WO2006054620A1

WO2006054620A1 - ディスクドライブ装置

Info

Publication number: WO2006054620A1
Application number: PCT/JP2005/021088
Authority: WO
Inventors: Yoshiyasu Odagiri; Yoshihiro Ichikawa
Original assignee: Pioneer Corporation
Priority date: 2004-11-17
Filing date: 2005-11-17
Publication date: 2006-05-26

Abstract

　ディスクドライブ装置（１００）は、（ｉ）ディスク（１０）を搭載可能であり、ディスクを回転させる閉じ状態と、ディスクを挿入又は排出する開き状態とに配置可能な可動プレート（１０１）と、（ｉｉ）この可動プレートを収容可能なキャビネット（１０４）と、（ｉｉｉ）このキャビネットに設けられると共に、可動プレートに対して開動作が行われる場合に、ディスクと接触しつつ当該ディスクの回転を停止させるブレーキパッドと、（ｉｖ）このキャビネットに設けられると共に、ブレーキパッドをはがれにくい側に圧縮するはがれ防止手段（１０３ａ等）とを備える。

Description

明細書

ディスクドライブ装置

技術分野

[0001] 本発明は、例えばトレー等の可動プレートに装着された、例えば DVD等のディスクを高速に回転させて、ディスクの記録面に記録された情報を再生する、或いは記録面に情報を記録することが可能なディスクドライブ装置の技術分野に関する。

背景技術

[0002] 近年、光ピックアップ装置を含むディスクドライブ装置にぉ、て、例えば動画像のシームレスな記録、又はマルチアングル再生等のために、大容量のデータ転送が行われている。このため、ディスクドライブ装置において、データ転送速度の増加が必要とされ、光ディスクの回転速度の高速ィ匕が行われている。カロえて、例えば、薄型化されたノート型パソコンの筐体内に内蔵することが可能な薄型のドロヮー型（Drawer型、引き出し型)ディスクドライブ装置の開発も行われている。より具体的には、ドロヮー型ディスクドライブ装置においては、ディスクが排出又は挿入方向に摺動される可動プレートが設置される。この可動プレートにおいては、例えばスピンドルモータ等によつて、光ディスクが高速に回動している。

[0003] このようにディスクの回転速度を高速ィ匕した場合、排出時にディスクの回転が停止するまでの時間が、慣性力のため長くなつてしまう。そして、ディスクへの記録又は再生動作の完了後、例えば排出ボタンを押圧操作すると、ディスクが停止する前に、トレー等の可動プレートが排出方向に移動される。よって、この慣性力によって回転を継続したままディスクが排出されてしまう。

[0004] そこで、例えば可動プレートに搭載されたディスクが排出される際に、例えばデイスクの外周端部と、摩擦部材、所謂、ブレーキパッドとを接触させ、摩擦力によって、この慣性力による回転を確実に停止させる技術も考案されて、る。

[0005] 特許文献 1 :特開 2002— 197779号公報

特許文献 2 :特開平 7— 210984号公報

発明の開示発明が解決しょうとする課題

[0006] 上述したブレーキパッドは、例えば直方体の形状をした弾性体であり、例えばボンドや両面テープ等の粘着剤によって、ディスクドライブの側面に貼り付けられて、る。

[0007] しかしながら、このブレーキパッドは、この粘着力だけで固定するには、不十分であり、記録再生動作における高速回転に比例した大きな慣性力によって回転するディスクと、当該ブレーキパッドとの間に生じる摩擦力によってはがれてしまう可能性があるという技術的な問題点がある。

[0008] そこで本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、例えばディスクの回転をより確実に停止させることが可能であるディスクドライブ装置を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

[0009] (ディスクドライブ装置）

本発明のディスクドライブ装置は上記課題を解決するために、ディスクを搭載可能であり、該ディスクを回転させる閉じ状態 (ロード状態）と、前記ディスクを挿入又は排出する開き状態 (アンロード状態)とに配置可能な可動プレートと、前記可動プレートを収容可能なキャビネット（ベースシャーシ）と、前記キャビネット（ベースシャーシ）に設けられると共に、前記可動プレートに対して前記閉じ状態から前記開き状態へ遷移させる開動作が行われる場合に、前記ディスクと接触しつつ当該ディスクの回転を停止させるブレーキパッドと、前記キャビネット（ベースシャーシ）に設けられると共に、前記ブレーキパッドをはがれにくい側に圧縮するはがれ防止手段とを備える。

[0010] 本発明のディスクドライブ装置によれば、例えば DVD—Rや DVD—ROM等のデイスクが可動プレートに収容され、このディスクに対して半導体レーザによる記録又は再生が行われる閉じ状態（ロード状態）においては、ディスクは例えば 8倍速以上で高速に回転している。特に、この閉じ状態における、ディスクが高速に回転している際、ブレーキパッドと、ディスクとは接触していない。

[0011] 次に、可動プレートとキャビネット（ベースシャーシ）との相対的位置関係力閉じ状態から、ディスクを排出する開き状態 (アンロード状態)へ遷移する際に、ディスクと、ブレーキパッドとは、接触（当接)する。この接触により発生する摩擦力によって、ディスクの回転速度は減少される。

[0012] 特に、本発明によれば、例えばシート形状の部材における溝部（言い換えると、窪み部）等のはがれ防止手段によって、ブレーキパッドを押し込むことが可能である。従つて、ブレーキパッドがはがれるのを、次の 2つの力によって殆ど又は完全になくすことが可能となる。その力とは、（i)ブレーキパッドとキャビネットとの間に設けられた例えばボンドや両面テープ等の粘着剤による粘着力、及び (ii)前述したはがれ防止手段力ブレーキパッドを押し込む力である。

[0013] その結果、ディスクの回転をより確実に停止させることが可能となる。

[0014] 本発明のディスクドライブ装置の一の態様は、前記はがれ防止手段は、前記ブレーキパッドが前記ディスクに接触する摩擦面 (ブレーキング面）に当接して前記はがれにくい側に圧縮する。

[0015] この態様によれば、例えば、直方体の形状をしたブレーキパッドの角部分を、落として、言い換えると、丸めてはめ込むことが可能である。即ち、ディスクの回転力ブレーキパッドの角に当接する可能性をなくすことが可能となる。

[0016] その結果、ブレーキパッドが、ディスクの回転によって、引きずられ、はがそうとする力の度合いを、より軽減することが可能となる。

[0017] 本発明のディスクドライブ装置の他の態様は、前記はがれ防止手段は、前記ブレーキパッドの上面に近い位置において当接する一のはがれ防止手段と、前記ブレーキパッドの底面に近、位置において当接する他のはがれ防止手段とを含む。

[0018] この態様によれば、ブレーキパッドがはがれるのを、次の 3つの力によって、殆ど又は完全になくすことが可能となる。その 3つの力とは、（i)ブレーキパッドとキャビネットとの間に設けられた例えばボンド等の粘着剤による粘着力、及び (ii)一のはがれ防止手段が、ブレーキパッドを押し込む力にカ卩えて、（iii)他のはがれ防止手段力ブレーキパッドを押し込む力である。

[0019] その結果、ディスクの回転をより確実に停止させることが可能となる。

[0020] 本発明のディスクドライブ装置の他の態様は、前記はがれ防止手段は、前記ディスクの記録又は再生面、或いは、レーベル面における傷付きを防止するシート形状をしている。 [0021] この態様によれば、はがれ防止手段は、例えばディスクの外周端に沿ったシート形状をしていてもよい。よって、ディスクドライブ装置に対して、振動等により垂直方向の衝撃が発生した場合においても、ディスクの外周端を支持することが可能となる。従つて、ディスクに含まれる、データ等の記録信号が記録又は再生されるデータエリア等を含む中周部が、キャビネットに接触することを防止することが可能となる。言い換えると、ディスクの記録又は再生面、或いは、レーベル面における傷付きを防止することが可能となる。

[0022] このはがれ防止手段に係る態様では、前記はがれ防止手段は、前記ブレーキパッドをはめ込み可能であると共に前記はがれにくい側に圧縮するための溝 (窪み）を有するように構成してちょい。

[0023] このように構成すれば、はがれ防止手段は、より簡便に、ブレーキパッドを、押し込むことが可能となる。

[0024] 本発明のディスクドライブ装置の他の態様は、前記はがれ防止手段は、前記キヤビネットの内面に設けられた、前記ブレーキパッドをはめ込み可能な溝 (絞り）である。

[0025] この態様によれば、例えばシート等の部材を追加するのではなぐはがれ防止手段を実現可能である。

[0026] その結果、押し込む部材の材料費を削減することが可能となる。更に、押し込む部材の取り付け工程を省略することが可能となるので、取り付け位置の誤り等を未然に防止することが可能となる。

[0027] 本発明のディスクドライブ装置の他の態様は、前記はがれ防止手段は、前記キヤビネットの内面に設けられた、前記ブレーキパッドをはめ込み可能な切り起こしである。

[0028] この態様によれば、例えばシート等の部材を追加するのではなぐはがれ防止手段を実現可能である。

[0029] その結果、押し込む部材の材料費を削減することが可能となる。更に、押し込む部材の取り付け工程を省略することが可能となるので、取り付け位置の誤り等を未然に防止することが可能となる。

[0030] 本発明のディスクドライブ装置の他の態様は、前記ブレーキパッドは、直方体の形状をした弾性体であり、前記はがれ防止手段は、（i)前記ディスクと前記ブレーキパッドとが当接する位置において、前記ディスクの接線方向に近づけられた平面を有し、 (ii)前記平面を介して、前記ブレーキパッドに当接して前記はがれにくい側に圧縮する。

[0031] この態様によれば、はがれ防止手段は、例えばシート形状の部材における溝部（言い換えると、窪み部）における平面によって、直方体の形状をした弾性体であるブレーキパッドを押し込むことが可能である。従って、はがれ防止手段は、ブレーキパッドに対して、はがそうとする力を軽減しつつ、押し込むので、ブレーキパッドがはがれるのを、殆ど又は完全になくすことが可能となる。

[0032] その結果、ディスクの回転をより確実に停止させることが可能となる。

[0033] 本発明のディスクドライブ装置の他の態様は、前記ブレーキパッドは、前記開動作が行われる場合、前記ディスクの外周側端面と接触する。

[0034] この態様によれば、ディスクの回転をより効率的に、停止させることが可能となる。

[0035] 本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から更に明らかにされる。

[0036] 以上説明したように、本発明のディスクドライブ装置は、可動プレート、キャビネット、ブレーキパッド、及びはがれ防止手段を備える。従って、ディスクの回転をより確実に停止させることが可能となる。

図面の簡単な説明

[0037] 圆 1]本発明のディスクドライブ装置に係る第 1実施例のロード状態力アンロード状態へ遷移する可動プレート、及び可動プレートとベースシャーシとの相対的な位置関係を図式的に示した外観斜視図である。

圆 2]本発明のディスクドライブ装置の第 1実施例に係るロード状態力排出が開始された場合における可動プレートに搭載された光ディスクと、ベースシャーシに設置されたブレーキパッドとの相対的な位置関係を図式的に示した水平的断面図（上側部分)等である。

圆 3]本発明に係るブレーキパッドの構成を図式的に示した水平断面図である。

[図 4]本発明のディスクドライブ装置の第 1実施例に係るブレーキパッドがはめ込まれる前の BCシートの溝を部分的に拡大した水平断面図等（図 4 (a) )、及び、ブレーキノ^ドがはめ込まれた後の BCシートを部分的に拡大した水平断面図等（図 4 (b) )である。

[図 5]比較例に係るブレーキパッドが設置された後の BCシートと、ベースシャーシとを図式的に示す水平断面図 (上側部分)と、該上側部分に対応される垂直断面図（下側部分)である。

[図 6]比較例に係るブレーキパッドが設置された後の BCシートと、ベースシャーシとを部分的に拡大した水平断面図である。

[図 7]本発明のディスクドライブ装置の第 2実施例に係るブレーキパッドがはめ込まれる前の BCシートの溝を部分的に拡大した水平断面図（図 7 (a) )、及び、ブレーキパッドがはめ込まれた後の BCシートを部分的に拡大した水平断面図（図 7 (b) )である。

[図 8]本発明のディスクドライブ装置の第 3実施例に係るブレーキパッドがはめ込まれた後の、ブレーキパッド、 2つの BCシート、及びベースシャーシを部分的に拡大した垂直断面図である。

[図 9]本発明のディスクドライブ装置の第 4実施例に係るブレーキパッドがはめ込まれた後の、ブレーキパッド、及びベースシャーシの一具体例を部分的に拡大した垂直断面図（図 9 (a) )、並びに他の具体例を部分的に拡大した垂直断面図（図 9 (b) )である。

符号の説明

[0038] 10· "ディスク、 100· ··ディスクドライブ装置、 101…可動プレート、 102· ··ブレーキパッド、 103 (103— 1、及び 103— 2)…ベースシャーシシート（BCシート）、 103a…溝部、 104· ··ベースシャーシ（キャビネッ卜）、 104a (104b)…切り起こし部、 104c (104 d)…絞り部

発明を実施するための最良の形態

[0039] 以下、本発明を実施するための最良の形態について実施例毎に順に図面に基づいて説明する。

[0040] 以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。

[0041] (1) ディスクドライブ装置の第 1実施例

(1 - 1) 基本構成先ず、図 1から図 5を参照しながら、本発明のディスクドライブ装置に係る第 1実施例の基本構成について説明する。ここに、図 1 (図 1 (a)から図 1 (d)へ遷移を参照）は、本発明のディスクドライブ装置に係る第 1実施例のロード状態 (即ち閉じ状態)からァンロード状態 (即ち、開き状態)へ遷移する可動プレート、及び可動プレートとベースシャーシとの相対的な位置関係を図式的に示した外観斜視図である。

[0042] 図 2は、本発明のディスクドライブ装置の第 1実施例に係るロード状態（図 1 (a)に対応)から排出が開始された場合における可動プレートに搭載された光ディスクと、ベースシャーシに設置されたブレーキパッドとの相対的な位置関係を図式的に示した水平的断面図 (上側部分)、及び該上側部分に対応される視点「A」から見た垂直的断面図（下側部分)である。尚、図 2における破線は、後述される図 3における破線に対応される。

[0043] 図 3は、本発明に係るブレーキパッドの構成を図式的に示した水平断面図である。

図 4は、本発明のディスクドライブ装置の第 1実施例に係るブレーキパッドがはめ込まれる前の BCシートの溝を部分的に拡大した水平断面図と、該水平断面図に対応される垂直断面図（図 4 (a) )、及び、ブレーキパッドがはめ込まれた後の BCシートを部分的に拡大した水平断面図と、該水平断面図に対応される垂直断面図（図 4 (b) )である。尚、垂直断面図は、垂直平面「B」によって断面されている。

[0044] また、本実施例にお!、ては、本発明に係るディスクドライブ装置の一具体例として、例えば、半導体レーザ、光ピックアップやモータ等を制御する制御 IC (Integrated Cir cuit)等が集約された駆動ユニットが搭載されて、るドロワ一（引き出し: Drawer)型デイスクドライブ装置について説明する。

[0045] 図 1、図 2、及び図 4に示されるように、本発明のディスクドライブ装置 100に係る第 1 実施例は、（i)例えば光ディスク 10等の情報記録媒体を収容可能である、と共に駆動ユニット等を設置可能な、本発明に係る「可動プレート」 101、（ii)本発明に係る「ブレーキパッド」 102、（iii)本発明に係る「はがれ防止手段」の一具体例を構成するベースシャーシシート 103 (以下、適宜「BCシート」と称す）、並びに、（iv)該ブレーキノッド 102とベースシャーシシート 103とを設置可能な、本発明に係る「キャビネット」の一具体例を構成するベースシャーシ 104を備えて構成されている。 [0046] (1 2)動作原理

次に、前述した図 1から図 4を参照して、本発明のディスクドライブ装置に係る第 1実施例の動作原理について、その詳細な構成と共に説明する。

[0047] 先ず、図 1 (a)及び図 2に示されるように、可動プレート 101とベースシャーシ 104との相対的な位置関係が、例えば光ディスク 10等に対して記録又は再生が行われる口ード状態である場合、光ディスク 10は、高速に回転している。具体的には、図 2の上側部分において示されるように、光ディスク 10は、例えば図 2中の矢印 AR2の回転方向に高速に回転している。特に、このロード状態における、光ディスク 10が高速に回転している際、ブレーキパッド 102と、光ディスク 10とは接触していない。尚、図 2の下側部分に示されるように、光ディスク 10と、 BCシートとの間は、約 0. 5mmから 1. 0 mm程度であるようにしてもよ!、。

[0048] 次に、図 1 (b)及び図 1 (c)〖こカ卩えて図 2における矢印 AR1に示されるように、可動プレート 101とベースシャーシ 104との相対的位置関係力ロード状態から、光デイスク 10を排出するアンロード状態へ遷移する際に、光ディスク 10と、ブレーキパッド 10 2とは、図 2中の領域「X」において接触（当接)する。この接触により発生する摩擦力によって、光ディスク 10の回転速度は減少される。

[0049] 詳細には、図 3に示されるように、ブレーキパッド 102は、例えば直方体であり、外圧によって変形可能な弾性体である。より詳細には、光ディスク 10に当接する一の部材 102a,及び該一の部材への圧縮する力を吸収する他の部材 102bによって構成されていてもよい。また、一の部材の材質は、ベースシャーシからはがれにくくするために、例えばフェルトであるようにしてもよい。或いは、一の部材の材質は、光ディスク 1 0の回転速度を減少する効果、即ち、ブレーキ効果を高くするために、例えばシリコンゴムであるようにしてもよい。他方、他の部材 102bの材質は、圧縮する力をより吸収するために、スポンジであるようにしてもよい。

[0050] 特に、本発明のディスクドライブ装置に係る第 1実施例においては、図 4 (a)に示されるように、 BCシート 103の溝部（言い換えると、窪み部） 103aにおいて、ブレーキノッド 102を押し込むことが可能である。従って、図 4 (b)に示されるように、ブレーキパッド 102がはがれるのを、次の 2つの力によって殆ど又は完全になくすことが可能となる。その力とは、（i)ブレーキパッド 102とベースシャーシ 104との間に設けられた例えばボンドや両面テープ等の粘着剤による粘着力、及び (ii) BCシート 103の溝部 1 03a力ブレーキパッド 102を押し込む力である。

[0051] より詳細には、 BCシート 103は、図 4等に示されるように、例えば光ディスク 10の外周端に沿った形状をしていてもよい。よって、例えばディスクドライブ装置 100に対して、振動等により垂直方向の衝撃が発生した場合においても、光ディスク 10の外周端を支持することが可能となる。従って、ディスクに含まれる、データ等の記録信号が記録又は再生されるデータエリア等を含む中周部が、ベースシャーシ 104に接触することを防止することが可能となる。言い換えると、光ディスク 10の記録又は再生面、或いは、レーベル面における傷付きを防止することが可能となる。

[0052] (1 3)第 1実施例に係るディスクドライブ装置の作用と効果の検討

次に、図 5及び図 6を参照して、本発明のディスクドライブ装置に係る第 1実施例の作用と効果について検討する。ここに、図 5は、比較例に係るブレーキパッドが設置された後の BCシートと、ベースシャーシとを図式的に示す水平断面図（上側部分）と、該上側部分に対応される垂直断面図（下側部分)である。尚、垂直断面図は、垂直平面「C」によって断面されている。また、図 5中の破線は、後述される図 6における破線に対応される。図 6は、比較例に係るブレーキパッドが設置された後の BCシートと、ベースシャーシとを部分的に拡大した水平断面図である。

[0053] 図 5に示されるように、比較例に係るブレーキパッド 102は、 BCシート 103や、ベースシャーシ 104の内壁に直接的に、ボンドや両面テープ等の粘着剤による粘着力によってのみ固定されている。比較例においては、 BCシート 103の溝部 103aが存在しないので、ブレーキパッド 102を押し込む力が発生しない。よって、図 6に示されるように、このブレーキパッドは、この粘着力だけで固定するには、不十分であり、記録再生動作における高速回転に比例した大きな慣性力によって回転するディスクと、当該ブレーキパッドとの間に生じる摩擦力によってはがれてしまう可能性が生じてしまう。

[0054] これに対して、本発明のディスクドライブ装置に係る第 1実施例においては、前述した図 4 (a)に示されるように、 BCシート 103の溝部（言い換えると、窪み部） 103aにおいて、ブレーキパッド 102を押し込むことが可能である。従って、図 4 (b)に示されるように、ブレーキパッド 102がはがれるのを、（i)ブレーキパッド 102とベースシャーシ 10 4との間に設けられた例えばボンドや両面テープ等の粘着剤による粘着力にカ卩えて、 (ii) BCシート 103の溝部 103a力ブレーキパッド 102を押し込む力によって、殆ど又は完全になくすことが可能となる。

[0055] その結果、光ディスク 10の回転をより確実に停止させることが可能となる。よって、当該光ディスク 10の排出時において、記録再生動作における高速回転に比例した大きな慣性力によって回転するディスクによって、ユーザが、例えば手にケガする等の危険を未然に防止することが可能となる。

[0056] (2) ディスクドライブ装置の第 2実施例

(2- 1) 基本構成

次に、図 7を参照しながら、本発明のディスクドライブ装置に係る第 2実施例の基本構成について説明する。尚、第 2実施例に係る動作原理については、前述した第 1 実施例と概ね同様であるので省略する。ここに、図 7は、本発明のディスクドライブ装置の第 2実施例に係るブレーキパッドがはめ込まれる前の BCシートの溝を部分的に拡大した水平断面図（図 7 (a) )、及び、ブレーキパッドがはめ込まれた後の BCシートを部分的に拡大した水平断面図（図 7 (b) )である。

[0057] 特に、本発明のディスクドライブ装置に係る第 2実施例においては、図 7 (a)に示されるように、 BCシート 103の溝部（言い換えると、窪み部） 103aの領域「X」に含まれる角部分 (約 90度の角部分)を斜め（約 45度）にしている。従って、図 7 (b)に示されるように、直方体の形状をしたブレーキパッド 102の角部分を、落として、言い換えると、丸めてはめ込むことが可能である。即ち、光ディスク 10の回転力ブレーキパッド 102の角に当接する可能性をなくすことが可能となる。

[0058] その結果、図 7 (b)に示されるように、ブレーキパッド 102が、光ディスク 10の回転（矢印 AR2を参照）によって、引きずられ、はがそうとする力の度合いを、より軽減することが可能となる。

[0059] (3) ディスクドライブ装置の第 3実施例

(3— 1) 基本構成

次に、図 8を参照しながら、本発明のディスクドライブ装置に係る第 3実施例の基本構成について説明する。尚、第 3実施例に係る動作原理については、前述した第 1 実施例と概ね同様であるので省略する。ここに、図 8は、本発明のディスクドライブ装置の第 3実施例に係るブレーキパッドがはめ込まれた後の、ブレーキパッド、 2つの B Cシート、及びベースシャーシを部分的に拡大した垂直断面図である。

[0060] 特に、本発明のディスクドライブ装置に係る第 3実施例においては、図 8に示されるように、ブレーキパッド 102がはがれるのを、次の 3つの力によって、殆ど又は完全になくすことが可能となる。その 3つの力とは、（i)ブレーキパッド 102とベースシャーシ 1 04との間に設けられた例えばボンド等の粘着剤による粘着力、及び (ii) BCシート 10 3—1力ブレーキパッド 102を押し込む力に加えて、（）じシート103— 2カブレーキパッド 102を押し込む力である。

[0061] その結果、光ディスク 10の回転をより確実に停止させることが可能となる。よって、当該光ディスク 10の排出時において、当該光ディスク 10の回転によって、ユーザが、例えば手にケガする等の危険を未然に防止することが可能となる。

[0062] (4) ディスクドライブ装置の第 4実施例

(4—1) 基本構成

次に、図 9を参照しながら、本発明のディスクドライブ装置に係る第 4実施例の基本構成について説明する。尚、第 4実施例に係る動作原理については、前述した第 1 実施例と概ね同様であるので省略する。ここに、図 9は、本発明のディスクドライブ装置の第 4実施例に係るブレーキパッドがはめ込まれた後の、ブレーキパッド、及びべースシャーシの一具体例を部分的に拡大した垂直断面図（図 9 (a) )、並びに他の具体例を部分的に拡大した垂直断面図（図 9 (b) )である。

[0063] 特に、本発明のディスクドライブ装置に係る第 4実施例の一具体例においては、図 9 (a)に示されるように、ベースシャーシ 104における一の切り起こし部 104aが、ブレーキパッド 102を押し込むことが可能である。また、一の切り起こし部 104aに対向する位置にある他の切り起こし部 104bも、ブレーキパッド 102を押し込むことが可能である。

[0064] 或、は、本発明のディスクドライブ装置に係る第 4実施例の他の具体例にぉ、ては、図 9 (b)に示されるように、ベースシャーシ 104における一の絞り部 104cが、ブレーキパッド 102を水平方向において固定することが可能である。また、一の絞り部 104c に対向する位置にある他の絞り部 104dも、ブレーキパッド 102を水平方向において固定することが可能である。

[0065] 以上のように、前述した BCシート等の部材を追加するのではなぐブレーキパッド 1 02を押し込む形状が形成されるように、ベースシャーシ 104をカ卩ェする、言い換えると、ブレーキパッド 102を押し込む部材をベースシャーシ 104と一体的に加工する。尚、上述した切り起こしブ 104aと、絞り部 104cとを加工しやすくするために、ベースシャーシ 104は、アルミニウム等の材質で構成されるようにしてもよ!、。

[0066] その結果、押し込む部材の材料費を削減することが可能となる。更に、押し込む部材の取り付け工程を省略することが可能となるので、取り付け位置の誤り等を未然に防止することが可能となる。

[0067] 尚、上述した実施例では、ディスクドライブ装置の一例として、例えば薄型ノート型ノソコンの内蔵用ディスクドライブ装置として採用されているドロヮー型ディスクドライブ装置について説明した。しかし、本発明は、このようなディスクドライブ装置に限られるものではなぐ回転体を排出や挿入する駆動装置に適用可能である。

[0068] 本発明は、上述した実施例に限られるものではなぐ請求の範囲及び明細書全体力読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なうディスクドライブ装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。

産業上の利用可能性

[0069] 本発明に係るディスクドライブ装置は、例えばトレー等の可動プレートに装着された、例えば DVD等のディスクを高速に回転させて、ディスクの記録面に記録された情報を再生する、或いは記録面に情報を記録することが可能なディスクドライブ装置に利用可能である。

Claims

請求の範囲

[1] ディスクを搭載可能であり、該ディスクを回転させる閉じ状態と、前記ディスクを挿入又は排出する開き状態とに配置可能な可動プレートと、

前記可動プレートを収容可能なキャビネットと、

前記キャビネットに設けられると共に、前記可動プレートに対して前記閉じ状態から前記開き状態へ遷移させる開動作が行われる場合に、前記ディスクと接触しつつ当該ディスクの回転を停止させるブレーキパッドと、

前記キャビネットに設けられると共に、前記ブレーキパッドをはがれにくい側に圧縮するはがれ防止手段と

を備えることを特徴とするディスクドライブ装置。

[2] 前記はがれ防止手段は、前記ブレーキパッドが前記ディスクに接触する摩擦面に当接して前記はがれにくい側に圧縮することを特徴とする請求の範囲第 1項に記載のディスクドライブ装置。

[3] 前記はがれ防止手段は、前記ブレーキパッドの上面に近い位置において当接する一のはがれ防止手段と、前記ブレーキパッドの底面に近い位置において当接する他のはがれ防止手段とを含むことを特徴とする請求の範囲第 1項に記載のディスクドライブ装置。

[4] 前記はがれ防止手段は、前記ディスクの記録又は再生面、或いは、レーベル面における傷付きを防止するシート形状をしていることを特徴とする請求の範囲第 1項に記載のディスクドライブ装置。

[5] 前記はがれ防止手段は、前記ブレーキパッドをはめ込み可能であると共に前記はがれにくい側に圧縮するための溝を有することを特徴とする請求の範囲第 4項に記載のディスクドライブ装置。

[6] 前記はがれ防止手段は、前記キャビネットの内面に設けられた、前記ブレーキパッドをはめ込み可能な溝であることを特徴とする請求の範囲第 1項に記載のディスクドライブ装置。

[7] 前記はがれ防止手段は、前記キャビネットの内面に設けられた、前記ブレーキパッドをはめ込み可能な切り起こしであることを特徴とする請求の範囲第 1項に記載のデイスクドライブ装置。

[8] 前記ブレーキパッドは、直方体の形状をした弾性体であり、

前記はがれ防止手段は、 (i)前記ディスクと前記ブレーキパッドとが当接する位置において、前記ディスクの接線方向に近づけられた平面を有し、（ii)前記平面を介して

、前記ブレーキパッドに当接して前記はがれにくい側に圧縮することを特徴とする請求の範囲第 1項に記載のディスクドライブ装置。

[9] 前記ブレーキパッドは、前記開動作が行われる場合、前記ディスクの外周側端面と接触することを特徴とする請求の範囲第 1項に記載のディスクドライブ装置。