JP3719194B2 - ディスク装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はディスク装置、特にトレーに装着されたディスクを高速回転させてディスクの記録面に記録された情報を読み取るディスク装置のカバー取付に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、CDドライブやDVDドライブなどのディスク装置が知られており、デスクトップ型コンピュータやノート型コンピュータなどに内蔵されている。ノート型コンピュータに内蔵する際には、特にディスク装置の小型化が要求されており、部品点数の削減のみならず各部品の小型軽量化が必須となっている。
【0003】
一方、CD等のディスクを着脱容易とするために、イジェクト動作時に高速回転駆動されていたディスクを確実に停止させるための機構も提案されている。
【0004】
図4〜図6には、特開平9−213000号公報に開示された従来のディスク装置の構成が示されている。図4は、トレーをディスク装置から引き出した状態の斜視図であり、図5はトレーが装着位置に係止された状態を示す平面図である。シャーシ18の右側に延在する延在部18bには起立した側面18cが設けられており、この起立側面18c内側にイジェクト動作時にディスクDAの外周が摺接する制動部材51が固着されている。制動部材51は、トレー12がディスク装置内に装着されているときにはディスクDAの外周から離間した位置に設けられており、ディスクDAの回転動作を妨げることはない。
【0005】
図6には、トレー12の前面ベゼル15に設けられたイジェクト操作用つまみ14が図中C方向にスライド操作された(イジェクト操作された)状態が示されている。イジェクト操作用つまみ14がC方向に操作されると係止部材41の係止部41cがシャーシ18に植設されたピン43から離間して係止を解除する。そして、係止部材41が係止解除動作すると、押圧機構21の押圧レバー47がコイルバネ48のバネ力によりシャーシ18の後部内壁18aを押圧しているため、その反力によりトレー12はイジェクト方向(A方向)に押し出される。このイジェクト動作によりトレー12は前面ベゼル15がシャーシ18から所定距離Lだけ離間した位置に摺動し、これによりトレー12はユーザが引き出すことができる程度まで押し出される。トレー12がディスク装置内の装着位置からイジェクト位置までイジェクトされると、ディスクDAはその外周がシャーシ18の起立側面18cの内側に設けられた制動部材51に当接する。これにより、慣性により回転していたディスクDAは制動されその回転が停止する。
【0006】
このように上記従来技術においては起立側面18cの内側に制動部材51を設けることで、小型軽量化の要求を満足しつつ確実にイジェクト動作時において高速回転するディスクを制動することが可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ディスク装置のシャーシ18には防塵等のためカバーが取り付けられるが、図4〜図6から分かるようにディスクDAをイジェクトする際にはディスクDAをトレー12ごと手前に引き出すためシャーシ18の手前右側にはねじ止めする部材を設けることができず(このような部材を設けるとイジェクト動作時にディスクDAが当接してイジェクトできない)、従ってシャーシ18の手前右側についてはカバーを曲げてシャーシ18に係止する等しなければならず、この部分ではがたつきが生じやすく、テープを巻いてがたつきを防止する等煩雑となっていた。
【0008】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みなされたものであり、その目的は、ディスクを確実にイジェクトできるとともにイジェクト動作時にディスクの回転を確実に停止させ、かつカバーのがたつきも防止できるディスク装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、トレーに装着されたディスクを回転駆動するディスク装置において、前記トレーのイジェクト動作過程で前記ディスクの外周に当接して前記ディスクの回転を制動するとともにその上端部が前記ディスク装置のカバー下面に当接する制動部材を有することを特徴とする。
【0010】
ここで、前記ディスク装置は前記トレーを摺動自在に保持するとともにその一側面が起立するシャーシを有し、前記制動部材は前記起立した側面の内側に設けられ、前記制動部材は前記起立した側面の起立高さ以上に突出することが好適である。
【0011】
このように、本発明のディスク装置では、従来のようにディスクの外周に当接(あるいは摺接)してディスクの回転を制動する制動部材を設けるとともに、この制動部材にカバーのがたつきを防止する機能も持たせる、すなわち制動機能とカバー保持機能を兼用させることで小型軽量化の要求を満たしつつ上記の目的を達成することができる。具体的には、制動部材の一部、例えばその上面を従来以上に上方(カバー方向)に延在あるいは突出させてカバー下面に当接させ、カバーとの隙間をなくせばよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。なお、本実施形態に係るディスク装置のイジェクト機構及び動作は上述した従来例と同一であるのでその説明は省略する。
【0013】
図1には、本実施形態に係るディスク装置の分解斜視図が示されている。シャーシ18の前面には従来と同様にベゼル15が設けられ、シャーシ18の右側(引き出す側を前面とした右側)には起立した側面18cが設けられている。また、シャーシ18の四隅、すなわち左側の手前と奥、右側の奥2カ所にはそれぞれねじ穴18e、18f、18g、18hが形成されており、カバー50の対応する位置に設けられたねじ穴50a、50b、50c、50dをこれらのねじ穴に合わせ、ねじを用いてカバー50をシャーシ18に取り付ける。
【0014】
また、シャーシ18の起立側面18cの内側には従来装置と略同一位置に制動部材51が固着されている。制動部材51は略直方体の形状をなし、その材質は弾性部材、例えばフエルトやスポンジ、ゴムなどから構成される。
【0015】
従来装置においては、制動部材51は単にイジェクト動作時にディスクDAに当接してその回転を止めればよいため、ディスクの外周の高さと略同一位置に存在すればよいが、本実施形態においては図1に示されるように制動部材51はシャーシ18の起立側面18cの高さよりも突出した上面を有しており、この上面がねじで取り付けられたカバー50の下面に当接する。
【0016】
図2には、図1における制動部材51近傍の縦断面図が示されている。図2(a)は本実施形態の断面図であり、図2(b)は比較のため従来装置の縦断面図である。図2(a)に示されるように、制動部材51の上面はシャーシ18の起立側面18cの高さ以上に突出しカバー50の下面に当接している。一方、図2(b)に示されるように、従来装置の制動部材51はカバー50の下面に当接しておらず、カバー50との間に隙間が生じてがたつきが生じる。図2(a)から、本実施形態によれば手前右側にねじ止めのスペースを設けることなく、かつ部品点数を増大させることなく、ねじ止めできないカバー部位のがたつきを防止できることが理解されよう。
【0017】
このように、本実施形態においては制動部材51をがたとり部材としても兼用させているため、組み立て工程を増加させることなくがたつきを防止して組み付け性を向上させることができる。
【0018】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく種々の変更が可能である。
【0019】
例えば、本実施形態においては制動部材51の形状は略直方体としたが、シャーシ18の起立側面18cの内側に取り付け可能であり、かつイジェクト動作時にディスクの外周に当接するとともにディスク装着時にはディスクから離間し、しかもカバー取り付け状態においてカバー50の下面にその一部が当接する条件を満たすものであれば任意の形状とすることができる。
【0020】
図3には、このような制動部材51の形状が示されている。図3(a)は上述した制動部材51の形状であり、直方体の1つの側面51bがイジェクト動作時にディスクの外周に当接し、また上面51aがカバー50の下面に当接してがたつきを防止する。
【0021】
図3(b)は縦断面形状が略T字形の制動部材51であり、1つの側面51bがイジェクト動作時にディスクの外周に当接するとともに上面51aがカバー50の下面に当接してがたつきを防止する。側面51bはイジェクト動作時にディスクに当接してその回転を制動するために必要な面積だけあればよく、上面51aはカバー50のがたつきを確実に防止するためにその当接面積ができるだけ大きいことが望ましい。断面形状T字形の形状とすることで、このような要求を満たすことができる。
【0022】
図3(c)はさらに他の形状であり、図3(a)の直方体の上面にさらに立方体形状の凸部が形成されている(図3(b)と上下が逆になっている)。1つの側面51bでディスクDAを制動するとともに、突出部の上面51aでカバー50のがたつきを防止する。このような形状によっても、イジェクト動作時のディスク回転制動機能とがたとり機能を達成することができる。
【0023】
また、本実施形態においては制動部材51を起立側面18c内側に1個だけ設けているが、必要に応じて複数個設けることももちろん可能である。また、複数個の制動部材51を設けた場合に、全ての制動部材51の上面をカバー50の下面に当接させる他、何れか1つの制動部材51のみをカバー50の下面に当接させることも可能である。
【0024】
また、本実施形態では、制動部材51の上面を起立側面18cの高さ以上に突出させてカバー50の下面に当接させているが、その逆であってもよい。すなわち、制動部材51は従来装置と同様の高さとし、カバー50の制動部材51に対向する位置に凸部を設け、カバー50取り付け時にこの凸部が制動部材51の上面に当接することでがたつきを防止することも可能である。
【0025】
要は、制動部材51の一部とカバー50の下面とを直接当接させればよく、この技術思想の範囲内で種々の態様が可能である。
【0026】
さらに、本実施形態では、ノート型コンピュータに内蔵されるディスク装置を例示しているが、本発明はこれに限らず、デスクチップ型のコンピュータに内蔵するディスク装置や、コンピュータとは別個の外部機器として使用されるディスク装置にも同様に適用できる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によればイジェクト動作時に高速回転するディスクの回転を制動できるとともにカバーのがたつきを防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係る分解斜視図である。
【図2】 図1の一部縦断面図である。
【図3】 制動部材の斜視図である。
【図4】 従来装置の斜視図である。
【図5】 従来装置の平面図(その1)である。
【図6】 従来装置の平面図(その2)である。
【符号の説明】
18 シャーシ、18c 起立側面、50 カバー、51 制動部材。
Claims (2)
- トレーに装着されたディスクを回転駆動するディスク装置において、
前記トレーのイジェクト動作過程で前記ディスクの外周に当接して前記ディスクの回転を制動するとともに少なくともその一部が前記ディスク装置のカバー下面に当接する制動部材
を有することを特徴とするディスク装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記ディスク装置は前記トレーを摺動自在に保持するとともにその一側面が起立するシャーシを有し、
前記制動部材は前記起立した側面の内側に設けられ、
前記制動部材は前記起立した側面の起立高さ以上にその一部が突出することを特徴とするディスク装置。
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