JPH06258073A - プローブ顕微鏡装置 - Google Patents

プローブ顕微鏡装置

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Publication number
JPH06258073A
JPH06258073A JP5075787A JP7578793A JPH06258073A JP H06258073 A JPH06258073 A JP H06258073A JP 5075787 A JP5075787 A JP 5075787A JP 7578793 A JP7578793 A JP 7578793A JP H06258073 A JPH06258073 A JP H06258073A
Authority
JP
Japan
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probe
stage
distance
microscope
predetermined point
Prior art date
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Pending
Application number
JP5075787A
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English (en)
Inventor
Takashi Morimoto
高史 森本
Takeshi Murayama
健 村山
Kiyoshi Nagasawa
潔 長澤
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Publication date
Application filed by Hitachi Construction Machinery Co Ltd filed Critical Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Publication of JPH06258073A publication Critical patent/JPH06258073A/ja
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01QSCANNING-PROBE TECHNIQUES OR APPARATUS; APPLICATIONS OF SCANNING-PROBE TECHNIQUES, e.g. SCANNING PROBE MICROSCOPY [SPM]
    • G01Q40/00Calibration, e.g. of probes

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Radiology & Medical Imaging (AREA)
  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)
  • Microscoopes, Condenser (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 短時間で容易にプローブ顕微鏡の探針と光学
顕微鏡の光軸間の距離を測定できるプローブ顕微鏡装置
の提供。 【構成】 試料テーブル1の所定個所に蒸着膜2が蒸着
され、1つの角部(所定点)Oと、それから直交方向に
延びる蒸着膜2の2つのエッジ(段差部)が形成され
る。探針の両方向の1ライン走査により両段差部を検出
し得る位置OP が決定され、所定点Oとの距離XP 、Y
P が演算される。次に、所定点Oが光学顕微鏡の視野5
内に捕捉され、そのときの移動量X0 、Y0 と、視野5
内の所定点Oと光軸OR の距離Xm 、Ym が演算され
る。これらによりプローブ顕微鏡の探針と光学顕微鏡の
光軸間の距離が演算される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学顕微鏡が併用され
るトンネル顕微鏡や原子間力顕微鏡等のプローブ顕微鏡
装置に係り、特にその探針と光学顕微鏡との距離を得る
のに好適なプローブ顕微鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プローブ顕微鏡は、先端の尖った探針
を、試料に対してナノメートル(nm)オーダまで接近
させ、そのとき探針と試料との間に生じるトンネル電流
や原子間力を測定することにより、試料表面の形状を原
子寸法レベルで計測する装置である。このようなプロー
ブ顕微鏡の測定範囲は最大でも数10μmである。この
ため、例えば光ディスク等の大きな試料における1つの
アドレスビットの細部の異常をチェックするような場
合、そのような微小な部分に探針の先端を目視で合わせ
ることは不可能である。したがって、プローブ顕微鏡
は、試料を移動させるXYステージとともに、プローブ
顕微鏡の測定範囲より大きな視野をもつ測定機器、例え
ば光学顕微鏡を備えているのが通常である。
【0003】プローブ顕微鏡の実際の測定においては、
最初にXYステージで試料を移動させて測定対象部分を
光学顕微鏡の視野内に捉え、次いで、再びXYステージ
により当該測定対象部分をプローブ顕微鏡の探針と対向
する位置に移動させて測定を行う。この場合、光学顕微
鏡の光軸と探針との距離は予め判っているので、XYス
テージは当該距離だけ移動せしめられる。
【0004】ところで、プローブ顕微鏡の探針は、使用
している間に先端の尖鋭度が劣化して丸くなり、又は、
試料等と接触して先端に曲がりを生じることもあって、
しばしば新しい探針との交換を必要とする。このように
探針を交換した場合には必然的に取付け誤差を生じ、上
記光軸と探針間の距離も変化する。したがって、探針交
換毎に両者間の距離を測定しなければならない。
【0005】従来、この測定手段として、位置合わせ用
の標準試料を光学顕微鏡で観察してその像を得、次い
で、想定される光軸と探針との距離(例えば、設計上の
値や探針交換前の距離)に従ってXYステージを移動
し、この位置で探針を走査することによりプローブ顕微
鏡像を得、このプローブ顕微鏡像と上記光学顕微鏡像と
を比較して光軸と新しい探針との正確な距離を測定して
いた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の手段では、
探針を交換した場合、標準試料の光学顕微鏡像とプロー
ブ顕微鏡像とを検出し、かつ、それらのパターン認識を
行わねばならない。しかし、プローブ顕微鏡像を得るた
めには探針のXY軸の走査を行わねばならず、この走査
に相当の時間を要する。
【0007】又、上記従来の手段では、標準試料を光学
顕微鏡で観察した後、想定される光軸と探針との距離を
移動させることになるが、光学顕微鏡像に対してプロー
ブ顕微鏡像は数μm角の極微小範囲の像であるため、得
られたプローブ顕微鏡像が標準試料のどの部分であるの
か判らなくなる場合があるし、確実に判るようにするた
めには精密なパターン認識処理が必要である。逆に、標
準試料側からみると、数μm角以下の異なったパターン
が高精度で配列されていることが必要であり、このよう
なパターンを作成すること自体困難であり、かつ、高価
なものとなり好ましくない。
【0008】本発明の目的は、上記従来技術における課
題を解決し、光学顕微鏡の光軸と探針との距離を短時間
で、かつ、容易に得ることができるプローブ顕微鏡装置
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明における第1の発明は、互いに直交するX軸
およびY軸に沿って変位するXYステージと、このXY
ステージとともに変位し試料を載置する試料テーブル
と、前記XYステージの変位量を計測する変位計と、前
記試料テーブルに対向して配置された探針と、前記試料
テーブルに対向しかつ前記探針から離れて配置される光
学顕微鏡とを備えたプローブ顕微鏡装置において、段差
部を備え前記探針により計測されるパターンと、前記段
差部を前記探針により検出可能な位置に変位させる第1
の位置決め手段と、この第1の位置決め手段により定め
られた位置での前記探針と対向する位置と前記パターン
上の段差部の所定点との距離を演算する第1の演算手段
と、前記所定点を前記光学顕微鏡の視野内に移動させる
第2の位置決め手段と、この第2の位置決め手段による
移動量を演算する第2の演算手段と、前記光学顕微鏡の
光軸と前記所定点の像との距離を演算する第3の演算手
段と、前記第1の演算手段、前記第2の演算手段、およ
び前記第3の演算手段により得られた値に基づいて前記
探針と前記光軸との距離を求める第4の演算手段とを設
けたことを特徴とする。
【0010】又、本発明における第2の発明は、互いに
直交するX軸およびY軸に沿って変位するXYステージ
と、このXYステージとともに変位し試料を載置する試
料テーブルと、前記XYステージの変位量を計測する変
位計と、前記試料テーブルに対向して配置された走査可
能な探針と、前記試料テーブルに対向しかつ前記探針か
ら離れて配置される光学顕微鏡とを備えたプローブ顕微
鏡装置において、段差部を備え前記探針により計測され
るパターンと、前記XYステージを駆動して前記探針に
よる前記段差部の検出により前記探針と前記パターン上
の段差部の所定点とを対向させる位置決め手段と、この
位置決め手段で前記探針と前記所定点とが対向したとき
の前記XYステージの位置を記憶する記憶手段と、この
記憶手段に記憶した値と当該記憶手段にさきに記憶され
ていた値とに基づいて前記探針と前記光学顕微鏡の光軸
との距離を求める演算手段とを設けたことを特徴とす
る。
【0011】
【作用】第1の発明では、最初にXYステージにより探
針とパターンとを対向させる。次に、第1の位置決め手
段により、探針が2つの段差部のいずれも検出できる位
置に試料テーブルを移動させる。このときの探針に対向
する位置と所定点との距離を第1の演算手段で演算す
る。次いで、第2の位置決め手段が所定点を光学顕微鏡
の視野内に移動させ、そのときの移動距離を第2の演算
手段で演算する。そして、第3の演算手段で上記視野内
の光軸と所定点との距離を演算する。第1の演算手段、
第2の演算手段および第3の演算手段で得られた値に基
づいて、第4の演算手段で探針と光軸との間の距離を演
算する。
【0012】又、第2の発明では、最初にXYステージ
により探針とパターンとを対向させる。次に、位置決め
手段により、探針で2つの段差部を交互に検出してゆ
き、これにより探針と所定点とを対向させる。次いで、
このときのXYステージの位置を記憶手段に記憶し、こ
の記憶した値と当該記憶手段にさきに記憶されていた値
とに基づいて、演算手段で探針と光学顕微鏡の光軸との
間の距離を演算する。
【0013】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例に基づいて説明
する。
【0014】図1は本発明の実施例に係るプローブ顕微
鏡装置による探針と光軸との距離の測定を説明する平面
図である。図で、1は図示しないXYステージに固定さ
れた試料テーブル、2は試料テーブル1の所定個所に蒸
着された金属の蒸着膜、5は光学顕微鏡の視野、X、Y
はXYステージおよび試料テーブル1の座標軸を示す。
【0015】図2は図1に示す蒸着膜の斜視図である。
蒸着膜2は方形に形成され、その厚みにより試料テーブ
ル1の面との間に微小な段差が形成される。2EX は図
1に示すX軸方向に沿う段差部、2EY はY軸に沿う段
差部である。Oは蒸着膜2の角部であり、この角部Oは
図1に示すXY座標軸上で予め定められた所定点であ
る。各段差部2EX 、2EY は所定点Oから互いに直交
方向に延びている。3はプローブ顕微鏡の探針を示し、
図示せぬアクチュエータによりX軸、Y軸およびこれら
と直交する軸(Z軸)方向に変位可能に設置されてい
る。2Sは探針3の走査範囲を示し、X軸、Y軸方向に
距離aの範囲で走査を行う。OP は探針3の位置又はこ
れと対向する蒸着膜2上の位置を示す。
【0016】図3は本実施例のプローブ顕微鏡装置の全
体構成図である。この図で、図1および図2に示す部分
と同一部分には同一符号が付してある。10XはX軸ス
テージ、10YはY軸ステージであり、これらでXYス
テージ10が構成されている。11は試料テーブル1に
取り付けられたL型ミラーである。12は探針3をX、
Y、Z軸方向に変位させるアクチュエータ(一般に圧電
素子により構成されている)、13は光学顕微鏡、14
は光学顕微鏡13の映像を電気信号に変換するCCDカ
メラ、15は支持台である。16はXYステージの変位
を制御するコントローラ、17はL型ミラー11の反射
を用いて試料テーブル1(XYステージ10)の変位量
を測定するレーザ変位計、18はアクチュエータ12の
駆動を制御するコントローラである。19はCCDカメ
ラ14からの信号に基づいて画像処理を行う画像処理装
置、20は画像処理装置19により処理された画像を表
示する表示装置である。21は演算制御部を示し、本実
施例における探針3と光学顕微鏡13の光軸間の距離測
定のための演算、制御、その他種々の演算、制御を行
う。
【0017】次に、プローブ顕微鏡の探針3を交換した
場合の新しい探針3と光学顕微鏡の光軸間の距離の測定
手段を説明する。先ず、測定者は目視により探針3を蒸
着膜2に対向する位置に移動させる。この移動は、蒸着
膜2を数ミリ角(例えば5ミリ角)に形成しておけば容
易に行うことができる。以後の処理は演算制御部21に
より自動的に実行される。
【0018】演算制御部21は蒸着膜2の所定点Oを探
針3の位置OP に接近させるようにXYステージ10
(試料テーブル1)を移動させる。この移動処理を図4
により説明する。演算制御部21は、上記目視により移
動させた位置関係(図4に示す蒸着膜2の位置200)
において、先ず、アクチュエータ12を用いて探針3を
X軸方向に1ライン、Y軸方向に1ライン走査させる。
この走査によっても蒸着膜2の段差部2EX 、2EY
両者が検出されない場合、演算制御部21は試料テーブ
ル1を、探針3の一方向の走査範囲である距離aだけX
軸方向およびY軸方向へそれぞれ変位させる。この変位
後の蒸着膜2の位置が図4に一点鎖線201で示されて
いる。
【0019】演算制御部21はこの位置で再び探針3を
X、Y軸方向へ各1ライン走査させ、蒸着膜2の段差部
2EX 、2EY が検出されるか否かを判断する。検出さ
れなければ、演算制御部21は再び上記と同様の変位、
検出処理を行う。このような処理を繰り返すことによ
り、最終的に蒸着膜2の段差部2EX 、2EY の両者が
検出される位置に蒸着膜2を位置決めすることができ
る。この位置が図4に二点鎖線20nで示されている。
上記の処理において、一方の段差部のみが検出された場
合、その後の処理は他方の段差部に対する変位、検出処
理となる。このように位置決めできた状態で、演算制御
部21はアクチュエータ12による探針3の変位又は試
料テーブル1の変位により、位置OP と所定点Oとの距
離XP 、YPを演算する。
【0020】次に、演算制御部21は、図1に示すよう
に、蒸着膜2の所定点Oが光学顕微鏡13の視野5内に
入るように試料テーブル1を移動させる。この移動距離
が図1においてX0 、Y0 で示されている。図1に示す
符号OR は光学顕微鏡13の光軸である。試料テーブル
1の上記移動距離X0 、Y0 は、探針3と光軸OR 間の
設計値距離又は探針交換前の両者間の距離とすることが
できる。その理由は、探針3の走査範囲に比較して光学
顕微鏡13の視野5は遥かに広く、上記移動距離により
所定点Oは確実に視野5内に入るからである。この状態
において、演算制御部21は画像処理装置19による画
像処理により光軸OR と所定点O間の距離Xm 、Ym を
演算することができる。このような画像処理は一般に良
く知られているので、説明は省略する。
【0021】最後に、演算制御部21は交換後の探針3
と光軸OR との間の距離を求める。両者の距離は、X軸
方向の距離が(X0 −XP −Xm )の演算により、又、
Y軸方向の距離が(Y0 −YP −Ym )の演算によりそ
れぞれ求めることができる。
【0022】このように、本実施例では、試料テーブル
1上に蒸着膜2を蒸着して、探針3で検出可能な段差部
2EX 、2EY を形成し、これら段差部2EX 、2EY
を用いて交換後の探針3と光軸OR 間の距離を測定する
ようにしたので、高精度で複雑なパターンの標準試料を
不要とすることができる。又、探針3による走査は1ラ
インのみであり、かつ、複雑なパターン認識処理を行う
必要もないので、測定は短時間で行うことができる。さ
らに、測定者は最初に探針3を蒸着膜2に対向させるだ
けで、以後、測定は自動的に実行されるので、測定者に
とって格別の手間も時間も必要としない。
【0023】なお、上記実施例の説明では、方形の蒸着
膜2を試料テーブル1に形成する例について説明した
が、これに限ることはなく、段差部2EX 、2EY を形
成するのは蒸着膜でなく他の物体でも良く、又、試料自
体が互いに交差する段差部をもつものであれば、これを
利用することもでき、要は2つの段差部が存在すれば本
発明を適用することができる。
【0024】又、上記実施例の説明では、段差部2E
X 、2EY がX軸およびY軸方向に沿って形成される例
について説明したが、各段差部がX軸、Y軸方向に沿わ
ないものである場合にも本発明を適用することができ
る。これを以下に図5を参照しながら説明する。
【0025】図5は蒸着膜2の所定点Oの近辺の平面図
である。図で2Sは図2に示すものと同じ探針3の走査
範囲、2EX 、2EY は段差部、OP は探針3と対向す
る位置(走査範囲2Sの中心点)である。X、Yは図1
に示すものと同じ座標系であり、探針3は上述のように
この座標系のX軸、Y軸に沿って走査される。x、yは
座標系X、Yとは別の座標系であり、そのx軸は段差部
2EX に沿った軸、y軸は段差部2EY に沿った軸であ
る。
【0026】ここで、 x1 :位置OP からY軸方向への探針3の走査により検
出された段差部2EX 上の点 x2 :位置OP から距離dX移動した点からY軸方向へ
の探針3の走査により検出された段差部2EX 上の点 y1 :位置OP からX軸方向への探針3の走査により検
出された段差部2EY 上の点 y2 :位置OP から距離dY移動した点からX軸方向へ
の探針3の走査により検出された段差部2EY 上の点 SY1:位置OP と点x1 との距離 SY2:位置OP から距離dX移動した点と点x2 との距
離 SX1:位置OP と点y1 との距離 SX2:位置OP から距離dY移動した点と点y2 との距
離 とする。
【0027】上記のように定め、次に、位置OP のxy
座標系の座標xP 、yP を求める。位置OP を原点とす
る座標系XYにおける点x1 、x2 の座標は、x1
(0,−SY1)、x2 (dX,−SY2)である。したが
って、座標系XYにおける直線(段差)2EX を表す式
は次のようになる。
【0028】
【数1】
【0029】同様に、位置OP を原点とする座標系XY
における点y1 、y2 の座標は、y1 (−SX1,0)、
2 (−SX2,dY)である。したがって、座標系XY
における直線(段差)2EY を表す式は次のようにな
る。
【0030】
【数2】
【0031】上記(1)、(2)式から、座標系XYに
おける直線2EX 、2EY の交点、即ち蒸着膜2の所定
点Oの座標は次のようになる。
【0032】
【数3】
【0033】このように、段差部2EX 、2EY が座標
系XYの各座標軸に沿った直線となってなくても、上記
の演算を実施することにより、図1、図4に示す距離X
P 、YP を得ることができる。
【0034】図6は本発明の他の実施例に係るプローブ
顕微鏡装置によるXYステージの移動処理を説明する平
面図である。この図で、図4に示す部分と同一又は等価
な部分には同一符号が付してある。演算制御部21は、
XYステージにより蒸着膜2を探針3に対向する位置に
移動させた後、XYステージ10を探針3がいずれかの
段差部(図では段差部2EY )に到達するまで移動させ
る。このときの探針3の蒸着膜2上の軌跡が符号L0
で、又、到達点(探針3で検出された段差部2EY の
点)が符号A1 で示されている。次に、演算制御部21
は、探針3が軌跡L0 に対して角度θをなす軌跡L1
沿うようにXYステージ10を移動させる。これにより
段差部2EX の点A2 が検出される。続いて、演算制御
部21は、XYステージ10を軌跡L1 に直交する方向
に距離dだけ移動させた後、軌跡L1と並行に、かつ、
逆方向に移動させる。これにより段差部2EX の点A3
が、さらに移動を続けることにより段差部2EY の点A
4 が検出される。このような処理を繰り返し実行する
と、探針3の軌跡は所定点Oに接近してゆく。
【0035】図7は図6に示す所定点Oの近辺の拡大平
面図である。上記の処理中、各軌跡が所定点Oから離れ
た位置にある場合には、各軌跡毎に必ず2つの点が検出
される。しかし、各軌跡が所定点Oに極めて接近し、例
えば図7に示すように、軌跡L5 により点A10が検出さ
れた後、XYステージ10を軌跡L5 と直交する方向に
距離dだけ移動させ、次いで、軌跡L6 に沿って移動さ
せたとき、いずれの段差部も検出されなくなる。
【0036】演算制御部21は、段差部の検出なしと判
断すると、その時点でXYステージ10を軌跡L6 に直
交する方向に、かつ、それまでとは逆方向に(所定点O
の側に)距離d/2だけ移動させた後、軌跡L7 に沿っ
て移動させる。これにより段差部2EY の点A11が、さ
らに移動を続けることにより段差部2EX の点A12が検
出される。次に、XYステージ10を、点A12から軌跡
7 と直交する方向に、今度は距離d/4だけ移動させ
た後、軌跡L8 に沿って移動させる。このとき、再び段
差部が検出されなければ、軌跡L8 に直交する方向に距
離d/8だけ移動させた後、軌跡L9 に沿って移動させ
る。この処理を繰り返すことにより、所定点Oと探針3
の位置とは一致することとなる。
【0037】演算制御部21は、上記の手段を用いて、
最初の探針3の取付け時における探針3と所定点Oとが
対向したときのXYステージ10の位置(座標)、およ
びそのときの探針3と光学顕微鏡13の光軸OR との距
離を内部の記憶部に記憶させる。そして、次回以降の取
付け時には、XYステージ10の位置のみを記憶し、こ
の記憶した位置を最初に記憶した位置と比較してそのず
れを演算し、この演算値で最初に記憶された探針3と光
学顕微鏡13の光軸OR との距離を補正演算すれば、取
付け時の両者の正確な距離を得ることができる。
【0038】なお、取付け時毎にXYステージ10の位
置、および探針3と光学顕微鏡13の光軸OR との演算
された距離を記憶し、取付け時における当該位置のずれ
で前回の距離を補正して正確な距離を得ることもでき
る。
【0039】このように、本実施例では、探針3の位置
と所定点Oを対向させるようにしたので、さきの実施例
と同じ効果を発揮するばかりでなく、探針3と光学顕微
鏡5との距離の演算をより一層簡略化することができ
る。
【0040】なお、上記各実施例の説明では、試料テー
ブルに直接蒸着膜を設ける例について説明した。しか
し、本発明では、2つの段差部とこれら段差部が交わる
所定点とさえ存在すればよいのであるから、これらを標
準試料に形成し、この標準試料を、試料テーブルの蒸着
膜2に代えて用いることができるのは当然である。そし
て、このような単純なパターンを標準試料として作成す
るのは極めて容易である。 なお、このような直線のみ
の単純なパターンであっても、実際に標準パターンとし
て真っすぐな直線を作成するのは困難である。しかし、
本発明では、段差部の検出ができればよいのであるか
ら、上記パターンにおける直線性が多少悪くても、又、
所定点がある程度円弧状に形成されていても、格別の支
障は生じない。これを図6、図7に示す実施例について
図8を用いて説明する。
【0041】図8は図7に示す部分に相当する部分の平
面図である。この図で、2EX 、2EY は図7に示す直
線の段差部であり、破線で示されている。2EXC、2E
YCは実際の段差部の形状を示し非直線形状となってい
る。又、所定点Oは丸みを帯びた形状となっている。こ
のような段差部および所定点の形状であっても、軌跡L
に示すように、図6、図7に示す手段を用いることがで
き、最終的に軌跡Ln の移動を行ったとき所定点Oが検
出され、何等の支障もなく探針3と所定点Oとを対向さ
せることができる。
【0042】
【発明の効果】以上述べたように、本発明では、それぞ
れ段差部を形成する2つの直線およびこれら各直線の交
点である所定点を備えたパターンを用い、XYステージ
を移動させて探針で上記各段差部を検出し、この検出位
置と所定点との位置関係、又は、各段差部の検出の繰り
返しにより得られる所定点と探針との対向位置に基づい
て交換後の探針と光軸間の距離を得るようにしたので、
複雑なパターン認識処理を行う必要はなく、短時間で、
かつ、容易に探針と光軸間の距離を得ることができる。
又、高精度で複雑なパターンの標準試料を不要とするこ
ともできる。さらに、測定者は最初に探針を段差部近辺
に対向させるだけで、以後、測定は自動的に実行される
ので、測定者にとって格別の手間も時間も必要としな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るプローブ顕微鏡装置を用
いた測定を説明する平面図である。
【図2】図1に示す蒸着膜の拡大斜視図である。
【図3】本実施例のプローブ顕微鏡装置の全体構成図で
ある。
【図4】蒸着膜の移動処理を説明する平面図である。
【図5】蒸着膜の所定点近辺の平面図である。
【図6】本発明の他の実施例における蒸着膜の移動処理
を説明する平面図である。
【図7】蒸着膜の所定点近辺の拡大平面図である。
【図8】蒸着膜の所定点近辺の拡大平面図である。
【符号の説明】
1 試料テーブル 2 蒸着膜 5 光学顕微鏡の視野 O 蒸着膜の所定点 OP 探針に対向する位置 OR 光学顕微鏡の光軸

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに直交するX軸およびY軸に沿って
    変位するXYステージと、このXYステージとともに変
    位し試料を載置する試料テーブルと、前記XYステージ
    の変位量を計測する変位計と、前記試料テーブルに対向
    して配置された探針と、前記試料テーブルに対向しかつ
    前記探針から離れて配置される光学顕微鏡とを備えたプ
    ローブ顕微鏡装置において、段差部を備え前記探針によ
    り計測されるパターンと、前記各段差部を前記探針によ
    り検出可能な位置に変位させる第1の位置決め手段と、
    この第1の位置決め手段により定められた位置での前記
    探針と対向する位置と前記パターン上の段差部の所定点
    との距離を演算する第1の演算手段と、前記所定点を前
    記光学顕微鏡の視野内に移動させる第2の位置決め手段
    と、この第2の位置決め手段による移動量を演算する第
    2の演算手段と、前記光学顕微鏡の光軸と前記所定点の
    像との距離を演算する第3の演算手段と、前記第1の演
    算手段、前記第2の演算手段、および前記第3の演算手
    段により得られた値に基づいて前記探針と前記光軸との
    距離を求める第4の演算手段とを設けたことを特徴とす
    るプローブ顕微鏡装置。
  2. 【請求項2】 互いに直交するX軸およびY軸に沿って
    変位するXYステージと、このXYステージとともに変
    位し試料を載置する試料テーブルと、前記XYステージ
    の変位量を計測する変位計と、前記試料テーブルに対向
    して配置された走査可能な探針と、前記試料テーブルに
    対向しかつ前記探針から離れて配置される光学顕微鏡と
    を備えたプローブ顕微鏡装置において、段差部を備え前
    記探針により計測されるパターンと、前記XYステージ
    を駆動して前記探針による前記段差部の検出により前記
    探針と前記所定点とを対向させる位置決め手段と、この
    位置決め手段で前記探針と前記パターン上の段差部の所
    定点とが対向したときの前記XYステージの位置を記憶
    する記憶手段と、この記憶手段に記憶した値と当該記憶
    手段にさきに記憶されていた値とに基づいて前記探針と
    前記光学顕微鏡の光軸との距離を求める演算手段とを設
    けたことを特徴とするプローブ顕微鏡装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2において、前記パ
    ターンは、前記試料テーブルの表面に設けられているこ
    とを特徴とするプローブ顕微鏡装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記パターンは蒸着
    により形成されることを特徴とするプローブ顕微鏡装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1又は請求項2において、前記パ
    ターンは、標準試料に形成されていることを特徴とする
    プローブ顕微鏡装置。
  6. 【請求項6】 請求項1において、前記第1の位置決め
    手段は、前記XYステージを直交する2つの軸方向に前
    記探針の走査距離ずつ移動させてゆく手段であることを
    特徴とするプローブ顕微鏡装置。
  7. 【請求項7】 請求項2において、前記位置決め手段
    は、前記XYステージを、前記探針が一方の前記段差部
    を検出するまで変位させる第1の移動手段、この第1の
    移動手段により検出された段差部の点から所定角度で他
    方の前記段差部を検出するまで変位させる第2の移動手
    段、およびこの第2の移動手段による移動の軌跡に対し
    て所定間隔を置いて繰り返し並行な移動を行う第3の移
    動手段、およびこの第3の移動手段で前記いずれの段差
    部も検出されなくなったとき、前記繰り返しの方向を逆
    方向に転じて前記所定点を前記探針に対向させる第4の
    移動手段を備えていることを特徴とするプローブ顕微鏡
    装置。
  8. 【請求項8】 請求項2において、前記記憶手段にさき
    に記憶されていた値は、最初に記憶された値であること
    を特徴とするプローブ顕微鏡装置。
  9. 【請求項9】 請求項2において、前記記憶手段にさき
    に記憶されていた値は、直前に記憶された値であること
    を特徴とするプローブ顕微鏡装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006023285A (ja) * 2004-06-08 2006-01-26 Olympus Corp 複合型走査プローブ顕微鏡及び複合型走査プローブ顕微鏡のカンチレバー位置表示方法
JP2009522560A (ja) * 2006-01-04 2009-06-11 イェーペーカー インストゥルメンツ アクチエンゲゼルシャフト 走査型プローブ顕微鏡を備えた測定システムを動作させるための方法、及び、測定システム

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