JPH05194511A - ピラゾール環がアルキル化されたピラゾロキノリン類 - Google Patents
ピラゾール環がアルキル化されたピラゾロキノリン類Info
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- JPH05194511A JPH05194511A JP4246412A JP24641292A JPH05194511A JP H05194511 A JPH05194511 A JP H05194511A JP 4246412 A JP4246412 A JP 4246412A JP 24641292 A JP24641292 A JP 24641292A JP H05194511 A JPH05194511 A JP H05194511A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 式(XII)および(XIII):
【化1】
[RはH、CN、C1−C3アルキルまたはアリル、R1a
はHまたはC1−C3アルキルを表す]で表される化合物
およびその医薬的に許容される塩ならびにそれらを含有
する製剤を提供する。また、式(XXIII): 【化2】 で表される化合物、もしくは式(XXIX)または(XX
X): 【化3】 で表される化合物を出発物質とする上記化合物の製造法
を提供する。 【効果】 上記化合物は血圧降下活性を有し、血圧降下
剤として有用である。
はHまたはC1−C3アルキルを表す]で表される化合物
およびその医薬的に許容される塩ならびにそれらを含有
する製剤を提供する。また、式(XXIII): 【化2】 で表される化合物、もしくは式(XXIX)または(XX
X): 【化3】 で表される化合物を出発物質とする上記化合物の製造法
を提供する。 【効果】 上記化合物は血圧降下活性を有し、血圧降下
剤として有用である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗高血圧物質として有
用な新規互変異性トランス−(±)−アルキル化オクタヒ
ドロピラゾロ[4,3−f]キノリン類、その製造法ならび
にその新規な製造中間体に関する。
用な新規互変異性トランス−(±)−アルキル化オクタヒ
ドロピラゾロ[4,3−f]キノリン類、その製造法ならび
にその新規な製造中間体に関する。
【0002】
【従来の技術】活性なプロラクチン阻害物質であり、パ
ーキンソン症候群の治療に有用な互変異性トランス−
(±)−5−置換−7−適宜置換−4,4a,5,6,7,8,
8a,9−オクタヒドロ−1H(および2H)−ピラゾロ
[3,4−g]キノリン類(式(I)および(II))はアメリカ合
衆国特許No.4,198,415、4,230,861およ
び4,367,231に記載されている。
ーキンソン症候群の治療に有用な互変異性トランス−
(±)−5−置換−7−適宜置換−4,4a,5,6,7,8,
8a,9−オクタヒドロ−1H(および2H)−ピラゾロ
[3,4−g]キノリン類(式(I)および(II))はアメリカ合
衆国特許No.4,198,415、4,230,861およ
び4,367,231に記載されている。
【化7】 [式中、R'はC1−C3アルキルまたはアリルを表わ
す。]
す。]
【0003】トランス−(−)−立体異性体、4aR,8a
R−5−n−プロピル−4,4a,5,6,7,8,8a,9−オ
クタヒドロ−1H(および2H)−ピラゾロ[3,4−g]キ
ノリン(一組の互変異性体、式(III)および(IV)、R'はn
−プロピル)の一方の降圧活性がHahn et al., J.Ph
arm.Exper.Therap., 206(1983)に開示され
ている。
R−5−n−プロピル−4,4a,5,6,7,8,8a,9−オ
クタヒドロ−1H(および2H)−ピラゾロ[3,4−g]キ
ノリン(一組の互変異性体、式(III)および(IV)、R'はn
−プロピル)の一方の降圧活性がHahn et al., J.Ph
arm.Exper.Therap., 206(1983)に開示され
ている。
【0004】上式の(I)〜(IV)に表わされるオクタヒド
ロピラゾロキノリンを反応式Iに従って製造する。
ロピラゾロキノリンを反応式Iに従って製造する。
【化8】 [R'はC1−C3アルキルまたはアリルを表わす。]
【0005】上記の反応式中、トランス−(±)−1−ア
ルキル−(またはアリル)−6−オキソデカヒドロキノリ
ン(V)をジメチルホルムアミド・ジメチルアセタールと
縮合させて式(VI)の化合物を得て、これをヒドラジンと
反応させて一組の互変異性体(I)および(II)を得る。
ルキル−(またはアリル)−6−オキソデカヒドロキノリ
ン(V)をジメチルホルムアミド・ジメチルアセタールと
縮合させて式(VI)の化合物を得て、これをヒドラジンと
反応させて一組の互変異性体(I)および(II)を得る。
【0006】イギリスの明細書No.2,129,422に
は、式(V)の化合物を分割してトランス−(−)−(4aR,
8aR)立体異性体(Va)またはトランス−(+)−立体異性
体を得る方法が提示されており、トランス−(−)−立体
異性体をジメチルホルムアミド・ジメチルアセタールと
縮合させて式(VIa)の化合物を得て、これをヒドラジン
と反応させて一組の互変異性体(III)および(IV)が得ら
れる。これに対応する一組のトランス−(+)体は、トラ
ンス−(+)−(4aS,9aS)−立体異性体から同様の方
法で製造する。
は、式(V)の化合物を分割してトランス−(−)−(4aR,
8aR)立体異性体(Va)またはトランス−(+)−立体異性
体を得る方法が提示されており、トランス−(−)−立体
異性体をジメチルホルムアミド・ジメチルアセタールと
縮合させて式(VIa)の化合物を得て、これをヒドラジン
と反応させて一組の互変異性体(III)および(IV)が得ら
れる。これに対応する一組のトランス−(+)体は、トラ
ンス−(+)−(4aS,9aS)−立体異性体から同様の方
法で製造する。
【0007】イギリスの明細書、2,130,576に
は、別の製造中間体であるトランス−(±)、トランス−
(+)またはトランス−(−)−7−ホルミル−1−アルキ
ル−6−オキソデカヒドロキノリンが提示されており、
これをヒドラジンと反応させると、出発物質としてトラ
ンス−(±)−ラセミ体、トランス−(+)またはトランス
−(−)−立体異性体のいずれを用いるかに依存して一組
の互変異性体、(I)および(II)または(III)および(IV)な
らびに一組のトランス−(+)体が得られる。
は、別の製造中間体であるトランス−(±)、トランス−
(+)またはトランス−(−)−7−ホルミル−1−アルキ
ル−6−オキソデカヒドロキノリンが提示されており、
これをヒドラジンと反応させると、出発物質としてトラ
ンス−(±)−ラセミ体、トランス−(+)またはトランス
−(−)−立体異性体のいずれを用いるかに依存して一組
の互変異性体、(I)および(II)または(III)および(IV)な
らびに一組のトランス−(+)体が得られる。
【0008】二環性ケトン(V)および(Va)は、中間体(I
V)および(VIa)を経由して一連のオクタヒドロ−2H−
ピロロ[3,4−g]キノリンを製造するための出発物質と
しても用いる。ここで中間体(VI)および(VIa)はグリシ
ン塩(ヒドラジンの代わり)と縮合させて所望の三環性化
合物を得る(アメリカ合衆国特許No.4,311,844
参照)。R'がアリルである式(I)〜(IV)で表わされる化
合物およびその対応するピロロキノリン類は、R'がC
Nまたはベンジルである化合物からCNまたはベンジル
基を除去して得られるR'がHである第2級アミンの標
準的条件下でハロゲン化アリルにてアリル化することに
より製造する。
V)および(VIa)を経由して一連のオクタヒドロ−2H−
ピロロ[3,4−g]キノリンを製造するための出発物質と
しても用いる。ここで中間体(VI)および(VIa)はグリシ
ン塩(ヒドラジンの代わり)と縮合させて所望の三環性化
合物を得る(アメリカ合衆国特許No.4,311,844
参照)。R'がアリルである式(I)〜(IV)で表わされる化
合物およびその対応するピロロキノリン類は、R'がC
Nまたはベンジルである化合物からCNまたはベンジル
基を除去して得られるR'がHである第2級アミンの標
準的条件下でハロゲン化アリルにてアリル化することに
より製造する。
【0009】上に引用した先行技術には、ピラゾール環
の3位がアルキル置換されたオクタヒドロピラゾロ[3,
4−g]キノリン類は記載されておらず、また、その合成
法も用途も記載されていない。
の3位がアルキル置換されたオクタヒドロピラゾロ[3,
4−g]キノリン類は記載されておらず、また、その合成
法も用途も記載されていない。
【0010】
【構成】本発明は下記の構造式(XII)および(XIII)で表
わされる互変異性トランス−(±)−アルキル化オクタヒ
ドロピラゾロ[4,3−f]キノリン類またはその製薬上許
容される酸付加塩を提供する。
わされる互変異性トランス−(±)−アルキル化オクタヒ
ドロピラゾロ[4,3−f]キノリン類またはその製薬上許
容される酸付加塩を提供する。
【化9】 [式中、RはCN、H、C1−C3アルキルまたはアリ
ル、R1aはC1−C3アルキルまたはHを表わす。] 具体例: (XII): トランス−(±)−1,6−ジアルキル−4,5,5
a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H−ピラゾロ
[4,3−f]キノリン、 (XIII): トランス−(±)−1,6−ジアルキル−4,5,
5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−3H−ピラゾロ
[4,3−f]キノリン。
ル、R1aはC1−C3アルキルまたはHを表わす。] 具体例: (XII): トランス−(±)−1,6−ジアルキル−4,5,5
a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H−ピラゾロ
[4,3−f]キノリン、 (XIII): トランス−(±)−1,6−ジアルキル−4,5,
5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−3H−ピラゾロ
[4,3−f]キノリン。
【0011】式(XII)および(XIII)で表わされる構造は
互変異性体である。即ち、上に示した一組になった構造
の間には動的平衡がある。一組の互変異性体のうちのど
ちらか一方を記載しても、それにより他方の互変異性体
も記載していることは理解し得るところである。
互変異性体である。即ち、上に示した一組になった構造
の間には動的平衡がある。一組の互変異性体のうちのど
ちらか一方を記載しても、それにより他方の互変異性体
も記載していることは理解し得るところである。
【0012】上記式(XII)および(XIII)で表わされる化
合物ならびにその製薬上許容される酸付加塩は、式(XXI
II):
合物ならびにその製薬上許容される酸付加塩は、式(XXI
II):
【化10】 [式中、R1aはHまたはC1−C3アルキル、R2はC1−
C3アルキル、アリルまたはCNを表わす。]で表わされ
る化合物をNH2NH2またはその塩もしくは水和物と反
応させて、要すれば、生成物をトランス−(−)−および
トランス−(+)−立体異性体に分割し、要すれば、生成
物を造塩反応に付してその製薬上許容される酸付加塩を
形成することにより製造する。
C3アルキル、アリルまたはCNを表わす。]で表わされ
る化合物をNH2NH2またはその塩もしくは水和物と反
応させて、要すれば、生成物をトランス−(−)−および
トランス−(+)−立体異性体に分割し、要すれば、生成
物を造塩反応に付してその製薬上許容される酸付加塩を
形成することにより製造する。
【0013】式(XII)および(XIII)で表わされる化合物
ならびにその製薬上許容される酸付加塩は、式(XXIX)お
よび(XXX):
ならびにその製薬上許容される酸付加塩は、式(XXIX)お
よび(XXX):
【化11】 [式中、R'はC1−C3アルキルまたはアリル、R1aはH
またはC1−C3アルキルを表わす。]で表わされるトラ
ンス−(±)−互変異性化合物をラネ−Niと反応させ
て、要すれば、生成物をトランス−(−)−およびトラン
ス−(+)−立体異性体に分割し、要すれば、生成物を造
塩反応に付してその製薬上許容される酸付加塩を形成す
ることによっても製造し得る。
またはC1−C3アルキルを表わす。]で表わされるトラ
ンス−(±)−互変異性化合物をラネ−Niと反応させ
て、要すれば、生成物をトランス−(−)−およびトラン
ス−(+)−立体異性体に分割し、要すれば、生成物を造
塩反応に付してその製薬上許容される酸付加塩を形成す
ることによっても製造し得る。
【0014】上記の2つの方法の両方において、分割し
たトランス−(−)−またはトランス−(+)−出発物質を
用いることができるし、最終産物を常法で分割すること
もできる。
たトランス−(−)−またはトランス−(+)−出発物質を
用いることができるし、最終産物を常法で分割すること
もできる。
【0015】式(XII)および(XIII)で表わされる化合物
の互変異性体混合物、その分割された立体異性体、また
はその製薬上許容される酸付加塩を活性成分とし、1種
またはそれ以上の製薬上許容される担体または希釈剤と
共に含有して成る製剤も本発明の一部を成す。
の互変異性体混合物、その分割された立体異性体、また
はその製薬上許容される酸付加塩を活性成分とし、1種
またはそれ以上の製薬上許容される担体または希釈剤と
共に含有して成る製剤も本発明の一部を成す。
【0016】式(XII)もしくは(XIII)で表わされる化合
物、その立体異性体またはその製薬上許容される酸付加
塩は、上述の式(XII)または(XIII)で表わされる化合物
の1種以上の有効量を哺乳動物に投与することにより哺
乳動物の高血圧症を治療するのに用いることができる。
本化合物は、それ故に降圧物質として有用である。
物、その立体異性体またはその製薬上許容される酸付加
塩は、上述の式(XII)または(XIII)で表わされる化合物
の1種以上の有効量を哺乳動物に投与することにより哺
乳動物の高血圧症を治療するのに用いることができる。
本化合物は、それ故に降圧物質として有用である。
【0017】式(XII)または(XIII)で表わされる化合物
の製薬上許容される酸付加塩には、塩酸、硝酸、リン
酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜リン酸などの
非毒性無機酸から誘導される塩ならびに脂肪族モノおよ
びジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシ
アルカンおよびアルカンジ酸、芳香族酸、脂肪族および
芳香族スルホン酸などの非毒性有機酸から誘導される塩
が含まれる。従って、このような製薬上許容される塩に
は、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫
酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸−水素塩、リン酸二水
素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩酸塩、臭化水素
酸塩、ヨウ化水素酸塩、フッ化水素酸塩、酢酸塩、プロ
ピオン酸塩、デカン酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ
酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸
塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸
塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マンデ
ル酸塩、ブチン−1,4−ジ酸塩、ヘキシン−1,6−ジ
酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸
塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メシ
キシ安息香酸塩、フタル酸塩、テレフタル酸塩、ベンゼ
ンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、クロロベンゼ
ンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸
塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン
酸塩、乳酸塩、ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、リ
ンゴ酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンス
ルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレ
ン−2−スルホン酸塩などが含まれる。
の製薬上許容される酸付加塩には、塩酸、硝酸、リン
酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜リン酸などの
非毒性無機酸から誘導される塩ならびに脂肪族モノおよ
びジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシ
アルカンおよびアルカンジ酸、芳香族酸、脂肪族および
芳香族スルホン酸などの非毒性有機酸から誘導される塩
が含まれる。従って、このような製薬上許容される塩に
は、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫
酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸−水素塩、リン酸二水
素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩酸塩、臭化水素
酸塩、ヨウ化水素酸塩、フッ化水素酸塩、酢酸塩、プロ
ピオン酸塩、デカン酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ
酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸
塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸
塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マンデ
ル酸塩、ブチン−1,4−ジ酸塩、ヘキシン−1,6−ジ
酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸
塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メシ
キシ安息香酸塩、フタル酸塩、テレフタル酸塩、ベンゼ
ンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、クロロベンゼ
ンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸
塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン
酸塩、乳酸塩、ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、リ
ンゴ酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンス
ルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレ
ン−2−スルホン酸塩などが含まれる。
【0018】上式で示される化合物は、式(XII)および
(XIII)において5a位と9a位の2箇所の不斉中心を有す
る。このようにして、2種のラセミ体として存在する4
種の立体異性体を表わす一組の互変異性体は式(XII)と
(XIII)により示される。上記のラセミ体はシス−(±)お
よびトランス−(±)−ラセミ体として表わされる。本発
明は後者のラセミ体のみを包含する。トランス−(−)−
鏡像異性体(式(XII)および(XIII)で5aR,9aR−立体
異性体)は下式で表わされる。
(XIII)において5a位と9a位の2箇所の不斉中心を有す
る。このようにして、2種のラセミ体として存在する4
種の立体異性体を表わす一組の互変異性体は式(XII)と
(XIII)により示される。上記のラセミ体はシス−(±)お
よびトランス−(±)−ラセミ体として表わされる。本発
明は後者のラセミ体のみを包含する。トランス−(−)−
鏡像異性体(式(XII)および(XIII)で5aR,9aR−立体
異性体)は下式で表わされる。
【化12】 [式中、RおよびR1aは前記と同意義である。] トランス−(+)−鏡像異性体は橋頭水素の配置が逆であ
る。即ち、式(XVIa)および(XVIIa)で5aS,9aSであ
る。
る。即ち、式(XVIa)および(XVIIa)で5aS,9aSであ
る。
【化13】 [式中、RおよびR1aは前記と同意義である。]
【0019】本発明は式(XVIII)および(XIX)で表わされ
る新規なピラゾロ[4,3−f]キノリンをも提供する。
る新規なピラゾロ[4,3−f]キノリンをも提供する。
【化14】 [式中、Rは前記と同意義である。] 式(XVIII)および(XIX)は、R1a がHである式(XII)およ
び(XIII)に相当し、そのトランス−(−)−互変異性体は
下式(XX)および(XXI)で表わされる。
び(XIII)に相当し、そのトランス−(−)−互変異性体は
下式(XX)および(XXI)で表わされる。
【化15】 [式中、Rは前記と同意義である。] トランス−(+)−互変異性体は架橋水素の配置が逆であ
る。その製薬上許容される酸付加塩も包含される。
る。その製薬上許容される酸付加塩も包含される。
【0020】式(XII)または(XIII)で表わされる化合物
としては下記のものが挙げられる。トランス−(−)−
1,6−ジメチル−4,5,5a,6,7,8,9,9a−オクタ
ヒドロ−2H(および3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリ
ン・酒石酸塩、トランス−(−)−1−メチル−6−n−
プロピル−4,5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ
−2H(および3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリン・コ
ハク酸塩、トランス−(±)−1−n−プロピル−6−メ
チル−4,5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2
H(および3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリン・メタン
スルホン酸塩、トランス−(+)−1−エチル−6−アリ
ル−4,5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H
(および3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリン・トルエン
スルホン酸塩。
としては下記のものが挙げられる。トランス−(−)−
1,6−ジメチル−4,5,5a,6,7,8,9,9a−オクタ
ヒドロ−2H(および3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリ
ン・酒石酸塩、トランス−(−)−1−メチル−6−n−
プロピル−4,5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ
−2H(および3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリン・コ
ハク酸塩、トランス−(±)−1−n−プロピル−6−メ
チル−4,5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2
H(および3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリン・メタン
スルホン酸塩、トランス−(+)−1−エチル−6−アリ
ル−4,5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H
(および3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリン・トルエン
スルホン酸塩。
【0021】RがC1−C3アルキルまたはアリルであ
り、R1aが前記と同意義である式(XII)と(XIII)、 (XVI)
と(XVII)で表わされる対になった互変異性体は、式(XVI
II)と(XIX)、 (XX)と(XXI)で表わされる対になった互変
異性体と同様に降圧物質である。これに対応するトラン
ス−(+)−互変異性体も有用な薬物である。RがHまた
はCNである上記の対になった互変異性化合物は、まず
第1に、活性な降圧薬を製造する中間体として有用であ
る。
り、R1aが前記と同意義である式(XII)と(XIII)、 (XVI)
と(XVII)で表わされる対になった互変異性体は、式(XVI
II)と(XIX)、 (XX)と(XXI)で表わされる対になった互変
異性体と同様に降圧物質である。これに対応するトラン
ス−(+)−互変異性体も有用な薬物である。RがHまた
はCNである上記の対になった互変異性化合物は、まず
第1に、活性な降圧薬を製造する中間体として有用であ
る。
【0022】式(XII)または(XIII)で表わされる化合物
は式(X)または(XI)で表される異性体と共に、下記反応
式IIに従って製造できる。
は式(X)または(XI)で表される異性体と共に、下記反応
式IIに従って製造できる。
【化16】 [R2はC1−C3アルキル、アリルまたはCN、R1aはH
またはC1−C3アルキル、R1はC1−C3アルキルを表
わす。]
またはC1−C3アルキル、R1はC1−C3アルキルを表
わす。]
【0023】全ての式はトランス−(±)−ラセミ体を
表わす。英国明細書No.2,129,422の方法により
提供されるトランス−(+)−鏡像異性体とトランス−
(−)−鏡像異性体(Va)を上記の反応に処して構造式(XX
IV)および(XXV):
表わす。英国明細書No.2,129,422の方法により
提供されるトランス−(+)−鏡像異性体とトランス−
(−)−鏡像異性体(Va)を上記の反応に処して構造式(XX
IV)および(XXV):
【化17】 [式中、R、R1およびR1aは前記と同意義である。]で
表わされる中間体およびトランス−(+)−誘導体を得
る。
表わされる中間体およびトランス−(+)−誘導体を得
る。
【0024】式(XXII)および(XXIII)または(XXIV)およ
び(XXV)で表わされる化合物などの対になった生成物
は、クロマトグラフィーにより個々の異性体に分離し得
る。しかし、アシル化6−オキソデカヒドロキノリンの
混合物をヒドラジンで閉環させて得られたピラゾール互
変異性混合物をクロマトグラフィーで分離するのが好ま
しい。
び(XXV)で表わされる化合物などの対になった生成物
は、クロマトグラフィーにより個々の異性体に分離し得
る。しかし、アシル化6−オキソデカヒドロキノリンの
混合物をヒドラジンで閉環させて得られたピラゾール互
変異性混合物をクロマトグラフィーで分離するのが好ま
しい。
【0025】位置異性体(X)と(XI)または下記(XIV)と
(XV):
(XV):
【化18】 を得ることなく各々の一組の互変異性体(XII)と(XIII)
または(XVI)と(XVII)を得る方法もある。その方法の概
略を反応式IIIに記載する。
または(XVI)と(XVII)を得る方法もある。その方法の概
略を反応式IIIに記載する。
【化19】 [R'はC1−C3アルキルまたはアリル、Xは脱離基を表
わし、R1aは前記と同意義である。]
わし、R1aは前記と同意義である。]
【0026】反応式IIIにおいて、出発物質の普通の二
環性ケトン(XXVI)(式(V)、R'はC1−C3アルキルおよ
びアリルである。)を先ずピロリジンおよびトリエチル
アミンの存在下で1,2−ジチオエタン誘導体X−S−
CH2−CH2−S−X(Xはトシル、ベンゼンスルホニ
ル、メシルなどの脱離基を表わす。)と反応させて7位
に保護基としてジチオケタール(XXVII)を形成する。次
いで、5位を前記のようにハロゲン化C1−C3アルキル
およびリチウムジイソプロピルアミド(LDA、LiN
[CH(CH3)2])でアシル化する。ヒドラジンまたはそ
の塩もしくは水和物で閉環してチオケタール保護基を尚
保有する一組の出っ張ったオクタヒドロピラゾロ[4,3
−f]キノリン互変異性体((XXIX)および(XXX))を得る。
この保護基はラネーニッケルで処理すると容易に除去さ
れ、式(XII)および(XIII)で表わされる化合物が得られ
る。
環性ケトン(XXVI)(式(V)、R'はC1−C3アルキルおよ
びアリルである。)を先ずピロリジンおよびトリエチル
アミンの存在下で1,2−ジチオエタン誘導体X−S−
CH2−CH2−S−X(Xはトシル、ベンゼンスルホニ
ル、メシルなどの脱離基を表わす。)と反応させて7位
に保護基としてジチオケタール(XXVII)を形成する。次
いで、5位を前記のようにハロゲン化C1−C3アルキル
およびリチウムジイソプロピルアミド(LDA、LiN
[CH(CH3)2])でアシル化する。ヒドラジンまたはそ
の塩もしくは水和物で閉環してチオケタール保護基を尚
保有する一組の出っ張ったオクタヒドロピラゾロ[4,3
−f]キノリン互変異性体((XXIX)および(XXX))を得る。
この保護基はラネーニッケルで処理すると容易に除去さ
れ、式(XII)および(XIII)で表わされる化合物が得られ
る。
【0027】構造式(XVIII)および(XIX)ならびに(XX)お
よび(XXI)で表わされる互変異性体は保護されたケトン
(XXVII)の5位をギ酸エチルと塩基のような従来のホル
ミル化方法によりホルミル化することにより製造する。
式(XXXIII):
よび(XXI)で表わされる互変異性体は保護されたケトン
(XXVII)の5位をギ酸エチルと塩基のような従来のホル
ミル化方法によりホルミル化することにより製造する。
式(XXXIII):
【化20】 [式中、R'は前記と同意義である。]で表わされる反応
性中間体をヒドラジンと反応させて保護基を尚含有する
式(XXXIV)および(XXXV)で表わされる化合物を得る。
性中間体をヒドラジンと反応させて保護基を尚含有する
式(XXXIV)および(XXXV)で表わされる化合物を得る。
【化21】 [式中、R'は前記と同意義である。]
【0028】この保護基は前記のようにラネ−Niで容
易に除去されて一組の式(XVIII)および(XIX)で表わされ
る化合物を得る。
易に除去されて一組の式(XVIII)および(XIX)で表わされ
る化合物を得る。
【0029】上記の化学反応は光学活性な互変異性体(X
X)および(XXI)の製造に同等に適用でき、光学活性な出
発物質(XXXVI)またはそのトランス−(+)−鏡像異性体
から反応を始める。
X)および(XXI)の製造に同等に適用でき、光学活性な出
発物質(XXXVI)またはそのトランス−(+)−鏡像異性体
から反応を始める。
【化22】
【0030】6−アリル基を有する最終産物、オクタヒ
ドロピラゾロ[4,3−f]キノリンを得ようとする場合は
次のようにして製造できる。R'がアルキル基である前
記で最終的に得た互変異性混合物からCNBrでの処置
によりアルキル基R'を除いてRがCNである上式(XII)
および(XIII)の化合物を得て、シアノ基を除去してRが
Hである誘導体を得る。この2級アミンを塩化アリルで
容易にアリル化して所望の誘導体を得る。
ドロピラゾロ[4,3−f]キノリンを得ようとする場合は
次のようにして製造できる。R'がアルキル基である前
記で最終的に得た互変異性混合物からCNBrでの処置
によりアルキル基R'を除いてRがCNである上式(XII)
および(XIII)の化合物を得て、シアノ基を除去してRが
Hである誘導体を得る。この2級アミンを塩化アリルで
容易にアリル化して所望の誘導体を得る。
【0031】RがHである上記の中間体は上記と異なる
アルキル基でアルキル化するか標識(放射活性または同
位元素性の)原子を含有する上記と同じアルキル基でア
ルキル化することにより有用な化合物とすることもでき
る。
アルキル基でアルキル化するか標識(放射活性または同
位元素性の)原子を含有する上記と同じアルキル基でア
ルキル化することにより有用な化合物とすることもでき
る。
【0032】式(XII)もしくは(XIII)で表わされる化合
物またはその(+)−もしくは(−)−異性体は、種々の製
剤の形にして治療の目的で投与できる。
物またはその(+)−もしくは(−)−異性体は、種々の製
剤の形にして治療の目的で投与できる。
【0033】経口投与の場合は、1投与量当り活性薬物
を約50〜約100mg含有する錠剤、カプセル剤または
懸濁剤を1日3〜4回投与し、日用量は150〜400
mgである。
を約50〜約100mg含有する錠剤、カプセル剤または
懸濁剤を1日3〜4回投与し、日用量は150〜400
mgである。
【0034】
【実施例】本発明を以下の調製例および実施例により更
に例示する。
に例示する。
【0035】調製例 反応式IIに示したように、本発明に係る化合物は、式
(X)/(XI)で表される化合物と同じ工程で製造され得
る。したがって、以下の調製例は式(X)/(XI)で表さ
れる化合物の製造を例示するものであるが、同時に本発
明に係る化合物を製造するための操作を例示するもので
もある。
(X)/(XI)で表される化合物と同じ工程で製造され得
る。したがって、以下の調製例は式(X)/(XI)で表さ
れる化合物の製造を例示するものであるが、同時に本発
明に係る化合物を製造するための操作を例示するもので
もある。
【0036】トランス−(±)−3−メチル−5−n−プ
ロピル−4,4a,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−
1H(および2H)−ピラゾロ[3,4−g]キノリンの製造 n−ブチルリウチム(1.6Mのヘキサン溶液)62.5ml
をジイソプロピルアミン14mlのTHF溶液100mlに
0℃で加えたのち、テトラヒドロフラン/ヘキサン混合
溶媒で200mlに希釈して0.5Mリウチムジイソプロ
ピルアミド溶液を製造した。この溶液22mlを50ml容
の乾燥丸底フラスコに入れて約−78℃まで冷却し、ト
ランス−(±)−1−n−プロピル−6−オキソデカヒド
ロキノリン1.95gのTHF5ml溶液を加えて約−78
℃で30分間撹拌した。次に、塩化アセチル1.06ml
をここに加えて室温まで昇温し、室温で2時間撹拌して
水中に注加した。このアルカリ性水溶液を等量の二塩化
メチレンで数回抽出し、抽出液を合して乾燥し、二塩化
メチレンを除去して上記反応で生成したトランス−(±)
−1−n−プロピル−6−オキソ−7−アセチルデカヒ
ドロキノリンを含有する橙色油状物質2.895gを得
た。これをシリカのクロマトグラフィーに付してアンモ
ニアを加えた4%メタノールと二塩化メチレンで先ず溶
出して精製した。メタノールのパーセントを7.5%ま
で上げ、トランス−(±)−1−n−プロピル−6−オキ
ソ−5−アセチルデカヒドロキノリンを含有する分画を
合し、溶媒を蒸発して黄色の液体728mgを得た。NM
Rから上記の分画は2種の生成物、トランス−(±)−1
−n−プロピル−6−オキソ−7−アセチルデカヒドロ
キノリンおよびトランス−(±)−1−n−プロピル−5
−アセチル−6−オキソデカヒドロキノリンの混合物で
あることが分かった。
ロピル−4,4a,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−
1H(および2H)−ピラゾロ[3,4−g]キノリンの製造 n−ブチルリウチム(1.6Mのヘキサン溶液)62.5ml
をジイソプロピルアミン14mlのTHF溶液100mlに
0℃で加えたのち、テトラヒドロフラン/ヘキサン混合
溶媒で200mlに希釈して0.5Mリウチムジイソプロ
ピルアミド溶液を製造した。この溶液22mlを50ml容
の乾燥丸底フラスコに入れて約−78℃まで冷却し、ト
ランス−(±)−1−n−プロピル−6−オキソデカヒド
ロキノリン1.95gのTHF5ml溶液を加えて約−78
℃で30分間撹拌した。次に、塩化アセチル1.06ml
をここに加えて室温まで昇温し、室温で2時間撹拌して
水中に注加した。このアルカリ性水溶液を等量の二塩化
メチレンで数回抽出し、抽出液を合して乾燥し、二塩化
メチレンを除去して上記反応で生成したトランス−(±)
−1−n−プロピル−6−オキソ−7−アセチルデカヒ
ドロキノリンを含有する橙色油状物質2.895gを得
た。これをシリカのクロマトグラフィーに付してアンモ
ニアを加えた4%メタノールと二塩化メチレンで先ず溶
出して精製した。メタノールのパーセントを7.5%ま
で上げ、トランス−(±)−1−n−プロピル−6−オキ
ソ−5−アセチルデカヒドロキノリンを含有する分画を
合し、溶媒を蒸発して黄色の液体728mgを得た。NM
Rから上記の分画は2種の生成物、トランス−(±)−1
−n−プロピル−6−オキソ−7−アセチルデカヒドロ
キノリンおよびトランス−(±)−1−n−プロピル−5
−アセチル−6−オキソデカヒドロキノリンの混合物で
あることが分かった。
【0037】上記で製造した混合物をメタノール20ml
に溶解し、ここにヒドラジン2mlおよびpHを約9とす
るのに充分な量の15%塩酸を加えた。これを室温で約
1時間撹拌して水酸化ナトリウム希水溶液中に注加し、
アルカリ不溶物質を二塩化メチレンで抽出した。抽出液
を乾燥し、溶媒を除去して黄色油状物質959mgを得
て、これをシリカのクロマトグラフィーに付して水酸化
アンモニウム水溶液を加えたTHF/ヘキサン混合溶媒
(2:1)で溶出して精製した。TLCによりトランス−
(±)−3−メチル−5−n−プロピル−4,4a,5,6,
7,8,8a,9−オクタヒドロ−1H(および2H)−ピラ
ゾロ[3,4−g]キノリンを含有する分画を合して淡黄色
油状物質406mgを得た。生成物は下記の物理的性状を
有していた。 紫外線スペクトル: 220(ε=5200)。 赤外線スペクトル(CHCl3): 3464cm-1。 マス・スペクトル: 233、204、125、124、
96および42。
に溶解し、ここにヒドラジン2mlおよびpHを約9とす
るのに充分な量の15%塩酸を加えた。これを室温で約
1時間撹拌して水酸化ナトリウム希水溶液中に注加し、
アルカリ不溶物質を二塩化メチレンで抽出した。抽出液
を乾燥し、溶媒を除去して黄色油状物質959mgを得
て、これをシリカのクロマトグラフィーに付して水酸化
アンモニウム水溶液を加えたTHF/ヘキサン混合溶媒
(2:1)で溶出して精製した。TLCによりトランス−
(±)−3−メチル−5−n−プロピル−4,4a,5,6,
7,8,8a,9−オクタヒドロ−1H(および2H)−ピラ
ゾロ[3,4−g]キノリンを含有する分画を合して淡黄色
油状物質406mgを得た。生成物は下記の物理的性状を
有していた。 紫外線スペクトル: 220(ε=5200)。 赤外線スペクトル(CHCl3): 3464cm-1。 マス・スペクトル: 233、204、125、124、
96および42。
【0038】上記の黄色油状物質を二塩化メチレン/エ
ーテル混合溶媒に溶解し、無水塩化水素ガスで飽和して
塩酸塩を生成した。トランス−(±)−3−メチル−5−
n−プロピル−4,4a,5,6,7,8,8a,9−オクタヒド
ロ−1H(および2H)−ピラゾロ[3,4−g]キノリン・
二塩酸塩を含有する上記で得た白色固形物を濾取し、メ
タノールから再結晶して白色針状晶としてトランス−
(±)−3−メチル−5−n−プロピル−4,4a,5,6,
7,8,8a,9−オクタヒドロ−1H(および2H)−ピラ
ゾロ[3,4−g]キノリン・二塩酸塩を得た。mp.約25
0℃。 元素分析 計算値: C,54.90; H,8.23;N,13.72; C
l,23.15 実測値: C,54.76; H,8.36;N,13.72; C
l,23.37
ーテル混合溶媒に溶解し、無水塩化水素ガスで飽和して
塩酸塩を生成した。トランス−(±)−3−メチル−5−
n−プロピル−4,4a,5,6,7,8,8a,9−オクタヒド
ロ−1H(および2H)−ピラゾロ[3,4−g]キノリン・
二塩酸塩を含有する上記で得た白色固形物を濾取し、メ
タノールから再結晶して白色針状晶としてトランス−
(±)−3−メチル−5−n−プロピル−4,4a,5,6,
7,8,8a,9−オクタヒドロ−1H(および2H)−ピラ
ゾロ[3,4−g]キノリン・二塩酸塩を得た。mp.約25
0℃。 元素分析 計算値: C,54.90; H,8.23;N,13.72; C
l,23.15 実測値: C,54.76; H,8.36;N,13.72; C
l,23.37
【0039】実施例1 トランス−(±)−1−メチル−6−n−プロピル−4,
5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H(および
3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリンの製造 調製例の製造方法を、出発物質、トランス−(±)−1−
n−プロピル−6−オキソ−デカヒドロキノリン3.9g
および0.5Mリチウムジイソプロピルアミン約88ml
のTHF溶液を用いて実施した。この製造においては、
LDA溶液および出発物質を0℃で合したのち−78℃
まで温度を下げ、塩化アセチルを加えた。これを調製例
のように後処理して混合生成物を単離した。この混液
5.1gを調製例のようにしてメタノール25ml中でヒド
ラジン5mlと反応させて[4,3−f]および[3,4−g]ピ
ラゾロキノリンの異性体性混合物を得た。これをクロマ
トグラフィーで分離してトランス−(±)−1−メチル−
6−n−プロピル−4,5,5a,6,7,8,9,9a−オクタ
ヒドロ−2H(および3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリ
ン0.8gおよびトランス−(±)−3−メチル−5−n−
プロピル−4,4a,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ
−1H(および2H)−ピラゾロ[3,4−g]キノリン1.
8gを得た。トランス−(±)−1−メチル−6−n−プロ
ピル−4,5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2
H(および3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリンは下記の
物理的性状を有していた。 二塩酸塩 mp.249〜250℃。 元素分析 計算値: C,54.90; H,8.23;N,13.72; C
l,23.15 実測値: C,54.87; H,8.08;N,13.52; C
l,23.36 赤外線スペクトル(CHCl3): 3462、3210、
2947、1448。マス・スペクトル: 233(分子
イオン)、204、96、42。 プロトンNMR(CDCl3): 9.80(bs,1H)、3.0
2(bd,J=13.5、1H)、2.30(s,3H)、2.06
〜2.94(m,9H)、1.04〜1.90(m,7H)。
5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H(および
3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリンの製造 調製例の製造方法を、出発物質、トランス−(±)−1−
n−プロピル−6−オキソ−デカヒドロキノリン3.9g
および0.5Mリチウムジイソプロピルアミン約88ml
のTHF溶液を用いて実施した。この製造においては、
LDA溶液および出発物質を0℃で合したのち−78℃
まで温度を下げ、塩化アセチルを加えた。これを調製例
のように後処理して混合生成物を単離した。この混液
5.1gを調製例のようにしてメタノール25ml中でヒド
ラジン5mlと反応させて[4,3−f]および[3,4−g]ピ
ラゾロキノリンの異性体性混合物を得た。これをクロマ
トグラフィーで分離してトランス−(±)−1−メチル−
6−n−プロピル−4,5,5a,6,7,8,9,9a−オクタ
ヒドロ−2H(および3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリ
ン0.8gおよびトランス−(±)−3−メチル−5−n−
プロピル−4,4a,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ
−1H(および2H)−ピラゾロ[3,4−g]キノリン1.
8gを得た。トランス−(±)−1−メチル−6−n−プロ
ピル−4,5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2
H(および3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリンは下記の
物理的性状を有していた。 二塩酸塩 mp.249〜250℃。 元素分析 計算値: C,54.90; H,8.23;N,13.72; C
l,23.15 実測値: C,54.87; H,8.08;N,13.52; C
l,23.36 赤外線スペクトル(CHCl3): 3462、3210、
2947、1448。マス・スペクトル: 233(分子
イオン)、204、96、42。 プロトンNMR(CDCl3): 9.80(bs,1H)、3.0
2(bd,J=13.5、1H)、2.30(s,3H)、2.06
〜2.94(m,9H)、1.04〜1.90(m,7H)。
【0040】実施例2 トランス−(±)−3,5−ジ−n−プロピル−4,4a,5,
6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−1H(および2H)−
ピラゾロ[3,4−g]キノリンおよびトランス−(±)−
1,6−ジ−n−プロピル−4,5,5a,6,7,8,9,9a
−2H(および3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリンの製
造 調製例の方法に従って、トランス−(±)−1−n−プロ
ピル−6−オキソ−デカヒドロキノリン3.9gおよび
0.5Mリチウムジイソプロピルアミン試薬約44mlを
THF中、−78℃で合し、塩化ブチリル3.1mlを加
えた。トランス−(±)−1−n−プロピル−6−オキソ
−7−ブチリルデカヒドロキノリンおよびトランス−
(±)−1−n−プロピル−5−ブチリル−6−オキソデ
カヒドロキノリンの混合物6.4gを得て、これを次工程
に直接用いた。
6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−1H(および2H)−
ピラゾロ[3,4−g]キノリンおよびトランス−(±)−
1,6−ジ−n−プロピル−4,5,5a,6,7,8,9,9a
−2H(および3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリンの製
造 調製例の方法に従って、トランス−(±)−1−n−プロ
ピル−6−オキソ−デカヒドロキノリン3.9gおよび
0.5Mリチウムジイソプロピルアミン試薬約44mlを
THF中、−78℃で合し、塩化ブチリル3.1mlを加
えた。トランス−(±)−1−n−プロピル−6−オキソ
−7−ブチリルデカヒドロキノリンおよびトランス−
(±)−1−n−プロピル−5−ブチリル−6−オキソデ
カヒドロキノリンの混合物6.4gを得て、これを次工程
に直接用いた。
【0041】上記混液6.4gをメタノール20mlに溶解
し、ヒドラジン4mlを加えた。先の調製例のように反応
させて生成物を単離した。二塩化メチレンにより抽出し
てトランス−(±)−3,5−ジ−n−プロピル−4,4a,
5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−1H(および2H)
−ピラゾロ[3,4−g]キノリンおよびその互変異性体、
トランス−(±)−1,6−ジ−n−プロピル−4,5,5a,
6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H(および3H)−
ピラゾロ[4,3−f]キノリンを含有する2つのスポット
を与える物質6.9gを得た。この混合物をシリカのクロ
マトグラフィーに付して調製例と同じ溶出液を用いてそ
の成分化合物に分離した。このようにして製造したトラ
ンス−(±)−3,5−ジ−n−プロピル−4,4a,5,6,
7,8,8a,9−オクタヒドロ−1H(および2H)−ピラ
ゾロ[3,4−g]キノリンの遊離塩基を常法で二臭化水素
酸塩に変換した。二臭化水素酸塩はメタノール/酢酸エ
チル混合溶媒から再結晶させた場合、融点は295〜2
96℃であった。 元素分析 計算値: C,45.41; H,6.91;N,9.93; Br,
37.76 実測値: C,45.52; H,6.72;N,9.66; Br,
37.97
し、ヒドラジン4mlを加えた。先の調製例のように反応
させて生成物を単離した。二塩化メチレンにより抽出し
てトランス−(±)−3,5−ジ−n−プロピル−4,4a,
5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−1H(および2H)
−ピラゾロ[3,4−g]キノリンおよびその互変異性体、
トランス−(±)−1,6−ジ−n−プロピル−4,5,5a,
6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H(および3H)−
ピラゾロ[4,3−f]キノリンを含有する2つのスポット
を与える物質6.9gを得た。この混合物をシリカのクロ
マトグラフィーに付して調製例と同じ溶出液を用いてそ
の成分化合物に分離した。このようにして製造したトラ
ンス−(±)−3,5−ジ−n−プロピル−4,4a,5,6,
7,8,8a,9−オクタヒドロ−1H(および2H)−ピラ
ゾロ[3,4−g]キノリンの遊離塩基を常法で二臭化水素
酸塩に変換した。二臭化水素酸塩はメタノール/酢酸エ
チル混合溶媒から再結晶させた場合、融点は295〜2
96℃であった。 元素分析 計算値: C,45.41; H,6.91;N,9.93; Br,
37.76 実測値: C,45.52; H,6.72;N,9.66; Br,
37.97
【0042】他方のクロマトグラフィー生成物、トラン
ス−(±)−1,6−ジ−n−プロピル−4,5,5a,6,7,
8,9,9a−オクタヒドロ−2H(および3H)−ピラゾ
ロ[4,3−f]キノリンを二塩酸塩に変換した。 元素分析 計算値: C,57.48; H,8.74;N,12.57; C
l,21.21 実測値: C,57.61; H,9.02;N,12.32; C
l,21.25
ス−(±)−1,6−ジ−n−プロピル−4,5,5a,6,7,
8,9,9a−オクタヒドロ−2H(および3H)−ピラゾ
ロ[4,3−f]キノリンを二塩酸塩に変換した。 元素分析 計算値: C,57.48; H,8.74;N,12.57; C
l,21.21 実測値: C,57.61; H,9.02;N,12.32; C
l,21.25
【0043】[3,4−g]異性体の物理的性状は次のとお
りであった。 赤外線スペクトル(CHCl3): 3463、3210、
2917、1462。 マス・スペクトル: 261(分子イオン)、223、12
5、96、41。 NMR(CDCl3): 9.7(bs,1H)、2.86〜3.1
0(m,2H)、2.64〜2.86(m,2H)、2.38〜2.
64(m,3H)、2.12〜2.38(m,4H)、1.91(b
d,J=13,1H)、1.34〜1.82(m,7H)、1.0
2〜1.30(m,1H)、0.97(t,J=8.1,3H)、
0.91(t,J=8.1,3H)。
りであった。 赤外線スペクトル(CHCl3): 3463、3210、
2917、1462。 マス・スペクトル: 261(分子イオン)、223、12
5、96、41。 NMR(CDCl3): 9.7(bs,1H)、2.86〜3.1
0(m,2H)、2.64〜2.86(m,2H)、2.38〜2.
64(m,3H)、2.12〜2.38(m,4H)、1.91(b
d,J=13,1H)、1.34〜1.82(m,7H)、1.0
2〜1.30(m,1H)、0.97(t,J=8.1,3H)、
0.91(t,J=8.1,3H)。
【0044】[4,3−f]異性体の物理的性状は次のとお
りであった。 赤外線スペクトル(CHCl3): 3461、3210、
2947、1457。 マス・スペクトル: 261(分子イオン)、232、18
9、125、96、41。 NMR(CDCl3): 9.40(bs,1H)、3.04(bd,J
=13,1H)、2.12〜2.86(m,11H)、1.34
〜1.90(m,7H)、1.16〜1.34(m,1H)、0.9
8(t,J=8.1,3H)、0.90(t,J=8.1,3H)。
りであった。 赤外線スペクトル(CHCl3): 3461、3210、
2947、1457。 マス・スペクトル: 261(分子イオン)、232、18
9、125、96、41。 NMR(CDCl3): 9.40(bs,1H)、3.04(bd,J
=13,1H)、2.12〜2.86(m,11H)、1.34
〜1.90(m,7H)、1.16〜1.34(m,1H)、0.9
8(t,J=8.1,3H)、0.90(t,J=8.1,3H)。
【0045】実施例3 トランス−(±)−3−エチル−5−n−プロピル−4,4
a,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−1H(および2
H)−ピラゾロ[3,4−g]キノリンおよびトランス−
(±)−1−エチル−6−n−プロピル−4,5,5a,6,
7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H(および3H)−ピラ
ゾロ[4,3−f]キノリンの製造 調製例の方法に従って、0.5Mリチウムジイソプロピ
ルアミン溶液約44mlを−78℃に冷却した。ここにト
ランス−(±)−1−n−プロピル−6−オキソ−デカヒ
ドロキノリン3.9gのTHF溶液を加えて、−78℃で
30分間撹拌した。塩化プロピオニル2.6mlを加えて
室温まで昇温し、その温度で一晩撹拌した。これを調製
例の方法で後処理して生成物を単離してトランス−(±)
−1−n−プロピル−6−オキソ−7−プロピオニルデ
カヒドロキノリンおよび5−プロピオニル異性体を含む
混合物約4.2gを得た。これを更に精製することなくメ
タノール中でヒドラジンと反応させて2種のピラゾール
異性体の混合物を得た。この異性体を前述と同じ溶媒系
を用いたシリカゲルのクロマトグラフィーにより分離し
た。このようにして得たトランス−(±)−3−エチル−
5−n−プロピル−4,4a,5,6,7,8,8a,9−オクタ
ヒドロ−1H(および2H)−ピラゾロ[3,4−g]キノリ
ンを二臭化水素酸塩および二塩酸塩に変換した。 元素分析(二塩酸塩として計算) 計算値: C,56.25; H,8.50;N,13.12; C
l,22.14 実測値: C,56.01; H,8.72;N,12.85; C
l,22.03 mp.271〜275℃(メタノール/酢酸エチルから結
晶化した場合)。 赤外線スペクトル(CHCl3): 3464、3210、
2951、1625、1461。 マス・スペクトル: 247(分子イオン)、218、12
5、96、41。 プロトンNMR(CDCl3): 9.92(bs,1H)、2.8
4〜3.10(m,2H)、2.68〜2.84(m,2H)、2.
44〜2.60(m,2H)、2.61(q,J=8.1,2H)、
2.14〜2.32(m,4H)、1.91(bd,J=13,1
H)、1.62〜1.82(m,3H)、1.44〜1.62(m,
2H)、1.24(t,J=7.6,3H)、0.91(t,J=
8.1,3H)。
a,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−1H(および2
H)−ピラゾロ[3,4−g]キノリンおよびトランス−
(±)−1−エチル−6−n−プロピル−4,5,5a,6,
7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H(および3H)−ピラ
ゾロ[4,3−f]キノリンの製造 調製例の方法に従って、0.5Mリチウムジイソプロピ
ルアミン溶液約44mlを−78℃に冷却した。ここにト
ランス−(±)−1−n−プロピル−6−オキソ−デカヒ
ドロキノリン3.9gのTHF溶液を加えて、−78℃で
30分間撹拌した。塩化プロピオニル2.6mlを加えて
室温まで昇温し、その温度で一晩撹拌した。これを調製
例の方法で後処理して生成物を単離してトランス−(±)
−1−n−プロピル−6−オキソ−7−プロピオニルデ
カヒドロキノリンおよび5−プロピオニル異性体を含む
混合物約4.2gを得た。これを更に精製することなくメ
タノール中でヒドラジンと反応させて2種のピラゾール
異性体の混合物を得た。この異性体を前述と同じ溶媒系
を用いたシリカゲルのクロマトグラフィーにより分離し
た。このようにして得たトランス−(±)−3−エチル−
5−n−プロピル−4,4a,5,6,7,8,8a,9−オクタ
ヒドロ−1H(および2H)−ピラゾロ[3,4−g]キノリ
ンを二臭化水素酸塩および二塩酸塩に変換した。 元素分析(二塩酸塩として計算) 計算値: C,56.25; H,8.50;N,13.12; C
l,22.14 実測値: C,56.01; H,8.72;N,12.85; C
l,22.03 mp.271〜275℃(メタノール/酢酸エチルから結
晶化した場合)。 赤外線スペクトル(CHCl3): 3464、3210、
2951、1625、1461。 マス・スペクトル: 247(分子イオン)、218、12
5、96、41。 プロトンNMR(CDCl3): 9.92(bs,1H)、2.8
4〜3.10(m,2H)、2.68〜2.84(m,2H)、2.
44〜2.60(m,2H)、2.61(q,J=8.1,2H)、
2.14〜2.32(m,4H)、1.91(bd,J=13,1
H)、1.62〜1.82(m,3H)、1.44〜1.62(m,
2H)、1.24(t,J=7.6,3H)、0.91(t,J=
8.1,3H)。
【0046】互変異性体、トランス−(±)−1−エチル
−6−n−プロピル−4,5,5a,6,7,8,9,9a−オク
タヒドロ−2H(および3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノ
リン(上記のクロマトグラフィー法で分離)の二塩酸塩を
二臭化水素酸塩に変換した。 mp.289℃。 元素分析 計算値: C,44.03; H,6.65;N,10.27; B
r,39.05 実測値: C,43.97; H,6.70;N,9.99; Br,
39.29 赤外線スペクトル(CHCl3): 3462、3210、
2952、1471。 マス・スペクトルのピーク: 247(分子イオン)、21
8、175、125、84。 プロトンNMR(CDCl3): 9.76(bs,1H)、3.0
3(bd,J=12,1H)、2.12〜2.94(m,11H)、
1.36〜1.90(m,5H)、1.22(t,J=8.1,3
H)、1.10〜1.36(m,1H)、0.90(t,J=8.
1,3H)。
−6−n−プロピル−4,5,5a,6,7,8,9,9a−オク
タヒドロ−2H(および3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノ
リン(上記のクロマトグラフィー法で分離)の二塩酸塩を
二臭化水素酸塩に変換した。 mp.289℃。 元素分析 計算値: C,44.03; H,6.65;N,10.27; B
r,39.05 実測値: C,43.97; H,6.70;N,9.99; Br,
39.29 赤外線スペクトル(CHCl3): 3462、3210、
2952、1471。 マス・スペクトルのピーク: 247(分子イオン)、21
8、175、125、84。 プロトンNMR(CDCl3): 9.76(bs,1H)、3.0
3(bd,J=12,1H)、2.12〜2.94(m,11H)、
1.36〜1.90(m,5H)、1.22(t,J=8.1,3
H)、1.10〜1.36(m,1H)、0.90(t,J=8.
1,3H)。
【0047】実施例4 トランス−(±)−6−n−プロピル−4,5,5a,6,7,
8,9,9a−オクタヒドロ−2H(および3H)−ピラゾ
ロ[4,3−f]キノリンの製造 トランス−(±)−1−n−プロピル−6−オキソ−デカ
ヒドロキノリン1gおよびピロリジン(0.43ml、0.3
55g)をアセトニトリル50mlに混じ、4Aモレキュラ
ーシーブを加えて窒素雰囲気下に約3時間還流温度で撹
拌した。これを室温まで冷却し、トリエチルアミン2ml
を加えたのち1,2−ジトシルチオエタン2gを加えた。
得られた反応液を窒素雰囲気下で一晩撹拌しながら加熱
還流し、室温まで冷却したのち濾過し、濾液から溶媒を
真空下に蒸発除去した。0.1N塩酸50mlを加えて約
100℃まで約30分間加温し、室温まで冷却し、酸性
層を二塩化メチレンで抽出して酸不溶物質を除去した。
この酸性層を過剰量の14N水酸化アンモニウム水溶液
でアルカリ性にして、等量の二塩化メチレンで2回抽出
した。二塩化メチレン抽出液を合し、塩化ナトリウム飽
和水溶液で洗浄して乾燥し、溶媒を真空除去して上記反
応で生成したトランス−(±)−1−n−プロピル−6−
オキソ−7−スピロ−1',3'−ジチオラノデカヒドロ
キノリンを含有する固形物0.8gを得た。これを1%メ
タノール/クロロホルムを溶出液として用いたFlorisi
lのクロマトグラフィーで精製し、所望の物質を含有す
る分画を合してトランス−(±)−1−n−プロピル−6
−オキソ−7−スピロ−1',3'−ジチオラノデカヒド
ロキノリン0.5gを得た。その物理的性状は次のとおり
である。 mp.(ヘキサン/酢酸エチル混合溶媒から再結晶した場
合)112〜113℃。 元素分析 計算値: C,58.90; H,8.12;N,4.91; S,2
2.96 実測値: C,59.12; H,8.03;N,4.92; S,2
2.36
8,9,9a−オクタヒドロ−2H(および3H)−ピラゾ
ロ[4,3−f]キノリンの製造 トランス−(±)−1−n−プロピル−6−オキソ−デカ
ヒドロキノリン1gおよびピロリジン(0.43ml、0.3
55g)をアセトニトリル50mlに混じ、4Aモレキュラ
ーシーブを加えて窒素雰囲気下に約3時間還流温度で撹
拌した。これを室温まで冷却し、トリエチルアミン2ml
を加えたのち1,2−ジトシルチオエタン2gを加えた。
得られた反応液を窒素雰囲気下で一晩撹拌しながら加熱
還流し、室温まで冷却したのち濾過し、濾液から溶媒を
真空下に蒸発除去した。0.1N塩酸50mlを加えて約
100℃まで約30分間加温し、室温まで冷却し、酸性
層を二塩化メチレンで抽出して酸不溶物質を除去した。
この酸性層を過剰量の14N水酸化アンモニウム水溶液
でアルカリ性にして、等量の二塩化メチレンで2回抽出
した。二塩化メチレン抽出液を合し、塩化ナトリウム飽
和水溶液で洗浄して乾燥し、溶媒を真空除去して上記反
応で生成したトランス−(±)−1−n−プロピル−6−
オキソ−7−スピロ−1',3'−ジチオラノデカヒドロ
キノリンを含有する固形物0.8gを得た。これを1%メ
タノール/クロロホルムを溶出液として用いたFlorisi
lのクロマトグラフィーで精製し、所望の物質を含有す
る分画を合してトランス−(±)−1−n−プロピル−6
−オキソ−7−スピロ−1',3'−ジチオラノデカヒド
ロキノリン0.5gを得た。その物理的性状は次のとおり
である。 mp.(ヘキサン/酢酸エチル混合溶媒から再結晶した場
合)112〜113℃。 元素分析 計算値: C,58.90; H,8.12;N,4.91; S,2
2.96 実測値: C,59.12; H,8.03;N,4.92; S,2
2.36
【0048】トランス−(±)−1−n−プロピル−6−
オキソ−7−スピロ−1',3'−ジチオラノデカヒドロ
キノリン0.9gおよびトリス(ジメチルアミノ)メタン
2.5gをトルエン30mlに混じて撹拌下に約4時間還流
すると、TLCにより出発物質が存在しないことが分か
った。揮発性成分を真空除去し、油状残渣をメタノール
50mlに溶解し、無水ヒドラジン1mlを加えて常温でN
2雰囲気下に一晩撹拌した。揮発性成分を再び真空除去
して赤色油状物質を得て、これを2%CH3OH/CH
Cl3を溶出液として用いたFlorisilのクロマトグラフ
ィーで精製した。上記反応で生成したトランス−(±)−
4−スピロ−1',3'−チオラノ−6−n−プロピル−
4,5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H(およ
び3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリンを含有する分画
を集め、溶媒を真空除去した。残渣のメタノール溶液を
0.1N塩酸22ml(1当量)で処理して塩酸塩を形成
し、これをメタノール/酢酸エチルから再結晶してトラ
ンス−(±)−6−n−プロピル−4−スピロ−1',3'−
チオラノ−4,5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ
−2H(および3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリン・塩
酸塩0.9gを得た。mp.260℃以上。 元素分析 計算値: C,52.08; H,6.99;N,12.15; C
l,10.25;S,18.54 実測値: C,52.21; H,7.09;N,12.16; C
l,10.30;S,18.39
オキソ−7−スピロ−1',3'−ジチオラノデカヒドロ
キノリン0.9gおよびトリス(ジメチルアミノ)メタン
2.5gをトルエン30mlに混じて撹拌下に約4時間還流
すると、TLCにより出発物質が存在しないことが分か
った。揮発性成分を真空除去し、油状残渣をメタノール
50mlに溶解し、無水ヒドラジン1mlを加えて常温でN
2雰囲気下に一晩撹拌した。揮発性成分を再び真空除去
して赤色油状物質を得て、これを2%CH3OH/CH
Cl3を溶出液として用いたFlorisilのクロマトグラフ
ィーで精製した。上記反応で生成したトランス−(±)−
4−スピロ−1',3'−チオラノ−6−n−プロピル−
4,5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H(およ
び3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリンを含有する分画
を集め、溶媒を真空除去した。残渣のメタノール溶液を
0.1N塩酸22ml(1当量)で処理して塩酸塩を形成
し、これをメタノール/酢酸エチルから再結晶してトラ
ンス−(±)−6−n−プロピル−4−スピロ−1',3'−
チオラノ−4,5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ
−2H(および3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリン・塩
酸塩0.9gを得た。mp.260℃以上。 元素分析 計算値: C,52.08; H,6.99;N,12.15; C
l,10.25;S,18.54 実測値: C,52.21; H,7.09;N,12.16; C
l,10.30;S,18.39
【0049】上記化合物0.63g、ラネ−Ni4.8mlお
よび無水エタノール50mlから脱硫混合物を製造した。
これを約3時間撹拌下に還流して濾過し、溶媒を真空蒸
発させて油状固形物を得た。水および水酸化アンモニウ
ム水溶液を加えて等量の二塩化メチレンで数回抽出し、
抽出液を合して塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄したの
ち乾燥した。溶媒を蒸発させて得た残渣をFlorisilの
クロマトグラフィーに付して2〜4%CH3OH/CH
Cl3で溶出してトランス−(±)−6−n−プロピル−
4,5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H(およ
び3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリン130mgを得
た。上記のように二塩酸塩に変換して結晶性生成物50
mgを得た。メタノール/酢酸エチルから再結晶した場合
の融点は250℃以上であった。マス・スペクトル: 2
19(分子イオン)。 元素分析 計算値: C,53.43; H,7.93;N,14.38 実測値: C,53.54; H,8.11;N,14.45
よび無水エタノール50mlから脱硫混合物を製造した。
これを約3時間撹拌下に還流して濾過し、溶媒を真空蒸
発させて油状固形物を得た。水および水酸化アンモニウ
ム水溶液を加えて等量の二塩化メチレンで数回抽出し、
抽出液を合して塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄したの
ち乾燥した。溶媒を蒸発させて得た残渣をFlorisilの
クロマトグラフィーに付して2〜4%CH3OH/CH
Cl3で溶出してトランス−(±)−6−n−プロピル−
4,5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H(およ
び3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリン130mgを得
た。上記のように二塩酸塩に変換して結晶性生成物50
mgを得た。メタノール/酢酸エチルから再結晶した場合
の融点は250℃以上であった。マス・スペクトル: 2
19(分子イオン)。 元素分析 計算値: C,53.43; H,7.93;N,14.38 実測値: C,53.54; H,8.11;N,14.45
【0050】上記の方法に従って、トランス−(±)[ま
たはトランス−(−)−]−1−n−プロピル−6−オキソ
−7−スピロ−1',3'−ジチオラノデカヒドロキノリ
ンをテトラヒドロフラン/ヘキサン混合溶媒中でアシル
ハライドと0.5Mリチウムジイソプロピルアミド(LD
A)試薬と反応させて5−アシル−6−オキソ−7−ス
ピロ−1',3'−チオラノデカヒドロキノリンを得るこ
とができる。これをヒドラジンで閉環すると7位にスピ
ロジチオケタールを有する(実施例1、2または3の)ピ
ラゾール誘導体を得ることができる。上記方法でチオケ
タール基を除去してトランス−(±)−[またはトランス
−(−)]−1−C1−C3アルキル−6−n−プロピル−
4,5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H(およ
び3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリンが得られる。
たはトランス−(−)−]−1−n−プロピル−6−オキソ
−7−スピロ−1',3'−ジチオラノデカヒドロキノリ
ンをテトラヒドロフラン/ヘキサン混合溶媒中でアシル
ハライドと0.5Mリチウムジイソプロピルアミド(LD
A)試薬と反応させて5−アシル−6−オキソ−7−ス
ピロ−1',3'−チオラノデカヒドロキノリンを得るこ
とができる。これをヒドラジンで閉環すると7位にスピ
ロジチオケタールを有する(実施例1、2または3の)ピ
ラゾール誘導体を得ることができる。上記方法でチオケ
タール基を除去してトランス−(±)−[またはトランス
−(−)]−1−C1−C3アルキル−6−n−プロピル−
4,5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H(およ
び3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリンが得られる。
【0051】(トシル−S−CH2)2はOrganic Synthe
sis,54、33、37および39(1974)の方法によ
り製造する。
sis,54、33、37および39(1974)の方法によ
り製造する。
【0052】上記の実施例中にR1aがメチル、エチルま
たはn−プロピルである式(XXII)および(XXIII)で表わさ
れる化合物の製造法の幾つかを示したが、今回、R1お
よびR1aがC1−C3アルコキシである中間体の製造法も
見い出した。その中間体は、下式(XXXVII)および(XXXVI
II)で表わすことができる。
たはn−プロピルである式(XXII)および(XXIII)で表わさ
れる化合物の製造法の幾つかを示したが、今回、R1お
よびR1aがC1−C3アルコキシである中間体の製造法も
見い出した。その中間体は、下式(XXXVII)および(XXXVI
II)で表わすことができる。
【化23】 [式中、Rは前記と同意義である。]
【0053】上記の実施例は全てトランス−(±)−二環
性デカヒドロキノリンからの本化合物の製造法を記載し
ているが、当業者には明らかであるように、トランス−
(−)−異性体を対応する光学活性なトランス−(−)−立
体異性体生成物に変換する際にも同じ化学反応が関係
し、トランス−(+)−互変異性体も同様に製造し得る。
性デカヒドロキノリンからの本化合物の製造法を記載し
ているが、当業者には明らかであるように、トランス−
(−)−異性体を対応する光学活性なトランス−(−)−立
体異性体生成物に変換する際にも同じ化学反応が関係
し、トランス−(+)−互変異性体も同様に製造し得る。
【0054】
【製剤例】製剤例1 硬質ゼラチンカプセル剤を下記の成分を用いて製造す
る。 上記成分を混合して硬質ゼラチンカプセルに充填す
る。
る。 上記成分を混合して硬質ゼラチンカプセルに充填す
る。
【0055】製剤例2 下記成分を用いて錠剤を製造する。 上記成分を混和して錠剤に打錠する。
【0056】製剤例3 活性成分50〜100mgずつを含有する錠剤を下記のよ
うにして製造する。 活性成分 50〜100mg デンプン 45 mg 微結晶セルロース 35 mg ポリビニルピロリドン 4 mg (10%水溶液として) カルボキシメチルデンプンナトリウム 4.5mg ステアリン酸マグネシウム 0.5mg タルク 1 mg 活性成分、デンプンおよびセルロースをNo.45メッシ
ュ・アメリカ局方篩に通して完全に混合し、ポリビニル
ピロリドン溶液と混合してNo.14メッシュ・アメリカ
局方篩に通す。こうして製造した顆粒を50〜60℃で
乾燥してNo.18メッシュ・アメリカ局方篩に通し、予
めNo.60メッシュ・アメリカ局方篩に通しておいたカ
ルボキシメチルデンプンナトリウム、ステアリン酸マグ
ネシウムおよびタルクを加えて混合したのち打錠機で打
錠して錠剤を得る。
うにして製造する。 活性成分 50〜100mg デンプン 45 mg 微結晶セルロース 35 mg ポリビニルピロリドン 4 mg (10%水溶液として) カルボキシメチルデンプンナトリウム 4.5mg ステアリン酸マグネシウム 0.5mg タルク 1 mg 活性成分、デンプンおよびセルロースをNo.45メッシ
ュ・アメリカ局方篩に通して完全に混合し、ポリビニル
ピロリドン溶液と混合してNo.14メッシュ・アメリカ
局方篩に通す。こうして製造した顆粒を50〜60℃で
乾燥してNo.18メッシュ・アメリカ局方篩に通し、予
めNo.60メッシュ・アメリカ局方篩に通しておいたカ
ルボキシメチルデンプンナトリウム、ステアリン酸マグ
ネシウムおよびタルクを加えて混合したのち打錠機で打
錠して錠剤を得る。
【0057】製剤例4 薬物を80mgずつ含有するカプセル剤を下記のようにし
て製造する。 活性成分 50〜100mg デンプン 59 mg 微結晶セルロース 59 mg ステアリン酸マグネシウム 2 mg 活性成分、セルロース、デンプンおよびステアリン酸マ
グネシウムを混和し、No.45メッシュ・アメリカ局方
篩に通し、硬質ゼラチンカプセル中に充填する。
て製造する。 活性成分 50〜100mg デンプン 59 mg 微結晶セルロース 59 mg ステアリン酸マグネシウム 2 mg 活性成分、セルロース、デンプンおよびステアリン酸マ
グネシウムを混和し、No.45メッシュ・アメリカ局方
篩に通し、硬質ゼラチンカプセル中に充填する。
【0058】製剤例5 用量5ml当り薬物を50〜100mgずつ含有する懸濁剤
を下記のようにして製造する。 活性成分 50〜100mg カルボキシメチルセルロースナトリウム 50mg シロップ 1.25ml 安息香酸溶液 0.10ml 矯味料 適量 着色料 適量 精製水 全量を5mlとする量 薬物をNo.45メッシュ・アメリカ局方篩に通し、カル
ボキシメチルセルロースナトリウムおよびシロップと混
合して均一なペーストにする。安息香酸溶液、矯味料お
よび着色料を少量の水で希釈して撹拌下に上記ペースト
に加え、所望量とするに充分な量の水を加える。
を下記のようにして製造する。 活性成分 50〜100mg カルボキシメチルセルロースナトリウム 50mg シロップ 1.25ml 安息香酸溶液 0.10ml 矯味料 適量 着色料 適量 精製水 全量を5mlとする量 薬物をNo.45メッシュ・アメリカ局方篩に通し、カル
ボキシメチルセルロースナトリウムおよびシロップと混
合して均一なペーストにする。安息香酸溶液、矯味料お
よび着色料を少量の水で希釈して撹拌下に上記ペースト
に加え、所望量とするに充分な量の水を加える。
【0059】
【効果】RがC1−C3アルキルまたはアリルであり、R
1aがH、CH3、C2H5またはn−プロピルである式(XI
I)および(XIII)ならびに(XVIII)および(XIX)で表わされ
る互変異性体は、下記の実験により示されるように自然
発生的高血圧ラットの血圧を低下させる。
1aがH、CH3、C2H5またはn−プロピルである式(XI
I)および(XIII)ならびに(XVIII)および(XIX)で表わされ
る互変異性体は、下記の実験により示されるように自然
発生的高血圧ラットの血圧を低下させる。
【0060】体重約300gの成熟雄性自然発生的高血
圧ラット(SHR)(Taconic Farms, Germantown, N
ew York)をペントバルビタールナトリウム(60mg/k
g、腹腔内投与)で麻酔し、気管にカニューレを挿入し
て、SHRを空気呼吸させた。脈拍動脈圧をStatham変
換器(P23 ID)を用いてカニューレ挿入頸動脈から
測定した。平均動脈圧は弛緩期圧に脈圧の1/3を加え
たものとして計算した。心拍数は、収縮期圧脈拍により
誘起されるカルジオタコメーターで追跡した。薬物溶液
を大腿静脈に付けたカテーテルを通して静脈投与した。
動脈圧および心拍数を多チャンネルオッシログラフ(Ba
ckman, Model R511A)で記録した。ラット処置
後、15分間の標本平衡化時間をおいた。薬物は1mg/
kgの濃度で投与した。
圧ラット(SHR)(Taconic Farms, Germantown, N
ew York)をペントバルビタールナトリウム(60mg/k
g、腹腔内投与)で麻酔し、気管にカニューレを挿入し
て、SHRを空気呼吸させた。脈拍動脈圧をStatham変
換器(P23 ID)を用いてカニューレ挿入頸動脈から
測定した。平均動脈圧は弛緩期圧に脈圧の1/3を加え
たものとして計算した。心拍数は、収縮期圧脈拍により
誘起されるカルジオタコメーターで追跡した。薬物溶液
を大腿静脈に付けたカテーテルを通して静脈投与した。
動脈圧および心拍数を多チャンネルオッシログラフ(Ba
ckman, Model R511A)で記録した。ラット処置
後、15分間の標本平衡化時間をおいた。薬物は1mg/
kgの濃度で投与した。
【0061】下記の表1に式(XII)または(XIII)で表わ
される一連の化合物の本試験結果を示す。表1におい
て、第1欄に化合物名を、第2欄に平均動脈圧の変化率
(%)を、第3欄に心拍数の変化率(%)を示す。
される一連の化合物の本試験結果を示す。表1におい
て、第1欄に化合物名を、第2欄に平均動脈圧の変化率
(%)を、第3欄に心拍数の変化率(%)を示す。
【表1】 *D=トランス−(±)−1−メチル−6−n−プロピル
−4,5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H(お
よび3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリン・二塩酸塩(実
施例1) E=トランス−(±)−1−エチル−6−n−プロピル−
4,5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H(およ
び3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリン・二塩酸塩(実施
例3) F=トランス−(±)−1,6−ジ−n−プロピル−4,5,
5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H(および3
H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリン・二塩酸塩(実施例
2)。
−4,5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H(お
よび3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリン・二塩酸塩(実
施例1) E=トランス−(±)−1−エチル−6−n−プロピル−
4,5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H(およ
び3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリン・二塩酸塩(実施
例3) F=トランス−(±)−1,6−ジ−n−プロピル−4,5,
5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H(および3
H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリン・二塩酸塩(実施例
2)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 221:00 7431−4C 339:00) 7729−4C (C07D 495/20 221:00 7431−4C 231:00 7431−4C 339:00) 7729−4C (72)発明者 ダイアン・エル・ヒューザー アメリカ合衆国インディアナ州インディア ナポリス・ノース・ブロードウェイ5620番 地 (72)発明者 リチャード・エヌ・ブーエル アメリカ合衆国インディアナ州インディア ナポリス・ヒルクレスト・コート6886番地
Claims (10)
- 【請求項1】 式(XII)および(XIII): 【化1】 [RはH、CN、C1−C3アルキルまたはアリル、R1a
はHまたはC1−C3アルキルを表わす]で表わされるト
ランス−(±)−互変異性体混合物ならびにその製薬上許
容される酸付加塩。 - 【請求項2】 RがC1−C3アルキルまたはアリルであ
る請求項1の化合物。 - 【請求項3】 RがHまたはCNである請求項1の化合
物。 - 【請求項4】 二塩酸塩である請求項1の化合物。
- 【請求項5】 下記のいずれかの化合物またはその製薬
上許容される酸付加塩である請求項1の化合物。 トランス−(±)−1−メチル−6−n−プロピル−4,
5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H(および
3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリン、 トランス−(±)−1−エチル−6−n−プロピル−4,
5,5a,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H(および
3H)−ピラゾロ[4,3−f]キノリン、 トランス−(±)−1,6−ジ−n−プロピル−4,5,5a,
6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−2H(および3H)−
ピラゾロ[4,3−f]キノリン。 - 【請求項6】 式(XII)もしくは(XIII): 【化2】 [RはH、CN、C1−C3アルキルまたはアリル、R1a
はHまたはC1−C3アルキルを表す]で表されるトラン
ス−(±)−互変異性化合物またはその製薬上許容される
酸付加塩を製造するに際して、式(XXIII): 【化3】 [R1aはHまたはC1−C3アルキル、R2はC1−C3アル
キル、アリルまたはCNを表わす]で表わされる化合物
をNH2NH2またはその塩もしくは水和物と反応させ
て、要すれば、生成物をトランス−(−)−およびトラン
ス−(+)−立体異性体に分割し、要すれば、生成物を造
塩反応に付してその製薬上許容される酸付加塩を形成す
ることを特徴とする方法。 - 【請求項7】 式(XXIII)で表わされる化合物がトラ
ンス−(−)−またはトランス−(+)−立体異性体である
請求項6の方法。 - 【請求項8】 式(XII)もしくは(XIII): 【化4】 [RはH、CN、C1−C3アルキルまたはアリル、R1a
はHまたはC1−C3アルキルを表す]で表されるトラン
ス−(±)−互変異性化合物またはその製薬上許容される
酸付加塩を製造するに際して、式(XXIX)または(XX
X): 【化5】 [R'はC1−C3アルキルまたはアリル、R1aはHまたは
C1−C3アルキルを表わす]で表わされるトランス−
(±)−互変異性化合物をラネ−Niと反応させて、要す
れば、生成物をトランス−(−)−およびトランス−(+)
−立体異性体に分割し、要すれば、生成物を造塩反応に
付してその製薬上許容される酸付加塩を形成することを
特徴とする方法。 - 【請求項9】 式(XXIX)または(XXX)で表わされ
る化合物がトランス−(−)−またはトランス−(+)−立
体異性体である請求項8の方法。 - 【請求項10】 式(XII)および式(XIII): 【化6】 [式中、RはH、CN、C1−C3アルキルまたはアリル、
R1aはHまたはC1−C3アルキルを表わす]で表わされ
る互変異性化合物、その分割された立体異性体、または
その製薬上許容される酸付加塩を活性成分とし、1種ま
たはそれ以上の製薬上許容される担体または希釈剤と共
に含有して成る血圧降下剤。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US53551983A | 1983-09-26 | 1983-09-26 | |
US535519 | 1983-09-26 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP59177382A Division JPS6110583A (ja) | 1983-09-26 | 1984-08-24 | ピラゾ−ル環がアルキル化されたピラゾロキノリン類およびその製造中間体 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05194511A true JPH05194511A (ja) | 1993-08-03 |
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JP59177382A Granted JPS6110583A (ja) | 1983-09-26 | 1984-08-24 | ピラゾ−ル環がアルキル化されたピラゾロキノリン類およびその製造中間体 |
JP4246440A Expired - Lifetime JPH0660183B2 (ja) | 1983-09-26 | 1992-09-16 | ピラゾール環がアルキル化されたピラゾロキノリン類の製造中間体 |
JP4246412A Pending JPH05194511A (ja) | 1983-09-26 | 1992-09-16 | ピラゾール環がアルキル化されたピラゾロキノリン類 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP59177382A Granted JPS6110583A (ja) | 1983-09-26 | 1984-08-24 | ピラゾ−ル環がアルキル化されたピラゾロキノリン類およびその製造中間体 |
JP4246440A Expired - Lifetime JPH0660183B2 (ja) | 1983-09-26 | 1992-09-16 | ピラゾール環がアルキル化されたピラゾロキノリン類の製造中間体 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP4246442A Pending JPH0625251A (ja) | 1983-09-26 | 1992-09-16 | ピラゾール環がアルキル化されたピラゾロキノリン類の製造中間体 |
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---|---|
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JP (4) | JPS6110583A (ja) |
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CA (1) | CA1270488A (ja) |
DE (1) | DE3484925D1 (ja) |
DK (1) | DK400884A (ja) |
GB (1) | GB2146984B (ja) |
GR (1) | GR80200B (ja) |
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JPS6392723A (ja) * | 1986-10-06 | 1988-04-23 | Unitika Ltd | 湿潤性複合繊維およびその不織布 |
JPS6420322A (en) * | 1987-07-13 | 1989-01-24 | Mitsubishi Petrochemical Co | Conjugated fiber |
JPH01204617A (ja) * | 1988-02-09 | 1989-08-17 | Chisso Corp | 敷物 |
GB8828669D0 (en) * | 1988-12-08 | 1989-01-11 | Lilly Industries Ltd | Organic compounds |
KR20000008130A (ko) * | 1998-07-10 | 2000-02-07 | 조정래 | 폴리에스터계 탄성사용 공중합물의 제조방법 |
CN103298343A (zh) | 2011-01-07 | 2013-09-11 | 科赛普特治疗公司 | 类固醇和糖皮质激素受体拮抗剂组合疗法 |
WO2013130420A1 (en) * | 2012-02-27 | 2013-09-06 | Corcept Therapeutics, Inc. | Phenyl heterocycloalkyl glucocorticoid receptor modulators |
US8859774B2 (en) | 2012-05-25 | 2014-10-14 | Corcept Therapeutics, Inc. | Heteroaryl-ketone fused azadecalin glucocorticoid receptor modulators |
DK3074011T3 (da) | 2013-11-25 | 2019-09-30 | Corcept Therapeutics Inc | Octahydro-kondenserede azadecalin-glucocorticoidreceptormodulatorer |
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US11234971B2 (en) | 2018-12-19 | 2022-02-01 | Corcept Therapeutics Incorporated | Methods of treating cancer comprising administration of a glucocorticoid receptor modulator and a cancer chemotherapy agent |
US11389432B2 (en) | 2018-12-19 | 2022-07-19 | Corcept Therapeutics Incorporated | Methods of treating cancer comprising administration of a glucocorticoid receptor modulator and a cancer chemotherapy agent |
AU2019404026B2 (en) | 2018-12-19 | 2023-06-08 | Corcept Therapeutics Incorporated | Pharmaceutical formulations containing relacorilant, a heteroaryl-ketone fused azadecalin compound |
AU2020226863B2 (en) | 2019-02-22 | 2023-04-06 | Corcept Therapeutics Incorporated | Therapeutic uses of relacorilant, a heteroaryl-ketone fused azadecalin glucocorticoid receptor modulator |
UA128573C2 (uk) | 2019-12-11 | 2024-08-14 | Корсепт Терапьютікс Інкорпорейтед | Способи лікування підвищення маси тіла, індукованого антипсихотичними засобами, за допомогою мірикориланту |
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---|---|---|---|---|
US4230861A (en) * | 1979-01-22 | 1980-10-28 | Eli Lilly And Company | 1-And/or 7-substituted-6-hydroxy (or oxo)-3-decahydroquinoline carboxylic acids |
US4198415A (en) * | 1979-01-22 | 1980-04-15 | Eli Lilly And Company | Prolactin inhibiting octahydro pyrazolo[3,4-g]quinolines |
SU776048A1 (ru) * | 1979-06-05 | 1983-09-23 | Институт Бисорганической Химии Ан Бсср | Производные 8-аза-16-оксагона-17-онов, про вл ющие противовоспалительную,мембраностабилизирующую и антифибринолитическую активность,и способ их получени |
US4252945A (en) * | 1979-07-11 | 1981-02-24 | E. R. Squibb & Sons, Inc. | Process for preparing pyrazolo[1,5-c]-quinazoline derivatives and novel intermediates |
US4367231A (en) * | 1979-09-14 | 1983-01-04 | Eli Lilly And Company | Method of using octahydro pyrazolo[3,4-g]quinolines |
ES524452A0 (es) * | 1982-11-03 | 1985-04-16 | Lilly Co Eli | Un procedimiento para la preparacion de derivados de pirazolo-quinolinas. |
-
1984
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- 1984-08-21 GB GB08421159A patent/GB2146984B/en not_active Expired
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- 1984-08-24 KR KR1019840005148A patent/KR870001159B1/ko not_active IP Right Cessation
-
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19950530 |