JPH0733893A - 帯電防止透明シートの製造方法 - Google Patents

帯電防止透明シートの製造方法

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JPH0733893A
JPH0733893A JP5178027A JP17802793A JPH0733893A JP H0733893 A JPH0733893 A JP H0733893A JP 5178027 A JP5178027 A JP 5178027A JP 17802793 A JP17802793 A JP 17802793A JP H0733893 A JPH0733893 A JP H0733893A
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JP
Japan
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meth
conductive coating
transparent sheet
coating film
weight
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Application number
JP5178027A
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English (en)
Inventor
Takashi Osugi
高志 大杉
Koji Maruyama
耕司 丸山
Minoru Suezaki
穣 末崎
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】導電性、透明性(全光線透過率)、耐擦過傷性
及び硬度に優れた帯電防止透明シートの製造方法。 【構成】(メタ)アクリレート化合物、アンチモンが含
有された酸化錫からなる平均粒径0.01〜0.4μm
の導電性粉末(A)、又は、アンチモンが含有された酸
化錫でコートされている硫酸バリウムよりなる、平均粒
径0.1〜2μmの導電性粉末(B)及び光重合開始剤
からなる光硬化性導電性塗料を透明シートの一面に塗布
後、活性光線照射により透明シートの一面に導電性塗膜
が形成された積層体を得る第1工程及び導電性塗膜を酸
化剤により処理する第2工程からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性に優れると共
に、透明性(全光線透過率)、耐擦過傷性及び硬度に優
れた帯電防止透明シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】導電性高分子は、その性質を生かし、半
導体ウエハー保存容器、電子・電気部材、半導体製造工
場の床材や壁材等に用いられている。一方、合成樹脂成
形体に導電性を付与するために、これら成形体を、カー
ボン粉末や金属粉末入り塗料でコーティングしたり、あ
るいはカーボン粉末、カーボン繊維、金属繊維等を樹脂
に練り込んで成形することが行われている。
【0003】しかし、これらの方法で得られる合成樹脂
成形体は、塗膜及び合成樹脂成形体自体が着色している
ため不透明となり、内容物を透視することができず、帯
電防止の必要な部所を窓部にすることができないという
問題点があった。
【0004】特開昭58−91777号公報には、平均
粒径0.4μm以下の酸化錫を主成分とする導電性粉末
と塗料バインダーよりなる導電性塗料が開示されている
が、得られた塗膜の耐擦過傷性、耐溶剤性が劣るという
問題があった。
【0005】又、特開昭60−60166号公報には、
酸化錫を主成分とする導電性粉末と(メタ)アクリロイ
ル基を有する(メタ)アクリルオリゴマーを主成分とす
る光硬化性塗料バインダーよりなる塗料が開示されてい
る。得られる塗膜は、導電性や耐擦過傷性を有する。し
かし、合成樹脂上に塗膜を形成する方法として、合成樹
脂に該塗料を塗布した後、乾燥、活性光線を照射する方
法が用いられ、この方法で得られる塗膜には、着色が生
じ、透明性が低下するという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、導電
性を有すると共に、透明性(全光線透過率)、耐擦過傷
性及び硬度に優れた帯電防止透明シートの製造方法を提
供することにある。
【0007】
【問題を解決するための手段】本発明の第1工程で用い
られる光硬化性導電性塗料は、(メタ)アクリレート化
合物、導電性粉末及び光重合開始剤よりなる。上記(メ
タ)アクリレート化合物は、分子内に2個以上の(メ
タ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート化合
物である。 このような(メタ)アクリレート化合物と
しては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノ
ナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナプロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4
−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル]プロ
パン等の2官能(メタ)アクリレート、もしくはペンタ
エリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロール
トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリス
((メタ)アクリロキシエチル)等の3官能(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アク
リレート等の4官能以上の(メタ)アクリレート等が挙
げられる。
【0008】更に、上記以外の(メタ)アクリレート化
合物として、分子末端に(メタ)アクリロイル基を2個
以上有し、分子内にウレタン結合を有するアクリル系ウ
レタンオリゴマーも、得られる導電性塗膜が、耐擦過傷
性に優れ好適である。このようなアクリル系ウレタンオ
リゴマーは、例えば、1分子内に2個以上のイソシアネ
ート基を有する化合物と活性水素を有する(メタ)アク
リレート化合物を作用させて調製される。
【0009】1分子内に2個以上のイソシアネート基を
有する化合物としては、例えば、m−フェニレンジイソ
シアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トルエ
ン−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジ
イソシアネート、トルエン−2,5−ジイソシアネー
ト、トルエン−3,5−ジイソシアネート、m−キシリ
レン ジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアンート、トリメチルヘ
キサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、4,4’−ジイソシアネート−3,3’−ジメチル
ビフェニル、4,4’−ジイソシアネート−3,3’−
ジメチルビフェニルメタン等が挙げられる。
【0010】活性水素含有の(メタ)アクリレート化合
物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、1,6−ビ
ス(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−ヘ
キシルエーテル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)ア
クリレート、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。上記
(メタ)アクリレート化合物は単独で用いられても併用
されてもよい。
【0011】又、分子内に1個の(メタ)アクリロイル
基を有する(メタ)アクリレート化合物を添加すると、
得られる導電性塗膜に柔軟性、強靭性が付与され好適で
ある。
【0012】上記導電性粉末としては、アンチモンが含
有された酸化物からなる導電性粉末(A)、又は、アン
チモンが含有された酸化錫がコートされている硫酸バリ
ウムからなる導電性粉末(B)が用いられる。導電性粉
末(A)の平均粒径は、0.4μmより大きいと、導電
性粉末が可視光線を散乱し、得られる導電性塗膜の透明
性(全光線透過率)が低下し、又、0.01μmより小
さいと、得られる導電性塗膜の導電性の低下、導電性粉
末の沈降、塗料のゲル化を生じるので、0.01μm〜
0.4μmに限定される。
【0013】アンチモンの含有量は、少ないと得られる
導電性塗膜の導電性が低下し、多いと得られる導電性塗
膜の透明性(全光線透過率)が低下するので、0.1〜
20重量%が好ましい。このような導電性粉末として
は、三菱マテリアル社から商品名T−1で販売されてい
る。
【0014】導電性粉末(B)の平均粒径は、0.1μ
mより小さくなると、得られる導電性塗膜の透明性(全
光線透過率)が低下し、又、2μmより大きくなると導
電性塗膜表面の平滑性の低下が生じるので、0.1μm
〜2μmに限定される。このような導電性粉末として
は、三井金属社から商品名パストランType−IVで
販売されている。
【0015】導電性粉末の添加量は、(メタ)アクリレ
ート化合物100重量部に対して、150〜500重量
部に限定される。150重量部より少なくなると、得ら
れる導電性塗膜の導電性が低下し、500重量部より多
くなると、得られる導電性塗膜の透明性(全光線透過
率)や機械的強度が低下する。
【0016】光重合開始剤は、紫外線等の活性光線によ
り重合を開始させる性質のものであれば良く、特に限定
されない。例えば、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリ
ウム、ジフェニルモノサルファイド、ジベンゾチアゾイ
ルモノサルファイド及びサルファイド類;チオキサント
ン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサン
トン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサン
トン誘導体;ヒドラゾン、アゾビスイソブチロニトリル
等のアゾ化合物;ベンゼンジアゾニウム塩等のジアゾ化
合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾ
インエチルエーテル、ベンゾフェノン、ジメチルアミノ
ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジルアントラキ
ノン、t−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラ
キノン、2−エチルアントラキノン、2−アミノアント
ラキノン、2−クロロアントラキノン等の芳香族カルボ
ニル化合物;p−ジメチルアミノ安息香酸メチル、p−
ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安
息香酸ブチル、p−ジエチルアミノ安息香酸イソプロピ
ル等のジアルキルアミノ安息香酸エステル;ベンゾイル
パーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジク
ミルパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド
等の過酸化物;9−フェニルアクリジン、9−p−メト
キシフェニルアクリジン、9−アセチルアミノアクリジ
ン、ベンズアクリジン等のアクリジン誘導体;9,10
−ジメチルベンズフェナジン、9−メチルベンズフェナ
ジン、10−メトキシベンズフェナジン等のフェナジン
誘導体;6,4, ,4,,−トリメトキシ−2,3−ジフ
ェニルキノキサリン等のキノキサリン誘導体;2,4,
5−トリフェニルイミダゾイル二量体、2−ニトロフル
オレン、2,4,6−トリフェニルピリリウム四フッ化
ホウ素塩、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−
1,3,5−トリアジン、3,3, −カルボニルビスク
マリン、チオミヒラーケトン等が挙げられる。
【0017】光重合開始剤の添加量は、少ないと光重合
が完全に進まず、得られる導電性塗膜の硬度や耐擦過傷
性が低下し、又、多いと得られる導電性塗膜の耐候性が
低下するので、(メタ)アクリレート化合物100重量
部に対して、0.1〜10重量部が好ましい。
【0018】本発明で用いられる光硬化性導電性塗料
は、上記(メタ)アクリレート化合物、導電性粉末、光
重合開始剤よりなるが、必要に応じて、物性を損なわな
い範囲内で、有機溶剤、分散剤、増感剤、紫外線吸収
剤、熱重合禁止剤、酸化防止剤、表面改質剤、脱泡剤等
が添加されてもよい。
【0019】上記有機溶剤は、塗料の塗料粘度の調整の
ため添加されるが、沸点が低いものは、塗工中に有機溶
剤が蒸発し、塗料粘度が変化し、膜厚の調整が困難にな
る。沸点の高いものは、乾燥工程に時間を要することに
なる。従って、有機溶剤は、沸点70〜160℃のもの
が好ましい。導電性粉末との親和性のため酸素を含有す
るものが、特に好ましい。
【0020】上記有機溶剤としては、例えば、シクロヘ
キサノン、エチレングリコールモノメチルエーテル(メ
チルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエー
テル(エチルセロソルブ)、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル、酢酸ブチル、イソプロピルアセトン、メ
チルエチルケトン、アニソール等が挙げられ、単独で用
いられても併用されてもよい。
【0021】有機溶剤の添加量は、少ないと得られる導
電性塗膜の透明性(全光線透過率)が低下し、又、多い
と塗料の粘度が低くなり塗工性が低下したり、得ようと
する膜厚より薄い導電性塗膜しか形成できない等の問題
点を生じるので、(メタ)アクリレート化合物100重
量部に対して、300〜3000重量部が好ましい。
【0022】又、上記分散剤は、導電性粉末の分散性を
向上させるために添加されるが、分散剤としては、例え
ば、オレイン酸、酢酸、(メタ)アクリル酸、p−スチ
レンスルホン酸等の有機酸やビニルブチラール樹脂、ア
セトアセタール樹脂、メタクリル酸メチルとメタクリル
酸2─ヒドロキシエチルの共重合体、塩化ビニルと酢酸
ビニルとの共重合体等の高分子化合物等が挙げられる。
上記増感剤は、光重合開始剤の感度を向上させるために
添加されるが、増感剤としては、例えば、、ジメチルア
ミノアセトフェノン、ミヒラーケトン、2─ジメチルア
ミノ安息香酸エチル等が挙げられる。
【0023】光硬化性導電性塗料の製造方法は、任意の
方法が採用されてよく、例えば、上記(メタ)アクリレ
ート化合物、導電性粉末、光重合開始剤等を、アトライ
ターや高速回転攪拌装置等に供給し、混合分散すること
により調製される。分散時間は、塗料の粘度、温度等に
より変化するが、分散時間を長くするほど、得られる導
電性塗膜の透明性(全光線透過率)は向上する。
【0024】本発明で用いられる透明シートには、プレ
ート及びフィルムも含まれる。透明シートには、例え
ば、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート、アクリル樹
脂、ABS樹脂等からなる合成樹脂シート、合成樹脂プ
レート及び合成樹脂フィルムが挙げられる。又、ガラス
等の無機物質であってもよい。
【0025】本発明の第1工程は、上記光硬化性導電性
塗料を透明シートの一面に塗布後、活性光線を照射し、
透明シートの一面に導電性塗膜が形成された積層体を得
る工程である。
【0026】透明シートの一面に上記光硬化性導電性塗
料を塗布する方法としては、特に限定されず、例えば、
スプレー法、ロールコーター法、バーコート法、ドクタ
ーブレード法等の一般的な塗布方法が用いられる。光硬
化性導電性塗料を透明シートの一面に塗布後、有機溶剤
を添加した場合は、熱風、赤外線等で乾燥し、次に高圧
水銀ランプやメタルハライドランプ等を用いて活性光線
を照射し、導電性塗膜を形成する。
【0027】導電性塗膜の膜厚は、薄いと得られる導電
性塗膜の導電性や耐擦過傷性が低下し、又、厚いと得ら
れる導電性塗膜の透明性(全光線透過率)が低下するの
で、0.5〜3μmが好ましい。活性光線の照射量は、
少ないと導電性塗膜の硬化が不充分となり、得られる導
電性塗膜の耐擦過傷性、硬度及び透明シートへの密着性
が低下するので、積算露光量が500mJ/cm2 以上
になるように活性光線を照射するのが好ましい。
【0028】得られた導電性塗膜の表面を、バフ研磨に
よって表面を研磨しても良い。バフ仕上げすることによ
り、導電性塗膜の透明性(全光線透過率)が向上する。
又、表面の脱落し易い微粉末が除去されるため塵の発生
がなくなり、塵埃を極度に嫌う半導体の製造装置にも用
いることができる。バフ研磨は、導電性塗膜の酸化剤処
理後に行ってもよい。
【0029】本発明の第2工程は、第1工程で得られた
積層体の導電性塗膜を酸化剤により処理する工程であ
る。第2工程で用いられる酸化剤としては、例えば、過
酸化水素、過硫酸アンモニウム、塩素、過マンガン酸カ
リウム、酸化クロム等の酸化剤が挙げられる。特に、過
酸化水素水が好適に用いられる。
【0030】処理方法としては、酸化剤が含有された溶
液中に浸漬する方法、酸化剤が含有された溶液をスプレ
ー等によって霧状にして処理する方法、酸化剤が揮発性
の場合には、気相において処理する方法等が用いられ
る。酸化剤を溶解させる溶媒としては、水、メタノール
及びテトラヒドロフラン等が挙げられる。溶液中の酸化
剤の濃度は、薄いと処理時間が長くなり、又、十分な導
電性塗膜の透明性(全光線透過率)が得られず、濃いと
導電性塗膜の劣化が進行し塗膜強度が低下するので、
0.1重量%〜50重量%であることが好ましい。
【0031】処理温度が低い場合には、導電性塗膜の脱
色に長時間を要し、又、高い場合には、酸化剤の蒸発や
導電性塗膜樹脂の酸化が生じ、塗膜強度が低下するの
で、処理温度は、15〜80℃が好ましい。処理時間
は、短い場合には十分な導電性塗膜の透明性(全光線透
過率)が得られず、又、長時間処理してもそれ以上導電
性塗膜の透明性(全光線透過率)は向上しないので、3
0秒〜24時間が好ましい。
【0032】
【作用】本発明の第1工程で得られた積層体は、導電性
塗膜が着色しており、全光線透過率が低いが、第2工程
において、酸化剤で処理することにより、活性光線の照
射によって着色された導電性塗膜が脱色され、全光線透
過率が向上する。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 (実施例 1)ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト38重量部、ヒドロキノン0.1重量部、シクロヘキ
サノン350重量部、2,4−ジエチルチオキサントン
及びジメチルアミノアセトフェノン1重量部を、アトラ
イターに供給し、8時間混合した。次いで、アンチモン
が含有された平均粒径0.02μmの酸化錫からなる導
電性粉末(三菱マテリアル社製 T−1)100重量部
及び全水酸基に対する残存水酸基の割合31%、ブチル
アルデヒドによるアセタール化度68%、全水酸基に対
するアセチル基の割合1%、重合度2300のビニルブ
チラール樹脂10重量部をアトライターを回転させなが
ら20分かけて添加した。その後、10時間分散を行
い、光硬化性導電性塗料を調製した。
【0034】透明アクリル樹脂シートの一面に、バーコ
ーターを用いて乾燥時の膜厚が1.5μmになるように
上記光硬化性導電性塗料を塗布し、常温で30分間乾燥
させた後、更に、50℃で10分間熱風乾燥させた。こ
れを高圧水銀ランプで積算露光量が、2000mJ/c
2 になるように紫外線を照射し硬化させた後、同様の
操作をもう一方の面に行うことにより両面に導電性塗膜
を有する積層体を得た。得られた積層体の導電性塗膜
を、直径30cmのウール性ポリッシャーを3000r
pmで作用させることで、表面のバフ仕上げを行い、バ
フ仕上げ積層体を得た。
【0035】次に得られたバフ仕上げ積層体の導電性塗
膜を5重量%の過酸化水素水に5分間浸漬した後、水
洗、乾燥させることによって帯電防止透明シートを得
た。上記バフ仕上げ積層体及び帯電防止透明シートの帯
電防止性、透明性及び塗膜強度を下記に示す方法で測定
し、結果を表1に示した。
【0036】(帯電防止性)半減期をスタティック・ネ
オストメーターにより、JIS−L1094に基づく試
験法により測定した。
【0037】(透明性)全光線透過率及び曇価をAST
M−D1003に基づく試験法により測定した。
【0038】(塗膜強度)鉛筆硬度を、JIS−K54
00に基づく試験法により測定した。
【0039】(実施例2)アンチモンが含有された平均
粒径0.02μmの酸化錫からなる導電性粉末(三菱マ
テリアル社製 T−1)100重量部、全水酸基に対す
る残存水酸基の割合32%、ブチルアルデヒドによるア
セタール化度38%、アセトアルデヒドによるアセター
ル化度29%、全水酸基に対するアセチル基の割合1
%、重合度2400のビニルブチラール樹脂17重量
部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート20重
量部、テトラエチレングリコールジアクリレート15重
量部、ヒドロキノン0.1重量部、エチルセロソルブ3
70重量部、チオキサントン1重量部、ミヒラーケトン
1重量部をアトライターに供給し、24時間分散させて
光硬化性導電性塗料を調製した。
【0040】上記光硬化性導電性塗料を用いて、実施例
1と同様にして両面に導電性塗膜を有するバフ仕上げ積
層体を得た。得られたバフ仕上げ積層体を、5重量%の
過硫酸アンモニウム水溶液に18時間浸漬した以外は実
施例1と同様にして酸化剤により処理し、帯電防止透明
シートを得た。得られたバフ仕上げ積層体及び帯電防止
透明シートを実施例1と同様の方法を用いて、帯電防止
性、透明性、塗膜強度を測定し、結果を表1に示した。
【0041】(実施例 3)ジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレート100重量部、ヒドロキノン0.2重
量部、2,4─ジエチルチオキサントン4重量部及びp
−ジメチルアミノ安息香酸エチル4重量部をエチルセロ
ソルブ780重量部に溶解し、アトライターに供給し
た。これを撹拌しながら、アンチモンが含有された酸化
錫でコートされている硫酸バリウムよりなる、平均粒径
0.2μmの導電性粉末(三井金属社から商品名パスト
ランType−IVで販売されている)300重量部及
び全水酸基に対する残存水酸基の割合が35%かつ重合
度2400のアセトアセタール樹脂(ポリビニルアルコ
ールとアセトアルデヒドを縮合反応させてアセタール化
したもの)27重量部を添加した後、10時間分散を行
うことにより光硬化型導電性塗料組成物を調製した。
【0042】得られた光硬化性導電性塗料を、乾燥時の
膜厚が4μmになるように塗布した以外は実施例1と同
様にして、バフ仕上げ積層体及び帯電防止透明シートを
得た。得られたバフ仕上げ積層体及び帯電防止透明シー
トを実施例1と同様の方法を用いて、帯電防止性、透明
性、塗膜強度を測定し、結果を表2に示した。
【0043】(実施例4)ペンタエリスリトールトリア
クリレート100重量部、ヒドロキノン0.2重量部、
2,4─ジエチルチオキサントン4重量部及びp−ジメ
チルアミノ安息香酸エチル4重量部をシクロヘキサノン
1400重量部に溶解し、アトライターに供給した。こ
れを撹拌しながら、アンチモンが含有された酸化錫でコ
ートされている硫酸バリウムよりなる、平均粒径0.2
μm導電性粉末(三井金属社から商品名パストランTy
pe−IVで販売されている)400重量部及び全水酸
基に対する残存水酸基の割合が35%かつ重合度240
0のアセトアセタール樹脂(ポリビニルアルコールとア
セトアルデヒドを縮合反応させてアセタール化したも
の)30重量部を添加した後、10時間分散を行うこと
により光硬化型導電性塗料組成物を調製した。得られた
光硬化性導電性塗料を、乾燥時の膜厚が4μmになるよ
うに塗布した以外は実施例2と同様にして、バフ仕上げ
積層体及び帯電防止透明シートを得た。得られたバフ仕
上げ積層体及び帯電防止透明シートを実施例1と同様の
方法を用いて、帯電防止性、透明性、塗膜強度を測定
し、結果を表2に示した。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】本発明の帯電防止透明シートの製造方法
の構成は、上記の通りであり、得られた帯電防止透明シ
ートは導電性を有すると共に、透明性(全光線透過
率)、耐擦過傷性及び硬度に優れている。従って、本発
明で得られた帯電防止透明シートは、クリーンルームの
窓や機器カバー等の帯電防止及び透明性(全光線透過
率)が必要な部材に好適に用いることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル
    基を有する(メタ)アクリレート化合物100重量部、
    アンチモンが含有された酸化錫からなる、平均粒径0.
    01〜0.4μmの導電性粉末(A)、又は、アンチモ
    ンが含有された酸化錫でコートされている硫酸バリウム
    よりなる、平均粒径0.1〜2μmの導電性粉末(B)
    150〜500重量部及び光重合開始剤からなる光硬化
    性導電性塗料を透明シートの一面に塗布後、活性光線を
    照射し、透明シートの一面に導電性塗膜が形成された積
    層体を得る第1工程及び導電性塗膜を酸化剤により処理
    する第2工程からなることを特徴とする帯電防止透明シ
    ートの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003105267A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Nippon Paper Industries Co Ltd 塗料組成物及び帯電防止ハードコートフィルム
JP2010001396A (ja) * 2008-06-20 2010-01-07 Jgc Catalysts & Chemicals Ltd 透明被膜形成用塗料および透明被膜付基材
US10717591B2 (en) 2015-07-16 2020-07-21 Intellectual Discovery Co., Ltd. Container for icecream

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