JPH06240032A - 帯電防止透明アクリル樹脂プレートの製造方法 - Google Patents

帯電防止透明アクリル樹脂プレートの製造方法

Info

Publication number
JPH06240032A
JPH06240032A JP5030282A JP3028293A JPH06240032A JP H06240032 A JPH06240032 A JP H06240032A JP 5030282 A JP5030282 A JP 5030282A JP 3028293 A JP3028293 A JP 3028293A JP H06240032 A JPH06240032 A JP H06240032A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
weight
acrylic resin
resin plate
conductive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5030282A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Osugi
高志 大杉
Koji Maruyama
耕司 丸山
Takeshi Inoue
健 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP5030282A priority Critical patent/JPH06240032A/ja
Publication of JPH06240032A publication Critical patent/JPH06240032A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】帯電防止性及び透明性に優れると共に、機械加
工性に適した帯電防止透明アクリル樹脂プレートの製造
方法。 【構成】透明アクリル樹脂プレートの表面を、不活性ガ
ス、気相状の含フッ素化合物及び酸素の混合気体を用い
てプラズマ処理する第1の工程と、該アクリル樹脂プレ
ートのプラズマ処理面上に、下記(a)〜(e)からな
る導電性塗料組成物を塗布し塗膜を形成する第2の工程
と、該塗膜に紫外線を照射して硬化させ導電層を形成す
る第3の工程と、該導電層をバフ研磨処理する第4の工
程からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は帯電防止透明アクリル樹
脂プレートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウェハー保存容器、電子、電気部
材、半導体の製造工場の床材、壁材などは、多くの場合
帯電防止性を有するものが必要とされる。
【0003】一般に、合成樹脂を材料とする成形体に帯
電防止性能を付与するために、例えば、カーボン粉末や
金属粉末入り塗料でコーティングしたり、あるいは、カ
ーボン粉末、カーボン繊維や金属繊維等を成形時に合成
樹脂に練り混んで成形する方法が行われている。
【0004】しかしながら、上記の方法では、塗料や成
形体自体の着色により透明なものが得られず、窓等の部
分に使用した場合、内容物を透視することができないと
いう問題点があった。
【0005】特に、クリーンルーム等で使用される機器
カバー類には、帯電防止性に加えて、透明性、耐摩耗
性、耐薬品性及び成形時の加工性等が要求される。
【0006】このような要求に対して、透明性の優れた
導電性塗料として、特開昭58−91777号公報に
は、平均粒径0.4μm以下の酸化錫を主成分とする導
電性微粉末をバインダー中に分散させた塗料が開示され
ている。しかしながら、この塗料はバインダーが熱可塑
性樹脂であるため、耐磨耗性及び耐溶剤性の十分な塗膜
が得られないという問題点があった。
【0007】さらに、特開昭60−60166号公報に
は、酸化錫を主成分とする導電性微粉末を光硬化性塗料
バインダー中に含有した塗料が開示されている。この塗
料から得られた塗膜は、透明性、帯電防止性が優れてい
るものの、耐摩耗性、耐薬品性が十分ではなかった。
【0008】また、穴開け加工等の加工性向上を目的と
して、分子量30万以上のアクリル樹脂プレートを用い
た場合、上記塗料は塗膜の密着性が不足して、塗膜が剥
離する等の問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたものであり、その目的は、帯電防止性
及び透明性に優れると共に、機械加工性に適した帯電防
止透明アクリル樹脂プレートの製造方法を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の製造方法におけ
る第1の工程では、透明アクリル樹脂プレート表面に親
水性を付与するために、不活性ガス、気相状の含フッ素
化合物及び酸素の混合気体を用いてプラズマ処理が行わ
れる。
【0011】上記不活性ガスとしては、例えば、Ar、
He等が挙げられ、N2 、Ne等が含まれていてもよ
い。
【0012】上記含フッ素化合物としては、常温で気相
状あるいはプラズマ処理時の温度で気相となるものであ
れば、特に限定されないが、低毒性かつ不燃性のC
4 、C 2 6 等、あるいは不燃性かつ非腐食性のSF
6 、NF3 等が挙げられる。
【0013】上記プラズマ処理に使用されるプラズマを
発生させるための放電方式としては、特に限定されない
が、例えば、内部電極方式による直流グロー放電及び低
周波放電;内部電極方式、外部電極方式及びコイル型方
式による高周波放電等が挙げられる。プラズマ処理時の
圧力は、特に限定されないが、装置、生産設備、製造コ
スト、大面積基板の処理を考慮すると、大気圧での処理
が好ましい。
【0014】本発明の製造方法における第2の工程で
は、前工程でプラズマ処理を行った上記樹脂プレートの
プラズマ処理面上に、後述する導電性塗料組成物を塗布
し塗膜を形成する。
【0015】上記塗膜を形成する方法としては、上記樹
脂プレート上に導電性塗料組成物を塗布した後、熱風、
赤外線等で乾燥する方法が挙げられる。
【0016】導電性塗料を塗布するには、例えば、スプ
レー法、ロールコーター法、バーコート法、ドクターブ
レード法等一般的な塗布方法が挙げられる。
【0017】上記導電性塗料組成物は、導電性粉末
(a)、塗料バインダー(b)、アセタール樹脂
(c)、光重合開始剤(d)及び有機溶剤(e)からな
る。
【0018】上記導電性粉末(a)は酸化錫を主成分と
する。上記酸化錫中には酸化アンチモンを含有するもの
が好ましく、その含有量は多くなっても、少なくなって
も塗膜の導電性が低下するので、0.1〜20重量%が
好ましい。
【0019】また、上記導電性粉末(a)の粒径は、小
さくなると塗膜の導電性が低下し、大きくなると可視光
線を散乱し塗膜の透明性が低下するので、0.01〜
0.4μmに限定される。
【0020】上記塗料バインダー(b)は、分子内に少
なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する
(メタ)アクリレート化合物を主成分とするものであ
る。このような(メタ)アクリレート化合物としては、
例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ノナプロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス〔4−(アクリ
ロキシジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス
〔4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル〕プロパ
ン、3−フェノキシ−2−プロパノイルアクリレート、
1,6−ビス(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロ
ピル)−ヘキシルエーテル等の2官能(メタ)アクリレ
ート;ペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリス−
(2−ヒドロキシルエチル)−イソシアヌル酸エステル
(メタ)アクリレート等の3官能(メタ)アクリレー
ト;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスルトールペンタ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスルトールヘキサ(メタ)アクリレー
トの4官能以上の(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。
【0021】上記以外の(メタ)アクリレート化合物と
しては、分子末端に(メタ)アクリロイル基を2個以上
有し、分子内にウレタン結合を有するアクリル系ウレタ
ンオリゴマーが挙げられ、該オリゴマーを用いると塗膜
の耐摩耗性が一層向上する。
【0022】上記アクリル系ウレタンオリゴマーは、例
えば、1分子内に2個以上のイソシアネート基を有する
化合物と、活性水素を有する(メタ)アクリレートを作
用させることにより調製される。
【0023】上記1分子内に2個以上のイソシアネート
基を有する化合物としては、例えば、m−フェニレンジ
イソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ト
ルエン−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,5
−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイソシアネ
ート、トルエン−3,5−ジイソシアネート、m−キシ
リレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘ
キサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、4,4’−ジイソシアネート−3,3’−ジメチル
ビフェニル、4,4’−ジイソシアネート−3,3’−
ジメチルビフェニルメタン等が挙げられる。
【0024】上記活性水素を有する(メタ)アクリレー
トとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
グリセリンジ(メタ)アクリレート、1,6−ビス(3
−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−ヘキシル
エーテル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ
ート、トリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル
酸エステル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸
等が挙げられる。
【0025】上記(メタ)アクリレート化合物は単独で
用いられても併用されてもよく、併用される場合は、上
記(メタ)アクリル系ウレタンオリゴマーが併用される
のが好ましい。
【0026】上記(メタ)アクリル系ウレタンオリゴマ
ーの量は、多くなっても少なくなっても、塗膜の耐摩耗
性が低下するので、塗料バインダー(b)中10〜90
重量%が好ましい。
【0027】導電性塗料組成物中、上記塗料バインダー
(b)の量は、少なくなると塗膜の機械的強度が低下
し、多くなると導電性粉末(a)の分散性が悪化し塗膜
の透明性が低下するので、導電性粉末(a)100重量
部に対して10〜100重量部に限定され、好ましくは
20〜60重量部である。
【0028】上記アセタール樹脂(c)は、主鎖のビニ
ル基にアセタール基が結合した部分と水酸基が結合した
部分から構成され、導電性粉末(a)の分散性を向上さ
せるために配合される。
【0029】上記アセタール樹脂(c)は、ポリビニル
アルコールにアルデヒドを縮合反応させてアセタール化
することにより得られるものであり、アセタール化に
は、酸触媒の存在下で水系媒体を用いる沈殿法や、アル
コール等の溶媒を用いる溶解法等公知の方法が採用され
る。なお、原料としてポリ酢酸ビニルを用い、ケン化と
アセタール化とを並行的に行って、ポリビニルアセター
ル樹脂を得ることもできる。
【0030】上記アセタール樹脂(c)において、水酸
基が結合したビニル基の部分が少なくなると、前記導電
性粉末(a)を分散する能力が不足して透明性が低下
し、多くなると有機溶剤への溶解性が低下し塗料の作製
が困難になるとともに、得られた塗膜の耐水性が低下す
るので、水酸基が結合しているビニル基のモル%は、主
鎖中の全ビニル基に対して20〜80モル%に限定され
る。
【0031】また、上記アセタール樹脂(c)は、側鎖
にアセチル基が含有されてもよく、その含有量は、主鎖
中の全ビニル基に対するアセチル基が結合しているビニ
ル基量として、10モル%以下が好ましい。
【0032】上記アセタール樹脂(c)の量は、少なく
なると、導電性粉末(a)の分散性が悪くなって透明性
が低下し、増粘効果も得られず塗工性が悪くなり、多く
なると、塗膜の硬度や耐摩耗性が低下するので、導電性
粉末(a)100重量部に対して、1〜30重量部に限
定され、好ましくは2〜25重量部である。
【0033】上記光重合開始剤(d)としては、紫外
線、可視光線等の活性光線により、重合を開始させる性
質を有するものであればよい。
【0034】上記光重合開始剤(d)のうち、紫外線で
活性化するものとしては、例えば、ソジウムメチルジチ
オカーバメイトサルファイド、テトラメチルチウラムモ
ノサルファイド、ジフェニルモノサルファイド、ジベン
ゾチアゾイルモノサルファイド及びジサルファイドなど
のサルファイド類;チオキサントン、2−エチルチオキ
サントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチ
ルチオキサントン等のチオキサントン誘導体;ヒドラゾ
ン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゼンジアゾニウ
ム等の(ジ)アゾ化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチ
ルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾフェノ
ン、ジメチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、
ベンジルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン、
2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノ
ン、2−アミノアントラキノン、2−クロロアントラキ
ノン等の芳香族カルボニル化合物;p−ジメチルアミノ
安息香酸メチル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、
p−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、p−ジエチルアミ
ノ安息香酸イソプロピル等のジアルキルアミノ安息香酸
エステル類;ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチ
ルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、キュメン
ハイドロパーオキサイド等の過酸化物;9−フェニルア
クリジン、9−p−メトキシフェニルアクリジン、9−
アセチルアミノアクリジン、ベンズアクリジン等のアク
リジン誘導体;9,10−ジメチルベンズフェナジン、
9−メチルベンズフェナジン、10−メトキシベンズフ
ェナジン等のフェナジン誘導体;6,4’,4”−トリ
メトキシ−2,3−ジフェニルキノキサリン等のキノキ
サリン誘導体;2,4,5−トリフェニルイミダゾイル
二量体等が挙げられる。
【0035】また、可視光線で活性化するものとして
は、例えば、2−ニトロフルオレン、2,4,6−トリ
フェニルピリリウム四弗化ホウ素塩、2,4,6−トリ
ス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
3,3’−カルボニルビスクマリン、チオミヒラーケト
ン等が挙げられる。
【0036】本発明では、導電性粉末(a)が350n
m以下の紫外線を強く吸収し、400nm以上では着色
が強くなるために、光重合開始剤(e)の最大吸収波長
は350〜400nmの範囲にあるものが好ましい。
【0037】また、上記光重合開始剤(d)には、酸素
阻害による感度の低下を防止するため、アミン化合物を
併用してもよい。このようなアミン化合物としては、脂
肪族アミン、芳香族アミン等不揮発性のものであれば、
特に限定されない。
【0038】導電性塗料組成物中、上記光重合開始剤
(d)の量は、少なくなると重合反応が進行せず、塗膜
の硬度及び耐摩耗性が不十分なものとなり、多くなると
塗膜の表面近傍のみで硬化が起こり、塗膜内部まで完全
に硬化し難くなるので、導電性粉末(a)100重量部
に対して0.1〜10重量部に限定される。
【0039】上記有機溶剤(e)としては、アセタール
樹脂(c)を溶解するものであれば、特に限定されず、
例えば、メタノール、メチルエチルケトン、シクロヘキ
サノン、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチ
ルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル(エチルセロソルブ)等が挙げられ、これらは単独で
用いられてもよく、混合して使用されてもよい。
【0040】導電性塗料組成物中、有機溶剤(e)の量
は、多くなっても少なくなっても塗工作業が困難になる
と共に、導電性粉末(a)の分散性が低下するので、導
電性粉末(a)100重量部に対して100〜1000
重量部に限定される。
【0041】上記光硬化性導電性塗料組成物には、紫外
線吸収剤、酸化防止剤、熱重合禁止剤、表面改質剤、脱
泡剤等の各種添加剤が添加されていてもよい。
【0042】上記塗料組成物は、全成分(a)〜(e)
を一度に加えて混合することによっても調製できるが、
塗料バインダー(b)、光重合開始剤(e)等を有機溶
剤(f)に加えて混合、溶解した後、アセタール樹脂
(d)と導電性粉末(a)を少しずつ加えさらに混合す
る方がより短時間に調製可能である。
【0043】混合には、塗料の分散や配合に通常用いら
れる装置、例えば、サンドミル、ボールミル、アトライ
ター、高速回転攪拌装置、三本ロール等が使用される。
【0044】本発明の製造方法における第3の工程で
は、前工程で得られた塗膜に紫外線を照射して硬化さ
せ、導電層を形成する。
【0045】紫外線照射に使用される光源としては、高
圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。
また、照射量は少なくなると塗膜の硬化が不十分とな
り、硬度、耐摩耗性、樹脂プレートへの密着性が低下す
るので、365nmの積算露光量として500mJ/c
2 以上が好ましい。
【0046】上記紫外線の照射量は、少なくなると硬化
が不十分となり、多くなるとそれ以上硬化が進行せず、
逆に紫外線による劣化が起こるので、1,000〜1
0,000mJ/cm2 が好ましい。
【0047】導電層の厚さは薄くなると導電性及び耐摩
耗性が低下し、厚くなると透明性が低下するので、0.
5〜3μmが好ましい。
【0048】本発明の製造方法における第4の工程で
は、前工程で得られた導電層をバフ研磨処理する。
【0049】上記バフ研磨処理により、導電層の透明性
が向上すると共に、表面の脱落し易い微粉末が除去され
るので塵の発生がなくなり、塵埃を極度に嫌う半導体の
製造装置に好適に用いられる。
【0050】バフ研磨処理としては、例えば、直径30
cmのウール性ポリッシャーを3000rpmで回転さ
せる方法が挙げられる。
【0051】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。 〔導電性塗料組成物Aの調製〕ジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレート38重量部、ヒドロキノン0.1重
量部、エチルセロソルブ350重量部、2,2−ジエチ
ルチオキサントン1重量部及びジエチルアミノアセトフ
ェノン1重量部をアトライターに仕込み、混合して溶解
させた後、粒径0.02μmの酸化アンチモン含有導電
性粉末(三菱マテリアル社製「T−1」)100重量
部、残存水酸基34モル%、ブチラール化度65モル
%、アセチル基1モル%及び重合度1900のアセター
ル樹脂10重量部を混合させながら20分間かけて添加
した。さらに、10時間分散させて導電性塗料組成物を
調製した(以下塗料組成物Aという)。
【0052】〔導電性塗料組成物Bの調製〕粒径0.0
2μmの酸化アンチモン含有導電性粉末(三菱マテリア
ル社製「T−1」)100重量部、残存水酸基33モル
%、ブチラール化度40モル%、アセトアセタール化度
26モル%、アセチル基1モル%及び重合度2000の
アセタール樹脂17重量部、ペンタエリスリトールテト
ラアクリレート34重量部、ヒドロキノン0.1重量
部、エチルセロソルブ390重量部、ベンゾフェノン1
重量部及びミヒラーケトン1重量部をアトライターに仕
込み、24時間分散させて導電性塗料組成物を調製した
(以下塗料組成物Bという)。
【0053】〔導電性塗料組成物Cの調製〕粒径0.0
2μmの酸化アンチモン含有導電性粉末(三菱マテリア
ル社製「T−1」)100重量部、ジペンタエリスリト
ールヘキサアクリレート50重量部、ヒドロキノン0.
1重量部、エチルセロソルブ350重量部、ベンゾフェ
ノン1重量部及びミヒラーケトン1重量部をアトライタ
ーに仕込み、24時間分散させて導電性塗料組成物を調
製した(以下塗料組成物Cという)。
【0054】(実施例1)厚さ3mm、分子量55万の
アクリル樹脂プレートをプラズマ反応容器内に入れ、H
eガスを10リットル/分、CF4 を0.2リットル/
分、O2 0.2リットル/分の流量で流しながら、周波
数10kHz、電圧2400V、電力200Wで60秒
間印加した〔第1の工程〕。
【0055】次いで、アクリル樹脂プレートの両面に、
バーコーターを用いて乾燥後の膜厚が1.5μmになる
ように塗料組成物Aを塗布し塗膜を形成した後、常温で
30分間乾燥し、さらに50℃で10分間熱風乾燥させ
た〔第2の工程〕。
【0056】次に、この塗膜を、120W/cm2 の高
圧水銀ランプを用いて、高さ200mmから積算照射量
が2500mJ/cm2 となるように紫外線を照射して
硬化させ導電層を形成した〔第3の工程〕。得られた導
電層を、直径30cmのウール性ポリッシャー(3,0
00rpm)によりバフ仕上げした〔第4の工程〕。
【0057】(実施例2)塗料組成物Aに代えて塗料組
成物Bを使用し、第1の工程の印加電圧を4000V、
電力を2700Wとしたこと以外は、実施例1と同様に
して、アクリル樹脂プレートの両面に導電層を形成し
た。
【0058】(実施例3)第1の工程の印加時間を15
分間としたこと以外は、実施例1と同様にして、アクリ
ル樹脂プレートの両面に導電層を形成した。
【0059】(比較例1)アクリル樹脂プレートにプラ
ズマ処理をしなかったこと以外は、実施例1と同様にし
て、アクリル樹脂プレートの両面に導電層を形成した。
【0060】(比較例2)アクリル樹脂プレートにプラ
ズマ処理をしなかったこと以外は、実施例2と同様にし
て、アクリル樹脂プレートの両面に導電層を形成した。
【0061】(比較例3)塗料組成物Aに代えて塗料組
成物Cを使用し、アクリル樹脂プレートにプラズマ処理
をしなかったこと以外は、実施例3と同様にして、アク
リル樹脂プレートの両面に導電層を形成した。
【0062】〔光硬化性導電塗料組成物の塗膜の性能評
価〕上記実施例及び比較例で得られたアクリル樹脂プレ
ート(但し、接触角の測定は導電層のないアクリル樹脂
プレート使用)につき、下記項目の性能評価を行いその
結果を表1に示した。 (1)接触角 プラズマ処理した状態のアクリル樹脂プレートと水との
接触角を接触角計(共和界面科学社製)により測定し、
表面エネルギーの指標とした。 (2)帯電防止性 表面固有抵抗をASTM D257に準拠して測定し、
帯電防止性の指標とした。 (3)透明性 ASTM D1003に準拠して全光線透過率及び曇価
を測定し、透明性の指標とした。 (4)密着性 導電層上に、縦横各1mm幅の直線の切れ目を入れて1
00個の碁盤目を作り、粘着テープを貼り付けた後剥離
し、残存した碁盤目の面積を百分率で示した。
【0063】
【表1】
【0064】
【発明の効果】本発明の帯電防止透明アクリル樹脂プレ
ートの製造方法は、上に述べた通りであり、透明性、帯
電防止性に優れると共に、機械加工に適したアクリル樹
脂プレートを提供するので、この帯電防止透明アクリル
樹脂プレートを半導体工場や一般のクリーンルーム用の
部材として好適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 5/00 PPM 6904−4J 129/14 PFQ 6904−4J 175/16 PDZ 8620−4J

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明アクリル樹脂プレートの表面を、不活
    性ガス、気相状の含フッ素化合物及び酸素の混合気体を
    用いてプラズマ処理する第1の工程と、該アクリル樹脂
    プレートのプラズマ処理面上に、下記(a)〜(e)か
    らなる導電性塗料組成物を塗布し塗膜を形成する第2の
    工程と、該塗膜に紫外線を照射して硬化させ導電層を形
    成する第3の工程と、該導電層をバフ研磨処理する第4
    の工程からなることを特徴とする帯電防止透明透明アク
    リル樹脂プレートの製造方法。 (a)粒径0.01〜0.4μmの酸化錫を主成分とす
    る導電性粉末100重量部。 (b)分子内に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロ
    イル基を有する(メタ)アクリレート化合物を主成分と
    する塗料バインダー10〜100重量部。 (c)水酸基が結合しているビニル基のモル%が、主鎖
    中の全ビニル基に対して20〜80モル%であるアセタ
    ール樹脂1〜30重量部。 (d)光重合開始剤0.1〜10重量部。 (e)有機溶剤100〜1000重量部。
JP5030282A 1993-02-19 1993-02-19 帯電防止透明アクリル樹脂プレートの製造方法 Pending JPH06240032A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5030282A JPH06240032A (ja) 1993-02-19 1993-02-19 帯電防止透明アクリル樹脂プレートの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5030282A JPH06240032A (ja) 1993-02-19 1993-02-19 帯電防止透明アクリル樹脂プレートの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06240032A true JPH06240032A (ja) 1994-08-30

Family

ID=12299369

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5030282A Pending JPH06240032A (ja) 1993-02-19 1993-02-19 帯電防止透明アクリル樹脂プレートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06240032A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006511344A (ja) * 2002-12-20 2006-04-06 チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド 機能層を形成する方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006511344A (ja) * 2002-12-20 2006-04-06 チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド 機能層を形成する方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100305040B1 (ko) 투명도전성도료조성물및투명대전방지성형체
JP2009091390A (ja) 帯電防止ハードコート用組成物及び帯電防止ハードコート層が形成された成形品
JP3186868B2 (ja) 光硬化性導電塗料組成物
JP4872142B2 (ja) 帯電防止用硬化性組成物、硬化膜及び帯電防止性反射防止積層体
KR20200014678A (ko) 고성능 대전방지성 광경화형 수지 조성물, 이를 이용한 무정전 판넬 및 이들의 제조방법
JP2818110B2 (ja) 有機導電性高分子塗料
JPH06240032A (ja) 帯電防止透明アクリル樹脂プレートの製造方法
JPH06248099A (ja) 帯電防止透明プラスチックプレートの製造方法
JPH07310033A (ja) 光硬化型導電性塗料
JP3375410B2 (ja) 光硬化型導電性塗料組成物とこれを用いた帯電防止電磁波シールド性積層体
JPH0733893A (ja) 帯電防止透明シートの製造方法
JPH07153317A (ja) 帯電防止透明導電板
JPH06240028A (ja) 帯電防止透明プラスチックプレートの製造方法
JPH0748463A (ja) 帯電防止用透明シートの製造方法
JPH0987546A (ja) 帯電防止用塗料組成物及びそれを適用した帯電防止性成形品
JPH06240181A (ja) 光硬化型導電性塗料組成物
JPH0741705A (ja) 帯電防止透明シートの製造方法
JPH0885768A (ja) 帯電防止透明プラスチックプレート及びその製造方法
JPH0860042A (ja) 光硬化型導電性塗料
JPH0741698A (ja) 光硬化性帯電防止用塗料およびそれを適用した帯電防止性成型品
JP2005165176A (ja) 感光性材料
JPH0748462A (ja) 帯電防止透明シートの製造方法
JPH07179792A (ja) 透明導電性塗料
JPH07102091A (ja) 帯電防止透明プラスチックプレートの製造方法
JPH06248202A (ja) 光硬化型導電性塗料組成物