JPH06241639A - 冷凍冷蔵庫 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】高湿室内が過湿状態にある時、あるいは扉開閉
時に常温の外気が高湿室内壁面に生ずる結露を効率良く
昇華、あるいは気化させるべく好適の高湿室付冷蔵庫を
得ることにある。 【構成】高湿室後部に冷却器を経た冷気の吹出口対向部
に調湿板を設けると共に、この調湿板表面に冷気を流す
冷気通路終端を冷蔵室冷気戻り通路に近接させている。 【効果】調湿板表面を流れる冷気の冷気通路終端を、冷
蔵室冷気戻り通路に近接させて設けているので、通路抵
抗を小さくさせて充分な冷気量を確保できる。従って、
容器内一杯に水分の多い食品を多量に入れた場合、調湿
板表面に凝縮した水分を容器内に水たれがなく効率良く
昇華できるものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は冷蔵室に設けられたチル
ド室を高湿度化する冷蔵庫に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】現在の冷凍冷蔵庫はファン冷却方式であ
るため、ラップ包装無しでは食品の表面が乾燥、変色し
て品質を著しく低下する。最近では、冷蔵室内蔵のチル
ド室容器を二重構造にして間接冷却をし、食品の水分蒸
散を利用して貯蔵室内を高湿度化することにより、ラッ
プレスで保存可能な高湿チルド室を備えた冷凍冷蔵庫が
製品化されている。

【０００３】また、高湿室内が過湿状態にある時、ある
いはドア開閉時に常温の外気が高湿室内に流入した場合
に壁面に生ずる結露を防止するため、天井面に透湿性の
ある親水性多孔質プラスチックを装着する等の工夫もな
されている。

【０００４】尚、この種従来例には特開昭６１−６５７
９がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】かかる従来の冷蔵庫高
湿室であった場合、次の如き不具合点が生ずることが判
った。即ち、高湿室内一杯に生鮮食品を入れた場合等、
食品から蒸散した水分がふたに設けられた透湿室膜表面
に多量に凝縮した場合、結露した水分（あるいは氷）を
いかに効率良く、気化あるいは昇華させるという問題に
ついてはあまり検討されていなかった。

【０００６】従って、本発明の目的はかかる従来の問題
点を解決することにあり、好適な高湿室付冷蔵庫を提供
することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決すべく提供するものである。即ち、冷蔵庫の上部に
ふた付チルド室（容器）を有する冷蔵庫において、上記
チルド室後部に冷却器を経た冷気の吹出口対向部に調湿
板を設けると共に、この調湿板表面に冷気を流す冷気通
路終端を冷蔵室冷気戻り通路に近接したものである。

【０００８】

【作用】調湿板表面を流れる冷気はチルド室内を冷却す
ると共にその凝縮水を気化させる。この時、従来の構造
であった場合、調湿板表面を流れた冷気は容器内を冷や
した後に冷蔵室側に流れ、冷蔵室を冷却した後、冷蔵室
冷気戻り口から冷却器側へ戻していた。この為、上記調
湿板表面を流れる冷気量は、この通路が抵抗となり必要
量の冷気の確保は出来なかった。

【０００９】これが本発明においては、冷気戻り通路に
近接させて設けているので通路抵抗を小さくさせ、十分
な冷気量を確保出来る。従って容器内に水分の多い食品
を多量に入れた場合、調湿板表面に凝縮する水分がこの
多量の冷気により気化あるいは昇華される。このことに
よって容器内に氷の塊、あるいは水たれがなくなる。も
ちろん、調湿板表面に凝縮する水分量は、どんな時でも
高湿室内の湿度を７０〜９０％にし、オ−バ−フロ−し
た分が凝縮するものである。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基ずき説明
する。まず、図１において、１は冷凍冷蔵庫。この冷凍
冷蔵庫１は内部に冷凍室２、冷蔵室３、野菜室４を有し
ている。項番５、６、７は、それぞれの部屋の全面開口
部を閉塞する扉である。

【００１１】８は、冷気循環用ファン、９は冷却器、１
０は圧縮機である。

【００１２】次に図２について説明する。尚、図２は図
１のＡ部拡大図である。１１は内箱、この内箱１１は、
仕切断熱壁１２により冷凍室２、冷蔵室３を区画させて
いる。

【００１３】上記、断熱壁１２は、冷蔵室３の天井面を
形成している。

【００１４】１３は、冷蔵庫の上部に設けられた庫内設
置タイプの高湿室を示す。この高湿室１３は、引出し式
の容器１４と後述するふた１５から成る。そしてその容
器材料には、高湿室内のカビ発生を抑制するためのＭｎ
を粉状にした抗菌剤が練り込まれている。

【００１５】1６は高湿室全面開口部を閉塞する扉で、
両端ボス１６aにより後述の枠１７のボス穴１７aに着脱
自在に装着され、前述の容器１４を引出した時にこのボ
ス１６aを中心に回転するものである。又、扉１６の上
部と枠１７との隙間は高湿室１３内の保湿を確保する目
的から、扉１６の回転時に枠１７との接触のない程度で
約0.5〜１mmに保たれている。

【００１６】１７は、高湿室１３の外郭を包むように、
しかも、高湿室との間に冷気通路を作るよう高湿室１３
の上面、前面を除く背面、両側面、底面部に対向する各
部を有する箱状の枠である。更にこの枠１７には、上面
に位置する冷気通路を除く両側面及び底面通路を流れた
冷気を、冷蔵室下方に循環させるべく設けた角穴２１が
設けられている。尚、この角穴２１は扉１６に近い所、
即ち底面冷気通路終端部に設けるのが高湿室間接冷却の
面からして良い。

【００１７】1５は、先に記述した高湿室内の上面に設
置されたふたを示す。このふた1５は、図３に示す如
く、爪１５ａ等により着脱自在に固定されている。勿
論、この時ふた１５上面と枠間には冷気通路が形成され
ている。1８は、このふた1５の凹部に取り付けられてい
る調湿板であり、親水性多孔質樹脂で形成されている。

【００１８】又、冷気循環経過に示す通り、このふた１
５と調湿板１８の上面は冷気通路となることから、冷気
の流れを妨げることのない様、略同一面に位置されるも
のである。尚、調湿板１８は、容器内に収納された食品
の水分蒸散により付着した結露水が冷気通路側に凝縮し
ても、冷気吹出口より吹出される乾燥冷気により蒸発さ
れるものである。

【００１９】１９は、上記冷気戻り通路の先端部に位置
する冷気戻り口を示す。この冷気戻り口１９には、冷蔵
室３及び野菜室４を冷却した冷気が吸込まれるものであ
る。勿論、先にも記述した如く上面を除く高湿室の背
面、両側面、底面を冷却し、角穴２１を経由し冷蔵室を
冷却した冷気も、冷蔵室冷却後、この冷気戻り口１９に
吸引され、冷却器９に戻されるものである。

【００２０】２０は、ふた１５と枠１７の上面間に形成
された冷気通路。この冷気通路に冷却器９で冷却された
冷気が強制循環されてくるものである。

【００２１】１１ａは上記冷却通路の終端部に設けられ
た内箱の角穴。この角穴１１ａは図４にも示す如く、先
の冷気戻り口１９に対向する位置に設けられており、冷
気通路２０を流れた冷気がスム−ズに先の冷気戻り口１
９より通路口を経由して冷却器９に戻されるものであ
る。

【００２２】この時の冷気通路口の抵抗損失を小さくす
る為、冷気通路口の出口部Ｐと冷気戻り口Ｑの寸法を略
同等にしておくのが良い。

【００２３】

【発明の効果】本発明においては、調湿板表面を流れる
冷気の冷気通路終端を冷蔵室冷気戻り通路に近接させて
設けているので、通路抵抗を小さくさせ十分な冷気量を
確保出来る。

【００２４】従って容器内に水分の多い食品を多量に入
れた場合、調湿板表面に凝縮する水分がこの多量の冷気
により気化、あるいは昇華される。このことによって容
器内に氷の塊、あるいは水たれがなくなる。もちろん、
どんな時でも高湿室内の湿度を７０〜９０％に保ち、調
湿板表面に凝縮する水分量は、オ−バ−フロ−した分が
凝縮するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例となる高湿チルドを備えた
冷凍冷蔵庫の縦断面図である。

【図２】 同じく冷蔵室内蔵の高湿チルド室の縦断面図
である。

【図３】 同じく冷蔵室内蔵の高湿チルド室の正面図で
ある。

【図４】 同じく高湿室拡大図である。

【符号の説明】

１・・・冷凍冷蔵庫 １３・・・庫内設置タイ
プの高湿室 ２・・・冷凍室 １４・・・引出式容器 ３・・・冷蔵室 １５・・・ふた ４・・・野菜室 １５ａ・・爪 ５・・・冷凍室扉 １６・・・扉 ６・・・冷蔵室扉 １６ａ・・両端ボス ７・・・野菜室扉 １７・・・箱状の枠 ８・・・冷気循環用ファン １７ａ・・ボス穴 ９・・・冷却器 １８・・・調湿板 １０・・・圧縮機 １９・・・冷気戻り口 １１・・・内箱 ２０・・・冷気通路 １１ａ・・内箱角穴 ２１・・・角穴 １２・・・仕切断熱壁

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】チルド室表面に、他の部屋と隔離する透湿
   膜付ふたを設け、冷却器を経た冷気で上記チルド室を形
   成する容器内を、間接的に０℃近辺まで冷却すると共に
   容器内の湿度を７０％以上に保持するようにした冷蔵庫
   において、上記透湿膜表面（冷気通路側）に凝縮する水
   分を上記冷気通路を流れる冷気により昇華あるいは気化
   させるべくふた表面を流れる冷気通路の終端を、冷蔵室
   冷気戻り通路に近接させたことを特徴とする冷蔵庫。