JPH06256094A - ニオブ酸リチウム単結晶薄膜の製造方法 - Google Patents

ニオブ酸リチウム単結晶薄膜の製造方法

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JPH06256094A
JPH06256094A JP6620393A JP6620393A JPH06256094A JP H06256094 A JPH06256094 A JP H06256094A JP 6620393 A JP6620393 A JP 6620393A JP 6620393 A JP6620393 A JP 6620393A JP H06256094 A JPH06256094 A JP H06256094A
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lithium niobate
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crystal thin
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JP6620393A
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Masanori Nakamura
正則 中村
Masahiro Tsuji
昌宏 辻
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Ibiden Co Ltd
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Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可視光領域での光損失が少なく、特にTMモ
ードの光伝搬特性に優れたニオブ酸リチウム単結晶薄膜
の製造方法を提供すること。 【構成】 Li2O−B23−Nb25 系溶融体フラッ
クスを用い液相エピタキシャル法によりタンタル酸リチ
ウム単結晶基板の表面に、適量のホウ素を含有するニオ
ブ酸リチウム単結晶薄膜を格子整合された状態で形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光応用システムを構築
するために必要な電気光学効果、音響光学効果、非線形
光学効果等を用いた導波路型光デバイスを始めとする各
種光学用途に好適なニオブ酸リチウム(LiNbO3
単結晶薄膜の製造方法に関し、特にタンタル酸リチウム
などのニオブ酸リチウム単結晶とは基本組成を異にする
ヘテロ材料からなるヘテロ基板上に格子整合された状態
で形成されるニオブ酸リチウム単結晶薄膜の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】最近、情報の多様化に伴い、大量の情報
を高速に様々な様式で交換可能な光通信システムや、こ
れらを記録再生する情報処理システムが必要とされ、こ
れに光技術を応用する試みが検討されている。また、光
計測分野においても、分解能の向上、電磁ノイズに対す
る安定性等から、光を用いた計測システムが検討されて
いる。このような光応用システムを構築してゆく為に
は、光源としての半導体レーザや、光路となる光ファイ
バーの他に、光マトリックススイッチ、光変調器、光フ
ィルター、光増幅器、第二高調波発生素子等の光デバイ
スが必要であり、更にこれらを集積化するには、導波路
型の光デバイスが必要となる。
【0003】そしてこのような導波路型光デバイス用の
材料として、ニオブ酸リチウム単結晶が電気光学効果、
音響光学効果、非線形光学効果等の各種の光学特性を備
えたものとして、特に注目を浴びている。このニオブ酸
リチウム単結晶の薄膜光導波路はTi拡散法やプロトン
交換法等によるものよりも結晶性に優れ、光損失も低い
という特性を備える。ところでこのニオブ酸リチウム単
結晶薄膜は、“オプトエレクトロニクス材料”電子通信
学会編 P.171〜(コロナ社 1983年 )に詳細に論じられ
ているように、液相エピタキシャル法(LPE法)によ
って製造するのが最も結晶性に優れ、好適であると言わ
れている。
【0004】そしてこのLPE法によりニオブ酸リチウ
ム単結晶薄膜を得るための一例として、例えば、本出願
人による特開平4−12095号公報に示されるよう
に、液相エピタキシャル成長用としてLi2O−V25
−Nb25 系溶融体フラックスを用い、これにタンタ
ル酸リチウム(LiTaO3) 単結晶基板をディップ
し、このタンタル酸リチウム単結晶基板上に液相エピタ
キシャル成長により光導波路用のニオブ酸リチウム単結
晶薄膜を形成する製造方法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このL
2O−V25−Nb25 系溶融体フラックスを用いて
製造すると、溶融体フラックスからニオブ酸リチウム薄
膜中にV25(V3+イオン)が混入し、このV3+イオン
によって光吸収、特に可視光領域での光吸収による伝搬
損失が増加し、このために光学特性としては未だ不十分
であった。
【0006】一方、可視光領域での光吸収を抑制する手
段として、日立金属(株)が1992年(平成4年)秋季第
53回応用物理学会学術講演会においてニオブ酸リチウ
ム基板(LiNbO3基板)上にLi2O−B23−Nb
25系溶融体フラックスによるLPE法によりニオブ酸
リチウム薄膜を形成したものを発表した。またソニー
(株)の山田氏等による Appl. Phys. Lett., Vol.61,
No.24, pp.2848(1992)には、MgO拡散ニオブ酸リチウ
ム基板をLi23−B23−Nb25系溶融体フラック
スにディップし、LPE法によりニオブ酸リチウム単結
晶薄膜を形成した例が記載されている。これらの例はい
ずれもニオブ酸リチウム単結晶薄膜中にVイオンが含ま
れないようにし(代わりにBイオンを含有させる)、こ
れにより光吸収を抑え、光導波損失の低減を図ったもの
である。
【0007】しかしながら、これらはいずれもニオブ酸
リチウム単結晶基板上にニオブ酸リチウム単結晶薄膜を
形成するもので、ここに用いられる基板は、ニオブ酸リ
チウム単結晶薄膜の結晶成長面がこのニオブ酸リチウム
単結晶と同材質の、いわゆるホモ基板(ニオブ酸リチウ
ム単結晶に異種元素を添加したものも含む)であって、
このホモ基板上にニオブ酸リチウム薄膜を形成するもの
である。したがって、ニオブ酸リチウム単結晶基板中に
MgOを含有させて屈折率を下げることにより薄膜の屈
折率(n1 )>基板の屈折率(n2 )を保つようにして
おり、そのために基板にドープしたMgOは、基板の
常光屈折率を下げるのでTEモードは伝搬するものの、
異常光屈折率を変化させないのでTMモードは伝搬しな
い、薄膜中にMgOをドープできない為耐光損傷性の
向上が図れない等の問題があった。
【0008】したがって、これまで導波路型デバイスと
して可視光領域での伝搬損失が低く、耐光損傷性にも優
れ、かつTE及びTMモードのいずれの導波光も損失無
く伝搬させることの出来るニオブ酸リチウム薄膜は製造
できていなかった。そこで本発明者等はこのような問題
点を解決するために種々研究した結果、Li23−B2
3−Nb25系溶融体フラックスを用いて、タンタル
酸リチウム等のニオブ酸リチウム単結晶とは基本的材質
を異にする六方晶構造のヘテロ単結晶基板上に格子整合
させた状態で形成したニオブ酸リチウム薄膜中に適当量
のホウ素を含有させることにより、主に可視光領域での
光学特性に極めて優れたニオブ酸リチウム単結晶薄膜が
製造されることを新規に知見し、本発明を完成するに至
ったものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るニオブ酸リ
チウム単結晶薄膜の製造方法は、ニオブ酸リチウム単結
晶とは基本組成を異にするヘテロ材料からなるヘテロ基
板をLi2O −B23−Nb25系溶融体に接触させ、
ヘテロエピタキシャル成長により前記ヘテロ基板上にホ
ウ素を含有するニオブ酸リチウム単結晶薄膜を格子整合
された状態で形成するようにしたことをその要旨とする
ものである。
【0010】ここにヘテロ基板は、六方晶構造を有する
単結晶基板であることが望ましい。例えば、サファイア
(Al23),石英(SiO2),ZnO,MgO,G
3Ga512 なども酸素原子の位置によって六方晶と
同構造を採る方位があるため使用できるが、特にタンタ
ル酸リチウム基板の結晶系が、ニオブ酸リチウムの結晶
系に類似しておりエピタキシャル成長させやすいこと、
品質のよいものが市販されていて安定して入手できるこ
と等の点で有利である。図1にはタンタル酸リチウム単
結晶基板上にニオブ酸リチウム単結晶薄膜を本発明に係
る製造方法により形成したものの1例の電子顕微鏡写真
を示している。
【0011】また、ニオブ酸リチウム単結晶薄膜は、前
記ヘテロ基板の(0001)結晶面に形成されることが望まし
い。図2に示すようにこの基板の(0001)面は、六方晶構
造のc軸に垂直な面を指すが、ニオブ酸リチウム単結晶
薄膜の結晶成長面として、六方晶基板の(0001)面はa軸
のみで構成されるため、a軸の格子定数を変えるだけで
ニオブ酸リチウム単結晶薄膜と格子整合させることが容
易にできる。本発明に係るニオブ酸リチウム単結晶薄膜
の製造方法によれば、ニオブ酸リチウム単結晶薄膜とニ
オブ酸リチウムに対してヘテロな六方晶構造を有するヘ
テロ基板とが格子整合されることによりそのヘテロ基板
と単結晶薄膜とが一体化し、微小クラックや結晶格子の
歪や欠陥などが極めて少ない、結晶性に優れた高品質の
膜が得られる。
【0012】ちなみにヘテロ基板上に形成されるニオブ
酸リチウム単結晶薄膜のa軸の格子定数は、ヘテロ基板
のa軸の格子定数の99.81〜 100.07%の範囲内のもの、
特に99.92〜 100.03%の範囲内のものが得られる。例え
ば、ヘテロ基板の格子定数が、5.153A である場合、ニ
オブ酸リチウム単結晶薄膜の格子定数は、5.150〜5.155
Aの範囲内ということになる。尚、ここで格子定数の単
位「A」は「オングストローム」を意味し、以下単に
「A」と表記する。かくしてこの格子定数の範囲を外れ
た場合、基板とニオブ酸リチウム単結晶薄膜の格子定数
を一致させ難く、光学材料として使用可能な光学特性の
優れたニオブ酸リチウム単結晶薄膜を充分に厚く形成す
ることができないことになる。
【0013】尚、ヘテロ基板のa軸の格子定数が、5.12
8〜5.173Aの範囲で適用できることが各種実験でわかっ
ている。上記範囲は基板上に形成されるニオブ酸リチウ
ムのa軸の格子定数の最大可変範囲であり、上記範囲を
外れた場合ニオブ酸リチウム以外の結晶が析出してしま
う。このため、基板のa軸の格子定数は上記範囲内であ
ることが望ましい。また、その形状も平板状に限らず、
棒状・繊維状・バルク状などの基体であっても構わな
い。
【0014】前記ヘテロ基板として特に好適なタンタル
酸リチウム単結晶を使用した場合、Na2O,Li2O,
23,Nb25,MgOなどからなる溶融体フラック
スを用いて液相エピタキシャル成長法により、ニオブ酸
リチウム単結晶薄膜のa軸の格子定数をタンタル酸リチ
ウム単結晶基板のa軸の格子定数に整合させながらその
タンタル酸リチウム単結晶基板上にニオブ酸リチウム単
結晶薄膜を結晶成長させる方法が採られる。ここで、ニ
オブ酸リチウム単結晶薄膜とタンタル酸リチウム単結晶
基板との格子整合は、形成されるニオブ酸リチウム単結
晶薄膜中にナトリウムとマグネシウムをドープすること
により行う。
【0015】前記Li2O、B23、Nb25の組成範
囲は、図3に示したLi2O−B23−Nb25の3成
分系の三角図において、A(88.90,2.22,8.88)、B
(55.00,43.00,2.00)、C(46.50,51.50,2.00)、
D(11.11,80.00,8.89)、E( 37.50,5.00,57.5
0)の5組成点で囲まれる組成領域内にあり、F(47.6
4,46.12,6.24),G(27.01,64.69,8.30),H(3
6.71,37.97,25.32),I(44.05,32.97,22.98)の
4組成点で囲まれる範囲が特に好適である。溶融体中の
Li2O 、B23及びNb25は、フラックスとして作
用してニオブ酸リチウム単結晶の液相エピタキシャル成
長を実現できる。
【0016】そしてこの溶融体組成によりヘテロ基板で
あるタンタル酸リチウム単結晶基板上に形成されるニオ
ブ酸リチウム単結晶薄膜中には、ホウ素が5〜1000ppm含
有されることとなる。このホウ素の含有量が 1000ppmを
越える場合は、ニオブ酸リチウム単結晶薄膜の光学的特
性が低下し、また5ppmより低い場合には、可視光域にお
いて光損傷が発生する。そしてホウ素は、3価の陽イオ
ン(B3+)の状態で薄膜中に含有されていることがその
後の結合状態が最も安定していて好ましい。形成される
ニオブ酸リチウム薄膜中にバナジウムに代えてホウ素が
含有されることにより、このホウ素自身が耐光損傷性を
増す働きを有するばかりでなく、ホウ素が結晶格子中に
固溶されるため光損傷や可視光吸収の原因となる不純物
元素のニオブ酸リチウム薄膜中への混入を回避でき、し
たがって光損傷や可視光吸収等が生じないものと思われ
る。
【0017】また溶融体組成中のNa2Oの組成範囲は
モル比でNa2O/Li2Oが0.1/99.9〜50.0/50.0、
好ましくはモル比で1.0/99.0〜 10.0/90.0を満たす範
囲が良い。MgOの組成範囲は、形成されるニオブ酸リ
チウム単結晶薄膜中におけるMgO/ニオブ酸リチウム
比が、モル比で0.1/99.9〜25.0/75.0 を満たすものと
なる組成範囲内、好ましくは5.0/95.0〜9.0/91.0を満
たす範囲にあることが望ましい。
【0018】ナトリウムとマグネシウムは、ニオブ酸リ
チウム単結晶薄膜に含有させることによりニオブ酸リチ
ウム単結晶薄膜のa軸の格子定数が大きくなり、ニオブ
酸リチウム単結晶薄膜のa軸の格子定数をタンタル酸リ
チウム基板のa軸の格子定数に合わせることができ、厚
い膜厚を有するニオブ酸リチウム単結晶薄膜を得ること
ができる。ナトリウム、マグネシウムの含有によりニオ
ブ酸リチウム単結晶薄膜のa軸の格子定数が大きくなる
のは、ナトリウム、マグネシウムのイオンあるいは原子
がニオブ酸リチウム結晶格子に拡散(ドープ)される
か、あるいはニオブ酸リチウム結晶格子の構成イオンあ
るいは原子と置換されるためであると思われる。
【0019】そして上記した溶融体組成によりニオブ酸
リチウム単結晶薄膜中には0.02〜10.0モル%の範囲のナ
トリウム及び/又は 0.8〜10.8モル%の範囲のマグネシ
ウムが含有されることとなる。ナトリウムの含有量が0.
02モル%より少ない場合は、タンタル酸リチウム基板と
格子整合できるほど格子定数が大きくならず、また10.0
モル%を越える場合は、逆に格子定数が大きくなりす
ぎ、いずれの場合もタンタル酸リチウム基板とニオブ酸
リチウム単結晶との格子整合が得られない。好ましくは
0.05〜5.0モル%の範囲が良い。また、マグネシウムの
含有量が 0.8モル%より少ない場合は、光損傷を防止す
る効果が不充分であり、10.8モル%を越える場合は、ニ
オブ酸マグネシウム系の結晶が析出してしまう。好まし
くは0.5〜9.0モル%の範囲が良い。
【0020】尚、本発明方法において、ニオブ酸リチウ
ム単結晶薄膜とタンタル酸リチウム基板を格子整合させ
る手段は特に限定されるものではないが、一般にニオブ
酸リチウムの結晶構造のa軸方向の格子定数は、5.148
A であるのに対し、タンタル酸リチウムのa軸方向の
格子定数は、5.154A 程度であってニオブ酸リチウム単
結晶薄膜の方がやや小さい値であるため、ニオブ酸リチ
ウム単結晶薄膜に異種元素を含有させて格子定数を大き
くすることにより有利に格子整合させることができる。
【0021】ニオブ酸リチウム単結晶薄膜とタンタル酸
リチウム単結晶基板を格子整合させるための異種元素と
しては、前記したナトリウム、マグネシウムのほかに、
銀、カルシウム、コバルト、ジルコン、カドミウム、タ
ンタル、スカンジウム、錫等が挙げられる。その中で特
に、ナトリウムとマグネシウムのイオン又は原子は、ニ
オブ酸リチウムの結晶格子に対する置換あるいはドープ
により、ニオブ酸リチウムの格子定数(a軸)を大きく
する効果を有するため、ナトリウムとマグネシウムの組
成を調整することにより、容易に前記タンタル酸リチウ
ム単結晶等のa軸の格子定数がニオブ酸リチウム単結晶
より大きな基板とニオブ酸リチウム単結晶薄膜との格子
整合を得ることができる。更にナトリウムやマグネシウ
ムは光学特性を何らそこなうことがないだけでなく、マ
グネシウムについては光学損傷を防止するという重要な
効果も有する。
【0022】また本発明における原料組成物は、その酸
化物としての組成割合が、前記組成範囲内になるように
選択されるが、原料成分としては酸化物、もしくは加熱
により酸化物に変化する化合物が望ましく、例えば N
2CO3、Nb25、Li2CO3、B23、MgOの組
成物などの他に、NaNbO3、 NaBO2、LiNb
3、LiBO2なども使用できる。
【0023】本発明に係るニオブ酸リチウム単結晶薄膜
の製造方法を更に具体的に詳しく説明すれば、前述の溶
融体組成物は800〜 1300℃で加熱溶融され、また、その
加熱溶融は空気雰囲気下あるいは酸化雰囲気下で行われ
る。LPE法による単結晶薄膜育成のための温度は、80
0〜 1250℃であることが望ましい。ニオブ酸リチウムの
融点はおよそ1250℃であり、これ以上の温度では結晶が
析出せず、また溶融体(Li2O−B23−Nb25
の融点である800℃より低い温度では、原料を溶融液と
することができない。また、前記溶融体は、液相エピタ
キシャル成長に供する前に6〜96時間攪拌しておくこ
とが望ましい。攪拌時間が短い場合、溶融体中に結晶核
が残存し、この結晶核を中心に結晶成長するため、ニオ
ブ酸リチウム単結晶薄膜の表面に凹凸が発生し結晶性が
低下することがあるからである。
【0024】次にこの加熱溶融体を0.5〜300℃/時の速
度で冷却して過冷却状態とし(通常は1100℃位の温度で
加熱溶融し、60℃/時位の冷却速度で930〜950℃まで過
冷却している。)、しかる後この溶融体中に基板を回転
させながら浸漬し、この回転状態で基板上にニオブ酸リ
チウムの単結晶薄膜を結晶成長により育成させるもので
ある。
【0025】この場合ヘテロ基板のニオブ酸リチウム単
結晶薄膜形成面は化学研磨あるいは化学エッチングし、
その面粗度を、JIS B0601、RMAX=10〜1000Aとしてお
くことが望ましい。RMAX の値を10Aより小さくするこ
とは極めて困難であり、またRMAXの値が 1000Aより大
きくなると、形成されるニオブ酸リチウム単結晶薄膜の
結晶性が低下する。さらにエッジを面取りしておくとよ
い。エッジが面取りされていない場合、エッジ部分に微
細な疵ができ、熱衝撃でクラックが発生することがあ
る。面取りは、R面、C面いずれでもよい。尚、基板は
厚さ0.5〜2.0mmのものを用いる。0.5mm より薄いとクラ
ックが発生しやすく、2.0mm より厚い基板は、焦電効果
(加熱による放電効果)が問題となり、加熱や研磨によ
り帯電するため、研磨屑などが付着してスクラッチが発
生し易い。
【0026】育成の際には、タンタル酸リチウム基板を
回転させることにより均一な膜厚の結晶ができ、また安
定した光学特性のものが得られることとなる。回転は水
平状態にて行われ、その回転速度は、 5〜150rpmが一般
に選択される。そして所定時間経過後、溶融体中よりそ
の基板を取り出し、余分のフラックスを取り除いてから
冷却する。0.5〜 300℃/時の速度で冷却し、400℃から
は指数関数的に冷却させるのがよい。また、タンタル酸
リチウム基板のキュリー点の温度では、一定時間温度を
保つか、0.1〜5℃/分の速度で冷却させることが望まし
い。これよりキュリー点における結晶の相転移に伴うク
ラックの発生を防止できる。タンタル酸リチウム基板の
キュリー点は、一般には650℃である。
【0027】本発明においては基板と溶融体との接触時
間及び溶融体の温度を適当に選択することにより、基板
上に析出するニオブ酸リチウム単結晶薄膜の厚みを制御
することができる。通常ニオブ酸リチウム単結晶薄膜の
成長速度は、 0.01〜1.0μm/分が望ましい。これ以上
成長速度が速い場合、ニオブ酸リチウム単結晶薄膜にう
ねりが発生することがあり、また、これより成長速度が
遅い場合、薄膜の育成に時間がかかる。液相エピタキシ
ャル成長によりヘテロ基板状にニオブ酸リチウム単結晶
薄膜を形成した後、ニオブ酸リチウム単結晶薄膜の表面
からフラックスを除去して膜厚が不均一になることを避
けるようにする。基板に形成されたニオブ酸リチウム単
結晶薄膜を 100〜10000rpmで回転させることによりフラ
ックスを飛散させて除去するとよい。
【0028】ところで、光学デバイスの構成材料にニオ
ブ酸リチウムやタンタル酸リチウム単結晶を使用するた
めには、前記ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウム単
結晶が、電気光学効果、非線形光学効果など光学的に有
用な諸特性を有することが必要であり、そのためその製
造工程にて、結晶をキュリー点以上の温度に加熱して電
界をかけ、結晶をポーリング(分極)させなければなら
ない。そして、異種元素を含有させたニオブ酸リチウム
やタンタル酸リチウムなどの単結晶は容易にポーリング
できないことが知られている。
【0029】しかしながら、本発明に係るニオブ酸リチ
ウム単結晶薄膜の製造方法によるニオブ酸リチウム単結
晶薄膜は、基板であるタンタル酸リチウムが分極反転に
より電気的に中和されていても常に分極された状態にあ
り、極めて優れた電気光学効果、非線形光学効果などの
諸特性を示すため、ポーリング工程を必要とせず、製造
工程が簡単で、また従来困難とされていた異種元素を含
有させることが可能となったものである。
【0030】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明する。供
試試料としては、本発明に係るニオブ酸リチウム単結晶
薄膜の製造方法により製造された試料(以下、「本試
料」という)1〜6までを用意し、比較品にあっては従
来の製造方法により製造された試料(以下、「比較試
料」という)1〜6を用意した。これらの溶融体組成、
薄膜形成用に供試される基板の種類、この基板上に形成
される薄膜の厚さ、並びにこれらの供試試料の各種分析
結果と各種実験データ等は表1にまとめて示した。本試
料1〜6は、いずれも溶融体組成として Na2CO3
Li2CO3,B23,Nb25 及びMgOからなるも
のを用いて作製した。それぞれの組成物の配合量は表1
に示す通りである。MgOはその溶融物組成から析出可
能なLiNbO3 の理論量に対する添加量として示して
いる。この溶融体組成物としてV25が含まれていない
ことは勿論である。
【0031】基板は、本試料1〜6のいずれの場合もタ
ンタル酸リチウムの六方晶型単結晶のものを用いてい
る。そしてこのタンタル酸リチウムの単結晶基板の(000
1)面を光学研磨したものを供試している。このタンタル
酸リチウム単結晶基板を上述の溶融体組成物からなる溶
融体中にディップし、LPE法によりこの基板の(0001)
面上にニオブ酸リチウムの単結晶薄膜を結晶成長により
形成するものであるが、前記溶融体組成物は予め白金ル
ツボに入れ、エピキシャル成長育成装置中で空気雰囲気
下あるいは酸化雰囲気下で800〜1300℃で加熱溶融され
る。本試料1〜6の場合はいずれも空気雰囲気下で1100
℃に加熱溶融されている。
【0032】次にこの溶融体を0.5〜300℃/時の速度で
冷却して過冷却状態とした後、この溶融体に上述のタン
タル酸リチウム単結晶基板を回転させながら所定時間浸
漬し、タンタル酸リチウム単結晶基板の(0001)面にニオ
ブ酸リチウム単結晶薄膜を結晶成長させるものである。
本試料1〜6の場合は、溶融体の過冷却条件として60℃
/時の冷却速度で930〜950℃まで徐冷している。またL
PE法結晶成長時のタンタル酸リチウム単結晶基板の回
転速度はいずれも 20rpmとし、さらにその浸漬時間も5
分間とした。
【0033】LPE法によりタンタル酸リチウム単結晶
基板上にニオブ酸リチウム単結晶薄膜を形成した後、こ
れを溶融体から引き上げ、回転数 100〜10000rpmで回転
させてニオブ酸リチウム単結晶薄膜の表面から溶融体フ
ラックスを振り切って取り除き、しかる後低温まで徐冷
する。過剰の溶融体を除去するときの回転数は、本試料
1〜6のいずれも1000rpm とし、その回転時間は10分
間とした。かくして本試料1〜6のいずれの場合も5μ
mの厚さのニオブ酸リチウム単結晶薄膜が得られた。そ
のニオブ酸リチウム単結晶薄膜中のNa,Mg,及びB
の成分分析をICP発光分析によりおこなったのでその
結果を表1に合わせて示してある。本試料1〜6はいず
れもNa,Mg,及びBがそれぞれ適量づつ含有されて
いることがわかる。
【0034】またニオブ酸リチウム単結晶薄膜の結晶構
造のa軸方向の格子定数を通常の粉末X線解析により行
ったのでその結果も表1に示してある。格子定数は、C
u−2θ=45〜90゜ に検出されるニオブ酸リチウム
の15本のピークの2θの値とその面指数を用いて最小
二乗法により算出している。尚、測定においてはSiを
内部標準として使用している。
【0035】なお、測定には白金ルツボ内に堆積したニ
オブ酸リチウム単結晶粒いわゆるrestmeltを粉砕して試
料として用いた。実際の薄膜の格子定数を測定しようと
するとc軸方向にエピタキシャル成長しているため、X
線解析を行ってもc軸方向の格子定数cHしか求められ
ない。そこで、簡便に格子定数aHが求められるrestmel
tによる粉末X線解析法により、格子定数の算出を行っ
た。しかしながら実際の薄膜の格子定数はrestmeltによ
りaHの値よりも 0.002〜0.003Aだけ大きいため補正が
必要である。薄膜の正確な格子定数は、実際の育成温度
で白金線等に結晶を析出させて試料に供すればよい。こ
の測定結果によれば、本試料1〜6は5.151A〜5.156A
の間の値を示している。これはタンタル酸リチウム単結
晶基板結晶構造のa軸方向の格子定数 5.154Aに略近似
した値であることがわかる。
【0036】一方比較品として示した比較試料のうち、
比較試料1及び2は、ニオブ酸リチウム単結晶基板、す
なわちその上に形成されるニオブ酸リチウム単結晶薄膜
と基本的組成を同じくするホモ基板を用いている。そし
てこの基板を浸漬させる溶融体として、比較試料1はL
2CO3−B23−Nb25系を用い、一方比較試料2
はLi2CO3−V25−Nb25系を用いている。いず
れの試料もニオブ酸リチウム単結晶基板にMgOがドー
プされている関係上、薄膜中にNaやMgが混在しない
ように配慮している。したがって溶融体にはNa2CO3
及びMgOは配合されない。
【0037】ニオブ酸リチウム単結晶基板上にニオブ酸
リチウム単結晶薄膜をLPE法により結晶成長させて形
成する方法は、前述の本試料1〜6と略同じであるので
ここでは詳細な説明を割愛する。ただ最終的にニオブ酸
リチウム単結晶薄膜の厚さは、5μmとしている。また
成分分析結果(表1)からわかるように薄膜中にはNa
及びMgが混在されない。さらにX線解析による単結晶
薄膜のa軸方向の格子定数も、5.150A 程度であった。
比較試料3は、本試料1〜6と同じくタンタル酸リチウ
ム基板(ヘテロ基板)の上にニオブ酸リチウム単結晶薄
膜を形成したものであるが、その溶融体組成を異にする
Li2CO3−V25−Nb25系のものを用いている。
そしてこれに格子整合用としてNa2CO3を配合してな
るものである。
【0038】LPE法による単結晶薄膜の形成方法は本
発明品の場合とほとんど同じであり、その薄膜の厚さも
同じく5μmとした。ICP発光分析の結果では、Na
とVが混在し、Naが混在していることによりX線解析
結果でも判るように薄膜のa軸方向の格子定数が 5.154
Aと単結晶基板の格子定数に近い値を示した。これは格
子整合がよくなされていることを意味する。比較試料4
〜6はいずれもニオブ酸リチウムの単結晶薄膜が形成さ
れなかった例を示している。基板はいずれも本発明品と
同じくタンタル酸リチウム単結晶基板を用いている。ま
たLPE法による単結晶薄膜の形成方法もほとんで同じ
である。
【0039】比較試料4の場合に単結晶薄膜が形成され
なかったのは、溶融体組成中の B23 の配合量が多過
ぎるために、四ホウ酸リチウム(Li247 )のよう
なニオブ酸リチウム以外の結晶が析出したためである。
また比較試料5の場合は、溶融体組成中のNb25の配
合量が多過ぎるために、LiNb38のようなニオブ酸
リチウム以外の結晶が析出したためである。これらの比
較試料4及び5は、溶融体組成として前述の図3に示し
たLi2CO3−B23−Nb25の3成分系の三角図に
おける点A、B、C、D及びEの5組成点で囲まれる組
成領域より外れているために単結晶薄膜が形成されなか
ったものと思われる。比較試料6は、溶融体組成中のN
aCO3の配合量が多過ぎる。そのためにタンタル酸リチ
ウム単結晶基板上に形成されたのはニオブ酸リチウム単
相ではなく、第2相としてのニオブ酸ナトリウムが析出
した。
【0040】次にニオブ酸リチウム単結晶薄膜のTEモ
ード及びTMモードの光導波特性について測定した。そ
の結果は表1に示した通りである。すなわち本試料1〜
6は、TEモード及びTMモードとともにその光導波特
性は良好な結果が得られたのに対し、比較品である比較
試料1及び2はいずれもTEモードは導波するがTMモ
ードは導波不能ということで、TMモードにおける光導
波特性が劣る結果となった。これは本試料の場合ニオブ
酸リチウム単結晶薄膜がこの薄膜材料と異なるヘテロ基
板上に形成されたものであり、一方比較試料1及び2の
場合ニオブ酸リチウム単結晶薄膜がこの薄膜材料と同じ
くするホモ基板上に形成されたものであることに起因す
ると思われる。このことは、比較試料3がヘテロ基板上
にニオブ酸リチウム単結晶薄膜を形成したものであって
この試料のものがTMモードの光導波が可能であったこ
とからも首肯できる。
【0041】図4は溶融体フラックス中のNa置換量と
ニオブ酸リチウム単結晶薄膜のa軸方向の格子定数との
関係を示している。横軸に溶融体フラックス中のNa置
換量を、また縦軸に単結晶薄膜のa軸方向の格子定数を
採る。タンタル酸リチウム単結晶基板のa軸方向の格子
定数はおよそ5.154A弱の値を示している。この図4か
ら判るように、LV系(Li2CO3−V25−Nb25
系)溶融体フラックスを用いたものもLB系(Li2
3−B23−Nb25系)溶融体フラックスを用いた
ものも薄膜中のNa含有量が多くなるにつれて薄膜の格
子定数が上がる。また薄膜中にMgOを拡散(ドープ)
した方がドープしないよりも格子定数が高いことが判
る。
【0042】そしてこの図の測定データから明らかなよ
うに、LB系溶融体フラックスを用いた方がLV系のも
のよりもNa含有量に対する格子定数の増大傾向が高
く、Naに対する感受性が強いと言える。しかもNa含
有量が少ないレベルで早くタンタル酸リチウム単結晶基
板の格子定数に近い(又は略同じの)格子定数が得られ
る。このことからLB系溶融体フラックスを用いること
により薄膜中のNaなどの不純物が少なくて済み、それ
だけ薄膜の結晶構造が乱れのない緻密なものが得られて
光学定数等の向上が期待されるものである。
【0043】次にTMモード導波光についての光伝搬損
失を測定した結果も同じく表1に示しているが、使用波
長 0.633μmの可視光領域において本試料1〜6はいず
れも光伝搬損失の少ない良好な結果が得られた。これに
対してLV系溶融体フラックスを用いた従来品の比較試
料3のものは、この 0.633μmの使用波長では著しく光
損傷を受け、光伝搬損失を測定できなかった。尚、比較
試料1及び2は前述のようにTMモードの導波光を透過
しないのであるからこの実験に供することはできない。
【0044】次に耐光損傷性の評価テストを行ったので
そのテスト結果も表1に示す。この耐光損傷性の評価テ
ストは、入射光波長 0.633μmのTMモードの導波光を
プリズムカップリング法により導波し、出射パワーの経
時変化を測定することにより行った。光損傷が起きれ
ば、屈折率変化により散乱により出力パワーが小さくな
り、光損傷が起きなければ出力パワーの変化は生じな
い。このテスト結果を図5に示す。横軸に時間(測定点
数)、縦軸に出力パワーの変化を表している。そしてこ
の結果、LV系溶融体フラックスを用いた比較試料3の
ものは光出射後1分も過ぎれば急激に出力パワーの減少
を生じた。これは薄膜の光損傷により屈折率が変化し、
これにより光の散乱が生じて出力パワーの減少を招いた
ものと考察される。これに対し本試料は、いずれも出力
パワーの減少をほとんど生じることはなく、耐光損傷性
に優れているとの結果が得られた。
【0045】
【発明の効果】以上実施例について説明したように本発
明に係るニオブ酸リチウム単結晶薄膜の製造方法は、従
来のLi2O−V25−Nb25 系溶融体フラックスに
代えてLi2O−B25−Nb25 系溶融体フラックス
を用い、これにニオブ酸リチウム単結晶とは基本組成を
異にするヘテロ材料からなる六方晶系単結晶ヘテロ基板
(例えば、タンタル酸リチウム基板)をディップし、L
PE法によりこのヘテロ基板上にニオブ酸リチウム単結
晶薄膜が形成されるものである。
【0046】したがって、このヘテロ基板上に形成され
るニオブ酸リチウム単結晶薄膜中には、従来のバナジウ
ム(V)に代えてホウ素(B)が適量含有されるもので
あるから、製造されるニオブ酸リチウム単結晶薄膜は、
可視光域において耐光損傷性に優れ、光伝搬損失が
低く、ニオブ酸リチウム単結晶薄膜とヘテロ基板との
常光屈折率及び異常光屈折率の差が大きいためTE及び
TMモードの導波光のいずれをも伝搬することができ、
更に、マグネシア等の不純物のドーピングも容易なた
め、電気光学効果、音響光学効果、非線形光学効果等の
優れた光学特性を備える。そのため導波路型光デバイス
をはじめ、各種光学用途に好適なニオブ酸リチウム単結
晶薄膜を製造でき、産業上寄与する効果は極めて大き
い。
【0047】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るニオブ酸リチウム単結晶薄膜の製
造方法によりタンタル酸リチウム単結晶基板上に形成さ
れたニオブ酸リチウム単結晶薄膜の断面を示した電子顕
微鏡写真である。また、写真上の波形はホウ素のEPM
A分析の結果である。
【図2】ニオブ酸リチウム単結晶の成長面であるタンタ
ル酸リチウム基板の(0001)面を示す模式図である。
【図3】本発明において使用される溶融体フラックス中
の、Li2O−B23−Nb25の三成分系の三角図で
ある。各組成点は(Li2Oのモル%,B23のモル
%,Nb25のモル%)で表される。 Li2O/B23/Nb25 A( 88.90, 2.22, 8.88) B( 55.00, 43.00, 2.00) C( 46.50, 51.50, 2.00) D( 11.11, 80.00, 8.89) E( 37.50, 5.00, 57.50) F( 47.64, 46.12, 6.24) G( 27.01, 64.69, 8.30) H( 36.71, 37.97, 25.32) I( 44.05, 32.97, 22.98)
【図4】LB系溶融体フラックスとLV系溶融体フラッ
クスとの比較においてフラックス中へのNa2CO3の置
換量とニオブ酸リチウム単結晶薄膜のa軸の格子定数と
の関係を示した図である。
【図5】LB系溶融体フラックスとLV系溶融体フラッ
クスとの比較においてニオブ酸リチウム単結晶薄膜の耐
光損傷性のテスト結果を示す図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニオブ酸リチウム単結晶とは基本組成を
    異にするヘテロ材料からなるヘテロ基板をLi2O−B2
    3−Nb25 系溶融体に接触させ、ヘテロエピタキシ
    ャル成長により前記ヘテロ基板上にホウ素を含有するニ
    オブ酸リチウム単結晶薄膜を格子整合された状態で形成
    するようにしたことを特徴とするニオブ酸リチウム単結
    晶薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ヘテロ基板は六方晶構造を有する単
    結晶基板であることを特徴とする請求項1に記載のニオ
    ブ酸リチウム単結晶薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ニオブ酸リチウム単結晶薄膜は、前
    記ヘテロ基板の(0001)結晶面に形成されるようにしたこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のニオブ酸
    リチウム単結晶薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記Li2O−B23−Nb25 系溶融
    体の組成範囲は、Li2O−B23−Nb25 の3成分
    系の三角図において、A(88.90,2.22,8.88)、B(5
    5.00,43.00,2.00)、C(46.50,51.50,2.00)、D
    (11.11,80.00,8.89)、E(37.50,5.00,57.50)
    の5組成点で囲まれる組成領域内にあることを特徴とす
    る請求項1に記載のニオブ酸リチウム単結晶薄膜の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 前記Li2O−B23−Nb25系溶融
    体中には、Na2O及び/又はMgOを含み、 前記Na2O の組成範囲は、モル比でNa2O/Li2
    の値が0.1/99.9〜50.0/50.0 を満たす組成範囲内にあ
    り、 前記MgOの組成範囲は、形成されるニオブ酸リチウム
    単結晶薄膜中のMgO/ニオブ酸リチウムの値がモル比
    で0.1/99.9〜25.0/75.0 を満たすものとなる組成範囲
    であることを特徴とする請求項1又は請求項4に記載の
    ニオブ酸リチウム単結晶薄膜の製造方法。
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