JPH06255037A - 複合部材、その製造方法、及びそれを用いた複合成形品 - Google Patents

複合部材、その製造方法、及びそれを用いた複合成形品

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JPH06255037A
JPH06255037A JP6473993A JP6473993A JPH06255037A JP H06255037 A JPH06255037 A JP H06255037A JP 6473993 A JP6473993 A JP 6473993A JP 6473993 A JP6473993 A JP 6473993A JP H06255037 A JPH06255037 A JP H06255037A
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好太郎 畠
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 熱可塑性ノルボルネン系樹脂で形成された透
明基材に、熱可塑性ノルボルネン系樹脂100重量部に
充填剤5〜150重量部を添加して線膨張係数を低下さ
せたノルボルネン系樹脂組成物で形成された補強部材が
融着により一体に形成された複合部材をいわゆる二色射
出成形で製造し、補強部材を介して被着体と接着する。 【効果】 線膨張係数が大きな熱可塑性ノルボルネン系
樹脂の透明成形品と線膨張係数の小さな材料から成る被
着体とを接着しても、温度変化などによる膨張、収縮の
ために、接着面が剥離しにくい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複合部材、その製造方
法、それを用いた複合成形品に関し、さらに詳しくは、
熱可塑性ノルボルネン系樹脂から成る透明部分と充填材
を配合した熱可塑性ノルボルネン系樹脂組成物から成る
部分が融着により一体に形成されている複合部材、いわ
ゆる二色成形法により成形される前記複合部材の製造方
法、および線膨張係数が異なる被着体と前記複合部材を
接着した複合成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、
耐熱性、耐湿性、透明性などに優れた光学材料、電気絶
縁材料等として注目されている。
【0003】しかし、熱可塑性ノルボルネン系樹脂の線
膨張率は6〜8×10-5/℃程度である。金属やセラミ
クスなどの線膨張率が3.0×10-5/℃以下のものと
接着した場合には、線膨張係数の差が原因となり、温度
変化などにより、被着体同士が剥離してしまう欠点があ
った。熱可塑性ノルボルネン系樹脂に充填材を配合する
ことにより、線膨張率を5×10-5/℃以下に低下させ
ることが可能であることが知られているが、充填材の配
合により、透明性は失われるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、透明な
熱可塑性ノルボルネン系樹脂成形品と線膨張率の小さな
金属などを接着する際に、中間に充填材を添加して線膨
張率を低下させた熱可塑性ノルボルネン系樹脂から成る
補強部材を介在させることにより、温度変化などによる
膨張の大きさの違いによる剥離が起こりにくくなること
を見い出し、本発明を完成するに到った。
【0005】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、充填材無配合熱可塑性ノルボルネン系樹脂で形成さ
れた透明基材に充填材配合熱可塑性ノルボルネン系樹脂
で形成された補強部材が融着により一体に形成されてい
る複合部材、二つの流入口を設けた金型の一方から充填
材配合熱可塑性ノルボルネン系樹脂を射出した後、他方
から充填材を配合しない熱可塑性ノルボルネン系樹脂を
射出することを特徴とする複合部材の製造方法、二つの
流入口を設けた金型の一方から充填材を配合しない熱可
塑性ノルボルネン系樹脂を射出した後、他方から充填材
配合熱可塑性ノルボルネン系樹脂を射出することを特徴
とする複合部材の製造方法、および複合部材と被着体か
ら成り、複合部材の補強部材部分と被着体が接着されて
一体に形成されている複合成形品が提供される。
【0006】(熱可塑性ノルボルネン系樹脂)本発明で
用いる熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、特開平3−14
882号や特開平3−122137号、特開平4−63
807号などで公知の樹脂であり、具体的には、ノルボ
ルネン系単量体の開環重合体、その水素添加物、ノルボ
ルネン系単量体の付加型重合体、ノルボルネン系単量体
とオレフィンの付加型重合体、これらの重合体の変性物
などが挙げられる。
【0007】ノルボルネン系単量体も、上記公報や特開
平2−227424号、特開平2−276842号など
で公知の単量体であって、例えば、ノルボルネン、その
アルキル、アルキリデン、芳香族置換誘導体およびこれ
ら置換または非置換のオレフィンのハロゲン、水酸基、
エステル基、アルコキシ基、シアノ基、アミド基、イミ
ド基、シリル基等の極性基置換体、例えば、2−ノルボ
ルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5,5−ジメ
チル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネ
ン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−
2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2−ノル
ボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、5−メチル
−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−フ
ェニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−5−メチル
−2−ノルボルネン等; シクロペンタジエンの多量
体、その上記と同様の誘導体や置換体、例えば、ジシク
ロペンタジエン、2,3−ジヒドロジシクロペンタジエ
ン、1,4:5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−2,3−シクロペンタジエノナフタ
レン、6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,
4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、6−エチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,
4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、1,4:5,10:6,9−トリメタノ−1,
2,3,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,1
0a−ドデカヒドロ−2,3−シクロペンタジエノアン
トラセン等; シクロペンタジエンとテトラヒドロイン
デン等との付加物、その上記と同様の誘導体や置換体、
例えば、1,4−メタノ−1,4,4a,4b,5,
8,8a,9a−オクタヒドロフルオレン、5,8−メ
タノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒ
ドロ−2,3−シクロペンタジエノナフタレン等; 等
が挙げられる。
【0008】ノルボルネン系単量体の重合は公知の方法
でよく、必要に応じて、他の共重合可能な単量体と共重
合したり、水素添加することにより熱可塑性飽和ノルボ
ルネン系樹脂である熱可塑性ノルボルネン系重合体水素
添加物とすることができる。また、重合体や重合体水素
添加物を特開平3−95235号などで公知の方法によ
り、α,β−不飽和カルボン酸および/またはその誘導
体、スチレン系炭化水素、オレフィン系不飽和結合およ
び加水分解可能な基を持つ有機ケイ素化合物、不飽和エ
ポキシ単量体を用いて変性させてもよい。なお、耐湿
性、耐薬品性に優れたものを得るためには、極性基を含
有しない熱可塑性ノルボルネン系樹脂が好ましい。
【0009】分子量はシクロヘキサンを溶媒とするGP
C(ゲル・パーミエション・クロマトグラフィー)分析
により測定した数平均分子量で1〜20万が適当であ
る。また、水素添加する場合、耐光劣化性や耐候劣化性
を向上させるために、水素添加率は90%以上、好まし
くは95%以上、より好ましくは99%以上である。
【0010】本発明で用いる熱可塑性飽和ノルボルネン
系樹脂には、所望により、フェノール系やリン系などの
老化防止剤; フェノール系などの熱劣化防止剤; ベ
ンゾフェノン系などの紫外線安定剤; アミン系などの
帯電防止剤; 脂肪族アルコールのエステル、多価アル
コールの部分エステル及び部分エーテルなどの滑剤;な
どの各種添加剤を添加してもよい。また、本発明の目的
を損なわない範囲で、他の樹脂などを混合して用いるこ
ともできる。
【0011】(充填剤を配合した熱可塑性ノルボルネン
系樹脂組成物)本発明で用いる充填材を配した合熱可塑
性ノルボルネン系樹脂組成物は、熱可塑性ノルボルネン
系樹脂100重量部に対し、充填材を5〜150重量
部、好ましくは10〜100重量部配合することによ
り、線膨張係数を3〜5×10-5/℃程度まで下げたも
のである。
【0012】充填材としては、例えば、ガラス繊維、炭
素繊維、アルミナ繊維等の繊維状充填材; マイカ、タ
ルク、ガラスビーズ、シリカビーズ等の粉末状充填材;
等をはじめとして、特開平4−218557号公報な
どで公知の充填材を用いればよく、径が1〜100μ
m、特に2〜50μm、長さ0.01〜10mmの繊維
状充填剤、または径が0.1〜2μmの粉末状充填剤を
用いることが好ましい。これらの中でも、熱可塑性ノル
ボルネン系樹脂との密着性、充填後の加工性の点からガ
ラス、シリカ製のものが好ましく、ガラス繊維は通常の
チョップドストランドのものが好ましく、粉末状充填剤
としては真球に近いものが好ましい。ガラス繊維状充填
剤を使用する場合は、集束剤、シラン系、チタネート
系、アルミネート系等のカップリング剤等を併用しても
よい。同様にガラス製、またはシリカ製粉末状充填剤
も、シラン系、チタネート系、アルミネート系等のカッ
プリング剤等で表面処理して用いてもよい。
【0013】また、熱可塑性ノルボルネン系樹脂として
は、本発明の複合部材の透明基材部分に用いるものと同
じものが、融着による接着強度が強く、好ましい。
【0014】熱可塑性ノルボルネン系樹脂に充填剤を配
合する方法は特に限定されず、公知の方法が使用でき
る。例えば、単軸押し出し機、または二軸押し出し機を
使用すればよい。
【0015】(複合部材)本発明の複合部材は、熱可塑
性ノルボルネン系樹脂で形成された透明基材に充填材を
配合した熱可塑性ノルボルネン系樹脂組成物で形成され
た補強部材が融着により一体に形成されているものであ
る。
【0016】補強部材は、線膨張係数が3〜5×10-5
/℃程度の充填剤を配合した熱可塑性ノルボルネン系樹
脂組成物から成る。そのため、金属やセラミクスなど線
膨張係数が小さな被着体と接着しても、温度変化による
膨張、収縮の大きさの差によって剥離しにくい。さら
に、熱可塑性ノルボルネン系樹脂から成る透明基材部分
とは融着により一体に成形されているので剥離しにく
い。
【0017】補強部材の大きさは、透明基材部分や線膨
張係数の小さな被着体の大きさ、それらとの線膨張係数
の差の大きさ、接着面積などによって決められるが、通
常、補強部材は透明器材部分の1/10〜15/10程
度の厚さである。薄すぎると透明基材部分と被着体の膨
張、収縮の大きさの違いを緩衝できず、厚すぎると本発
明の複合部材が大きくなりすぎたり、透明基材部分と被
着体の間が開きすぎるという問題がある。また、透明基
材が平板の場合、補強部材は、一般に基材表面の所望の
位置に透明部分を残して設けられるが、立方体のような
形状の場合には、基材の面の全体に設けることもでき
る。
【0018】(複合部材の成形方法)複合部材を成形す
るには、いわゆる二色成形を行えばよい。本発明におい
ては、二つの流入口を設けた金型の一方から充填材を配
合した熱可塑性ノルボルネン系樹脂組成物を射出した後
他方から熱可塑性ノルボルネン系樹脂を射出して成形す
る、または、一方から熱可塑性ノルボルネン系樹脂を射
出した後他方から充填材を配合した熱可塑性ノルボルネ
ン系樹脂組成物を射出して成形する。成形条件は、特に
限定されず、一般の熱可塑性ノルボルネン系樹脂の射出
成形条件でよい。
【0019】(被着体)本発明で用いられる被着体は、
特に限定されない。例えば、鉄、銅、アルミニウム、ス
テンレス等の一般の金属、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラ
ス、光学ガラス、石英ガラス、放射線防護用ガラスなど
のガラス、セラミクス等の線膨張係数が3.0×10-5
/℃以下の材質のものであってもよい。本発明の複合部
材は、線膨張係数の小さな被着体と接着した場合でも、
温度変化の激しい環境下でも膨張、収縮による接着面の
剥離は生じにくい。
【0020】(複合成形品)本発明の複合成形品は被着
体と複合部材を接着したものである。前述のように、複
合部材の透明基材部分と被着体の間に複合材料の補強部
材部分が介在しており、接着面の剥離が起こりにくく、
複合成形品を一体のものとして使用できる。
【0021】接着に先だって、補強部材部分の接着面を
表面改質処理および/またはプライマー処理することが
好ましい。
【0022】熱可塑性ノルボルネン系樹脂の表面張力
は、通常、25〜40dyne/cm程度であるが、表
面改質処理により、50dyne/cm以上、好ましく
は60dyne/cm以上、より好ましくは70dyn
e/cm以上にすることができ、接着性を改良できる。
表面改質処理は、表面張力を上げ、接着性を改良できる
限り、特に限定されず、その具体例として、エネルギー
線照射処理と薬品処理などが挙げられる。
【0023】エネルギー線照射処理としては、コロナ放
電処理、プラズマ処理、電子線照射処理、紫外線照射処
理などが挙げられ、処理効率の点等から、コロナ放電処
理とプラズマ処理、特にコロナ放電が好ましい。エネル
ギー線照射処理条件は、目的の表面改質がなされる限
り、特に限定されず、公知の方法でよい。例えば、コロ
ナ放電処理の場合、特公昭58−5314号公報、特開
昭60−146078号公報などで公知の条件でよい。
また、プラズマ処理の場合も処理条件は特に限定され
ず、特公昭53−794号公報、特開昭57−1770
32号公報などで公知の条件でよい。
【0024】また、薬品処理としては、重クロム酸カリ
ウム溶液、濃硫酸などの酸化剤水溶液中に、浸漬し、充
分に水で洗浄すればよい。浸漬した状態で状態で振盪す
ると効率的であるが、長期間処理すると表面が溶解する
などの透明性が低下するといった問題があり、特に、極
性基を有する熱可塑性ノルボルネン系樹脂においては、
用いる薬品の反応性、濃度などに応じて、処理時間など
を調製する必要がある。
【0025】プライマー処理をする場合は、ハロゲン化
炭化水素重合体から成り、通常、分子量5,000〜2
00,000、好ましくは10,000〜150,00
0、より好ましくは20,000〜100,000のプ
ライマーを用いる。このようなハロゲン化炭化水素重合
体としては、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソ
プレン、スチレンなどの炭化水素系モノマーを重合また
は共重合した炭化水素系ポリマーをハロゲン化したも
の、またはビニルクロリド、ベニリデンクロリド、クロ
ロプレンなどのハロゲン含有モノマーを重合または共重
合したものなどである。なかでも、炭化水素系ポリマー
を塩素化したものが好ましく、特に塩化ポリプロピレン
が好ましい。
【0026】ハロゲンの含有量は、15〜55重量%、
好ましくは20〜45重量%、より好ましくは25〜3
5重量%である。分子量が小さすぎるとプライマー層の
強度が低くなり、大きすぎると粘度が高くなりすぎて塗
布の作業性が悪い。また、ハロゲンの含有量が少なすぎ
ても多すぎてもプライマー層と接着面、プライマー層と
接着剤層との接着性が悪くなる。
【0027】また、紫外線硬化型接着剤を用いる場合
は、紫外線硬化型接着剤に用いられている光重合性モノ
マー、光重合性オリゴマーなど、特に単官能アクリレー
トモノマーを2〜20重量%添加すると、プライマー層
と接着剤層との接着性が向上するので好ましい。
【0028】プライマー処理においては、プライマーは
溶剤に溶解してプライマー溶液として用いる。溶剤は、
熱可塑性ノルボルネン系樹脂に対する実質的貧溶媒であ
れば、特に限定されない。例えば、トルエンは熱可塑性
飽和ノルボルネン系樹脂の良溶媒であるが、メチルイソ
ブチルケトンで70重量%以下に希釈すれば、熱可塑性
飽和ノルボルネン系樹脂に塗布しても浸食が小さくなる
ので、プライマーの溶剤として用いることができる。ま
た、紫外線硬化型接着剤を用いる場合は、n−ブチルメ
タクリレートやイソアミルメタクリレートなどの単官能
アクリレートも熱可塑性ノルボルネン系樹脂に対する貧
溶媒であり、前述のプライマーに添加するの光重合性モ
ノマーとしての効果を有する反応性希釈剤であるため、
好ましいものである。
【0029】プライマー溶液の濃度は1〜30重量%、
好ましくは2〜20重量%、より好ましくは3〜10重
量%である。
【0030】プライマー層は、熱可塑性飽和ノルボルネ
ン系樹脂からなるハードコート層形成面に塗布し、溶剤
中の揮発成分を十分に除去することにより形成される。
なお、例えば、プライマーの溶剤として前述のような反
応性希釈剤のみを使用する場合は、揮発成分の除去操作
は不要である。
【0031】プライマー溶液の塗布方法は特に限定され
ず、例えば、スプレー、浸漬、スピンコート、ロールコ
ーター等が可能である。また、プライマー溶液中の揮発
成分の除去方法も特に限定されない。溶剤を実質的に除
去するのに必要な揮発温度と時間は、使用する溶剤の種
類、塗布量、接着面またはハードコート層形成面の形状
によっても異なるが、ハードコート層形成面を有する成
形品の熱変形がないように、おおむね120℃以下で、
かつ、十分に除去できるように条件を決定すればよい。
具体的には60〜120℃で、3〜60分程度の放置し
ておくのが適当である。高温で揮発成分を除去した後
は、室温で10秒〜10分程度の冷却を行い、ほぼ室温
近くまで冷却することが好ましい。
【0032】塗布する量は、特に限定されないが、厚さ
が1〜10μm程度、特に2〜5μm程度になるように
することが好ましい。塗布後に揮発成分の除去が必要な
場合は、十分な除去後に上記の厚さになるようにするこ
とが好ましい。プライマーの塗布量が少ないと、プライ
マーの効果が小さく、多すぎると乾燥が困難であった
り、十分な接着性が得られなかったりする。
【0033】(接着方法)接着方法は特に限定されない
が、一般に、接着剤を用いる。接着剤も特に限定されな
いが、熱可塑性ノルボルネン系樹脂との接着性、被着体
との接着性を考慮して、十分な接着強度を有するものを
選択する。一般には、紫外線硬化型エポキシ系接着剤、
紫外線硬化型アクリル系接着剤、ポリウレタン系接着
剤、熱硬化型エポキシ系接着剤、ホットメルト系接着
剤、シリコン系接着剤、溶剤型ゴム系接着剤等が用いら
れる。それぞれ、その接着剤に応じた接着方法で接着す
ればよい。ただし、熱硬化型の接着剤を用いる場合は、
用いる熱可塑性ノルボルネン系樹脂のガラス転移温度
(以下、Tgという)以下で硬化できる接着剤を、溶剤
型接着剤を用いる場合は、熱可塑性ノルボルネン系樹脂
を溶解しない溶剤を用いた接着剤を選択する必要があ
る。
【0034】本発明の複合成形品としては、具体的に
は、セラミクス製のCCDに透明基材を接着したCCD
複合体、金属枠に接着して取り付けた液晶基板などが挙
げられる。
【0035】
【実施例】以下に参考例、実施例、比較例を挙げて、本
発明を具体的に説明する。なお、表面張力はぬれ指数標
準液を用いて測定した。
【0036】参考例1 ZEONEX 280(日本ゼオン製、熱可塑性飽和ノ
ルボルネン系樹脂、数平均分子量約28,000、ガラ
ス転移温度約140℃)60重量部にガラス製繊維状充
填剤(旭ファイバーグラス社製、486A、平均径13
μm、長さ3mm)40重量部を二軸押し出し機を用い
て混練して、組成物Fを得た。
【0037】参考例2 ZEONEX 280 50重量部とガラス製粉末状充
填剤(龍森製、CRS1100、平均径25μm)50
重量部を二軸押し出し機を用いて混練して、組成物Bを
得た。
【0038】実施例1 樹脂温度285℃、金型温度80℃、射出圧力800k
g/cm2でZEONEX 280を、続けて、組成物
Fを二色射出成形し、厚さ1.5mmで15mm×40
mmのZEONEX 280製透明シートの上に、厚さ
2.0mmで15mm×40mm、中央に11mm×1
6mmの穴が開いた組成物F製シートが積層されて一体
となった複合部材Fを成形した。
【0039】実施例2 組成物Fに代えて組成物Bを用い、組成物Bを射出した
後にZEONEX 280を射出する以外は実施例1と
同様に複合部材Fmと同様の複合部材Bmを得た。
【0040】実施例3 複合部材Fm、複合部材Bmの補強部材接着面(15m
m×40mmで中央に11mm×16mmの穴が開いた
面)に、プラズマ処理装置(サムコインターナショナル
製、PD−2型)を用いて、真空排気後、酸素ガスを導
入し、10-1torrに保った環境下、100Wの高周
波を印加して10分間のプラズマ処理を行い、それぞ
れ、複合部材Fp、複合部材Bpを得た。複合部材F
p、複合部材Bpの接着面の表面張力は72dyne/
cm(検出限界)以上であった。
【0041】ビスフェノールAエポキシ樹脂(油化シェ
ルエポキシ製、エピコート828)100重量部にジエ
チレントリアミン10重量部を混合し、直ちに、複合部
材Fp、複合部材Bpの接着面に約200μmの厚さに
塗布し、この接着面を15mm×40mmのアルミ板
(線膨張率2.4×10-5/℃)と接合して、100℃
に2時間保持して接着し、複合部材Fpから複合成形品
Fe、複合部材Bpから複合成形品Beを得た。
【0042】接着した室温(20℃)に1時間おいた
後、複合成形品をどちらも、−30℃に30分間放置と
80℃に30分間放置を50回繰り返すヒートサイクル
試験にかけたが、接着面は剥離しなかった。
【0043】比較例1 組成物Fの代わりにZEONEX 280を用いる以外
は実施例1と同様にして部材Zmを得、複合部材Fmの
代わりに部材Zmを用いる以外は実施例3と同様にし
て、複合部材Zpを得、さらに複合成形品Zeを得た。
【0044】接着した室温(20℃)に1時間おいた
後、複合成形品Zeを、−30℃に30分間放置と80
℃に30分間放置を50回繰り返すヒートサイクル試験
にかけたところ、接着面が剥離した。
【0045】
【発明の効果】本発明の成形部材を用いれば、線膨張率
が大きく透明な熱可塑性ノルボルネン系樹脂成形品部分
と線膨張率の小さな材料からなる部分の間で、温度変化
などによる剥離が起こりにくい成形品が得られる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 9:00 4F (72)発明者 夏梅 伊男 神奈川県川崎市川崎区夜光1丁目2番1号 日本ゼオン株式会社研究開発センター内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ノルボルネン系樹脂で形成され
    た透明基材に充填材を配合した熱可塑性ノルボルネン系
    樹脂組成物で形成された補強部材が融着により一体に形
    成されている複合部材。
  2. 【請求項2】 二つの流入口を設けた金型の一方から充
    填材を配合した熱可塑性ノルボルネン系樹脂組成物を射
    出した後、他方から熱可塑性ノルボルネン系樹脂を射出
    することを特徴とする請求項1記載の複合部材の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 二つの流入口を設けた金型の一方から熱
    可塑性ノルボルネン系樹脂を射出した後、他方から充填
    材を配合した熱可塑性ノルボルネン系樹脂組成物を射出
    することを特徴とする請求項1記載の複合部材の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の複合部材と被着体から成
    り、複合部材の補強部材部分と被着体が接着されて一体
    に形成されている複合成形品。
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