し
   たゴムクロ−ラゴムクロ−ラ。
2. 【請求項２】 窪み部は芯金の幅方向の中央に形成され
   た請求項第１項記載の転輪走行レ−ルを改良したゴムク
   ロ−ラ
3. 【請求項３】 窪み部は芯金を貫通する請求項第１項記
   載の転輪走行レ−ルを改良したゴムクロ−ラ
4. 【請求項４】 窪み部内に充填されたゴム弾性体は、ゴ
   ムクロ−ラを形成するゴム弾性体と一体となった請求項
   第３項記載の転輪走行レ−ルを改良したゴムクロ−ラ
5. 【請求項５】 窪み部内に充填されたゴム弾性体は、転
   輪走行レ−ル面よりも突出している請求項第１項記載の
   転輪走行レ−ルを改良したゴムクロ−ラ