JP3985117B2 - ジヒドロキノリン誘導体 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規なジヒドロキノリン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明誘導体は、文献未載の新規化合物である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は医薬品、特に鎮痛作用を有し鎮痛剤として有用な化合物を提供することを目的とする。
【0004】
本発明者らは、従来より、医薬品として有用な薬理活性を有する化合物の研究、開発を進めてきており、その課程で先に血糖降下作用を有し血糖降下剤として糖尿病の治療及び予防に有効な一連のジヒドロキノリン化合物の合成に成功し、該化合物に係る発明を特許出願した(特開平9−255658号公報参照)。
【0005】
引き続く研究の結果、本発明者らは、上記化合物と共通するジヒドロキノリン骨格を有するが、特にその1位置換基において明確に区別される他の一連の新規なジヒドロキノリン誘導体の合成に成功すると共に、之等の新規な誘導体が上記先の化合物の有する血糖降下作用とは本質的に異なり、しかも該作用からは予測できない鎮痛作用を有することを見い出し、ここに上記目的に合致する本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、下記一般式(1)で表される新規なジヒドロキノリン誘導体が提供される。
一般式(1):
【0007】
【化2】
【0008】
〔式中、R1 、R2 及びR6 はそれぞれ水素原子、低級アルコキシ基又はハロゲン原子を示し、R3 及びR4 はそれぞれ低級アルキル基、オキソ低級アルキル基又はヒドロキシフェニル基を示すか或いは互いに結合してそれらが結合する硫黄原子と共に1,4−チオキサン環を形成する基を示し、R5 は置換基として低級アルキル基、低級アルコキシ基及びハロゲン原子からなる群から選ばれる基の1〜3個を有することのあるフェニル基を示す。〕
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明誘導体を表わす上記一般式(1)中、R1 〜R6 で示される各基としては、次のものを例示することができる。
即ち、R3 〜R4 で示される低級アルキル基、或いはR5 におけるフェニル置換基としての低級アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基を例示できる。
【0010】
R1 、R2 及びR6 で示される低級アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6の直鎖状又は分枝鎖状アルコキシ基を例示できる。
【0011】
R1 、R2 及びR6 で示されるハロゲン原子、或いはR5 におけるフェニル置換基としてのハロゲン原子には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が包含される。
【0012】
R3 及びR4 で示されるヒドロキシフェニル基には、2−ヒドロキシフェニル、3−ヒドロキシフェニル、4−ヒドロキシフェニル基が包含される。
【0013】
R3 及びR4 で示されるオキソ低級アルキル基としては、2−オキソエチル、2−オキソプロピル、3−オキソプロピル、2−オキソブチル、3−オキソブチル、4−オキソブチル、2−オキソペンチル、3−オキソペンチル、4−オキソペンチル、5−オキソペンチル、2−オキソヘキシル、3−オキソヘキシル、4−オキソヘキシル、5−オキソヘキシル、6−オキソヘキシル基等の炭素数1〜6のオキソアルキル基を例示できる。
【0014】
R5 で示されるフェニル置換基としての低級アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基を例示できる。
【0015】
R5 で示される、置換基として低級アルキル基、低級アルコキシ基及びハロゲン原子からなる群から選ばれる基の1〜3個を有することのあるフェニル基としては、無置換のフェニル基に加えて、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−エチルフェニル、4−プロピルフェニル、4−ブチルフェニル、4−ペンチルフェニル、4−ヘキシルフェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、3,4−ジエチルフェニル、3,4−ジプロピルフェニル、3,4−ジブチルフェニル、3,4−ジペンチルフェニル、3,4−ジヘキシルフェニル、3,4,5−トリメチルフェニル、2,3,4−トリメチルフェニル、2,3,5−トリメチルフェニル、2,3,6−トリメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2,4,5−トリメチルフェニル、3,4,5−トリエチルフェニル、3,4,5−トリプロピルフェニル、3,4,5−トリブチルフェニル、3,4,5−トリペンチルフェニル、3,4,5−トリヘキシルフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−エトキシフェニル、4−プロポキシフェニル、4−ブトキシフェニル、4−ペンチルオキシフェニル、4−ヘキシルオキシフェニル、2,3−ジメトキシフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、3,4−ジエトキシフェニル、3,4−ジプロポキシフェニル、3,4−ジブトキシフェニル、3,4−ジペンチルオキシフェニル、3,4−ジヘキシルオキシフェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、2,3,4−トリメトキシフェニル、2,3,5−トリメトキシフェニル、2,3,6−トリメトキシフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2,4,5−トリメトキシフェニル、3,4,5−トリエトキシフェニル、3,4,5−トリプロポキシフェニル、3,4,5−トリブトキシフェニル、3,4,5−トリペンチルオキシフェニル、3,4,5−トリヘキシルオキシフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2−ブロモフェニル、3−ブロモフェニル、4−ブロモフェニル、2−ヨードフェニル、3−ヨードフェニル、4−ヨードフェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,3−ジクロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、2,6−ジクロロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,4−ジブロモフェニル、2,4−ジヨードフェニル、3,4,5−トリクロロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、4−メトキシ−3−メチルフェニル、4−メトキシ−2−メチルフェニル、3−メトキシ−2−メチルフェニル、4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル、4−クロロ−3−メトキシフェニル、3−クロロ−4−メトキシフェニル、4−クロロ−3−メチルフェニル、3−クロロ−4−メチルフェニル、4−クロロ−3,5−ジメトキシフェニル、4−クロロ−3,5−ジメチルフェニル基等を例示できる。
【0016】
本発明に係わる前記一般式(1)で表わされるジヒドロキノリン誘導体は、鎮痛作用を有しており、鎮痛剤として、特に神経因性疼痛の緩和のための鎮痛剤として有用である。また、本発明化合物は、従来の鎮痛剤有効成分にみられる如き依存性、習慣性、幻覚等の副作用を示さない特徴を有しており、之等の点でも鎮痛剤として特に有効である。
【0017】
かかる鎮痛剤としてより有効な本発明化合物としては、前記一般式(1)中、R1 、R2 及びR6 の置換位置がそれぞれ6位、7位及び8位である化合物を挙げることができる。
【0018】
該化合物中では、R3 が低級アルキル基或いはR4 と互いに結合してそれらが結合する硫黄原子と共に1,4−チオキサン環を形成する基である化合物が好適である。
【0019】
上記好適な化合物のうちでは、R3 及びR4 がそれぞれ低級アルキル基であるものが好ましく、この好ましい化合物中でも、R5 が置換基として低級アルコキシ基及びハロゲン原子からなる群から選ばれる基の1〜3個を有するフェニル基であるものはより好ましい。
【0020】
上記好ましい化合物中では、R6 が水素原子で、R1 及びR2 がそれぞれ低級アルコキシ基であるか又はR1 及びR2 の一方が水素原子で他方がハロゲン原子である化合物が更に好ましい。
【0021】
上記更に好ましい化合物中では、R3 がメチル基で且つR4 がプロピル基であるものが一層好ましい。
【0022】
上記一層好ましい化合物中では、R6 が水素原子で、R1 及びR2 がそれぞれメトキシ基であるか又はR1 が水素原子で且つR2 が塩素原子であるものが更に一層好ましい。
【0023】
最も好ましい化合物としては、前記一般式(1)中、R5 が4−メトキシフェニル基、3,4,5−トリメトキシフェニル基又は2,3−ジクロロフェニル基であるものを例示することができる。
【0024】
該最も好ましい化合物には、具体的には、7−クロロ−1−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−3−(メチル−n−プロピルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート、7−クロロ−1−(4−メトキシベンジル)−3−(メチル−n−プロピルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート、6,7−ジメトキシ−1−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−3−(メチル−n−プロピルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート、6,7−ジメトキシ−1−(4−メトキシベンジル)−3−(メチル−n−プロピルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート及び1−(2,3−ジクロロベンジル)−6,7−ジメトキシ−3−(メチル−n−プロピルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラートが包含される。
【0025】
本発明化合物は、種々の方法により製造することができる。その例を以下に反応工程式を挙げて説明する。
【0026】
【化3】
【0027】
〔式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 及びR6 は前記に同じ。Xはハロゲン原子を示す。〕
上記反応工程式において、化合物(2)から化合物(3)を経て化合物(5)を合成する反応は、例えば特開平9−255658号公報に記載の方法に準じて行うことができる。
【0028】
即ち、まず公知の化合物(2)を、アルカリの存在下に、ヨードベンゼンジアセテートと反応させることにより、化合物(3)を得る。該反応においては、溶媒として水を好適に使用でき、アルカリとしては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等を使用できる。上記アルカリ及びヨードベンゼンジアセテートの使用量は、それぞれ原料化合物を基準として等モル量〜少過剰量とするのが好ましい。反応は0℃〜室温付近の温度で約1〜10時間を要して行われる。
【0029】
次に、上記で得られる化合物(3)は、これをチオエーテル誘導体(4)と反応させることにより、化合物(5)に変換できる。該反応は、メタノール、エタノール、トリフルオロエタノール等の低級アルコールを溶媒として用い、p−トルエンスルホン酸、酢酸等の酸触媒を適量添加して行うことができる。チオエーテル誘導体(4)の使用量は、化合物(3)に対して1〜10倍モル量程度とするのがよく、反応は室温〜溶媒の還流温度にて10分〜24時間程度で完了する。
【0030】
上記により得られる化合物(5)は、これをベンジルハライド誘導体(6)と反応させることにより、本発明化合物(1)に変換できる。この反応は、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等の不活性溶媒中、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムエトキシド等の塩基の存在下、0℃〜室温付近の温度条件下で実施される。ベンジルハライド誘導体(6)及び塩基の使用量は、一般に化合物(5)に対しそれぞれ等モル〜5倍モル量程度とするのがよく、反応は約0.5〜10時間を要して完了する。
【0031】
上記のごとくして得られる本発明化合物(1)は、下記に示す共鳴構造をとると考えられ、従って、それらのいずれの構造式でも表し得る。
【0032】
【化4】
【0033】
上記反応工程式に示した各工程における目的化合物は、通常の分離手段により容易に単離精製できる。該手段としては、例えば吸着クロマトグラフィー、プレパラティブ薄層クロマトグラフィー、再結晶、溶媒抽出等を例示できる。
【0034】
本発明化合物の一部には、硫黄原子及び/又は炭素原子を不斉中心とする光学異性体が存在するものがあり、本発明は光学活性体であるR体及びS体並びにラセミ体のいずれをも包含する。上記光学活性体は、慣用の方法、例えば公知の光学分割剤を使用する方法等で分離することができる。
【0035】
本発明医薬組成物は、上記一般式(1)で表わされる化合物を有効成分として、これを適当な薬学的に許容される担体と共に用いて、一般的な医薬製剤の形態とされ実用される。
【0036】
本発明医薬組成物に利用される上記担体としては、製剤の使用形態に応じて通常使用される、充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤等の希釈剤又は賦形剤を例示でき、これらは得られる製剤の投与単位形態に応じて適宜選択使用される。
【0037】
上記医薬製剤の投与単位形態としては、各種の形態が治療目的に応じて選択でき、その代表的なものとしては錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)、軟膏剤等が挙げられる。
【0038】
錠剤の形態に成形するに際しては、上記担体として、例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸、リン酸カリウム等の賦形剤、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の結合剤;カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム等の崩壊剤;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド等の界面活性剤;白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤;第4級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤;グリセリン、デンプン等の保湿剤;デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤;精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等を使用できる。
【0039】
更に錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠あるいは二重錠、多層錠とすることができる。
【0040】
丸剤の形態に成形するに際しては、上記担体として例えばブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤;アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤;ラミナラン、カンテン等の崩壊剤等を使用できる。
【0041】
坐剤の形態に成形するに際しては、上記担体として例えばポリエチレングリコール、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半合成グリセライド等を使用できる。
【0042】
カプセル剤は、常法に従い、通常本発明化合物を上記で例示した各種の担体と混合して硬質ゼラチンカプセル、軟質カプセル等に充填して調整される。
【0043】
本発明医薬組成物が液剤、乳剤、懸濁剤等の注射剤として調製される場合、之等は殺菌され且つ血液と等張であるのが好ましく、之等の形態に成形するに際しては、希釈剤として例えば水、エチルアルコール、マクロゴール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を使用できる。尚、この場合等張性の溶液を調整するに充分な量の食塩、ブドウ糖又はグリセリンを製剤中に含有させてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を添加してもよい。
【0044】
ペースト、クリーム、ゲル等の軟膏剤の形態に成形するに際しては、希釈剤として例えば白色ワセリン、パラフイン、グリセリン、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト等を使用できる。
【0045】
更に、本発明医薬組成物中には、必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を含有させることもできる。
【0046】
本発明医薬組成物中に含有されるべき一般式(1)で表わされる本発明化合物(有効成分化合物)の量は、特に限定されず広範囲より適宜選択されるが、通常医薬組成物中に約0.5〜90重量%、好ましくは約1〜85重量%含有されるものとするのがよい。
【0047】
上記医薬組成物の投与方法は、特に制限がなく、各種製剤形態、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等に応じて決定される。例えば錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル剤は経口投与され、注射剤は単独で又はブドウ糖、アミノ酸等の通常の補液と混合して静脈内投与され、更に必要に応じ単独で筋肉内、皮内、皮下もしくは腹腔内投与され、坐剤は直腸内投与される。
【0048】
上記医薬組成物の投与量は、その用法、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等により適宜選択されるが、通常有効成分である本発明化合物の量が1日成人1人当り体重1kg当り約0.5〜20mg、好ましくは1〜10mg程度とするのがよく、該製剤は1日に1回又は2〜4回に分けて投与することができる。
【0049】
【実施例】
以下に、本発明化合物の製造例を実施例として挙げる。また本発明化合物の製造のための原料化合物(中間体)の製造例を参考例として挙げる。
【0050】
各例で得られた化合物の構造、融点及び1H−NMRスペクトルデータを第1表に記載する。尚、1H−NMRスペクトルは、内部基準としてTMS(テトラメチルシラン)を用いて測定した。
【0051】
【参考例1】
7−クロロ−2−オキソ−3−フェニルヨードニウム−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラートの製造
炭酸ナトリウム8.3gを水400mlに溶解し、この水溶液に7−クロロ−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン14.5gを溶かし、室温下で、更にヨードベンゼンジアセテート24.0gを加え、室温で3時間攪拌した。反応終了後、析出した結晶を濾取し、メタノールで洗浄した後、60℃で5時間減圧乾燥して、目的化合物の結晶28.1g(融点:163〜165℃)を得た。これを化合物(1)とする。
1H−NMR(δ:ppm)〔DMSO−d6〕;7.12(1H,d,J=7.4), 7.17-7.29(2H,m), 7.36-7.61(4H,m), 7.80-7.99(3H,m), 10.80(1H,s)
上記と同様にして、下記(2)〜(5)の各化合物を製造した。
(2)2−オキソ−3−フェニルヨードニウム−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
融点:244〜246℃
1H−NMR(δ:ppm)〔DMSO−d6〕;7.01(1H,dd,J=6.9,7.4), 7.17(1H,d,J=8.4), 7.32-7.50(4H,m), 7.81(2H,d,J=7.4), 7.89(1H,d,J=6.9), 10.63(1H,s)
(3)6−クロロ−2−オキソ−3−フェニルヨードニウム−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(4)6,7−ジメトキシ−2−オキソ−3−フェニルヨードニウム−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(5)6,7,8−トリメトキシ−2−オキソ−3−フェニルヨードニウム−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
【0052】
【参考例2】
7−クロロ−3−(メチル−n−プロピルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラートの製造
トリフルオロエタノール30mlに参考例1で得られた化合物(1)7.6g、メチル−n−プロピルスルフィド2.1g及びp−トルエンスルホン酸100mgを溶かし、70℃で1時間攪拌した。反応終了後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液…メタノール:クロロホルム=1:15)で精製し、得られた結晶をジエチルエーテルで洗浄して、目的化合物の結晶4.1g(融点:219〜221℃)を得た。これを化合物(6)とする。
1H−NMR(δ:ppm)〔DMSO−d6〕;0.97(3H,t,J=7.4), 1.43-1.70(2H,m), 3.09(3H,s), 3.20-3.33(1H,m), 3.89-4.01(1H,m), 7.04(1H,d,J=8.4), 7.16(1H,s), 7.82(1H,d,J=8.4), 10.56(1H,s)
上記と同様にして、下記(7)〜(16)の各化合物を製造した。
(7)6−クロロ−3−(メチル−n−プロピルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
融点:210〜212℃
1H−NMR(δ:ppm)〔DMSO−d6〕;0.97(3H,t,J=7.4), 1.41-1.70(2H,m), 3.09(3H,s), 3.22-3.37(1H,m), 3.90-4.01(1H,m), 7.14(1H,d,J=8.9), 7.45(1H,d,J=8.9), 7.75(1H,s), 10.59(1H,s)
(8)7−クロロ−3−(エチル−メチルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
融点:217〜219℃
1H−NMR(δ:ppm)〔DMSO−d6〕;1.17(3H,t,J=7.4), 3.09(3H,s), 3.29-3.45(1H,m), 3.85-3.99(1H,m), 7.05(1H,d,J=8.4), 7.16(1H,s), 7.82(1H,d,J=8.4), 10.57(1H,s)
(9)6,7−ジメトキシ−3−(メチル−n−プロピルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
融点:161〜163℃
1H−NMR(δ:ppm)〔DMSO−d6〕;0.96(3H,t,J=7.4), 1.40-1.70(2H,m), 3.07(3H,s), 3.14-3.28(1H,m), 3.75(3H,s), 3.77(3H,s), 3.92-4.03(1H,m), 6.68(1H,s), 7.28(1H,s), 10.20(1H,s)
(10)3−(エチル−メチルスルホニオ)−6,7−ジメトキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
融点:192〜194℃
1H−NMR(δ:ppm)〔DMSO−d6〕;1.15(3H,t,J=7.4), 3.07(3H,s), 3.25-3.40(1H,m), 3.75(3H,s), 3.77(3H,s), 3.81-3.99(1H,m), 6.69(1H,s), 7.28(1H,s), 10.21(1H,s)
(11)3−(n−ブチル−メチルスルホニオ)−6,7−ジメトキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
融点:198〜200℃
1H−NMR(δ:ppm)〔DMSO−d6〕;0.85(3H,t,J=7.2), 1.29-1.55(4H,m), 3.08(3H,s), 3.18-3.31(1H,m), 3.75(3H,s), 3.77(3H,s), 3.93-4.05(1H,m), 6.69(1H,s), 7.28(1H,s), 10.21(1H,s)
(12)3−(メチル−n−プロピルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
融点:158〜160℃
1H−NMR(δ:ppm)〔DMSO−d6〕;0.97(3H,t,J=7.2), 1.45-1.70(2H,m), 3.09(3H,s), 3.20-3.34(1H,m), 3.92-4.04(1H,m), 7.01(1H,dd,J=7.2,7.9), 7.11(1H,d,J=7.9), 7.40(1H,dd,J=7.2,7.9), 7.82(1H,d,J=7.9), 10.43(1H,s)
(13)6,7,8−トリメトキシ−3−(メチル−n−プロピルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
融点:190〜193℃
1H−NMR(δ:ppm)〔DMSO−d6〕;0.96(3H,t,J=7.4), 1.40-1.70(2H,m), 3.08(3H,s), 3.15-3.30(1H,m), 3.79(3H,s), 3.80(3H,s), 3.82(3H,s), 3.90-4.03(1H,m), 7.17(1H,s), 9.46(1H,s)
(14)6,7−ジメトキシ−3−〔メチル−(4−オキソペンチル)スルホニオ〕−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(15)3−〔(4−ヒドロキシフェニル)−メチルスルホニオ〕−6,7−ジメトキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(16)6,7−ジメトキシ−3−(1,4−チオキサン−1−イオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
更に同様にして、下記の化合物(17)〜(30)を合成することができる。
(17)3−〔メチル−(4−オキソペンチル)スルホニオ〕−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(18)6−クロロ−3−〔メチル−(4−オキソペンチル)スルホニオ〕−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(19)7−クロロ−3−〔メチル−(4−オキソペンチル)スルホニオ〕−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(20)3−(1,4−チオキサン−1−イオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(21)6−クロロ−3−(1,4−チオキサン−1−イオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(22)7−クロロ−3−(1,4−チオキサン−1−イオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(23)3−〔(4−ヒドロキシフェニル)−メチルスルホニオ〕−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(24)6−クロロ−3−〔(4−ヒドロキシフェニル)−メチルスルホニオ〕−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(25)7−クロロ−3−〔(4−ヒドロキシフェニル)−メチルスルホニオ〕−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(26)3−(エチル−メチルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(27)6−クロロ−3−(エチル−メチルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(28)3−(n−ブチル−メチルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(29)6−クロロ−3−(n−ブチル−メチルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(30)7−クロロ−3−(n−ブチル−メチルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
【0053】
【実施例1】
7−クロロ−1−(4−メトキシベンジル)−3−(メチル−n−プロピルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラートの製造
60%水素化ナトリウム270mgをDMF10mlに溶かし、0℃に冷却した。そこに上記参考例2で得られた化合物(5)1.3gを加え、0℃で10分攪拌し、続いて4−メトキシベンジルクロリド1.4gを加え、室温で3時間攪拌した。反応終了後、水を加え、クロロホルム30mlで3回抽出した。有機層を集めて水洗いし、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液…メタノール:クロロホルム=1:20)で精製し、得られた結晶をジエチルエーテル−n−ヘキサンで洗浄して、目的化合物の結晶1.49gを得た。
【0054】
【実施例2〜24】
参考例2の(6)〜(16)の各化合物を原料として用いて、実施例1と同様にして、第1表に記載の各化合物を製造した。
【0055】
更に同様にして、第2表に記載の各化合物を製造することができる。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】
【表5】
【0061】
【表6】
【0062】
【表7】
【0063】
【表8】
【0064】
【表9】
【0065】
【表10】
【0066】
【表11】
【0067】
【表12】
【0068】
【表13】
【0069】
【表14】
【0070】
【表15】
【0071】
【表16】
【0072】
【表17】
【0073】
以下、本発明化合物につき行なわれた薬理試験例及び本発明化合物を利用した医薬製剤の調製例を挙げる。
【0074】
【薬理試験例1】
6週齢S.D.系雄性ラット1群7匹を用い、まず各ラットの左後肢足蹠の疼痛閾値を圧刺激鎮痛効果測定装置(ユニコム社製)を用いて、ランダール・セリット法〔Randall,L.O. and Sellitto,J.J., Arch.Int.Pharmacodyn., 111, 409 (1957)〕に準じて測定した。得られた値を「前値」とする。
【0075】
上記前値の測定1時間後に、実験群には本発明化合物の5%アラビアゴム懸濁液を、対照群には5%アラビアゴム液(本発明化合物を含まない)を、それぞれ10ml/kg(有効成分投与量:10mg/kg)となるように経口投与し、更にその1時間後にサブスタンスPの生理食塩水溶液25ng/0.1mlを、各ラットの左後肢足蹠皮下に注射した。
【0076】
次に、サブスタンスP注射の所定時間後(具体的には第3表に記載)に、各群ラットの左後肢足蹠の疼痛閾値を上記と同様にして測定して、これを「後値」とした。
【0077】
各群の測定値(後値と前値)より、疼痛閾値回復率(%)を、次式に従って算出した。
疼痛閾値回復率(%)=〔(Tb−Cb)/(Ca−Cb)〕×100
Tbは実験群平均後値を、Cbは対照群平均後値を、Caは対照群平均前値を示す。
【0078】
得られた結果(最大の回復率)を下記第3表に示す。
【0079】
【表18】
【0080】
上記第3表より、本発明化合物は、優れた鎮痛作用を奏することが明らかである。
【0081】
【製剤例1】
錠剤の調製
有効成分として実施例10で得た本発明化合物を用いて、1錠当りその300mgを含有する錠剤(2000錠)を、次の処方により調製した。
実施例10で得た本発明化合物 600g
乳糖(日本薬局方品) 67g
コーンスターチ(日本薬局方品) 33g
カルボキシメチルセルロースカルシウム(日本薬局方品) 25g
メチルセルロース(日本薬局方品) 12g
ステアリン酸マグネシウム(日本薬局方品) 3g
即ち、上記処方に従い、実施例10で得た本発明化合物、乳糖、コーンスターチ及びカルボキシメチルセルロースカルシウムを充分混合し、メチルセルロース水溶液を用いて混合物を顆粒化し、24メッシュの篩を通し、これをステアリン酸マグネシウムと混合して、錠剤にプレスして、目的の錠剤を得た。
【0082】
【製剤例2】
カプセル剤の調製
有効成分として実施例1で得た本発明化合物を用いて、1カプセル当りその200mgを含有する硬質ゼラチンカプセル(2000カプセル)を、次の処方により調製した。
実施例1で得た本発明化合物 400g
結晶セルロース(日本薬局方品) 60g
コーンスターチ(日本薬局方品) 34g
タルク(日本薬局方品) 4g
ステアリン酸マグネシウム(日本薬局方品) 2g
即ち、上記処方に従い、各成分を細かく粉末にし、均一な混合物となるように混和した後、所望の寸法を有する経口投与用ゼラチンカプセルに充填して、目的のカプセル剤を得た。
【発明の属する技術分野】
本発明は新規なジヒドロキノリン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明誘導体は、文献未載の新規化合物である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は医薬品、特に鎮痛作用を有し鎮痛剤として有用な化合物を提供することを目的とする。
【0004】
本発明者らは、従来より、医薬品として有用な薬理活性を有する化合物の研究、開発を進めてきており、その課程で先に血糖降下作用を有し血糖降下剤として糖尿病の治療及び予防に有効な一連のジヒドロキノリン化合物の合成に成功し、該化合物に係る発明を特許出願した(特開平9−255658号公報参照)。
【0005】
引き続く研究の結果、本発明者らは、上記化合物と共通するジヒドロキノリン骨格を有するが、特にその1位置換基において明確に区別される他の一連の新規なジヒドロキノリン誘導体の合成に成功すると共に、之等の新規な誘導体が上記先の化合物の有する血糖降下作用とは本質的に異なり、しかも該作用からは予測できない鎮痛作用を有することを見い出し、ここに上記目的に合致する本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、下記一般式(1)で表される新規なジヒドロキノリン誘導体が提供される。
一般式(1):
【0007】
【化2】
【0008】
〔式中、R1 、R2 及びR6 はそれぞれ水素原子、低級アルコキシ基又はハロゲン原子を示し、R3 及びR4 はそれぞれ低級アルキル基、オキソ低級アルキル基又はヒドロキシフェニル基を示すか或いは互いに結合してそれらが結合する硫黄原子と共に1,4−チオキサン環を形成する基を示し、R5 は置換基として低級アルキル基、低級アルコキシ基及びハロゲン原子からなる群から選ばれる基の1〜3個を有することのあるフェニル基を示す。〕
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明誘導体を表わす上記一般式(1)中、R1 〜R6 で示される各基としては、次のものを例示することができる。
即ち、R3 〜R4 で示される低級アルキル基、或いはR5 におけるフェニル置換基としての低級アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基を例示できる。
【0010】
R1 、R2 及びR6 で示される低級アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6の直鎖状又は分枝鎖状アルコキシ基を例示できる。
【0011】
R1 、R2 及びR6 で示されるハロゲン原子、或いはR5 におけるフェニル置換基としてのハロゲン原子には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が包含される。
【0012】
R3 及びR4 で示されるヒドロキシフェニル基には、2−ヒドロキシフェニル、3−ヒドロキシフェニル、4−ヒドロキシフェニル基が包含される。
【0013】
R3 及びR4 で示されるオキソ低級アルキル基としては、2−オキソエチル、2−オキソプロピル、3−オキソプロピル、2−オキソブチル、3−オキソブチル、4−オキソブチル、2−オキソペンチル、3−オキソペンチル、4−オキソペンチル、5−オキソペンチル、2−オキソヘキシル、3−オキソヘキシル、4−オキソヘキシル、5−オキソヘキシル、6−オキソヘキシル基等の炭素数1〜6のオキソアルキル基を例示できる。
【0014】
R5 で示されるフェニル置換基としての低級アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基を例示できる。
【0015】
R5 で示される、置換基として低級アルキル基、低級アルコキシ基及びハロゲン原子からなる群から選ばれる基の1〜3個を有することのあるフェニル基としては、無置換のフェニル基に加えて、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−エチルフェニル、4−プロピルフェニル、4−ブチルフェニル、4−ペンチルフェニル、4−ヘキシルフェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、3,4−ジエチルフェニル、3,4−ジプロピルフェニル、3,4−ジブチルフェニル、3,4−ジペンチルフェニル、3,4−ジヘキシルフェニル、3,4,5−トリメチルフェニル、2,3,4−トリメチルフェニル、2,3,5−トリメチルフェニル、2,3,6−トリメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2,4,5−トリメチルフェニル、3,4,5−トリエチルフェニル、3,4,5−トリプロピルフェニル、3,4,5−トリブチルフェニル、3,4,5−トリペンチルフェニル、3,4,5−トリヘキシルフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−エトキシフェニル、4−プロポキシフェニル、4−ブトキシフェニル、4−ペンチルオキシフェニル、4−ヘキシルオキシフェニル、2,3−ジメトキシフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、3,4−ジエトキシフェニル、3,4−ジプロポキシフェニル、3,4−ジブトキシフェニル、3,4−ジペンチルオキシフェニル、3,4−ジヘキシルオキシフェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、2,3,4−トリメトキシフェニル、2,3,5−トリメトキシフェニル、2,3,6−トリメトキシフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2,4,5−トリメトキシフェニル、3,4,5−トリエトキシフェニル、3,4,5−トリプロポキシフェニル、3,4,5−トリブトキシフェニル、3,4,5−トリペンチルオキシフェニル、3,4,5−トリヘキシルオキシフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2−ブロモフェニル、3−ブロモフェニル、4−ブロモフェニル、2−ヨードフェニル、3−ヨードフェニル、4−ヨードフェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,3−ジクロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、2,6−ジクロロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,4−ジブロモフェニル、2,4−ジヨードフェニル、3,4,5−トリクロロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、4−メトキシ−3−メチルフェニル、4−メトキシ−2−メチルフェニル、3−メトキシ−2−メチルフェニル、4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル、4−クロロ−3−メトキシフェニル、3−クロロ−4−メトキシフェニル、4−クロロ−3−メチルフェニル、3−クロロ−4−メチルフェニル、4−クロロ−3,5−ジメトキシフェニル、4−クロロ−3,5−ジメチルフェニル基等を例示できる。
【0016】
本発明に係わる前記一般式(1)で表わされるジヒドロキノリン誘導体は、鎮痛作用を有しており、鎮痛剤として、特に神経因性疼痛の緩和のための鎮痛剤として有用である。また、本発明化合物は、従来の鎮痛剤有効成分にみられる如き依存性、習慣性、幻覚等の副作用を示さない特徴を有しており、之等の点でも鎮痛剤として特に有効である。
【0017】
かかる鎮痛剤としてより有効な本発明化合物としては、前記一般式(1)中、R1 、R2 及びR6 の置換位置がそれぞれ6位、7位及び8位である化合物を挙げることができる。
【0018】
該化合物中では、R3 が低級アルキル基或いはR4 と互いに結合してそれらが結合する硫黄原子と共に1,4−チオキサン環を形成する基である化合物が好適である。
【0019】
上記好適な化合物のうちでは、R3 及びR4 がそれぞれ低級アルキル基であるものが好ましく、この好ましい化合物中でも、R5 が置換基として低級アルコキシ基及びハロゲン原子からなる群から選ばれる基の1〜3個を有するフェニル基であるものはより好ましい。
【0020】
上記好ましい化合物中では、R6 が水素原子で、R1 及びR2 がそれぞれ低級アルコキシ基であるか又はR1 及びR2 の一方が水素原子で他方がハロゲン原子である化合物が更に好ましい。
【0021】
上記更に好ましい化合物中では、R3 がメチル基で且つR4 がプロピル基であるものが一層好ましい。
【0022】
上記一層好ましい化合物中では、R6 が水素原子で、R1 及びR2 がそれぞれメトキシ基であるか又はR1 が水素原子で且つR2 が塩素原子であるものが更に一層好ましい。
【0023】
最も好ましい化合物としては、前記一般式(1)中、R5 が4−メトキシフェニル基、3,4,5−トリメトキシフェニル基又は2,3−ジクロロフェニル基であるものを例示することができる。
【0024】
該最も好ましい化合物には、具体的には、7−クロロ−1−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−3−(メチル−n−プロピルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート、7−クロロ−1−(4−メトキシベンジル)−3−(メチル−n−プロピルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート、6,7−ジメトキシ−1−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−3−(メチル−n−プロピルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート、6,7−ジメトキシ−1−(4−メトキシベンジル)−3−(メチル−n−プロピルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート及び1−(2,3−ジクロロベンジル)−6,7−ジメトキシ−3−(メチル−n−プロピルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラートが包含される。
【0025】
本発明化合物は、種々の方法により製造することができる。その例を以下に反応工程式を挙げて説明する。
【0026】
【化3】
【0027】
〔式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 及びR6 は前記に同じ。Xはハロゲン原子を示す。〕
上記反応工程式において、化合物(2)から化合物(3)を経て化合物(5)を合成する反応は、例えば特開平9−255658号公報に記載の方法に準じて行うことができる。
【0028】
即ち、まず公知の化合物(2)を、アルカリの存在下に、ヨードベンゼンジアセテートと反応させることにより、化合物(3)を得る。該反応においては、溶媒として水を好適に使用でき、アルカリとしては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等を使用できる。上記アルカリ及びヨードベンゼンジアセテートの使用量は、それぞれ原料化合物を基準として等モル量〜少過剰量とするのが好ましい。反応は0℃〜室温付近の温度で約1〜10時間を要して行われる。
【0029】
次に、上記で得られる化合物(3)は、これをチオエーテル誘導体(4)と反応させることにより、化合物(5)に変換できる。該反応は、メタノール、エタノール、トリフルオロエタノール等の低級アルコールを溶媒として用い、p−トルエンスルホン酸、酢酸等の酸触媒を適量添加して行うことができる。チオエーテル誘導体(4)の使用量は、化合物(3)に対して1〜10倍モル量程度とするのがよく、反応は室温〜溶媒の還流温度にて10分〜24時間程度で完了する。
【0030】
上記により得られる化合物(5)は、これをベンジルハライド誘導体(6)と反応させることにより、本発明化合物(1)に変換できる。この反応は、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等の不活性溶媒中、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムエトキシド等の塩基の存在下、0℃〜室温付近の温度条件下で実施される。ベンジルハライド誘導体(6)及び塩基の使用量は、一般に化合物(5)に対しそれぞれ等モル〜5倍モル量程度とするのがよく、反応は約0.5〜10時間を要して完了する。
【0031】
上記のごとくして得られる本発明化合物(1)は、下記に示す共鳴構造をとると考えられ、従って、それらのいずれの構造式でも表し得る。
【0032】
【化4】
【0033】
上記反応工程式に示した各工程における目的化合物は、通常の分離手段により容易に単離精製できる。該手段としては、例えば吸着クロマトグラフィー、プレパラティブ薄層クロマトグラフィー、再結晶、溶媒抽出等を例示できる。
【0034】
本発明化合物の一部には、硫黄原子及び/又は炭素原子を不斉中心とする光学異性体が存在するものがあり、本発明は光学活性体であるR体及びS体並びにラセミ体のいずれをも包含する。上記光学活性体は、慣用の方法、例えば公知の光学分割剤を使用する方法等で分離することができる。
【0035】
本発明医薬組成物は、上記一般式(1)で表わされる化合物を有効成分として、これを適当な薬学的に許容される担体と共に用いて、一般的な医薬製剤の形態とされ実用される。
【0036】
本発明医薬組成物に利用される上記担体としては、製剤の使用形態に応じて通常使用される、充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤等の希釈剤又は賦形剤を例示でき、これらは得られる製剤の投与単位形態に応じて適宜選択使用される。
【0037】
上記医薬製剤の投与単位形態としては、各種の形態が治療目的に応じて選択でき、その代表的なものとしては錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)、軟膏剤等が挙げられる。
【0038】
錠剤の形態に成形するに際しては、上記担体として、例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸、リン酸カリウム等の賦形剤、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の結合剤;カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム等の崩壊剤;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド等の界面活性剤;白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤;第4級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤;グリセリン、デンプン等の保湿剤;デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤;精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等を使用できる。
【0039】
更に錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠あるいは二重錠、多層錠とすることができる。
【0040】
丸剤の形態に成形するに際しては、上記担体として例えばブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤;アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤;ラミナラン、カンテン等の崩壊剤等を使用できる。
【0041】
坐剤の形態に成形するに際しては、上記担体として例えばポリエチレングリコール、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半合成グリセライド等を使用できる。
【0042】
カプセル剤は、常法に従い、通常本発明化合物を上記で例示した各種の担体と混合して硬質ゼラチンカプセル、軟質カプセル等に充填して調整される。
【0043】
本発明医薬組成物が液剤、乳剤、懸濁剤等の注射剤として調製される場合、之等は殺菌され且つ血液と等張であるのが好ましく、之等の形態に成形するに際しては、希釈剤として例えば水、エチルアルコール、マクロゴール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を使用できる。尚、この場合等張性の溶液を調整するに充分な量の食塩、ブドウ糖又はグリセリンを製剤中に含有させてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を添加してもよい。
【0044】
ペースト、クリーム、ゲル等の軟膏剤の形態に成形するに際しては、希釈剤として例えば白色ワセリン、パラフイン、グリセリン、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト等を使用できる。
【0045】
更に、本発明医薬組成物中には、必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を含有させることもできる。
【0046】
本発明医薬組成物中に含有されるべき一般式(1)で表わされる本発明化合物(有効成分化合物)の量は、特に限定されず広範囲より適宜選択されるが、通常医薬組成物中に約0.5〜90重量%、好ましくは約1〜85重量%含有されるものとするのがよい。
【0047】
上記医薬組成物の投与方法は、特に制限がなく、各種製剤形態、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等に応じて決定される。例えば錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル剤は経口投与され、注射剤は単独で又はブドウ糖、アミノ酸等の通常の補液と混合して静脈内投与され、更に必要に応じ単独で筋肉内、皮内、皮下もしくは腹腔内投与され、坐剤は直腸内投与される。
【0048】
上記医薬組成物の投与量は、その用法、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等により適宜選択されるが、通常有効成分である本発明化合物の量が1日成人1人当り体重1kg当り約0.5〜20mg、好ましくは1〜10mg程度とするのがよく、該製剤は1日に1回又は2〜4回に分けて投与することができる。
【0049】
【実施例】
以下に、本発明化合物の製造例を実施例として挙げる。また本発明化合物の製造のための原料化合物(中間体)の製造例を参考例として挙げる。
【0050】
各例で得られた化合物の構造、融点及び1H−NMRスペクトルデータを第1表に記載する。尚、1H−NMRスペクトルは、内部基準としてTMS(テトラメチルシラン)を用いて測定した。
【0051】
【参考例1】
7−クロロ−2−オキソ−3−フェニルヨードニウム−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラートの製造
炭酸ナトリウム8.3gを水400mlに溶解し、この水溶液に7−クロロ−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン14.5gを溶かし、室温下で、更にヨードベンゼンジアセテート24.0gを加え、室温で3時間攪拌した。反応終了後、析出した結晶を濾取し、メタノールで洗浄した後、60℃で5時間減圧乾燥して、目的化合物の結晶28.1g(融点:163〜165℃)を得た。これを化合物(1)とする。
1H−NMR(δ:ppm)〔DMSO−d6〕;7.12(1H,d,J=7.4), 7.17-7.29(2H,m), 7.36-7.61(4H,m), 7.80-7.99(3H,m), 10.80(1H,s)
上記と同様にして、下記(2)〜(5)の各化合物を製造した。
(2)2−オキソ−3−フェニルヨードニウム−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
融点:244〜246℃
1H−NMR(δ:ppm)〔DMSO−d6〕;7.01(1H,dd,J=6.9,7.4), 7.17(1H,d,J=8.4), 7.32-7.50(4H,m), 7.81(2H,d,J=7.4), 7.89(1H,d,J=6.9), 10.63(1H,s)
(3)6−クロロ−2−オキソ−3−フェニルヨードニウム−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(4)6,7−ジメトキシ−2−オキソ−3−フェニルヨードニウム−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(5)6,7,8−トリメトキシ−2−オキソ−3−フェニルヨードニウム−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
【0052】
【参考例2】
7−クロロ−3−(メチル−n−プロピルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラートの製造
トリフルオロエタノール30mlに参考例1で得られた化合物(1)7.6g、メチル−n−プロピルスルフィド2.1g及びp−トルエンスルホン酸100mgを溶かし、70℃で1時間攪拌した。反応終了後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液…メタノール:クロロホルム=1:15)で精製し、得られた結晶をジエチルエーテルで洗浄して、目的化合物の結晶4.1g(融点:219〜221℃)を得た。これを化合物(6)とする。
1H−NMR(δ:ppm)〔DMSO−d6〕;0.97(3H,t,J=7.4), 1.43-1.70(2H,m), 3.09(3H,s), 3.20-3.33(1H,m), 3.89-4.01(1H,m), 7.04(1H,d,J=8.4), 7.16(1H,s), 7.82(1H,d,J=8.4), 10.56(1H,s)
上記と同様にして、下記(7)〜(16)の各化合物を製造した。
(7)6−クロロ−3−(メチル−n−プロピルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
融点:210〜212℃
1H−NMR(δ:ppm)〔DMSO−d6〕;0.97(3H,t,J=7.4), 1.41-1.70(2H,m), 3.09(3H,s), 3.22-3.37(1H,m), 3.90-4.01(1H,m), 7.14(1H,d,J=8.9), 7.45(1H,d,J=8.9), 7.75(1H,s), 10.59(1H,s)
(8)7−クロロ−3−(エチル−メチルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
融点:217〜219℃
1H−NMR(δ:ppm)〔DMSO−d6〕;1.17(3H,t,J=7.4), 3.09(3H,s), 3.29-3.45(1H,m), 3.85-3.99(1H,m), 7.05(1H,d,J=8.4), 7.16(1H,s), 7.82(1H,d,J=8.4), 10.57(1H,s)
(9)6,7−ジメトキシ−3−(メチル−n−プロピルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
融点:161〜163℃
1H−NMR(δ:ppm)〔DMSO−d6〕;0.96(3H,t,J=7.4), 1.40-1.70(2H,m), 3.07(3H,s), 3.14-3.28(1H,m), 3.75(3H,s), 3.77(3H,s), 3.92-4.03(1H,m), 6.68(1H,s), 7.28(1H,s), 10.20(1H,s)
(10)3−(エチル−メチルスルホニオ)−6,7−ジメトキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
融点:192〜194℃
1H−NMR(δ:ppm)〔DMSO−d6〕;1.15(3H,t,J=7.4), 3.07(3H,s), 3.25-3.40(1H,m), 3.75(3H,s), 3.77(3H,s), 3.81-3.99(1H,m), 6.69(1H,s), 7.28(1H,s), 10.21(1H,s)
(11)3−(n−ブチル−メチルスルホニオ)−6,7−ジメトキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
融点:198〜200℃
1H−NMR(δ:ppm)〔DMSO−d6〕;0.85(3H,t,J=7.2), 1.29-1.55(4H,m), 3.08(3H,s), 3.18-3.31(1H,m), 3.75(3H,s), 3.77(3H,s), 3.93-4.05(1H,m), 6.69(1H,s), 7.28(1H,s), 10.21(1H,s)
(12)3−(メチル−n−プロピルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
融点:158〜160℃
1H−NMR(δ:ppm)〔DMSO−d6〕;0.97(3H,t,J=7.2), 1.45-1.70(2H,m), 3.09(3H,s), 3.20-3.34(1H,m), 3.92-4.04(1H,m), 7.01(1H,dd,J=7.2,7.9), 7.11(1H,d,J=7.9), 7.40(1H,dd,J=7.2,7.9), 7.82(1H,d,J=7.9), 10.43(1H,s)
(13)6,7,8−トリメトキシ−3−(メチル−n−プロピルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
融点:190〜193℃
1H−NMR(δ:ppm)〔DMSO−d6〕;0.96(3H,t,J=7.4), 1.40-1.70(2H,m), 3.08(3H,s), 3.15-3.30(1H,m), 3.79(3H,s), 3.80(3H,s), 3.82(3H,s), 3.90-4.03(1H,m), 7.17(1H,s), 9.46(1H,s)
(14)6,7−ジメトキシ−3−〔メチル−(4−オキソペンチル)スルホニオ〕−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(15)3−〔(4−ヒドロキシフェニル)−メチルスルホニオ〕−6,7−ジメトキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(16)6,7−ジメトキシ−3−(1,4−チオキサン−1−イオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
更に同様にして、下記の化合物(17)〜(30)を合成することができる。
(17)3−〔メチル−(4−オキソペンチル)スルホニオ〕−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(18)6−クロロ−3−〔メチル−(4−オキソペンチル)スルホニオ〕−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(19)7−クロロ−3−〔メチル−(4−オキソペンチル)スルホニオ〕−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(20)3−(1,4−チオキサン−1−イオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(21)6−クロロ−3−(1,4−チオキサン−1−イオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(22)7−クロロ−3−(1,4−チオキサン−1−イオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(23)3−〔(4−ヒドロキシフェニル)−メチルスルホニオ〕−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(24)6−クロロ−3−〔(4−ヒドロキシフェニル)−メチルスルホニオ〕−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(25)7−クロロ−3−〔(4−ヒドロキシフェニル)−メチルスルホニオ〕−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(26)3−(エチル−メチルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(27)6−クロロ−3−(エチル−メチルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(28)3−(n−ブチル−メチルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(29)6−クロロ−3−(n−ブチル−メチルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
(30)7−クロロ−3−(n−ブチル−メチルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート
【0053】
【実施例1】
7−クロロ−1−(4−メトキシベンジル)−3−(メチル−n−プロピルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラートの製造
60%水素化ナトリウム270mgをDMF10mlに溶かし、0℃に冷却した。そこに上記参考例2で得られた化合物(5)1.3gを加え、0℃で10分攪拌し、続いて4−メトキシベンジルクロリド1.4gを加え、室温で3時間攪拌した。反応終了後、水を加え、クロロホルム30mlで3回抽出した。有機層を集めて水洗いし、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液…メタノール:クロロホルム=1:20)で精製し、得られた結晶をジエチルエーテル−n−ヘキサンで洗浄して、目的化合物の結晶1.49gを得た。
【0054】
【実施例2〜24】
参考例2の(6)〜(16)の各化合物を原料として用いて、実施例1と同様にして、第1表に記載の各化合物を製造した。
【0055】
更に同様にして、第2表に記載の各化合物を製造することができる。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】
【表5】
【0061】
【表6】
【0062】
【表7】
【0063】
【表8】
【0064】
【表9】
【0065】
【表10】
【0066】
【表11】
【0067】
【表12】
【0068】
【表13】
【0069】
【表14】
【0070】
【表15】
【0071】
【表16】
【0072】
【表17】
【0073】
以下、本発明化合物につき行なわれた薬理試験例及び本発明化合物を利用した医薬製剤の調製例を挙げる。
【0074】
【薬理試験例1】
6週齢S.D.系雄性ラット1群7匹を用い、まず各ラットの左後肢足蹠の疼痛閾値を圧刺激鎮痛効果測定装置(ユニコム社製)を用いて、ランダール・セリット法〔Randall,L.O. and Sellitto,J.J., Arch.Int.Pharmacodyn., 111, 409 (1957)〕に準じて測定した。得られた値を「前値」とする。
【0075】
上記前値の測定1時間後に、実験群には本発明化合物の5%アラビアゴム懸濁液を、対照群には5%アラビアゴム液(本発明化合物を含まない)を、それぞれ10ml/kg(有効成分投与量:10mg/kg)となるように経口投与し、更にその1時間後にサブスタンスPの生理食塩水溶液25ng/0.1mlを、各ラットの左後肢足蹠皮下に注射した。
【0076】
次に、サブスタンスP注射の所定時間後(具体的には第3表に記載)に、各群ラットの左後肢足蹠の疼痛閾値を上記と同様にして測定して、これを「後値」とした。
【0077】
各群の測定値(後値と前値)より、疼痛閾値回復率(%)を、次式に従って算出した。
疼痛閾値回復率(%)=〔(Tb−Cb)/(Ca−Cb)〕×100
Tbは実験群平均後値を、Cbは対照群平均後値を、Caは対照群平均前値を示す。
【0078】
得られた結果(最大の回復率)を下記第3表に示す。
【0079】
【表18】
【0080】
上記第3表より、本発明化合物は、優れた鎮痛作用を奏することが明らかである。
【0081】
【製剤例1】
錠剤の調製
有効成分として実施例10で得た本発明化合物を用いて、1錠当りその300mgを含有する錠剤(2000錠)を、次の処方により調製した。
実施例10で得た本発明化合物 600g
乳糖(日本薬局方品) 67g
コーンスターチ(日本薬局方品) 33g
カルボキシメチルセルロースカルシウム(日本薬局方品) 25g
メチルセルロース(日本薬局方品) 12g
ステアリン酸マグネシウム(日本薬局方品) 3g
即ち、上記処方に従い、実施例10で得た本発明化合物、乳糖、コーンスターチ及びカルボキシメチルセルロースカルシウムを充分混合し、メチルセルロース水溶液を用いて混合物を顆粒化し、24メッシュの篩を通し、これをステアリン酸マグネシウムと混合して、錠剤にプレスして、目的の錠剤を得た。
【0082】
【製剤例2】
カプセル剤の調製
有効成分として実施例1で得た本発明化合物を用いて、1カプセル当りその200mgを含有する硬質ゼラチンカプセル(2000カプセル)を、次の処方により調製した。
実施例1で得た本発明化合物 400g
結晶セルロース(日本薬局方品) 60g
コーンスターチ(日本薬局方品) 34g
タルク(日本薬局方品) 4g
ステアリン酸マグネシウム(日本薬局方品) 2g
即ち、上記処方に従い、各成分を細かく粉末にし、均一な混合物となるように混和した後、所望の寸法を有する経口投与用ゼラチンカプセルに充填して、目的のカプセル剤を得た。
Claims (12)
- R1 、R2 及びR6 の置換位置がそれぞれ6位、7位及び8位である請求項1に記載の一般式(1)で表わされるジヒドロキノリン誘導体。
- R3 が低級アルキル基或いはR4 と互いに結合してそれらが結合する硫黄原子と共に1,4−チオキサン環を形成する基である請求項1に記載の一般式(1)で表わされる、請求項2に記載のジヒドロキノリン誘導体。
- R3 及びR4 がそれぞれ低級アルキル基である請求項1に記載の一般式(1)で表わされる、請求項3に記載のジヒドロキノリン誘導体。
- R5 が置換基として低級アルコキシ基及びハロゲン原子からなる群から選ばれる基の1〜3個を有するフェニル基である請求項1に記載の一般式(1)で表わされる、請求項3又は4に記載のジヒドロキノリン誘導体。
- R6 が水素原子で、R1 及びR2 がそれぞれ低級アルコキシ基であるか又はR1 及びR2 の一方が水素原子で他方がハロゲン原子である請求項1に記載の一般式(1)で表わされる、請求項3〜5のいずれかに記載のジヒドロキノリン誘導体。
- R3 がメチル基で且つR4 がプロピル基である請求項1に記載の一般式(1)で表わされる、請求項4〜6のいずれかに記載のジヒドロキノリン誘導体。
- R6 が水素原子で、R1 及びR2 がそれぞれメトキシ基であるか又はR1 が水素原子で且つR2 が塩素原子である請求項1に記載の一般式(1)で表わされる、請求項4〜7のいずれかに記載のジヒドロキノリン誘導体。
- R5 が4−メトキシフェニル基、3,4,5−トリメトキシフェニル基又は2,3−ジクロロフェニル基である請求項1に記載の一般式(1)で表わされる、請求項4〜8のいずれかに記載のジヒドロキノリン誘導体。
- 7−クロロ−1−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−3−(メチル−n−プロピルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート、7−クロロ−1−(4−メトキシベンジル)−3−(メチル−n−プロピルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート、6,7−ジメトキシ−1−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−3−(メチル−n−プロピルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート、6,7−ジメトキシ−1−(4−メトキシベンジル)−3−(メチル−n−プロピルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラート及び1−(2,3−ジクロロベンジル)−6,7−ジメトキシ−3−(メチル−n−プロピルスルホニオ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−オラートから選ばれる請求項9に記載のジヒドロキノリン誘導体。
- 請求項1に記載のジヒドロキノリン誘導体及び薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物。
- 請求項1に記載のジヒドロキノリン誘導体を有効成分として含有する鎮痛剤。
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