JPH06262789A - サーマルヘッド - Google Patents

サーマルヘッド

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JPH06262789A
JPH06262789A JP7756093A JP7756093A JPH06262789A JP H06262789 A JPH06262789 A JP H06262789A JP 7756093 A JP7756093 A JP 7756093A JP 7756093 A JP7756093 A JP 7756093A JP H06262789 A JPH06262789 A JP H06262789A
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廣 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 厚膜サーマルヘッドの発色ドットの形状およ
び大きさを均一にし、階調印字記録を行う。 【構成】 帯状の共通電極パターン3とこの共通電極か
らくしの歯状に延長された共通電極リード1と、相隣れ
るこれらの共通電極リード1間に、両側の共通電極リー
ドに対して一方に大、他方に小なる間隔(寸法RA,R
B)をもって周期的に個別電極リードを配置し、これら
の電極リードの上部に帯状の発熱抵抗体5を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、感熱紙印字,溶融熱
転写印字,昇華型熱転写印字等の印字特性をもつサーマ
ルヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図20は、例えば特開平01−1505
56に記載された従来の厚膜サーマルヘッドの発熱素子
部分を示す平面図である。図20において、1は共通電
極リード、2は個別電極リード、3は共通電極リード2
を共通に接続した共通電極パターン、4は共通電極パタ
ーン3のパターン抵抗値を低下するための共通電極強化
パターンであり、例えば、Agペースト、Auペースト
の印刷・乾燥・焼成により形成される。5はくしの歯状
に配置された共通電極リード1と個別電極リード2上
に、例えば酸化ルテニウムとガラス成分からなる抵抗ペ
ーストを塗布し、乾燥、焼成することにより形成した帯
状の抵抗体である。個々の発熱素子6は共通電極リード
1と個別電極リード2に、はさまれた2箇所の発熱抵抗
体61,62とからなり、個別電極リード2は図示しな
い位置で印字情報に基づきスイッチングする素子に接続
される。
【0003】次に、この従来例のサーマルヘッドについ
て説明する。1コの個別電極リード2への電圧印加によ
って発熱抵抗体61,62から成る1単位の発熱素子6
が発熱する。この発熱素子6には感熱紙である記録紙
(図示せず)が圧接されており、発熱素子6の発熱によ
って発色する。発熱素子6の温度分布は、例えば図21
(イ)に示す様に、発熱抵抗体61,62のそれぞれの
中央部HL,HRの温度が最も高く図21のように2つ
の楕円形の高温部をもった温度分布を示す。図21
(ロ)は(イ)の平面図のA−B位置の断面図であり、
発熱抵抗体5の断面がかまぼこ形であることを示してい
る。この形状は発熱抵抗体5が抵抗ペーストの塗布によ
って形成されることによる。
【0004】発熱素子6の抵抗値は発熱抵抗体61,6
2の並列抵抗値であるが、この値は個々の発熱素子によ
ってある程度の不均一性をもっている。この抵抗値が低
いほど同一印加電圧に対する電流値が大きくなるため発
熱量が大きく、その結果、発色面積が大きくなる。良好
な印字を行うためには、各発熱素子の発色面積が均一で
あることが必要であり、そのためには各発熱素子の抵抗
値を均一に作らなければならない。各発熱素子の抵抗値
の均一化の方法としては(United States
Patent 4,782,202)に記載されるパ
ルストリミング法があり、各発熱素子の平均抵抗値を±
3%以内、個々の発熱素子の抵抗値の不均一性を±15
%以内(標準偏差2%以内)の規格で製造可能になって
いる。以下に、このパルストリミング法の概略を説明す
る。図22は発熱素子に通常使用時より高い電圧のパル
スを印加した時の抵抗値の変化を示したものである。こ
の図22において、V0より大きい電圧のパルスを印加
すると抵抗値が低下する。抵抗値を所望の値RXにする
ためには電圧VXのパルスを印加すれば良い。ただし、
このパルス印加は必ずしも単一のパルスとして与える必
要はなく、より小さい電圧のパルスを複数回続けて与え
ても良い。すなわち、連続パルスを印加した場合、個々
のパルスの効果は熱エネルギーとして蓄積される。図2
3は複数のパルスに分割して与えた場合のパルス数と抵
抗値の関係を示している。比較的小さいパルスを与えた
場合を実線で、大きいパルスを与えた場合を点線で示し
てある。この図で示すように、パルス電圧が小さいと、
抵抗値の調整に要する時間は長くなるが、抵抗値を細か
く調整することができるメリットがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のサーマルヘッド
は以上のように構成されているので、発熱素子6の抵抗
値の均一性は改善されたが、この方法では改善されない
もう一つの問題点が残されていた。それはパルストリミ
ングによって均一化されるのは発熱素子6の抵抗値、す
なわち発熱抵抗体61,62の並列抵抗値であり、2つ
の発熱抵抗体61,62の抵抗値の差については均一化
できないことである。そのため発熱抵抗体61,62の
発熱量の差による発色ドットの形状の偏りという問題が
残り、パルストリミング法による発色の均一性の改善に
は限界があった。従って、発熱抵抗体61,62の抵抗
値を同一にすることができず、そのため発色ドットの形
状および大きさが不均一になるなどの問題点があった。
【0006】この発明は従来のサーマルヘッドの上記課
題を解決するためになされたもので、発色ドット形状お
よび大きさが均一で、階調印字記録が可能なサーマルヘ
ッドを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この第1の発明に係るサ
ーマルヘッドは、図1で示すように、複数の共通電極リ
ード1と、複数の個別電極リード2と、発熱抵抗体5と
を備えたサーマルヘッドにおいて、上記個別電極リード
の左,右に位置する2個の共通電極リードのうち、一方
側の共通電極リードと個別電極リードとの間隔(61)
を他方側の共通電極リードと当該個別電極リードとの間
隔(62)より大きく設定し、この大きい間隔に対する
部分を、小さい間隔に対する部分よりも2倍以上の間隔
もしくは2倍以上の抵抗値に限定するような構成にし
た。この第2の発明に係るサーマルヘッドは、図9に示
すように、発熱抵抗体5における個別電極リード2(D
O1)と左,右の共通電極リード103,102にて狭
まれた2つの部分の発熱抵抗体の抵抗値Ra,Rbを
(Ra/Rb)≧2に設定するような構成にした。この
第3の発明に係るサーマルヘッドは、図10で示すよう
に、個別電極リード2における帯状の抵抗発熱体5に対
応する部分の一部を、所定寸法(LG)除去して除去部
分7を設けるような構成とした。
【0008】この第4の発明に係るサーマルヘッドは、
図10で示すように、個別電極リードの除去部分の寸法
(LG)が、共通電極リードと個別電極リードとの間隔
(61や62)より短かくなるような構成にした。この
第5の発明に係るサーマルヘッドは、図16で示すよう
に、帯状の共通電極3の一辺より突出する共通電極リー
ド1の先端を発熱抵抗体5を超えてさらに延長した上
で、上記共通電極と同電位の導体(第2共通電極8)に
接続するような構成にした。この第6の発明に係るサー
マルヘッドは、図7で示すように、延長する共通電極リ
ード1のパターン幅(LL)を個別電極リード2に比べ
て大きくするような構成にした。この第7の発明に係る
サーマルヘッドは、図18で示すように、発熱抵抗体、
共通電極リードおよび個別電極リード2を載置する絶縁
基板の発熱抵抗体配置部に隆起部10を設けるような構
成にした。
【0009】
【作用】この第1の発明によるサーマルヘッドは、上記
個別電極リードの左,右に位置する2個の共通電極リー
ドのうち、一方側の共通電極リードと個別電極リードと
の間隔(61)を他方側の共通電極リードと当該個別電
極リードとの間隔(62)より大きく設定し、この大き
い間隔に対する部分を、小さい間隔に対する部分よりも
2倍以上の間隔もしくは2倍以上の抵抗値に限定するよ
うな構成にすることにより、上記発熱抵抗体の抵抗値の
低い箇所を最発熱ポイントとする。この第2の発明によ
るサーマルヘッドは、発熱抵抗体5における個別電極リ
ード2(DO1)と左,右の共通電極リード103,1
02にて狭まれた2つの部分の発熱抵抗体の抵抗値R
A,RBを(RA/RB)≧2に設定する構成とするこ
とにより、上記発熱抵抗体の抵抗値の低い箇所を最発熱
ポイントとする。この第3の発明によるサーマルヘッド
は、個別電極リード2における帯状の抵抗発熱体5に対
応する部分の一部を、所定寸法(LG)除去して除去部
分7を設けるような構成とすることにより、その除去部
分を上記発熱抵抗体の抵抗値中最も低い抵抗値部分と
し、この抵抗値部分を最発熱ポイントとする。
【0010】この第4の発明によるサーマルヘッドは、
個別電極リードの除去部分の寸法(LG)が、共通電極
リードと個別電極リードとの間隔(61や62)より短
かくなるような構成とすることにより、その除去部分を
上記発熱抵抗体の抵抗値中最も低い抵抗値部分とし、こ
の抵抗値部分を最発熱ポイントとする。この第5の発明
によるサーマルヘッドは、帯状の共通電極3の一辺より
突出する共通電極リード1の先端を発熱抵抗体5を超え
てさらに延長した上で、上記共通電極と同電位の導体
(第2共通電極8)に接続するような構成とすることに
より、共通電極の電気抵抗による電圧降下を少なくす
る。この第6の発明によるサーマルヘッドは、延長する
共通電極リード1のパターン幅(LL)を個別電極リー
ド2に比べて大きくするような構成とすることにより、
共通電極の電気抵抗による電圧降下を少なくする。この
第7の発明によるサーマルヘッドは、発熱抵抗体、共通
電極リードおよび個別電極リード2を載置する絶縁基板
の発熱抵抗体配置部に隆起部10を設けるような構成と
することにより、サーマルヘッドの押圧力が発熱抵抗体
に集中するようにする。
【0011】
【実施例】以下、この発明を図に基づいて説明する。図
1は、この第1の発明の実施例(実施例1)によるサー
マルヘッドを示す平面図である。図1において、61は
共通電極リード1と個別電極リード2との間の発熱抵抗
体、62は個別電極リード2と共通電極リードとの間の
発熱抵抗体である。尚、図20で示した従来のサーマル
ヘッドの発熱体に相当する部分には同一の符号を付し説
明を省略する。図20に示した従来例との違いは、個別
電極リード1を両側の共通電極リード1に対して一方に
大、他方に小なる間隔をもって周期的に配置した点にあ
る。そして、幅の大なる発熱抵抗体61と幅の小なる発
熱抵抗体62を作ったものである。この発熱抵抗体61
と62の並列の発熱抵抗体をパルストリミングするにあ
たり、図1における発熱抵抗体の寸法RA,RBの比が
発熱抵抗体61,62の比になるとの考えから種々の寸
法の発熱体による特性を調べてみた。
【0012】図2は、この発明の一実施例による種々の
サーマルヘッドのパターン寸法を示す図である。図2に
おいて、番号(1)〜(7)は種々の寸法のサーマルヘ
ッドのパターンを示している。ただし、番号(7)は従
来のものてあり、比較のために示してある。番号(1)
〜(7)の各寸法は図1のP、RA、RB、LC、L
L、FRの寸法であり、図3,図4には階調印字性能を
示している。この実施例1においては、発熱素子の抵抗
値(発熱抵抗体61の抵抗値Ra、発熱抵抗体62の抵
抗値Rbの並列抵抗値)を1500Ωになる様にパルス
トリミングしたA4サイズのサーマルヘッドである。こ
のサーマルヘッドを押圧3kgで感熱紙に全黒印字をさせ
て平均印字濃度特性を調べたのが図3である。この図3
に示すのはE0=0.18mJ/dot、印字周期5ms/Line
時の条件での特性であり、図中のグラフは測定ポイント
10点の平均印字濃度を示している。また、図4に示す
のはE0=0.09mJ/dotでの10点の平均印字濃度値
による濃度のばらつき値を示すものである。ここで、サ
ーマルヘッドの階調性能としては、印加エネルギーに対
する印字濃度が線形の特性をもつものが良好である。し
たがって、図3においては番号(4),(3),
(2),(1)の寸法のサーマルヘッドがほぼ線形特性
である。また、発色ドットは発熱抵抗体62の抵抗体部
分の方となる。一方、濃度ばらつきの最大,最小値の中
心値が平均値に近く、かつ、その差が最も小さくなるの
が階調性能にとって望まれるものである。したがって、
図4においては、番号(4),(3),(2),(1)
の寸法のサーマルヘッドがほぼ最大,最小値の中心値と
平均値とが近く、また、番号(5),(6),(7)の
サーマルヘッドと比べて濃度ばらつきは小さい。以上の
結果から、発明者は階調性能の線形特性を得られやすい
限界値としては、番号(4)の寸法の発熱体による寸法
がもっとも適している。すなわち発熱抵抗体のRA,R
Bの寸法比が2倍以上、抵抗値差としても2倍以上の差
が望ましい。また、これらの条件下では発色ドットは従
来例と比べると、発熱ポイントが1個のような形状とな
る。
【0013】図5は、この実施例1の番号(1)〜
(7)のサーマルヘッドによる耐エネルギー性を示した
図である。この図で示すように、発熱抵抗体の寸法R
A,RB(図1)の差が大きい程、耐エネルギー性は失
われていくが、比例的に弱いものではない。これは寸法
RBが小さく発熱ポイントが集中していても、RAの寸
法の方向に熱が逃げ、耐エネルギー性を極端に失わせな
いことと推定される。また熱を逃がすには寸法LC,L
L(図1)を広げることでも可能であり、寸法RA,R
Bの差が大きくても耐エネルギー性を失うことなく、階
調印字性能を良好に得られる。
【0014】図6〜図8は番号(7),(4),(1)
のサーマルヘッドによる市松パターンの印字ドットの形
状を示す図であり、印加エネルギーを変えたものを示し
ている。すなわち、図6は従来のサーマルヘッドによる
市松パターンの印字ドットの形状であり、(a)は0.
25E0の印加エネルギーによるもの、(b)は0.5
E0の印加エネルギーによるもの、(c)は0.75E
0の印加エネルギーによるもの、(d)はE0の印加エ
ネルギーによるものてある。特に(a)のものが市松パ
ターンの印字ドットの形状が不揃いである。同様に、図
7,図8が番号(4),(1)のサーマルヘッドであ
り、(a)は0.25E0、(b)は0.5E0、
(c)は0.75E0、(d)はE0の印加エネルギー
によるものである。特に、(a)の市松パターンの印字
ドットの形状が図6によるものと比べて形が揃ってい
る。
【0015】図9は、この第2の発明の実施例(実施例
2)によるサーマルヘッドを示す平面図である。図2に
おいて、100〜103は共通電極リードであり、この
実施例2のサーマルヘッドは、例えば、図1で示す寸法
Pが極端に小さいものを示している。すなわち、400
dPI程度のサーマルヘッドでは、パターンのエッチング
による量産性歩留りの限界から、例えば寸法LL,LC
の最小値が15μmとなると、Pは(25.4/40
0)×1000=63.5μmであるから、寸法RA,
RBは合計しても33.5μmである。したがって実施
例1と同様の能力を得るために、2倍以上の差にする必
要がある。この理由から、寸法RA=23μm、RB=
10.5μmとすれば良い。ところが間隔のエッチング
限界が現状の量産のプロセスで15μm程度であるの
で、実現するのが難しい。したがって、抵抗体61と抵
抗体62の抵抗値比を2倍以上とするため、図9で示す
ように、共通電極リード100,101,102,10
3をちどり状に引き出し、各個別電極リード2との個々
の発熱抵抗体61,62を個々パルストリミングして抵
抗値比を2倍以上とする。この後、共通電極強化パター
ン4により、共通電極リード100,101,102,
103を接続する。例えば、発熱抵抗体61を3000
Ω、発熱抵抗体62を1500Ωとするには共通電極リ
ード103(C1)と個別電極リード2(DO1)との
間を3000Ωにパルストリミングし、個別電極リード
2(DO1)と共通電極リード102(C2)との間を
1500Ωにパルストリミング、続いて、共通電極リー
ド102(C2)と個別電極リード2(DO2)との間
を3000Ωにパルストリミング、個別電極リード2
(DO2)と共通電極リード2(C3)との間を150
0Ωにパルストリミングするという工程を順次行う。こ
の後、例えばAgペーストで共通電極強化パターンを形
成すれば良い。結果的にこの平面図では、図20に示す
従来例のパターンと同様であるが、発熱抵抗体61,6
2の抵抗値は2倍以上差があるものとなる。
【0016】図10は、この第3の発明の実施例(実施
例3)によるサーマルヘッドを示す平面図である。図1
0において、7は個別電極リード2の1部のパターンを
除去した除去部分であり、発熱抵抗体5はこの除去部分
7上を被っている。この実施例3はこの除去部分7に特
徴がある。図11に示すのは、番号(7)〜(11)の
サーマルヘッドの寸法がP,RA=RB,LC,LL,
FR,LGを示すものであり、発熱抵抗体の抵抗値を1
500Ωに形成し、サーマルヘッドを製造したものであ
る。図12,図13,図14は実施例1に示した実験結
果と同様の平均印字濃度特性、印字濃度ばらつき、耐エ
ネルギー性を調べたものである。これらの調べた結果よ
り、番号(9),(10),(11)のサーマルヘッド
の階調性能が良好であることがわかる。このことから、
上記実施例1,2と同様の性能を持つことがわかる。た
だし、耐エネルギー性に関しては実施例1に示すものよ
り弱い結果となった。この結果は、除去部分7の箇所で
トリミングによって最低の抵抗値になり、発熱ポイント
が実施例1に比べより集中したものと推定される。
【0017】図15は、この第4の説明による実施例
(実施例4)に示す市松パターンの印字ドット形状を示
す図である。図15に示すのは、実施例3による番号
(10)のサーマルヘッドの市松パターンの印字ドット
形状であり、この番号(10)のサーマルヘッドでは、
除去部分7を共通電極リード1と、個別電極リード2
(寸法RA,RB)より小さくしているので、発熱ポイ
ントが除去部分7の中心部に集中し、印字ドットとして
は、階調性として理想の丸形の形状が得られる。この様
な印字ドットは、昇華性の熱転写印字及び孔版印刷用の
マスターフィルムへの孔明けに適している。
【0018】図16は、この第5の発明の実施例(実施
例5)によるサーマルヘッドを示す平面図である。図1
6において、8は第2共通電極であり、このサーマルヘ
ッドは、共通電極リード3の一部を発熱抵抗体5を超え
て延長し、共通電極と同電位を有する第2共通電極8に
接続する構成とする。このようにすることにより、共通
電極の電気抵抗による印加パルス電圧差を軽減でき、発
熱体数の多い長尺サーマルヘッドの中央部と両端部の発
色ドットの形状ばらつき、しかもそれによる階調印字ば
らつきの差を小さくすることができる。これは従来例で
は図22の共通電極強化パターン4を強化しても両端部
からのみ共通電極を取り出すという構造のため、ヘッド
の中央部と両端部の発色ドットの形状ばらつきがでてし
まうという欠点を改善としたものである。
【0019】図17は、この第6の発明の実施例(実施
例6)によるサーマルヘッドを示す平面図である。この
実施例6のサーマルヘッドは、図16に示す実施例5の
サーマルヘッドの共通電極リード3に比べその共通電極
リードのパターン幅(LL)を広くしたものである。結
果的には共通電極リード3の抵抗値を下げることにな
り、図16に示す実施例5よりもさらに発色ドットの形
状ばらつき、階調印字ばらつきの差を小さくできる。
【0020】図18は、この第7の発明の実施例(実施
例7)によるサーマルヘッドを示す継面図である。図1
8において、10は例えばガラスからなる部分的突部で
あり、発熱抵抗体形成下部に設けられている。従来例の
図20では部分的突部がなく平坦なガラス層が発熱抵抗
体形成下部にあるというだけであった。9は絶縁基板で
あり、この絶縁基板9は例えば純度96%程度のアルミ
ナから成り、この上に隆起部10が例えばガラスペース
トの印刷乾燥、焼成により断面半円状に形成される。1
1は例えばガラスペーストの印刷、乾燥、焼成によって
形成され、発熱抵抗体5を保護する保護膜、12は感熱
紙である記録紙、13は弾性体から成り、回転して記録
紙12を搬送するプラテンローラである。F(矢印)は
サーマルヘッドをプラテンローラに押し付ける押圧力を
示している。この様に絶縁基板に隆起部を設けるとサー
マルヘッドの押圧力が発熱抵抗体5に集中してかかるた
め、小さな押圧力でも高い発色効率が得られる。図19
はサーマルヘッドの押圧力と発色効率の関係を図1の実
施例1(番号(4)のサーマルヘッド)と比較して示し
たものである。印加パルスのエネルギーは0.18mJで
ある。押圧力100g/cmの条件では、実施例1(図
1)(番号(4)のサーマルヘッド)の発色効率が約5
0%であるのに対してこの実施例7では約90%であ
り、同一の押圧力でも本実施例の方が高い発色効率が得
られている。また本実施例では同一の発色効率を得るの
に必要な押圧力が約30%少なくてすむ。
【0021】
【発明の効果】この第1の発明によれば、左,右の共通
電極リードと個別電極リードとの間を、大きい間隔の部
分と小さい間隔の部分とに分け、大きい間隔に対する部
分を、小さい間隔に対する部分よりも2倍以上の間隔も
しくは2倍以上の抵抗値に限定するようにしたので均一
な発色ドットの形状と階調印字性能が得られる効果があ
る。この第2の発明によれば、発熱抵抗体における個別
電極リードと左,右の共通電極リードにて狭まれた2つ
の部分の発熱抵抗体の抵抗値RA,RB(RA/RB)
≧2になるように設定したので均一な発色ドットの形状
と階調印字性能が得られる効果がある。この第3の発明
によれば、個別電極リードにおける帯状の抵抗発熱体に
対応する部分の一部を、所定寸法除去して除去部分を設
けるような構成としたので、均一な発色ドットの形状と
階調印字性能が得られる効果がある。
【0022】この第4の発明によれば、個別電極リード
の除去部分の寸法が、共通電極リードと個別電極リード
との間隔より短かくなるような構成にしたので、均一な
発色ドットの形状と階調印字性能が得られる効果があ
る。この第5の発明によれば、帯状の共通電極の一辺よ
り突出する共通電極リードの先端を発熱抵抗体を超えて
さらに延長した上で、上記共通電極と同電位の導体に接
続するような構成にしたので、上記第1の発明の効果に
加えて、抵抗発熱体数の多い長尺サーマルヘッドの中央
部と両端部の発色ドットの形状ばらつきや階調印字ばら
つきの差を小さくすることができる効果がある。この第
6の発明によれば、延長する共通電極リードのパターン
幅を個別電極リードに比べて大きくするような構成にし
たので、長尺サーマルヘッドの中央部と両端部の発色ド
ットの形状ばらつきや階調印字ばらつきの差を、第5の
発明よりも更に小さくすることができる効果がある。こ
の第7の発明によれば、発熱抵抗体、共通電極リードお
よび個別電極リードを載置する絶縁基板の発熱抵抗体配
置部に隆起部を設けるような構成にしたので、サーマル
ヘッドの小さな押圧力でも、均一な発色ドットの形状と
階調印字性能が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この第1の発明の実施例1によるサーマルヘッ
ドを示す平面図である。
【図2】図1の実施例1によるサーマルヘッドのパター
ン形成寸法を示す図である。
【図3】図2の実施例1によるサーマルヘッドの平均印
字濃度特性を示す図である。
【図4】図2の実施例1によるサーマルヘッドの印字濃
度ばらつきを示す図である。
【図5】図2の実施例によるサーマルヘッドの耐エネル
ギー性を示す図である。
【図6】図2の寸法のサーマルヘッドによる市松パター
ンの印字ドット形状の図である。
【図7】図2の寸法のサーマルヘッドによる市松パター
ンの印字ドット形状の図である。
【図8】図2の寸法のサーマルヘッドによる市松パター
ンの印字ドット形状の図である。
【図9】この第2の発明の実施例2によるサーマルヘッ
ドを示す平面図である。
【図10】この第3の発明の実施例3によるサーマルヘ
ッドを示す平面図である。
【図11】図10の実施例4によるサーマルヘッドのパ
ターン形成寸法を示す図である。
【図12】図11の実施例4によるサーマルヘッドの平
均印字濃度特性を示す図である。
【図13】図11の実施例4によるサーマルヘッドの印
字濃度ばらつきを示す図である。
【図14】図11の実施例4によるサーマルヘッドの耐
エネルギー性を示す図である。
【図15】この第4の発明の実施例4のサーマルヘッド
による市松パターンの印字ドット形状を示す図である。
【図16】この第5の発明の実施例6によるサーマルヘ
ッドを示す平面図である。
【図17】この第6の発明の実施例6によるサーマルヘ
ッドを示す平面図である。
【図18】この第7の発明の実施例7によるサーマルヘ
ッドを示す平面図である。
【図19】サーマルヘッドの押圧力と発色効率を示す図
である。
【図20】従来のサーマルヘッドを示す平面図である。
【図21】従来のサーマルヘッドの発熱分布を示す図で
ある。
【図22】印加電圧と発熱抵抗値変化を示す図である。
【図23】印加パルス数と発熱抵抗値変化を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 共通電極リード 2 個別電極リード 3 共通電極パターン 4 共通電極強化パターン 5 発熱抵抗体 6 発熱素子 7 除去部 8 第2共通電極 9 絶縁基板 10 部分的突部 11 保護膜 12 記録紙 13 プラテンローラ 61,62 発熱抵抗体 100〜103 共通電極リード
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】図18は、この第7の発明の実施例(実施
例7)によるサーマルヘッドを示す継面図である。図1
8において、10は例えばガラスからなる部分的突部で
あり、発熱抵抗体形成下部に設けられている。従来例の
図20では部分的突部がなく平坦なガラス層が発熱抵抗
体形成下部にあるというだけであった。9は絶縁基板で
あり、この絶縁基板9は例えば純度96%程度のアルミ
ナから成り、この上に隆起部10が例えばガラスペース
トの印刷乾燥、焼成により断面半円状に形成される。
起部の寸法としては例えば幅1mm程度高さ50μm程
度である。11は例えばガラスペーストの印刷、乾燥、
焼成によって形成され、発熱抵抗体5を保護する保護
膜、12は感熱紙である記録紙、13は弾性体から成
り、回転して記録紙12を搬送するプラテンローラであ
る。F(矢印)はサーマルヘッドをプラテンローラに押
し付ける押圧力を示している。この様に絶縁基板に隆起
部を設けるとサーマルヘッドの押圧力が発熱抵抗体5に
集中してかかるため、小さな押圧力でも高い発色効率が
得られる。図19はサーマルヘッドの押圧力と発色効率
の関係を図1の実施例1(番号(4)のサーマルヘッ
ド)と比較して示したものである。印加パルスのエネル
ギーは0.18mJである。押圧力100g/cmの条件で
は、実施例1(図1)(番号(4)のサーマルヘッド)
の発色効率が約50%であるのに対してこの実施例7で
は約90%であり、同一の押圧力でも本実施例の方が高
い発色効率が得られている。また本実施例では同一の発
色効率を得るのに必要な押圧力が約30%少なくてす
む。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯状の共通電極の一辺からくしの歯状に
    なるように突出した複数の共通電極リードと、相隣れる
    2個の共通電極リードの間に、一端が位置する複数の個
    別電極リードと、上記共通電極リードと個別電極リード
    との対向部分に沿って延長する帯状の発熱抵抗体とを備
    えたサーマルヘッドにおいて、上記個別電極リードの
    左,右に位置する2個の共通電極リードのうち、一方側
    の共通電極リードと個別電極リードとの間隔を他方側の
    共通電極リードと当該個別電極リードとの間隔より大き
    く設定し、この大きい間隔に対する部分を、小さい間隔
    に対する部分よりも2倍以上の間隔もしくは2倍以上の
    抵抗値に限定したことを特徴とするサーマルヘッド。
  2. 【請求項2】 上記発熱抵抗体における個別電極リード
    と左,右の共通電極リードにて狭まれた2つの部分の発
    熱抵抗体の抵抗値Ra,Rbを(Ra/Rb)≧2に設
    定したことを特徴とする請求項第1項記載のサーマルヘ
    ッド。
  3. 【請求項3】 帯状の共通電極の一辺からくしの歯状に
    なるように突出した複数の共通電極リードと、相隣れる
    2個の共通電極リードの間に、一端が位置する複数の個
    別電極リードと、上記共通電極リードと個別電極リード
    との対向部分に沿って延長する帯状の発熱抵抗体とを備
    えたサーマルヘッドにおいて、個別電極リードにおける
    帯状の抵抗発熱体に対応する部分の一部を、所定寸法除
    去して除去部分を設けたことを特徴とするサーマルヘッ
    ド。
  4. 【請求項4】 個別電極リードの除去部分の寸法が、共
    通電極リードと個別電極リードとの間隔より短かいこと
    を特徴とする請求項第3項記載のサーマルヘッド。
  5. 【請求項5】 帯状の共通電極の一辺より突出する共通
    電極リードの先端を、上記発熱抵抗体を超えてさらに延
    長した上で、上記共通電極と同電位の導体に接続したこ
    とを特徴とする請求項第1項及至第4項のいずれかに記
    載のサーマルヘッド。
  6. 【請求項6】 上記延長する共通電極リードのパターン
    幅を個別電極リードに比べて大きくしたことを特徴とす
    る請求項第5項記載のサーマルヘッド。
  7. 【請求項7】 上記発熱抵抗体、上記共通電極リードお
    よび上記個別電極リードを載置する絶縁基板の発熱抵抗
    体配置部に隆起部を設けたことを特徴とする請求項第1
    項及至第6項いずれか記載のサーマルヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020196211A (ja) * 2019-06-04 2020-12-10 ローム株式会社 サーマルプリントヘッド

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