JPH06249821A - 外面異形柱状炭素電極およびその製造方法 - Google Patents

外面異形柱状炭素電極およびその製造方法

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JPH06249821A
JPH06249821A JP5036415A JP3641593A JPH06249821A JP H06249821 A JPH06249821 A JP H06249821A JP 5036415 A JP5036415 A JP 5036415A JP 3641593 A JP3641593 A JP 3641593A JP H06249821 A JPH06249821 A JP H06249821A
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graphite
carbon
glassy
carbon material
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Takamasa Kawakubo
隆昌 川窪
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ガラス状炭素材料および/またはガラス状炭
素材料のマトリックス中に黒鉛が複合され、黒鉛結晶が
一方向に配向している組織を有する黒鉛/ガラス状炭素
複合材料から成り、電極の中心軸から外方へ放射状に延
び、軸線方向に沿う多数の溝を形成するリブから構成さ
れる、断面が長さ方向に常に同一形状である外面異形柱
状炭素電極とその製造方法。 【効果】 外表部に多数のフィン構造をもっているの
で、認識素子の担持が含浸でなく、外部からの付着(接
着)で行なえるので、微生物担持に特に有利である。各
種の酵素、細胞、微生物、反応物質などの大きさや生育
状態に適した大きさや形状の細孔を形成できる。炭素電
極を折り取るだけで常に同一形状、面積の新しい炭素電
極とし得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電気化学的検出器、
環境分析用センサー、病理検査用センサー、および生体
系や食品等の無害、無毒性が厳しく要求される検出用プ
ローブ電極等に用いられる、酵素、細胞、微生物等の固
定化、および代謝物質、反応物質等の担持に適した電極
用炭素材料、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気化学的計測法の大きな分野として、
近年、急速に発展してきたバイオセンサーを検出手法と
する簡易迅速分析法は、選択性が非常に高く、高感度な
測定が可能であるため、計測目的成分が極微量で、多数
の化合物が共存する臨床生体試料や環境試料などの分
析、評価に盛んに使われ始めている。
【0003】また、近年、このような特定の物質を感度
良く検出可能なセンサー電極を用いて生体系などの微小
局所で、例えば、細胞レベルでの生理学的情報を生きた
まま(in vivo)、その場(in situ)で、得ることが大
変重要となってきた。この目的のためには、電極を生体
の目的細胞の近傍に配置するか、刺入して、物理的、化
学的、電気的に刺激を与えて放出される応答物質や化学
変化の結果生成する特定の物質を選択して測定可能であ
ることが要求される。
【0004】バイオセンサーは生体分子や組織等が持つ
反応選択性を認識素子として利用し、そこで起こる物理
・化学的な変化を電極などのトランスデューサーを用い
て検出するものである。認識素子である酵素、細胞、微
生物等の固定化、および代謝物質、反応物質等の担持方
法の如何や、トランスデューサーの選択がセンサーの機
能を決定付けている。
【0005】従来、こうしたボルタンメトリー用作用電
極としては、水銀滴下電極、静止水銀電極、白金、金、
金アマルガム、銅、炭素(ガラス状炭素、カーボンファ
イバー、グラファイトペースト、パイログラファィト)
等の基体材料が検討されてきたが、これらの中で水銀電
極がポーラログラフ用電極として、またガラス状炭素が
電気化学的検出器用電極の主流になっている。
【0006】しかしながら、水銀は毒性があり、安全性
の点で問題であり、白金電極では水素発生電位より負側
で使用できない上に前処理も難しい。金電極はハロゲン
化イオンに対して弱い。また、これらの電極は、金属を
素材とするためイオンが溶出し毒性があり生体系を害す
るが、これに替わる良好な電極材料が無いため現在もそ
の使用を余儀なくされている。更に、グラファイトペー
ストに認識素子を練り込んで使用する試みもなされてい
るが、分散の均質性に欠け、非個体であるため電極表面
が一定とならない欠点がある。
【0007】従来の個体電極の多くは、表面が平滑で中
実な構造なので認識素子は電極表面に膜として固定され
ていたので担持能力に乏しく、認識素子が劣化した場合
は、再生が不能であった。発明者は、先に表面及び内部
に通ずる微細孔を多有する純粋な炭素細線を作り、この
細孔内に認識素子を含浸、吸着保持または化学修飾を施
して成る炭素微小センサー電極を提案した(特願平3−
193719)。これは、微小センサーとして良好に作
動したが、微細孔径の制御不完全、微細孔分布が不均一
なため、折り取って再生した新しい断面の表面積や、表
面状態が毎回異なるので、その都度検量線を求め直さな
ければならないこと、認識素子の担持・固定に際し、外
部よりの含浸操作が円滑でない等の不都合な点があっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
した電極材料の欠点を解決した電極およびその製造方法
を提供することである。即ち、生体系に対して、電流、
電圧の何れをも加えることができ、認識素子の担持が簡
便で悪影響を与えず、空隙容積や空隙分布をはじめ規則
的配列の空隙構造の制御ができ、酵素や反応物質の物理
・化学的吸着に適する空隙容積や、細胞や微生物のコロ
ニーの大きさや生育形態に適した空隙の大きさが任意に
設計可能で、毒性を持たず(もし、生体内に残存しても
安全であること)また食品検査にも使用でき、認識素子
の活性を劣化させず、極く微小(微量)部分の電気化学
的検出を可能とする機械的強度を具備し、迅速測定を可
能にし、電極特性のバラツキが少なく、どの部位で折り
取ってもデータの再現性があり、特殊な前処理を必要と
せず、安定に電極反応を測定できる安価なトランスデュ
ーサーとしての電極基体材料を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者はガラス状炭素
が持つ不浸透性や機械的強度の高さ、及び黒鉛の結晶端
面(エッジ面)が持つ電極反応活性に富み、電位窓が大
きく、前処理も容易であり、経時劣化せず安定性が高
く、イオン溶出せず毒性がない、等他の材料に無い極め
て優れた性質に着目し鋭意研究を重ねた結果、単独で不
浸透性を持ち、機械的強度が大きい炭素材料を用い、電
極基体が目的に応じた認識素子の大きさや特性に合わせ
た空隙の大きさや空隙構造を持つように、その成形方法
を工夫することによって、前記の課題を解決し、本発明
を完成した。
【0010】すなわち本発明は次の通りである。 (1) 電極を構成する材料が、ガラス状炭素材料およ
び/またはガラス状炭素材料のマトリックス中に黒鉛が
複合され、黒鉛結晶が一方向に配向している組織を有す
る黒鉛/ガラス状炭素複合材料より成り、電極の中心軸
から外方へ放射状に延び、軸線方向に沿う多数の溝を形
成するリブから構成される断面が電極の長さ方向につい
て常に同じ形状である外面異形柱状炭素電極。
【0011】(2) 不活性雰囲気中または非酸化性雰
囲気中で焼成するとガラス状の難黒鉛化性炭素を残す有
機物および/またはガラス状の難黒鉛化性炭素を残す有
機物中に結晶の良く発達した黒鉛微粉末を高度に分散複
合させた組成物を、中心軸孔の外側に放射状に多数の溝
孔を有する予め設計された断面形状に穿孔した押し出し
成形用ダイを用い、異形連続押出成形を行って、電極の
中心軸から外方へ放射状に延び、軸線方向に沿う多数の
溝を形成するリブから構成される断面が電極の長さ方向
について常に同じ形状である電極形状に成形した有機電
極基体を得る。ついで有機電極基体を硬化もしくは酸化
性雰囲気中で酸化して耐熱処理を行った後、非酸化性雰
囲気中で焼成して炭素化することを特徴とする外面異形
柱状炭素電極の製造方法。
【0012】(3) マトリックスを構成するガラス状
炭素となる有機物中に、ピッチ類を乾留して炭素残査を
高め、かつ難黒鉛化性を付与した炭素残査収率75%以
上、95%以下のメソフェースピッチを複合し、共炭化
することを特徴とする前項(2)記載の外面異形柱状炭
素電極の製造方法。
【0013】(4) 黒鉛微粉末が、黒鉛ウィスカ、高
配向性気相熱分解黒鉛(HOPG)、キッシュ黒鉛、天
然黒鉛、人造黒鉛より成る群より選ばれた少なくとも一
種である前項(2)記載の外面異形柱状炭素電極の製造
方法。
【0014】(5) 焼成、炭素化が不活性雰囲気中ま
たは非酸化性雰囲気中で500〜2,500℃の温度に
加熱処理するものである前項(2)記載の外面異形柱状
炭素電極の製造方法。
【0015】本発明の最大の特徴は柱状電極の中心軸か
ら外方へ放射状に延び、軸線方向に沿う多数の溝を形成
するリブを構成して、その断面が電極の長さ方向につい
て常に同じ形状となるようにすることである。
【0016】このような電極を作るためには、図1、図
2にダイの平面断面図を例示するように、ダイとして中
心軸孔の外側に放射状に多数の(成形物のリブとなる)
溝孔を設けた断面形状に穿孔した押し出し成形用ダイを
用いて成形する。これによって、電極の長さ方向につい
て常に同じ形状の電極形状を得る。
【0017】このような成形用ダイを用い、スクリュー
式やプランジャー式等の押出機により所望の直径に異形
連続柱状成形を行って、所定の横断面を持つ細線形状に
成形し、有機電極基体を得る。成形体の外径は、押し出
し時の吐出速度と引き取り速度との調整によって延伸率
を制御することによって任意に決定することができる。
【0018】多数の溝は、この中に酵素、細胞、微生物
や化学物質等の認識素子を担持させる場所であって、外
表部に多数のフィン構造を持っているので、認識素子を
細孔の中への含浸でなく、外部からの付着(接着)操作
で行える利点があり、微生物担持に有利である。
【0019】マトリックス炭素を構成する、不活性雰囲
気中または非酸化性雰囲気中で焼成するとガラス状の難
黒鉛化性炭素を残す有機物とは、三次元架橋を持つ有機
樹脂材料や、固相炭化する天然有機材料等であり具体的
には、有機高分子物質及び、そのモノマー・オリゴマー
類、タール・ピッチ類、乾留ピッチ類、熱可塑性樹脂、
熱硬化性樹脂の初期重合体類、等の内の一種または、二
種以上の混合物である。
【0020】ここで、有機高分子物質としては、後記す
る熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂以外の物質では、リ
グニン、セルロース、トラガントガム、アラビアガム、
天然ガム及びその誘導体、糖類、キチン、キトサン等の
ごとき縮合多環芳香族を分子の基本構造内に持つ化合物
及び、ナフタレンスルフォン酸のホルマリン縮合物、ジ
ニトロナフタレン、ピレン、ピラントロン、ビオラント
ロン、ベンゾアントロン等から誘導されるインダンスレ
ン系建染染料及びその中間体が挙げられる。
【0021】熱可塑性樹脂類としては、ポリ塩化ビニ
ル、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、後塩
素化ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアル
コール、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、ポリ塩化ビニル・酢酸ビニ
ル共重合体、等の通常の熱可塑性樹脂及びポリフェニレ
ンオキサイド、ポリパラキシレン、ポリスルフォン、ポ
リイミド、ポリアミドイミド、ポリベンツイミダゾー
ル、ポリカルボジイミド、ポリオキサジアゾール、等の
耐熱性熱可塑性樹脂を用い炭素前駆体化処理として、酸
化架橋したものを挙げることができる。
【0022】熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、
フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、コプナ樹
脂、等が用いられ加熱により、流動すると共に、分子間
架橋を生じ三次元化して硬化し、特別の炭素前駆体化処
理を行うことなく高い炭素残査収率を示すものが使用で
きる。
【0023】ピッチ類としては、石油ピッチ、コールタ
ールピッチ、アスファルト、及び、これらのピッチ類や
合成樹脂などの炭化水素化合物の乾留ピッチ(400℃
以下の処理物で、炭素残査収率が75%〜95%)に酸
化処理などの難黒鉛化処理を施したものである。
【0024】本発明において、マトリックス炭素の出発
原料である有機物材料に複合して用いられる黒鉛微粉末
について説明を加える。電極反応を良好に行わせるに
は、高度に発達した黒鉛の結晶端面(エッジ面)が電極
の反応面に垂直に整列するように組織配向した複合炭素
材料を作成することが重要である。それ故、黒鉛ウィス
カ、高配向性気相熱分解黒鉛(HOPG)、キッシュ黒
鉛、結晶質天然黒鉛が好ましく用いられる。黒鉛微粉末
の粒度は、目的とする電極の直径によっても異なるが、
最大径が数μm以下であることが好ましい。
【0025】本願発明のガラス状炭素のみによる異形連
続柱状構造を持つ炭素電極の製造方法について説明す
る。ガラス状の難黒鉛化性炭素を残す有機物として、上
記の天然高分子物質、合成高分子物質、熱硬化性樹脂、
熱可塑性樹脂、ピッチ類等のうち一種又は、二種以上を
適宜選択して出発原料とし、必要に応じて溶剤や可塑
剤、硬化剤を加えヘンシェルミキサー等で粉体分散を十
分に行い、加圧ニーダーまたは二本ロール等の混練機を
用いて、十分に混合分散を施し、ペレタイザーにより顆
粒化し成形用組成物とする。
【0026】次に、ガラス状炭素をマトリックスとした
黒鉛/ガラス状炭素複合炭素材料による異形連続柱状構
造を持つ炭素電極の製造方法について説明する。ガラス
状の難黒鉛化性炭素を残す有機物として、上記の天然高
分子物質、合成高分子物質、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹
脂、ピッチ類等のうち一種又は、二種以上を適宜選択し
て出発原料とし、これに前記黒鉛ウィスカ、高配向性気
相熱分解黒鉛、キッシュ黒鉛、結晶性天然黒鉛等から選
ばれた最大径が数μm以下の黒鉛微粉末を混合し必要に
応じて溶剤や可塑剤、硬化剤を加えヘンシェルミキサー
等で粉体分散を十分に行い、
【0027】高密度化や組織の表面平滑性の付与等の必
要に応じては、上記組成に炭素残査収率の高い乾留ピッ
チを配合し、これに可塑剤、溶剤等を添加し、加圧ニー
ダーまたは二本ロール等の高度に剪断力が掛けられる混
練機を用いてメカノケミカル反応を誘起させ十分に混合
分散を施し、ペレタイザーにより顆粒化して成形用組成
物とする。これらの組成物を前記の成形用ダイを用いて
成形延伸する。
【0028】有機電極基体が、ガラス状炭素化する有機
物単味で成る場合は、焼成に先立って成形体を98%濃
硫酸中に浸漬してから取り出し、空気中で180℃迄5
℃/hで徐々に昇温し、プリ・カーサー(炭素前駆体)
工程を終了する。
【0029】有機電極基体が、ガラス状炭素をマトリッ
クスとした黒鉛/ガラス状炭素複合炭素材料で成る場合
は、焼成に先立って成形体を空気中で180℃まで5℃
/hで徐々に昇温し、プリ・カーサー(炭素前駆体)工
程を終了する。
【0030】プリ・カーサー(炭素前駆体)材料を、窒
素ガス中で昇温速度を制御しつつ1500℃迄徐々に加
熱して炭素化を終了させ目的とする、同一の断面形状を
有する異形柱状炭素電極を得る。
【0031】目的によっては、更に真空中またはアルゴ
ン気相中で2200℃まで加熱処理を施し全体を緻密化
することも行われる。
【0032】
【実施例】以下に実施例によって、本発明を更に具体的
に説明するが、本発明は、この実施例によって何等限定
されるものではない。 (実施例1)不活性雰囲気中または非酸化性雰囲気中で
焼成するとガラス状の難黒鉛化性炭素を残す有機物とし
て、塩素化塩化ビニル樹脂(日本カーバイト社製 T−
742)80重量%、プロピレンカーボネート19重量
%、ステアリン酸アミド1重量%、から成る配合組成物
をヘンシェルミキサー等で粉体分散を十分に行い、加圧
ニーダーを用いて130℃加熱下に混練した後、混練物
を取り出してペレット製造機により、押し出し成形用ペ
レットを得た。
【0033】このペレットをスクリュー型押出機で直径
10mmの図1、の断面形状を持つダイスを用い、脱気
を行いつつ130℃で3m/秒の速度で押し出し、10
倍に延伸し、これを枠に固定して、98%濃硫酸中に浸
漬してから取り出し、空気中で180℃まで5℃/hで
徐々に昇温し、プリ・カーサー(炭素前駆体)線材とし
た。次に、この線材を窒素ガス中で500℃までを10
℃/時、500℃から1000℃迄を50℃/時の昇温
速度で昇温し、その後1500℃迄を100℃/時で昇
温し、1500℃で3時間保持した後自然冷却して焼成
を完了した。
【0034】得られた同一の断面形状を有する異形柱状
炭素電極は、完全なガラス状炭素質で、組織の細孔直径
を、湯浅アイオニクス社製ポロシメーター(オートキャ
ン−60)を用いて水銀圧入法により測定した結果、最
大一次細孔直径は20オングストロームであった。顕微
鏡観察の結果では、設計された10〜50μmのフィン
を持つ規則的微細空隙構造を維持していた。水中での超
音波洗浄によっても組織の破壊などは皆無であり、十分
な強度を持つものであった。
【0035】(実施例2)電極のマトリックスカーボン
原料として、塩素化塩化ビニル樹脂(日本カーバイド社
製 T−742)35重量%、フラン樹脂(日立化成社
製 ヒタフランVF−302)50重量%、の混合樹脂
系を用い、これに天然黒鉛微粉末(日本黒鉛社製 CS
SP−B 平均粒度1μm)15重量%を複合した組成
物100重量%に対し、可塑剤としてジアリルフタレー
トモノマー20重量%を添加して、ヘンシェル・ミキサ
ーを用いて分散した後、表面温度を120℃に保ったミ
キシング用二本ロールを用いて十分に混練を繰り返して
メカノケミカル反応したシート状組成物を得、ペレタイ
ザーによってペレット化し成形用組成物を得た。
【0036】このペレットをスクリュー型押出機で直径
10mmの図2の断面形状を持つダイスを用い130℃
で5m/秒の速度で連続異形押し出し成形を行い10倍
に延伸した。これを枠に固定して、空気中180℃に加
熱されたエアー・オーブン中で10時間処理してプリ・
カーサー(炭素前駆体)線材とした。次に、これを窒素
ガス中で500℃までを10℃/時、500℃から10
00℃迄を50℃/時の昇温速度で昇温し、その後15
00℃迄を100℃/時で昇温し、1500℃で3時間
保持した後自然冷却して焼成を完了した。
【0037】得られた同一の断面形状を有する異形柱状
炭素電極は、黒鉛/マトリックスカーボン比 30/7
0、直径1mmで所望する形状を正確に維持していた。
電極特性としては、黒鉛結晶固有の電極反応を行う一
方、電解液の侵入に伴う電流値の増加は見られず、実質
的にガラス状炭素並の電解液不浸透性を示した。
【0038】
【発明の効果】本発明ではガラス状炭素材料および/ま
たは黒鉛/ガラス状炭素複合材料を柱状電極の中心軸か
ら外方へ放射状に延び、軸線方向に沿う多数の溝を形成
するリブを構成して、その水平断面が電極の長さ方向に
ついて常に同じ形状となるように構成したので、認識素
子として使用する各種の酵素、細胞、微生物、反応物質
などの大きさや生育状態に適した大きさや形状の細孔を
有する担持電極を高度な品質管理状態で得ることができ
る。またこの炭素電極はガラス状炭素そのもの、もしく
はガラス状炭素並の不浸透性を有し、黒鉛結晶のエッジ
面が示す電極反応活性を持っており、外表部に多数のフ
ィン構造をもっているので、認識素子の担持を含浸でな
く、外部からの付着(接着)操作で行なえ、微生物担持
に特に有利である。電極を折り取るだけで常に同一形
状、同一面積の新しい電気化学計測用の炭素電極とする
ことができ、検量線を求めなおす必要もない。また人体
にも無害である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1で用いられる異形柱状電極材
料成形用ダイスの正面図である。
【図2】図2は、実施例2で用いられる異形柱状電極材
料成形用ダイスの正面図である。
【図3】図3は、本願発明で得られる異形柱状炭素電極
の種々の横断面を例示したもので、断面の形状はこれら
に限定されるものではない。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極を構成する材料が、ガラス状炭素材
    料および/またはガラス状炭素材料のマトリックス中に
    黒鉛が複合され、黒鉛結晶が一方向に配向している組織
    を有する黒鉛/ガラス状炭素複合材料より成り、電極の
    中心軸から外方へ放射状に延び、軸線方向に沿う多数の
    溝を形成するリブから構成される断面が電極の長さ方向
    について常に同じ形状である外面異形柱状炭素電極。
  2. 【請求項2】 不活性雰囲気中または非酸化性雰囲気中
    で焼成するとガラス状の難黒鉛化性炭素を残す有機物お
    よび/またはガラス状の難黒鉛化性炭素を残す有機物中
    に結晶の良く発達した黒鉛微粉末を高度に分散複合させ
    た組成物を、中心軸孔の外側に放射状に多数の溝孔を有
    する予め設計された断面形状に穿孔した押し出し成形用
    ダイを用い、異形連続押出成形を行って、電極の中心軸
    から外方へ放射状に延び、軸線方向に沿う多数の溝を形
    成するリブから構成される断面が電極の長さ方向につい
    て常に同じ形状である電極形状に成形した有機電極基体
    を得る。ついで有機電極基体を硬化もしくは酸化性雰囲
    気中で酸化して耐熱処理を行った後、非酸化性雰囲気中
    で焼成して炭素化することを特徴とする外面異形柱状炭
    素電極の製造方法。
  3. 【請求項3】 マトリックスを構成するガラス状炭素と
    なる有機物中に、ピッチ類を乾留して炭素残査を高め、
    かつ難黒鉛化性を付与した炭素残査収率75%以上、9
    5%以下のメソフェースピッチを複合し、共炭化するこ
    とを特徴とする請求項2記載の外面異形柱状炭素電極の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 黒鉛微粉末が、黒鉛ウィスカ、高配向性
    気相熱分解黒鉛(HOPG)、キッシュ黒鉛、天然黒
    鉛、人造黒鉛より成る群より選ばれた少なくとも一種で
    ある請求項2記載の外面異形柱状炭素電極の製造方法。
  5. 【請求項5】 焼成、炭素化が不活性雰囲気中または非
    酸化性雰囲気中で500〜2,500℃の温度に加熱処
    理するものである請求項2記載の外面異形柱状炭素電極
    の製造方法。
JP5036415A 1993-02-25 1993-02-25 外面異形柱状炭素電極およびその製造方法 Withdrawn JPH06249821A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002224998A (ja) * 2001-01-31 2002-08-13 National Institute Of Advanced Industrial & Technology マイクロカーボンロッドとその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002224998A (ja) * 2001-01-31 2002-08-13 National Institute Of Advanced Industrial & Technology マイクロカーボンロッドとその製造方法

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