JPH06242673A - 現像装置 - Google Patents

現像装置

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JPH06242673A
JPH06242673A JP5117961A JP11796193A JPH06242673A JP H06242673 A JPH06242673 A JP H06242673A JP 5117961 A JP5117961 A JP 5117961A JP 11796193 A JP11796193 A JP 11796193A JP H06242673 A JPH06242673 A JP H06242673A
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Toshihiro Sugiyama
敏弘 杉山
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 層厚規制用のブレード9の現像ローラ8接触
部を絶縁性材料で構成した現像装置において、ブレード
9と現像ローラ8との対向部でトナーを往復運動させて
凝集を防止し、現像ローラ8上に十分な帯電量の均一な
トナー層を長期にわたって安定に形成でき、かつ現像装
置外へのトナー飛散を防止できるようにする。 【構成】 上記ブレード9を導電層9a上に絶縁層9b
を積層して構成し、絶縁層9aが現像ローラ8にエッジ
当て又は腹当てで接触するようにケーシング7に取り付
ける。上記導電層9aには絶縁層9aと現像ローラ8と
の接触部に直流成分が重畳された交番電界を形成するた
めのブレード電圧を、ブレードバイアス電源12によっ
て印加する。この直流成分は、この直流成分と上記現像
バイアス電圧との電位差で所定極性に帯電したトナーが
現像ローラ8表面側への静電気力を受けるように設定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、ファクシミ
リ、プリンター等の画像形成装置に用いられる現像装置
に係り、詳しくは、現像剤担持体表面に一成分現像剤を
担持して潜像担持体との対向部に搬送し該潜像担持体上
の潜像を現像する現像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種の現像装置として、特開昭5
4−155043号公報には、導電性表面を有する現像
剤担持体に一成分現像剤を供給して電圧の印加された電
極によって該現像剤を所定の極性に帯電させ、静電潜像
を現像する方法において、該電極に直流の重畳された交
流電圧を印加することを特徴とするものが開示されてい
る。これによれば、一成分現像剤を、現像剤担持体で搬
送する間に交流電圧の印加された電極によって帯電させ
るので、帯電された現像剤が帯電量分布を持つことにな
り、階調性の再現性に優れた画像を得ることができると
されている。また、特開昭55−120054号公報に
は、現像剤層を表面に担持した現像剤担持体表面に所定
間隔をおいて対向する現像剤厚み規制部材を設け、両部
材の間隙に交番すべく外部振動電界を与えることを特徴
とするものが開示されている。これによれば、現像剤担
持体と現像剤厚み規制部材との間隙で、外部振動電界に
よって現像剤を往復運動させて凝集を防止し、これによ
り、現像剤担持体上に長期にわたって安定に均一な現像
剤の層を形成できるとされている。更に、特開昭59−
174861号公報には、非磁性の担持体に一成分現像
剤を供給し、該担持体に近接して配置された規制部材で
該現像剤を圧接することよって薄く均一な層として表面
に静電潜像を保持する保持体に送り、該静電潜像に現像
剤を付着させる現像装置において、該規制部材を、交番
電圧が印加される導電材料からなる電極層と、この電極
層上に該担持体側に配置されるように積層された絶縁層
とから構成することを特徴とするものが開示されてい
る。これによれば、上記電極層への交番電界の印加によ
り規制部材をその交番電界の周波数に同期して振動させ
ることによって、規制部材の現像剤に対する圧接力を低
くしても担持体上に薄くかつ均一な現像剤の層を安定的
に形成できるとされている。また、潜像担持体に向いた
ケーシングの開口から部分的に露出し、少なくとも部分
的に現像剤を所定極性に摩擦帯電し得る誘電体材料から
なる、表面が、一成分現像剤を担持して潜像担持体との
対向部に搬送した後に該ケーシング内に戻るように移動
する現像剤担持体を有する現像装置も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特開昭
54−155043号公報では、主に、導電体からなる
電極を用いて現像剤を直接帯電させる方式について言及
され、現像剤担持体との接触部が絶縁性材料で構成され
た層厚規制部材を用い、必要に応じて該層厚規制部材の
絶縁性材料部分や現像剤担持体の誘電体材料部分と、ト
ナーとの摩擦によるトナー帯電を併用する場合について
は、触れられていない。また、上記特開昭55−120
054号公報では、外部振動電界を与える現像剤厚み規
制部材を、現像剤担持体表面に所定間隔をおいて対向す
るように設けているので、外部振動電界によって振動す
る現像剤(特に非磁性トナー)が、該規制部材と現像剤
担持体表面との間隙を通って現像装置外に飛散する恐れ
があった。また、上記特開昭59−174861号公報
に開示の構成によれば、現像剤担持体上の現像剤に圧接
する規制部材を、交番電圧を印加して交番電界の周波数
に同期して振動させ、現像剤を該規制部材の絶縁層に衝
突させて、摩擦帯電させるものであり、規制部材に印加
する交番電圧で現像剤を電気的に直接帯電させることに
ついての配慮がされていない。従って、現像剤を十分帯
電できない恐れがあった。
【0004】本発明は以上の問題点に鑑みなされたもの
であり、その目的とするところは、層厚規制部材の少な
くとも現像剤担持体接触部を絶縁性材料で構成した現像
装置において、該層厚規制部材と現像剤担持体との対向
部で現像剤を往復運動させて凝集を防止し、現像剤担持
体上に十分な帯電量の均一な現像剤の層を長期にわたっ
て安定に形成できるようにするとともに、現像装置外へ
の現像剤の飛散を防止できる現像装置を提供することで
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、現像剤担持体と該現像剤担持
体上に担持する一成分現像剤の層厚を規制する層厚規制
部材とを有する現像装置において、該層厚規制部材の少
なくとも該現像剤担持体接触部を絶縁性材料で構成し、
かつ、該層厚規制部材と該現像剤担持体との間に、所定
極性に帯電した現像剤を該層厚規制部材側から該現像剤
担持体側へ向かわせる向きの電界を形成する直流成分が
重畳された、交番電界を形成する電圧を印加する電圧印
加手段を設けたことを特徴とするものである。請求項2
の発明は、現像剤担持体と該現像剤担持体上に担持する
一成分現像剤の層厚を規制する層厚規制部材とを有する
現像装置において、該層厚規制部材の少なくとも該現像
剤担持体接触部を絶縁性材料で構成し、かつ、該層厚規
制部材と該現像剤担持体との間に、直流成分が重畳され
た交番電界を形成する電圧を印加する電圧印加手段と、
該直流成分を可変する直流可変手段とを設けたことを特
徴とするものである。請求項3の発明は、請求項1又は
2の現像装置において、上記層厚規制部材を腹当てで上
記現像剤担持体に当接させ、該現像剤担持体表面の移動
方向において、該腹当ての部分よりも上流側及び下流側
で、微小な間隙をおいて両部材の表面部分を対向させる
ようにしたことを特徴とするものである。請求項4の発
明は、請求項1又は2の現像装置において、上記層厚規
制部材を板状部材で構成し、該層厚規制部材を上記現像
剤担持体に押圧して湾曲させた状態で取り付けたことを
特徴とするものである。請求項5の発明は、請求項1又
は2の現像装置において、上記層厚規制部材の現像剤担
持体と対向する面を、Si系材料、PTFE系材料、S
i系材料とPTFE系材料との合成材料などで形成した
ことを特徴とするものである。請求項6の発明は、請求
項1又は2の現像装置において、上記層厚規制部材の現
像剤担持体と対向する面の粗さを現像剤粒径の1/3以
下の表面粗さにしたことをことを特徴とするものであ
る。請求項7の発明は、請求項1又は2の現像装置にお
いて、上記層厚規制部材に印加する上記印加電圧を、該
層厚規制部材からの放電開始電圧以上に設定したことを
特徴とするものである。請求項8の発明は、請求項1又
は2の現像装置において、上記交番電界のピーク・ツウ
・ピーク電圧を、直流の放電開始電圧の2倍以上に設定
したことを特徴とするものである。請求項9の発明は、
上記現像剤担持体表面に対向する上記層厚規制部材の表
面又は該現像剤担持体表面の少なくとも一部が、導電性
である請求項1又は2の現像装置において、該層厚規制
部材の上記電圧印加回路内における時定数が、1/(2
πf)よりも十分大きくなるように、該層厚規制部材を
構成したことを特徴とするものである。但し、ここでπ
は円周率、fは上記交番電界の周波数である。請求項1
0の発明は、請求項1又は2の現像装置において、上記
現像剤担持体の軸線方向において、該現像剤担持体上の
現像剤を担持させる領域よりも外側の領域に対向する、
上記層厚規制部材部分を、該現像剤を担持させる領域に
対向する部分よりも大きな電気抵抗になるように構成し
たことを特徴とするものである。請求項11の発明は、
潜像担持体に向いたケーシングの開口から部分的に露出
し、少なくとも部分的に現像剤を所定極性に摩擦帯電し
得る誘電体材料からなる、表面が、一成分現像剤を担持
して潜像担持体との対向部に搬送した後に該ケーシング
内に戻るように移動する現像剤担持体と、該ケーシング
内に戻ってきた該現像剤担持体表面に自由端部を接触さ
せて、該ケーシング内の現像剤が該開口から流出するの
を防止する流出防止部材とを有する現像装置において、
該流出防止部材の少なくとも該現像剤担持との接触部分
を、現像剤の所定の帯電極性とは逆の極性に該誘電体材
料を摩擦帯電し得る材料で形成したことを特徴とするも
のである。請求項12の発明は、請求項11の現像装置
において、上記接触部分を、現像剤を摩擦帯電しない材
料又は現像剤を現像剤の所定の帯電極性とは逆の極性に
摩擦帯電し得る材料で形成したことを特徴とするもので
ある。請求項13の発明は、請求項11の現像装置にお
いて、上記流出防止部材と現像剤担持体との間に、交番
電界を形成する電圧を印加する電圧印加手段を設けたこ
とを特徴とするものである。請求項14の発明は、請求
項13の現像装置において、上記流出防止部材の、固定
端側を絶縁性材料で、自由端側を導電性材料で、それぞ
れ形成し、該絶縁性材料からなる部分が上記現像剤担持
体に接触し、かつ該導電性材料からなる部分が該現像剤
担持体との接触部よりも上記ケーシング内奥側に延在す
るように取り付け、該導電性材料からなる部分に上記電
圧を印加したことを特徴とするものである。請求項15
の発明は、請求項13の現像装置において、上記流出防
止部材を板状部材で構成し、該流出防止部材を上記現像
剤担持体に押圧して湾曲させた状態で取り付けたことを
特徴とするものである。請求項16の発明は、請求項
1、2又は13の現像装置において、上記現像剤担持体
として、誘電体部と接地された導電体部とが規則的又は
不規則的に微小面積で表面に露出したものを用いること
を特徴とするものである。請求項17の発明は、現像剤
担持体と該現像剤担持体上に担持する一成分現像剤の層
厚を規制する層厚規制部材とを有する現像装置におい
て、該現像剤担持体を潜像担持体に下方から対向するよ
うに配設し、該層厚規制部材を、該現像剤担持体に接触
する自由端部が該現像剤担持体と該潜像担持体との対向
部に位置するように配設し、かつ、該層厚規制部材に、
該層厚規制部材と該現像剤担持体との間に、交番電界を
形成する電圧を印加する電圧印加手段を設けたことを特
徴とするものである。請求項18の発明は、請求項17
の現像装置において、上記現像剤担持体の少なくとも上
記対向部に位置する箇所を、中抵抗材と絶縁材を積層し
て構成し、かつ、該絶縁材の表面が上記潜像担持体に対
向するように配設したことを特徴とするものである。請
求項19の発明は、請求項18の現像装置において、上
記絶縁材の上記電圧印加回路内における時定数が、1/
(2πf)よりも十分大きくなるように、該層厚規制部
材を構成したことを特徴とするものである。但し、ここ
でπは円周率、fは上記交番電界の周波数である。
【0006】
【作用】請求項1の発明においては、現像剤担持体に層
厚規制部材を接触させて配置することによって、両部材
の対向部を介して現像剤が外部に飛散するのを防止す
る。そして、両部材の間に交番電界を形成する電圧を印
加して、両部材の対向部を通過する現像剤を振動させ、
これにより、該対向部近傍での現像剤の滞留を防止す
る。更に、該電圧として、所定極性に帯電した現像剤を
該層厚規制部材側から該現像剤担持体側へ向かわせる向
きの電界を形成する直流成分が重畳された交番電界を形
成するものを用い、これにより、層厚規制部材で現像剤
を電気的に直接帯電さることを可能にする。
【0007】請求項2の発明においては、現像剤担持体
に層厚規制部材を接触させて配置することによって、両
部材の対向部を介して現像剤が外部に飛散するのを防止
する。そして、両部材の間に交番電界を形成する電圧を
印加して、両部材の対向部を通過する現像剤を振動さ
せ、これにより、該対向部近傍での現像剤の滞留を防止
する。更に、該電圧として、直流成分が重畳された交番
電界を形成するものを用い、かつ、該直流成分を可変に
し、これにより、該直流成分の調整で現像剤の帯電量や
層厚を調整可能にする。ここで、上記直流成分は、所定
極性に帯電した現像剤を該層厚規制部材側から該現像剤
担持体側へ向かわせる向きの電界を形成するものであっ
ても良いし、該向きとは逆の向きの電界を形成するもの
であっても良い。いずれにおいても、この直流成分に応
じて現像剤の帯電量や層厚を調整できる。
【0008】請求項3の発明においては、上記層厚規制
部材を腹当てで上記現像剤担持体に当接させ、該現像剤
担持体表面の移動方向において、該腹当ての部分よりも
上流側のみならず、この部分よりも下流側にも、微小な
間隙をおいて両部材の表面部分が対向する領域を形成
し、該領域で交番電界により現像剤を振動させる。
【0009】請求項4の発明においては、上記層厚規制
部材を板状部材で構成し、該層厚規制部材を上記現像剤
担持体に押圧して湾曲させた状態で取り付け、これによ
り、該層厚規制部材が直線的な状態で取り付けられる場
合に比して、交番電界が作用する範囲を限定する。
【0010】請求項5の発明においては、上記層厚規制
部材の現像剤担持体と対向する面を、Si系材料、PT
FE系材料、Si系材料とPTFE系材料との合成材料
などで形成して、該対向する面に現像剤が付着しにくく
する。
【0011】請求項6の発明においては、上記層厚規制
部材の現像剤担持体と対向する面の粗さを現像剤粒径の
1/3以下の表面粗さにして、該層厚規制部材と現像剤
担持体との接触部を、現像剤が通過し易くする。
【0012】請求項7の発明においては、上記層厚規制
部材に印加する上記印加電圧を、該層厚規制部材からの
放電開始電圧以上に設定し、これにより、層厚規制部材
から放電を起こして、この放電の電荷でも現像剤を帯電
できるようにする。
【0013】請求項8の発明においては、上記交番電界
のピーク・ツウ・ピーク電圧を、直流の放電開始電圧の
2倍以上に設定し、これにより、層厚規制部材からの放
電のむらを少なくする。
【0014】請求項9の発明においては、上記現像剤担
持体表面に対向する上記層厚規制部材の表面又は該現像
剤担持体表面の少なくとも一部が、導電性である請求項
1又は2の現像装置において、該層厚規制部材の上記電
圧印加回路内における時定数が、1/(2πf)よりも
十分大きくなるように、該層厚規制部材を構成し、これ
により、該層厚規制部材からの放電によっても該層厚規
制部材と現像剤担持体とがリークしないようにする。
【0015】請求項10の発明においては、上記現像剤
担持体の軸線方向において、該現像剤担持体上の現像剤
を担持させる領域よりも外側の領域に対向する、上記層
厚規制部材部分を、該現像剤を担持させる領域に対向す
る部分よりも大きな電気抵抗になるように構成し、これ
により、現像剤が担持されている領域に比してリークが
生じやすい現像剤が担持されていない領域においても確
実にリークを防止できるようにする。
【0016】請求項11の発明においては、流出防止部
材によりケーシング内の現像剤が潜像担持体に向いたケ
ーシングの開口から外部に流出するのを防止する。そし
て、該流出防止部材の少なくとも該現像剤担持との接触
部分を、現像剤の所定の帯電極性とは逆の極性に該誘電
体材料を摩擦帯電し得る材料で形成し、流下防止部材と
現像剤担持体の誘電体材料表面との摩擦によって、該誘
電体材料表面を現像剤の所定の帯電極性とは逆の極性に
摩擦帯電する。
【0017】請求項12の発明においては、上記流出防
止部材の現像剤担持体との接触部分を、現像剤を摩擦帯
電しない材料又は現像剤を現像剤の所定の帯電極性とは
逆の極性に摩擦帯電し得る材料で形成し、流下防止部材
と現像剤との摩擦によっては、現像剤の帯電極性の電荷
量を増加させないか、又は、減少させるようにする。
【0018】請求項13の発明においては、電圧印加手
段で、上記流出防止部材と現像剤担持体との間に、交番
電界を形成し、現像剤担持体上の未現像の現像剤を、該
流下防止部材と現像剤担持体との間で、この交番電界に
より振動させて現像剤担持体から剥離し易くさせ、新し
い現像剤との入れ替えを促進させる。
【0019】請求項14の発明においては、上記流出防
止部材の、固定端側の絶縁性材料部分を記現像剤担持体
に接触させて、ケーシング内の現像剤がケーシングの開
口から外部に流出するのを防止する。そして、該流下防
止部材の現像剤担持体との接触部よりも上記ケーシング
内奥側に延在する、該流下防止部材の自由端側の導電性
材料部分に、交番電界を形成する電圧を印加し、これよ
り、ケーシング内奥側に位置する導電性材料部分と現像
剤担持体との対向部で、交番電界により現像剤担持体上
の未現像の現像剤を振動させ、その現像剤担持体からの
剥離を促進させる。
【0020】請求項15の発明においては、上記流出防
止部材を板状部材で構成し、該流出防止部材を上記現像
剤担持体に押圧して湾曲させた状態で取り付け、これに
より、この湾曲度合いに応じて、上記交番電界の作用範
囲を規制できるようにする。
【0021】請求項16の発明においては、請求項1、
2、7又は13の現像装置において、上記現像剤担持体
として、誘電体部と接地された導電体部とが規則的又は
不規則的に微小面積で表面に露出したものを用い、この
現像剤担持体の誘電体部と、これに接触し得る部材、例
えば、層厚規制部材や流下防止部材などとの摩擦によ
り、該誘電体部を帯電させて上記導電体部との間に微小
な閉電界を形成させる。この微小閉電界により現像剤担
持体上に十分な量の現像剤を担持しえるよいにする。こ
こで、請求項1又は2の現像装置においては、層厚規制
部材と現像剤担持体との間の交番電界によって現像剤が
振動するときに、上記微小閉電界の作用も受け、現像剤
担持体の誘電体部と現像剤との接触が促進される。特に
請求項7の現像装置においては、層厚規制部材からの放
電の電荷を該誘電体部を帯電させるのに利用できる。ま
た、請求項13の現像装置においては、流下防止部材と
現像剤担持体との対向部に形成される交番電界により現
像剤担持体上の未現像の現像剤を剥離させ、これによ
り、上記微小閉電界の強力な現像剤吸引力によって現像
剤の固着が生じないようにする。
【0022】請求項17の発明においては、該現像剤担
持体上に担持する一成分現像剤の層厚を規制する層厚規
制部材と現像剤担持体との間に、電圧印加手段で電圧を
印加して交番電界を形成し、両部材の対向部を通過する
現像剤を振動させ、これにより、該対向部を通過した現
像剤担持体上に均一な現像剤層を形成する。そして、こ
の現像剤層を下方から潜像担持体表面に対向させて現像
を行う。ここで、現像剤担持体と該潜像担持体との対向
部には、交番電界を形成する電圧が印加された該層厚規
制部材の自由端部も位置しているので、該対向部におけ
る、該自由端部と該潜像担持体との間にも交番電界が形
成される。よって、仮に現像剤担持体上から不必要な現
像剤が飛散しても、この交番電界によって層厚規制部材
側に引き戻され、更に現像剤担持体上に戻される。この
ような不必要な現像剤の現像剤担持体への回収には、現
像剤担持体が潜像担持体に下方から対向するように配設
されていることから、現像剤の自重落下も寄与する。
【0023】請求項18の発明においては、請求項17
の現像装置において、上記現像剤担持体の少なくとも上
記対向部に位置する箇所を、中抵抗材と絶縁材を積層し
て構成し、かつ、該絶縁材の表面が上記潜像担持体に対
向するように配設し、これにより、中抵抗材への上記電
圧の印加によっても、該潜像担持体と該潜像担持体との
間に放電が起きにくいようにする。
【0024】請求項19の発明においては、請求項18
の現像装置において、上記絶縁材の上記電圧印加回路内
における時定数が、1/(2πf)よりも十分大きくな
るように、該層厚規制部材を構成し、これにより、該層
厚規制部材に十分な絶縁耐圧をもたせて潜像担持体との
間で放電が起こらないようにする。
【0025】
【実施例】以下、本発明を画像形成装置である電子写真
複写機(以下、複写機という)に適用した一実施例につ
いて説明する。図1は本実施例に係る複写機の概略構成
図である。まず、複写機全体の概略について説明する
と、潜像担持体としての感光体ドラム(以下、感光体と
いう)1は矢印時計回りに回転駆動される。この感光体
1の回りには、一様帯電器2、図示しない潜像形成光学
系、現像装置3、転写帯電器4、クリーニング装置5、
除電器6なでが配設されている。この構成において、2
で帯電された感光体1表面に潜像形成光学系に光像が結
像露光されて静電潜像が形成される。この静電潜像が3
で現像され感光体1表面にトナー像が形成される。この
トナー像が転写帯電器4で図示しない給紙搬送手段によ
って感光体1表面に搬送された転写紙に転写され、図示
しない定着装置を通って機外に排出される。一方、転写
後の感光体1表面は、クリーニング装置5で残留トナー
が除去された後に除電器6で残留電荷が除電され、次の
作像に備えられる。
【0026】次に現像装置3について説明する。本実施
例の現像装置3は、感光体1表面に向けた開口を備えた
ケーシング7と、該開口から部分的に露出し、矢印反時
計回りに回転駆動される現像剤担持体としての現像ロー
ラ8と、現像ローラ8表面の開口出口部で現像ローラ8
表面に接触するようにケーシング7に取り付けられた層
厚規制部材としてのブレード9と、ケーシング7内のト
ナー収容部内のトナーを撹拌するとともに現像ローラ8
表面とブレード9との接触部に向けて搬送する撹拌搬送
手段としてのアジテータ10とを備えている。ここで、
上記現像ローラ8としては、軸線方向において少なくと
も現像幅に対応した領域の全表面が絶縁性材料で形成さ
れているもの、少なくとも該領域の全表面が例えば金属
や導電性樹脂などからなる導体や低抵抗体で形成されて
いるもの、後に詳述するように、少なくとも該領域の表
面に、誘電体部と接地された導電体部とが規則的又は不
規則的に微小面積で表面に露出したもの、などを用いる
ことができる。いずれの場合にも現像ローラ8表面の少
なくとも一部をトナー摩擦帯電用に利用する場合には、
そのトナー摩擦帯電用に利用する表面部分の材質とし
て、摩擦帯電系列上でのトナーとの関係が、現像に使用
するための所定極性にトナーを帯電し得る材料を選定す
る。そして、この現像ローラ8には感光体1と対向する
現像領域に所定の現像電界を形成するための現像バイア
ス電圧VRが現像バイアス電源11によって印加されて
いる。なお、上記現像ローラ8は図1に示すように所定
ギャップGをおいて感光体1表面と対向するように配設
しても良いし、感光体1表面に接触するように配置して
も良い。また、上記アジテータ10は、トナーが自重で
順次現像ローラ8とブレード9の接触部に移動するよう
に、トナー収容部を構成するケーシング7壁内面を形成
した場合には省略できる。
【0027】そして、本実施例においては、例えば図2
(a)に示すように、上記ブレード9が導電層9a上に
絶縁層9bを積層して形成されている。この導電層9a
は導電性ゴム(例えばカーボン分散型ウレタン)板や厚
さ0.1mm程度の金属弾性板で構成される。上記絶縁層
9bは、例えばトナーが付着しにくい、Si系材料、P
TFE系材料、Si系材料とPTFE系材料との合成材
料などの絶縁性材料を導電層9a上に約100μmの厚
さに塗布して形成される。この絶縁性材料は、絶縁層9
aをトナーの摩擦帯電用に利用する場合には、摩擦帯電
系列上でのトナーとの関係が、現像に使用するための所
定極性にトナーを帯電し得る材料を選定する。またブレ
ード9表面へのトナー固着やフィルミングの要因になる
該表面近傍でのトナー滞留を防止するためには、上記絶
縁層9bの表面粗さをトナー粒径の3分の1以下に設定
することが望ましい。
【0028】また、後述するブレードバイアスの印加に
よって現像ローラ8表面との間のリークが生じないよう
にすめたに、上記絶縁層9aは抵抗Rが、 R>1/(2πfC) の関係を満足するように形成することが望ましい。ここ
で、πは円周率、fは後述するブレードバイアスの交流
周波数、Cは上記絶縁層9aの容量である。但し、上述
のように現像ローラ8表面の少なくとも一部が導電や低
抵抗体である現像ローラ8を用いる場合には、上記リー
クを確実に防止するために、ブレード9の抵抗Rが、 R≫1/(2πfC) の関係を満足するように形成することが望ましい。ま
た、現像ローラ8の軸線方向における両端部には絶縁性
トナーが担持されないので、トナーが担持されている領
域よりも上記リークが生じやすい。よって、特にこの両
端部が導体で構成されていたり、ブレードバイアスの具
体的な大きさによって上記リークが生じる恐れが高かっ
たりする場合には、このようなトナーが担持されない現
像ローラ8表面に対向するブレード9部分を、トナーが
担持されている現像ローラ8領域に対向するブレード9
部分の抵抗に比して、例えば1桁大きい抵抗になるよう
に構成することが望ましい。
【0029】このような構成からなるブレード9を、絶
縁層9aが現像ローラ8に接触するようにケーシング7
に取り付ける。具体的には図2(a)のようにブレード
9が現像ローラ8表面にほぼエッジ当てになるように取
り付けても良いし、例えば図2(b)に示すように腹当
てになるように取り付けても良い。ここで、図2(a)
のようにブレード9の自由端部がその固定端部よりも現
像ローラ表面移動方向下流側になるようにしてエッジ当
てした場合には、図中に円Iで示すように、両者の接触
部よりも現像ローラ表面移動方向上流側で、微小な楔状
の間隙(以下、入り口楔部という)をおいて両部材表面
が対向する領域が生じる。また図2(b)のように腹当
てした場合には、図中に円Eで示すように両者の接触部
よりも現像ローラ表面移動方向下流側にも、微小な楔状
の間隙(以下、出口楔部という)をおいて両部材表面が
対向する領域が生じる。
【0030】そして、上記導電層9aには絶縁層9aと
現像ローラ8との接触部に直流成分が重畳された交番電
界を形成するためのブレード電圧がブレードバイアス電
源12によって印加されている。このブレード電圧とし
ては、直流成分を重畳した交流などを用いることができ
る。この直流成分は、この直流成分VBLと上記現像バイ
アス電圧VRとの電位差で所定極性に帯電したトナーが
現像ローラ8表面側への静電気力を受けるように設定す
ることが望ましい。また例えば図2(a)に示すように
可変直流電源を用いて直流成分を可変できるようにして
も良い。またこのブレード電圧を、放電開始電圧以上に
なるように設定し、放電電荷をトナー帯電に寄与させる
ようにしても良い。例えば厚さ0.1mm程度の金属弾性
板上に絶縁性材料を約100μmの厚さに塗布したブレ
ード9の場合、上記直流成分VBLがほぼ500ボルト以
上で、上記交流のピーク・ツウ・ピーク電圧Vppが、 Vpp≧2×|VBL−VR| の関係を満足し、かつ、上記交流の周波数が500Hz
乃至2000Hzの範囲内で、良好な結果が得られた。
【0031】以上の構成において、現像ローラ8の回転
によって現像ローラ8とブレード9の接触部に搬送され
る現像ローラ8表面上のトナーTは、上記入り口楔部I
で、例えば図3(a)に示すように、交番電界Eの静電
気力を受け、振動しながら接触部に侵入していく。ここ
で、トナーTが振動するので、入り口楔部Iでのトナー
凝集を防止できる。また、この振動によりトナーが現像
ローラ8やブレード9の表面に繰り返し衝突するので、
これらの表面をトナー摩擦帯電用に使用する場合には、
良好なトナー帯電量を得ることができる。更に、上記ブ
レード電圧を放電開始電圧以上にしている場合には、放
電電荷によるトナー帯電又はトナー帯電量の向上を図れ
る。特に、図2(b)及び図3(b)に示すように、ブ
レード9を腹当てにしている場合には、現像ローラ8と
ブレード9の接触部で所定の層厚にされたトナー層のト
ナーTが出口楔部Xでも振動して多数回、現像ローラ8
やブレード9の表面に衝突するので、よりトナー帯電性
を安定させることができる。従って、十分に帯電したト
ナーTからなる均一なトナー層を感光体1に供給するこ
とができ、かつ、ブレード9へのトナー固着を防止でき
る。更に、上記交番電界によりトナー振動で現像ローラ
8表面に付着したトナーTを剥離することは、現像ロー
ラ8表面でのトナーフィルミング防止上も有効である。
【0032】なお、上記実施例においては、ブレード9
を導電層9a上に絶縁層9bを積層して形成したが、ブ
レード9を絶縁体のみで構成することもできる。この場
合にも、このブレード9自体に上記実施例と同様のブレ
ード電圧を印加することによって、入り口楔部や出口楔
部でトナーを振動させ、また、ブレード電圧を放電開始
電圧以上に設定しておくことによって、摩擦帯電に加
え、放電電荷によるトナー帯電を行うこともできる。例
えば、抵抗が1014Ω・cm以上で、厚みが100μm程
度のブレード9を用い、上記直流成分VBLがほぼ−50
0ボルト以上で、上記交流のピーク・ツウ・ピーク電圧
ppが、直流の放電開始電圧の2倍以上で、かつ、周波
数が500Hz乃至2000Hzの範囲内のブレード電
圧を用いたところ、良好な結果が得られた。この場合、
現像ローラ8とブレード9との間の十分な耐圧を維持す
るために、少なくともブレード電圧印加の電極と現像ロ
ーラ8の導電性基体との間の時定数τ(抵抗Rと容量C
の積)が、 τ≫1/(2πf) の関係を満足するように設定した。
【0033】また、現像ローラ8表面移動方向で下流側
の部分が同方向上両側の部分よりも抵抗Rが小さくなる
ように形成したブレード9を用いれば、両部分に振動と
放電によるトナーへの電荷付与を分担させることもでき
る。
【0034】更に、上記直流成分を調整できるように構
成しておけば、現像ローラ8の線速の設定を変更する場
合に、この直流成分を調整して現像ローラ8の線速に応
じた良好なトナー帯電量や層厚を得られるようにするこ
とができる。更に、交流のピーク・ツウ・ピーク電圧や
周波数も調整可能に構成しておいても良い。
【0035】また、図2(a),(b)に示すように、
ブレード9を現像ローラ8に押圧して湾曲させた状態で
取り付ける場合には、交番電界の作用範囲を局所的に限
定でき、トナーの流れに与える影響を小さくできる。
【0036】次に、本発明の他の実施例に係る現像装置
について説明する。図4(a)は本実施例の現像装置の
概略構成図、図4(b)は同現像装置の部分拡大図であ
る。本実施例の現像装置が、上記実施例の装置と異なる
点は、現像ローラ8表面がケーシング7内に戻って来る
ケーシング7の下ケーシング内面と現像ローラ8表面と
の間に、流出防止部材としてのシールブレード13を設
けた点のみであり、本実施例においてもブレード9に所
定のブレード電圧が印加されている。上記シールブレー
ド13は下端縁がケーシング7の下ケーシング内面に固
定され上端縁部を現像ローラ8表面に接触させている。
このシールブレード13は、ケーシング7内のトナーが
現像ローラ8と下ケーシング内面との間を通ってケーシ
ング7開口部から流出するのを防止する他に、トナーを
所定極性に帯電するための誘電体で現像ローラ8表面を
構成した場合に、この表面のトナー帯電能力を維持させ
るとともにこの表面へのトナーフィルミングを防止する
目的を有している。このために、シールブレード13
は、現像ローラ8表面を所定のトナー帯電極性とは逆の
極性に摩擦帯電させるような材質、つまり、摩擦帯電系
列上、現像ローラ8表面材料をトナー帯電極性と逆極性
に摩擦帯電し得る材料で構成する。更に、トナーとの摩
擦によっては、トナーを帯電させないか、又は、積極的
に所定のトナー帯電極性のトナー電荷量を減少させるよ
うな材質、つまり、摩擦帯電系列上、トナーを摩擦帯電
しないか、又は、積極的にトナーを所定のトナー帯電極
性とは逆極性に摩擦帯電し得る材料で構成することが望
ましい。これによれば、現像ローラ8とシールブレード
13との接触部通過時に、現像ローラ8表面に付着して
ケーシング7内に戻ってきた未現像トナーに対する現像
ローラ8表面の束縛力を軽減させ、新しいトナーと入れ
替えることができる。従って、現像ローラ8表面に付着
し続け、何度も現像ローラ8とブレード9との接触部を
通過して現像ローラ8表面にフィルミングが生じて、現
像ローラ8表面のトナー摩擦帯電機能やトナー保持力を
低下させるのを防止できる。
【0037】更に、このシールブレード13と現像ロー
ラ8との対向部におけるトナー滞留を防止するために、
上記ブレード9と同様に交番電界を印加して、該対向部
でトナー振動させるようにしても良い。この場合、例え
ば図5に示すように、シールブレード13の、固定端側
を上記絶縁性材料で、自由端側を導電性材料で、それぞ
れ形成し、該絶縁性材料からなる部分が現像ローラ8に
接触し、かつ該導電性材料からなる部分が現像ローラ8
との接触部よりも上記ケーシング7内奥側に延在するよ
うに取り付け、該導電性材料からなる部分にシールブレ
ードバイアス電源14で上記電圧を印加するようにして
も良い。これによれば、現像ローラ8上の未現像トナー
をシールブレード13と現像ローラ8との接触部で、ト
ナーの所定の帯電極性の帯電量を減少させて現像ローラ
8表面の束縛力を弱めた後に、交番電界Eによりトナー
を振動させることができるので、該対向部でのトナーの
滞在を有効に防止でき、現像ローラ8表面のフィルミン
グを防止できる。従って、現像ローラ8による現像電界
の維持、現像ローラ8の現像剤搬送力やトナー帯電能力
の安定を図ることができる。なお、このシールブレード
13に印加する交流としては、ピーク・ツウ・ピーク電
圧が1000ボルト以上で、周波数が1000Hz程度
のもので十分に、このような効果が発揮されることが確
認できた。
【0038】また、図4(a)や図5に示すように、シ
ールブレード13を弾性材料で構成し、これを現像ロー
ラ8に押圧して湾曲させた状態で取り付ける場合には、
この湾曲度合いによって両部材表面で形成する楔状の間
隙の開き角度、すなわち未現像トナーを現像ローラ8表
面から剥離させる交番電界の作用範囲を調整できる。ま
たシールブレード13の自由端部の現像ローラ8への押
圧によってケーシング7内を密封できる。
【0039】ここで、上記各実施例における現像ローラ
8として好適な現像ローラ8について説明する。本出願
人は、現像ローラ8上に帯電量の安定したトナーを所望
量だけ付着させるために、例えば図6(a)に示すよう
に、表面が規則的または不規則的に微小面積で分布した
誘電体部15と接地された導電体部とからなる現像ロー
ラ8を用い、現像ローラ8面に接触する位置で回転する
現像剤供給部材としてトナー供給ローラ16を設け、現
像ローラ8とトナー供給ローラ16との圧接部において
トナーを摩擦帯電し、かつ、該誘電体部15をトナー供
給ローラ16及びトナーにより摩擦帯電して、図6
(b)に示すように現像ローラ8面近傍に多数の微小閉
電界E0を形成し、摩擦帯電されたトナーを、該微小閉
電界E0により現像ローラ8上に多層に担持させる現像
装置について出願を行なった(例えば、特願平2−15
110号参照)。かかる先願発明の現像装置によれば、
現像ローラ8上に帯電量の安定した多層のトナー層を形
成することが可能になる。ここで、上記誘電体部15の
大きさは、例えば径が50〜200μm程度になるよう
にする。両部の面積比としては、例えば誘電体部15の
面積が全体の40〜70%の範囲になるようにするのが
好ましい。図6(a)に示す現像ローラ8は、ローレッ
ト型のものであり、これは、芯金ローラの表面をローレ
ット加工して所定の溝を形成した後、絶縁性の例えば樹
脂をコートし、その後に表面を切削加工して芯金部が導
電体部として、溝内の樹脂が誘電体部15として、それ
ぞれ表面に露出するようにしたものである。このような
ローレット加工による現像ローラ8に限らず、例えば、
金属ローラ上に誘電粒子41aが分散された導電性樹脂
の層を形成した樹脂分散型の現像ローラ8を用いても良
い。
【0040】このような表面にトナーを担持するための
無数の微小閉電界E0が形成される現像ローラ8を、上
記各実施例の現像ローラ8として用いる場合には、種々
の相乗効果が発揮される。すなわち、図6(a)に示す
ように、現像ローラ8として無数の微小閉電界E0を形
成される現像ローラ8を用い、かつ、ブレード9に所定
のブレード電圧を印加する場合には、入り口楔部でブレ
ード電圧による交番電界によって振動するトナーは、入
り口楔部の現像ローラ8とブレード9との間隙が極めて
狭くなり、微小閉電界E0の作用範囲まで侵入した後に
は、現像ローラ8表面の誘電体部15とブレード9表面
との間で振動するようになり、トナーの特に誘電体部1
5との間の摩擦帯電を促進させることができる。更に、
上記ブレード電圧として放電開始電圧以上の電圧を用い
て放電させる場合には、放電電荷によってトナーの帯電
を高めるばかりでなく、誘電体部15にも電荷を付与し
て微小閉電界を強めることができる。更に、このような
放電による誘電体部15への電荷付与や、ブレード9に
よる誘電体部15の摩擦帯電により、誘電体部15に電
荷を付与するようにすることによって、上記トナー供給
ローラ16を省略することもできる。
【0041】また、現像ローラ8として無数の微小閉電
界E0を形成される現像ローラ8を用い、かつ、上記シ
ールブレード13を用いれば、シールブレード13によ
り未現像トナーの現像ローラ8表面からの剥離を行うこ
とで、現像ローラ8表面へのフィルミングを長期にわた
って防止できるので、現像ローラ8表面の誘電体部15
の摩擦帯電等による微小閉電界E0の形成を長期にわた
って安定に行うことができる。特に、上記シールブレー
ド13に所定の交流電圧を印加する場合には、上記剥離
能力が増大するので、強力なトナー吸引力故にフィルミ
ングが生じ易い上記現像ローラ8のフィルミングを有効
に防止できる。更に、このシールブレード13によって
誘電体部15を所定極性に摩擦帯電するようにしても、
上記トナー供給ローラ16を省略できるようになる。
【0042】次に、他の実施例に係る現像装置3につい
て説明する。図7(a)は本実施例の現像装置3を採用
した複写機の概略構成図、図7(b)は同現像装置3の
現像領域におけるトナー挙動の説明図である。この複写
機では、現像装置3を感光体1の下方に配置している。
これにともない一様帯電器2、転写帯電器4、クリーニ
ング装置5などが、上記図1の複写機での配設位置とは
ずれた位置に配設されている。この図7(a)中の符号
Aが図示しない潜像形成光学系からの露光光線の光路を
示し、また符号Bが転写紙の搬送経路を示している。複
写機全体の動作は図1の複写機と同様である。
【0043】本実施例の現像装置3は、感光体1表面に
対向するケーシング7の上部に現像ローラ8を部分的に
露出させるため開口が形成され、この開口から部分的に
露出するように回転駆動される現像ローラ8が配設され
ている。この現像ローラ8には図示しない電源から所定
の現像バイアスが印加されている。このケーシング7開
口から露出している現像ローラ9の表面に自由端部が接
触するようにケーシング7に層厚規制部材としてのブレ
ード9が取り付けられている。このブレード9は基端部
がケーシング7に固定され、自由端部が現像ローラ9表
面に接触しているので、現像ローラ9表面とケーシング
7開口縁部とのシール部材としても機能している。現像
ローラ8の回転により、このブレード9の当接部を通過
し、かつ直接感光体1表面に例えば非接触で対向した後
に、ケーシング7に戻ってきた現像ローラ8表面に自由
端部が接触するように、流出防止部材としてのシールブ
レード13がケーシング7に取り付けられている。ま
た、ケーシング7内には非磁性トナーからなる一成分系
現像剤が収容され、収容トナーを現像ローラ8表面に供
給するためのアジテータ10が設けられている。このア
ジテータ10に代え、現像ローラ8表面にトナーを摺擦
させながら供給するスポンジローラなどを用いても良
い。
【0044】ここで、本実施例において、図7(b)に
示すように、上記ブレード9に、ブレードバイアス電源
12によって現像ローラ9及び感光体1との間に交番電
界を形成するための電圧が印加されている。この印加電
圧としては例えば上記実施例におけるブレードバイアス
電源12の電圧と同様の電圧を用いることができる。ま
た、図示の例では、上記ブレード9が、中抵抗材からな
るブレード本体9aの感光体1側の面に絶縁層9bを積
層して形成されている。この中抵抗材は、これと現像ロ
ーラ9との間のトナー摩擦によりトナーを所定極性に摩
擦帯電する場合には、摩擦帯電系列上でのトナーとの関
係が、現像に使用するための所定極性にトナーを帯電し
得る材料を選定する。またブレード9表面へのトナー固
着やフィルミングの要因になる該表面近傍でのトナー滞
留を防止するためには、上記絶縁層9bの表面粗さをト
ナー粒径の3分の1以下に設定することが望ましい。更
に、上記絶縁層9bは、感光体1との間の放電を確実に
防止するために、時定数τ(抵抗Rと容量Cの積)が、 τ≫1/(2πf) の関係を満足するように設定することが望ましい。
【0045】そして、図示の例では、現像ローラ9に対
してブレード9の自由端縁部がほぼ感光体1の回転中心
の鉛直直下に位置するように取り付けられている。更
に、このブレード9は図7(b)に示すように現像ロー
ラ9に対して腹当てになっており、現像ローラ9との接
触部より、現像ローラ表面移動方向の上流及び下流で微
小な楔状の間隙をおいて両部材表面が対向する領域が生
じるようにされている。
【0046】以上の構成において、現像ローラ8の回転
によって現像ローラ8とブレード9の接触部に搬送され
る現像ローラ8表面上のトナーは、上記入り口楔部で、
例えば図7(b)に示すように、交番電界Eの静電気力
を受け、振動しながら接触部に侵入していく。ここで、
トナーが振動するので、入り口楔部でのトナー凝集を防
止できる。また、この振動によりトナーが現像ローラ8
やブレード9の表面に繰り返し衝突するので、これらの
表面をトナー摩擦帯電用に使用する場合には、良好なト
ナー帯電量を得ることができる。特に、図示のように、
ブレード9を腹当てにしている場合には、現像ローラ8
とブレード9の接触部で所定の層厚にされたトナー層の
トナーが出口楔部でも振動して多数回、現像ローラ8や
ブレード9の表面に衝突するので、よりトナー帯電性を
安定させることができる。従って、十分に帯電したトナ
ーTからなる均一なトナー層を感光体1に供給すること
ができ、かつ、ブレード9へのトナー固着を防止でき
る。そして、現像ローラ8表面が直接感光体1と対向す
る現像領域で、現像ローラ8上のトナーが感光体1の潜
像の像部に移転する。この現像領域ではブレード9と現
像ローラ8との間に形成されている交番電界により、あ
るいは、現像電界により、上記像部に付着しない不必要
なトナーも現像ローラ8上から離れて浮遊して外部に飛
散する恐れがある。しかし、本実施例においては、感光
体1と現像ローラ8との対向部に、所定電圧が印加され
たブレード9の先端部が位置しているので、感光体1と
ブレード9先端部との間の交番電界によってブレード9
側に引き戻され、更に現像ローラ9表面に戻される。特
に現像ローラ8が感光体1に下方から対向しているので
トナーの自重によっても現像ローラ8表面に戻される。
無論潜像の地肌部と現像ローラ9との間には現像ローラ
8側にトナーを移動させる電界が形成されている。
【0047】以上のように本実施例においては、現像ロ
ーラ8表面からトナー飛散を有効に防止できる。なお、
感光体1を線速120mm/秒で駆動しながら、マイナス
800Vの一様帯電を行った領域にネガ潜像を書き込
み、マイナス600Vの現像バイアスを現像ローラ8に
印加しながら反転現像を行った。このとき、ブレード9
として時定数が約1.7×104秒(上記絶縁層9b
が、抵抗値1017Ωcm、厚み0.1mm、静電容量0.1
8μF)を用い、これにマイナス600Vが重畳された
周波数0.5乃至1.5KHz、ピーク・ツウ・ピーク
電圧1.5KVの交番電圧を印加した。これによれば、
十分なブレードの耐圧が得られた。なお、上記絶縁層9
b材料としては、Siのシート、ナイロン6(商標)、
ナイロン66(商標)が好適であった。
【0048】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、現像剤担持体
に層厚規制部材が接触しているので、両部材の対向部を
介して現像剤が外部に飛散するのを防止できる。また、
両部材の間に交番電界を形成して対向部を通過する現像
剤を振動させるので、該対向部近傍での現像剤の滞留を
防止して、層厚規制部材への現像剤の固着を防止できる
とともに、現像剤担持体表面や層厚規制部材表面を現像
剤の摩擦帯電用に利用する場合の摩擦帯電効果を向上で
きる。更に、該電圧として、定極性に帯電した現像剤を
該層厚規制部材側から該現像剤担持体側へ向かわせる向
きの電界を形成する直流成分が重畳された交番電界を形
成するものを用いるので、層厚規制部材で現像剤を電気
的に直接帯電さることを可能になる。
【0049】請求項2の発明によれば、現像剤担持体に
層厚規制部材が接触しているので、両部材の対向部を介
して現像剤が外部に飛散するのを防止できる。また、両
部材の間に交番電界を形成する電圧を印加して、両部材
の対向部を通過する現像剤を振動させるので、該対向部
近傍での現像剤の滞留を防止して、層厚規制部材への現
像剤の固着を防止できるとともに、現像剤担持体表面や
層厚規制部材表面を現像剤の摩擦帯電用に利用する場合
の摩擦帯電効果を向上できる。更に、該電圧として、直
流成分が重畳された交番電界を形成するものを用い、か
つ、該直流成分を可変にしているので、該直流成分の調
整で現像剤の帯電量や現像剤を調整できる。
【0050】請求項3の発明によれば、上記層厚規制部
材を腹当てで上記現像剤担持体に当接させ、該現像剤担
持体表面の移動方向において、該腹当ての部分よりも上
流側のみならず、この部分よりも下流側にも、微小な間
隙をおいて両部材の表面部分が対向する領域を形成し、
該領域で交番電界により現像剤を振動させるので、上記
現像剤固着防止などの効果を一層高めることができる。
【0051】請求項4の発明によれば、上記層厚規制部
材を板状部材で構成し、該層厚規制部材を上記現像剤担
持体に押圧して湾曲させた状態で取り付け、これによ
り、該層厚規制部材が直線的な状態で取り付けられる場
合に比して、交番電界が作用する範囲を限定するので、
交番電界の作用範囲が広過ぎることによる現像剤飛散を
防止できる。
【0052】請求項5の発明によれば、上記層厚規制部
材の現像剤担持体と対向する面を、Si系材料、PTF
E系材料、Si系材料とPTFE系材料との合成材料な
どで形成して、該対向する面に現像剤が付着しにくくす
るので、規制部材への現像剤の固着が防止できるととも
に、層厚規制部材と現像剤担持体との間の交番電界の作
用を良好に維持できる。
【0053】請求項6の発明によれば、上記層厚規制部
材の現像剤担持体と対向する面の粗さを現像剤粒径の1
/3以下の表面粗さにして、該層厚規制部材と現像剤担
持体との接触部を、現像剤が通過し易くするので、層厚
規制部材への現像材固着が防止できる。また層厚規制部
材や現像剤担持体の表面との摩擦帯電よりこの接触部で
現像剤を帯電させる現像装置においても、接触部で帯電
した現像剤をスリップさせることなく、現像剤担持体表
面の移動によって該接触部から排出するすることができ
る。
【0054】請求項7の発明によれば、上記層厚規制部
材に印加する上記印加電圧を、該層厚規制部材からの放
電開始電圧以上に設定して、層厚規制部材から放電を起
こすので、この放電の電荷でも現像剤を帯電できる。ま
た、層厚規制部材や現像剤担持体の表面による摩擦帯電
で現像剤を帯電させる現像装置においても、摩擦帯電を
放電電荷による帯電でおぎなって現像剤の帯電を安定さ
せることができる。
【0055】請求項8の発明によれば、上記交番電界の
ピーク・ツウ・ピーク電圧を、直流の放電開始電圧の2
倍以上に設定しているので、層厚規制部材からの放電の
むらを少なくでき、十分な現像剤帯電量を得ることがで
きる。
【0056】請求項9の発明によれば、上記現像剤担持
体表面に対向する上記層厚規制部材の表面又は該現像剤
担持体表面の少なくとも一部が、導電性である請求項1
又は2の現像装置において、該層厚規制部材の上記電圧
印加回路内における時定数が、1/(2πf)よりも十
分大きくなるように、該層厚規制部材を構成し、これに
より、該層厚規制部材からの放電によっても該層厚規制
部材と現像剤担持体との間で直接リークしないようにす
るので、安定した現像剤層の形成ができる。また、放電
による現像剤の帯電を安定して行うことができる。
【0057】請求項10の発明によれば、上記現像剤担
持体の軸線方向において、該現像剤担持体上の現像剤を
担持させる領域よりも外側の領域に対向する、上記層厚
規制部材部分を、該現像剤を担持させる領域に対向する
部分よりも大きな電気抵抗になるように構成しているの
で、現像剤が担持されている領域に比してリークが生じ
やすい現像剤が担持されていない領域においても確実に
リークを防止できる。
【0058】請求項11の発明によれば、流出防止部材
によりケーシング内の現像剤が潜像担持体に向いたケー
シングの開口から外部に流出するのを防止できる。ま
た、該流出防止部材の少なくとも該現像剤担持との接触
部分を、現像剤の所定の帯電極性とは逆の極性に該誘電
体材料を摩擦帯電し得る材料で形成し、流下防止部材と
現像剤担持体の誘電体材料表面との摩擦によって、該誘
電体材料表面を現像剤の所定の帯電極性とは逆の極性に
摩擦帯電するので、該誘電体材料表面の初期帯電を該流
下防止部材によって行なうことができる。
【0059】請求項12の発明によれば、上記流出防止
部材の現像剤担持体との接触部分を、現像剤を摩擦帯電
しない材料又は現像剤を現像剤の所定の帯電極性とは逆
の極性に摩擦帯電し得る材料で形成し、流下防止部材と
現像剤との摩擦によっては、現像剤の帯電極性の電荷量
を増加させないか、又は、減少させるようにするので、
未現像の現像剤と現像剤担持体との吸引力を増加させな
いか又は減少させ、これにより、現像剤の現像剤担持体
への固着によるフィルミングを、流下防止部材によって
増加させないか、又は減少させるようにできる。
【0060】請求項13の発明によれば、電圧印加手段
で、上記流出防止部材と現像剤担持体との間に、交番電
界を形成し、現像剤担持体上の未現像の現像剤を、該流
下防止部材と現像剤担持体との間で、この交番電界によ
り振動させて現像剤担持体から剥離し易くさせるので、
新しい現像剤との入れ替えを促進できる。
【0061】請求項14の発明によれば、上記流出防止
部材の、固定端側の絶縁性材料部分を記現像剤担持体に
接触させているので、ケーシング内の現像剤がケーシン
グの開口から外部に流出するのを防止できる。また、該
流下防止部材の現像剤担持体との接触部よりも上記ケー
シング内奥側に延在する、ケーシング内奥側に位置する
導電性材料部分と現像剤担持体との対向部で、交番電界
により現像剤担持体上の未現像の現像剤を振動させ、そ
の現像剤担持体からの剥離を促進させるので、現像剤担
持体上での現像剤の入れ替えを一層促進できる。
【0062】請求項15の発明によれば、上記流出防止
部材を板状部材で構成し、該流出防止部材を上記現像剤
担持体に押圧して湾曲させた状態で取り付けるので、こ
の湾曲度合いに応じて、上記交番電界の作用範囲を規制
できる。
【0063】請求項16の発明によれば、請求項1、
2、7又は13の現像装置において、上記現像剤担持体
として、誘電体部と接地された導電体部とが規則的又は
不規則的に微小面積で表面に露出したものを用い、該誘
電体部を帯電させて上記導電体部との間に微小な閉電界
を形成させるので、多量の現像剤を担持させることがで
きる。そして、請求項1又は2の現像装置においては、
層厚規制部材と現像剤担持体との間の交番電界によって
現像剤が振動するときに、上記微小閉電界の作用も受
け、現像剤担持体の誘電体部と現像剤との接触が促進さ
れるので、該誘電体部を現像剤の摩擦帯電に使用する現
像装置においては、現像剤の帯電を一層促進できるとと
もに現像剤担持体への現像剤の固着によるフィルミング
を防止できる。また、特に請求項7の現像装置において
は、層厚規制部材からの放電の電荷を該誘電体部を帯電
させるのに利用できるので、微小閉電界を形成を安定化
できる。また、請求項13の現像装置においては、流下
防止部材と現像剤担持体との対向部に形成される交番電
界により現像剤担持体上の未現像の現像剤を剥離させ、
これにより、上記微小閉電界の強力な現像剤吸引力によ
って現像剤の固着が生じないようにするので、現像剤の
フィルミングを防止できる。
【0064】請求項17の発明によれば、層厚規制部材
と現像剤担持体との間に交番電界を形成して、両部材の
対向部を通過する現像剤を振動させるので、該対向部を
通過した現像剤担持体上に均一な現像剤層を形成するこ
とができる。また、交番電界を形成する電圧が印加され
た該層厚規制部材の自由端部を、現像剤担持体と該潜像
担持体との対向部に位置させて、該対向部における、該
自由端部と該潜像担持体との間にも交番電界を形成して
いるので、仮に現像剤担持体上から不必要な現像剤が飛
散しても、この交番電界によって層厚規制部材側に引き
戻し、更に現像剤担持体上に戻すこができる。ここで、
現像剤担持体を下方から潜像担持体表面に対向するよう
に配設しているので、このような不必要な現像剤の現像
剤担持体への回収に、現像剤の自重落下も利用できる。
すなわち、現像剤担持体からの不必要な現像剤の飛散を
有効に防止できる。従って、潜像担持体との対向部にお
いて、上記交番電界により現像剤担持体上の現像剤をパ
ウダクラウド化し、現像剤担持体と潜像担持体との間に
形成された例えば直流電界で、飛翔現像させる場合にも
にも、現像剤の飛散を防止するとともに現像性能の経時
安定性を図ることができる。
【0065】請求項18の発明によれば、請求項17の
現像装置において、上記現像剤担持体の少なくとも上記
対向部に位置する箇所を、中抵抗材と絶縁材を積層して
構成し、かつ、該絶縁材の表面が上記潜像担持体に対向
するように配設し、該潜像担持体と該潜像担持体との間
に放電が起きにくいようにしているので、層厚規制部材
に所定の電圧を印加しながらも該放電による潜像担持体
上の潜像乱れを軽減乃至防止できる。
【0066】請求項19の発明によれば、請求項18の
現像装置において、上記絶縁材の上記電圧印加回路内に
おける時定数が、1/(2πf)よりも十分大きくなる
ように、該層厚規制部材を構成し、これにより、該層厚
規制部材に十分な絶縁耐圧をもたせて潜像担持体との間
で放電が起こらないようにしているので、層厚規制部材
に所定の電圧を印加しながらも該放電による潜像担持体
上の潜像乱れを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る複写機の主要部の概略構成図。
【図2】(a)は同複写機の現像装置におけるブレード
当接の一例の説明図。(b)は同ブレード当接の他の例
の説明図。
【図3】(a)は図2(a)の例におけるトナー挙動の
説明図。(b)は図2(b)の例におけるトナー挙動の
説明図。
【図4】(a)他の実施例に係る現像装置の主要部の概
略構成図。(b)は同現像装置の部分拡大図。
【図5】同現像装置のシールブレード近傍のトナー挙動
の説明図。
【図6】(a)は更に他の実施例に係る現像装置の部分
斜視図。(b)は同現像装置の現像ローラ表面の部分断
面図。
【図7】(a)は他の実施例に係る複写機の主要部の概
略構成図。(b)は同複写機の現像装置におけるトナー
挙動の説明図。
【符号の説明】
1 感光体 3 現像装置 7 ケーシング 8 現像ローラ 9 ブレード 9a 導電層 9b 絶縁層 10 アジテータ 11 現像バイアス電源 12 ブレードバイアス電源 13 シールブレード 13a 絶縁体部 13b 導電体部 14 シールブレードバイアス電源 15 誘電体部 E 交番電界 E0 微小閉電界 I 入り口楔部 X 出口楔部

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】現像剤担持体と該現像剤担持体上に担持す
    る一成分現像剤の層厚を規制する層厚規制部材とを有す
    る現像装置において、 該層厚規制部材の少なくとも該現像剤担持体接触部を絶
    縁性材料で構成し、かつ、該層厚規制部材と該現像剤担
    持体との間に、所定極性に帯電した現像剤を該層厚規制
    部材側から該現像剤担持体側へ向かわせる向きの電界を
    形成する直流成分が重畳された、交番電界を形成する電
    圧を印加する電圧印加手段を設けたことを特徴とする現
    像装置。
  2. 【請求項2】現像剤担持体と該現像剤担持体上に担持す
    る一成分現像剤の層厚を規制する層厚規制部材とを有す
    る現像装置において、 該層厚規制部材の少なくとも該現像剤担持体接触部を絶
    縁性材料で構成し、かつ、該層厚規制部材と該現像剤担
    持体との間に、直流成分が重畳された交番電界を形成す
    る電圧を印加する電圧印加手段と、該直流成分を可変す
    る直流可変手段とを設けたことを特徴とする現像装置。
  3. 【請求項3】上記層厚規制部材を腹当てで上記現像剤担
    持体に当接させ、該現像剤担持体表面の移動方向におい
    て、該腹当ての部分よりも上流側及び下流側で、微小な
    間隙をおいて両部材の表面部分を対向させるようにした
    ことを特徴とする請求項1又は2の現像装置。
  4. 【請求項4】上記層厚規制部材を板状部材で構成し、該
    層厚規制部材を上記現像剤担持体に押圧して湾曲させた
    状態で取り付けたことを特徴とする請求項1又は2の現
    像装置。
  5. 【請求項5】上記層厚規制部材の現像剤担持体と対向す
    る面を、Si系材料、PTFE系材料、Si系材料とP
    TFE系材料との合成材料などで形成したことを特徴と
    する請求項1又は2の現像装置。
  6. 【請求項6】上記層厚規制部材の現像剤担持体と対向す
    る面の粗さを現像剤粒径の1/3以下の表面粗さにした
    ことをことを特徴とする請求項1又は2の現像装置。
  7. 【請求項7】上記層厚規制部材に印加する上記印加電圧
    を、該層厚規制部材からの放電開始電圧以上に設定した
    ことを特徴とする請求項1又は2の現像装置。
  8. 【請求項8】上記交番電界のピーク・ツウ・ピーク電圧
    を、直流の放電開始電圧の2倍以上に設定したことを特
    徴とする請求項1又は2の現像装置。
  9. 【請求項9】上記現像剤担持体表面に対向する上記層厚
    規制部材の表面又は該現像剤担持体表面の少なくとも一
    部が、導電性である請求項1又は2の現像装置におい
    て、該層厚規制部材の上記電圧印加回路内における時定
    数が、1/(2πf)よりも十分大きくなるように、該
    層厚規制部材を構成したことを特徴とする請求項1又は
    2の現像装置。但し、ここでπは円周率、fは上記交番
    電界の周波数である。
  10. 【請求項10】上記現像剤担持体の軸線方向において、
    該現像剤担持体上の現像剤を担持させる領域よりも外側
    の領域に対向する、上記層厚規制部材部分を、該現像剤
    を担持させる領域に対向する部分よりも大きな電気抵抗
    になるように構成したことを特徴とする請求項1又は2
    の現像装置。
  11. 【請求項11】潜像担持体に向いたケーシングの開口か
    ら部分的に露出し、少なくとも部分的に現像剤を所定極
    性に摩擦帯電し得る誘電体材料からなる、表面が、一成
    分現像剤を担持して潜像担持体との対向部に搬送した後
    に該ケーシング内に戻るように移動する現像剤担持体
    と、該ケーシング内に戻ってきた該現像剤担持体表面に
    自由端部を接触させて、該ケーシング内の現像剤が該開
    口から流出するのを防止する流出防止部材とを有する現
    像装置において、該流出防止部材の少なくとも該現像剤
    担持との接触部分を、現像剤の所定の帯電極性とは逆の
    極性に該誘電体材料を摩擦帯電し得る材料で形成したこ
    とを特徴とする現像装置。
  12. 【請求項12】上記接触部分を、現像剤を摩擦帯電しな
    い材料又は現像剤を現像剤の所定の帯電極性とは逆の極
    性に摩擦帯電し得る材料で形成したことを特徴とする請
    求項11の現像装置。
  13. 【請求項13】上記流出防止部材と現像剤担持体との間
    に、交番電界を形成する電圧を印加する電圧印加手段を
    設けたことを特徴とする請求項11の現像装置。
  14. 【請求項14】上記流出防止部材の、固定端側を絶縁性
    材料で、自由端側を導電性材料で、それぞれ形成し、該
    絶縁性材料からなる部分が上記現像剤担持体に接触し、
    かつ該導電性材料からなる部分が該現像剤担持体との接
    触部よりも上記ケーシング内奥側に延在するように取り
    付け、該導電性材料からなる部分に上記電圧を印加した
    ことを特徴とする請求項13の現像装置。
  15. 【請求項15】上記流出防止部材を板状部材で構成し、
    該流出防止部材を上記現像剤担持体に押圧して湾曲させ
    た状態で取り付けたことを特徴とする請求項13の現像
    装置。
  16. 【請求項16】上記現像剤担持体として、誘電体部と接
    地された導電体部とが規則的又は不規則的に微小面積で
    表面に露出したものを用いることを特徴とする請求項
    1、2、7又は13の現像装置。
  17. 【請求項17】現像剤担持体と該現像剤担持体上に担持
    する一成分現像剤の層厚を規制する層厚規制部材とを有
    する現像装置において、 該現像剤担持体を潜像担持体に下方から対向するように
    配設し、該層厚規制部材を、該現像剤担持体に接触する
    自由端部が該現像剤担持体と該潜像担持体との対向部に
    位置するように配設し、かつ、該層厚規制部材に、該層
    厚規制部材と該現像剤担持体との間に、交番電界を形成
    する電圧を印加する電圧印加手段を設けたことを特徴と
    する現像装置。
  18. 【請求項18】上記現像剤担持体の少なくとも上記対向
    部に位置する箇所を、中抵抗材と絶縁材を積層して構成
    し、かつ、該絶縁材の表面が上記潜像担持体に対向する
    ように配設したことを特徴とする請求項17の現像装
    置。
  19. 【請求項19】上記絶縁材の上記電圧印加回路内におけ
    る時定数が、1/(2πf)よりも十分大きくなるよう
    に、該層厚規制部材を構成したことを特徴とする請求項
    18の現像装置。但し、ここでπは円周率、fは上記交
    番電界の周波数である。
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