JP2805803B2 - 水性被覆用ふっ素樹脂ならびに其れを含む水性被覆用ふっ素樹脂組成物 - Google Patents

水性被覆用ふっ素樹脂ならびに其れを含む水性被覆用ふっ素樹脂組成物

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JP2805803B2
JP2805803B2 JP1055458A JP5545889A JP2805803B2 JP 2805803 B2 JP2805803 B2 JP 2805803B2 JP 1055458 A JP1055458 A JP 1055458A JP 5545889 A JP5545889 A JP 5545889A JP 2805803 B2 JP2805803 B2 JP 2805803B2
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/14Esterification

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、優れた耐候性を有する塗膜を形成するこが
でき、しかも分散安定性に優れた、それぞれ、水性被覆
用ふっ素樹脂ならびに水性被覆用ふっ素樹脂組成物に関
する。
(従来の技術) 従来、表面の保護と美装を目的として各種の合成樹脂
塗料が開発されている。ふっ素樹脂塗料は、長期耐候性
を有するものとして近年特に注目されている、ふっ素樹
脂塗料は、ふっ素樹脂、顔料、各種添加剤、有機溶剤か
ら構成されている。この従来のふっ素樹脂の構成では、
有機溶剤を媒体としているため、作業雰囲気中に溶剤が
揮散して作業環境を悪化させ、作業者の溶媒中毒など人
体に対する安全性が損なわれる上、大気を汚染し、また
可燃性溶剤であるため火災や爆発の危険を常にはらんで
いるものであった。
このような問題を解決するため、乳化剤を用いてふっ
素樹脂を乳化重合で合成する方法が知られている(特開
昭55−25412号公報)。しかし、この方法では、水中で
乳化重合反応を行わせるために極性の高いモノマーを多
量に用いることは困難で、得られるエマルジョンは造膜
性に問題を有し、また残存する乳化剤のために耐水性、
耐蝕性、密着性等に劣るという欠点を有しており、さら
に保存安定性にも問題があった。
また、ふっ素樹脂に親水性を付与しかつ分散性等を向
上させる目的で、水酸基含有ふっ素樹脂に特定の二塩基
性酸無水酸物を反応させて一段の反応で直接カルボキシ
ル基を導入してカルボキシル基含有ふっ素樹脂を製造す
る技術が提案され(特開昭58−136605号公報)、またこ
のカルボキシル基含有ふっ素樹脂を中和して水分散樹脂
とし電着塗料として使用する技術も提案されている(特
開昭62−59676号公報)。
(発明が解決しようとする課題) しかし、この方法によるカルボキシル基含有ふっ素樹
脂は、重合体溶液が黄変する問題の他に、この樹脂から
得られる塗膜ほその彩度及び透明性の不良という問題が
あり、さらにカルボキシル基を導入する反応におけるゲ
ル化の制御が困難であるという問題もあった。
このように、ふっ素樹脂の水性化については、種々、
検討され、しかも、提案されてはいるものの、充分に満
足の行くものが得られてはいないというのが、現状であ
る。
しかるに、本発明者らは、上述した従来技術における
種々の問題を解決するべく、鋭意、研究を重ねた結果、
水酸基含有ふっ素樹脂の水酸基部位に、反応性不飽和二
重結合を有する酸無水物を作用せしめて、まず、該水酸
基含有ふっ素樹脂中に、ビニル基を導入せしめ、次い
で、そのビニルの部位に、カルボキシル基含有ビニルモ
ノマーを含む重合性ビニルモノマーを作用せしめるとい
うことによって、諸性能の優れた、カルボキシル基含有
ふっ素樹が、効率的に得られることを見出すに及んで、
ここに、本発明を完成させるに到った。
したがって、本発明の目的とする処は、一にかかっ
て、水分散性ならびに貯蔵安定性などに優れるし、彩度
ならびに透明性にども良好であるし、基材への付着性に
も優れるし、耐水性ならびに耐候性などの塗膜物性も
亦、溶剤系ふっ素樹脂と、何等、変わらないほどの皮膜
をもたらすことができ、しかも、その製造時に、ゲル化
などの制御が容易であるし、加えて、重合体溶液の黄変
の発生も無いようにした、極めて実用性の高い、それぞ
れ、水性被覆用ふっ素樹脂ならびに水性被覆用ふっ素組
成物を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 上述したような、本発明の目的を達成するために、一
つには、本発明に係る水性被覆用ふっ素樹脂は、二つに
は、水性被覆用ふっ素樹脂組成物は、共に、(a)水酸
基含有ふっ素樹脂の90〜99.9重量%と、反応性不飽和二
重結合を有する酸無水物の0.1〜10重量%とを反応させ
て得られるビニル基含有反応生成物の40〜95重量部と、
(b)カルボキシル基含有ビニルモノマーを含む重合性
ビニルモノマーの5〜60重量部との共重合反応物を、水
性媒体中に分散化せしめてなるものであるし、加えて、
当該水性被覆用ふっ素樹脂組成物は、(a)水酸基含有
ふっ樹脂の90〜99.9重量%と、反応性不飽和二重結合を
有する酸無水物の0.1〜10重量%とを反応させて得られ
るビニル基含有反応生成物の40〜95重量部と、(b)カ
ルボキシル基含有ビニルモノマーを含む重合性ビニルモ
ノマーの5〜60重量部とを、重合開始剤の存在下におい
て、共重合反応を行なわせることによって、カルボキシ
ル基含有変性重合体を得るという工程(以下において
も、第一工程という。)を経て得られるというものであ
るし、さらに、此のカルボキシル基含有変重合体中に含
まれるカルボキシル基の少なくとも一部を塩基性化合物
で中和したのち、該中和物を、水中に微分散せしめ、し
かも、かくして得られる此の分散液のpHが5以上となる
ように、塩基性化合物の使用量を、適宜、設定するとい
う工程(以下においても、第二工程という。)とからな
る両工程を経て得られるというものである。
本発明で用いられる水酸基含有ふっ素樹脂としては、
従来公知のものはいずれも使用可能であるが、例えば、
フルオロオレフィンの、水酸基含有モノマー或いは加水
分解等により水酸基に転換可能な基を有するモノマーと
を必須成分とし、さらにその他のビニルモノマーを共重
合させて得られるものが使用される。
フルオロオレフィンとしては、ふっ化ビニル、ふっ化
ビニルデン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエ
チレン、クロロトリフルオロエチレン、ブロモトリフル
オロエチレン、ペンタフルオロプロピレン、ヘキサンフ
ルオロプロピレン、またはトリフルオロメチル・トリフ
ルオロビニルエーテル、ペンタフルオロエチル・トリフ
ルオロビニルエーテル、もしくはヘプタフルオロプロピ
ル・トリフルオロビニルエーテルのごときパーフルオロ
アルキル・パーフルオロビニルエーテル等が代表的なも
のであり、特に、テトラフルオロエチレン、ふっ化ビニ
リデン、クロロトリフルオロエチレン、またはヘキサフ
ルオロプロピレンの使用が好ましい。これらのフルオロ
オレフインモノマーは、単独でも2種以上の併用であっ
てもよい。
水酸基含有モノマーとしては、2−ヒドロキシエチル
ビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテ
ル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒド
ロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチルビ
ニルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルビ
ニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテ
ル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル等の水酸基
を含有するビニルエーテル類が好適に用いられる。
加水分解等により水酸基に転換可能な基を有するモノ
マーとしては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニル
メチルジエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ
エトキシ)シラン、アリルトリメトキシシラン、トリメ
トキシシリルエチルビニルエーテル、メチルジメトキシ
シリルエチルビニルエーテル、トリメトシシリルプロル
プビニルエーテル、トリエトキシシリルプロピルビニル
エーテル、メルジメトキシシリプロピルビニルエーテ
ル、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピル
トリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシ
プロピルメチルジメトキシシラン等の加水分解性シリル
基を含有するモノマーを挙げることができる。
その他のモノマーとしては、アルキルビニルエーテル
類もしくは置換アルキルビニルエーテル類、シクロアル
キルビニルエーテル類、カルボン酸ビニルエステル類、
α−オレフイン類、フルオロオレフィンを除く各種ハロ
ゲン化オレフィン類、芳香族ビニル化合物、メタアクリ
ル酸エステル類、アクリル酸エステル類等が代表的なも
のである。
また、水酸基含有ふっ素樹脂の具体例として好適なも
のとしては、例えば、大日本インキ化学工業(株)製の
「フルオネートK−700」等を挙げることができる。こ
の水酸基含有ふっ素樹脂の水酸基価は、10〜200の範囲
が好ましく、20〜150のっ範囲が特に好ましい。この水
酸基価が10に満たない場合には、水性媒体中におけるカ
ルボキシル基含有変性重合体の分散安定性が劣る傾向に
あるので好ましくない。水酸基価が200を越えると、過
剰の水酸基価のため、得られた塗膜の耐水性が低下する
傾向があるので好ましくない。
反応性不飽和二重結合を有する該無水物としては、反
応性不飽和二重結合を有するものであればいずれも使用
できるが、特に無水にアクリル酸及び/又は無水メタク
リル酸を用いるのが好ましい。
水酸基含有フッ素樹脂と、反応性不飽和二重結合を有
する酸無水物との使用割合は、重量比90:10〜99.9:0.1
の範囲が好ましく、95:5〜99.8:0.2の範囲が特に好まし
い。
反応性不飽和二重結合を有する酸無水物の使用割合が
0.1重量%に達しない場合には、水性媒体中におけるカ
ルボキシル基含有変性重合体の分散安定性が劣る傾向に
あるので好ましくない。反応性不飽和二重結合を有する
酸無水物と使用割合が10重量%を越えると、重合時にカ
ルボキシル基変性重合体が高分子量化しやすく、ゲル化
する傾向にあるので好ましくない。
この反応性不飽和二重結合を有する酸無水物として、
例えば、無水メタクリル酸を用いて反応させた場合に
は、 で表されるビニル基を含有する反応物が得られる。
このビニル基含有反応物との共重合反応に用いる重合
性ビニルモノマーは、カルボキシル基含有ビニルモノマ
ーを含有する重合性ビニルモノマーである。カルボキシ
ル基含有ビニルモノマーの含有量には特別の制限はない
が、少なくとも5重量%程度含有させておくのが好適で
ある。このカルボキシル基含有ビニルモノマーの含有量
が少なすぎると、水性媒体中における樹脂の分散安定
性、塗装した塗膜の金属に対する密着性や耐溶剤性がい
ずれも悪くなる傾向にあるので好ましくない。
カルボキシル基含有ビニルモノマーとしては、例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン
酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。
カルボキシル基含有ビニルモノマー以外の重合性ビニ
ルモノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルトルエ
ン、2−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロル
スチレン等のスチレン系モノマー;アクリル酸エチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル
酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−
アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オ
クチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル等のア
クリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル
酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イ
ソブチル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸n−
ヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2
−エチルヘキシル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸
ドデシル等のメタクリル酸エステル類;アクリル酸ヒド
ロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタア
クリル酸ヒドロキシエチル、メタアクリル酸ヒドロキシ
プロピル等のヒドロキシル基含有モノマー;N−メチロー
ル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド等のN−置換(メタ)アクリル系モ
ノマー等が挙げられる。また、酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサチッ
ク酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、
安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル、或いは
メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブ
チル、イソブチル、t−ブチル、イソアミル、n−ヘキ
シル、n−オクチル、2−エチルヘキシル等のアルキル
基、又はヒドロキシエチル、ヒドロキシブチル等の置換
基含有アルキル基を有するビニルエーテルが挙げられ
る。
本発明のカルボキシル基含有変性重合体は、前記ビニ
ル基含有反応物と上記重合性ビニルモノマーとを溶液重
合させることによって製造される。
ビニル基含有反応物と重合性ビニルモノマーの使用割
合は、重量比で40:60〜95:5の範囲が好ましい。ビニル
基含有反応物の使用割合が40重量%未満であると、ふっ
素共重合体のもつ種々の特性を生かせない場合があるの
で好ましくない。ビニル基含有反応物の使用割合が95重
量%を越えると、カルボキシル基含有変性重合体が自己
乳化しにくくなる傾向にあり好ましくない。
ビニル基含有反応物と重合性ビニルモノマーとの共重
合反応に用いる重合開始剤としては、例えば、アゾビス
イソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド等の通
常のラジカル重合開始剤が挙げられる。
共重合反応に用いる有機溶媒としては、例えば、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のア
ルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プ
ロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビト
ール、エチルカルビトール等のエーテルアルコール類;
メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類
やトルエン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
ビニル基含有ふっ素樹脂と重合性ビニルモノマーとの
共重合物の樹脂固形分酸価は5〜150の範囲、特に10〜8
0の範囲であることが好ましい。樹脂固形分酸価が5未
満の場合は分散性が悪くなり、150を越えると耐水性が
低下する傾向にあるので好ましくない。
本発明の水性被覆用ふっ素樹脂組成物は、前記重合反
応によって得られたカルボキシル基含有変性重合体に分
散液のpHが5以上となる量の塩基性化合物を加えて、前
記変性重合体を水性媒体中に分散させることによって得
られる。
ここで使用される塩基性化合物は、アンモニアや揮発
性アミンが好ましい。無機塩基は、塗膜中に残留し耐水
性を悪くする傾向があるので好ましくない。
上記アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、ト
リエチルアミン、ブチルアミン等のアルキルアミン類;
ジメチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、アミ
ノメチルプロパノール等のアルコールアミン類;モルホ
リン等が使用できる。また、エチレンジアミン、ジエチ
レントリアミン等の多価アミンも使用できる。
本発明において水性媒体とは、少なくとも10重量%が
水である水単独もしくは親水性有機溶媒との混合物を意
味する。親水性有機溶媒としては、例えば、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノ
ール、イソブタノール等のアルキルアルコール類;メチ
ルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ、ヘキシルセロソルブ、メチルカ
ルビトール、エチルカルビトール等のグリコールエーテ
ル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブ
アセテート等のグリコールエーテルエステル類;その
他、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ダイアセトン
アルコール、テトラヒドロフラン等が使用できる。
本発明の水性被覆用ふっ素樹脂組成物は、分散安定性
が非常に良好である。さらに含有する有機溶剤を減らす
必要がある場合には、アセトン、メチルエチルケトン等
の沸点の低い溶剤や、ブタノールやブチルセロソルブ等
の水と共沸する溶剤を、反応溶剤や分散助剤として用
い、水性媒体中に分散後に常圧もしくは減圧にて蒸留す
ることにより、安定的にかつ容易に低有機溶剤含有の水
性被覆用フッ素樹脂組成物を得ることができる。
本発明の水性被覆用ふっ素樹脂組成物に、必要に応じ
て、塗装性を改良するための溶剤、界面活性剤や消泡剤
を加えることも可能である。また、本発明の水性被覆用
ふっ素樹脂組成物にアミン樹脂、フェノール樹脂、ブロ
ックイソシアネート等を硬化剤として加えることも可能
である。
本発明の水性被覆用ふっ素樹脂組成物は、このままク
リヤー塗剤のして使用できるが、また、顔料等を配合し
た塗料としても使用できる。塗料化にあたっては、ボー
ルミル、ペイントシェーカー、サンドミル、ジェットミ
ル、三本ロール、ニーダー等の通常の塗料化に用いられ
る種々の機器を用いることができる。この際、顔料、分
散安定剤、粘度調節剤、レベリング剤、ゲル化防止剤、
紫外線吸収剤等を添加することもできる。
塗装方法としては、従来公知の方法、即ち、ロールコ
ーティング、電着塗装、フローコーティング、スプレー
塗装、刷毛塗り等が用いられる。
本発明の水性被覆用ふっ素樹脂組成物は、常温、強制
乾燥からメタミン、ブロックイソイアネート等の硬化剤
を用いた焼付塗装まで広く用いることができるが、特に
100〜250℃、10秒〜30分間での焼付条件で用いるのが好
ましい。
本発明の水性被覆用ふっ素樹脂組成物は、施工性に優
れ、かつ表面硬度、光沢に優れるとともに可撓性を有
し、耐溶剤性、耐汚染性さらには耐候性に優れた塗膜を
温和な条件下に与えることができるもので、カラー鋼
板、カラーアルミ板、アルミサッシ等を対象とする焼付
塗料としてばかりでなく、現場施工可能な常乾型塗料と
しても有用である。基材の材質も、鉄、アルミニウム、
鋼あるいはこれらの合金類、例えば、不銹鋼、真鍮等の
金属に限らず、ガラス、セメント、コンクリート等の無
機材料、FRP、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、ナイロン、アクリル、ポリエ
ステル、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体、塩
ビ、塩化ビニリデン、ポリカーボネート等のプラスチッ
ク、木材等の有機材料の塗装にも有用であり、特に別の
下地塗装を有する被塗物の上塗塗料として極めて有用で
ある。これらは、またアルミプール、外装用色ガラス、
セメントガワラ等の特定の用途においても有用である。
(実施例) 以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明がこれらの実施例の記載に限定されないこと
はいうまでもない。なお、実施例中の「部」又は「%」
は、それぞれ「重量部」又は「重量%」を示す。
実施例1 〔ビニル基含有反応物の製造〕 フルオネートK−700 ……200.0部 無水メタクリル酸 ……4.0部 トリエチルアミン ……0.5部 (上記組成中、フルオネートK−700は、大日本イン
キ化学工業(株)製の水酸基含有ふっ素樹脂で、不揮発
分50%、固形分水酸基価48である。) 窒素ガス置換した4口フラスコに、及びを仕込
み、内容物を撹拌しながら80℃まで加熱し、同温度で2
時間撹拌することによって、ビニル基含有反応物を得
た。
〔水性被覆用ふっ素樹脂組成物の調製〕
(第一工程) 上記ビニル基含有反応物 ……204.5部 イソプロパノール ……117部 メタクリル酸 ……7.0部 メタクリル酸n−ブチル ……32部 パーブチル−O ……2部 (上記組成中、パーブチル−Oは、日本油脂(株)製
のt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート(ラ
ジカル重合開始剤)である。) 、、、及びを均一に混合した後、その混合
液の100部を窒素ガス置換した4口フラスコに仕込み、8
0℃に加熱し、その温度に保ちつつ残りの混合液を4時
間かけて徐々に滴下し、更に同温度で4時間撹拌するこ
とによって、カルボキシル基含有変性重合体を得た。
(第二工程) 第一工程で得た変性重合体を含む反応液にトリエチル
アミン10部を加え、均一混合後、イオン交換水150部を3
0分間かけて滴下したところ固形分28.7%、pH8.7の水性
分散液を得た。
この得られた分散液をさらに減圧濃縮して水性被覆用
ふっ素樹脂組成物を得た。この組成物の性状を測定して
第1表に示した。
実施例2 メタクリル酸を16部、メタクリル酸n−ブチルを
28部とし、新たにメタクリル酸メチルを20部加えた以
外は、実施例1と同様にして水性被覆用ふっ素樹脂組成
物を得た。この組成物の性状を測定して第1表に示し
た。
実施例3 フルオネート−K−700の代わりに水酸基価100であ
る以外はフルオネートK−700と同じふっ素樹脂を200部
用い、無水メタクリル酸を2部、メタクリル酸を4
部とし、メタクリル酸n−ブチルの代わりに新たに
メタクリル酸メチルを15部及びアクリル酸ブチルを10
部加えた以外は、実施例1と同様にして水性被覆用ふっ
素樹脂組成物を得た。この組成物の性状を測定して第1
表に示した。
比較例1 無水メタクリル酸を使用せず、メタクリル酸を11
部とした以外は、実施例1と同様にして水性被覆用ふっ
素樹脂組成物を得た。この組成物の性状を測定して第1
表に示した。
比較例2 無水メタクリル酸を8部、メタクリル酸を35部と
し、メタクリル酸n−ブチルを27部とした以外は、実
施例1と同様にして水性被覆用ふっ素樹脂組成物を得
た。この組成物の性状を測定して第1表に示した。この
組成物は、固形分酸価が約200となるように調製したも
のである。
第1表から、本発明の水性被覆用ふっ素樹脂組成物
は、良好な分散安定性を有し、かつフイルム外観にも優
れていることがわかった。また、各実施例のふっ素樹脂
重合体溶液はいずれも黄変することはなかった。さら
に、各実施例において、ゲル化等の制御はなんら必要で
なかった。
試験例 実施例1及び比較例2によって得た組成物の塗膜性能
を測定し、その結果を第2表に示した。なお、溶剤系ふ
っ素樹脂フルオネートK−701(大日本インキ化学工業
(株)製品)を用いた塗膜性能を比較例3として示し
た。
試験条件 PWC=3%の黒塗料(カーボンは三菱化成(株)製MA−1
00) 硬化剤:バーノックB7−887(大日本インキ化学工業
(株)製) 配合:NCO/OH=1/1(当量比) 基材:リン酸亜鉛処理鋼板(ボンデ#144処理ダル鋼
板) 塗装:エアスプレー 焼付:140℃×20′ 第2表に示されたごとく、本発明の水性被覆用ふっ素
樹脂組成物の塗膜性能は溶剤ふっ素系樹脂(フルオネー
トK−701)と同等で、良好であることがわかった。
(発明の効果) 以上に述べて来た処からも明らかなように、本発明に
係る水性被覆用ふっ素樹脂組成物は、とりわけ、水分散
性ならびに貯蔵安定性などにも優れるし、彩度ならびに
透明性なども亦、良好であるし、器材への付着性にも優
れるし、耐水性ならびに耐候性などの塗膜物性も亦、溶
剤系ふっ素樹脂と、何等、変わらないほどの皮膜をもた
らすことが出来るという、格別顕著なる効果を奏するも
のであるし、しかも、その製造に際しても、ゲル化など
の制御が容易であるし、加えて、重合体溶液の黄変の発
生も無いという、極めて実用性の高い調製法に裏打ちさ
れたものである。
こうした優れた効果の達成により、本発明に係る水性
被覆用ふっ素樹脂ならびに水性被覆用ふっ素樹脂組成物
は、特に外装用塗料として好適なるものである。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)水酸基価が10〜200なる水酸基含有
    ふっ素樹脂の90〜99.9重量%と、反応性不飽和二重結合
    を有する酸無水物の0.1〜10重量%とを反応させて得ら
    れるビニル基含有反応生成物の40〜95重量部と、(b)
    カルボキシル基含有ビニルモノマーを含む重合性ビニル
    モノマーの5〜60重量部とを共重合して得られる、酸価
    が5〜150の共重合反応物を用いて得られる水性被覆用
    ふっ素樹脂。
  2. 【請求項2】反応性不飽和二重結合を有する酸無水物
    が、無水アクリル酸及び/又は無水メタクリル酸であ
    る、請求項(1)に記載の水性被覆用ふっ素樹脂。
  3. 【請求項3】(a)水酸基価が10〜200なる水酸基含有
    ふっ素樹脂の90〜99.9重量%と、反応性不飽和二重結合
    を有する酸無水物の0.1〜10重量%とを反応させて得ら
    れるビニル基含有反応生成物の40〜95重量部と、(b)
    カルボキシル基含有ビニルモノマーを含む重合性ビニル
    モノマーの5〜60重量部とを共重合して得られる、酸価
    が5〜150の共重合反応物を、水性媒体中に分散してな
    ることを特徴とする、水性被覆用ふっ素樹脂組成物。
  4. 【請求項4】反応性不飽和二重結合を有する酸無水物
    が、無水アクリル酸及び/又は無水メタクリル酸であ
    る、請求項(3)に記載の水性被覆用ふっ素樹脂組成
    物。
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