JPH06248225A - フッ素樹脂塗料用顔料分散液 - Google Patents

フッ素樹脂塗料用顔料分散液

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JPH06248225A
JPH06248225A JP6317893A JP6317893A JPH06248225A JP H06248225 A JPH06248225 A JP H06248225A JP 6317893 A JP6317893 A JP 6317893A JP 6317893 A JP6317893 A JP 6317893A JP H06248225 A JPH06248225 A JP H06248225A
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pigment
dispersion
vinyl
pigment dispersion
mol
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JP6317893A
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Tatsuo Nishio
竜生 西尾
Akihito Iida
晃人 飯田
Etsuzo Maruki
悦造 丸木
Hiroshi Inukai
宏 犬飼
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フッ素樹脂塗料の中間体として優れた顔料分
散性を有し、塗料の原料としてフッ素塗料を製造した場
合には、ブツがなく高光沢の乾燥塗膜が得られ、保存安
定性と混色安定性の優れたフッ素樹脂塗料用の顔料分散
液を提供する。 【構成】 フルオロオレフィン単量体を主成分とする特
定種類の単量体の共重合によって得られた含フッ素共重
合体(A)、顔料(B)、顔料分散剤(C)および有機
溶剤(D)を混合してフッ素樹脂塗料用顔料分散液とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、フッ素樹脂塗料の原
料として好適な顔料を高度に、しかも安定に分散させた
フッ素樹脂塗料用顔料分散液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フッ素樹脂塗料は、耐久性がきわめて高
い最高級の塗料として、幅広い産業分野で使用されてい
る。特に、溶剤可溶型のフッ素樹脂塗料は、従来のディ
スパージョン型フッ素樹脂塗料では得られなかった優れ
た光沢仕上げを可能としたものであって、高耐久性と優
れた意匠性を兼ね備えた塗料として注目されている。し
かし、溶剤可溶型のフッ素樹脂塗料は、アクリル樹脂、
ポリエステル樹脂などの汎用樹脂と比較すると顔料分散
性が悪いため、通常、含フッ素共重合体にカルボキシル
基を導入して該共重合体の顔料分散性を向上させてい
る。かゝる塗料中間体としての上記の顔料分散液は、カ
ルボキシル基の導入で顔料分散性を向上させた含フッ素
共重合体を、単独使用または一部併用して製造するのが
通常の方法で、顔料分散性を向上させた塗料用フッ素樹
脂の例としては、たとえば、共重合体中に存在する水酸
基と二塩基酸とを反応させて共重合体にカルボキシル基
を導入した塗料用含フッ素重合体(特開昭58−136
605号)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記公報に開示される
カルボキシル基を導入した含フッ素共重合体により分散
した顔料分散液は、カルボキシル基の導入量に限度があ
るので、顔料表面との親和性が十分ではなく、製造直後
に顔料の分散状態が良好であっても、長期の保存に際し
ては、分散性が低下してしまうという問題点があった。
このような顔料分散液を使用して、フッ素樹脂塗料を製
造した場合には、当然ながら硬化乾燥塗膜での粒状の凹
凸が発生すると共に、光沢の低下等の問題が生じてい
た。また、従来のカルボキシル基を導入した含フッ素共
重合体を使用した顔料分散液では、カルボキシル基が架
橋反応に関与しない架橋系のフッ素樹脂塗料に応用した
場合に、未反応のカルボキシル基が硬化塗膜に残存し、
塗膜の耐候性、耐久性などの特性を損なうという問題も
あった。さらに、前記の二塩基酸を含フッ素共重合体中
の水酸基と反応する方法では、製造工程が複雑になるば
かりでなく、微量ではあっても未反応の二塩基酸や触媒
の残存が避けられないため、含フッ素共重合体溶液が着
色したり、ゲル化するなどの実用上解決すべき多くの問
題を有していた。
【0004】この発明はかゝる現状に鑑み、分散安定性
がよく、塗料原料として使用した場合には、乾燥塗膜が
高光沢で表面状態もよく、かつ混色安定性も優れたフッ
素樹脂塗料用顔料分散液を提供することを目的としたも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明のフ
ッ素樹脂塗料用顔料分散液は、 1.下記成分(a)〜(d)からなる含フッ素共重合体
(A) (a)フルオロオレフィン単量体単位:35〜60モル
% (b)クロトン酸ヒドロキシアルキル単量体単位:5〜
20モル% (c)カルボン酸ビニルエステル単量体単位:20〜6
0モル% (d)上記以外のビニル単量体単位:0〜10モル% 2.顔料(B)、 3.顔料分散剤(C)および 4.有機溶剤(D) からなることを特徴とするものである。
【0006】この発明のフッ素樹脂塗料用顔料分散液に
おいて、含フッ素共重合体(A)を構成する単量体のう
ち、(a)のフルオロオレフィン単量体としては、フッ
化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、
テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレ
ン、ヘキサフルオロプロピレンなどを挙げることができ
るが、重合反応性の点からテトラフルオロエチレンおよ
びクロロトリフルオロエチレンが好ましく使用される。
この(a)のフルオロオレフィン単量体は、含フッ素共
重合体(A)を構成する全単量体に対して35〜60モ
ル%を含有するもので、35モル%を下回ると塗料とし
ての耐候性が不良となり、60モル%を超えると有機溶
剤への溶解性が低下し、かつ、顔料分散性も低下する。
したがって、特に好ましい範囲は45〜55モル%の範
囲である。
【0007】前記(b)のクロトン酸ヒドロキシアルキ
ル単量体としては、クロトン酸2−ヒドロキシエチル、
クロトン酸2−ヒドロキシプロピル、クロトン酸3−ヒ
ドロキシプロピル、クロトン酸3−ヒドロキシブチル、
クロトン酸4−ヒドロキシブチル、クロトン酸5−ヒド
ロキシペンチルおよびクロトン酸6−ヒドロキシヘキシ
ル等を挙げることができ、その中でもクロトン酸2−ヒ
ドロキシエチルが特に好ましく使用することができる。
このクロトン酸ヒドロキシアルキル単量体は、含フッ素
共重合体(A)を構成する全単量体に対して5〜20モ
ル%の範囲で使用され、その含有量が5モル%未満であ
ると、塗料として使用した場合に硬化性が低下して、硬
化塗膜の物性も低下し、逆に20モル%を超えると塗料
とした場合に乾燥塗膜の耐水性が低下する。
【0008】(c)のカルボン酸ビニルエステル単量体
としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニ
ル、カプロン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニ
ル、ピバリン酸ビニル、バーサティック9酸ビニル、バ
ーサティック10酸ビニル、カプリック酸ビニル、ラウ
リック酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニ
ル、p−ターシャリー安息香酸ビニルなどが使用でき
る。この中でも、アルキル基またはシクロアルキル基の
炭素数が2〜10のモノカルボン酸ビニルが好ましく、
その使用量は、含フッ素共重合体(A)を構成する全単
量体に対して20〜60モル%の範囲である。
【0009】上記以外の単量体である(d)のビニル単
量体としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエ
ーテル、n−ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビ
ニルエーテル等のビニルエーテル類、アクリル酸、クロ
トン酸、マレイン酸、イタコン酸、ビニル酢酸等の不飽
和カルボン酸類あるいはそれらの無水物類、アリルアル
コール、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエ
チレングリコールモノアリルエーテル等のアリル化合物
類、エチレン、プロピレン、1−ブテン等のオレフィン
類、クロトン酸メチル、クロトン酸ブチル等のクロトン
酸アルキル類、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン等の加水分解性シリル基含有の不飽和単
量体類、塩化ビニル、塩化ビニリデン等の塩素化オレフ
ィン類も使用可能である。この(d)のビニル単量体の
使用は、比較的少量でよく、場合によっては使用しなく
もよく、したがって含フッ素共重合体(A)を構成する
全単量体に対して0〜10モル%の範囲である。
【0010】この含フッ素共重合体(A)は、特開平3
−231906に開示されている公知の方法によって製
造できる。すなわち、前記単量体成分の混合物を、溶媒
の存在下あるいは非存在下に、ラジカル重合開始剤を用
いて共重合すればよい。
【0011】この発明における顔料(B)としては、一
般に塗料に使用される顔料がいずれも使用可能である
が、この発明の顔料分散液が、高耐候性フッ素塗料の中
間原料用であることを考慮すると、耐候性に優れる顔料
を選定することが好ましい。これを一般名で例示すれ
ば、酸化チタン、黄鉛、オーカー、チタンエロー、ベン
ガラ、コバルト紫、群青、コバルトグリーン、焼成顔料
などの無機顔料、カーボンブラック、フタロシアニンブ
ルー、フタロシアニングリーン、イソインドリノンエロ
ー、アンスラピリミジンエロー、キナクリドンレッド、
モノライトファストレッド、ペリレンレッド、ジオキサ
ジンバイオレットなどの有機顔料が使用できる。この顔
料(B)の添加量は、前記含フッ素共重合体に対して5
〜200重量%の範囲である。
【0012】この発明における顔料分散剤(C)とは、
一般に、分散剤、湿潤剤と呼ばれている塗料用添加剤の
ことであって、これを添加することによって、分散顔料
粒子の微細化、分散液の低粘度化、分散時間の短縮化、
顔料凝集性低減、顔料の沈降防止、異種分散液を混合し
た場合の色別れ防止、塗膜光沢向上などが達成できるも
のである。その添加量は、フッ素樹脂用顔料分散液10
0重量部に対して、通常0.01〜8重量部程度であ
る。
【0013】顔料分散剤(C)としては、脂肪族アルコ
ール硫酸塩、スルホン化物、アルキルスルホン酸塩など
のアニオン性化合物、脂肪族アミン、脂肪族アミン塩、
第4級アンモニウム塩などのカチオン性化合物、オレイ
ルアミノオレエートなどのノニオン性化合物、アミノ酸
類、ベタインなどの両性化合物が使用可能であるが、さ
らに、高分子共重合物、フッ化炭素を含有するような界
面活性剤、重縮合オリゴマーなども効果がある。かゝる
顔料分散剤(C)を具体的に例示すると、アニオン性化
合物としては、Disperbyk、Disperby
k−110、Bykumen、BYK−P104/10
5、BYK−P104S/240S、Lactimon
(いずれもBYK・Mallinckrod社製)、#
2150、#1210、#7004、KS−860、K
S−873N、#1830(いずれも楠本化成株式会社
製)がある。カチオン性化合物としては、Anti−T
erra−P、Disperbyk−130(いずれも
BYK・Mallinckrod社製)、#1850
(楠本化成株式会社製)、ノプコスパース092(サン
ノプコ株式会社製)がある。ノニオン性化合物として
は、Anti−Terra−U、Anti−Terra
−203/204、Disperbyk−101(いず
れもBYK・Mallinckrod社製)、#186
0(楠本化成株式会社製)、テンロ70(サンノプコ株
式会社製)などがある。また、高分子共重合物として
は、Disperbyk−160、Disperbyk
−161、Disperbyk−162/163、Di
sperbyk−164、Disperbyk−16
5、Disperbyk−166(いずれもBYK・M
allinckrod社製)を挙げることができる。
【0014】有機溶剤(D)は、含フッ素共重合体
(A)を溶解するものが好ましい。具体的には、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、アルキル多置換ベンゼ
ンなどの芳香族類、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキザノンな
どのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、
二塩基酸ジエステルなどのエステル類、THF、ジオキ
ザンなどの環状エーテル類、エチレングリコールモノエ
チルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル
などのグリコールエーテル類、エチレングリコールモノ
メチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエ
チルエーテルアセテートなどのグリコールエーテルアセ
テート類、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコ
ール類などが使用可能である。
【0015】この発明のフッ素樹脂塗料用顔料分散液の
製造方法は、以下のとおりである。顔料分散機として
は、ボールミル、サンドミル、ロールミル、ペイントシ
ェーカー、ディスパーなど公知のものが適用できる。顔
料の分散においては、含フッ素共重合体(A)を有機溶
剤(D)にあらかじめ溶解しておき、その後に顔料
(B)を所定量添加し、プレミックスの後、分散機で混
練すればよい。顔料分散剤(C)は、分散機を作動させ
る前に添加してもよいし、分散の途中あるいは分散終了
後に添加することも可能である。添加量は、前記のとお
り顔料分散液100重量部に対して、0.01〜8重量
部である。一方、含フッ素共重合体(A)に対する顔料
(B)の添加量は、前記のとおり5〜200重量%であ
る。分散時間は通常30分〜10時間程度であるが、分
散機から適宜サンプリングして、グラインドゲージなど
を使用し、顔料粒子が目的の粒度になっていることを確
認しながら分散させることが望ましい。このような顔料
分散工程の前後あるいは途中において、必要に応じて、
垂れ防止剤、増粘剤、沈降防止剤、色別れ防止剤、消泡
剤、レベリング剤、はじき防止剤、皮張り防止剤、滑り
剤、艶消し剤、シランカップリング剤など一般の塗料添
加剤を添加してもよく、その添加量は、顔料分散液10
0重量部に対して通常0.01〜8重量部程度である。
【0016】かくして得られた顔料分散液は、さらに含
フッ素共重合体(A)、有機溶剤(C)を添加して顔料
濃度を調整することもできる。
【0017】この発明のフッ素樹脂塗料用顔料分散液
は、そのままフッ素樹脂塗料の主剤として用いることも
できるが、必要により含フッ素共重合体(A)に有機溶
剤溶液を加えて、該含フッ素共重合体(A)に対する顔
料の割合を低下させた分散液を主剤とすることもでき
る。樹脂に対する顔料の割合を低下させる目的で使用す
る含フッ素共重合体は、この発明における含フッ素共重
合体(A)以外の架橋性基含有含フッ素共重合体であっ
てもよい。フッ素樹脂塗料の硬化剤としては、ポリイソ
シアネート、ブロックイソシアネート、尿素樹脂、メラ
ミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ポ
リカルボン酸などを使用することができる。さらに、必
要に応じてシンナーで希釈することもできるし、また、
アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、オイルフリーアルキ
ッド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの塗料用
汎用樹脂、塗料添加剤などを加えてフッ素樹脂塗料とす
ることもできる。
【0018】また、塗料添加剤として、前述と同様の垂
れ防止剤、増粘剤、沈降防止剤、色別れ防止剤、消泡
剤、レベリング剤、はじき防止剤、皮張り防止剤、滑り
剤、艶消し剤、シランカップリング剤などを加えること
ができる。さらに、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾ
ール系などの紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系、
ヒンダードアミン系等の酸化防止剤、硬化触媒なども必
要に応じて添加することができる。
【0019】
【作用】この発明のフッ素樹脂塗料用顔料分散液は、前
記特定構造の含フッ素共重合体自体が顔料分散性に優れ
るため、該共重合体と顔料、顔料分散剤、有機溶剤で構
成することによって、高度に顔料を分散し、それを原料
としてフッ素塗料を製造した場合には、ブツがなく高光
沢の表面状態の極めてよい硬化乾燥塗膜が得られる。
【0020】
【実施例】以下、この発明に使用する含フッ素共重合体
(A)の合成例、顔料分散液の製造の実施例、同じく顔
料分散液の製造の比較例および応用例を示してこの発明
をさらに具体的に説明する。含フッ素共重合体の合成 合成例1〜3 特開平3−231906に記載の製造方法によって、表
1に示す含フッ素共重合体を合成し、それぞれ表1に示
す有機溶剤に溶解し、固形分50%の樹脂溶液を製造し
た。
【0021】カルボキシル基含有含フッ素共重合体の合成 合成例4 合成例3の含フッ素共重合体100g、無水コハク酸
0.45g、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド
0.05gを四つ口フラスコに入れ、温度110℃で2
時間ハーフエステル化反応を行った。反応生成物中か
ら、無水コハク酸が消失していることをガスクロマトグ
ラフィーで確認した。得られたカルボキシル基含有含フ
ッ素共重合体は、やゝ黄味が増しており、分子量も18
000に増大していた。
【0022】
【表1】
【0023】表1における各記号は、下記のとおりであ
る。 TFE;クロロトリフルオロエチレン V9 ;バーサティック9酸ビニル PR ;プロピオン酸ビニル VCP;カプロン酸ビニル EC ;クロトン酸ヒドロキシエチル BVE;ヒドロキシブチルビニルエーテル EVE;エチルビニルエーテル XY ;キシレン
【0024】顔料分散液の製造 実施例1 合成例1の含フッ素共重合体溶液60g、ルチル型酸化
チタン(石原産業株式会社製CR−97)30g、キシ
レン30g、顔料分散剤(BYK・Mallinckr
od社製Disperbyk101)0.4gをマヨネ
ーズ瓶に計りとり、さらにガラスビーズ80gを添加し
た。ペイントシェーカーで、1時間分散を行った後、ガ
ラスビーズを除去して1日室温で放置後、グラインドゲ
ージで分散度を測定した。分散度は5μ以下であり、顔
料は良好に分散されていた。この分散液を室温で1ケ月
保存したところ、沈降凝集物も観察されず、グラインド
ゲージで測定した分散度も、5μ以下であり分散安定性
も良好であった。
【0025】実施例2〜5 実施例2〜5についても、表2に示す配合量、分散条件
で顔料分散液の製造を行ったところ、極めて良好に分散
されており、分散安定性も良好であった。
【0026】実施例6 合成例2の含フッ素共重合体溶液40g、合成例3の含
フッ素共重合体溶液20gを混合して使用した以外は、
実施例1と同様にして顔料分散液を製造した。この顔料
分散液の状態は良好であった。
【0027】実施例7 表2に示す条件で、実施例6と同様にして顔料分散液を
製造したが、分散安定性は良好であった。
【0028】
【表2】
【0029】表2および後記の表3における各記号は、
下記のとおりである。 W ;ルチル型酸化チタン(石原産業株式会社製CR−
97) B ;シアニンブルー(大日本インキ化学工業株式会社
製ファーストゲンブルーNK) BK;カーボンブラック(デグサ社製スペシャルブラッ
ク100) Y ;オーカー(チタン工業株式会社製TAROX−L
L−XLO) D1;BYK社製(Disperbyk101) D2;楠本化成株式会社製#2150 D3;楠本化成株式会社製DA400 D4;BYK社製AntiTerra−U D5;楠本化成株式会社製#1850 D6;楠本化成株式会社製DA703−50 D7;楠本化成株式会社製#1860 PWC :顔料分散液の固形分中の顔料濃度(単位:重
量%) 分散度1:顔料分散液を製造後1日後の分散度 分散度2:顔料分散液を製造後1ケ月後の分散度 液の外観:顔料分散液を製造後1ケ月後の有機顔料分散
液の外観を目視評価
【0030】比較例1〜4 合成例3および4の含フッ素共重合体を使用して、成分
(b)のクロトン酸ヒドロキシアルキル単量体を含有し
ない有機顔料分散液を表3に示す条件で製造した。得ら
れた分散液中の顔料の分散状態はいずれも不十分であ
り、分散液の安定性も悪かった。 〔以下余白〕
【0031】
【表3】
【0032】フッ素樹脂塗料の製造例 実施例1の顔料分散液50g、合成例1の含フッ素共重
合体溶液16g、ポリイソシアネート(旭化成株式会社
製デュラネートTPA−100)5g、キシレン25g
を、均一に混合攪拌した後、No.32のバーコーター
を使用して、アルミ板に塗装した。電気オーブンを使用
して、100℃で20分乾燥の後、硬化乾燥塗膜の表面
状態を観察したところ、硬化乾燥塗膜の表面は、高光沢
を示しブツも認められなかった。実施例4,6の顔料分
散液についても同様に塗料を作成し、硬化塗膜表面状態
を観察したが良好であった。一方、実施例2、3、5,
7の各顔料分散液については、合成例1の含フッ素共重
合体を添加しない以外は、上記条件で塗料を作成し、硬
化乾燥塗膜の表面を評価したが、いずれも良好であっ
た。これに対し、表3の比較例1〜4の顔料分散液を使
用して、上記と同様にして製造したフッ素樹脂塗料は、
総じて光沢は低く、分散不良によると思われるブツも多
数認められた。
【0033】応用例1 実施例1で製造した塗料50g、実施例3で使用した塗
料20gを混合し、さらに、添加剤0.2g(楠本化成
株式会社製KS273N)を添加して均一になるまで攪
拌し、グレー色の塗料を得た。トルエン30gを追加し
て、吹き付け量0.2Kg/平米で、スレート板(3×
150×300mm)にエアレススプレー塗装した。塗
料が半ば乾燥した時点で、塗装面を指でこすって、こす
った部分と周囲との色の相違を観察したが、色相の相違
は認められなかった。さらに、塗装面が乾燥した後、同
じ塗料を使用して、ローラー塗装で重ねぬ塗りを行い、
ローラー塗装部分とエアレススプレーで塗装した周囲と
の色の相違を観察したが、色むらは認められなかった。
さらに、刷毛を使用して、エアレススプレー塗装面へ雨
垂れ状に塗料をたらして周囲との色の相違を観察した
が、色むらは認められなかった。
【0034】応用例2 実施例1で製造した塗料50g、実施例2で使用した塗
料10g、合成例3で製造した含フッ素重合体溶液15
g、添加剤0.2g(BYK・Mallinckrod
社製Byk−P104S)を混合して、薄青色の塗料を
製造した。塗装試験を、応用例1と同様に行ったとこ
ろ、局部的な色別れ、塗りむらなどは観察されず、良好
な塗装性を示した。
【0035】
【発明の効果】この発明のフッ素樹脂塗料用顔料分散液
は、特定単位の単量体の複数を共重合した含フッ素共重
合体と、顔料、顔料分散剤および有機溶剤からなるもの
で、これら成分を混合するというきわめて簡単な手段に
よって、顔料を良好に分散し、分散安定性のよい顔料分
散液が得られる。特に、得られた顔料分散液を塗料原料
として使用した場合には、乾燥塗膜が高光沢で表面状態
もよく、さらに混色安定性のよい塗料を容易るとができ
るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 犬飼 宏 名古屋市港区船見町1番地の1 東亞合成 化学工業株式会社名古屋総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記成分(a)〜(d)を構成単位とす
    る含フッ素共重合体(A)、顔料(B)、顔料分散剤
    (C)および有機溶剤(D)からなることを特徴とする
    フッ素樹脂塗料用顔料分散液。 (a)フルオロオレフィン単量体単位が35〜60モル
    % (b)クロトン酸ヒドロキシアルキル単量体単位が5〜
    20モル% (c)カルボン酸ビニルエステル単量体単位が20〜6
    0モル% (d)上記以外のビニル単量体単位が0〜10モル%
JP6317893A 1993-02-27 1993-02-27 フッ素樹脂塗料用顔料分散液 Pending JPH06248225A (ja)

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