JPH062561Y2 - 化粧用コンパクト容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案は化粧用のコンパクト容器に係る。

「従来の技術」 例えば実開昭62−109006号公報のコンパクト容器があ
る。該容器は、容器本体と蓋体とを各後部で枢着すると
共に、容器本体前壁の中間部に上面開口の横溝を穿設
し、該横溝後壁の中間に設けた係合突条へ蓋体前部から
垂下するフックを係合させて蓋体閉塞状態を保持させ、
又上記横溝の一方側部内へ上記フック押上げ用斜面付き
の摺動杆を摺動自在に嵌合させ、上記横溝前壁の一部を
切欠いて上記摺動杆から把手を前壁前方へ突出させ、該
把手操作により摺動杆を移動させ上記斜面をフック下方
へ押込むことで、上記係合突条に対するフックの係合を
外すことが可能としている。

「考案が解決しようとする課題」 上記コンパクト容器は、回動子を前壁に枢着させて回動
子下部の押込みにより回動子の上面後部が蓋体を押上げ
て、容器本体と蓋体との係合を外すようにした従来構造
のコンパクト容器に比べて構造が簡易となる等の利点を
有するが、把手を容器本体前方へ突出するためその把手
が邪魔となり、又容器外見もその把手が損うこととな
り、更に前壁左右方向へ横設した横溝内へ嵌合させた摺
動杆を、該摺動杆から前方突出する把手を介して溝内で
摺動させ、該摺動杆先端の斜面でフックを押上げようと
するから、トルクを生じ、よって摺動杆と横溝との摩擦
が大となってフックの押上げに多くの力を要することと
なるものであった。

本案は上記横溝をコンパクト容器の前壁一端に開口させ
て設けると共に、上記把手を除去しかつ摺動杆基端を上
記横溝開口部に位置させて、該摺動杆基端面を横溝内方
へ押込むと該摺動杆先端の斜面がフックを押上げるよう
設けることで、上記従来例容器の欠点を除去するもので
ある。

「課題を解決するための手段」 容器本体１と蓋体２とを各後縁部で枢着させた化粧用コ
ンパクト容器において、上記容器本体前壁３の少くとも
一端部前面を切欠きして肉薄部とすると共に、その切欠
き部の側面および前壁非切欠き部分の上面に開口させて
左右方向へ横溝４を穿設し、かつ該横溝の前後両壁面の
一方に付設した係合条５に蓋体前部から垂下するフック
６を係合させ、又上記切欠き部の内端との間に押込み用
摺動間隙をおいて、切欠き部外端側に位置させた基端厚
肉部後部から突出する薄肉板部を上記横溝内へ突出し、
該薄肉板部先端に設けた上向き傾斜面８の下部上面へフ
ック６下端を当接させた摺動杆７を設け、該摺動杆７の
抜出し防止と上向き傾斜面８によるフック６押上げのた
めの摺動とが可能に、上記薄肉板部と横溝壁面とに案内
溝１０と該案内溝内へ摺動に嵌合させた係合突条９とを
設けた。

「作用」 第２図実線の状態から、摺動杆７を後退させて蓋体２を
押下げると、フック下端は横溝４を形成する前壁３に付
設された係合条５下面へ係合して、容器本体に対する蓋
体閉塞状態が保持される。又該状態から摺動杆７を図右
方へ押込むと、傾斜面８がフック６下端を押上げて係合
条５との係合を外し、蓋体２を開放させる。

「実施例」 １は容器本体、２は該容器本体上面を開閉する蓋体であ
る。

容器本体の前壁３の少くとも一端部はその前面を切欠き
して該前壁部分を肉薄部とする。又その切欠き部の側面
および前壁非切欠き部分の上面に開口させて左右方向へ
横溝４を穿設してあり、又該横溝を形成する前壁面には
係合条５が付設させてある。該係合条は、蓋体前部から
垂下するフック６が蓋体閉塞時に係合して蓋体閉塞状態
を保持するよう設けたものである。上記切欠き形成で側
面開口側の横溝前方壁部分３ａは、その後方壁部分３ｂ
よりも短かくなっている。

上記横溝４内へは、摺動杆７を摺動自在に嵌合させる。
該摺動杆は、基端厚肉部から突出する薄肉板部先端を、
上面側から先端へいたるに従って次第に下降する上向き
の傾斜面８とし、かつ横溝４内へ押込んだ状態でその摺
動杆基端厚肉部７ａの前面は、容器本体前壁３前面と同
一垂直面上に位置するよう、かつ摺動杆の基端面は、横
溝４に対して所定位置まで後退させたとき、容器本体側
壁外面と同一垂直面上に位置するよう形成させてある。
基端厚肉部７ａの前面内端と切欠き部の内端との間には
押込み用摺動間隙を設ける。横溝４内からの摺動杆７の
抜出しを防止するため、その横溝を形成する前後の壁面
と摺動杆薄肉板部の前後両面とに突条９と該突条が嵌合
する案内溝10とをそれぞれ設けている。上記上向き傾斜
面８は、摺動杆７後退時において蓋体２のフック６が容
器本体前壁３の係合条５へ係合可能でかつ傾斜面の下部
上面へフック６下端を当接しており、該係合状態から基
端面押込みにより摺動杆７を横溝４内へ前進させると、
の傾斜面８がフック６を押上げて上記係合条５との係合
を外すよう設ける。

「考案の効果」 本案は既述構成とするもので、容器本体前壁３の少くと
も一端部前面を切欠きして肉薄部となし、かつその切欠
き部の側面および上面に開口させて前壁の非切欠き部分
へ横溝４を穿設し、又上記切欠き部の内端との間に押込
み用摺動間隙をおいて切欠き部外端側に位置させた基端
厚肉部７ａから突出する薄肉板部を上記横溝内へ突出
し、該薄肉板部先端に設けた上向き傾斜面８の下部上面
へ、蓋体２前部から垂下して上記横溝の壁面に付設した
係合条５に係合するフック６下端を当接させた摺動杆７
を設けたから、該摺動杆を横溝４内方へ押込む力をその
まま傾斜面８を介してフック６押上げの力に変換するこ
とが出来、よって摺動杆前面から前方突出する把手を介
して摺動杆を左右いずれかの方向へ移動させてその摺動
杆先端に設けた上向き傾斜面８によりフックを押上げる
場合に比べて、はるかに少い力で押上げを行うことが出
来る。又上記従来例のような、容器本体前壁前方へ突出
する把手を設けないから、その把手が邪魔となるような
ことがなく、かつ容器外見も向上させることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本来容器要部の分解斜視図、第２図は蓋体開放
状態でのその容器の斜視図である。 １…容器本体、２…蓋体 ４…横溝、７…摺動杆

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】容器本体１と蓋体２とを各後縁部で枢着さ
   せた化粧用コンパクト容器において、上記容器本体前壁
   ３の少くとも一端部前面を切欠きして肉薄部とすると共
   に、その切欠き部の側面および前壁非切欠き部分の上面
   に開口させて左右方向へ横溝４を穿設し、かつ該横溝の
   前後両壁面の一方に付設した係合条５に蓋体前部から垂
   下するフック６を係合させ、又上記切欠き部の内端との
   間に押込み用摺動間隙をおいて、切欠き部外端側に位置
   させた基端厚肉部後部から突出する薄肉板部を上記横溝
   内へ突出し、該薄肉板部先端に設けた上向き傾斜面８の
   下部上面へフック６下端を当接させた摺動杆７を設け、
   該摺動杆７の抜出し防止と上向き斜面８によるフック６
   押上げのための摺動とが可能に、上記薄肉板部と横溝壁
   面とに案内溝10と該案内溝内へ摺動に嵌合させた係合突
   条９とを設けたことを特徴とする化粧用コンパクト容
   器。