JP3303403B2 - 接着層を有する成形品 - Google Patents

接着層を有する成形品

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、いわゆるBステージの
接着層を有する成形品に関し、さらに詳しくはBステー
ジの接着層を有する熱可塑性ノルボルネン系樹脂から成
る成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】成形品と被着体を熱硬化性組成物を用い
て接着するにあたり、成形品の接着面に熱硬化性組成物
を塗布して半硬化させたいわゆるBステージの接着層を
設けておき、保管、流通させた後、被着体と接合させて
加熱してする方法が取られることがある。
【0003】しかし、熱可塑性ノルボルネン系樹脂成形
品としては、そのような接着層を有する成形品は知られ
ておらず、そのような接着層により充分な接着性が得ら
れるかどうか分からなかった。
【0004】また、熱可塑性ノルボルネン系樹脂は線膨
張係数が6〜8×10-5/℃程度であり、線膨張係数が
3.0×10-5/℃以下の、例えば金属やセラミクスな
どの材料から成る被着体と熱可塑性ノルボルネン系樹脂
製の被着体とを接着して、温度変化の激しい環境下で使
用すると、接着面が剥離しやすいという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、充填剤
を含有する熱硬化性エポキシ樹脂組成物を溶剤に溶かし
て被着体の接着面に塗布し、溶媒を除去して、いわゆる
Bステージとした接着層を有する成形体を用いることに
より、保管、流通に適していることを見い出し、さら
に、可撓性付与材を含有する熱硬化性エポキシ樹脂組成
物を用いれば、接着後は温度変化の激しい環境下での使
用においても剥離しにくいことを見い出し、本発明を完
成するに到った。
【0006】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、固形エポキシ樹脂、硬化剤、充填剤及び溶剤から成
る接着剤を、表面が熱可塑性ノルボルネン系樹脂から成
る成形品に塗布し、溶剤を除去して成る接着層を有する
成形品が提供される。
【0007】(熱可塑性ノルボルネン系樹脂)本発明で
用いる成形品は接着面が熱可塑性ノルボルネン系樹脂か
ら成る。熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、特開平3−1
4882号や特開平3−122137号、特開平4−6
3807号などで公知の樹脂であり、具体的には、ノル
ボルネン系単量体の開環重合体、その水素添加物、ノル
ボルネン系単量体の付加型重合体、ノルボルネン系単量
体とオレフィンの付加型重合体、これらの重合体の変性
物などが挙げられる。
【0008】ノルボルネン系単量体も、上記公報や特開
平2−227424号、特開平2−276842号など
で公知の単量体であって、例えば、ノルボルネン、その
アルキル、アルキリデン、芳香族置換誘導体およびこれ
ら置換または非置換のオレフィンのハロゲン、水酸基、
エステル基、アルコキシ基、シアノ基、アミド基、イミ
ド基、シリル基等の極性基置換体、例えば、2−ノルボ
ルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5,5−ジメ
チル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネ
ン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−
2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2−ノル
ボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、5−メチル
−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−フ
ェニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−5−メチル
−2−ノルボルネン等; シクロペンタジエンの多量
体、その上記と同様の誘導体や置換体、例えば、ジシク
ロペンタジエン、2,3−ジヒドロジシクロペンタジエ
ン、1,4:5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−2,3−シクロペンタジエノナフタ
レン、6−エチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,
4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、1,4:5,10:6,9−トリメタノ−1,
2,3,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,1
0a−ドデカヒドロ−2,3−シクロペンタジエノアン
トラセン等; シクロペンタジエンとテトラヒドロイン
デン等との付加物、その上記と同様の誘導体や置換体、
例えば、1,4−メタノ−1,4,4a,4b,5,
8,8a,9a−オクタヒドロフルオレン、5,8−メ
タノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒ
ドロ−2,3−シクロペンタジエノナフタレン等; 等
が挙げられる。
【0009】ノルボルネン系単量体の重合は公知の方法
でよく、必要に応じて、他の共重合可能な単量体と共重
合したり、水素添加することにより熱可塑性飽和ノルボ
ルネン系樹脂である熱可塑性ノルボルネン系重合体水素
添加物とすることができる。また、重合体や重合体水素
添加物を特開平3−95235号などで公知の方法によ
り、α,β−不飽和カルボン酸および/またはその誘導
体、スチレン系炭化水素、オレフィン系不飽和結合およ
び加水分解可能な基を持つ有機ケイ素化合物、不飽和エ
ポキシ単量体を用いて変性させてもよい。なお、耐湿
性、耐薬品性に優れたものを得るためには、極性基を含
有しない熱可塑性ノルボルネン系樹脂が好ましい。
【0010】分子量はシクロヘキサンを溶媒とするGP
C(ゲル・パーミエション・クロマトグラフィー)分析
により測定した数平均分子量で1〜20万が適当であ
り、水素添加する場合、耐光劣化性や耐候劣化性を向上
させるために、水素添加率は90%以上、好ましくは9
5%以上、より好ましくは99%以上である。また、本
発明で用いる熱可塑性ノルボルネン系樹脂のガラス転移
温度(以下、Tgという)は、80〜200℃、好まし
くは90〜190℃、より好ましくは100〜180℃
のものである。
【0011】本発明で用いる熱可塑性ノルボルネン系樹
脂には、所望により、フェノール系やリン系などの老化
防止剤; フェノール系などの熱劣化防止剤; ベンゾ
フェノン系などの紫外線安定剤; アミン系などの帯電
防止剤; 脂肪族アルコールのエステル、多価アルコー
ルの部分エステル及び部分エーテルなどの滑剤; など
の各種添加剤を添加してもよい。また、本発明の目的を
損なわない範囲で、他の樹脂などを混合して用いること
もできる。
【0012】(成形品)本発明で用いる成形品を成形す
る方法は、特に限定されない。成形品全体を熱可塑性ノ
ルボルネン系樹脂で成形する場合は、射出成形、溶融押
し出し、熱プレス、溶剤キャスト、延伸など、熱可塑性
樹脂の一般の成形方法を用いることができる。
【0013】また、成形品の接着する相手の接着面が線
膨張係数が3.0×10-5/℃以下である場合、成形品
の接着面は、充填材を配合した熱可塑性ノルボルネン系
樹脂から成るものであることが好ましい。熱可塑性ノル
ボルネン系樹脂の線膨張係数は6〜8×10-5/℃程度
であるが、充填材を配合することにより線膨張係数を小
さくすることができる。例えば、熱可塑性ノルボルネン
系樹脂100重量部に対し、充填材を10〜100重量
部配合することにより、線膨張係数を3〜5×10-5
℃程度まで下げることが可能である。これにより、温度
変化のある環境下で接着した成形品を使用した際に、各
被着体の線膨張の大きさの違いによる接着面の剥離など
が生じにくくなる。成形品として透明性が必要な場合
は、例えば、透明性の必要な部分を充填材を配合しない
熱可塑性ノルボルネン系樹脂で、接着面を含むその他の
部分を充填材を配合した熱可塑性ノルボルネン系樹脂で
形成すればよく、例えば、いわゆる二色成形をすればよ
い。
【0014】充填材としては、例えば、ガラス繊維、炭
素繊維、アルミナ繊維等の繊維状充填材; マイカ、タ
ルク、ガラスビーズ、シリカビーズ等の粒子状充填材;
等をはじめとして、特開平4−218557号公報な
どで公知の充填材を用いればよく、特に、径が1〜50
μm、長さが0.01〜10mmの繊維状充填剤、また
は径が0.1μm〜1.0μmの粒子状充填剤を用いる
ことが好ましい。
【0015】(固形エポキシ樹脂)本発明で用いる固形
エポキシ樹脂は、分子量600〜3000、好ましくは
600〜2000、より好ましくは800〜1500の
ものである。分子量が多きすぎると軟化温度が高すぎる
ため、熱可塑性ノルボルネン系樹脂成形品が変形するこ
とがある。小さすぎる軟化温度が低すぎるため、液状に
なり、成形品上にBステージの接着層を形成できないこ
とがある。このようなエポキシ樹脂としては、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ
樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ヒダントインエポキシ樹脂
等が例示される。
【0016】(硬化剤)本発明で用いる硬化剤はエポキ
シ樹脂、溶剤、及び添加剤と共に配合された後、室温で
硬化せず、安定であり、溶剤を除去した後、用いる熱可
塑性ノルボルネン系樹脂のTg未満で熱硬化できるもの
である。好ましくは硬化開始温度が50℃〜Tg−5
℃、より好ましくは70℃〜Tg−10℃のものであ
る。硬化開始温度が低すぎると保存しているだけで硬化
することがあり、硬化開始温度が高すぎると熱可塑性ノ
ルボルネン系樹脂成形品が熱変形することがある。具体
的には、1−シアノエチル−2−フェニル−4,5−ジ
(シアノエトキシメチル)イミダゾール等のシアノエチ
ル置換イミダゾール類; 1−シアノエチル−2−ウン
デシルイミダゾリウムトリメリテート等のトリメリット
酸塩系イミダゾール誘導体類; 2,4−ジアミノ−6
−〔2−ウンデシルイミダゾリル−(1)〕−エチル−
S−トリアジン等のジシアンジアミド変性イミダゾール
誘導体類; 等のイミダゾール類の内、上記の条件を満
たすものが例示される。
【0017】(溶剤)本発明で用いる溶剤は、固形エポ
キシ樹脂及び可撓性付与剤を溶解できるものであれば特
に限定されない。このような溶剤としては、メチルエチ
ルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケト
ン類; トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香
族類; 酢酸メチル、プロピレンカーボネート、セルソ
ルブアセテート等のエステル類; 等が例示される。
【0018】(可撓性付与剤)本発明においては、接着
剤に可撓性を持たせ、線膨張係数の異なる被着体と接着
しても剥離しにくくするために、接着剤に可撓性付与剤
を配合することが好ましい。可撓性付与剤としては、硬
化させたエポキシ樹脂に柔軟性、強靱性、密着性等を付
与するために配合されるものであれば特に限定されず、
例えば、垣内弘編著『新エポキシ樹脂』(昭和60年、
昭晃堂発行)第270頁〜第283頁に記載されている
ものなどが挙げられ、具体的には、固形エポキシ樹脂及
び溶剤に可溶性のモノエポキサイド、ジエポキサイド、
ポリチオール、ポリカルボキシル化合物、ポリオール、
ウレタンプレポリマー、ブロック化ウレタンポリマー等
が挙げられ、中でも、ジエポキサイドが好ましい。
【0019】(充填剤)本発明においては、硬化収縮に
よる接着層の剥離をさけるために、接着剤に充填剤を添
加することが好ましい。充填剤は、特に限定されない
が、粒子状充填剤が好ましい。粒子状充填剤としては、
材質が、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、
ガラス、石英ガラス等のものが例示される。
【0020】(接着剤)本発明で用いる接着剤は、固形
エポキシ樹脂、硬化剤、及び溶剤から成る。それぞれの
配合量は固形エポキシ樹脂100重量部に対し、硬化剤
1〜20重量部、好ましくは3〜15重量部、溶剤30
〜150重量部である。硬化剤が多すぎるとポットライ
フが短くなることがあり、少なすぎると硬化が不十分と
なったり、硬化に時間を要する。溶剤が多すぎると粘度
が低すぎるために充填剤が沈降するため均一な接着層が
得られず、溶剤除去も時間がかかりすぎ、少なすぎると
粘度が高すぎるため均一な接着剤を得るのが困難であ
り、また塗布も困難である。可撓性付与剤を配合する場
合は、固形エポキシ樹脂100重量部に対し、50〜3
00重量部、好ましくは100〜200重量部配合す
る。可撓性付与剤が多すぎるとBステージ状態で表面が
過度の粘着性を持つことがあり、また硬化後に強度が不
十分になることがある。可撓性付与剤が少なすぎると硬
化後、十分な可撓性を有しない。充填剤を配合する場合
は、固形エポキシ樹脂100重量部に対し、10〜15
0重量部、好ましくは50〜100重量部配合する。充
填剤が多すぎると接着性に劣り、少なすぎると硬化収縮
が大きすぎるため接着層が剥離することがある。
【0021】さらに接着剤には、必要に応じて、本発明
の効果を損なわない範囲で顔料、染料、紫外線吸収剤、
消泡剤等を添加することができる。
【0022】(前処理)接着層を形成する前に、前処理
として表面改質処理、プライマー処理などを行ってもよ
い。
【0023】未処理の熱可塑性ノルボルネン系樹脂の表
面張力は、通常、25〜40dyne/cm程度であ
る。本発明においては、熱可塑性ノルボルネン系樹脂か
らなる成形品の表面を表面張力が50dyne/cm以
上、好ましくは60dyne/cm以上、より好ましく
は70dyne/cm以上になるように改質する。表面
改質処理としては、特に限定されず、その具体例とし
て、エネルギー線照射処理と薬品処理などが挙げられ
る。
【0024】エネルギー線照射処理としては、コロナ放
電処理、プラズマ処理、電子線照射処理、紫外線照射処
理などが挙げられ、処理効率の点等から、コロナ放電処
理とプラズマ処理、特にコロナ放電が好ましい。エネル
ギー線照射処理条件は、目的の表面改質がなされる限
り、特に限定されず、公知の方法でよい。例えば、コロ
ナ放電処理の場合、特公昭58−5314号公報、特開
昭60−146078号公報などで公知の条件でよい。
また、プラズマ処理の場合も特公昭53−794号公
報、特開昭57−177032号公報などで公知の条件
でよい。
【0025】また、薬品処理としては、重クロム酸カリ
ウム溶液、濃硫酸などの酸化剤水溶液中に、浸漬し、充
分に水で洗浄すればよい。浸漬した状態で状態で振盪す
ると効率的であるが、長期間処理すると表面が溶解する
などの透明性が低下するといった問題があり、特に、極
性基を有する熱可塑性ノルボルネン系樹脂においては、
用いる薬品の反応性、濃度などに応じて、処理時間など
を調製する必要がある。
【0026】プライマー処理を行う場合、プライマーと
しては、ポリカーボネートやポリメチルメタクリレート
などに対してシリコーン系ハードコート剤用のプライマ
ーとして用いられているものであれば、特に限定されず
に使用できる。このようなプライマーとして一般的なも
のは、熱可塑性アクリル樹脂(特開昭52−13856
5号公報、特公昭61−27184号公報、特公昭61
−27185号公報など)であり、耐久性を向上させる
ためにアミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、また
はアミド基などを導入したアクリル樹脂(特開昭53−
138476号公報、特開昭57−137154号公
報、特公昭61−27183号公報など)や、密着性を
向上させるためにケイ素原子を含有したアクリル樹脂
(特開平1−149879号公報)、エポキシ基含有の
アクリル樹脂と紫外線吸収剤の反応物などでもよい。ま
た、アクリル樹脂以外でも、エポキシ樹脂、ウレタン樹
脂、塩素化ポリオレフィンなども用いられており、エポ
キシシランとアミノシランの反応物、エポキシシランと
アミノシランの付加物をアミド化したもの(特開昭56
−16573号公報、特開平1−149879号公報な
ど)なども使用できる。
【0027】一般には、プライマーを溶剤に濃度1〜2
0重量%程度に溶解してプライマー溶液として用いる。
プライマー溶液に用いられる溶剤としては、メタノー
ル、エタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール
系溶剤; メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセ
ロソルブ系溶剤; ブタンジオール、ヘキサンジオール
等のグリコール類溶剤; トルエン、キシレン等の芳香
族系溶剤; 酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶
剤; クロロホルム、塩化メチル等のクロル系溶剤;
等を単独で、または混合した溶剤を用いる。
【0028】なお、プライマー溶液として、市販品のP
C−7A(信越シリコーン社製)、PH91(東芝シリ
コーン社製)、PH93(東芝シリコーン社製)なども
使用できる。
【0029】プライマー溶液の使用方法は、ポリカーボ
ネートやポリメチルメタクリレートなどに対してシリコ
ーン系ハードコート剤を用いる場合と同様である。例え
ば、プライマー溶液をロール、ハケ、スプレー等を用い
たり、ディッピングなどの方法により塗布し、20〜6
0℃で10分〜2時間程度乾燥する。通常、乾燥後のプ
ライマー層の厚さが1〜20μm程度、好ましくは2〜
15μmとなるようにする。
【0030】(接着層)本発明で接着層を形成する方法
は、特に限定されない。例えば、接着剤を、スクリーン
印刷による方法、マイクロディスペンサーを用いる方
法、刷毛を用いる方法、バーコーターを用いる方法等の
一般の塗布方法で、成形品の接着層形成面に塗布し、真
空乾燥などの方法で溶剤を除去する。塗布量は、溶剤除
去後に10〜400μm、好ましくは50〜350μ
m、より好ましくは100〜300μmの厚さの接着層
を形成するように塗布する。
【0031】(接着方法)本発明の成形品を接着するに
は、接着の相手の接着面と成形品の接着層を接合し、硬
化開始温度〜Tgに、0.5〜5時間、好ましくは、1
〜4時間、加熱して接着する。加熱しすぎると成形品が
変形することがあり、また硬化収縮が大きく剥離しやす
く、加熱が不十分でも硬化が不十分で剥離しやすい。加
熱時間が長すぎると生産効率が悪く、短すぎると硬化が
不十分で剥離しやすい。
【0032】
【実施例】以下に参考例、実施例、比較例を挙げて、本
発明を具体的に説明する。なお、表面張力はぬれ指数標
準液を用いて測定し、ヒートサイクル試験は以下のよう
に行った。
【0033】恒温恒湿器(Humidic Chamb
er IW240、ヤマト科学製)を用いて、−30℃
で30分、80℃で30分を1サイクルとして50サイ
クルの温度変化のある環境下に接着した試験片を保持し
た。
【0034】参考例1 ZEONEX 280(熱可塑性ノルボルネン系樹脂、
日本ゼオン製、数平均分子量28,000、水素添加率
99.7%以上、Tg約140℃)100重量部に対し
て0.2重量部のフェノール系老化防止剤ペンタエリス
リチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−ターシャリー
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)
0.2重量部を添加して、溶融押し出し法によりペレッ
トとした。
【0035】このペレットを以下の条件で射出成形し、
厚さ4.0mmの100mm×25mmの板状の試験片
を得た。この試験片の表面張力は32dyne/cmで
あった。 型締め圧:65t 樹脂温度:325℃ 金型温度:110℃(固定側)、100℃(可動側)
【0036】この試験片を高周波発信機(コロナジェネ
レーターHV05−2、Tamtec社製)を、出力電
圧100%、出力250Wで、直径1.2mmのワイヤ
ー電極を用い、電極長240mm、ワーク電極間1.5
mmで3秒間コロナ放電処理を行い、表面張力が72d
yne/cmになるように表面改質した。
【0037】実施例1 分子量約900〜1000の固形のエポキシ樹脂(YD
F−2001、東都化成製、ビスフェノールF型エポキ
シ樹脂)100重量部、イミダゾール系硬化剤(キュア
ゾール、四国化成製、1−シアノエチル−2−フェニル
−4,5−ジ(シアノエトキシメチル)イミダゾール)
12重量部、充填剤(K174−0.5、土屋カオリン
製、表面処理タルク、粒径0.5μm)63重量部、溶
剤(酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、和光
純薬製)72重量部を混合して接着剤を得た。
【0038】この接着剤を、参考例1で得た試験片の一
端の25mm四方を接着面として接着剤をスクリーン印
刷機(MS−200型、村上スクリーン製)を用いて塗
布し、80℃に加熱された真空オーブンに入れて、0.
1torrで90分間乾燥して溶剤を除去し、約200
μmのBステージ状態の接着層を形成した。
【0039】24時間後、2kgの重りのアルミ製の2
5mm×25mmの接着面と試験片の接着面を接合して
固定し、100℃の常圧オーブンに入れて3時間半の熱
硬化反応を行った。接着した試験片を持ち上げたとこ
ろ、接着面が剥離することなく、重りも持ち上がった。
【0040】実施例2 接着を行うのを、成形品上にBステージ状態の接着層を
形成した24時間後の代わりに168時間後にする以外
は実施例1と同様に処理した。この接着した試験片を持
ち上げたところ、接着面が剥離することなく、重りも持
ち上がった。
【0041】実施例3 接着剤にさらに可撓性付与剤(YD172、東都化成
製、ダイマー酸エポキシ樹脂)130重量部を配合する
以外に実施例1と同様にして接着剤を得た。
【0042】この接着剤を、試験片の一端の25mm四
方を接着面として接着剤をスクリーン印刷機(MS−2
00型、村上スクリーン製)を用いて塗布し、80℃に
加熱された真空オーブンに入れて、0.1torrで9
0分間乾燥して溶剤を除去し、約200μmのBステー
ジ状態の接着層を形成した。
【0043】24時間後、試験片の接着面と同型のアル
ミ片(線膨張係数約2.4×10-5 /℃)の一端の25
mm×25mmの接着面を接合して固定し、100℃の
常圧オーブンに入れて3時間半の熱硬化反応を行った。
この接着した試験片はヒートサイクル試験後も接着面の
剥離は認められなかった。
【0044】実施例4 接着を行うのを、成形品上にBステージ状態の接着層を
形成した24時間後の代わりに168時間後にする以外
は実施例3と同様に処理した。この接着した試験片はヒ
ートサイクル試験後も接着面の剥離は認められなかっ
た。
【0045】比較例1 分子量約900〜1000の固形のエポキシ樹脂に代え
て分子量約380で25℃での粘度12000〜150
00のエポキシ樹脂(YD−128、東都化成製、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂)を用いる以外は、実施例
3と同様に処理した。
【0046】溶媒を除去した後の接着層は、形状を保て
ずに流れてしまい、Bステージ状態の接着層を得られな
かった。
【0047】比較例2 分子量約900〜1000の固形のエポキシ樹脂に代え
て分子量約4000の固形のエポキシ樹脂(YD−01
7、東都化成性、ビスフェノールA型エポキシ樹脂)を
用いる以外は、実施例3と同様に処理した。この接着し
た試験片はヒートサイクル試験後、接着面が剥離した。
【0048】
【発明の効果】本発明の接着層を有する成形品は、接着
層がいわゆるBステージを形成しており、接着層が接着
能を有したまま、保管、流通することができ、また、さ
らに接着層に可撓性付与剤を含有させることにより、被
着体との接着後に温度変化の激しい環境下での使用にお
いても剥離しにくくなる。
フロントページの続き 審査官 ▲吉▼澤 英一 (56)参考文献 特開 平4−323231(JP,A) 特開 平3−69357(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 7/04 - 7/06 B32B 27/00 - 27/42

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固形エポキシ樹脂、硬化剤、及び溶剤か
    ら成る接着剤を、表面が熱可塑性ノルボルネン系樹脂か
    ら成る成形品に塗布し、溶剤を除去して成る接着層を有
    する成形品。
  2. 【請求項2】 接着剤がさらに可撓性付与剤を含有する
    ものである請求項1記載の接着層を有する成形品。
  3. 【請求項3】 接着剤がさらに充填剤を含有するもので
    ある請求項1、または2記載の接着層を有する成形品。
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