JPH08113755A - 含フッ素塗料組成物およびその製造方法 - Google Patents

含フッ素塗料組成物およびその製造方法

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JPH08113755A
JPH08113755A JP18630595A JP18630595A JPH08113755A JP H08113755 A JPH08113755 A JP H08113755A JP 18630595 A JP18630595 A JP 18630595A JP 18630595 A JP18630595 A JP 18630595A JP H08113755 A JPH08113755 A JP H08113755A
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alkoxysilane
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JP18630595A
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Tatsuo Nishio
竜生 西尾
Etsuzo Marumoto
悦造 丸本
Akihito Iida
晃人 飯田
Hiroshi Inukai
宏 犬飼
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】耐汚染性に優れる含フッ素塗料組成物の提供。 【構成】水酸基含有単量体単位を5〜50モル%含む溶
剤可溶性の含フッ素共重合体、アルコキシシランの部分
加水分解縮合物、ポリアルキレングリコ−ルおよび有機
溶剤からなり、アルコキシシランの部分加水分解縮合物
の含有量が、前記含フッ素共重合体100重量部当たり
2〜100重量部であり、かつ、ポリエチレングリコ−
ルの含有量が、アルコキシシランの部分加水分解縮合物
100重量部当たり1〜100重量部である含フッ素塗
料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐候性に優れる含フッ
素塗料に関するものであり、本発明の含フッ素塗料組成
物によれば、従来の含フッ素塗料と比較して著しく耐汚
染性の改良された塗膜が得られる。
【0002】
【従来技術およびその問題点】含フッ素塗料は、高耐候
性塗料として、幅広い産業分野で使用されている。最近
では、溶剤可溶性の含フッ素塗料の出現により、従来の
ディスパージョン型フッ素塗料では不可能とされていた
現場施工も可能になっている。しかしながら、従来現場
施工に使用されてきた溶剤可溶性含フッ素塗料、例えば
特開昭59−102962号公報または特開平3−23
1906号公報等により提案されている含フッ素塗料で
は、耐汚染性が今一歩であり、その点が高速道路沿いや
工場地帯のような汚染の起こりやすい環境にある基材へ
の適用に際して問題になっていた。
【0003】さらに、特開平4−211482号公報お
よび特開平4ー275379号公報において提案されて
いる含フッ素塗料、すなわち、含フッ素共重合体および
金属アルコキシドの部分加水分解縮合物からなる含フッ
素塗料では、塗膜硬度が向上することにより耐汚染性は
ある程度改良されるが、塗膜表面の汚染物質が自然に
雨、風などにより除去されるまでには到らず、なお改良
が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は、水酸基含有単量体単位
を5〜50モル%含む溶剤可溶性の含フッ素共重合体、
アルコキシシランの部分加水分解縮合物、ポリアルキレ
ングリコールおよび有機溶剤からなり、アルコキシシラ
ンの部分加水分解縮合物の含有量が、前記含フッ素共重
合体100重量部当たり2〜100重量部であり、か
つ、ポリアルキレングリコールの含有量が、アルコキシ
シランの部分加水分解縮合物100重量部当たり1〜1
00重量部である含フッ素塗料組成物であり、さらには
ポリアルキレングリコールがポリエチレングリコールで
ある前記含フッ素塗料組成物である。
【0005】以下、本発明について詳しく説明する。本
発明における含フッ素共重合体は、前記のとおり、水酸
基含有単量体単位を5〜50モル%含む溶剤可溶性の含
フッ素共重合体であり、該共重合体を構成する好ましい
含フッ素単量体としては、フッ化ビニル、フッ化ビニリ
デン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレ
ン、クロロトリフルオロエチレンおよびヘキサフルオロ
プロピレン等のフルオロオレフィンが挙げられ、重合反
応性の点からテトラフルオロエチレンおよびクロロトリ
フルオロエチレンがさらに好ましく、クロロトリフルオ
ロエチレンが特に好ましい。これらの含フッ素単量体
は、単独でまたは2種以上併用して使用できる。含フッ
素共重合体における含フッ素単量体単位の好ましい割合
は、耐候性の点で、35〜60モル%であり、さらに好
ましくは、45〜60モル%である。該単位が35モル
%未満であると、耐候性が不良となり、一方60モル%
を越えると、有機溶剤への溶解性が劣る。
【0006】水酸基含有単量体としては、クロトン酸2
−ヒドロキシエチル、クロトン酸4−ヒドロキシブチル
などのクロトン酸エステル類;2−ヒドロキシエチルビ
ニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルな
どのビニルエーテル類;2−ヒドロキシエチルアリルエ
ーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、ジエチ
レングリコールモノアリルエーテルなどのアリルエーテ
ル類;2−ヒドロキシエチルメタリルエーテル、4−ヒ
ドロキシブチルメタリルエーテルなどのメタリルエーテ
ル類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの(メ
タ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリルアミド、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリル
アミドなどの(メタ)アクリルアミド類などが使用でき
る。これらの水酸基含有単量体は、単独でまたは2種以
上併用して使用できる。上記水酸基含有単量体単位の割
合が5モル%未満である含フッ素共重合体は、それと併
用すべき後記するアルコキシシランの部分加水分解縮合
物またはポリアルキレングリコールとの相溶性に劣り、
一方水酸基含有単量体単位の割合が50モル%を越える
含フッ素共重合体では、得られる塗膜が脆くなる。
【0007】含フッ素共重合体を得るために、上記含フ
ッ素単量体および水酸基含有単量体とともに他の共重合
単量体を用いてもよく、かかる共重合単量体としては、
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−ブ
チルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等
のビニルエーテル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニ
ル、バーサティック酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の
カルボン酸ビニルエステル類;アクリル酸、クロトン
酸、マレイン酸、イタコン酸、ビニル酢酸等の不飽和カ
ルボン酸類あるいはそれらの無水物類が好ましいが、そ
の他にエチレン、プロピレン、1−ブテン等のオレフィ
ン類、クロトン酸メチル、クロトン酸ブチル等のクロト
ン酸アルキル類、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン等の加水分解性シリル基含有単量体、
塩化ビニル、塩化ビニリデン等を使用してもよい。含フ
ッ素共重合体における上記共重合単量体単位の好ましい
割合は、60モル%以下である。また、本発明における
含フッ素共重合体の好ましい分子量は、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の数
平均分子量で2, 000〜50, 000である。
【0008】上記含フッ素共重合体は、公知の重合方法
例えば特開平3−231906号公報等に記載されてい
る溶液重合法により前記単量体を共重合することにより
製造できる。すなわち、重合溶剤としてトルエン、キシ
レンまたは酢酸ブチル等を、また重合開始剤としてt−
ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシア
セテート、アゾビスイソブチロニトリル等のラジカル発
生化合物を、それぞれ使用して温度40〜80℃で前記
単量体の混合物を5〜20時間重合させればよい。上記
溶液重合によって得られる含フッ素共重合体の有機溶剤
溶液は、そのまま本発明の含フッ素塗料組成物の構成々
分として用いることができる。
【0009】本発明におけるアルコキシシランの部分加
水分解縮合物(以下アルコキシシラン縮合物という)
は、加水分解性のアルコキシ基を1分子中に2個以上有
するアルコキシシランの自己縮合物であり、縮合度は2
以上であればよい。かかるアルコキシシラン縮合物は、
例えばコルコート(株)等から市販されており、また以
下の方法等により容易に合成できる。すなわち、アルコ
キシシランを有機溶媒に溶解させ、あるいは、前記含フ
ッ素共重合体および/またはポリアルキレングリコ−ル
の有機溶剤溶液にアルコキシシランを溶解させ、塩酸等
の無機酸または酢酸もしくはp−トルエンスルホン酸等
の有機酸を添加してPHを1〜4程度に調整した後、ア
ルコキシ基に対して0.05〜3当量の水を加えて30
〜80℃で1〜8時間加水分解することにより、アルコ
キシシラン縮合物が得られる。
【0010】このように、前記含フッ素共重合体、アル
コキシシラン縮合物、ポリアルキレングリコールおよび
有機溶剤を必須成分とする本発明の含フッ素塗料組成物
は、含フッ素共重合体の有機溶剤溶液にアルコキシシラ
ン縮合物およびポリアルキレングリコールを混合する
か、あるいは含フッ素共重合体および/またはポリアル
キレングリコールの有機溶剤溶液中で、アルコキシシラ
ンを加水分解してアルコキシシラン縮合物を合成する方
法等によって製造できる。特に、含フッ素共重合体およ
び/またはポリアルキレングリコールの有機溶剤溶液中
で、アルコキシシランを加水分解した場合は、含フッ素
共重合体および/またはポリアルキレングリコールの水
酸基とアルコキシシランのアルコキシ基が部分的に反応
し、その結果、アルコキシシランのアルコキシ基がトラ
ップされた形となるため、アルコキシシラン縮合物の保
存安定性が向上するという効果が得られる。この方法に
おいて、アルコキシシランの加水分解時に存在させる前
記含フッ素共重合体および/またはアルキレングリコ−
ルの量に格別の制限はなく、本発明組成物を構成する各
成分の全量を存在させても、あるいは部分量を存在させ
ても良い。部分量を存在させたときは、加水分解後に残
余の成分を添加配合することになる。
【0011】前記含フッ素共重合体およびポリエチレン
グリコ−ルの不在下に、アルコキシシランを加水分解す
るときの有機溶媒としては、アルコール性溶媒が適して
おり、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、プロパノール、ブタノール、ダイアセトンアルコー
ル等のアルコールの他に、プロピレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル
等のグリコールエーテル類も使用できる。アルコール以
外に、ケトン系、エステル系または芳香族系等の溶媒も
使用できるが、生成するアルコキシシラン縮合物の安定
性の点で、アルコール溶媒を少なくとも全溶媒の10重
量%以上使用することが好ましい。一方、前記含フッ素
共重合体および/またはポリアルキレングリコ−ルの共
存下にアルコキシシランを加水分解するときの有機溶媒
は、本発明組成物における有機溶剤が好適に使用され、
その具体例は後述するとおりである。
【0012】本発明において使用し得るアルコキシシラ
ンとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラ
ン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシ
ラン、ジメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメト
キシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−クロロ
プロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ランおよびγ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン
等が挙げられる。アルコキシシラン縮合物の使用量は、
含フッ素共重合体100重量部当たり2〜100重量部
であり、好ましくは5〜80重量部である。該縮合物の
使用量が、2重量部未満であると耐汚染性の効果が得ら
れず、一方、100重量部を越えると塗料の安定性が低
下する。
【0013】上記アルコキシシラン縮合物を成分とする
本発明の含フッ素塗料組成物からなる塗膜においては、
該アルコキシシラン縮合物に残存するアルコキシ基が大
気中の水分により徐々に加水分解するが、その際に塗膜
は一層緻密に架橋硬化する。アルコキシシラン縮合物と
同様な性質を有する金属アルコキシド縮合物、すなわ
ち、アルミニウム、チタニウムおよびジルコニウム等の
周期律表第3族元素または第4族元素からなる金属アル
コキシドの部分加水分解縮合物をアルコキシシラン縮合
物と併用してもよい。
【0014】ポリアルキレングリコールとしては、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよび
ポリテトラエチレングリコール等に代表される水溶性ポ
リアルキレングリコールが好ましく使用され、さらに好
ましくはポリエチレングリコールである。ポリアルキレ
ングリコールの分子量は、数平均分子量で200〜3,
000が好ましく、さらに好ましくは200〜2, 00
0である。ポリアルキレングリコールの数平均分子量
が、200未満であると塗膜の硬度が低下し易く、一方
3, 000を越えるとポリアルキレングリコールが塗料
用の有機溶剤に溶解し難くなる。ポリアルキレングリコ
ールの使用量は、前記アルコキシシラン縮合物100重
量部当たり1〜100重量部である。ポリアルキレング
リコールの使用量が1重量部未満であると、耐汚染性の
効果が得られず、100重量部を越えると耐候性が低下
する。特に好ましい使用量は、同一の基準で1〜50重
量部である。
【0015】本発明における有機溶剤としては、塗料分
野で一般的に使用されている有機溶剤が使用でき、具体
的には、酢酸エチル、酢酸ブチル、キシレン、シクロヘ
キサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、
ブチルセロソルブ、イソプロパノールおよびシクロヘキ
サノール等が挙げられる。
【0016】本発明の含フッ素塗料組成物は、硬化剤を
併用せずに用いることができるが、所望によりポリイソ
シアネートまたはアミノ樹脂などの硬化剤を併用しても
よい。ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシア
ネートなどの脂肪族系化合物、キシリレンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネートなどの環状化合物、
トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタ
ンジイソシアネートなどの芳香族系化合物などが挙げら
れる。さらに、上記ポリイソシアネートの多量体例えば
ダイマー、トリマーまたはプレポリマーならびにポリイ
ソシアネート化合物から誘導されるビュレットやウレア
なども好ましく使用できる。さらに好ましくは、ヘキサ
メチレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシア
ネートなどの無黄変型ポリイソシアネートである。上記
ポリイソシアネートの好ましい使用量は、含フッ素共重
合体の有する水酸基に対して0.6〜1.2当量のイソ
シアネート基となる量である。アミノ樹脂としては、尿
素樹脂、メラミン樹脂およびベンゾグアナミン樹脂など
が挙げられ、相溶性、耐久性の点でメラミン樹脂が好ま
しい。
【0017】本発明の含フッ素塗料組成物には、上記の
硬化剤以外に顔料を始めとし、通常塗料に添加される添
加剤が使用できる。顔料としては、酸化チタン、酸化
鉄、黄鉛、焼成顔料などの無機顔料、カーボンブラッ
ク、キナクリドンレッド、フタロシアニンブルーなどの
有機顔料が挙げられ、その他の添加剤としては、紫外線
吸収剤、酸化防止剤、硬化触媒、表面調整剤、シランカ
ップリング剤および艶消し剤などが挙げられる。
【0018】
【実施例】以下に、合成例、実施例および比較例を挙げ
て、本発明をさらに具体的に説明する。 (含フッ素共重合体の合成例) a)含フッ素共重合体(A−1)の合成 攪拌機を備えた2リットルのオートクレーブに、酢酸ブ
チル350g、パーロイル355(日本油脂(株)製、
3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド)1
0gを仕込んだ後、プロピオン酸ビニル(以下、VPr
という)100g、ベオバ9(バーサティック酸ビニ
ル、シェル化学(株)製、以下VV−9という)63
g、クロトン酸2−ヒドロキシエチル(以下、HECと
いう)69gを仕込んだ。
【0019】次に窒素置換して減圧脱気を行い、クロロ
トリフルオロエチレン(以下、CTFEという)250
gを導入した。仕込んだ各単量体のモル比は、CTFE
/VPr/VV−9/HEC=54/25/8/13で
ある。徐々に昇温して、64℃で10時間重合を行った
後、未反応のCTFEを除去し、オートクレーブを開放
して、含フッ素共重合体(A−1)の溶液を得た。得ら
れた重合体溶液を減圧下に加熱して、乾固させることに
より、無色の固形樹脂を得た。
【0020】得られた含フッ素共重合体の水酸基価は、
52mgKOH/gであり、ポリスチレン換算の数平均
分子量は12,000、重量平均分子量は40,000で
あった。また、アリザリンコンプレクソン法によるフッ
素含有量は、23重量%であり、DSCによるガラス転
移温度は35℃であった。含フッ素共重合体中の各単量
体単位の割合は、CTFE/VPr/VV−9//HE
C=45/33/11/11モル%であった。ここで、
CTFEおよびHECの割合は、それぞれ上記フッ素含
有量または水酸基価に基づき算出し、VPrとVV−9
の比率はNMRスペクトルより求めた。
【0021】b)含フッ素共重合体(A−2)の合成 上記a)と同様な方法により、各単量体単位に基づく割
合が、CTFE/VPr/HEC=50/32/18モ
ル%である含フッ素共重合体(A−2)を合成した。得
られた含フッ素共重合体の水酸基価は、90mgKOH
/gであり、ポリスチレン換算の数平均分子量は6,0
00、重量平均分子量は17,000であった。また、
アリザリンコンプレクソン法によるフッ素含有量は25
重量%であり、DSCによるガラス転移温度は20℃で
あった。
【0022】c)含フッ素共重合体(A−3)の合成 同様にして、各単量体単位に基づく割合が、CTFE/
HBVE=51/49モル%である含フッ素共重合体
(A−3)を合成した。得られた含フッ素共重合体の水
酸基価は、240mgKOH/gであり、ポリスチレン
換算の数平均分子量は6000、重量平均分子量は25
000であった。また、アリザリンコンプレクソン法に
よるフッ素含有量は、25重量%であり、DSCによる
ガラス転移温度は15℃であった。
【0023】(アルコキシシラン縮合物の合成例) a)アルコキシシラン縮合物(Bー1)の合成 下記原料を1リットルの三ツ口フラスコに仕込み、窒素
気流中、50℃まで昇温した。 テトラエトキシシラン 84g テトライソプロポキシチタン 86g イソプロパノール 340g 10%塩酸 2g 次に、イオン交換水16gを滴下した後、50℃で3時
間攪拌することにより、アルコキシシラン縮合物の濃度
が9重量%の溶液を得た。
【0024】b)アルコキシシラン縮合物(Bー2)の
合成 下記原料を1リットルの三ツ口フラスコに仕込み、窒素
気流中、70℃まで昇温した。 テトラエトキシシラン 260g キシレン 350g イソプロピルアルコール 180g p−トルエンスルホン酸 0.6g 次に、イオン交換水27gを30分かけて滴下し、70
℃で4時間攪拌することにより、アルコキシシラン縮合
物が9重量%の溶液を得た。
【0025】c)アルコキシシラン縮合物(Bー3)の
合成 下記原料を200cc三ツ口フラスコに仕込み、窒素気
流中、70℃まで昇温し、含フッ素共重合体(A−2)
およびポリエチレングリコール(数平均分子量;2, 0
00)を完全に溶解した。 含フッ素共重合体(A−2) 25g ポリエチレングリコール 12.5g キシレン 42g ブチルセロソルブ 18g 溶液が均一になった後、下記化合物を添加して、さらに
70℃で3時間攪拌した。 テトラエトキシシラン 13g メチルトリエトキシシラン 10g p−トルエンスルホン酸 0.01g 次に、イオン交換水3.9gとブチルセロソルブ3gの
混合液を1時間かけて滴下した後、さらに70℃で2時
間攪拌し、固形分濃度が36重量%で、アルコキシシラ
ン縮合物濃度が6重量%の溶液を得た。
【0026】d)アルコキシシラン縮合物(Bー4)の
合成 下記原料を200cc三ツ口フラスコに仕込み、窒素気
流中、50℃まで昇温し、含フッ素共重合体(A−2)
およびポリエチレングリコール(数平均分子量;1, 0
00)を完全に溶解した。 含フッ素共重合体(A−2) 4g ポリエチレングリコール 2g プロピレングリコールモノメチルエーテル 30g ブチルセロソルブ 30g 溶液が均一になった後、下記化合物を添加して、さらに
50℃で1時間攪拌した。 テトラエトキシシラン 60g p−トルエンスルホン酸 0.1g 次に、イオン交換水10gとブチルセロソルブ10gの
混合液を1時間かけて滴下した後、さらに50℃で2時
間攪拌し、固形分濃度が20重量%で、アルコキシシラ
ン縮合物濃度が16重量%の溶液を得た。
【0027】上記方法で合成されたアルコキシシラン縮
合物(B−1〜B−4)について保存安定性試験を行っ
た。 (保存安定性試験)アルコキシシラン縮合物をサンプル
瓶に取り、40℃で保存した。1カ月および3か月経過
後に液の外観を観察し、濁り、析出物生成、ゲル化等が
認められない物は異常なしと判定した。
【0028】上記方法で合成された含フッ素共重合体お
よびアルコキシシラン縮合物等を成分とする実施例およ
び比較例の含フッ素塗料を調製して、その塗膜性能を以
下の方法により評価した。 (塗膜性能の評価)アクリルウレタン系白色塗料の塗布
されたA4サイズのアルミ板上に、含フッ素塗料を乾燥
膜厚が約20μになるように重ね塗りした後、熱風乾燥
炉により130℃で20分乾燥させた。色差計で初期L
値を測定した後、塗装面が垂直になる角度(以下、垂直
面という)および塗装面が45度上向きになる角度(以
下、45度面という)の2種類の傾斜角を選び、南向き
で5月〜7月の3ケ月間曝露した。曝露終了後、再度L
値を測定し、初期L値との差(ΔL:明度差)を求め
た。明度差の小さいものほど耐汚染性は良好である。ま
た、曝露後の塗装面の筋状汚染状態についても目視で評
価した。なお、以下の例において使用された含フッ素共
重合体溶液は、いずれもキシレンにより濃度50重量%
に調整されたものである。
【0029】
【実施例1】含フッ素共重合体(A−1)溶液20g
(固形分10g)、アルコキシシラン縮合物(B−1)
溶液11g(純分1g)を混合した後、数平均分子量
2, 000のポリエチレングリコール0.5gをメチル
エチルケトン10gに溶解した溶液を添加して、塗料液
を得た。上記塗料による塗膜についての性能の評価結果
は次のとおりであった。 ΔL(垂直面)=−2. 8 ; ΔL(45度面)=−
3. 4
【0030】
【実施例2】含フッ素共重合体(A−1)溶液20g
(固形分10g)、アルコキシシラン縮合物(B−1)
溶液55g(純分5g)および平均分子量1, 000の
ポリエチレングリコール0.5gを混合して、塗料液を
得た。塗膜性能の評価結果は次のとおりであった。 ΔL(垂直面)=−1. 7 ; ΔL(45度面)=−
2. 9
【0031】
【実施例3】ポリイソシアネート硬化剤〔日本ポリウレ
タン(株)製、コロネートHX〕を2g使用した以外
は、実施例1と同様に塗料を調製した。塗膜性能の評価
結果は次のとおりであった。 ΔL(垂直面)=−1. 6 ; ΔL(45度面)=−
3. 1
【0032】
【実施例4】含フッ素共重合体(A−3)溶液20g
(固形分10g)、アルコキシシラン縮合物(B−2)
溶液11g(純分1g)を混合した後、分子量2, 00
0のポリエチレングリコール0.5gをメチルエチルケ
トン10gに溶解した溶液を添加して、塗料液を得た。
塗膜性能の評価結果は次のとおりであった。 ΔL(垂直面)=−0. 8 ; ΔL(45度面)=−
2. 5
【0033】
【実施例5】含フッ素共重合体(A−3)溶液20g
(固形分10g)、アルコキシシラン縮合物(B−2)
溶液55g(純分5g)および分子量1, 000のポリ
エチレングリコール0.5gを混合して、塗料液を得
た。塗膜性能の評価結果は次のとおりであった。 ΔL(垂直面)=−1. 0 ; ΔL(45度面)=−
3. 1
【0034】
【実施例6】含フッ素共重合体およびポリエチレングリ
コールを含有するアルコキシシラン縮合物(B−3)溶
液をそのまま塗料液として使用した。塗膜性能の評価結
果は次のとおりであった。 ΔL(垂直面)=−1. 5 ; ΔL(45度面)=−
【0035】
【実施例7】実施例6で使用したアルコキシシラン縮合
物(B−3)溶液28gに、ポリイソシアネート硬化剤
(コロネートHX)を2g添加して塗料を調製した。塗
膜性能の評価結果は次のとおりであった。 ΔL(垂直面)=−1. 0 ; ΔL(45度面)=−
3. 5
【0036】
【実施例8】含フッ素共重合体(A−1)溶液50g
(固形分25g)と、アルコキシシラン縮合物(B−
4)溶液15g(フッ素樹脂成分0.4g,ポリエチレ
ングリコール成分0.2g,シリカ加水分解物成分2.
4g)を混合し、さらに、ポリイソシアネート硬化剤
(コロネートHX)を5g添加して塗料を調製した。塗
膜性能の評価結果は次のとおりであった。 ΔL(垂直面)=−1. 2 ; ΔL(45度面)=−
3. 1 また、上記実施例1〜8のいずれの塗料についても、塗
装面上に筋状汚染はほとんど見られなかった。
【0037】(比較例1)含フッ素共重合体(A−1)
溶液20g(固形分10g)、ポリイソシアネート硬化
剤(コロネートHX)1.8g、キシレン17gを混合
し、フッ素塗料を調製した。本例は、実施例3に対応す
る例であり、アルコキシシラン縮合物およびポリアルキ
レングリコールの2成分を含まないものである。塗膜性
能の評価結果は次のとおりであった。 ΔL(垂直面)=−5. 5 ; ΔL(45度面)=−
12
【0038】(比較例2)含フッ素共重合体(A−1)
溶液20g(固形分10g)、ポリイソシアネート硬化
剤(コロネートHX)1.8g、アルコキシシラン縮合
物〔テトラアルコキシシラン縮合物の溶液、純分21
%、コルコート(株)製;商品名HAS−1〕9gを混
合し、フッ素塗料を調製した。塗膜性能の評価結果は次
のとおりであった。 ΔL(垂直面)=−4. 5 ; ΔL(45度面)=−
10. 3
【0039】上記比較例2と実施例の対比により、アル
コキシシラン縮合物を含む含フッ素塗料であってもポリ
アルキレングリコールを含まないものでは、なお耐汚染
性が不十分であるのに対して、ポリアルキレングリコー
ルも必須成分とする本発明の塗料用組成物によれば、そ
の点が著しく改良されることが分かる。本発明における
ポリアルキレングリコールの作用は明らかではないが、
ポリアルキレングリコールの存在する塗膜では、一旦付
着した汚染物質が雨水などにより洗い流され易い性質が
あると推測される。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、耐汚染性に優れる含フ
ッ素塗料が容易に得られる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年8月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 含フッ素塗料組成物およびその製造
方法
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 犬飼 宏 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社名古屋総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸基含有単量体単位を5〜50モル%
    含む溶剤可溶性の含フッ素共重合体、アルコキシシラン
    の部分加水分解縮合物、ポリアルキレングリコールおよ
    び有機溶剤からなり、アルコキシシランの部分加水分解
    縮合物の含有量が、前記含フッ素共重合体100重量部
    当たり2〜100重量部であり、かつ、ポリアルキレン
    グリコールの含有量が、アルコキシシランの部分加水分
    解縮合物100重量部当たり1〜100重量部である含
    フッ素塗料組成物。
  2. 【請求項2】 ポリアルキレングリコールがポリエチレ
    ングリコールである請求項1記載の含フッ素塗料組成
    物。
  3. 【請求項3】 水酸基含有単量体単位を5〜50モル%
    含む溶剤可溶性の含フッ素共重合体、該含フッ素共重合
    体100重量部当たり2〜100重量部の部分加水分解
    縮合物を形成する量のアルコキシシラン、前記部分加水
    分解縮合物100重量部当たり1〜100重量部のポリ
    アルキレングリコ−ルおよび有機溶剤を用い、前記含フ
    ッ素共重合体および/または前記ポリエチレングリコ−
    ルの部分量または全量の共存下に前記有機溶剤中でアル
    コキシシランを加水分解させて部分加水分解縮合物を形
    成させ、該加水分解時に共存させない前記含フッ素共重
    合体および/または前記ポリエチレングリコ−ルがある
    ときは、それらを添加配合することを特徴とする請求項
    1または請求項2記載の含フッ素塗料組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6433076B1 (en) * 1997-07-24 2002-08-13 Sk Kaken Co., Ltd. Low-staining agent for aqueous paint, low-staining aqueous paint composition, and process for use thereof
KR100391012B1 (ko) * 1999-12-14 2003-07-12 서일화학 주식회사 저 마찰 초내열 탄성도료
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EP1422280A1 (en) * 2001-07-31 2004-05-26 Asahi Glass Company Ltd. STAINPROOFING AGENTS, COATING COMPOSITIONS CONTAINING THE SAME AND COATED ARTICLES

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