JPH0860042A - 光硬化型導電性塗料 - Google Patents

光硬化型導電性塗料

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JPH0860042A
JPH0860042A JP19315094A JP19315094A JPH0860042A JP H0860042 A JPH0860042 A JP H0860042A JP 19315094 A JP19315094 A JP 19315094A JP 19315094 A JP19315094 A JP 19315094A JP H0860042 A JPH0860042 A JP H0860042A
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JP
Japan
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meth
acrylate
weight
parts
dispersant
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Pending
Application number
JP19315094A
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English (en)
Inventor
Yoshio Nishimura
善雄 西村
Toshiharu Otsuka
敏治 大塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication of JPH0860042A publication Critical patent/JPH0860042A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】紫外線や可視光線により容易に硬化して塗膜を
形成し、得られた塗膜は透明性が優れるので、比較的表
面硬度の低い基材に塗布しても、十分な耐擦傷性と共に
高い透明性の塗膜の形成が可能な光硬化型導電性塗料を
提供する。 【構成】(a)分子内に少なくとも2個以上の(メタ)
アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート化合物、
(b)針状酸化インジウム粉末、(c)分散剤ならびに
(d)光重合開始剤を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紫外線又は活性光線等
で容易に硬化して、導電性、透明性及び耐擦傷性に優れ
た塗膜を形成しうる光硬化型導電性塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体ウェハー保存容器、電
子・電気部材、半導体の製造工場の床材・壁材などは、
その用途により静電気の帯電が極度に嫌われ、帯電防止
性能を有するものが使用されている。一般に、合成樹脂
を材料とする成形体に帯電防止性能を付与するために、
例えば、カーボン粉末や金属粉末入り塗料でコーティン
グしたり、あるいは、カーボン粉末、カーボン繊維や金
属繊維等を成形時に合成樹脂に練り混んで成形する方法
が行われている。しかしながら、これらの方法では、塗
料や成形体自体の着色により透明なものが得られないの
で、窓部に使用した場合内容物を透視することができな
いという問題点があった。
【0003】このため、特開昭58−91777号公報
には、酸化錫を主成分とする導電性微粉末を、バインダ
ー中に含有した透明な塗料が開示されている。この塗料
は、透明でかつ帯電防止性能を有する塗膜を形成しうる
が、バインダーが熱可塑性樹脂であるため、一般に耐擦
傷性や耐溶剤性に優れた塗膜が得られないという問題点
があった。
【0004】また、特開昭60−60166号公報に
は、酸化錫を主成分とする導電性微粉末を、バインダー
中に含有した透明な塗料が開示されている。この塗料は
紫外線や可視光線で硬化する成分を含有し、塗膜は透明
性が良好でで帯電防止性能があり、かつ耐擦傷性、耐溶
剤性に優れた塗膜を形成する。
【0005】この塗料では、アクリル樹脂のような表面
硬度の比較的高い基材に対しては、塗膜の厚さを薄くし
ても十分な耐擦傷性を付与すると共に透明性を維持でき
る。しかしながら、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート
のような表面硬度の比較的低い基材に対しては、十分な
耐擦傷性を付与しようとすると塗膜を厚くする必要があ
り、そのため透明性が低下するという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたものであり、その目的は、紫外線や可
視光線により容易に硬化して塗膜を形成し、得られた塗
膜は透明性が優れるので、比較的表面硬度の低い基材に
塗布しても、十分な耐擦傷性と共に高い透明性の塗膜の
形成が可能な光硬化型導電性塗料を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の光硬化型導電性
塗料は、(メタ)アクリレート化合物(a)、針状酸化
インジウム粉末(b)、分散剤(c)及び光重合開始剤
(d)からなる。
【0008】上記(メタ)アクリレート化合物(a)
は、分子内に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイ
ル基を有するものであって、例えば、エチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ノナプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、2,2−ビス〔4−アクリロキシジエトキシフェニ
ル〕プロパン、2,2−ビス〔4−メタクリロキシジエ
トキシフェニル〕プロパン、3−フェノキシ−2−プロ
パノイルアクリレート、1,6−ビス(3−アクリロキ
シ−2−ヒドロキシプロピル)−ヘキシルエーテル等の
2官能(メタ)アクリレート;ペンタエリスルトールト
リ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アク
リレート、トリス−(2−ヒドロキシエチル)−イソシ
アヌル酸エステル(メタ)アクリレート等の3官能(メ
タ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスルトールペンタ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート等の4官能以上の(メタ)アクリレー
ト等が挙げられる。
【0009】さらに、上記(メタ)アクリレート化合物
(a)には、分子内にウレタン結合を有するアクリル系
ウレタンプレポリマーを少なくとも1種以上添加するこ
とにより、得られる塗膜の耐摩耗性が一層向上する。こ
のようなアクリル系ウレタンプレポリマーとしては、ペ
ンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジ
イソシアネート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
トイソホロンジイソシアネート、ペンタエリスリトール
トリアクリレートトリレンジイソシアネート等が挙げら
れる。
【0010】このようなアクリル系ウレタンオリゴマー
の調製は、例えば、1分子内に2個以上のイソシアネー
ト基を有する化合物と、活性水素を有する(メタ)アク
リレートを作用させて行われる。
【0011】上記1分子内に2個以上のイソシアネート
基を有する化合物としては、例えば、m−フェニレンジ
イソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ト
ルエン−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,5
−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイソシアネ
ート、トルエン−3,5−ジイソシアネート、m−キシ
リレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘ
キサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、4,4’−ジイソシアネート−3,3’−ジメチル
ビフェニル、4,4’−ジイソシアネート−3,3’−
ジメチルビフェニルメタン等が挙げられる。
【0012】上記活性水素を有する(メタ)アクリレー
トとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
グリセリンジ(メタ)アクリレート、1,6−ビス(3
−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−ヘキシル
エーテル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ
ート、トリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル
酸エステル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸
等が挙げられる。
【0013】また、上記(メタ)アクリレート化合物
(a)には、エステル結合を主鎖とし、分子内に(メ
タ)アクリロイル基を少なくとも2個以上有するポリエ
ステルアクリレートを添加することにより、この成分が
硬化して硬度の架橋した構造となり、得られる塗膜の硬
度と耐擦傷性が一層向上する。
【0014】上記針状酸化インジウム粉末(b)は塗膜
に導電性を付与するために用いられ、その形状として
は、長軸が0.3〜0.4μ、短軸が0.01〜0.1
μmの針状物が好ましい。このような針状を有すること
により、可視光線を散乱させることなく、高い透明性を
保持しながら導電性を発現する。
【0015】上記針状酸化インジウム粉末(b)の使用
量は、少なくなると塗膜の導電性が低下して帯電防止効
果が不十分となり、多くなると塗膜の機械的強度や透明
性が低下するので、上記(メタ)アクリレート化合物
(a)100重量部に対して、100〜300重量部で
ある。
【0016】また、上記針状酸化インジウム粉末(b)
の分散性を向上させるために、シランカップリング剤、
チタンカップリング剤、アルミネートカップリング剤等
で表面処理を行ってもよい。
【0017】上記分散剤(c)は、上記針状酸化インジ
ウム粉末(b)の分散性を高め、透明性を向上させるた
めに使用される。分散剤(c)としては、塩化ビニル又
は下記一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸エス
テル75〜98モル%と、ビニルアルコール、下記一般
式(2)で表される水酸基含有単量体もしくは下記一般
式(3)で表される水酸基含有単量体2〜25モル%
と、その他の共重合性単量体0〜18モル%とを構成成
分とする共重合体が用いられる。
【0018】
【化4】
【0019】上記一般式(1)において、R1 は水素又
はメチル基、R2 は炭素数10以下のアルキル基又はア
リール基をそれぞれ示す。
【0020】
【化5】
【0021】上記一般式(2)において、R3 は水素又
はメチル基、mは1〜10の整数をそれぞれ示す。
【0022】
【化6】
【0023】上記一般式(3)において、R4 は水素又
はメチル基、nは1〜9の整数、kは2〜10の整数を
それぞれ示す。
【0024】上記一般式(1)で表される(メタ)アク
リル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)
アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オク
チル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸フェニル等が挙げられる。また、(メ
タ)アクリル酸2−クロルエチルのようなハロゲン置換
された(メタ)アクリル酸エステルであってもよい。
【0025】上記一般式(2)で表される水酸基含有単
量体としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシオ
クチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0026】上記一般式(3)で表される水酸基含有単
量体としては、例えば、トリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート類;トリプロピレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコール
モノ(メタ)アクリレート等のポリプロピレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
【0027】上記その他の共重合性単量体としては、ス
チレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル等が挙げられ
る。
【0028】上記共重合体中、上記ビニルアルコール又
は水酸基含有単量体の量は、少なくなると針状酸化イン
ジウム粉末(b)を均一に分散させることができず塗膜
の透明性が悪くなり、多くなると得られる塗膜の耐薬品
性が低下するので、2〜25モル%に限定され、好まし
くは5〜20モル%である。
【0029】また、上記共重合体中、その他の共重合性
単量体の量は、多くなると塗膜の形成性が低下するの
で、0〜18モル%用いるのが好ましい。
【0030】光硬化型導電性塗料中、上記分散剤(c)
の添加量は、少なくなると針状酸化インジウム粉末
(b)の分散性が悪くなって透明性が低下し、多くなる
と塗膜の硬度、耐擦傷性や耐薬品性が低下するので、
(メタ)アクリレート化合物(a)100重量部に対し
て、5〜100重量部に限定される。
【0031】上記光重合開始剤(d)としては、紫外
線、可視光線等の活性光線により、重合を開始させる性
質を有するものであればよい。
【0032】上記光重合開始剤(d)のうち、紫外線で
活性化するものとしては、例えば、ソジウムメチルジチ
オカーバメイトサルファイド、テトラメチルチウラムモ
ノサルファイド、ジフェニルモノサルファイド、ジベン
ゾチアゾイルモノサルファイド及びジサルファイドなど
のサルファイド類;チオキサントン、2−エチルチオキ
サントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチ
ルチオキサントン等のチオキサントン誘導体;ヒドラゾ
ン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゼンジアゾニウ
ム等の(ジ)アゾ化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチ
ルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾフェノ
ン、ジメチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、
ベンジルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン、
2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノ
ン、2−アミノアントラキノン、2−クロロアントラキ
ノン等の芳香族カルボニル化合物;4−(2−ヒドロキ
シエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピ
ル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α'-ジメチルアセト
フェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2
−ジメトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導
体;2−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチル
アミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブ
チル、4−ジエチルアミノ安息香酸イソプロピル等のジ
アルキルアミノ安息香酸エステル類;ベンゾイルパーオ
キサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパ
ーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド等の過
酸化物;9−フェニルアクリジン、9−p−メトキシフ
ェニルアクリジン、9−アセチルアミノアクリジン、ベ
ンズアクリジン等のアクリジン誘導体;9,10−ジメ
チルベンズフェナジン、9−メチルベンズフェナジン、
10−メトキシベンズフェナジン等のフェナジン誘導
体;6,4’,4”−トリメトキシ−2,3−ジフェニ
ルキノキサリン等のキノキサリン誘導体;2,4,5−
トリフェニルイミダゾイル二量体;アシルフォスフィン
オキシド、アシルフォスフォナート等のアシル化リン化
合物が挙げられる。
【0033】また、可視光線で活性化するものとして
は、例えば、2−ニトロフルオレン、2,4,6−トリ
フェニルビリリウム四弗化ホウ素塩、2,4,6−トリ
ス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
3,3’−カルボニルビスクマリン、チオミヒラーケト
ン等が挙げられる。
【0034】上記光重合開始剤(d)は、350〜40
0nmの範囲に光吸収域を有することが好ましい。これ
は、針状酸化インジウム粉末(b)が350nm以下の
紫外線を強く吸収し、400nm以上では着色が強くな
るためである。
【0035】上記光硬化型導電性塗料中、上記光重合開
始剤(d)の添加量は、少なくなると光重合反応が遅
く、硬度及び耐擦傷性を満足する塗膜を得るために長時
間の光照射を必要とし、多くなると塗膜の耐熱性、耐候
性などが低下し導電性、耐摩耗性にも悪影響を及ぼすの
で、(メタ)アクリレート化合物(a)100重量部に
対して0.01〜20重量部に限定される。
【0036】また、上記光重合開始剤(d)の酸素阻害
による感度低下を防止するために、アミン化合物を添加
してもよい。このようなアミン化合物としては、脂肪族
アミンや芳香族アミン等、不揮発性のものであれば特に
限定されず、例えば、トリエタノールアミン、メチルジ
エタノールアミン等が使用され、さらに、上記ジアルキ
ルアミノ安息香酸エステル、ミヒラーケトン等のアミノ
基を含有する光重合開始剤も上記アミン化合物として使
用可能である。
【0037】上記アミン化合物の添加量は、少なくなる
と活性光線に対する光重合速度が低下して得られる塗膜
の硬化が不十分となり、一定量以上多くしても光重合速
度が飽和状態となってそれ以上に向上しないので、(メ
タ)アクリレート化合物(a)100重量部に対して
0.01〜20重量部が好ましい。
【0038】上記光硬化型導電性塗料には、針状酸化イ
ンジウム粉末(b)の分散性や塗料の塗工性を調整する
ために、有機溶剤を添加してもよい。使用される有機溶
剤としては、特に限定されないが、沸点の低いものや揮
発性の強いものは、塗工中の蒸発によって塗料粘度が変
化し、沸点の高いものは乾燥工程で時間を要するため、
沸点70〜160℃のものが好ましい。
【0039】このような有機溶剤としては、例えば、シ
クロヘキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル
(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチル
エーテル(エチルセロソルブ)、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、酢酸ブチル、イソプロピルアセト
ン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、アニソ
ール等が挙げられ、これらの有機溶剤は単独で用いられ
てもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0040】上記光硬化型導電性塗料には、必要に応じ
て、紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱重合禁止剤、レベリ
ング剤、表面改質剤、脱泡剤等の各種添加剤が添加され
てもよい。
【0041】上記紫外線吸収剤としては、サリチル酸
系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノ
アクリレート系等の紫外線吸収剤が挙げられる。上記酸
化防止剤としては、フェノール系、りン系、イオウ系等
の酸化防止剤が挙げられる。また、上記熱重合禁止剤と
しては、ヒドロキノン、p−メトキシフェノール等が挙
げられる。
【0042】本発明の光硬化型導電性塗料は、(メタ)
アクリレート化合物(a)と分散剤(c)の溶液に、針
状酸化インジウム粉末(b)を混合分散することにより
調製される。光重合開始剤(d)は針状酸化インジウム
粉末(b)の分散前に添加して分散と同時に溶解させて
もよいし、針状酸化インジウム粉末(b)の分散後に添
加、溶解させてもよい。針状酸化インジウム粉末(b)
を十分に分散させるためには、特別の装置は必要とせ
ず、例えば、サンドミル、ボールミル、アトライター、
高速回転攪拌装置、三本ロール等が使用される。
【0043】上記の方法で調製された本発明の光硬化型
導電性塗料は、スプレー法、バーコート法、ドクターブ
レード法、ロールコート法、ディッピング法等の一般的
な塗工方法により塗布した後、紫外線、可視光線等の活
性光線を照射して硬化させることにより、塗膜が形成さ
れる。上記光硬化型導電性塗料の塗布対象物としては、
例えば、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、
ポリカ−ボネ−ト、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
エーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイ
ド、ポリエーテルスルフフォン、ポリサルフォン、ポリ
エーテルイミド、フッ素樹脂等のプラスチックシートも
しくはプレート;ガラス板等が挙げられる。
【0044】得られた塗膜はバフ研磨によって表面仕上
げをするのが好ましい。この表面仕上げにより、塗膜の
透明性がよくなると共に、表面の脱落し易い酸化錫粉末
が除去されるので、使用中に塗膜からちりの発生がなく
なり、ちりを極度に嫌う半導体製造用の部材に好適であ
る。
【0045】上記光硬化型導電性塗料を硬化させるため
の光源としては、特に限定されるものではなく、従来公
知のものが使用でき、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀
灯、メタルハライドランプ等が好適に用いられる。
【0046】次に、本発明2の光硬化型導電性塗料につ
いて説明する。本発明2の光硬化型導電性塗料は、分散
剤(c)としてポリビニルアセタール樹脂が用いられる
点が本発明の光硬化型導電性塗料と異なる。
【0047】上記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビ
ニルアルコールにアルデヒドを縮合反応させてアセター
ル化することにより得られるものである。このアセター
ル化は、酸触媒の存在下で水系媒体を用いる沈殿法や、
アルコール等の溶媒を用いる溶解法等公知の方法が採用
される。なお、原料としてポリ酢酸ビニルを用い、ケン
化とアセタール化とを並行的に行って、ポリビニルアセ
タール樹脂を得ることもできる。
【0048】上記ポリビニルアルコールとしては、平均
重合度が200以上のものが好ましい。平均重合度が2
00未満では、ポリビニルアルコールの合成が困難であ
り、かつ溶液粘度の低いものしか得られないので好まし
くない。
【0049】上記アルデヒドとしては、例えば、ホルム
アルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、
ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルアルデ
ヒド、ヘプチルアルデヒド、オクチルアルデヒド、2−
エチルヘキシルアルデヒド、デシルアルデヒド、シクロ
ヘキシルアルデヒド等が挙げられ、これらは単独で使用
されてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0050】また、上記ポリビニルアセタール樹脂は、
アセタール化部位以外にも10重量%以下の割合でアセ
チル基を含有してもよい。また、ポリビニルアセタール
樹脂中の残存水酸基は、少なくなると酸化インジウム粉
末(b)の分散効果が不十分であり、多くなると耐薬品
性に悪影響を及ぼすので、2〜60モル%が好ましく、
より好ましくは5〜40モル%である。
【0051】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 (実施例1)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト100重量部、ジエチルチオキサントン4重量部及び
p−ジメチルアミノ安息香酸エチル4重量部を、エチル
セロソルブ780重量部に溶解させ、アトライターに仕
込んだ。これを攪拌しながら、錫がドープされた針状酸
化インジウム粉末(富士チタン社製)120重量部及び
残存水酸基度35モル%、重合度2400のアセトアセ
タール樹脂27重量部を加えて8時間分散させ、光硬化
型導電性塗料を調製した。
【0052】上記光硬化型導電性塗料を、透明な塩化ビ
ニル樹脂板上にバーコーターにより塗布した後、50℃
で5分間熱風乾燥して塗膜を形成した。この塗膜を、高
圧水銀灯により照射量が2000mJ/cm2 となるよ
うに紫外線を照射し硬化させた。得られた硬化塗膜を、
直径30cm、3000rpmのウール製ポリッシャー
により、その表面のバフ仕上げを行った。
【0053】(実施例2)ジペンタエリスリトールヘキ
サアクリレート100重量部、ジエチルチオキサントン
4重量部及びp−ジメチルアミノ安息香酸エチル4重量
部を、シクロヘキサノン1400重量部に溶解させ、ア
トライターに仕込んだ。これを攪拌しながら、錫がドー
プされた針状酸化インジウム粉末(富士チタン社製)2
50重量部及び塩化ビニル(90モル%)−ヒドロキシ
プロピルアクリレート(10モル%)共重合体26重量
部を加えて8時間分散させ、光硬化型導電性塗料を調製
した。この光硬化型導電性塗料より、実施例1と同様に
して、透明な塩化ビニル樹脂板上に硬化塗膜を形成し
た。
【0054】(実施例3)トリメチロールプロパントリ
アクリレート100重量部、ジエチルチオキサントン4
重量部及びp−ジメチルアミノ安息香酸エチル4重量部
を、メチルエチルケトン300重量部とエチルセロソル
ブ350重量部の混合溶媒に溶解させ、アトライターに
仕込んだ。これを攪拌しながら、錫がドープされた針状
酸化インジウム粉末(富士チタン社製)180重量部及
びメチルメタクリレート(84モル%)−ヒドロキシエ
チルアクリレート(16モル%)共重合体30重量部を
加えて8時間分散させ、光硬化型導電性塗料を調製し
た。この光硬化型導電性塗料より、実施例1と同様にし
て、透明な塩化ビニル樹脂板上に硬化塗膜を形成した。
【0055】(比較例1)錫がドープされた針状酸化イ
ンジウム粉末に代えて、平均粒径0.02μmの酸化ア
ンチモン含有酸化錫粉末(三菱マテリアル社製「T−
1」)120重量部を使用したこと以外は、実施例1と
同様にして、光硬化型導電性塗料を調製した。この光硬
化型導電性塗料より、実施例1と同様にして、透明な塩
化ビニル樹脂板上に硬化塗膜を形成した。
【0056】(比較例2)錫がドープされた針状酸化イ
ンジウム粉末に代えて、平均粒径0.02μmの酸化ア
ンチモン含有酸化錫粉末(三菱マテリアル社製「T−
1」)250重量部を使用したこと以外は、実施例2と
同様にして、光硬化型導電性塗料を調製した。この光硬
化型導電性塗料より、実施例1と同様にして、透明な塩
化ビニル樹脂板上に硬化塗膜を形成した。
【0057】上記実施例及び比較例で得られた硬化塗膜
につき、下記の性能評価を行い、その結果を表1に示し
た。 (1)表面固有抵抗 ASTM D257に準拠して表面固有抵抗を測定し
た。 (2)全光線透過率及びヘイズ ASTM D1003に準拠して全光線透過率及びヘイ
ズを測定した。 (3)鉛筆硬度 JIS K5400に準拠して鉛筆硬度を評価した。 (4)耐擦傷性試験 荷重1kg/cm2 のスチールウール(#0000)に
より100回の摺動テストを行った後、下記の5段階の
評価基準によって目視観察により評価した。 1:多数の傷が認められた。 2:かなりの数の傷が認められた。 3:2〜3本の傷が認められた。 4:かすかに傷が認められた。 5:全く傷が認められなかった。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】本発明の光硬化型導電性塗料の構成は、
上述の通りであり、紫外線又は可視光線等で容易に硬化
し、透明性及び耐擦傷性に優れた塗膜を形成する。特
に、従来の透明導電塗料による塗膜に比べて透明性が優
れることにより、透明性と耐擦傷性の両立が困難であっ
た表面硬度の低い基材に対しても、透明性と耐擦傷性を
同時に付与することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)分子内に少なくとも2個以上の(メ
    タ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート化合
    物100重量部、(b)針状酸化インジウム粉末100
    〜300重量部、(c)分散剤5〜100重量部ならび
    に(d)光重合開始剤0.01〜20重量部を含有し、
    前記分散剤(c)が、塩化ビニル又は一般式(1)で表
    される(メタ)アクリル酸アルキルエステル75〜98
    モル%、ビニルアルコール、一般式(2)又は(3)で
    表される水酸基含有単量体2〜25モル%及びその他の
    共重合性単量体0〜18モル%を構成成分とする共重合
    体であることを特徴とする光硬化型導電性塗料。 【化1】 【化2】 【化3】 (式中、R1 、R3 及びR4 は、水素又はメチル基を示
    し、R2 は炭素数10以下のアルキル基又はアリール基
    を示す。mは1〜10の整数を示し、nは1〜9の整数
    を示し、kは1〜10の整数をそれぞれ示す)
  2. 【請求項2】分散剤(c)がポリビニルアセタール樹脂
    であることを特徴とする請求項1記載の光硬化型導電性
    塗料。
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