JPH0625262B2 - 滑り性改良法 - Google Patents

滑り性改良法

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JPH0625262B2
JPH0625262B2 JP23621787A JP23621787A JPH0625262B2 JP H0625262 B2 JPH0625262 B2 JP H0625262B2 JP 23621787 A JP23621787 A JP 23621787A JP 23621787 A JP23621787 A JP 23621787A JP H0625262 B2 JPH0625262 B2 JP H0625262B2
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glycolic
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忠弘 米田
三郎 中原
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は滑り性改良法に関するものである。更に詳しく
は、ポリエステルフィルムの滑り性を改良させる為に、
特定の製法で得られた無機酸化物微粒子のグリコール性
単分散体をポリエステルに添加する滑り性改良法に関す
るものである。
(従来の技術) ポリエステルは優れた物理的・化学的性能を有してお
り、それ故そのフィルムであるポリエステルフィルムは
磁気テープ用、光学写真用、蒸着用、コンデンサー用、
包装用等に広く用いられている。しかしながら、その優
れた性能にもかかわらず、製造工程中に種々の好ましく
ないトラブルが生じる場合がある。これはポリエステル
フィルムの滑り性の悪さに起因するものと考えられてい
る。さらに、ポリエステルフィルムをその表面に磁性層
を塗布又は蒸着などして磁気テープとして用いる場合に
は、特に滑り性の良さが要求される。これはフィルムの
滑り性が悪いとフィルムの製造時、磁性層塗布又は蒸着
時あるいはその他フィルム取扱い時にフィルム表面に
傷、しわ等が発生し、その為ドロップ・アウトが起こり
磁気テープの品質に問題が生じるからである。また、製
品としての磁気テープはテープ走行性の良さが不可欠で
ある為、良好な滑り性が求められる。その為に従来よ
り、ポリエステル中に微粒子を存在させて成型しフィル
ム表面に凹凸を形成せしめて摩擦抵抗を低下させる方法
が実際に行なわれている。
一方、近年ポリエステルフィルムの薄膜化と共に磁気記
録の高密度化、高性能化が一段と促進されるにつけ、フ
ィルムの滑り性と同時にフィルム表面の平坦化という一
見矛盾する性能が要求されるようになってきた。この相
入れない性能の要求に対する解決策として、フィルム表
面に微細でしかも均一な凹凸を施す方法が考えられる。
ところで従来、フィルム表面に凹凸を形成させる方法と
してイ ポリエステル合成時に使用する触媒、着色防止
剤などの一部又は全部を反応過程で析出せしめて微粒子
として存在させる方法、ロ ポリエステル合成時の任意
の段階で外部より無機微粒子を添加する方法が提案され
ている。
しかしイの方法はポリエステルの合成反応中粒子を生成
させる方法である為、粒子析出量や粒子径のコントロー
ルが困難であり、粗大粒子の生成が避け難いなどの問題
点があった。
一方、ロの方法で添加する無機微粒子としては、シリ
カ、酸化チタン、シリカ−アルミナ化合物、シリカ−マ
グネシア化合物、ガラス粉末、硫酸バリウム、炭酸カル
シウム、クレイ、雲母、タルク、リン酸カルシウム、リ
ン酸マグネシウム等従来工業的に入手しうる素材で、平
均粒径が0.001〜10μmのものがフイルムの用途に応
じて使い分けられている(特公昭59−8216号,特
開昭52−3645号公報等)。しかし、従来から用い
られているこれらの無機微粒子は、それらの製法に由来
するのであるが、粒径分布が広く、殆んどの粒子形状が
不定形である。シリカ微粒子を例にとると、ハロゲン化
ケイ素の熱分解法による平均一次粒子径0.02〜0.1μm
のシリカ、ケイ酸ナトリウム湿式法による1〜5μmの
凝集塊の粉砕シリカ、天然シリカの破砕体を溶融球形化
したシリカなどで、いずれも粒子形状が不定形であつた
り、仮に球形に近いものでも粒径分布が非常に広いもの
であった。
従来の上述した方法ではフィルム表面に凹凸は形成して
滑り性は改良されるが、粒子が不ぞろいである結果凹凸
の均一性に欠け、従って表面の平坦化には自ずと限度が
あった。
微粒子外部添加法の従来法による問題点を解決する方法
として本発明者らは先に特開昭62−207356号公
報で有機金属化合物をアルコール性溶液中で加水分解し
て製造された粒子が球形でしかも粒度分布のシャープな
無機酸化物微粒子であり、これをポリエステルに添加す
ることですぐれた滑り性改良を示すことを開示した。そ
の中の一実施態様であるが、上記した方法で製造された
無機酸化物微粒子粉末をポリエステル合成中に添加する
方法では確かにフィルムとした時に均一微細な凹凸を形
成せしめることができるが、凝集粒子も混在し、微粒子
個々の粒子径の均一性を十分生かしきれない問題があっ
た。
凝集粒子を減少させる方法として、これも上記発明の一
実施態様であるが、反応原料であるグリコール中に予め
微粒子粉末を高分散化させておく方法は有効ではある
が、凝集粒子の分離除去又は凝集粒子の解砕の為に分散
剤の添加、超音波処理など煩雑な工程が必要である上
に、未だ凝集粒子の混在は避けられないという問題があ
った。その上、無機酸化物微粒子のグリコール中での分
散安定性が悪く粒子が沈降分離したり、ポリエステル重
合時該粒子のグリコールスラリーを高温雰囲気中に添加
する際熱ショックにより粒子が凝集し易い等の問題があ
った。
又、有機高分子であるポリエステルと無機酸化物微粒子
とは本来なじみ難く、密着強度が弱い為フィルムを延伸
する際ボイドが生成したり、フィルム使用時粒子が脱落
し易いという問題があって無機微粒子をシランカップリ
ング処理等の表面処理を施す必要がある等煩雑な工程を
とることで解決する試みはなされている。
一方、無機酸化物微粒子のグリコール分散体の製法につ
いては従来より種々の方法が提案されている。水ガラス
を原料とした水系シリカゾルをグリコールで溶媒置換す
る方法(特開昭56−47429号公報など)、水ガラ
ス等を原料とした水系ヒドロゾルを有機溶媒置換した後
アルコールの共存下熱処理し、アルコキシ基をシリカに
化学的に結合せしめ、得られた反応混合物から液相成分
を除去することからなる有機溶剤に均質に分散可能な粉
末状シリカの製法(特開昭57−196717号公報)
がある。
前者の公知文献について本発明者らが追試した結果によ
れば、最終グリコール性懸濁体中には凝集粒子が多数生
成しており、ロ過、遠心分離を行なってもなお凝集粒子
が多数観察された。これは水和物微粒子懸濁体(この引
例の場合シリカ水性ゾル)の製法が本質的に本発明法と
異なる結果、水和物微粒子そのものの物理的・化学的性
質がグリコール媒体とした時に分散性、分散安定性に及
ぼす作用がまったく異なる為と考えられる。
後者については、疎水性シリカ粉末の製法である事以外
に水和物微粒子懸濁体の製法が本質的に本発明法と異な
る事、熱処理に使用されるアルコールは1価アルコール
である事もあって、これも満足のいく単分散体として得
ることはできないことが知見された。
一方、ファン・ヘルデン(A.K.Van Helden)らはテ
トラエトキシシランをアルコール性溶液中で加水分解し
て得た球状シリカ粒子の疎水化法として、ステアリルア
ルコール存在下熱処理する方法を検討しているが[ジャ
ーナル・オブ・コロイド・アンド・インタフェイス・サ
イエンス(Journal of Colloid and Interface Scienc
e)第81巻354−368頁(1981年)]、これ
も疎水性シリカ粒子の製法に関するものでありグリコー
ル類中での例は無く、もちろんグリコール類中での微粒
子の分散性やポリエステルフィルムへの適用等について
何ら開示するものではない。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、ポリエステルフィルムの滑り性と共にフィル
ム表面の平滑性も満足するという一見あい入れない要求
に対して、従来技術では解決しえなかった問題点も解決
すると共に、無機酸化物微粒子をグリコールスラリーと
してポリエステルに添加する際の該微粒子のグリコール
中での単分散性、分散安定性、熱安定性を改良し、更に
はポリエステル中の該微粒子の密着性をも向上させる等
新規な滑り性改良法を提供するものである。
(問題点を解決するための手段および作用) 本発明は、無機酸化物微粒子のグリコールスラリーをポ
リエステルの原料として添加し、該微粒子をポリエステ
ルに対し0.005〜2重量%存在せしめてポリエステルフ
ィルムの滑り性を改良する方法において、該微粒子のグ
リコールスラリーが下記製法(I)又は(II)により得
られた該微粒子のグリコール性単分散体であることを特
徴とする、従来技術での問題点を解決しうるポリエステ
ルフイルムの滑り性改良法に関するものである。
記 製法(I) 加水分解可能な有機金属化合物を、アルコールの含水溶
液中で加水分解して得た非晶質な水和物微粒子のアルコ
ール性溶液懸濁体のアルコール性溶媒をグリコールに溶
媒置換して水和物微粒子のグリコール性懸濁体とし、か
つ該グリコール性懸濁体を熱処理する無機酸化物微粒子
のグリコール性単分散体の製法。
製法(II) 加水分解可能な有機金属化合物を、グリコール性含水溶
液中で加水分解して非晶質な水和物微粒子のグリコール
性懸濁体とし、かつ該グリコール性懸濁体を熱処理する
無機酸化物微粒子のグリコール性単分散体の製法。
本発明でいう加水分解可能な有機金属化合物とは、加水
分解性有機基を有し、加水分解縮合して三次元に(金属
−酸素)結合鎖を形成しうる有機金属化合物を意味し、
単独で又は混合して用いることができる。
好ましい有機金属化合物として一般式 RmM(OR)n (但し、Mは金属元素、Rは水素原子及び置換基があ
ってもよい炭素数10までのアルキル基、アリル基、不
飽和脂肪族残基の群から選ばれる少なくとも一種の基、
はアルキル基、を表わす。mは0又は正の整数、n
は1以上の整数であり、かつ、m+n=金属元素Mの原子
価を満足する。また、m個のRは異なっていてもよ
く、n個のRも同様である。) で示されるアルコキシ金属化合物がある。金属元素Mと
してはシリコン、チタン、ジルコン、アルミニウム等が
挙げられ、これらのアルコキシ金属化合物には工業的に
入手し易く安価なものがあり、好適に用いられる。R
は好ましくは炭素数8までの低級アルキル基が用いられ
る。nが3以上のアルコキシ金属化合物は単独で使用可
能であるが、n=1又は2で表される化合物は加水分解性
有機基を3個以上有する原料と共に使用しうる。上記一
般式RmM(OR)nで示される有機金属化合物の
具体例としてはテトラメトキシシラン、テトラエトキシ
シラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシ
シラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メ
チルトリメトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、
トリエトキシビニルシラン、3−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシ
シラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、
3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシ
シラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエ
トキシシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシ
メチルシラン、ジエトキシメチルシラン、ジエトキシ−
3−グリシドキシプロピルメチルシラン、3−クロロプ
ロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシジフェニル
シラン、ジメトキシジメチルフェニルシラン、トリメチ
ルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチ
ルエトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、テト
ラメチルチタネート、テトラエチルチタネート、テトラ
イソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、ジ
エチルジブチルチタネート、テトラメチルジルコネー
ト、テトラエチルジルコネート、テトライソプロピルジ
ルコネート、テトラブチルジルコネート、テトラ(2−
エチルヘキシル)チタネート、トリメチルアルミネー
ト、トリエチルアルミネート、トリイソプロピルアルミ
ネート、トリブチルアルミネートなどが掲げられる。
また、他の好ましい有機金属化合物としてこれらアルコ
キシ金属化合物の誘導体がある。一例として一部のアル
コキシ基(OR)がカルボキシル基あるいはβ−ジカ
ルボニル基など、キレート化合物を形成しうる基で置換
された化合物、あるいはこれらアルコキシ金属化合物ま
たはアルキコシ基置換化合物を部分的に加水分解して得
られる低縮合物などである。
その他の有機金属化合物としては、例えばジルコニウム
アセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウム
ラクテート、チタンラクテート、アルミニウムラクテー
トなどのチタン、ジルコンまたはアルミニウムのアシレ
ート化合物;チタンアセチルアセトナート、ジルコンア
セチルアセトナート、チタンオクチルグリコラート、チ
タントリエタノールアミネート、アルミニウムアセチル
アセトナート、などチタン、ジルコンまたはアルミニウ
ムのグリコール、β−ジケトン、ヒドロキシカルボン
酸、ケトエステル、ケトアルコール、アミノアルコー
ル、キノリンなどのキレート化合物などが挙げられる。
酸化物微粒子は、上記したシリコン、チタン、ジルコン
および/またはアルミニウムの有機金属化合物を主原料
とするものであるが、それ以外にナトリウム、カリウ
ム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウ
ム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、ガリウム、イ
ンジウム、錫、鉄、銅などの有機金属化合物または無機
塩を共存せしめて加水分解することにより、シリコン、
チタン、ジルコンおよび/またはアルミニウムの酸化物
と上記金属の酸化物の複合体微粒子とすることもでき
る。その際、酸化物微粒子中のシリコン、チタン、ジル
コンおよび/またはアルミニウムの酸化物の割合は特に
限定されるものではないが、70%以上とするのが好ま
しい。
本発明において無機酸化物微粒子のグリコール性単分散
体を得る為に前記製法(I)又は(II)の方法がとられ
る。製法(I)は3つの工程からなり、製法(II)は製
法(I)の特殊な場合で2つの工程からなる。以下に詳
しく説明する。
製法(I)は、まず上記加水分解可能な有機金属化合物
をアルコールの含水溶液中で加水分解し縮合させて非晶
質な水和物微粒子のアルコール性溶液懸濁体とする(以
下、この工程を第一工程、該水和物微粒子を水和物微粒
子(a)とよぶ。)。その際有機金属化合物の溶液中
の最終濃度について何ら制限されるものではないが、2
モル/以下とした方が生成した水和物微粒子の凝集が
起こり難く、従って最終的に本発明に開示する方法で酸
化物微粒子のグリコール分散体とした時に凝集粒子が無
く好ましい。
アルコール性溶液中のアルコールは、特に限定されるも
のではなく種々のものが使用しうる。例えば、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、イソ
アミルアルコール等の一価のアルコール、あるいはエチ
レングリコール、プロピレングリコール等のグリコール
等が単独でまたは混合物で用いられる。上記したアルコ
ール中エチレングリコール、プロピレングリコール等の
グリコール類は製法(I)における第二工程で用いるグ
リコール(以下、グリコール(B)とする。)と同一であ
ることができる。又、該溶液中にジオキサン、ジエチル
エーテル、酢酸エチル、ベンゼン、トルエン、ヘキサン
等の有機溶媒を一部混合することもできる。
アルコール性溶液中には加水分解に必要な水を共存せし
める。この水含量は、粒子の形状や粒子径に影響を及ぼ
すので、好ましい量に制御する必要があるが、有機金属
化合物の金属の種類および化合物の種類によって変化す
る。また、この水は気相中の湿気により供給することも
できる。
加水分解は、例えば上記した有機金属化合物原料または
そのアルコール溶液を上記アルコール性溶液中に添加
し、0〜100℃の範囲、好ましくは0〜50℃の範囲
で10〜100時間撹拌することによって行われる。そ
の際、加水分解速度をコントロールする目的で、NH
、NaなどのカチオンやSO 2−、HPO
などのアニオンやエタノールアミン、テトラメチルアン
モニウムハイドロオキサイドなどの有機アミン化合物の
触媒成分を添加することができるが、その有無および量
は原料によって異なり、粒子の形状および粒子径への影
響を考慮して適宜選択される。
このようにして有機金属化合物をアルコール性溶液中で
適切な条件の元で加水分解すれば、水和物微粒子
(a)の単分散した懸濁体が得られる。更に原料濃
度、反応温度、水濃度、アルコール及び溶媒の種類、触
媒の種類及び濃度等を好ましい条件に選定することによ
り、水和物微粒子(a)は球形で平均粒径が0.05〜5
μmの範囲で任意の粒径にコントロールされ、かつ粒子
径の標準偏差値が1〜1.5の範囲、更に好ましい条件の
選定により1〜1.3の範囲にあるような均一な粒子とす
ることができる。このようにコントロールされた水和物
微粒子(a)は本発明の滑り性改良法において特に好
ましいものである。
この水和物微粒子(a)は原料に由来する有機基が一
部残存して結合したり、触媒成分が吸着していることが
ある。又原料物質によっては一部結晶化することがある
が大部分は非晶質である。
このようにして製造された水和物微粒子(a)のアル
コール性溶液懸濁体は、次に該懸濁体のアルコール性溶
媒をグリコール(B)と溶媒置換して水和物微粒子のグリ
コール性懸濁体とする(以下、この工程を第二工程、該
水和物微粒子を水和物微粒子(a)とよぶ。)。
第二工程で使用されるグリコール(B)は、テレフタル酸
またはそのエステル形成性誘導体等のジカルボン酸成分
とエステルを形成してポリエステルとなるエチレングリ
コール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ネオペンチルグリコル、1,4−ブタンジオール等、
炭素数2〜8を有し、かつアルカノール基を2個有する
ポリエステルの出発原料又は共重合成分として使用する
グリコールである。
溶媒置換の具体的方法として、例えば(イ)第一工程で
得られたアルコール性溶液懸濁体中の水和物微粒子(a
)を沈降分離、遠心分離等によりアルコール性溶媒よ
り分離した後、グリコール(B)に再懸濁させる方法、
(ロ)アルコール性溶液懸濁体をグリコール(B)共存下
アルコール性溶媒を留出せしめてグリコール性懸濁体と
する方法、など任意の方法をとりうる。
上記方法(イ)の場合、水和物微粒子の凝集、固着を防
止する目的で、アルコール性溶液懸濁体中に予めカップ
リング剤、界面活性剤等の粒子表面改質材やグリコール
(B)の添加、又は懸濁体のpHの調整等を行なうと好ま
しい場合があり、その効果は第一工程における粒子の種
類、製造条件等によって異なるので適宜選択される。
一方、上記方法(ロ)の場合において、グリコールを共
存させる目的は水和物微粒子の凝集を防止することにあ
る。その理由は、第一工程で得られる水和物微粒子(a
)は非常に活性が高く、例えばグリコール(B)を含ま
ないアルコール性溶液懸濁体中のアルコール性溶媒の一
部を留出させた段階で、既に水和物微粒子(a)の凝
集が観察される程である。
グリコール性懸濁体とする温度は何ら制限されるもので
はないが50〜250℃の範囲が適当である。系内の圧
力は減圧、常圧、加圧のいずれでも良い。
又、第二工程を行うに当っては上記(イ)及び(ロ)の
方法を並用して行うこともできる。
第二工程で得られた水和物微粒子(a)のグリコール
性懸濁体中のグリコール(B)の量は、水和物微粒子を単
離して200℃で5時間乾燥した重量に対して重量比で
0.5〜100倍の範囲とする。このようにして得たグリ
コール性懸濁体の溶媒中にグリコール以外のアルコール
性溶媒が全溶媒に対し50重量%以下の量残存していて
も良い。
次に、上記第二工程で製造された水和物微粒子(a
のグリコール性懸濁体を熱処理して酸化物微粒子のグリ
コール性単分散体とする。(以下、この工程を第三工
程、該酸化物微粒子を酸化物微粒子(c)とよぶ。) 第三工程の熱処理を行うことにより、微粒子の凝集を防
いだままグリコール中での分散安定性が飛躍的に向上す
ると共に、ポリエステル重合時の微粒子の熱安定性が向
上し、更には該微粒子のポリエステルとの密着性も向上
しえたのである。
本発明でいう無機酸化物微粒子の無機酸化物とは、金属
原子が酸素原子との結合を介して三次元のネットワーク
を構成した金属の酸素化合物と定義され、金属原子には
部分的にネットワークに関与しない基、例えば原料由来
の非加水分解性基(例えば前記一般式中のR)および
水酸基、結合グリコール基、カップリング剤による処理
基などを有するものも含むものである。その表面には第
一工程で用いた触媒および水が部分的に吸着しているこ
とがあるが、第一工程及び第二工程で得られる水和物微
粒子と比較して脱水程度が大きい。
第三工程における分散安定性に対する作用効果の理由は
明確ではないが、水和物微粒子表面の活性な水酸基とグ
リコールとの脱水結合又は微粒子表面の原料由来の加水
分解性有機残基とグリコールとの置換反応などの生起に
より、微粒子表面と溶媒であるグリコールとの親和性が
増し、結果として微粒子がグリコール中で安定な分散状
態になりえたものと考えられる。
本発明におけるこれらの効果は、例えば特開昭56−4
7429号公報に記載されているように、無機酸化物
(上記参照例の場合シリカ)とグリコールが反応する程
に処理する事はポリエステルとした時好ましくないと言
われている事もあって、本発明に到達するまでは予期し
えないものであった。これら従来法との差異は微粒子合
成法が本質的に関わっているものと考えられる。
熱処理時の圧力は減圧、常圧、加圧系のいずれでも良い
が減圧又は常圧系が操作がし易く有利である。加圧にす
る場合は2Kg/cm2G以下にするのが好ましい。熱処
理温度(T℃)はグリコール(B)の操作圧力における沸
点をTB℃としたとき(但し、TB≧70)70≦T≦
TB+10の範囲とするのが好ましく、更に好ましく
は、TB≦T≦TB+10の範囲とする。TBはグリコ
ール(B)が一種の場合は単一のグリコールの、二種以上
の混合グリコールの場合はその組成比での混合グリコー
ルの圧力−沸点関係を示す沸点曲線によって定まってい
る値である。
例えばグリコール(B)がエチレングリコールの場合、T
Bは、197.6(常圧)、100(18Torr)、75(4.1
Torr)と定められる。他のグリコール類についても同様
に圧力が決まれば定められる。
TがTBを越える場合があるのは微粒子によるグリコー
ルの沸点上昇がある理由による。従って熱処理温度(T
℃)の上限(TB+10)℃は沸点上昇を加味した温度
上限を意味している。熱処理温度は高い程、分散安定性
効果は高く処理時間は短時間で効果があり、低温程長時
間を必要とする。T<70の場合熱処理効果は小さく好
ましくない。
熱処理中、水和物微粒子の脱水及び水酸基とグリコール
との反応から生成する水、水和物微粒子(a)に部分
的に結合している有機基の脱離による有機物及び第二工
程で残存するアルコール性溶媒等の溜去を促進する目的
で、系内に不活性ガスを吹き込んだり懸濁体の沸点にお
いて処理する事は好ましい。特にT<TBの範囲とする
時に窒素等の不活性ガスの流通は効果がある。このよう
にして最終的に無機酸化物微粒子のグリコール性単分散
体とするが、単分散体中にグリコール以外のアルコール
性溶媒が全溶媒中に20重量%以下程度残存していても
構わない。
製法(I)を行うに当り、経済性を考慮して上述した第
二工程及び第三工程を見かけ上別工程とせず、兼ねて同
時に行うことも本発明の範囲の中に含まれるものであ
る。
第三工程の後、所望ならグリコール分散体をロ過、遠心
分離等により、僅かな粗大粒子、凝集粒子又は工程中混
入する異物を除去することができるが必ずしも必要では
ない。
一方、製法(II)は、製法(I)において第一工程のア
ルコール性溶媒としてグリコール性溶媒を用い、第一工
程終了時点における溶媒中のグリコールが50重量%以
上となるようにして第二工程を省略した方法である。第
一工程終了時点でグリコール性懸濁体が得られ、その中
の水和物微粒子は製法(I)における水和物微粒子(a
)に相当する。その他は製法(I)について述べたの
と同様である。
本発明において適用できるポリエステルとは、テレフタ
ル酸またはそのエステル形成性誘導体を主たるジカルボ
ン酸成分とし、エチレングリコール、1,4−ブタンジオ
ールなどのジグリコールまたはそのエステル形成性誘導
体を主たるグリコール成分とするポリエステルである
が、組成、製法などに限定されるものではなく、他のポ
リエステルを配合したものであってもよい。
無機酸化物微粒子のグリコール性単分散体は、ポリエス
テルの製造時任意の段階で添加できるが、ジカルボン酸
成分とグリコールとのエステル化ないしはエステル交換
反応の初期から反応が終了してプレポリマーとなるまで
の段階、又はプレポリマーを重縮合せしめる初期段階で
添加することが好ましい。
酸化物微粒子(c)の添加量は、ポリエステルに対して0.0
05〜2重量%の範囲とする。添加量が0.005重量%より
も少なければ滑り性に対する効果が不充分であり、ま
た、2重量%よりも多い場合はフィルムの破断強度など
の物性の低下があり好ましくない。
なお、本発明方法は第5頁に記載の従来から用いられて
いるイ又はロの方法との併用も可能であることはいうま
でもない。
(発明の効果) 特定された製法により得られた無機酸化物微粒子のグリ
コール性単分散体をポリエステルに添加することを特徴
とする本発明の滑り性改良法によれば、ポリエステルフ
ィルム表面に均質微細な凹凸を確実、かつ容易に形成す
ることができる上に、添加時の微粒子の熱安定性が向上
し、ポリエステル中の微粒子の密着性が向上する。
従って、本発明により滑り性を改良されたポリエステル
フィルムは、耐摩耗性や磁気テープとする際の磁性層の
塗布性、蒸着特性にも優れており、特に電磁変換特性に
すぐれた磁気テープの製造に好適なものである。
(実施例) 以下、実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが実
施例によって本発明の範囲が制限されることはない。
なお、無機酸化物微粒子のグリコール性分散体試料中の
微粒子の形状、平均粒子径、標準偏差値、凝集粒子の有
無、分散安定性、及び製法(I)又は(II)における各
工程で製造された微粒子の結晶性、吸着水含量は下記の
方法により分析、評価した。
・粒子形状 5万倍の電子顕微鏡観察により判定した。
・平均粒子径及び標準偏差値 5万倍の電子顕微鏡撮影像の任意の粒子100個の粒子
径を実測して下記の式より求めた。
・凝集粒子の有無 試料をスラリーの状態のまま1,000倍の光学顕微鏡で観
察し評価した。
・分散安定性 試料を密栓したガラス製容器に入れ静置し、容器底部に
粒子沈降層及び上部に上澄層の有無を観察し、下記の基
準に基づいて評価した。
1日静置後に沈降層又は上澄層が認められたもの
× 2日〜1ケ月 〃 ○ 1ケ月後も沈降層又は上澄層が認められないもの
◎ ・微粒子の結晶性 懸濁体又は分散体の一部を遠心分離、無水エタノールに
よる洗浄、遠心分離をくり返し行なった後、50℃にて
真空乾燥して粉体試料を得る。該粉体試料をX線回折分
析により微粒子の結晶性を評価した。
・吸着水含量 上述した方法と同様にして得た粉体試料を磁製容器に秤
量(その時の試料重量をAgとする)した後乾燥空気を
流通している200℃のオーブン中に入れ5時間保持す
る。冷却後容器を秤量(その時の試料重量をBgとす
る)し下記の式により微粒子中の吸着水含量を測定し
た。
水和物微粒子のアルコール性溶液懸濁体の製造 例 1−(1) 撹拌機、滴下口、温度計を備えた30のガラス製反応
器にメタノール16及び28%アンモニア水溶液1.5k
gを添加して混合した。該混合液を20℃±0.5℃に調整
し撹拌しながら、テトラメトキシシラン1.0kgをメタノ
ール2に希釈した溶液を滴下口より1時間かけて滴下
し、滴下後も2時間撹拌を続け熟成して加水分解を行な
いシリカ水和物微粒子(1a)のアルコール性溶液懸
濁体を製造した。この時の最終溶液全量に対する各原料
の濃度はテトラメトキシシラン0.32モル/、水2.90モ
ル/、アンモニア1.19モル/であった。反応条件及
び微粒子の分析結果を表−1に示す。
例 1−(2)〜(10) 有機金属化合物の種類、アルコールの種類、最終溶液全
量に対する各原料の濃度及び反応温度を表−1に示した
通りとする以外は例1−(1)と同様にして、シリカ水和
物微粒子(2a)〜(3a)及び(8a)〜(1
0a)の懸濁体、チタニア水和物微粒子(4a)の
懸濁体、ジルコニア水和物微粒子(5a)の懸濁体、
アルミナ水和物微粒子(6a)の懸濁体、シリカ−ア
ルミナ複合水和物微粒子(7a)の懸濁体を製造し
た。それらの反応条件及び分析結果を表−1に示す。
水和物微粒子のグリコール性懸濁体の製造 例 2−(1) 外部より熱媒加熱しうる、撹拌機、滴下口、温度計、溜
出ガス出口を備えた5のガラス製蒸発釜と、溜出ガス
出口に続き溜出ガス凝縮器、減圧吸引口、凝縮液受け器
からなる蒸発装置の蒸発釜にエチレングリコール1.2kg
を仕込み、撹拌しながら系内の圧力を150Torrに保持
し熱媒温度を120℃に設定した。次いで滴下口より例
1−(1)で製造されたシリカ水和物微粒子(1a)の
懸濁体16.7kgを連続的に供給し、メタノール、水、アン
モニア及び蒸気圧分のエチレングリコールを含むアルコ
ール性溶媒を溜出させ、懸濁体の供給終了後も加熱を続
け内温が55℃の時に溶媒溜出を停止した。このように
してシリカ水和物微粒子(1a)のグリコール性懸濁
体を製造した。この懸濁体中には微粒子を除いた溶媒中
にエチレングリコール以外のアルコール性溶媒(主にメ
タノール及び水)が13重量%含まれていた。グリコー
ル性懸濁体の製造条件と共に微粒子の分析結果を表−2
に示す。
例 2−(2)〜(10) 例1−(2)〜(10)で製造した各水和物微粒子(2a
〜(10a)のアルコール性溶液懸濁体を用いて例2
−(1)の方法においてグリコールの種類、処理条件を変
えた以外は同様の操作を行ない、水和物微粒子(2
)〜(10a)のグリコール性懸濁体を製造し
た。結果を表−2に示す。
例 2−(11) 撹拌機、滴下口、温度計を備えた30のガラス製反応
器にエタノール6.8、エチングリコール11.4及び2
8%アンモニア水溶液3.7kgを添加して混合した。該混
合液を20℃±0.5℃に調整し撹拌しながら、テトラエ
トキシシラン2.6kgを滴下口より30分で滴下し、滴下
後も2時間撹拌を続け熟成して加水分解を行い、シリカ
水和物微粒子(11a)のグリコール性懸濁体を製造
した。このときの最終溶液全量に対する各原料の濃度は
テトラエトキシシラン0.5モル/、水6.10モル/、
アンモニア2.5モル/であった。この懸濁体中には微
粒子を除いた溶媒中にエチレングリコール以外のアルコ
ール性溶媒が46重量%含まれており、微粒子の吸着水
含量は10重量%であった。
例 2−(12) 例1−(1)で得られたシリカ水和物微粒子(1a)の
アルコール性溶液懸濁体16.7kgにエチングリコール1.0k
gを添加しよく混合した後、全量を遠心分離してアルコ
ール性溶媒を除き沈降した微粒子をエチレングリコール
1.0kgに再分散させてシリカ水和物微粒子(1′a
のグリコール性懸濁体を製造した。そのグリコール性懸
濁体中のグリコール量はシリカ水和物微粒子を200℃
で5時間乾燥したときの重量に対して重量比で2.6であ
り、グリコール以外のアルコール性溶媒の含有率は28
重量%であった。
無機酸化物微粒子のグリコール性単分散体の製造 例 3−(1) 例2−(1)におけるのと同様の装置を用い、釜中に例2
−(1)で製造したシリカ水和物微粒子(1a)のグリ
コール性懸濁体を仕込み、常圧のまま熱媒により加熱し
内温が199℃(エチレングリコール常圧沸点197.6
℃)で30分間保持して熱処理を行ないシリカ微粒子
(1c)のグリコール性単分散体を製造した。昇温中に
アルコール性溶媒を、又温度保持中エチレングリコール
の一部を溜出させた。熱処理条件及び最終的なグリコー
ル性単分散体の性状及び微粒子の分析値を表−3に示
す。
例 3−(2)〜(12) 例3−(1)においてグリコール性懸濁体の種類、熱処理
条件を変えた以外は例3−(1)と同様の操作を行ない各
酸化物微粒子(1′c)〜(11c)のグリコール性単
分散体を製造した。その時の条件及び結果を表−3に示
す。
実施例 1 ジメチルテレフタレート100重量部およびエチレング
リコール70重量部に触媒として酢酸マンガン四水和物
0.04重量部を加え、230℃まで加熱昇温してメタノー
ルを留去しエステル交換反応を行なった。その後、例3
−(1)で製造したシリカ微粒子(1c)のエチレングリ
コール性単分散体0.37重量部(ポリエステルに対してシ
リカ微粒子0.1重量%)及び三酸化アンチモン0.03重量
部を撹拌下に添加した後、最終1Torr以下280℃まで
昇温して重縮合を行ないポリエステルを得た。上記ポリ
エステルを290℃に設定された押出機によりシート状
に押出し、続いて90℃で縦方向に3.5倍延伸後、10
0℃で横方向に4倍延伸し210℃で10秒間熱処理を
行なって厚さ15μmのシリカ微粒子(1c)を含む二
軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
また、例3−(2)〜(12)で得られたシリカ微粒子(2
c)、(3c)、(8c)〜(11c)及び(1′
c)、チタニア微粒子(4c)、ジルコニア微粒子(5
c)、アルミナ微粒子(6c)、シリカ−アルミナ複合
微粒子(7c)の各無機酸化物微粒子のグリコール性単
分散体を用いた他は上記方法と同様にして、それぞれの
無機酸化物微粒子を含むポリエステルフィルムを得た。
これらのフィルムについてその表面を5,000倍の電子顕
微鏡撮影像で観察したところ、凝集粒子は無く、均一な
粒子が分散しており、又粒子のまわりにはボイドが無く
ポリエステルとの密着性が良好であった。
一方、これらのフィルムについて、ASTM−D−18
94B法に従い、スリップテスターを用いて静摩擦係数
を測定したところ、すべて1.0以下であり、優れた滑り
性を有していた。
比較例 1 実施例1において、例3−(1)〜(12)で得た無機酸化物
のグリコール性単分散体を用いる代わりに例2−(12)で
得たシリカ水和物微粒子(1′a)のグリコール性懸
濁体を用いた他は実施例1と同様の操作を行ないシリカ
水和物微粒子(1′a)を含むポリエステルフィルム
を得た。このフィルムについてその表面を電子顕微鏡撮
影像で観察したところ、凝集粒子がみられ粒子のまわり
にはボイドが存在していた。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機酸化物微粒子のグリコールスラリーを
    ポリエステルの原料として添加し、該微粒子をポリエス
    テルに対し0.005〜2重量%存在せしめてポリエステル
    フィルムの滑り性を改良する方法において、該微粒子の
    グリコールスラリーが下記製法(I)又は(II)により
    得られた該微粒子のグリコール性単分散体であることを
    特徴とするポリエステルフィルムの滑り性改良法。 記 製法(I) 加水分解可能な有機金属化合物を、アルコールの含水溶
    液中で加水分解して得た非晶質な水和物微粒子のアルコ
    ール性溶液懸濁体のアルコール性溶媒をグリコールに溶
    媒置換して水和物微粒子のグリコール性懸濁体とし、か
    つ該グリコール性懸濁体を熱処理する無機酸化物微粒子
    のグリコール性単分散体の製法。 製法(II) 加水分解可能な有機金属化合物を、グリコール性含水溶
    液中で加水分解して非晶質な水和物微粒子のグリコール
    性懸濁体とし、かつ該グリコール性懸濁体を熱処理する
    無機酸化物微粒子のグリコール性単分散体の製法。
  2. 【請求項2】有機金属化合物がシリコン、チタン、ジル
    コンおよび/またはアルミニウムの化合物を主成分と
    し、無機酸化物微粒子がシリカ、チタニア、ジルコニ
    ア、アルミナまたはそれらの複合酸化物を主成分とする
    ことを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の滑り性
    改良法。
  3. 【請求項3】有機金属化合物がアルコキシ金属化合物ま
    たはその誘導体であることを特徴とする特許請求の範囲
    第(1)または(2)項記載の滑り性改良法。
  4. 【請求項4】製法(I)又は(II)における熱処理温度
    (T℃)を70≦T≦TB+10(但しTBは熱処理操
    作圧力におけるグリコールの沸点(℃)を表わしTB≧
    70の範囲である。)の範囲で行なうことを特徴とする
    特許請求の範囲第(1)、(2)または(3)項記載の滑り性改
    良法。
  5. 【請求項5】無機酸化物微粒子の形状が球状で、平均粒
    子径が0.05〜5μmの範囲にあり、かつ粒子径の標準偏
    差値が1〜1.5の範囲にあることを特徴とする特許請求
    の範囲第(1)、(2)、(3)または(4)項記載の滑り性改良
    法。
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