JPH0625251A - ピラゾール環がアルキル化されたピラゾロキノリン類の製造中間体 - Google Patents

ピラゾール環がアルキル化されたピラゾロキノリン類の製造中間体

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JPH0625251A
JPH0625251A JP4246442A JP24644292A JPH0625251A JP H0625251 A JPH0625251 A JP H0625251A JP 4246442 A JP4246442 A JP 4246442A JP 24644292 A JP24644292 A JP 24644292A JP H0625251 A JPH0625251 A JP H0625251A
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alkyl
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JP4246442A
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John M Schaus
ジョン・エム・シャウス
Diane L Huser
ダイアン・エル・ヒューザー
Richard N Booher
リチャード・エヌ・ブーエル
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Eli Lilly and Co
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Eli Lilly and Co
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    • C07D471/04Ortho-condensed systems
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    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 式(XXIX)および(XXX): [R′はC1−C3アルキルまたはアリルを表し、R1aはH
またはC1−C3アルキルを表わす]で表わされるトランス
−(±)−互変異性体混合物およびその酸付加塩。 【効果】 式(XXIX)および式(XXX)で表される互変異性
体混合物は、抗高血圧物質として有用な互変異性トラン
ス−(±)−アルキル化オクタヒドロピラゾロ[4,3
−f]キノリン類の製造中間体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗高血圧物質として有
用な新規互変異性トランス−(±)−アルキル化オクタヒ
ドロピラゾロ[4,3−f]キノリン類の新規製造中間体に
関する。
【0002】
【従来の技術】活性なプロラクチン阻害物質であり、パ
ーキンソン症候群の治療に有用な互変異性トランス−
(±)−5−置換−7−適宜置換−4,4a,5,6,7,8,
8a,9−オクタヒドロ−1H(および2H)−ピラゾロ
[3,4−g]キノリン類(式(I)および(II))はアメリカ合
衆国特許No.4,198,415、4,230,861およ
び4,367,231に記載されている。
【化2】 [式中、R'はC1−C3アルキルまたはアリルを表わ
す。]
【0003】トランス−(−)−立体異性体、4aR,8a
R−5−n−プロピル−4,4a,5,6,7,8,8a,9−オ
クタヒドロ−1H(および2H)−ピラゾロ[3,4−g]キ
ノリン(一組の互変異性体、式(III)および(IV)、R'はn
−プロピル)の一方の降圧活性がHahn et al., J.Ph
arm.Exper.Therap., 206(1983)に開示され
ている。
【0004】上式の(I)〜(IV)に表わされるオクタヒド
ロピラゾロキノリンを反応式Iに従って製造する。
【化3】 [R'はC1−C3アルキルまたはアリルを表わす。]
【0005】上記の反応式中、トランス−(±)−1−ア
ルキル−(またはアリル)−6−オキソデカヒドロキノリ
ン(V)をジメチルホルムアミド・ジメチルアセタールと
縮合させて式(VI)の化合物を得て、これをヒドラジンと
反応させて一組の互変異性体(I)および(II)を得る。
【0006】イギリスの明細書No.2,129,422に
は、式(V)の化合物を分割してトランス−(−)−(4aR,
8aR)立体異性体(Va)またはトランス−(+)−立体異性
体を得る方法が提示されており、トランス−(−)−立体
異性体をジメチルホルムアミド・ジメチルアセタールと
縮合させて式(VIa)の化合物を得て、これをヒドラジン
と反応させて一組の互変異性体(III)および(IV)が得ら
れる。これに対応する一組のトランス−(+)体は、トラ
ンス−(+)−(4aS,9aS)−立体異性体から同様の方
法で製造する。
【0007】イギリスの明細書、2,130,576に
は、別の製造中間体であるトランス−(±)、トランス−
(+)またはトランス−(−)−7−ホルミル−1−アルキ
ル−6−オキソデカヒドロキノリンが提示されており、
これをヒドラジンと反応させると、出発物質としてトラ
ンス−(±)−ラセミ体、トランス−(+)またはトランス
−(−)−立体異性体のいずれを用いるかに依存して一組
の互変異性体、(I)および(II)または(III)および(IV)な
らびに一組のトランス−(+)体が得られる。
【0008】二環性ケトン(V)および(Va)は、中間体(I
V)および(VIa)を経由して一連のオクタヒドロ−2H−
ピロロ[3,4−g]キノリンを製造するための出発物質と
しても用いる。ここで中間体(VI)および(VIa)はグリシ
ン塩(ヒドラジンの代わり)と縮合させて所望の三環性化
合物を得る(アメリカ合衆国特許No.4,311,844
参照)。R'がアリルである式(I)〜(IV)で表わされる化
合物およびその対応するピロロキノリン類は、R'がC
Nまたはベンジルである化合物からCNまたはベンジル
基を除去して得られるR'がHである第2級アミンの標
準的条件下でハロゲン化アリルにてアリル化することに
より製造する。
【0009】上に引用した先行技術には、ピラゾール環
の3位がアルキル置換されたオクタヒドロピラゾロ[3,
4−g]キノリン類は記載されておらず、また、その合成
法も用途も記載されていない。
【0010】
【構成】本発明は構造式(XXIX)および(XXX):
【化4】 [R'はC1−C3アルキルまたはアリルを表し、R1a
HまたはC1−C3アルキルを表す]で表されるトランス
−(±)−互変異性体混合物およびその酸付加塩を提供す
る。
【0011】本発明の化合物は下記構造式(XII)および
(XIII)で表わされる互変異性トランス−(±)−アルキル
化オクタヒドロピラゾロ[4,3−f]キノリン類またはそ
の製薬上許容される酸付加塩の製造中間体(もしくは出
発物質)である。
【化5】 [式中、RはCN、H、C1−C3アルキルまたはアリ
ル、R1aはC1−C3アルキルまたはHを表わす。]本発
明の化合物を製造中間体として製造される最終産物の具
体例: (XII): トランス−(±)−1,6−ジアルキル−4,5,5
a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H−ピラゾロ
[4,3−f]キノリン、 (XIII): トランス−(±)−1,6−ジアルキル−4,5,
5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−3H−ピラゾロ
[4,3−f]キノリン。
【0012】式(XII)および(XIII)で表わされる構造は
互変異性体である。即ち、上に示した一組になった構造
の間には動的平衡がある。一組の互変異性体のうちのど
ちらか一方を記載しても、それにより他方の互変異性体
も記載していることは理解し得るところである。
【0013】上記式(XII)および(XIII)で表わされる化
合物ならびにその製薬上許容される酸付加塩は、式(XXI
II):
【化6】 [式中、R1aはHまたはC1−C3アルキル、R2はC1
3アルキル、アリルまたはCNを表わす。]で表わされ
る化合物をNH2NH2またはその塩もしくは水和物と反
応させて、要すれば、生成物をトランス−(−)−および
トランス−(+)−立体異性体に分割し、要すれば、生成
物を造塩反応に付してその製薬上許容される酸付加塩を
形成することにより製造することができる。
【0014】式(XXIII)で表される出発物質は、後述の
ように反応式IIに従ってトランス−(±)−6−オキソデ
カヒドロキノリン誘導体から製造されるが、その際アシ
ル基の置換位置が異なる副生成物が同時に生成するの
で、上記製造法のいずれかの工程で目的の位置異性体を
分離精製する必要がある。
【0015】別法として、式(XII)および(XIII)で表わ
される化合物ならびにその製薬上許容される酸付加塩
は、式(XXIX)および(XXX):
【化7】 [式中、R'はC1−C3アルキルまたはアリル、R1aはH
またはC1−C3アルキルを表わす。]で表わされるトラ
ンス−(±)−互変異性化合物をラネ−Niと反応させ
て、要すれば、生成物をトランス−(−)−およびトラン
ス−(+)−立体異性体に分割し、要すれば、生成物を造
塩反応に付してその製薬上許容される酸付加塩を形成す
ることによっても製造し得る。
【0016】後述するように、本発明の化合物は反応式
IIIに従うこの別法の製造中間体(もしくは出発物質)で
あり、この製造法では上述の位置異性体が副成しないの
で分離精製工程は不要である。
【0017】上記の2つの方法の両方において、分割し
たトランス−(−)−またはトランス−(+)−出発物質を
用いることができるし、最終産物を常法で分割すること
もできる。
【0018】式(XII)もしくは(XIII)で表わされる化合
物、その立体異性体またはその製薬上許容される酸付加
塩は、上述の式(XII)または(XIII)で表わされる化合物
の1種以上の有効量を哺乳動物に投与することにより哺
乳動物の高血圧症を治療するのに用いることができ、そ
れ故に降圧物質として有用である。
【0019】式(XII)または(XIII)で表わされる化合物
の製薬上許容される酸付加塩には、塩酸、硝酸、リン
酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜リン酸などの
非毒性無機酸から誘導される塩ならびに脂肪族モノおよ
びジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシ
アルカンおよびアルカンジ酸、芳香族酸、脂肪族および
芳香族スルホン酸などの非毒性有機酸から誘導される塩
が含まれる。従って、このような製薬上許容される塩に
は、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫
酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸−水素塩、リン酸二水
素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩酸塩、臭化水素
酸塩、ヨウ化水素酸塩、フッ化水素酸塩、酢酸塩、プロ
ピオン酸塩、デカン酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ
酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸
塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸
塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マンデ
ル酸塩、ブチン−1,4−ジ酸塩、ヘキシン−1,6−ジ
酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸
塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メシ
キシ安息香酸塩、フタル酸塩、テレフタル酸塩、ベンゼ
ンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、クロロベンゼ
ンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸
塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン
酸塩、乳酸塩、ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、リ
ンゴ酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンス
ルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレ
ン−2−スルホン酸塩などが含まれる。
【0020】上式で示される化合物は、式(XII)および
(XIII)において5a位と9a位の2箇所の不斉中心を有す
る。このようにして、2種のラセミ体として存在する4
種の立体異性体を表わす一組の互変異性体は式(XII)と
(XIII)により示される。上記のラセミ体はシス−(±)お
よびトランス−(±)−ラセミ体として表わされる。本発
明が目的とする最終生成物は後者のラセミ体のみを包含
する。トランス−(−)−鏡像異性体(式(XII)および(XII
I)で5aR,9aR−立体異性体)は下式で表わされる。
【化8】 [式中、RおよびR1aは前記と同意義である。]トランス
−(+)−鏡像異性体は橋頭水素の配置が逆である。即
ち、式(XVIa)および(XVIIa)で5aS,9aSである。
【化9】 [式中、RおよびR1aは前記と同意義である。]
【0021】本発明の製造中間体は、式(XVIII)および
(XIX)で表わされる新規なピラゾロ[4,3−f]キノリン
の製造にも有用である。
【化10】 [式中、Rは前記と同意義である。]式(XVIII)および(XI
X)は、R1a がHである式(XII)および(XIII)に相当し、
そのトランス−(−)−互変異性体は下式(XX)および(XX
I)で表わされる。
【化11】 [式中、Rは前記と同意義である。]トランス−(+)−互
変異性体は架橋水素の配置が逆である。その製薬上許容
される酸付加塩も包含される。
【0022】式(XII)または(XIII)で表わされる化合物
としては下記のものが挙げられる。トランス−(−)−
1,6−ジメチル−4,5,5a,6,7,8,9,9a−オクタ
ヒドロ−2H(および3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリ
ン・酒石酸塩、トランス−(−)−1−メチル−6−n−
プロピル−4,5,5a,6,7,8,9,9a-オクタヒドロ-
2H(および3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリン・コハ
ク酸塩、 トランス−(±)−1−n−プロピル−6−メチル−4,
5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H(および
3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリン・メタンスルホン
酸塩、トランス−(+)−1−エチル−6−アリル−4,
5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H(および
3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリン・トルエンスルホ
ン酸塩。
【0023】RがC1−C3アルキルまたはアリルであ
り、R1aが前記と同意義である式(XII)と(XIII)、 (XVI)
と(XVII)で表わされる対になった互変異性体は、式(XVI
II)と(XIX)、 (XX)と(XXI)で表わされる対になった互変
異性体と同様に降圧物質である。これに対応するトラン
ス−(+)−互変異性体も有用な薬物である。RがHまた
はCNである上記の対になった互変異性化合物は、まず
第1に、活性な降圧薬を製造する中間体として有用であ
る。
【0024】式(XII)または(XIII)で表わされる化合物
は式(X)または(XI)で表される異性体と共に、下記反応
式IIに従って製造できる。
【化12】 [R2はC1−C3アルキル、アリルまたはCN、R1aはH
またはC1−C3アルキル、R1はC1−C3アルキルを表
わす。]
【0025】全ての式はトランス−(±)−ラセミ体を
表わす。英国明細書No.2,129,422の方法により
提供されるトランス−(+)−鏡像異性体とトランス−
(−)−鏡像異性体(Va)を上記の反応に処して構造式(XX
IV)および(XXV):
【化13】 [式中、R、R1およびR1aは前記と同意義である。]で
表わされる中間体およびトランス−(+)−誘導体を得
る。
【0026】式(XXII)および(XXIII)または(XXIV)およ
び(XXV)で表わされる化合物などの対になった生成物
は、クロマトグラフィーにより個々の異性体に分離し得
る。しかし、アシル化6−オキソデカヒドロキノリンの
混合物をヒドラジンで閉環させて得られたピラゾール互
変異性混合物をクロマトグラフィーで分離するのが好ま
しい。
【0027】上記製造法がいずれかの段階でクロマトグ
ラフィーなどによる生成物の分離精製を必要とするのに
対し、位置異性体(X)と(XI)または下記(XIV)と(XV):
【化14】 を得ることなく各々の一組の互変異性体(XII)と(XIII)
または(XVI)と(XVII)を得る方法もある。その方法の概
略を反応式IIIに記載する。
【化15】 [R'はC1−C3アルキルまたはアリル、Xは脱離基を表
わし、R1aは前記と同意義である。]
【0028】反応式IIIにおいて、出発物質の普通の
二環性ケトン(XXVI)(式(V)、R'はC1−C3アルキルお
よびアリルである。)を先ずピロリジンおよびトリエチ
ルアミンの存在下で1,2−ジチオエタン誘導体X−S
−CH2−CH2−S−X(Xはトシル、ベンゼンスルホ
ニル、メシルなどの脱離基を表わす。)と反応させて7
位に保護基としてジチオケタール(XXVII)を形成する。
次いで、5位を前記のようにハロゲン化C1−C3アルキ
ルおよびリチウムジイソプロピルアミド(LDA、LiN
[CH(CH3)2])でアシル化する。ヒドラジンまたはそ
の塩もしくは水和物で閉環してチオケタール保護基を尚
保有する一組の出っ張ったオクタヒドロピラゾロ[4,3
−f]キノリン互変異性体((XXIX)および(XXX))を得る。
この保護基はラネーニッケルで処理すると容易に除去さ
れ、式(XII)および(XIII)で表わされる化合物が得られ
る。
【0029】構造式(XVIII)および(XIX)ならびに(XX)お
よび(XXI)で表わされる互変異性体は保護されたケトン
(XXVII)の5位をギ酸エチルと塩基のような従来のホル
ミル化方法によりホルミル化することにより製造する。
式(XXXIII):
【化16】 [式中、R'は前記と同意義である。]で表わされる反応
性中間体をヒドラジンと反応させて保護基を尚含有する
式(XXXIV)および(XXXV)で表わされる化合物を得る。
【化17】 [式中、R'は前記と同意義である。]
【0030】この保護基は前記のようにラネ−Niで容
易に除去されて一組の式(XVIII)および(XIX)で表わされ
る化合物を得る。
【0031】上記の化学反応は光学活性な互変異性体(X
X)および(XXI)の製造に同等に適用でき、光学活性な出
発物質(XXXVI)またはそのトランス−(+)−鏡像異性体
から反応を始める。
【化18】
【0032】6−アリル基を有する最終産物、オクタヒ
ドロピラゾロ[4,3−f]キノリンを得ようとする場合は
次のようにして製造できる。R'がアルキル基である前
記で最終的に得た互変異性混合物からCNBrでの処置
によりアルキル基R'を除いてRがCNである上式(XII)
および(XIII)の化合物を得て、シアノ基を除去してRが
Hである誘導体を得る。この2級アミンを塩化アリルで
容易にアリル化して所望の誘導体を得る。
【0033】RがHである上記の中間体は上記と異なる
アルキル基でアルキル化するか標識(放射活性または同
位元素性の)原子を含有する上記と同じアルキル基でア
ルキル化することにより有用な化合物とすることもでき
る。
【0034】式(XII)もしくは(XIII)で表わされる化合
物またはその(+)−もしくは(−)−異性体は、種々の製
剤の形にして治療の目的で投与できる。経口投与の場合
は、1投与量当り活性薬物を約50〜約100mg含有す
る錠剤、カプセル剤または懸濁剤を1日3〜4回投与
し、日用量は150〜400mgである。
【0035】
【実施例】本発明を以下の実施例および調製例により更
に例示する。実施例1 トランス−(±)−6−n−プロピル−4,5,5a,6,7,
8,9,9a−オクタヒドロ−2H(および3H)−ピラゾ
ロ[4,3−f]キノリンの製造 トランス−(±)−1−n−プロピル−6−オキソ−デカ
ヒドロキノリン1gおよびピロリジン(0.43ml、0.3
55g)をアセトニトリル50mlに混じ、4Aモレキュラ
ーシーブを加えて窒素雰囲気下に約3時間還流温度で撹
拌した。これを室温まで冷却し、トリエチルアミン2ml
を加えたのち1,2−ジトシルチオエタン2gを加えた。
得られた反応液を窒素雰囲気下で一晩撹拌しながら加熱
還流し、室温まで冷却したのち濾過し、濾液から溶媒を
真空下に蒸発除去した。0.1N塩酸50mlを加えて約
100℃まで約30分間加温し、室温まで冷却し、酸性
層を二塩化メチレンで抽出して酸不溶物質を除去した。
この酸性層を過剰量の14N水酸化アンモニウム水溶液
でアルカリ性にして、等量の二塩化メチレンで2回抽出
した。二塩化メチレン抽出液を合し、塩化ナトリウム飽
和水溶液で洗浄して乾燥し、溶媒を真空除去して上記反
応で生成したトランス−(±)−1−n−プロピル−6−
オキソ−7−スピロ−1',3'−ジチオラノデカヒドロ
キノリンを含有する固形物0.8gを得た。これを1%メ
タノール/クロロホルムを溶出液として用いたFlorisi
lのクロマトグラフィーで精製し、所望の物質を含有す
る分画を合してトランス−(±)−1−n−プロピル−6
−オキソ−7−スピロ−1',3'−ジチオラノデカヒド
ロキノリン0.5gを得た。その物理的性状は次のとおり
である。 mp.(ヘキサン/酢酸エチル混合溶媒から再結晶した場
合)112〜113℃。 元素分析 計算値: C,58.90; H,8.12;N,4.91; S,2
2.96 実測値: C,59.12; H,8.03;N,4.92; S,2
2.36
【0036】トランス−(±)−1−n−プロピル−6−
オキソ−7−スピロ−1',3'−ジチオラノデカヒドロ
キノリン0.9gおよびトリス(ジメチルアミノ)メタン
2.5gをトルエン30mlに混じて撹拌下に約4時間還流
すると、TLCにより出発物質が存在しないことが分か
った。揮発性成分を真空除去し、油状残渣をメタノール
50mlに溶解し、無水ヒドラジン1mlを加えて常温でN
2雰囲気下に一晩撹拌した。揮発性成分を再び真空除去
して赤色油状物質を得て、これを2%CH3OH/CH
Cl3を溶出液として用いたFlorisilのクロマトグラフ
ィーで精製した。上記反応で生成したトランス−(±)−
4−スピロ−1',3'−チオラノ−6−n−プロピル−
4,5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H(およ
び3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリンを含有する分画
を集め、溶媒を真空除去した。残渣のメタノール溶液を
0.1N塩酸22ml(1当量)で処理して塩酸塩を形成
し、これをメタノール/酢酸エチルから再結晶してトラ
ンス−(±)−6−n−プロピル−4−スピロ−1',3'−
チオラノ−4,5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ
−2H(および3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリン・塩
酸塩0.9gを得た。mp.260℃以上。 元素分析 計算値: C,52.08; H,6.99;N,12.15; C
l,10.25;S,18.54 実測値: C,52.21; H,7.09;N,12.16; C
l,10.30;S,18.39
【0037】上記化合物0.63g、ラネ−Ni4.8mlお
よび無水エタノール50mlから脱硫混合物を製造した。
これを約3時間撹拌下に還流して濾過し、溶媒を真空蒸
発させて油状固形物を得た。水および水酸化アンモニウ
ム水溶液を加えて等量の二塩化メチレンで数回抽出し、
抽出液を合して塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄したの
ち乾燥した。溶媒を蒸発させて得た残渣をFlorisilの
クロマトグラフィーに付して2〜4%CH3OH/CH
Cl3で溶出してトランス−(±)−6−n−プロピル−
4,5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H(およ
び3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリン130mgを得
た。上記のように二塩酸塩に変換して結晶性生成物50
mgを得た。メタノール/酢酸エチルから再結晶した場合
の融点は250℃以上であった。マス・スペクトル: 2
19(分子イオン)。 元素分析 計算値: C,53.43; H,7.93;N,14.38 実測値: C,53.54; H,8.11;N,14.45
【0038】上記の方法に従って、トランス−(±)[ま
たはトランス−(−)−]−1−n−プロピル−6−オキソ
−7−スピロ−1',3'−ジチオラノデカヒドロキノリ
ンをテトラヒドロフラン/ヘキサン混合溶媒中でアシル
ハライドと0.5Mリチウムジイソプロピルアミド(LD
A)試薬と反応させて5−アシル−6−オキソ−7−ス
ピロ−1',3'−チオラノデカヒドロキノリンを得るこ
とができる。これをヒドラジンで閉環すると7位にスピ
ロジチオケタールを有する(後記調製例1、2または3
の)ピラゾール誘導体を得ることができる。上記方法で
チオケタール基を除去してトランス−(±)−[またはト
ランス−(−)]−1−C1−C3アルキル−6−n−プロピ
ル−4,5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H
(および3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリンが得られ
る。
【0039】(トシル−S−CH2)2はOrganic Synthe
sis,54、33、37および39(1974)の方法によ
り製造する。
【0040】上述のように、本発明の化合物は反応式II
Iに従って式(XII)/(XIII)で表される化合物を製造する
際の製造中間体である。別法として、式(XII)/(XIII)
で表される化合物を反応式IIに示した方法によって製造
することもできるが、この場合には式(X)/(XI)で表さ
れる化合物もしくはその前駆体が副生成物として生成す
るので、これらを分離する必要がある。この別法を上記
実施例に例示した製造法と比較するため、以下に、式(X
II)/(XIII)で表される化合物の反応式IIによる調製例
を記載する。
【0041】調製例 (1)トランス−(±)−3−メチル−5−n−プロピル−
4,4a,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−1H(およ
び2H)−ピラゾロ[3,4−g]キノリンの製造 n−ブチルリウチム(1.6Mのヘキサン溶液)62.5ml
をジイソプロピルアミン14mlのTHF溶液100mlに
0℃で加えたのち、テトラヒドロフラン/ヘキサン混合
溶媒で200mlに希釈して0.5Mリウチムジイソプロ
ピルアミド溶液を製造した。この溶液22mlを50ml容
の乾燥丸底フラスコに入れて約−78℃まで冷却し、ト
ランス−(±)−1−n−プロピル−6−オキソデカヒド
ロキノリン1.95gのTHF5ml溶液を加えて約−78
℃で30分間撹拌した。次に、塩化アセチル1.06ml
をここに加えて室温まで昇温し、室温で2時間撹拌して
水中に注加した。このアルカリ性水溶液を等量の二塩化
メチレンで数回抽出し、抽出液を合して乾燥し、二塩化
メチレンを除去して上記反応で生成したトランス−(±)
−1−n−プロピル−6−オキソ−7−アセチルデカヒ
ドロキノリンを含有する橙色油状物質2.895gを得
た。これをシリカのクロマトグラフィーに付してアンモ
ニアを加えた4%メタノールと二塩化メチレンで先ず溶
出して精製した。メタノールのパーセントを7.5%ま
で上げ、トランス−(±)−1−n−プロピル−6−オキ
ソ−5−アセチルデカヒドロキノリンを含有する分画を
合し、溶媒を蒸発して黄色の液体728mgを得た。NM
Rから上記の分画は2種の生成物、トランス−(±)−1
−n−プロピル−6−オキソ−7−アセチルデカヒドロ
キノリンおよびトランス−(±)−1−n−プロピル−5
−アセチル−6−オキソデカヒドロキノリンの混合物で
あることが分かった。
【0042】上記で製造した混合物をメタノール20ml
に溶解し、ここにヒドラジン2mlおよびpHを約9とす
るのに充分な量の15%塩酸を加えた。これを室温で約
1時間撹拌して水酸化ナトリウム希水溶液中に注加し、
アルカリ不溶物質を二塩化メチレンで抽出した。抽出液
を乾燥し、溶媒を除去して黄色油状物質959mgを得
て、これをシリカのクロマトグラフィーに付して水酸化
アンモニウム水溶液を加えたTHF/ヘキサン混合溶媒
(2:1)で溶出して精製した。TLCによりトランス−
(±)−3−メチル−5−n−プロピル−4,4a,5,6,
7,8,8a,9−オクタヒドロ−1H(および2H)−ピラ
ゾロ[3,4−g]キノリンを含有する分画を合して淡黄色
油状物質406mgを得た。生成物は下記の物理的性状を
有していた。 紫外線スペクトル: 220(ε=5200)。 赤外線スペクトル(CHCl3): 3464cm-1。 マス・スペクトル: 233、204、125、124、
96および42。
【0043】上記の黄色油状物質を二塩化メチレン/エ
ーテル混合溶媒に溶解し、無水塩化水素ガスで飽和して
塩酸塩を生成した。トランス−(±)−3−メチル−5−
n−プロピル−4,4a,5,6,7,8,8a,9−オクタヒド
ロ−1H(および2H)−ピラゾロ[3,4−g]キノリン・
二塩酸塩を含有する上記で得た白色固形物を濾取し、メ
タノールから再結晶して白色針状晶としてトランス−
(±)−3−メチル−5−n−プロピル−4,4a,5,6,
7,8,8a,9−オクタヒドロ−1H(および2H)−ピラ
ゾロ[3,4−g]キノリン・二塩酸塩を得た。mp.約25
0℃。 元素分析 計算値: C,54.90; H,8.23;N,13.72; C
l,23.15 実測値: C,54.76; H,8.36;N,13.72; C
l,23.37
【0044】(2)トランス−(±)−1−メチル−6−n
−プロピル−4,5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒド
ロ−2H(および3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリンの
製造 調製例(1)の製造方法を、出発物質、トランス−(±)−
1−n−プロピル−6−オキソ−デカヒドロキノリン3.
9gおよび0.5Mリチウムジイソプロピルアミン約88
mlのTHF溶液を用いて実施した。この製造において
は、LDA溶液および出発物質を0℃で合したのち−7
8℃まで温度を下げ、塩化アセチルを加えた。これを調
製例(1)のように後処理して混合生成物を単離した。こ
の混液5.1gを調製例(1)のようにしてメタノール25
ml中でヒドラジン5mlと反応させて[4,3−f]および
[3,4−g]ピラゾロキノリンの異性体性混合物を得た。
これをクロマトグラフィーで分離してトランス−(±)−
1−メチル−6−n−プロピル−4,5,5a,6,7,8,
9,9a−オクタヒドロ−2H(および3H)−ピラゾロ
[4,3−f]キノリン0.8gおよびトランス−(±)−3−
メチル−5−n−プロピル−4,4a,5,6,7,8,8a,9
−オクタヒドロ−1H(および2H)−ピラゾロ[3,4−
g]キノリン1.8gを得た。トランス−(±)−1−メチル
−6−n−プロピル−4,5,5a,6,7,8,9,9a−オク
タヒドロ−2H(および3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノ
リンは下記の物理的性状を有していた。 二塩酸塩 mp.249〜250℃。 元素分析 計算値: C,54.90; H,8.23;N,13.72; C
l,23.15 実測値: C,54.87; H,8.08;N,13.52; C
l,23.36 赤外線スペクトル(CHCl3): 3462、3210、
2947、1448。 マス・スペクトル: 233(分子イオン)、204、9
6、42。 プロトンNMR(CDCl3): 9.80(bs,1H)、3.0
2(bd,J=13.5、1H)、2.30(s,3H)、2.06
〜2.94(m,9H)、1.04〜1.90(m,7H)。
【0045】(3)トランス−(±)−3,5−ジ−n−プロ
ピル−4,4a,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−1
H(および2H)−ピラゾロ[3,4−g]キノリンおよびト
ランス−(±)−1,6−ジ−n−プロピル−4,5,5a,
6,7,8,9,9a−2H(および3H)−ピラゾロ[4,3
−f]キノリンの製造 調製例(1)の方法に従って、トランス−(±)−1−n−
プロピル−6−オキソ−デカヒドロキノリン3.9gおよ
び0.5Mリチウムジイソプロピルアミン試薬約44ml
をTHF中、−78℃で合し、塩化ブチリル3.1mlを
加えた。トランス−(±)−1−n−プロピル−6−オキ
ソ−7−ブチリルデカヒドロキノリンおよびトランス−
(±)−1−n−プロピル−5−ブチリル−6−オキソデ
カヒドロキノリンの混合物6.4gを得て、これを次工程
に直接用いた。
【0046】上記混液6.4gをメタノール20mlに溶解
し、ヒドラジン4mlを加えた。先の調製例のように反応
させて生成物を単離した。二塩化メチレンにより抽出し
てトランス−(±)−3,5−ジ−n−プロピル−4,4a,
5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−1H(および2H)
−ピラゾロ[3,4−g]キノリンおよびその互変異性体、
トランス−(±)−1,6−ジ−n−プロピル−4,5,5a,
6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H(および3H)−
ピラゾロ[4,3−f]キノリンを含有する2つのスポット
を与える物質6.9gを得た。この混合物をシリカのクロ
マトグラフィーに付して調製例(1)と同じ溶出液を用い
てその成分化合物に分離した。このようにして製造した
トランス−(±)−3,5−ジ−n−プロピル−4,4a,5,
6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−1H(および2H)−
ピラゾロ[3,4−g]キノリンの遊離塩基を常法で二臭化
水素酸塩に変換した。二臭化水素酸塩はメタノール/酢
酸エチル混合溶媒から再結晶させた場合、融点は295
〜296℃であった。 元素分析 計算値: C,45.41; H,6.91;N,9.93; Br,
37.76 実測値: C,45.52; H,6.72;N,9.66; Br,3
7.97
【0047】他方のクロマトグラフィー生成物、トラン
ス−(±)−1,6−ジ−n−プロピル−4,5,5a,6,7,
8,9,9a−オクタヒドロ−2H(および3H)−ピラゾ
ロ[4,3−f]キノリンを二塩酸塩に変換した。 元素分析 計算値: C,57.48; H,8.74;N,12.57; C
l,21.21 実測値: C,57.61; H,9.02;N,12.32; C
l,21.25
【0048】[3,4−g]異性体の物理的性状は次のとお
りであった。 赤外線スペクトル(CHCl3): 3463、3210、
2917、1462。 マス・スペクトル: 261(分子イオン)、223、12
5、96、41。 NMR(CDCl3): 9.7(bs,1H)、2.86〜3.1
0(m,2H)、2.64〜2.86(m,2H)、2.38〜2.
64(m,3H)、2.12〜2.38(m,4H)、1.91(b
d,J=13,1H)、1.34〜1.82(m,7H)、1.0
2〜1.30(m,1H)、0.97(t,J=8.1,3H)、
0.91(t,J=8.1,3H)。
【0049】[4,3−f]異性体の物理的性状は次のとお
りであった。 赤外線スペクトル(CHCl3): 3461、3210、
2947、1457。 マス・スペクトル: 261(分子イオン)、232、18
9、125、96、41。 NMR(CDCl3): 9.40(bs,1H)、3.04(bd,J
=13,1H)、2.12〜2.86(m,11H)、1.34
〜1.90(m,7H)、1.16〜1.34(m,1H)、0.9
8(t,J=8.1,3H)、0.90(t,J=8.1,3H)。
【0050】(4)トランス−(±)−3−エチル−5−n
−プロピル−4,4a,5,6,7,8,8a,9−オクタヒド
ロ−1H(および2H)−ピラゾロ[3,4−g]キノリンお
よびトランス−(±)−1−エチル−6−n−プロピル−
4,5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H(およ
び3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリンの製造 調製例(1)の方法に従って、0.5Mリチウムジイソプ
ロピルアミン溶液約44mlを−78℃に冷却した。ここ
にトランス−(±)−1−n−プロピル−6−オキソ−デ
カヒドロキノリン3.9gのTHF溶液を加えて、−78
℃で30分間撹拌した。塩化プロピオニル2.6mlを加
えて室温まで昇温し、その温度で一晩撹拌した。これを
調製例(1)の方法で後処理して生成物を単離してトラン
ス−(±)−1−n−プロピル−6−オキソ−7−プロピ
オニルデカヒドロキノリンおよび5−プロピオニル異性
体を含む混合物約4.2gを得た。これを更に精製するこ
となくメタノール中でヒドラジンと反応させて2種のピ
ラゾール異性体の混合物を得た。この異性体を前述と同
じ溶媒系を用いたシリカゲルのクロマトグラフィーによ
り分離した。このようにして得たトランス−(±)−3−
エチル−5−n−プロピル−4,4a,5,6,7,8,8a,9
−オクタヒドロ−1H(および2H)−ピラゾロ[3,4−
g]キノリンを二臭化水素酸塩および二塩酸塩に変換し
た。 元素分析(二塩酸塩として計算) 計算値: C,56.25; H,8.50;N,13.12; C
l,22.14 実測値: C,56.01; H,8.72;N,12.85; C
l,22.03 mp.271〜275℃(メタノール/酢酸エチルから結
晶化した場合)。 赤外線スペクトル(CHCl3): 3464、3210、
2951、1625、1461。 マス・スペクトル: 247(分子イオン)、218、12
5、96、41。 プロトンNMR(CDCl3): 9.92(bs,1H)、2.8
4〜3.10(m,2H)、2.68〜2.84(m,2H)、2.
44〜2.60(m,2H)、2.61(q,J=8.1,2H)、
2.14〜2.32(m,4H)、1.91(bd,J=13,1
H)、1.62〜1.82(m,3H)、1.44〜1.62(m,
2H)、1.24(t,J=7.6,3H)、0.91(t,J=
8.1,3H)。
【0051】互変異性体、トランス−(±)−1−エチル
−6−n−プロピル−4,5,5a,6,7,8,9,9a−オク
タヒドロ−2H(および3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノ
リン(上記のクロマトグラフィー法で分離)の二塩酸塩を
二臭化水素酸塩に変換した。 mp.289℃。 元素分析 計算値: C,44.03; H,6.65;N,10.27; B
r,39.05 実測値: C,43.97; H,6.70;N,9.99; Br,
39.29 赤外線スペクトル(CHCl3): 3462、3210、
2952、1471。 マス・スペクトルのピーク: 247(分子イオン)、21
8、175、125、84。 プロトンNMR(CDCl3): 9.76(bs,1H)、3.0
3(bd,J=12,1H)、2.12〜2.94(m,11H)、
1.36〜1.90(m,5H)、1.22(t,J=8.1,3
H)、1.10〜1.36(m,1H)、0.90(t,J=8.
1,3H)。
【0052】上記の実施例、調製例中にR1aがメチル、
エチルまたはn−プロピルである式(XXII)および(XXIII)
で表わされる化合物の製造法の幾つかを示したが、今
回、R1およびR1aがC1−C3アルコキシである中間体
の製造法も見い出した。その中間体は、下式(XXXVII)お
よび(XXXVIII)で表わすことができる。
【化19】 [式中、Rは前記と同意義である。]
【0053】上記の実施例、調製例は全てトランス−
(±)−二環性デカヒドロキノリンからの本化合物の製造
法を記載しているが、当業者には明らかであるように、
トランス−(−)−異性体を対応する光学活性なトランス
−(−)−立体異性体生成物に変換する際にも同じ化学反
応が関係し、トランス−(+)−互変異性体も同様に製造
し得る。
【0054】以下に、本発明の化合物を製造中間体(も
しくは出発物質)として製造され得る式(XII)/(XIII)で
表される化合物の製剤例を記載する。製剤例1 硬質ゼラチンカプセル剤を下記の成分を用いて製造す
る。 上記成分を混合して硬質ゼラチンカプセルに充填する。
【0055】製剤例2 下記成分を用いて錠剤を製造する。 上記成分を混和して錠剤に打錠する。
【0056】製剤例3 活性成分50〜100mgずつを含有する錠剤を下記のよ
うにして製造する。 活性成分 50〜100mg デンプン 45 mg 微結晶セルロース 35 mg ポリビニルピロリドン 4 mg (10%水溶液として) カルボキシメチルデンプンナトリウム 4.5mg ステアリン酸マグネシウム 0.5mg タルク 1 mg 活性成分、デンプンおよびセルロースをNo.45メッシ
ュ・アメリカ局方篩に通して完全に混合し、ポリビニル
ピロリドン溶液と混合してNo.14メッシュ・アメリカ
局方篩に通す。こうして製造した顆粒を50〜60℃で
乾燥してNo.18メッシュ・アメリカ局方篩に通し、予
めNo.60メッシュ・アメリカ局方篩に通しておいたカ
ルボキシメチルデンプンナトリウム、ステアリン酸マグ
ネシウムおよびタルクを加えて混合したのち打錠機で打
錠して錠剤を得る。
【0057】製剤例4 薬物を80mgずつ含有するカプセル剤を下記のようにし
て製造する。 活性成分 50〜100mg デンプン 59 mg 微結晶セルロース 59 mg ステアリン酸マグネシウム 2 mg 活性成分、セルロース、デンプンおよびステアリン酸マ
グネシウムを混和し、No.45メッシュ・アメリカ局方
篩に通し、硬質ゼラチンカプセル中に充填する。
【0058】製剤例5 用量5ml当り薬物を50〜100mgずつ含有する懸濁剤
を下記のようにして製造する。 活性成分 50〜100mgカルボキシメチルセルロースナトリウム 50mg シロップ 1.25ml 安息香酸溶液 0.10ml 矯味料 適量 着色料 適量 精製水 全量を5mlとする量 薬物をNo.45メッシュ・アメリカ局方篩に通し、カル
ボキシメチルセルロースナトリウムおよびシロップと混
合して均一なペーストにする。安息香酸溶液、矯味料お
よび着色料を少量の水で希釈して撹拌下に上記ペースト
に加え、所望量とするに充分な量の水を加える。
【0059】本発明の化合物を製造中間体(もしくは出
発物質)として製造され得る、RがC1−C3アルキルま
たはアリルであり、R1aがH、CH3、C25またはn−
プロピルである式(XII)および(XIII)ならびに(XVIII)お
よび(XIX)で表わされる互変異性体は、下記の実験によ
り示されるように自然発生的高血圧ラットの血圧を低下
させる。
【0060】体重約300gの成熟雄性自然発生的高血
圧ラット(SHR)(Taconic Farms, Germantown, N
ew York)をペントバルビタールナトリウム(60mg/k
g、腹腔内投与)で麻酔し、気管にカニューレを挿入し
て、SHRを空気呼吸させた。脈拍動脈圧をStatham変
換器(P23 ID)を用いてカニューレ挿入頸動脈から
測定した。平均動脈圧は弛緩期圧に脈圧の1/3を加え
たものとして計算した。心拍数は、収縮期圧脈拍により
誘起されるカルジオタコメーターで追跡した。薬物溶液
を大腿静脈に付けたカテーテルを通して静脈投与した。
動脈圧および心拍数を多チャンネルオッシログラフ(Ba
ckman, Model R511A)で記録した。ラット処置
後、15分間の標本平衡化時間をおいた。薬物は1mg/
kgの濃度で投与した。
【0061】下記の表1に式(XII)または(XIII)で表わ
される一連の化合物の本試験結果を示す。表1におい
て、第1欄に化合物名を、第2欄に平均動脈圧の変化率
(%)を、第3欄に心拍数の変化率(%)を示す。
【表1】 *D=トランス−(±)−1−メチル−6−n−プロピル
−4,5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H(お
よび3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリン・二塩酸塩 E=トランス−(±)−1−エチル−6−n−プロピル−
4,5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H(およ
び3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリン・二塩酸塩 F=トランス−(±)−1,6−ジ−n−プロピル−4,5,
5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H(および3
H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリン・二塩酸塩。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ダイアン・エル・ヒューザー アメリカ合衆国インディアナ州インディア ナポリス・ノース・ブロードウェイ5620番 地 (72)発明者 リチャード・エヌ・ブーエル アメリカ合衆国インディアナ州インディア ナポリス・ヒルクレスト・コート6886番地

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(XXIX)および(XXX): 【化1】 [R'はC1−C3アルキルまたはアリルを表し、R1aはH
    またはC1−C3アルキルを表わす]で表わされるトラン
    ス−(±)−互変異性体混合物およびその酸付加塩。
JP4246442A 1983-09-26 1992-09-16 ピラゾール環がアルキル化されたピラゾロキノリン類の製造中間体 Pending JPH0625251A (ja)

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