JP4105894B2 - センサの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭素電極を有し、医療や化学分析に用いられるセンサを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭素質材料は、一般に化学的に安定であり、また、貴金属材料に比べ安価であり、電気化学的に電位窓が広いという特徴をもっている。
【0003】
炭素質材料からなる炭素電極表面には、酸素を含む官能基(−COOH、−C=O、−OHなど)が当初から存在している。しかし、炭素電極表面に酸素を含む官能基が当初から存在していると、他の官能基を炭素電極に直接修飾する際に煩雑な操作を必要とする場合がある。さらに、当初から官能基が存在しているために、官能基の修飾をより高密度にするなどといった官能基修飾の制御がしにくい。そのため、炭素電極を官能基によって十分に修飾することが難しい。
【0004】
また、中性またはアルカリ性の溶液中において、酸素を含む官能基を有する炭素電極を使用すると、官能基の解離により電極表面がアニオン性になる。その結果、[Fe(CN)63-や[Fe(CN)64-等のアニオン化学種を炭素電極と反応させたい場合、両者ともにアニオン性であるために反発が生じ、過電圧が大きくなってしまうという問題がある。そのため、アニオン化学種と炭素電極とを反応させるためには高い印加電圧が必要となってしまう。また、被検溶液中に印加電圧以下の電解電圧を示す物質が存在すると、この物質の電解電流によって測定精度が悪くなるが、印加電圧が高いと測定精度が悪化しやすい。
【0005】
炭素電極の修飾方法としては、一般に、
(1)化学的な処理(「電気化学法 応用測定マニュアル」講談社発行)、
(2)熱処理法(Anal.Chem.,vol.57,p.2759,1985)、
(3)研磨剤による研磨処理(Anal.Chem.,vol.57,p.150,1985)、
(4)界面活性剤処理(特許第3207676号公報)
などが知られている。しかし、これらの手法では、炭素電極に関する前記問題を解決するまでには至らず、さらに有効な修飾方法が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、炭素電極を有するセンサの製造に際し、炭素電極の官能基による修飾およびその制御を容易に行うことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、下記(1)〜()の本発明によって達成される。
(1) 黒鉛系炭素質材料を含有する炭素電極を有するセンサを製造する方法であって、前記黒鉛系炭素質材料を製造するに際し、還元性雰囲気中、酸化性雰囲気中または反応性雰囲気中において、黒鉛系炭素質材料または熱プラズマ処理により黒鉛系炭素質材料となる材料に熱プラズマ処理を施す工程を設け、且つ、前記黒鉛系炭素質材料を、酵素、抗体、抗原、電子伝達体および導電性ポリマーの少なくとも1種により修飾する工程を有する、センサの製造方法。
(2) 熱プラズマ処理後、黒鉛系炭素質材料に、表面改質処理を施す工程を有する上記(1)のセンサの製造方法
【0008】
【作用および効果】
本発明では、還元性雰囲気中、酸化性雰囲気中または反応性雰囲気中において熱プラズマ処理が施された炭素質材料を用いて炭素電極を形成する。炭素質材料表面にあらかじめ官能基が存在していた場合でも、熱プラズマ処理を施すことにより、表面に新たな官能基を高密度に導入することが可能である。また、熱プラズマ処理の条件を制御することにより、修飾する官能基の種類および量を制御できる。たとえば、プラズマガスを変えることにより官能基の種類を変更できる。そのため、熱プラズマ処理された炭素質材料を用いることにより、様々な対象について高感度かつ応答性よくセンシングでき、また、低電圧で作動可能であり、測定精度も高いセンサが実現する。
【0009】
また、樹脂材料を熱プラズマ処理することにより製造した炭素質材料は、比表面積がきわめて大きくなるので、この炭素質材料を用いたセンサは、感度および応答性がきわめて良好となる。
【0010】
本発明により製造されるセンサは、後述する実施例に示すようなバイオセンサに好適であるが、そのほか、溶液中のガス濃度を測定する化学センサにも適用できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明により製造されるセンサは、炭素質材料を含有する炭素電極を有する。
【0012】
本発明は、炭素質材料の製造方法に特徴を有する。本発明の炭素電極が含有する炭素質材料は、還元性雰囲気中、酸化性雰囲気中または反応性雰囲気中において熱プラズマ処理が施されたものである。
【0013】
本発明において熱プラズマ処理の対象となる材料は、炭素質材料であるか、熱プラズマ処理により炭素質材料となる材料、すなわち焼成により炭化可能な材料である。
【0014】
熱プラズマ処理により炭素質材料となる材料としては、たとえば、フェノール樹脂、アクリル系樹脂、フラン系樹脂、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリロニトリル等の鎖状ビニル系高分子、ポリフェニレンのようなビフェニル結合からなる高分子などの各種樹脂が挙げられ、含窒素樹脂、たとえばポリアニリン、ポリイミド、ナイロン等のポリアミド、窒素含有フェノール樹脂なども使用可能である。また、このほか、多糖類等の各種糖類を用いることも可能である。これらのうちではフェノール樹脂、好ましくは真球状のフェノール樹脂が好ましい。
【0015】
熱プラズマ処理の対象となる炭素質材料としては、グラファイト、グラッシーカーボン、パイロリティックグラファイト、カーボンファイバー、カーボンペースト、活性炭などのいずれであってもよいが、特に、黒鉛系炭素質材料が好ましい。黒鉛系炭素質材料としては、黒鉛もしくは黒鉛に近い高い結晶性を有するものであれば特に制限はなく、天然黒鉛、人造黒鉛、メソフェーズカーボンマイクロビーズ(MCMB)などが挙げられる。なかでも天然黒鉛、人造黒鉛、MCMB等が好ましい。これらのうちでは、特にMCMBが好ましい。MCMBはピッチから得られる真球状の炭素質材料を黒鉛化したもので、従来の黒鉛材料に比べ電極材料作製上において取扱いが容易である。すなわち、流動性に優れているので、熱プラズマ処理に供するのに適し大量処理が可能で生産性に優れる。また、電極を形成する際の膜化が容易である。
【0016】
なお、カーク・オスマー化学大辞典(丸善)PP824に記載されているように、一般に、用語としての炭素と黒鉛とは混同して用いられることが多いが、本来は同義ではない。すなわち、炭素、人造炭素、無定形炭素、焼成炭素など一般に炭素といわれるものは、フィラー(骨材)といわれる固体炭素の粒子(石油コークス、カーボンブラック、無煙炭など)を、コールタールピッチや石油ピッチのようなバインダ(結合材)と混合し、型込めや押出しによって成形したのち、不活性雰囲気の炉中で1800〜1400℃で焼成した製品に対する呼称である。フィラーは最終製品の本体をなす材料である(充填材とも呼ばれる)。成形された焼成前の材料は、グリーンカーボン{生(なま)成形品}と称される。一方、人工(人造)黒鉛、合成黒鉛、電気黒鉛、黒鉛化炭素など一般に黒鉛といわれるものは、上記の炭素をさらに2400℃以上(望ましくは2800〜3000℃)の高温で熱処理した炭素材のことである。この定義に従えば、MCMBはピッチから得られた炭素を黒鉛化したものである。なお、現時点では上述したピッチから得られるMCMBが広く使用されているが、本発明に利用できる黒鉛系炭素材料としては、真球状等、流動性が良いものであればよく、いかなる炭素系原料および黒鉛化プロセスを経過したものであってもかまわない。
【0017】
熱プラズマ処理に供される材料および熱プラズマ処理後の炭素質材料は、粒子からなる粉末であって、その平均粒径は0.5〜100μm程度であることが好ましい。これらの粒子は球状であることが好ましいが、球状以外の形状、たとえば回転楕円体状や不定形状であってもよい。
【0018】
本発明における熱プラズマ処理は、例えば「石垣隆正,セラミックス,30(1995)No.11,1013〜1016」、特開平7−31873号公報等の記載を参照することができる。
【0019】
熱プラズマは、中圧(10〜70kPa程度)から1気圧において発生するプラズマであり、通常の低圧プラズマと異なり熱平衡に近いプラズマが得られるため、単に局所的な反応を行うだけでなく、系に存在する物質まで高温にすることができる。したがって、熱プラズマにより高温相の生成および表面改質の両方が可能になる。熱プラズマ処理では、樹脂等の非炭素質材料に対しては超高温処理によって炭化ないし黒鉛化し、また、炭素質材料に対しては、表面付近の黒鉛化の度合いを超高温処理によって制御する。そして、処理対象物の表面がプラズマガスのイオン、ラジカル等で叩かれて表面改質が行われる。具体的な現象としては、例えばプラズマガスにN2を用いたときの表面の窒素化、H2を用いたときの表面の水素化、あるいは原子レベルでの物理的破壊、あるいは粒子表面のクリーニング等が考えられる。
【0020】
熱プラズマ処理には、例えば図1に示すような高周波熱プラズマの発生装置(熱プラズマトーチ)が用いられる。これは、プラズマトーチ中へ連続的に対象物を導入し、下部において回収するものである。図1の装置(トーチ)10は、水冷二重管11の外に高周波コイル12を巻き、その内部に高周波電磁誘導により熱プラズマを形成するものである。水冷二重管11の上部は蓋13が取り付けられており、蓋13には熱プラズマ処理に供する炭素原料の粉末とキャリアガスとを供給する粉末供給用水冷プローブ14が設置されている。また、装置(トーチ)10内部には、主としてプラズマ流を形成するためのセントラルガスGp、主としてプラズマ流の外側を包むためのシースガスGsが導入される。なお、以下では、セントラルガス、シースガスおよびキャリアガスをあわせてプラズマガスということがある。
【0021】
熱プラズマの発生条件としては、通常、周波数0.5〜6MHz、特に3〜6MHz、投入電力3〜60kWとすればよく、トーチ内部の圧力は1〜100kPaとすればよく、特に10〜70kPaとすることが好ましい。
【0022】
プラズマガスとしては、少なくともArを用いることが好ましく、Arと、N2およびH2の少なくとも1種とを併用することがより好ましい。プラズマガス中において、Ar以外のガスの体積比は1〜20%であることが好ましい。セントラルガス、シースガスおよびキャリアガスのそれぞれに用いるガスの種類は特に限定されないが、いずれも少なくともArを含むことが好ましく、特にシースガスには、トーチ内壁を保護するため、H2、N2のような二原子気体を混合することが好ましい。セントラルガスとシースガスとの合計流量は、通常、2〜200リットル/分、好ましくは30〜130リットル/分とすればよい。
【0023】
このような条件下で発生する熱プラズマ中に導入される粉末量は、1分あたりの導入量で0.001〜0.5kgとすることが好ましい。キャリアガスの流量は1〜100リットル/分とすればよい。
【0024】
プラズマガスを適宜選択することにより、熱プラズマ処理による効果を制御できる。たとえば、N2に比べH2は熱伝導率が高いので、H2を使った場合には、通常、加熱効率がより高くなる。
【0025】
このような装置を用いることにより、3,000〜15,000℃の還元性、酸化性または反応性の雰囲気中での熱プラズマ処理が可能になる。3,000〜15,000℃の温度域における粉末の滞留時間は、0.001〜10秒、特に0.02〜0.5秒程度とすることが好ましい。
【0026】
プラズマトーチの大きさは特に限定されないが、たとえば図1に示す構造とする場合には、管径10〜1000mm程度、高さ50〜3000mm、特に1000〜3000mm程度とすることが好ましい。
【0027】
本明細書において炭素質材料とは、純炭素からなる材料と、炭素以外の元素も含有する材料とを包含する概念である。ただし、炭素以外の元素が多く含まれると比抵抗が高くなってしまうため、熱プラズマ処理後においては、炭素質材料中における炭素以外の元素の含有量は3質量%以下であることが好ましい。炭素以外の元素は、炭化する前の原料組成に由来するものが主であり、主に窒素や硫黄などである。
【0028】
熱プラズマ処理後、炭素質材料に表面改質処理を施すことが好ましい。熱プラズマ処理により、炭素質材料表面が種々の官能基で修飾されるが、表面改質処理によってさらに修飾が可能である。表面改質処理としては、たとえばフッ素処理、アルカリ処理が好ましい。フッ素処理には、フッ素ガスやNF3等のフッ素原子を放出する化合物を用いることができる。アルカリ処理には、アルカリ金属水酸化物、アンモニアなどを用いることができる。これら表面改質処理の詳細については、たとえば特開平10−284080号公報、特開2000−306582号公報に記載されている。本発明では、熱プラズマ処理によって炭素質材料の表面修飾を制御することを特徴とし、その後の表面改質処理は、これを補完するものとなる。したがって、本発明における表面改質処理は特に限定されず、従来行われている処理から適宜選択すればよく、また、処理条件も従来知られている範囲から適宜選択すればよい。
【0029】
なお、炭素質材料を加熱したときのガス脱離量を測定することにより、炭素質材料表面に官能基がどの程度導入されているかを判定することができる。
【0030】
炭素質材料は、バイオセンサや化学センサ等の各種用途に応じ、各種修飾物質により修飾される。修飾物質は特に限定されないが、たとえば、酵素、抗体、抗原、電子伝達体および導電性ポリマーの少なくとも1種が挙げられる。炭素質材料をこれらによって修飾する方法は特に限定されず、たとえば、修飾物質とペースト状態にした炭素質材料との混合物を塗布したものを炭素電極として使用する方法、修飾物質をポリマーと混練して炭素電極表面に塗布する方法、修飾物質を分散させた液体を調製し、この液体中に炭素質材料を浸漬したり、この液体を炭素電極表面に滴下する方法、化学処理により炭素電極表面に導入したアミノ基と修飾物質とをアミド結合により固定する方法、などのいずれを利用してもよい。
【0031】
上記炭素質材料を含有する炭素電極は、通常、以下の手順で作製される。まず、樹脂などからなるバインダと炭素質材料とを混練することにより、塗料を調製する。次いで、樹脂、ガラス、セラミックなどの絶縁性材料、または、白金等の導電性材料からなる基体上に、スクリーン印刷などによって塗料を塗布して塗膜を形成し、この塗膜を加熱して乾燥または硬化することにより、電極層とする。さらに、電極として作用させたいところ以外の領域を絶縁物で被覆し、炭素電極とする。
【0032】
このようにして作製した炭素電極をリード線により電流測定装置に接続し、センサとする。
【0033】
【実施例】
炭素質材料の作製
まず、図1に示すようなプラズマトーチを用い、平均粒径30μmのほぼ真球状のフェノール樹脂粉末(ユニチカ株式会社製のユニベックスC)を連続的に散布して熱プラズマ処理を施し、ほぼ真球状の炭素質粒子からなる炭素質材料を得た。熱プラズマ処理の際には、プラズマガスとしてAr+H2混合ガス(流量比はAr:H2=93:7)を用い、トーチ内の圧力は53kPaとし、周波数は2MHzとし、投入電力は40kWとし、粉末供給速度は4g/minとした。モデル計算によれば、プラズマ温度は10,000℃以上となる。
【0034】
熱プラズマ処理によって炭素質材料の表面清浄化および表面修飾を行った後、トーチ内をN2に置換した。この置換は、空気中の酸素、水、二酸化炭素と炭素質材料表面とが反応することを防ぐためである。この炭素質材料を炭素質材料No.1とする。
【0035】
また、比較のために、上記フェノール樹脂粉末をN2雰囲気中において1100℃で3時間熱処理することにより炭素質材料を得た。この炭素質材料を炭素質材料No.2とする。
【0036】
バイオセンサ用作用極の作製
図2に示す構造の作用極を以下の手順で作製した。
【0037】
上記炭素質材料に対しそれぞれ10質量%および3質量%のスチレン−ブタジエンゴムおよびカルボキシメチルセルロースを混合したスラリー状のバインダ液を調製し、このバインダ液と炭素質材料とを、バインダ液:炭素質材料=90:10(質量比)となるように混練し、塗料を得た。
【0038】
この塗料を白金電極からなる基体101に塗布した後、大気圧下において150℃で30分間、引き続き真空下において200で1時間加熱して乾燥させることにより、電極層102を形成した。
【0039】
次いで、電極層102に、50mMのフェリシアン化カリウムを含有するリン酸緩衝液(pH7.4)を滴下して乾燥することにより、フェリシアン化カリウムを電極層に固定し、修飾電極層とした。
【0040】
次に、500U/mlのグルコースオキシダーゼ(GOD)溶液を多孔性ポリカーボネート膜に滴下して乾燥することによりGOD吸着膜103を作製し、このGOD吸着膜103のGOD滴下面を電極層102に圧着して積層し、得られた積層体を、GOD吸着膜103が露出するようにホルダ104に封入して、作用極1を得た。
【0041】
電気化学的測定
電気化学的測定法として一般的な3電極方式を用い、図3に示す構造の測定セルを用いて測定を行った。図3において、符号1は作用極、符号2は白金電極からなる対極、符号3は銀塩化銀からなる参照極、符号4は攪拌子、符号5は塩橋、符号6はリン酸緩衝液である。まず、作用極1をリン酸緩衝液6中に入れ、0.1Vの電圧を印加してそのときの電流値を測定した。測定時の環境温度は室温に保った。
【0042】
次に、リン酸緩衝液6中にグルコース溶液を一定量ずつ段階的に添加しながら、電流値の測定を続けた。結果を図4および図5に示す。図4は、熱プラズマ処理により製造された炭素質材料No.1を含有する作用極を用いた場合の結果であり、図5は、比較例である炭素質材料No.2を含有する作用極を用いた場合の結果である。
【0043】
図4および図5から、本発明の効果が明らかである。図4および図5ともに、グルコース溶液の添加量に応じて電流値の増大が見られるが、図4では、図5に比べ応答が俊敏であり、また、グルコース溶液追加量が同じであるにもかかわらず電流値の増大量が大きい。すなわち、本発明により応答性および感度が向上している。この結果は、酸素を含む官能基が熱プラズマ処理によって減少することにより、炭素質材料とフェリシアン化カリウムとの間でのコンタクトが良好になった、すなわち、電子の授受が良好に行われるようになったことを意味すると考えられる。
【0044】
なお、以上の実施例では、プラズマガスとしてAr+H2を用いたが、たとえばAr+N2を用いて熱プラズマ処理を行えば、炭素質材料表面に多量のアミノ基を導入することができる。そのため、アミノ基および抗体と結合する架橋試薬、たとえばSPDP(N-Succinimidyl 3-[2-pyridyldithio]propionate)やSulfo-SMCC(Sulfosuccinimidyl 4[N-maleimidomethyl]-cyclohexane-1-carboxylate)など、に抗体を結合させたもので炭素電極を修飾すれば、被検溶液中の抗原を応答性よく高感度で検出可能なバイオセンサが実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において熱プラズマ処理を行うために用いる高周波熱プラズマの発生装置(プラズマトーチ)の概略構成図である。
【図2】作用極の構造を示す断面図である。
【図3】電気化学測定用セルの概略構成図である。
【図4】本発明により製造されたバイオセンサの特性を示すグラフであり、グルコース滴下後の経過時間と電流値との関係を示すグラフである。
【図5】従来のバイオセンサの特性を示すグラフであり、グルコース滴下後の経過時間と電流値との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 作用極
101 基体
102 電極層
103 GOD吸着膜
104 ホルダ
2 対極
3 参照極
4 攪拌子
5 塩橋
6 リン酸緩衝液
10 高周波熱プラズマの発生装置(プラズマトーチ)
11 水冷二重管
12 高周波コイル
13 蓋
14 粉末供給用水冷プローブ
Gp セントラルガス
Gs シースガス

Claims (2)

  1. 黒鉛系炭素質材料を含有する炭素電極を有するセンサを製造する方法であって、
    前記黒鉛系炭素質材料を製造するに際し、還元性雰囲気中、酸化性雰囲気中または反応性雰囲気中において、黒鉛系炭素質材料または熱プラズマ処理により黒鉛系炭素質材料となる材料に熱プラズマ処理を施す工程を設け、且つ、
    前記黒鉛系炭素質材料を、酵素、抗体、抗原、電子伝達体および導電性ポリマーの少なくとも1種により修飾する工程を有する、センサの製造方法。
  2. 熱プラズマ処理後、黒鉛系炭素質材料に、表面改質処理を施す工程を有する請求項1のセンサの製造方法。
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