JPH08134383A - 光硬化性導電性塗料組成物 - Google Patents

光硬化性導電性塗料組成物

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JPH08134383A
JPH08134383A JP28209494A JP28209494A JPH08134383A JP H08134383 A JPH08134383 A JP H08134383A JP 28209494 A JP28209494 A JP 28209494A JP 28209494 A JP28209494 A JP 28209494A JP H08134383 A JPH08134383 A JP H08134383A
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JP
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weight
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meth
coating composition
conductive
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JP28209494A
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English (en)
Inventor
Koji Maruyama
耕司 丸山
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透明性を備え、導電性、耐摩耗性、耐擦傷性
に優れ、かつ、加工性にも優れた光硬化性導電性塗料組
成物を提供すること。 【構成】 導電性硫酸バリウム粉末:100重量部に対
して、分子内に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロ
イル基を有する(メタ)アクリレート化合物:10〜5
0重量部、α,β−不飽和エチレン系単量体60〜90
重量%と酸性基含有単量体40〜10重量%の共重合体
よりなるバインダー:10〜50重量部、光重合開始
剤:0.1〜10重量部、及び有機溶媒100〜100
0重量部を含有することを特徴とする光硬化性導電性塗
料組成物。この組成物により形成された塗膜は、紫外線
又は可視光線で容易に硬化でき、かつ、この塗膜は導電
性、透明性、耐擦傷性に優れた効果を発揮する。また、
硬化した塗膜はアルカリにのみ侵食される性質を持つた
め加工性にも極めて優れた効果を発揮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、形成された塗膜が紫外
線や可視光線などにより容易に硬化し、さらに硬化後の
塗膜が耐擦傷性、導電性、透明性および加工性に優れる
光硬化性導電性塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウエハー保存容器、電子・電機部
材、半導体製造工場の床材・塗料等は、その用途によっ
ては、帯電防止効果を有することが必要となる。
【0003】そのため、従来は、これらの部材をカーボ
ン粉末や金属粉末入り塗料でコーティングしたり、ある
いはカーボン粉末、カーボン繊維、金属繊維などを樹脂
に織り込んで成形することが行なわれていた。
【0004】しかしながら、これらの従来の方法では、
塗膜および成形品自体が着色されて不透明となり、内容
物を透視することができないという問題が生じていた。
【0005】このような問題を解決するために、従来よ
り塗料組成物に界面活性剤を添加させて帯電防止効果図
ることが行われているが、このタイプのものは導電性が
低く、この傾向は低湿度ではさらに顕著となってしまい
実用的とは言えない。また、特開昭57−85866号
公報には、酸化錫を主成分とする導電性微粉末を塗料バ
インダー中に含有させた塗料組成物が提案されている。
【0006】この公報に提案の塗料組成物を用いると、
透明でかつ帯電防止機能を有する塗膜を形成し得るが、
塗料バインダーが熱可塑性樹脂であるために、得られた
塗膜は耐擦傷性、耐溶剤性が十分であるとは言えない。
【0007】このような問題に対して、特開昭60−6
0166号公報には、酸化錫を主成分とする導電性微粉
末を、アクリロイル基等の官能基を有する(メタ)アク
リルオリゴマーを主成分とする塗料バインダに含有せし
めた導電性塗料組成物が提案されている。この提案によ
れば、この組成物を用いた塗膜は透明かつ帯電防止機能
を有する上に、耐擦傷性、耐溶剤性にも優れた効果を発
現させる。
【0008】しかしながら、このものは耐擦傷性、耐溶
剤性に優れた塗膜となるために、この塗膜を形成したプ
レートを接着加工する場合には、接着部での接着強度が
低くなるという問題が生じる。そのため、接着部分に該
当する塗膜を機械、サンドペーパ等で削り落とすという
非常に手間のかかる作業をしなければならない。また、
作業性を少しでも上げようすれば専用の機械が必要にな
ってしまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題点に着目してなされたもので、その課題とするところ
は、透明性を備え、導電性、耐摩耗性、耐擦傷性に優れ
ることはもとより、特定の薬品を用いることにより塗膜
が容易に除去でき、加工性に優れる光硬化性導電性塗料
組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1に係る
発明は、光硬化性導電性塗料組成物を前提とし、導電性
硫酸バリウム粉末及び/又は粒径0.01〜0.4μm
の酸化アンチモン含有酸化錫導電粉末:100重量部に
対して、分子内に少なくとも2個以上の(メタ)アクリ
ロイル基を有する(メタ)アクリレート化合物:10〜
50重量部、α,β−不飽和エチレン系単量体60〜9
0重量%と酸性基含有単量体40〜10重量%の共重合
体よりなるバインダー:10〜50重量部、光重合開始
剤:0.1〜10重量部、および有機溶媒100〜10
00重量部を含有することを特徴とする。
【0011】そして、この請求項1記載の発明に係る光
硬化性導電性塗料組成物においては、特に、所定の配合
比に配合されたα,β−不飽和エチレン系単量体と酸性
基含有単量体の共重合体よりなるバインダーを用いてい
るので、導電性粉末の分散性を向上させるとともに透明
性を向上させ、しかも耐アルカリ性を低下させることで
きるので、アルカリを用いることにより塗膜を容易に除
去できるという利点を有している。
【0012】この請求項1記載の発明で用いられる導電
性硫酸バリウム粉末は、酸化アンチモンでドープされた
酸化錫を硫酸バリウム微粒子上にコーティングしたもの
である。その平均粒径は、0.05〜0.4μmのもの
が好適に用いられる。この平均粒径が0.4μmを超え
ると、可視光線を散乱させるようになり、塗膜の透明性
が劣るという不都合が生じ、また、平均粒径が0.05
μm未満となると塗膜の導電性が低下するという不都合
が生じる。このような導電性硫酸バリウム粉末の塗膜
(コーティング層)に対する重量比率は、10〜50%
が好ましい。また、酸化錫に対する酸化アンチモンの比
率は、1〜20重量%が好ましい。
【0013】また、この請求項1記載の発明においては
上記導電性硫酸バリウム粉末に代えて若しくは導電性硫
酸バリウム粉末と混合して粒径0.01〜0.4μmの
酸化アンチモン含有酸化錫導電粉末を使用することも可
能である。この粉末は、酸化錫を主成分としかつアンチ
モンが0.1〜20wt%の範囲で含有されている酸化
錫が好適に用いられる。このような酸化錫を主成分とす
る導電性粉末の粒径は、0.01〜0.4μmとされ
る。この値が、0.4μmを超えると可視光線を散乱さ
せるため、得られる塗膜の透明性に欠けるという不都合
が生じる。この値が0.01μm未満となると塗膜の導
電性が低下するという不都合が生じる。
【0014】次に、請求項1記載の発明で用いられる
(メタ)アクリレート化合物は、分子内に少なくとも2
個以上のアクリロイル基若しくはメタアクリロイル基を
有するものであれば特に限定されない。具体的には、エ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ノナプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(アクリロ
キシジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス
[4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル]プロパ
ン、3−フェノキシ−2−プロパノイルアクリレート、
1,6−ビス(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロ
ピル)−ヘキシルエーテル等の2官能(メタ)アクリレ
ート、もしくは、ペンタエリスリトールトリ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ト
リス−(2−ヒドロキシエチル)−イソシアヌル酸エス
テル(メタ)アクリレート等の3官能(メタ)アクリレ
ート、または、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア
クリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)ア
クリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)ア
クリレート等の4官能以上の(メタ)アクリレート、ウ
レタン結合を有するオリゴマー等が挙げられる。このよ
うな(メタ)アクリレート化合物を架橋させることによ
り、塗膜の耐擦傷性、耐摩耗性を向上させることができ
る。
【0015】このような(メタ)アクリレート化合物の
含有量は、上記導電性硫酸バリウム粉末及び/又は粒径
0.01〜0.4μmの酸化アンチモン含有酸化錫導電
粉末100重量部に対して、10〜50重量部とされ
る。この含有量が10重量部未満となると、硬化後の塗
膜の耐擦傷性、耐摩耗性が低下してしまい、また、この
含有量が50重量部を超えると、塗膜の導電性が低下し
てしまう。
【0016】請求項1記載の発明のバインダーとして
は、α,β−不飽和エチレン系単量体と酸性基含有単量
体との共重合体が用いられる。このものを用いることに
より、導電性粉末の分散性が向上し、塗膜の透明性が向
上するとともに、耐アルカリ性を低下させることがで
き、塗膜の除去が容易に行えるようになる。
【0017】上記α,β−不飽和エチレン系単量体とし
ては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチ
レン類;α−ビニルナフタレン等のビニルナフタレン
類;エチレン、プロピレン、ブチレンまたはC5 〜C30
およびそれ以上のα−オレフィン類;塩化ビニル、臭化
ビニル、弗化ビニル等のハロゲン化ビニル類;酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステ
ル類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
n−ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル
等の(メタ)アクリル酸エステル類;ビニルメチルエー
テル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類;ビ
ニルメチルケトン、ビニルエチルケトン等のビニルケト
ン類;N−ビニルピロール、N−ビニルインドール等の
N−ビニル化合物;(メタ)アクリロニトリル、(メ
タ)アクリル酸アミド類等が挙げられる。
【0018】また、上記酸性基含有単量体としては、例
えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有単
量体;モノ(2−(メタ)アクリルオキシエチル)ホス
フェート、モノ(2−(メタ)アクリルオキシプロピ
ル)アッシドホスフェート等のリン酸基含有単量体;p
−スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有単量体など
が挙げられる。
【0019】このような共重合体の比率は、α,β−不
飽和エチレン系単量体が60〜90重量%、酸性基含有
単量体が40〜10重量%とされる。この比率をはずれ
て、α,β−不飽和エチレン系単量体が多くなり過ぎる
と、共重合体が溶剤に不溶化してしまうという不都合が
生じてしまう。逆に、少なくなり過ぎると得られた塗膜
がアルカリで侵食されにくくなってしまうという不都合
が生じてしまう。
【0020】このような共重合体の含有量は、導電性硫
酸バリウム粉末及び/又は粒径0.01〜0.4μmの
酸化アンチモン含有酸化錫導電粉末100重量部に対し
て、10〜50重量部とされる。この含有量が50重量
部を超えると、硬化後の塗膜の耐擦傷性、耐摩耗性が低
下してしまい、また、この含有量が10重量部未満とな
ると、得られた塗膜がアルカリで侵食されにくくなって
しまうという不都合が生じてしまう。
【0021】請求項1記載の発明においては、さらに、
形成した塗膜を紫外線、可視光線等の活性光線により増
感させて光硬化を促進させるための光重合開始剤が含有
される。
【0022】本発明で使用される光重合開始剤として
は、特に限定されないが、例えば、ソジウムメチルジチ
オカーバメイトサルファイド、ジフェニルモノサルファ
イド、ジベンゾチアゾイルモノサルファイドおよびジサ
ルファイド等のサルファイド類;チオキサントン、2−
エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、
2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘
導体;ヒドラゾン、アゾビスイソブチロニトリル等のア
ゾ化合物;ベンゼンジアゾニウム塩等のジアゾ化合物;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエ
チルエーテル、ベンゾフェノン、ジメチルアミノベンゾ
フェノン、ミヒラーケトン、ベンジルアントラキノン、
t−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノ
ン、2−エチルアントラキノン、2−アミノアントラキ
ノン、2−クロロアントラキノン等の芳香族カルボニル
化合物;p−ジメチルアミノ安息香酸メチル、p−ジメ
チルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香
酸ブチル、p−ジエチルアミノ安息香酸イソプロピル等
のジアルキルアミノ安息香酸エステル;ベンゾイルパー
オキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミル
パーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過
酸化物;9−フェニルアクリジン、9−p−メトキシフ
ェニルアクリジン、9−アセチルアミノアクリジン、ベ
ンズアクリジン等のアクリジン誘導体;9,10−ジメ
チルベンズフェナジン、9−メチルベンズフェナジン、
10−メトキシベンズフェナジン等のフェナジン誘導
体;6,4’,4”−トリメトキシ−2、3−ジフェニ
ルキノキサリン等のキノキサリン誘導体;2,4,5−
トリフェニルイミダゾイル二量体、2−ニトロフルオレ
ン、2,4,6−トリフェニルピリリウム四弗化ホウ素
塩、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,
3,5−トリアジン、3、3’−カルボニルビスクマリ
ン、チオミヒラーケトン、2,4,6−トリメチルベン
ゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが挙げられる。
【0023】また、酸素阻害による感度の低下を防止す
るために、光重合開始剤にアミン化合物を共存させても
よい。このようなアミン化合物としては、脂肪族アミン
化合物や芳香族アミン化合物等の不揮発性のものであれ
ば、特に限定されない。例えば、トリエタノールアミ
ン、メチルジエタノールアミン等がよく用いられ、上記
のジアルキルアミノ安息香酸エステル、ミヒラーケトン
などアミノ基含有の光重合開始剤はアミンとしても用い
ることができる。
【0024】上記光重合開始剤は、導電性硫酸バリウム
粉末及び/又は粒径0.01〜0.4μmの酸化アンチ
モン含有酸化錫導電粉末100重量部に対し、0.1〜
10重量部の配合割合で添加される。0.1重量部未満
では光重合が遅くなり、硬度、耐擦傷性を満足させるた
めに長時間の光照射を必要とすることとなり、時には未
硬化となってしまう。一方、10重量部を超えて添加す
ると、塗膜の耐熱性、耐候性などが低下し導電性や耐摩
耗性などにも悪影響を与えてしまう。
【0025】請求項1記載の発明においては、導電性粉
末の分散性、塗工性を良くするために有機溶剤が添加さ
れる。用いる有機溶媒としては、特に限定されないが、
沸点が60〜180℃程度のものが好適である。沸点が
60℃未満のものでは、塗料の保存中や塗工中、該溶媒
の蒸発により塗料の濃度や粘度が変化するおそれがあ
り、一方、沸点が180℃を超えるものでは乾燥工程に
時間を要することがあるからである。なお、導電性粉末
との親和性の点から、酸素原子を含有する溶媒を用いる
ことが好ましい。
【0026】かかる有機溶媒としては、具体的には、例
えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル、シクロヘキサノン、エチレングリコールモノメチル
エーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、ジエチレング
リコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、イソプロピル
アセトン、メチルエチルケトン、アニソール等が好適に
挙げられる。これらは単一で使用してもよく、2種類以
上を混合して用いてもよい。
【0027】本発明においては、この有機溶媒は、上記
導電性硫酸バリウム粉末及び/又は粒径0.01〜0.
4μmの酸化アンチモン含有酸化錫導電粉末100重量
部に対して、100〜1000重量部の配合割合で添加
される。100重量部未満では塗膜の透明性や塗料の保
存安定性が低下し、一方、1000重量部を超えると塗
料の粘度が低くなり過ぎで塗工性が低下したり、導電性
硫酸バリウム粉末等が沈降し易くなるからである。
【0028】さらに、請求項1記載の発明においては、
上記の必須構成成分の他に、アルカリ侵食性を向上させ
るために不揮発性の酸性基含有単量体を添加することが
できる。具体的には、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸等のカルボキシル基含有単量体;モノ(2−(メタ)
アクリルオキシエチル)ホスフェート、モノ(2−(メ
タ)アクリルオキシプロピル)アシッドホスフェート等
のリン酸基含有単量体;p−スチレンスルホン酸、2−
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のス
ルホン酸基含有単量体等が挙げられる。
【0029】さらに、必要に応じて、シランカップリン
グ剤、チタネート系カップリング剤、紫外線吸収剤、酸
化防止剤、熱重合禁止剤、レベリング剤等の各種添加剤
を添加してもよい。
【0030】そして、請求項1に係る光硬化性導電性塗
料組成物は、以下の要領で調整される。すなわち、上述
したようなバインダー、導電性硫酸バリウム粉末及び/
又は粒径0.01〜0.4μmの酸化アンチモン含有酸
化錫導電粉末を有機溶媒に加えて混合した後、(メタ)
アクリレート化合物、光重合開始剤を加えて、さらに混
合して行われる。混合に際して、導電性硫酸バリウム粉
末等を塗料中に十分分散させるために、例えば、サンド
ミル、ボールミル、アトライター、高速回転攪拌装置、
三本ロール等が用いられる。
【0031】このようにして調製された上記請求項1に
記載の光硬化性導電性塗料組成物は、スプレー法、バー
コート法、ドクターブレード法、ロールコート法、およ
びディッピング法等の一般的な塗布方法により対象物に
塗布され、熱風、赤外線等で乾燥させられて導電層を形
成する。導電層形成後、高圧水銀ランプ、メタルハライ
ドランプ等の紫外線を放出するランプを用いて光を照射
し、該導電層を硬化させる。露光量は、100〜200
0mJ/cm2 が好ましい。このような導電層が形成さ
れる対象物としては、例えば、塩化ビニル、ポリカーボ
ネート、ポリメタクリレート、ABS樹脂等のプラスチ
ック板あるいはプラスチックフィルム等が挙げられる。
【0032】なお塗膜厚(乾燥時)は0.5〜3μmが
好ましい。0.5μm未満では導電性が不十分となるこ
とがあり、一方、3μmを超えると透明性が低下してし
まうという不都合が生じる。
【0033】また、得られた塗膜の表面を必要に応じ
て、バフ研磨等によって研磨仕上げしてもよい。バフ仕
上げすることによって、塗膜の透明性が良くなり、ま
た、表面の脱落しやすい微粉末が除去されるため、塵の
発生を防止することができ、塵埃を極度に嫌う半導体の
製造装置に好適な製品を作製することができる。
【0034】次に、請求項2に係る発明は、光硬化性導
電性塗料組成物を前提とし、導電性硫酸バリウム粉末及
び/又は粒径0.01〜0.4μmの酸化アンチモン含
有酸化錫導電粉末:100重量部に対して、分子内に酸
性基及び少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基
を有するアクリルモノマー:20〜100重量部、分散
剤:1〜50重量部、光重合開始剤:0.1〜10重量
部、および有機溶媒100〜1000重量部を含有する
ことを特徴とする。
【0035】そして、この請求項2記載の発明に係る光
硬化性導電性塗料組成物においては、特に、分子内に酸
性基及び少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基
を有する所定のアクリルモノマーを用いているので、導
電性粉末の分散性を向上させるとともに透明性を向上さ
せ、しかも耐アルカリ性を低下させることできるので、
アルカリを用いることにより塗膜を容易に除去できると
いう利点を有している。
【0036】請求項2に係る発明に用いられる導電性硫
酸バリウム粉末若しくは粒径0.01〜0.4μmの酸
化アンチモン含有酸化錫導電粉末は、上記請求項1に係
る発明に用いられるものと同様のものを用いればよい。
【0037】請求項2に係る発明には、分子内に酸性基
及び少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を有
するアクリルモノマーが含有される。このアクリルモノ
マーを架橋させることにより、塗膜に耐擦傷性、耐摩耗
性を付与し、かつアルカリによって塗膜が侵食されやす
くなる。すなわち、分子内に2個以上の(メタ)アクリ
ロイル基を有することによって、硬化後の塗膜に耐擦傷
性、耐摩耗性が付与され、酸性の置換基を有することに
よってアルカリで侵食されやすくなる。
【0038】このような目的に用いられるアクリルモノ
マーとしては、カルボン酸誘導体、リン酸誘導体、スル
ホン酸誘導体等が挙げられる。特に、下記式(1)で示
されるアクリルモノマーを用いることがより好ましい。
【0039】
【化3】 上記式(1)中、R1 は水素あるいはメチル基を表し、
2 はアルキレン基あるいは下記式(2)を表す。
【0040】
【化4】 上記式(2)中、R3 は水素あるいはメチル基、nは1
〜9の整数を表す。
【0041】このようなアクリルモノマーの具体例を示
すと、ビス(2−アクリルオキシエチル)ホスフェート
[式(1)中、R1=H;R2は式(2)で表され、式
(2)中、R3 =H、n=1である]、ビス(2−メタ
クリルオキシエチル)ホスフェート[式(1)中、R1
=CH3 ;R2 は式(2)で表され、式(2)中、R3
=H、n=1である]、ビス(2−アクリルオキシプロ
ピル)ホスフェート[式(1)中、R1 =H;R2 は式
(2)で表され、式(2)中、R3 =CH3 、n=1で
ある]等が挙げられる。
【0042】このようなアクリルモノマーの含有量は、
導電性硫酸バリウム粉末及び/又は粒径0.01〜0.
4μmの酸化アンチモン含有酸化錫導電粉末100重量
部に対して、20〜100重量部とされる。この値が2
0重量部未満となると、硬化後の塗膜の耐擦傷性、耐摩
耗性が低下してしまい、また、この含有量が100重量
部を超えると、塗膜の導電性が低下するという不都合が
生じる。
【0043】さらに請求項2に係る発明には、導電性粉
末の分散性を向上させ、透明性を向上させるための分散
剤が含有される。用いる分散剤としては、市販の分散剤
の他、シランカップリング剤、チタネートカップリング
剤、有機酸、水酸基含有高分子等が挙げられる。
【0044】このような分散剤の含有量は、導電性硫酸
バリウム粉末及び/又は粒径0.01〜0.4μmの酸
化アンチモン含有酸化錫導電粉末100重量部に対し
て、1〜50重量部とされる。この値が50重量部を超
えると、塗膜の耐擦傷性、硬度、耐薬品性に欠けるとい
う不都合が生じ、また、この値が、1重量部未満となる
と、導電性粉末の分散効果および透明性にかけるという
不都合が生じる。なお、カップリング剤、有機酸等の低
分子のものを用いる場合には、含有量が少ない方が良
く、1〜10重量部がより好ましい範囲とされる。逆に
高分子量のものは含有量を多くしても性能の低下は少な
い。
【0045】さらに請求項2に係る発明には、形成した
塗膜を紫外線、可視光線等の活性光線により増感させて
光硬化を促進させるための光重合開始剤が用いられる。
【0046】光重合開始剤としては、特に限定されるも
のではなく、上記請求項1に係る発明の時に例示した化
合物が好適に用いられる。導電性硫酸バリウム粉末等に
対する含有率も上記請求項1に係る発明の場合と同様と
される。酸素阻害による感度の低下を防止するために、
光重合開始剤にアミン化合物を共存させてもよい。
【0047】さらに請求項2に係る発明においては、導
電性粉末の分散性、塗工性を良くするために有機溶剤が
添加される。用いる有機溶媒としては、特に限定される
ものではなく、上記請求項1に係る発明の時に例示した
化合物が好適に用いられる。導電性硫酸バリウム粉末等
に対する含有率も上記請求項1に係る発明の場合と同様
とされる。
【0048】さらに請求項2に係る発明においては、他
の成分として、分子内に少なくとも2個以上のアクリロ
イル基またはメタアクリロイル基を有する(メタ)アク
リレート化合物を添加してもよい。具体的には、エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ノナプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、2,2−ビス[4−(アクリロキシ
ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−
(メタクリロキシジエトキシ)フェニル]プロパン、3
−フェノキシ−2−プロパノイルアクリレート、1,6
−ビス(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)
−ヘキシルエーテル等の2官能(メタ)アクリレート、
もしくは、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリス−
(2−ヒドロキシエチル)−イソシアヌル酸エステル
(メタ)アクリレート等の3官能(メタ)アクリレー
ト、または、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アク
リレート等の4官能以上の(メタ)アクリレート、ウレ
タン結合を有するオリゴマー等が挙げられる。さらに、
必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱重合禁止
剤、レベリング剤等の各種添加剤を添加してもよい。
【0049】次に、請求項3に係る発明は、請求項2に
係る光硬化性導電性塗料組成物を前提とし、これらの発
明に用いられる上記分子内に酸性基及び少なくとも2個
以上の(メタ)アクリロイル基を有するアクリルモノマ
ーが下記式(1)で示されることを特徴とする光硬化性
導電性塗料組成物に関するものである。
【0050】
【化5】 上記式(1)中、R1 は水素あるいはメチル基を表し、
2 はアルキレン基あるいは下記式(2)を表す。
【0051】
【化6】 上記式(2)中、R3 は水素あるいはメチル基、nは1
〜9の整数を表す。
【0052】このようなアクリルモノマーの具体例は上
記したように、ビス(2−アクリルオキシエチル)ホス
フェート[式(1)中、R1 =H;R2 は式(2)で表
され、式(2)中、R3 =H、n=1である]、ビス
(2−メタクリルオキシエチル)ホスフェート[式
(1)中、R1 =CH3 ;R2 は式(2)で表され、式
(2)中、R3 =H、n=1である]、ビス(2−アク
リルオキシプロピル)ホスフェート[式(1)中、R1
=H;R2 は式(2)で表され、式(2)中、R3 =C
3 、n=1である]等が挙げられる。
【0053】このような請求項3に係る発明によれば、
酸性基及び少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル
基を有するアクリルモノマーがさらに特定されているの
で、アルカリで塗膜の除去しやすさ、および塗膜の耐擦
傷性、耐摩耗性がさらに優れたものになる。
【0054】
【作用】請求項1に係る発明によれば、当該発明の塗料
で形成された硬化塗膜は、バインダーとしてα,β−不
飽和エチレン系単量体と酸性基含有単量体の共重合体を
用いているので、アルカリで塗膜を除去することが可能
となる。しかも、塗膜は架橋しており、硬化後の塗膜の
耐擦傷性、耐摩耗性にも優れる。
【0055】また、請求項2に係る発明によれば、当該
発明の塗料で形成された硬化塗膜は、アクリルモノマー
として分子内に酸性基及び少なくとも2個以上の(メ
タ)アクリロイル基を有する所定のアクリルモノマーを
用いているので、アルカリで塗膜を除去することが可能
となる。しかも、塗膜は架橋しており、硬化後の塗膜の
耐擦傷性、耐摩耗性にも優れる。
【0056】また、請求項3に係る発明によれば、酸性
基及び少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を
有するアクリルモノマーがさらに特定されているので、
アルカリで塗膜の除去しやすさ、および塗膜の耐擦傷
性、耐摩耗性がさらに優れたものになる。
【0057】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。
【0058】[実施例1]導電性硫酸バリウム粉末(三
井金属鉱業社製 パストランTypeIV)100重量
部、メチルメタクリレート/メタクリル酸(重量比75
/25)共重合体30重量部、メチルエチルケトン40
0重量部をアトライターに仕込み10時間分散を行っ
た。その後、ジペンタエリスリトールペンタアクリレー
ト30重量部、ベンゾフェノン1重量部およびジメチル
アミノアセトフェノン1重量部を加え、さらに2時間分
散させることによって塗料組成物(塗料1)を調整し
た。
【0059】この塗料1を用いて、透明アクリル板に乾
燥時の膜厚が2μmになるようにバーコーターにより上
記塗料1を塗布し、50℃で10分間熱乾燥させた。こ
れに高圧水銀ランプにより1800mJ/cm2 の光り
を照射し紫外線硬化させた。得られた塗膜は、直径30
cmのウール性ポリッシャを3000rpmで作用させ
ることで表面のバフ仕上げを行ない、評価サンプル1を
得た。
【0060】[実施例2]導電性硫酸バリウム粉末(三
井金属鉱業社製 パストランTypeIV)100重量
部、メチルメタクリレート/モノ(2−メタクリルオキ
シエチル)ホスフェート(重量比75/25)共重合体
20重量部、メチルエチルケトン400重量部をアトラ
イターに仕込み10時間分散を行った。その後、ジペン
タエリスリトールヘキサアクリレート30重量部、チオ
キサントン1重量部およびジメチルアミノアセトフェノ
ン1重量部を加え、さらに2時間分散させることによっ
て塗料組成物(塗料2)を調整した。
【0061】この塗料2を用いて、上記実施例1と同様
にして評価サンプル2を得た。
【0062】[実施例3]導電性硫酸バリウム粉末(三
井金属鉱業社製 パストランTypeIV)100重量
部、メチルメタクリレート/アクリル酸(重量比75/
25)共重合体15重量部、メチルエチルケトン400
重量部をアトライターに仕込み10時間分散を行った。
その後、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3
0重量部、モノ(2−メタクリルオキシエチル)ホスフ
ェート10重量部、チオキサントン1重量部およびジメ
チルアミノアセトフェノン1重量部を加え、さらに2時
間分散させることによって塗料組成物(塗料3)を調整
した。
【0063】この塗料3を用いて、上記実施例1と同様
にして評価サンプル3を得た。
【0064】[比較例1]導電性硫酸バリウム粉末(三
井金属鉱業社製 パストランTypeIV)100重量
部、メチルメタクリレート/メタクリル酸(重量比75
/25)共重合体5重量部、メチルエチルケトン400
重量部をアトライターに仕込み10時間分散を行った。
その後、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート5
5重量部、ベンゾフェノン1重量部およびジメチルアミ
ノアセトフェノン1重量部を加え、さらに2時間分散さ
せることによって塗料組成物(比較塗料1)を調整し
た。
【0065】この比較塗料1を用いて、上記実施例1と
同様にして比較評価サンプル1を得た。
【0066】[比較例2]導電性硫酸バリウム粉末(三
井金属鉱業社製 パストランTypeIV)100重量
部、ポリメチルメタクリレート30重量部、メチルエチ
ルケトン400重量部をアトライターに仕込み10時間
分散を行った。その後、ジペンタエリスリトールペンタ
アクリレート30重量部、ベンゾフェノン1重量部およ
びジメチルアミノアセトフェノン1重量部を加え、さら
に2時間分散させることによって塗料組成物(比較塗料
2)を調整した。
【0067】この比較塗料2を用いて、上記実施例1と
同様にして比較評価サンプル2を得た。
【0068】『評価』これらの各評価サンプルについ
て、以下に示される評価項目に基づく性能評価を行っ
た。
【0069】表面固有抵抗値 ASTM−D257に準拠して測定した。
【0070】全光線透過率およびヘイズ(曇価) ASTM−D1003に準拠して測定した。
【0071】耐擦傷性 #0000のスチールウールで荷重500g/cm2
100回摩擦させた後の表面固有抵抗を測定した。
【0072】アルカリによる塗膜除去性 30%水酸化ナトリウム水溶液に30分浸漬させた後、
塗膜面を布で拭き取り、塗膜が除去できたどうかを評価
した。
【0073】結果を下記表1に示した。
【0074】
【表1】 表1の結果から明らかなように各実施例に係る評価サン
プルは比較例に係る評価サンプルに較べて塗膜除去性を
具備しており、かつ、耐擦傷性、導電性、透明性をも有
していることが確認できる。
【0075】[実施例4]一次粒径0.02μmの酸化
アンチモン含有酸化錫(三菱マテリアル製 T−1)1
00重量部、メチルメタクリレート/メタクリル酸(重
量比75/25)共重合体30重量部、メチルエチルケ
トン300重量部をアトライターに仕込み10時間分散
を行った。その後、ジペンタエリスリトールペンタアク
リレート20重量部、ベンゾフェノン1重量部およびジ
メチルアミノアセトフェノン1重量部を加え、さらに2
時間分散させることによって塗料組成物(塗料4)を調
整した。
【0076】この塗料4を用いて、透明アクリル板に乾
燥時の膜厚が2μmになるようにバーコーターにより上
記塗料1を塗布し、50℃で10分間熱乾燥させた。こ
れに高圧水銀ランプにより1800mJ/cm2 の光り
を照射し紫外線硬化させた。得られた塗膜は、直径30
cmのウール性ポリッシャを3000rpmで作用させ
ることで表面のバフ仕上げを行ない、評価サンプル4を
得た。
【0077】[実施例5]一次粒径0.02μmの酸化
アンチモン含有酸化錫(三菱マテリアル製 T−1)1
00重量部、メチルメタクリレート/ブチルメタクリレ
ート/モノ(2−メタクリルオキシエチル)ホスフェー
ト(重量比50/25/25)共重合体20重量部、メ
チルエチルケトン400重量部をアトライターに仕込み
10時間分散を行った。その後、ペンタエリスリトール
テトラアクリレート40重量部、2,4,6−トリメチ
ルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド1重量部
およびジメチルアミノアセトフェノン1重量部を加え、
さらに2時間分散させることによって塗料組成物(塗料
5)を調整した。
【0078】この塗料5を用いて、上記実施例4と同様
にして評価サンプル5を得た。
【0079】[実施例6]一次粒径0.02μmの酸化
アンチモン含有酸化錫(三菱マテリアル製 T−1)1
00重量部、メチルメタクリレート/スチレン/アクリ
ル酸(重量比60/15/25)共重合体15重量部、
シクロヘキサノン400重量部をアトライターに仕込み
10時間分散を行った。その後、ジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレート30重量部、アクリル酸ダイマー
5重量部、チオキサントン1重量部およびジメチルアミ
ノアセトフェノン1重量部を加え、さらに2時間分散さ
せることによって塗料組成物(塗料6)を調整した。
【0080】この塗料6を用いて、上記実施例4と同様
にして評価サンプル6を得た。
【0081】[比較例3]一次粒径0.02μmの酸化
アンチモン含有酸化錫(三菱マテリアル製 T−1)1
00重量部、メチルメタクリレート/メタクリル酸(重
量比75/25)共重合体60重量部、メチルエチルケ
トン400重量部をアトライターに仕込み10時間分散
を行った。その後、ジペンタエリスリトールペンタアク
リレート5重量部、ベンゾフェノン1重量部およびジメ
チルアミノアセトフェノン1重量部を加え、さらに2時
間分散させることによって塗料組成物(比較塗料3)を
調整した。
【0082】この比較塗料3を用いて、上記実施例4と
同様にして比較評価サンプル3を得た。
【0083】[比較例4]一次粒径0.02μmの酸化
アンチモン含有酸化錫(三菱マテリアル製 T−1)1
00重量部、ポリ塩化ビニル30重量部、メチルエチル
ケトン400重量部をアトライターに仕込み10時間分
散を行った。その後、ジペンタエリスリトールペンタア
クリレート30重量部、ベンゾフェノン1重量部および
ジメチルアミノアセトフェノン1重量部を加え、さらに
2時間分散させることによって塗料組成物(比較塗料
4)を調整した。
【0084】この比較塗料4を用いて、上記実施例4と
同様にして比較評価サンプル4を得た。
【0085】『評価』これらの各評価サンプルについ
て、上記の評価項目(表面固有抵抗値、全光線透過率、
ヘイズ(曇価)、耐擦傷性、アルカリによる塗膜除去
性)に基づく性能評価を行った。
【0086】結果を下記表2に示した。
【0087】
【表2】 表2の結果から明らかなように各実施例に係る評価サン
プルは比較例に係る評価サンプルに較べて塗膜除去性を
具備しており、かつ、耐擦傷性、導電性、透明性をも有
していることが確認できる。
【0088】[実施例7]導電性硫酸バリウム粉末(三
井金属鉱業社製 パストランTypeIV)100重量
部、ブチラール樹脂10重量部、メチルエチルケトン4
00重量部をアトライターに仕込み10時間分散を行っ
た。その後、ビス(2−メタクリルオキシエチル)ホス
フェート50重量部、ベンゾフェノン1重量部およびジ
メチルアミノアセトフェノン1重量部を加え、さらに2
時間分散させることによって塗料組成物(塗料7)を調
整した。
【0089】この塗料7を用いて、透明アクリル板に乾
燥時の膜厚が2μmになるようにバーコーターにより上
記塗料7を塗布し、50℃で10分間熱乾燥させた。こ
れに高圧水銀ランプにより1800mJ/cm2 の光り
を照射し紫外線硬化させた。得られた塗膜は、直径30
cmのウール性ポリッシャを3000rpmで作用させ
ることで表面のバフ仕上げを行ない、評価サンプル7を
得た。
【0090】[実施例8]導電性硫酸バリウム粉末(三
井金属鉱業社製 パストランTypeIV)100重量
部、メチルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタクリ
レート(重量比90/10)5重量部、シランカップリ
ング剤2重量部、シクロヘキサノン350重量部をアト
ライターに仕込み10時間分散を行った。その後、ビス
(2−メタクリルオキシエチル)ホスフェート30重量
部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート30重量
部、チオキサントン1重量部およびジメチルアミノアセ
トフェノン1重量部を加え、さらに2時間分散させるこ
とによって塗料組成物(塗料8)を調整した。
【0091】この塗料8を用いて、上記実施例7と同様
にして評価サンプル8を得た。
【0092】[比較例5]上記実施例7のビス(2−メ
タクリルオキシエチル)ホスフェートに代えて、ジペン
タエリスリトールヘキサアクリレートを用いた。それ以
外は、上記実施例7と同様にして比較評価サンプル5を
得た。
【0093】『評価』これらの各評価サンプルについ
て、上記の評価項目(表面固有抵抗値、全光線透過率、
ヘイズ(曇価)、耐擦傷性、アルカリによる塗膜除去
性)に基づく性能評価を行った。
【0094】結果を下記表3に示した。
【0095】
【表3】 表3の結果から明らかなように各実施例に係る評価サン
プルは比較例に係る評価サンプルに較べて塗膜除去性を
具備しており、かつ、耐擦傷性、導電性、透明性をも有
していることが確認できる。
【0096】[実施例9]一次粒径0.02μmの酸化
アンチモン含有酸化錫(三菱マテリアル製 T−1)1
00重量部、ブチラール樹脂10重量部、エチルセロソ
ルブ250重量部をアトライターに仕込み10時間分散
を行った。その後、ビス(2−メタクリルオキシエチ
ル)ホスフェート50重量部、2,4−ジエチルチオキ
サントン1重量部およびジメチルアミノアセトフェノン
1重量部を加え、さらに2時間分散させることによって
塗料組成物(塗料9)を調整した。
【0097】この塗料9を用いて、透明アクリル板に乾
燥時の膜厚が2μmになるようにバーコーターにより上
記塗料7を塗布し、50℃で10分間熱乾燥させた。こ
れに高圧水銀ランプにより1800mJ/cm2 の光り
を照射し紫外線硬化させた。得られた塗膜は、直径30
cmのウール性ポリッシャを3000rpmで作用させ
ることで表面のバフ仕上げを行ない、評価サンプル9を
得た。
【0098】[実施例10]一次粒径0.02μmの酸
化アンチモン含有酸化錫(三菱マテリアル製 T−1)
100重量部、チタネートカップリング剤2重量部、シ
クロヘキサノン350重量部をアトライターに仕込み1
0時間分散を行った。その後、ビス(2−メタクリルオ
キシエチル)ホスフェート40重量部、ペンタエリスリ
トールテトラアクリレート20重量部、チオキサントン
1重量部およびジメチルアミノアセトフェノン1重量部
を加え、さらに2時間分散させることによって塗料組成
物(塗料10)を調整した。
【0099】この塗料10を用いて、上記実施例9と同
様にして評価サンプル10を得た。
【0100】[比較例6]上記実施例9のビス(2−メ
タクリルオキシエチル)ホスフェートに代えて、ジペン
タエリスリトールヘキサアクリレートを用いた。それ以
外は、上記実施例9と同様にして比較評価サンプル6を
得た。
【0101】『評価』これらの各評価サンプルについ
て、上記の評価項目(表面固有抵抗値、全光線透過率、
ヘイズ(曇価)、耐擦傷性、アルカリによる塗膜除去
性)に基づく性能評価を行った。
【0102】結果を下記表4に示した。
【0103】
【表4】 表4の結果から明らかなように各実施例に係る評価サン
プルは比較例に係る評価サンプルに較べて塗膜除去性を
具備しており、かつ、耐擦傷性、導電性、透明性をも有
していることが確認できる。
【0104】
【発明の効果】請求項1〜請求項3に係る発明によれ
ば、各発明に係る導電性塗布組成物により形成された塗
膜は、紫外線または可視光線で容易に硬化でき、この塗
膜は導電性はもとより、透明性、耐擦傷性に優れた効果
を発揮する。また、硬化した塗膜はアルカリにのみ侵食
される性質を持つために、接着加工の前に、予めアルカ
リによって硬化塗膜を除去することができ、加工性にも
極めて優れた効果を発揮する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性硫酸バリウム粉末及び/又は粒径
    0.01〜0.4μmの酸化アンチモン含有酸化錫導電
    粉末:100重量部に対して、分子内に少なくとも2個
    以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリ
    レート化合物:10〜50重量部、α,β−不飽和エチ
    レン系単量体60〜90重量%と酸性基含有単量体40
    〜10重量%の共重合体よりなるバインダー:10〜5
    0重量部、光重合開始剤:0.1〜10重量部、および
    有機溶媒100〜1000重量部を含有することを特徴
    とする光硬化性導電性塗料組成物。
  2. 【請求項2】導電性硫酸バリウム粉末及び/又は粒径
    0.01〜0.4μmの酸化アンチモン含有酸化錫導電
    粉末:100重量部に対して、分子内に酸性基及び少な
    くとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するアク
    リルモノマー:20〜100重量部、分散剤:1〜50
    重量部、光重合開始剤:0.1〜10重量部、および有
    機溶媒100〜1000重量部を含有することを特徴と
    する光硬化性導電性塗料組成物。
  3. 【請求項3】上記分子内に酸性基及び少なくとも2個以
    上の(メタ)アクリロイル基を有するアクリルモノマー
    が下記式(1)で示されることを特徴とする請求項2記
    載の光硬化性導電性塗料組成物。 【化1】 上記式(1)中、R1 は水素あるいはメチル基を表し、
    2 はアルキレン基あるいは下記式(2)を表す。 【化2】 上記式(2)中、R3 は水素あるいはメチル基、nは1
    〜9の整数を表す。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001095343A1 (fr) * 2000-06-02 2001-12-13 Fujiprint Industrial Co. Ltd. Composition conductrice, procede pour produire une electrode ou une carte de circuit imprime comportant ladite composition, procede pour connecter l'electrode comprenant ladite composition et electrode ou carte de circuit imprime utilisant ladite composition
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