JPH0624039Y2 - ディスク装置におけるエジェクト機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、コンパクトディスクを収納したカートリッジ
の取り出しが確実に行えるディスク装置におけるエジェ
クト機構に関する。

（従来技術） コンパクトディスクやビデオディスク等のディスク装置
では、ディスクの内周から外周に記録された情報をディ
スクの径方向に直線移動させるピックアップの送りの駆
動装置としてリニヤモータが用いられている。

このディスク装置は衝撃に対して非常に弱く、衝撃によ
り正常な再生ができなくなってしまう。このため、コン
パクトディスク等を再生するため、スピンドル、駆動モ
ータ、ピックアップなどを有するメカシャーシは、ダン
パ等を介してベース枠に取り付けられている。これは、
内部から生ずる振動や外部から加わる衝撃を吸収した
り、減衰させるための構造（緩衝構造）である。

（考案が解決しようとする課題） 上記従来のディスク装置は緩衝構造を採用しているた
め、カートリッジの取り出しの際に取出位置が一定せず
取り出しミスを起こすことがある。

このための、対応策として、ディスク装置のケーシング
の取出口を大きく形成ことも考えられるが、外観上好ま
しくない。

また、カートリッジを手で取り出す際に、メカシャーシ
がぐらぐらして違和感を与え、商品イメージを損ねるこ
ともある。

そこで、本考案は上記課題を解消すべくなされたもの
で、その目的とするところは、カートリッジの取り出し
位置を一定に保つことができるディスク装置におけるエ
ジェクト機構を提供するにある。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記課題を解決するために次の構成を備えてな
る。

すなわち、コンパクトディスクを再生するピックアップ
が搭載され、ベース枠上にダンパを介して支持されるメ
カシャーシと、コンパクトディスクを収納したカートリ
ッジが挿入されるカートリッジシェルと、カートリッジ
がカートリッジシェルに挿入されるとカートリッジによ
り付勢部材の付勢力に抗して押圧回動され、カートリッ
ジが再生位置まで挿入されるとロック機構によりロック
されるエジェクトレバーと、メカシャーシ側に押入され
ることにより伝達部材を介してロック機構によるエジェ
クトレバーのロックを解除するエジェクト板を具備する
ディスク装置において、 前記エジェクト板に、エジェクト板がメカシャーシ側に
押入された際前記ベース枠とメカシャーシとの対向面間
に楔状に進入し、メカシャーシの揺動を阻止するスペー
サを設けたことを特徴とする。

（作用） 次に、本考案の作用について述べる。

カートリッジをエジェクトする際に、メカシャーシをベ
ース枠から離れる方向にエジェクト板のスペース（支持
片）で支持する。このため、メカシャーシの振動が阻止
され、所定位置に保持され、カートリッジの取り出し位
置が一定となる。

（実施例） 以下本考案の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に
説明する。

第１図および第２図は、本考案のピックアップ固定装置
の側面図を示す。

図面において、１０はベース枠である。このベース枠１
０にはメカシャーシ１２が装着されている。

また、ベース枠１０の前端部には、コンパクトディスク
を内蔵したカートリッジをエジェクトするためのエジェ
クト板１４が設けられている（第５図参照）。

２２はカートリッジを装着するためのカートリッジシェ
ルである。このカートリッジシェル２２の着脱口２２ａ
からカートリッジを装着すると、このカートリッジシェ
ル２２が下方に移動してセット状態（再生可能状態）と
なる（第２図はカートリッジがセットされた状態を示し
ている）。

そして、エジェクト板１４を操作して、カートリッジを
エジェクトすると、カートリッジシェル２２が上方に移
動して、カートリッジが後述するエジェクトレバーによ
り押し出され取り出し可能となる。

なお、メカシャーシ１２は、第５図に示すように、ダン
パ１６とスプリング１７を介してベース枠１１に支持さ
れている。

ここで、第６図を中心にメカシャーシ１２の構造を説明
する。第６図はメカシャーシ１２の分解斜視図である。

前記メカシャーシ１２の基板を成すドライブベース１８
の前面側には、平面ほぼコ字状のスライドガイド２０が
ドライブベース１８の前端部上に突出する突起１８ａに
ガイドされ進退可能に設けられている。また、スライド
ガイド２０の両側縁には起立するガイド壁２０ａ、２０
ａが形成されている。このガイド壁２０ａ、２０ａの内
側面には、前部と後部の内側に突出するガイドピン２
１、２１が設けられている。

また、ドライブベース１８の前端部の両側端部にはバー
チカルガイド１８ｂ、１８ｂが突出している。このバー
チカルガイド１８ｂ、１８ｂに該当するスライドガイド
２０の部位には、やはり長孔２０ｃ、２０ｃが穿設され
ている。

スライドガイド２０の前端縁には、エジェクトする際に
押される押圧面２０ｄが垂下している（第５図参照）。

前記カートリッジシェル２２の両外側壁の前端部および
中途部にガイド溝２３、２３が設けられている。このガ
イド溝２３、２３には、前記スライドガイド２０のガイ
ドピン２１が係合する。

また、ドライブベース１８から起立するバーチカルガイ
ド１８ｂ、１８ｂがカートリッジシェル２２の下面に設
けられたガイド穴（図示せず）に嵌合している。このた
め、カートリッジシェル２２は、バーチカルガイド１８
ｂ、１８ｂに案内され前述するように上下に移動可能で
ある。

前記カートリッジシェル２２の上面を覆う上面カバー２
２Ａは後方に延出し、この上面カバー２２Ａの後端部の
下面からロック解除ピン２４が下方に突出している。こ
のロック解除ピン２４は、ドライブベース１８の後端部
に設けられた透孔１８ｃを貫通してドライブベース１８
の裏側に延出している。

前記ドライブベース１８の裏面にはピックアップ３０を
有するピックアップユニット３２が固定されている。

ここで、ピックアップユニット３２について、第３図と
第４図を中心に参照して説明する。

３４はスピンドルで、コンパクトディスクを載置した状
態で、駆動モータ（図示せず）により駆動する。

スピンドル３４に向かってピックアップ３０が移動する
ためにスライド溝３６が穿設されている。また、スライ
ド溝３６と平行にガイドレール３８が固定され、このガ
イドレール３８に沿って、ピックアップ３０が固定され
た移動ベース４０が移動自在に支持されている。移動ベ
ース４０は、リニアモータ４２により移動し、この移動
ベース４０に固定されたピックアップ３０がスピンドル
３４に載置され回転するコンパクトディスクの径方向に
移動することとなる。

なお、ピックアップ３０は従来から知られている構造で
あり、コンパクトディスクの再生用に用いられている。

移動ベース４０の裏面には、ストッパピン４４が延出し
ている。このストッパピン４４の先端は、スライド溝３
６の裏面から突出している。

ストッパピン４４に係合する係合板４６が、スライド溝
３６のピックアップ３０の移動方向の縁部に設けられて
いる。この係合板４６は、スライド溝３６に侵入する方
向にスプリング４７により付勢され、ストッパピン４４
と係合している。

また、係合板４６のストッパピン４４と係合する縁部に
は、凹凸が連続して複数形成され、係合縁４６ａを構成
している。

また、係合板４６には、後方向に延出する係合解除バー
４６ｂが設けられている。この係合解除バー４６ｂに対
し、前述したカートリッジシェル２２のロック解除ピン
２４先端が押圧可能な位置関係に設けられている。

すなわち、カートリッジシェル２２にカートリッジがセ
ットされていない場合には、前述するようにカートリッ
ジシェル２２が上方に移動しており（第１図の状態）、
ロック解除ピン２４が係合解除バー４６ｂを非押圧状態
である。一方、カートリッジがセットされている場合に
は、前述するようにカートリッジシェル２２が下方に移
動してコンパクトディスクが再生可能状態になると、ロ
ック解除ピン２４が係合解除バー４６ｂを押圧してスト
ッパピン４４と係合板４６との係合が解除される（第２
図の状態：第３図において、係合板４６の解除状態を二
点鎖線で示す）。

続いて、カートリッジのセットおよびエジェクトの機構
について動作とともに説明する。

前記スライドベース２０は、エジェクト状態のとき（第
１図の状態）に、スプリング（図示せず）により前方に
付勢されている。また、エジェクト板１４も、スプリン
グにより常に前方に付勢されている。

前記エジェクト板１４には、手前側にエジェクトボタン
１４ａが設けられ、このエジェクトボタン１４ａの押圧
面１４ｂによりスライドガイド２０の前記押圧面２０ｄ
を押すことができる。

さらに、エジェクト板１４の両側部には支持片１４ｃ、
１４ｃが形成されている。この支持片１４ｃ、１４ｃ
は、エジェクト板１４をエジェクト方向に押した際に、
ドライブベース１８の下に入り込み、ドライブベース１
８を支持するものである。このため、支持片１４ｃ、１
４ｃの押し込み側先端は下方に向かう傾斜面に形成さ
れ、押し込み易いように形成されている。すなわち、支
持片１４ｃ、１４ｃは、ベース枠１０とメカシャーシ１
２との間に楔状に進入する。

第６図に示すように、前記ドライブベース１８中央の開
口１８Ａの後方の隅部に望んでエジェクトレバー２８が
軸止めされている。このエジェクトレバー２８はバネに
より第６図上時針方向に付勢されている。また、エジェ
クトレバー２８は平面Ｖ字状に形成されている。そし
て、一方の腕は、ドライブベース１８の開口１８Ａに臨
んで、先端に起立する起立片２８ａが形成されている。
また、他方の腕は、スライドガイド２０とドライブベー
ス１８の間に侵入し、先端に起立して設けられたガイド
片２８ｂは、スライドガイド２０のガイド孔１９に係合
している。このガイド孔１９は、傾斜している傾斜ガイ
ド１９ａと、前記スライドガイド２０のスライド方向の
直線ガイド１９ｂとから成るレ字状に穿設されている。

すなわち、エジェクトレバー２８がスプリングにより時
針方向に付勢され、このエジェクトレバー２８のガイド
片２８ｂが、スライドガイド２０の傾斜ガイド１９ａに
係合してスライドガイド２０の前方へ移動しないように
保持している［第７図（ａ）参照］。このため、スライ
ドベース２０のガイドピン２１……がカートリッジシェ
ル２２のガイド溝２３……の下端に位置している（第１
図の状態）。

また、エジェクトレバー２８の起立片２８ａはカートリ
ッジシェル２２の上面カバー２２Ａの下側に位置してい
る。

次に、カートリッジシェル２２にカートリッジを装着す
る動作について述べる。

カートリッジシェル２２の着脱口２２ａからカートリッ
ジを挿入すると、カートリッジの先端縁でエジェクトレ
バー２８の起立片２８ａが押圧され、第６図上反時針方
向に回動させられる。

これに伴って、エジェクトレバー２８のガイド片２８ｂ
が、ガイド孔１９の傾斜ガイド１９ａに沿って回動し
て、直線ガイド１９ｂ位置まで回動すると、スライドガ
イド２０がスプリング２６の力により前方に移動する
［第７図（ｂ）参照］。この移動に伴って、ガイドピン
２１……がガイド溝２３……に沿って移動することとな
るため、カートリッジシェル２２がバーチカルガイド１
８ｂに沿って下方に移動させられ、スピンドル３４にコ
ンパクトディスクが載置されたセット状態となる（第２
図状態）。

また、エジェクトレバー２８の起立片２８ａと、カート
リッジシェル２２の透孔２２ｃとが一致するので、カー
トリッジシェル２２の下方への移動が可能妨げとなるこ
とがない。

このカートリッジシェル２２の下方への移動に伴って、
ロック解除ピン２４も下方に移動することにより、ロッ
ク解除ピン２４が係合解除バー４６ｂを押圧し、係合板
４６とストッパピン４４との係合状態が解除される。

続いて、カートリッジを取り出す場合について説明す
る。

エジェクト板１４のエジェクトボタン１４ａを押すと、
エジェクトボタン１４ａの奥側の押圧面１４ｂがスライ
ドガイド２０の押圧面２０ｄを押すとともに、エジェク
ト板１４の支持片１４ｃ、１４ｃがドライブベース１８
の下面に侵入する。すると、エジェクト板１４の支持片
１４ｃ、１４ｃにより、ドライブベース１８が振動する
ことがないように若干持ち上げた状態に支持される。

そして、押し上げられたカートリッジシェル２２の上面
カバー２２Ａの下面に、エジェクトレバー２８の起立片
２８ａがスプリング力により回動して入り込むととも
に、エジェクトレバー２８の起立片２８ａがカートリッ
ジをエジェクト方向に押圧して押し出す。同時に、スラ
イドガイド２０の移動によって、ガイドピン２１がカー
トリッジシェル２２のガイド溝２３に沿ってカートリッ
ジシェル２２を押し上げる。

この状態で、カートリッジを手で取り出す。この時、メ
カシャーシ１２がエジェクト板１４の支持片１４ｃ、１
４ｃに支持されているため、メカシャーシ１２の揺動を
阻止し、ぐらつくことなく取り出すことができる。ま
た、メカシャーシ１２が支持されるため、カートリッシ
の飛び出し位置を一定に保つことができる。

なお、スライドガイド２０が押されると、エジェクトレ
バー２８のガイド片２８ｂがガイド孔１９の直線ガイド
１９ｂに沿って移動し、ガイド孔１９の直線ガイド１９
ｂから傾斜ガイド１９ａに沿って案内された際に、エジ
ェクトレバー２８が回動して、エジェクトレバー２８の
ガイド片２８ｂが傾斜ガイド１９ａに係合し、スライド
ガイド２０がロックされ移動が規制される。

以上のように本考案の好適な実施例について説明してき
たが、本考案が上述した実施例に限定されるものでない
ことはいうまでもなく、考案の精神を逸脱しない範囲な
いで多くの改変を施しうることはもちろんである。

（考案の効果） 本考案のカートリッジ取出時の位置決め機構は上述のよ
うに構成され、次に示すような著効を奏する。

カートリッジを装着した状態では、メカシャーシが
緩衝構造により内部および外部からの衝撃や振動を吸収
し、カートリッジを取り出す際にはメカシャーシを支持
して振動させないように阻止しているため、カートリッ
ジを一定の位置で取り出すことができる。

このため、ディスク装置を形成するケーシングの取
出口を必要最小限度の大きさとすることができる。

また、カートリッジを手で取り出す際に、メカシャ
ーシがぐらつくことがない。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はピックアップ固定装置のそれぞれ
側面図、第３図はピックアップの固定構造を示す部分断
面説明図、第４図は係合板の取付状態を示す分解斜視
図、第５図はベース枠へのメカシャーシの装着状態を示
す斜視図、第６図は本考案のメカシャーシの分解状態を
示す斜視図、第７図はエジェクトレバーとスライドガイ
ドとの動きを示す説明図である。 １０……ベース枠、１２……メカシャーシ、 １４……エジェクト板、 １４ｃ……支持片、 １８……ドレイブベース、 ２０……スライドガイド、 ２２……カートリッジシェル、 ２４……ロック解除ピン、 ２８……エジェクトレバー、 ３０……ピックアップ、 ３４……スピンドル、４０……移動ベース、 ４２……リニアモータ、 ４４……ストッパピン、４６……係合板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】コンパクトディスクを再生するピックアッ
   プが搭載され、ベース枠上にダンパを介して支持される
   メカシャーシと、 コンパクトディスクを収納したカートリッジが挿入され
   るカートリッジシェルと、 カートリッジがカートリッジシェルに挿入されるとカー
   トリッジにより付勢部材の付勢力に抗して押圧回動さ
   れ、カートリッジが再生位置まで挿入されるとロック機
   構によりロックされるエジェクトレバーと、 メカシャーシ側に押入されることにより伝達部材を介し
   てロック機構によるエジェクトレバーのロックを解除す
   るエジェクト板を具備するディスク装置において、 前記エジェクト板に、エジェクト板がメカシャーシ側に
   押入された際前記ベース枠とメカシャーシとの対向面間
   に楔状に進入し、メカシャーシの揺動を阻止するスペー
   サを設けたことを特徴とするディスク装置におけるエジ
   ェクト機構。