JPH06248328A - 内周面高周波焼入方法および内周面高周波焼入装置 - Google Patents

内周面高周波焼入方法および内周面高周波焼入装置

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Publication number
JPH06248328A
JPH06248328A JP50A JP6273993A JPH06248328A JP H06248328 A JPH06248328 A JP H06248328A JP 50 A JP50 A JP 50A JP 6273993 A JP6273993 A JP 6273993A JP H06248328 A JPH06248328 A JP H06248328A
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JP
Japan
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peripheral surface
inner peripheral
jacket
quenching
work
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Application number
JP50A
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English (en)
Inventor
Hiyoshi Watanabe
日吉 渡邊
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Fuji Electronics Industry Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electronics Industry Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electronics Industry Co Ltd filed Critical Fuji Electronics Industry Co Ltd
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワーク100 の、円盤状の底部101 の周辺上に
立設された薄肉円筒状の筒部102 の内周面に形成された
内面歯車104 を焼入したときに、内面歯車104 の歪みを
小さくする。 【構成】 底部101 がほぼ水平であるようにワーク100
を配設し、次いで、内面歯車104 を環状或いは円筒状の
加熱コイル10によって加熱後、底部101 と筒部102 とで
形成されたほぼ円柱状の内側スペース106 内に斜め上方
から焼入液Lを噴射して内側スペース106 を焼入液で充
満させて内面歯車104 を冷却すると共に、筒部102 の外
周面107 に斜め上方から冷却液Mを噴射し、冷却液Mの
流量を制御することによって内面歯車104 の歪みを制御
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、円盤状の底部とこの底
部の周辺上に立設された薄肉円筒状の筒部とを備えたワ
ークの前記筒部の内周面を焼入する内周面高周波焼入方
法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】以下、図面を参照して従来の技術を説明
する。図4はワークの縦断面説明図であって、同図に示
すように、ワーク100 は、円盤状の底部101 とこの底部
101 の周辺上に立設された薄肉円筒状の筒部102 と、底
部101 の中央に開設された円形の開孔103 と、筒部102
の内周面に形成された内面歯車104 とを備えている。な
お、105 はワーク100 の軸芯線であり、106 は底部101
と筒部102 とで形成されている円柱状の内側スペース
(以下ワーク100 の内側スペースともいう)である。
【0003】従来、内面歯車104 を焼入するには、図5
(a)に示すように、ワーク受け90の円柱状に形成され
た先端部分91を、ワーク100 の底部101 の開孔103 に挿
入してワーク100 を支持してから、昇降回転装置80によ
ってワーク100 をワーク受け90と共に上昇させて内面歯
車104 を水平に配設された円筒状の高周波加熱コイル
(以下高周波加熱コイルを単に加熱コイルともいう)10
に対向させる。
【0004】次いで、昇降回転装置80によってワーク10
0 をその軸芯線105 を中心として例えば矢印Rの方向に
回転させながら、加熱コイル10に所定時間高周波電流を
通電する。この後、ワーク100 の回転を続行させたまま
で、図5(b)に示すように、昇降回転装置80によって
ワーク受け90と共にワーク100 を降下させて図示しない
タンク中に収容されている焼入液L中に浸漬してワーク
100 を冷却することによって内面歯車104 の焼入を完了
する。
【0005】このように、加熱された内面歯車104 を焼
入のために急冷するに際して、ワーク100 を焼入液L中
に浸漬させるのは、内面歯車104 の急冷を行うのは勿
論、筒部102 が薄肉であるので、加熱されて高温となっ
た内面歯車104 から、内面歯車104 の急冷中といえど
も、筒部102 の外周面107 に過分の熱伝達が行われて焼
入後の内面歯車104 に過大な歪み(例えば内面歯車104
の径が過大になる)が発生することを防止するためであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の高周波焼入方法には以下のような欠点がある。
ワーク100 を焼入液L中に浸漬したときに、筒部102 の
外周面107 の冷却に関しては問題は無いが、ワーク100
の底部101 の開孔103 がワーク受け90の先端部分91によ
って塞がれているので、筒部102 の内周面、即ち、内面
歯車104 の冷却は、筒部102 の上端を越えてワーク100
の内側スペース106 に流れ込んだ焼入液Lによって行わ
れる。そして、筒部102 の上端を越えて流れ込んだ焼入
液Lと内面歯車104 との間には、往々にして、空気溜ま
りが短時間ながら発生することがある。そして、このよ
うに空気溜まりが発生すると、内面歯車104 が均一に冷
却されない結果、焼入後の内面歯車104 に歪みが発生す
るという問題がある。
【0007】本発明は上記事情に鑑みて創案されたもの
であって、ワークの、円盤状の底部の周辺上に立設され
た薄肉円筒状の筒部の内周面を焼入したときに、筒部の
内周面の焼入後の歪みが小さくなる内周面高周波焼入方
法および装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、請求項1記載の内周面高周波焼入方法は、円盤状の
底部とこの底部の周辺上に立設された薄肉円筒状の筒部
とを備えたワークの前記筒部の内周面を焼入する内周面
高周波焼入方法において、ワークを、前記底部がほぼ水
平であるように配設し且つ軸芯線を中心として回転させ
ながら、前記内周面を環状或いは円筒状の高周波加熱コ
イルによって加熱後、前記底部と筒部とで形成されたほ
ぼ円柱状の内側スペース内に上方或いは斜め上方から焼
入液を噴射して前記内側スペースを焼入液で充満させて
内周面を冷却すると共に、前記筒部の外周面に斜め上方
から冷却液を噴射し、この冷却液の量を制御することに
よって前記内周面の焼入後の歪みを制御する。
【0009】請求項2記載の内周面高周波焼入装置は、
円盤状の底部とこの底部の周辺上に立設された薄肉円筒
状の筒部とを備えたワークの前記筒部の内周面を焼入す
る内周面高周波焼入装置において、前記内周面を高周波
加熱する環状或いは円筒状の加熱コイルと、加熱コイル
と同心円状に配置され、ワークの前記底部と筒部とで形
成されたほぼ円柱状の内側スペース内に焼入液を噴射し
て充満させる環状の第1ジャケットと、第1ジャケット
と同心円状に且つ第1ジャケットの下方に配置されて筒
部の外周面に冷却液を斜め上方から噴射する環状の第2
ジャケットと、第2ジャケットから噴射される冷却液の
流量を制御する手段と、ワーク或いは加熱コイルを昇降
させ、また、ワークを回転させる手段とを備えている。
【0010】請求項3記載の内周面高周波焼入装置は、
円盤状の底部とこの底部の周辺上に立設された薄肉円筒
状の筒部とを備えたワークの前記筒部の内周面を焼入す
る内周面高周波焼入装置において、前記内周面を高周波
加熱する環状或いは円筒状の加熱コイルと、待機位置か
ら移動されて加熱コイルの下方の噴射位置でこの噴射位
置の下方に配置されたワークの前記底部と筒部とで形成
されたほぼ円柱状の内側スペース内に焼入液を噴射して
充満させると共に焼入液の噴射後は前記待機位置へ戻さ
れる第1ジャケットと、加熱コイルと同心円状に且つ第
1ジャケットの前記噴射位置の下方に配置されて筒部の
外周面に冷却液を斜め上方から噴射する環状の第2ジャ
ケットと、第2ジャケットから噴射される冷却液の流量
を制御する手段と、第1ジャケットを待機位置と噴射位
置との間で移動させるジャケット移動手段と、ワーク或
いは加熱コイルを昇降させ、また、ワークを回転させる
手段とを備えている。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は本発明の方法を実現することができる内周
面高周波焼入装置の第1実施例の縦断面説明図である。
ワークとしては、従来の技術で説明したのと同じ図4に
示すワークを採り上げた。なお、従来の技術で説明した
ものと同等のものには同一の符号を付し、説明を省略す
る。
【0012】図1に示すように、第1実施例の内周面高
周波焼入装置は、既に説明した図4に示すワーク100 の
内面歯車104 を高周波加熱する円筒状(内面歯車104 の
幅が短いときには環状の)の加熱コイル10と、加熱コイ
ル10の下方で加熱コイル10と同心円状に配置され、加熱
コイル10によって加熱されたワーク100 の内側スペース
106 内に焼入液Lを噴射して充満させる環状の第1ジャ
ケット20と、第1ジャケット40の下面に固定され、ワー
ク100 の筒部102 の外周面107 に斜め上方から冷却液M
を噴射する環状の第2ジャケット30とを備えている。
【0013】内周面高周波焼入装置は、また、ワーク受
け90によって支持されたワーク100を矢印Yの方向に上
昇させ、また、矢印Yと反対方向に降下させると共に、
軸芯線105 を中心としてワーク100 を回転させることも
できる昇降回転装置80とを備えている。なお、第1ジャ
ケット20は内周面に焼入液Lを斜め下方に噴射する多数
の焼入液噴射孔21を有し、また、第2ジャケット30も外
周面に冷却液Mを斜め下方に噴射する多数の冷却液噴射
孔31を備えている。
【0014】第1ジャケット20の側面には、焼入液Lの
流量を調節できる弁26が設けられた焼入液供給用の配管
25が接続されている。また、第2ジャケット30の側面に
は、冷却液Mの流量を調節できる弁36が設けられた冷却
液供給用の配管35が接続されている。
【0015】第1ジャケット20の内部には、多数の焼入
液通過孔23が開設された環状の均圧板22が設けられてい
る。この均圧板22は、各焼入液噴射孔21から噴射される
焼入液Lの圧力をなるべく等しくするために設けられた
ものである。第2ジャケット30の多数の冷却液通過孔33
が開設された均圧板32も同じような目的で設けられてい
る。
【0016】次に、上記装置によってワーク100 の内面
歯車104 を焼入する方法を説明する。まず、ワーク受け
90の先端部分が開孔103 に挿入されるように、ワーク10
0 をワーク受け90に載置後、図示しない予熱装置によっ
てワーク100 を摂氏約400 度程度に予熱する。予熱を終
えたワーク100 は、第1および第2ジャケット20、30の
下方に搬送されてる。次いで、昇降回転装置80は、ワー
ク100 を矢印Yの方向上昇させて内面歯車104 を加熱コ
イル10に対向させる(このときワーク100 は図1の点線
で表した位置にある)。
【0017】この後、昇降回転装置80によってワーク10
0 を軸芯線105 を中心として例えば矢印Rの方向に回転
させながら、加熱コイル10に大きな高周波電流を所定の
短時間(例えば1秒間)通電して内面歯車104 を加熱
後、ワーク100 の回転を続行させたまま、昇降回転装置
80によってワーク100 を矢印Yと反対方向に降下させて
第2ジャケット30の下方で停止させる。
【0018】次いで、配管25に焼入液Lを供給すると、
弁26および均圧板22の焼入液通過孔23を経た多量の焼入
液Lが、第1ジャケット20の焼入液噴射孔21からワーク
100の内側スペース106 内に斜め上方から噴射される。
配管25に焼入液Lを供給すると同時に、配管35に冷却液
Mを供給すると、弁36および均圧板32の冷却液通過孔33
を経た適宜流量の冷却液Mが、ワーク100 の筒部102 の
外周面107 に斜め上方から噴射される。
【0019】すると、内側スペース106 は急速に焼入液
Lで充満されて内面歯車104 の急冷が行われて内面歯車
104 の焼入が完了する。一方、薄肉の筒部102 の外周面
107は適宜量の冷却液Mが噴射されるので、加熱コイル1
0によって内面歯車104 内に発生した熱の伝達による筒
部102 の外周面107 の温度過昇が防止されて、筒部102
の外周面107 はほぼ所定の温度以下に維持されるので、
内面歯車104 の歪みは極めて小さい。なお、第2ジャケ
ット30から噴射される冷却液Mの流量は、焼入後の内面
歯車104 の歪みが最小になるように、事前のテストによ
って設定されている。
【0020】このように、筒部102 の外周面107 に噴射
する冷却液Mの量を制御することによって、焼入後にお
ける内面歯車104 の歪みを制御することができる。な
お、筒部102 の外周面107 には、真横からではなく、斜
め上方から冷却液Mが噴射されるので、外周面107 に当
たった冷却液Mはほぼ整然と外周面107 上を降下するの
で、外周面107 の冷却効果は外周面107 の何処において
も、ほぼ均一となる。
【0021】本実施例ではワーク受け90によって支持さ
れたワーク100 が、昇降回転装置80によって加熱コイル
10の位置まで移動する場合を説明したが、加熱コイル10
が図示しない加熱コイル昇降装置によって降下してワー
ク100 を加熱するようにすることもできる。
【0022】次に、内周面高周波焼入装置の第2実施例
を説明する。第1実施例で説明したものと同等のものに
は同一の符号を付しており、説明を省略する。図2と図
3に示すように、第2実施例の内周面高周波焼入装置
は、第1実施例で説明したのと同じく前記ワーク100 の
内面歯車104 を高周波加熱する加熱コイル10と、待機位
置Eからジャケット移動装置50によって移動されて加熱
コイル10の下方の噴射位置Fにおいて、噴射位置Fの下
方に配置されたワーク100 の内側スペース106 内に焼入
液Lを噴射して充満させると共に、焼入液Lの噴射後
は、前記ジャケット移動装置50によって待機位置Eに戻
されるほぼ円筒状で底面と頂面とを有する第1ジャケッ
ト40とを備えている。第1ジャケット40の底面には、焼
入液Lを真下方向に噴射する多数の焼入液噴射孔41が開
設されている。第1ジャケット40の内部には、多数の焼
入液通過孔43が開設された均圧板42が設けられている。
【0023】内周面高周波焼入装置は、また、第1実施
例で説明したのと同じであって、加熱コイル10と同心円
状に且つ第1ジャケット40の噴射位置Fの下方に配設さ
れてワーク100 の筒部102 の外周面107 に冷却液Mを噴
射する第2ジャケット30と、ワーク受け90によって支持
されたワーク100 を矢印Yの方向に上昇させ、また、矢
印Yと反対方向に降下させると共に、軸芯線105 を中心
としてワーク100 を回転させることができる第1実施例
で説明したのと同じ昇降回転装置80とを備えている。
【0024】次に、ジャケット移動装置50を説明する。
図2に示すように、ジャケット移動装置50は、上端部分
が閉鎖されて内部にほぼ円柱状の中空部分52a を有し、
下端部分が台板51を貫通し、貫通した部分で台板51に固
定されている筒状の支持軸52と、支持軸52の上部52b に
おいて上下方向に配設された2個の玉軸受56を介して支
持軸52の外周面に回動自在に取り付けられたほぼ円筒状
の回転部材53と、回転部材53の側面に突設された筒状の
アーム63とを備えており、アーム63の先端に第1ジャケ
ット40の側面が固定されている。
【0025】回転部材53のほぼ中央部分の内周面には、
環状の溝55が周方向に穿設されており、また、支持軸52
の溝55に対向する部分には、焼入液通過用の複数個の貫
通孔54が、支持軸52の中空部分52a と溝55とを連通する
ように開設されている。なお、アーム63の内部は、アー
ム63の先端においては第1ジャケット40の側面に設けた
開孔44によって第1ジャケット40内に連通しており、ア
ーム63の基底においては回転部材53の前記溝55に連通し
ている。なお、57は焼入液Lの漏洩防止用のOリングで
あり、また、62は回転部材53の上部に取り付けられて回
転部材53や支持軸52の上面を保護するキャップである。
【0026】支持軸52の下部には、焼入液Lの流量を調
節できる弁46が設けられた焼入液供給用の配管45が接続
されている。回転部材53の下部の外周面には、環状の歯
車58が取り付けられており、この歯車58には、歯車59が
噛み合っている。歯車59は支持軸52の外周面に固定され
たモータ台板61上に取り付けられた縦型モータ60によっ
て回転駆動される。
【0027】次に、第2実施例の内周面高周波焼入装置
によってワーク100 の内面歯車104を焼入する方法を説
明する。まず、第1ジャケット40は、ジャケット移動装
置50によって待機位置Eに配置される。そして、ワーク
受け90の先端部分が開孔103に挿入されるように、ワー
ク100 をワーク受け90に載置後、図示しない予熱装置に
よってワーク100 を摂氏約400 度程度に予熱する。予熱
を終えたワーク100 は、第2ジャケット30の下方に搬送
される。次いで、昇降回転装置80は、ワーク100 を矢印
Yの方向上昇させて内面歯車104 を加熱コイル10に対向
させる(このときのワーク100 は図2の点線で表した位
置にある)。
【0028】この後、昇降回転装置80によってワーク10
0 を軸芯線105 を中心として例えば矢印Rの方向に回転
させながら、加熱コイル10に大きな高周波電流を所定の
短時間通電して内面歯車104 を加熱後、ワーク100 の回
転を続行させたまま、昇降回転装置80によってワーク10
0 を矢印Yと反対方向に降下させて第2ジャケット30の
下方で停止させる。
【0029】ワーク100 が昇降回転装置80によって降下
を開始すると、ジャケット移動装置50のモータ60が起動
され、歯車59と58を介して回転部材53を回動させるの
で、第1ジャケット40は待機位置Eから噴射位置Fに移
動される。次いで、配管45に焼入液Lを供給すると、多
量の焼入液Lは、弁46、中空部分52a 、貫通孔54、溝5
5、アーム63の内部、開孔44、および均圧板42の焼入液
通過孔43を経由して焼入液噴射孔41から、ワーク100 の
内側スペース106 に向かって噴射される。すると、内側
スペース106 は急速に焼入液Lで充満されて内面歯車10
4 の急冷が行われて内面歯車104 の焼入が完了する。
【0030】配管45に焼入液Lの供給を開始すると同時
に、配管35に冷却液Mの供給を開始すると、弁36および
均圧板32の冷却液通過孔33を経た適宜流量の冷却液M
が、ワーク100 の筒部102 の外周面107 に斜め上方から
噴射される。そして、第1実施例と同様に、内面歯車10
4 が焼入され、焼入後の内面歯車104 の歪みは小さい。
即ち、第2実施例においても、第1実施例と同様の効果
を得られる。なお、第2実施例においても加熱コイル10
を降下させてワーク100 を加熱するようにすることがで
きる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の内周面高
周波焼入方法および装置においては、円盤状の底部とこ
の底部の周辺上に立設された薄肉円筒状の筒部とを備え
たワークの筒部の内周面を焼入するに際し、底部がほぼ
水平であるようにワークを配設し且つワークを軸芯線を
中心として回転させながら、筒部の内周面を環状或いは
円筒状の高周波加熱コイルによって加熱後、底部と筒部
とで形成されたほぼ円柱状の内側スペース内に上方或い
は斜め上方から焼入液を噴射して前記スペースを焼入液
で充満させて内面歯車を冷却すると共に、筒部の外周面
に斜め上方から冷却液を噴射し、この冷却液の流量を制
御することによって、焼入後の筒部の内周面の歪みを制
御している。従って、本発明の内周面高周波焼入方法お
よび装置によって、前記のワークの筒部の内周面を焼入
したときには、焼入後のワークの内周面の歪みを小さく
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内周面高周波焼入方法を実現できる内
周面高周波焼入装置の第1実施例の縦断面説明図であ
る。
【図2】本発明の内周面高周波焼入方法を実現できる内
周面高周波焼入装置の第2実施例の縦断面説明図であ
る。
【図3】本発明の内周面高周波焼入方法を実現できる内
周面高周波焼入装置の第2実施例の平面図である。
【図4】ワークの縦断面図である。
【図5】図5(a)は従来の内周面高周波焼入における
ワークの加熱の説明図であり、図5(b)は従来の内周
面高周波焼入におけるワークの冷却の説明図である。
【符号の説明】
10 加熱コイル 20、40 第1ジャケット 30 第2ジャケット 36 弁 50 ジャケット移動装置 80 昇降回転装置 100 ワーク 101 底部 102 筒部 104 内面歯車 106 内側スペース 107 外周面 E 待機位置 F 噴射位置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円盤状の底部とこの底部の周辺上に立設
    された薄肉円筒状の筒部とを備えたワークの前記筒部の
    内周面を焼入する内周面高周波焼入方法において、ワー
    クを、前記底部がほぼ水平であるように配設し且つ軸芯
    線を中心として回転させながら、前記内周面を環状或い
    は円筒状の高周波加熱コイルによって加熱後、前記底部
    と筒部とで形成されたほぼ円柱状の内側スペース内に上
    方或いは斜め上方から焼入液を噴射して前記内側スペー
    スを焼入液で充満させて内周面を冷却すると共に、前記
    筒部の外周面に斜め上方から冷却液を噴射し、この冷却
    液の量を制御することによって前記内周面の焼入後の歪
    みを制御することを特徴とする内周面高周波焼入方法。
  2. 【請求項2】 円盤状の底部とこの底部の周辺上に立設
    された薄肉円筒状の筒部とを備えたワークの前記筒部の
    内周面を焼入する内周面高周波焼入装置において、前記
    内周面を高周波加熱する環状或いは円筒状の加熱コイル
    と、加熱コイルと同心円状に配置され、ワークの前記底
    部と筒部とで形成されたほぼ円柱状の内側スペース内に
    焼入液を噴射して充満させる環状の第1ジャケットと、
    第1ジャケットと同心円状に且つ第1ジャケットの下方
    に配置されて筒部の外周面に冷却液を斜め上方から噴射
    する環状の第2ジャケットと、第2ジャケットから噴射
    される冷却液の流量を制御する手段と、ワーク或いは加
    熱コイルを昇降させ、また、ワークを回転させる手段
    と、を備えたことを特徴とする内周面高周波焼入装置。
  3. 【請求項3】 円盤状の底部とこの底部の周辺上に立設
    された薄肉円筒状の筒部とを備えたワークの前記筒部の
    内周面を焼入する内周面高周波焼入装置において、前記
    内周面を高周波加熱する環状或いは円筒状の加熱コイル
    と、待機位置から移動されて加熱コイルの下方の噴射位
    置でこの噴射位置の下方に配置されたワークの前記底部
    と筒部とで形成されたほぼ円柱状の内側スペース内に焼
    入液を噴射して充満させると共に焼入液の噴射後は前記
    待機位置へ戻される第1ジャケットと、加熱コイルと同
    心円状に且つ第1ジャケットの前記噴射位置の下方に配
    置されて筒部の外周面に冷却液を斜め上方から噴射する
    環状の第2ジャケットと、第2ジャケットから噴射され
    る冷却液の流量を制御する手段と、第1ジャケットを待
    機位置と噴射位置との間で移動させるジャケット移動手
    段と、ワーク或いは加熱コイルを昇降させ、また、ワー
    クを回転させる手段と、を備えたことを特徴とする内周
    面高周波焼入装置。
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