JPH0624845U - チップコンベア - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】旋盤の加工によって発生した切粉をスムーズに
外部に搬出する。 【構成】旋盤の加工域で加工された切粉を受け取り旋盤
の外部に搬出するために加工域の下部に配置された水平
搬送部１２と、切粉７を上昇させて外部の切粉受け８に
排出するために水平搬送部１２の後に配置された傾斜搬
送部１３とを有し、切粉７を旋盤の加工域の下部から外
部の切粉受け８まで搬送する搬送ベルト１１と、傾斜搬
送部１３の直前の水平搬送部１２に、上部から垂下し長
尺の切粉７を破砕する破砕板２０を設けて成る。 【効果】傾斜搬送部の直前の水平搬送部に、上部から垂
下し長尺の切粉を破砕する破砕板を設けたので、破砕板
によって長尺の切粉は分断され、搬送ベルト上の切粉を
止めたり、或いは外部の切粉受けに切粉が落下しない等
のトラブルが防止される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は切削加工機械から外部に切粉を取り出すためのチップコンベアに関す る。

【０００２】

【従来の技術】

従来、切削加工によって発生した切粉を外部の切粉受けに搬出するために、各 種のチップコンベアが使用されている。旋盤の場合には、機械のベッドの下方に 挿入された水平搬送部と、この後方の旋盤の外側に配置された傾斜搬送部と、傾 斜搬送部の上端に設けられた切粉排出部を有し、切削加工によって発生した切粉 を水平搬送部の切粉受容域で搬送ベルト上に受け取り、傾斜搬送部を経て切粉排 出部から外部の切粉受けに排出するものが多く使用されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

切削加工機械、特に旋盤による加工においては、長尺のカールした切粉が生じ ることが多く、この切粉が相互に絡み合った状態になることも多い。上記従来技 術のチップコンベアにおいては、この点の配慮がなされておらず、相互に絡み合 った長尺の切粉が絡んだ状態のまま無理にチップコンベアで搬出されるので、チ ップコンベアの搬送ベルトと側壁等の固定部分との間に長尺の切粉が引っ掛かっ て、搬送ベルト上の切粉を止めて後続の切粉と共に大きな塊状となり、コンベア で確実に搬送するために搬送ベルトの上面に突起板を設けておいても、切粉がこ れを乗り越えて搬送ベルトのみが移動する等のトラブルが生じていた。

【０００４】 本考案の目的は、切削機械の加工によって発生した切粉をスムーズに外部に搬 出することができるチップコンベアを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するための本考案の構成は、切削加工によって発生した切粉を 受け取って機械の外部に切粉を搬出するように、チップコンベアのほぼ全長にわ たって巻回された搬送ベルトと、この搬送ベルトを案内、駆動する搬送ベルトの 駆動機構と、前記搬送ベルトを両側面から支持、案内し、前記搬送ベルトの駆動 機構を支持する側壁とから成るチップコンベアにおいて、前記搬送ベルトは、機 械のベッドの下方に挿入された水平搬送部と、この水平搬送部の後方に配置され 、切粉を外部の切粉受けの上方まで上昇させる傾斜搬送部と、この傾斜搬送部の 上端で外部の切粉受けの上方に配置され、切粉を切粉受けに排出する切粉排出部 とを有し、切削加工によって発生した切粉を搬送ベルト上に受容する前記水平搬 送部の切粉受容域の後方の水平搬送部の位置に、搬送ベルト上の切粉を上部から 押圧する押圧板を設けたことを特徴とする。

【０００６】

【作用】

加工域で加工されて発生した切粉は、チップコンベアの水平搬送部の切粉受容 域で搬送ベルト上に落下する。搬送ベルト上に落下した切粉は、搬送ベルトの回 転により水平搬送部から傾斜搬送部に搬送され、切粉排出部で切粉受けに排出さ れる。この場合、長尺の切粉は、切粉受容域の後方で水平搬送部から傾斜搬送部 に搬送される前に押圧板によって押圧されて圧縮され、搬送ベルトに強く押圧さ れると同時に分断されるので、搬送ベルト上の切粉が僅かに引っ掛かることによ って止められて突起板を乗り越えて大きな塊状となったり、或いは搬送ベルトと 側壁との間に切粉が引っ掛かった場合でも、切粉を分断して搬送するので、切粉 の搬送が止まるのが防止される。仮に押圧板で充分に分断されなかったとしても 切粉を突起板との間に挟むことになり、切粉を確実に搬送する。また押圧板の前 面を搬送ベルトに対して次第に接近するように傾斜した傾斜部とすると、切粉は より容易に導入され、効果的に押圧されて分断される。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１乃至図３により説明する。図３に示すように、 切削機械１は、周知の如く、主軸２に把持されたワーク３を刃物台４の工具５で 切削加工する。切削機械１の加工域６の下部には、加工域６で加工されて発生し た切粉を切削機械１の外部に搬出するチップコンベア１０が配設されている。

【０００８】 チップコンベア１０は、図１乃至図３に示すように、切粉７を切削機械１の加 工域６の下部から外部の切粉受け８まで搬送する搬送ベルト１１を有し、搬送ベ ルト１１は、加工域６で加工された切粉７を受け取り切削機械１の外部に搬出す るための水平搬送部１２と、この水平搬送部１２の後方に配置され、切粉７を上 昇させて外部の切粉受け８に搬出するために切粉受け８の上方まで上昇させる傾 斜搬送部１３と、この傾斜搬送部１３の上端に配置され、切粉７を外部の切粉受 け８に排出する切粉排出部１４とを有する。前記搬送ベルト１１は、水平搬送部 １２から傾斜搬送部１３に経由して切粉排出部１４までチップコンベア１０の全 長にわたって無端状に巻回され、その上面には、所定の間隔毎に切粉７の滑りを 防止して確実に搬送するための突起板１５が設けてある。そして、図示しない駆 動モータ及び搬送ベルト１１を所定の形状に案内、支持し所定の張力で保持する 搬送ベルトの駆動機構を有している。また搬送ベルト１１の両側面には、搬送ベ ルト１１とその駆動機構を支持し、切粉７が搬送ベルト１１の側方から落下する のを防止する側壁１６、１７が設けられている。

【０００９】 前記水平搬送部１２の切粉受容域９の後方には、上部から搬送ベルト１１に垂 下するように押圧板２０が配設されており、その下面には、切粉７を搬送ベルト １１に確実に押圧するように搬送ベルト１１に次第に接近する傾斜部２１が形成 されている。押圧板２０は、前記側壁１６、１７に固定された固定板２２に固定 されている。

【００１０】 次に作用について説明する。加工域６で加工されて発生した切粉７は、チップ コンベア１０の水平搬送部１２の切粉受容域９で搬送ベルト１１上に落下する。 搬送ベルト１１上に落下した切粉７は、搬送ベルト１１の回転により水平搬送部 １２から傾斜搬送部１３に搬送され、切粉排出部１４で切粉受け８に排出される 。この場合、長尺の切粉７は、切粉受容域９の後方で水平搬送部１２から傾斜搬 送部１３に搬送される前に押圧板２０によって押圧されて圧縮され、搬送ベルト １１に強く押圧されると同時に長尺の切粉７は分断されるので、搬送ベルト１１ 上の切粉７が僅かに引っ掛かることによって止められて突起板１５を乗り越えて 大きな塊状となったり、或いは搬送ベルト１１と側壁１６、１７との間に切粉７ が引っ掛かった場合でも、切粉７を分断して搬送するので、切粉７の搬送が止ま るのが防止される。仮に押圧板２０で充分に分断されなかったとしても切粉７を 突起板１５との間に挟むことになり、切粉７を確実に搬送する。また本実施例に 示すように、押圧板２０の前面を搬送ベルト１１に対して次第に接近するように 傾斜した傾斜部２１とすると、切粉７はより容易に導入され、効果的に押圧され て分断される。

【００１１】 なお、上記実施例は、押圧板２０を１個のみ設けたが、複数個或いは面状の傾 斜面としてもよい。また上記説明は、旋盤に適用した場合について述べたが、マ シニングセンタによるドリル加工等の長尺の切粉が発生する加工においても全く 同様に適用される。

【００１２】

【考案の効果】

本考案によれば、切粉受容域の後方の後方の水平搬送部の位置に、搬送ベルト 上の切粉を上部から押圧する押圧板を設けたので、前記押圧板によって押圧され て長尺の切粉は分断され、搬送ベルト上の切粉を止める等のトラブルが防止され る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に成るチップコンベアの一実施例を示す
一部切り欠き正面図である。

【図２】図１のＡーＡ線断面拡大図である。

【図３】旋盤に取付けた場合の全体外観図である。

【符号の説明】

１ 切削機械 ７ 切粉 ８ 切粉受け ９ 切粉受容域 １０ チップコンベア １１ 搬送ベルト １２ 水平搬送部 １３ 傾斜搬送部 １４ 切粉排出部 １５ 突起板 １６、１７ 側壁 ２０ 押圧板 ２１ 傾斜部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 切削加工によって発生した切粉を受け取
   って機械の外部に切粉を搬出するように、チップコンベ
   アのほぼ全長にわたって巻回された搬送ベルトと、この
   搬送ベルトを案内、駆動する搬送ベルトの駆動機構と、
   前記搬送ベルトを両側面から支持、案内し、前記搬送ベ
   ルトの駆動機構を支持する側壁とから成るチップコンベ
   アにおいて、前記搬送ベルトは、機械のベッドの下方に
   挿入された水平搬送部と、この水平搬送部の後方に配置
   され、切粉を外部の切粉受けの上方まで上昇させる傾斜
   搬送部と、この傾斜搬送部の上端で外部の切粉受けの上
   方に配置され、切粉を切粉受けに排出する切粉排出部と
   を有し、切削加工によって発生した切粉を搬送ベルト上
   に受容する前記水平搬送部の切粉受容域の後方の水平搬
   送部の位置に、搬送ベルト上の切粉を上部から押圧する
   押圧板を設けたことを特徴とするチップコンベア。
2. 【請求項２】 押圧板は、搬送ベルトに次第に接近する
   ように傾斜する傾斜部を有することを特徴とする請求項
   １記載のチップコンベア。
3. 【請求項３】 搬送ベルトの上面には、所定の間隔毎に
   突起板が設けられていることを特徴とする請求項１記載
   のチップコンベア。