JPH0624923U - 射出成形金型 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形品に傾斜したアンダ−カット部を形設す
る傾斜スライドコアを、流体圧シリンダによることなく
進退させる。 【構成】 移動型２０は本体ブロック２１と取付ブロッ
ク２２を有し、両ブロックは型開き時に一定距離離れ
る。本体ブロック２１にはばね２４で抜け出し方向に付
勢された傾斜スライドコア２５を装着する。取付ブロッ
ク２２からは本体ブロック２１と取付ブロック２２の開
閉に応じて傾斜スライドコア２５の抜け出しを制御する
アンギュラ−ピン２９を突出させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、傾斜スライドコアにより傾斜したアンダ−カット部を形設する射出 成形金型に関する。

【０００２】

【従来の技術】

型開き方向に対し傾斜したスライドコア（鋳抜ピン）により、傾斜したアンダ −カット部を成形品に形設する形式の射出成形金型を、特開平３−４５７号公報 に見ることができる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来のものは、傾斜スライドコアの進退を流体圧シリンダで行っており、構造 が複雑でメインテナンスにも手間がかかった。本考案はこの点を解決しようとす るものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案における移動型は、本体ブロックと取付ブロックを有し、両ブロックは 型開き方向に離隔可能である。本体ブロックには、ばねで抜け出し方向に付勢さ れた傾斜スライドコアを装着する。取付ブロックには、本体ブロックと取付ブロ ックの開閉に応じて傾斜スライドコアの抜け出しを制御するアンギュラ−ピンを 設ける。

【０００５】

【作用】

成形後、型開きを開始すると、まず取付ブロックが本体ブロックから離れる。 するとアンギュラ−ピンとばねの作用により、傾斜スライドコアが成形品から抜 け出す。傾斜スライドコアが完全に成形品から離脱した後、本体ブロックが固定 型から離れ、成形品が取り出される。

【０００６】

【実施例】

図に基づき一実施例を説明する。図において、１０は固定型、２０は移動型で ある。固定型１０と移動型２０の間には、成形品１（図３）を成形するキャビテ ィ２が形成されている。成形品１は型開き方向に対し傾斜したアンダ−カット部 ３を有する。

【０００７】 移動型２０は、本体ブロック２１と取付ブロック２２からなる。取付ブロック ２２は本体ブロック２１を成形機に取り付けるためのものであり、型開き初期、 本体ブロック２１から離れる。この動作を行わせるため、本体ブロック２１と取 付ブロック２２の間に圧縮コイルばね２３を挿入する。両ブロック２１、２２は ストロ−ク制限ボルト２４で連結され、一定距離以上は離れない。

【０００８】 本体ブロック２１には、成形品１のアンダ−カット部３を形設するための傾斜 スライドコア２５を装着する。傾斜スライドコア２５は圧縮コイルばね２６によ り成形品１から抜け出す方向に付勢され、本体ブロック２１に固定されたストッ パ２７に止められるまでスライド可能である。

【０００９】 取付ブロック２２からは、傾斜スライドコア２３に設けた斜めの穴２８に係合 するアンギュラ−ピン２９を突出させる。

【００１０】 ３０はエジェクタプレ−トであり、エジェクタピン３１とリタ−ンピン３２を 連結し、圧縮コイルばね３３により成形品突き出し方向と逆方向に付勢されてい る。

【００１１】 上記金型の動作は次の通りである。図１は型を閉じて成形を行った状況を示す 。樹脂が固化した後、型を開くが、この金型では、図２のように、まず取付ブロ ック２２と本体ブロック２１の間が開く。すると、ばね２６の圧力とアンギュラ −ピン２９の誘導作用により、傾斜スライドコア２５がアンダ−カット部３から 抜け出す。傾斜スライドコア２５の移動はストッパ２７に当るところでストップ し、同時にストロ−ク制限ボルト２４により本体ブロック２１と取付ブロック２ ２の相対移動も終わりを告げ、以後本体ブロック２１と取付ブロック２２は一体 になって動き出す。もちろんこの時、傾斜スライドコア２５はアンダ−カット部 ３からすっかり抜けている。移動型２０が固定型１０から十分離れたところで突 き出しロッド３４がエジェクタプレ−ト３０に当り、エジェクタプレ−ト３０を ばね３３に抗し移動型２０内で相対移動させる。この動きにより、エジェクタピ ン３１が成形品１を突き出す。これが図３の状態である。成形品１を取り外した 後、型を閉じて行くと、リタ−ンピン３２が固定型１０に当ってエジェクタプレ −ト３０を旧位置に押し込み、アンギュラ−ピン２９もばね２６に抗し傾斜スラ イドコア２５を押し込み、次回の成形の準備がなされる。

【００１２】

【考案の効果】

本考案によれば、流体圧シリンダを用いることなく、ばねとアンギュラ−ピン により傾斜スライドコアを進退させるから、構成が簡単でコンパクトであると共 に、流体圧機構のメインテナンスの手間も不要である。

【図面の簡単な説明】

【図１】型締め時の部分断面図である。

【図２】型開き途中の部分断面図である。

【図３】型開き完了時の部分断面図である。

【符号の説明】

１ 成形品 ３ アンダ−カット部 １０ 固定型 ２０ 移動型 ２１ 本体ブロック ２２ 取付ブロック ２５ 傾斜スライドコア ２６ 圧縮コイルばね ２９ アンギュラ−ピン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 下記要素を備えた射出成形金型。 ａ．固定型。 ｂ．本体ブロックと、この本体ブロックより型開き方向
   に離隔可能な取付ブロックとを有する移動型。 ｃ．前記本体ブロックに装着され、ばねにより抜け出し
   方向に付勢された傾斜スライドコア。 ｄ．前記取付ブロックから突出し、取付ブロックと本体
   ブロックの開閉に応じて前記傾斜スライドコアの抜け出
   しを制御するアンギュラ−ピン。