JPH06237723A - カラ揚げ粉 - Google Patents

カラ揚げ粉

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JPH06237723A
JPH06237723A JP50A JP4988693A JPH06237723A JP H06237723 A JPH06237723 A JP H06237723A JP 50 A JP50 A JP 50A JP 4988693 A JP4988693 A JP 4988693A JP H06237723 A JPH06237723 A JP H06237723A
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Takashi Yoshizawa
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコー
ル脂肪酸エステル及びレシチンから選ばれる乳化剤の少
なくとも1種をカラ揚げ粉の全重量の0.5〜5重量%
含有するカラ揚げ粉、並びに上記した乳化剤の少なくと
も1種0.5〜5重量%と共に更に粒径10μm以下の
小麦粉微粉、デキストロース当量5〜50の澱粉加水分
解物及びα化澱粉のうちの少なくとも1つを含有するカ
ラ揚げ粉。 【効果】 上記した特定の乳化剤の少なくとも1種を上
記割合で含有することにより、柔らかく食感の良好なカ
ラ揚げを高い歩留りで得ることができ、しかも揚げかす
の発生量を減少させることができる。また、上記乳化剤
と共に更に粒径10μm以下の小麦粉微粉、デキストロ
ース当量5〜50の澱粉加水分解物及びα化澱粉のうち
の少なくとも1つを含有させると、食感のより良好なカ
ラ揚げを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラ揚げ粉に関する。よ
り詳細には、本発明は、食肉などの揚げ物の具材が硬く
ならず、しかも衣の具材への付着が良好で揚げ油中の揚
げかすの発生が少なく、その上カラ揚げを高い歩留りで
得ることのできるカラ揚げ粉に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カラ揚げの製造に当たっては、食
肉などの具材を調味液に漬け込んで具材に調味料を浸み
込ませた後に穀粉等の衣を付着させて油で揚げる方法が
一般に採用されてきた。この方法による場合は、具材を
調味液に漬け込むことで具材の保水力が高まり、油で揚
げた際に食感の良好なカラ揚げを得ることが可能であ
る。しかしながら、この方法による場合は、調味液の調
製および調味液への具材の漬け込みが必要であり、手間
および時間がかかる。
【0003】上記従来法の欠点を解消するために、具材
に直接まぶして油で揚げるだけでカラ揚げを簡単につく
ることができるカラ揚げ粉が色々開発されており、この
ようなカラ揚げ粉を使用することによって、カラ揚げを
極めて簡単に且つ短時間に製造できるようになった。し
かしこのようなカラ揚げ粉を用いる場合は、粉末状また
は顆粒状のカラ揚げ粉を具材にそのまま付着させるため
に、付着性が劣って具材からカラ揚げ粉が脱落しやす
く、且つ得られるカラ揚げの歩留りが低く、しかもカラ
揚げの具材が硬くなり食感が不良になるという欠点があ
る。
【0004】柔らかい食感のカラ揚げを得るためにカラ
揚げ粉中にゲル化剤を配合することが試みられている
が、ゲル化剤を用いるとカラ揚げに粘りやガミー性が発
生して食感が低下する。また、カラ揚げ粉中に比較的多
量の澱粉を配合する試みもなされているが、具材へのカ
ラ揚げ粉の付着性が低下して揚げ油中に残留する揚げか
すの量が多くなるという欠点がある。
【0005】また、食肉を柔らかくする方法として、パ
パイン等のプロテアーゼをそのまままたは食塩、砂糖、
香辛料等の他の材料と一緒にして食肉にまぶすことが従
来から知られており、この方法による場合は、プロテア
ーゼを表面に施した食肉を所定の時間放置してプロテア
ーゼを食肉内部まで浸透させている。しかし、プロテア
ーゼを表面に塗布した食肉を放置すると、プロテアーゼ
の食肉内部への浸透よりも食肉表面での蛋白質の分解が
著しくなり、その結果食肉表面のベトつきが大きくなっ
て、それに揚げ衣等をまぶしても衣が肉に均一に付着せ
ず、逆に衣が箸、手、容器壁等に付着して食肉表面から
剥離・脱落するようになる。そして衣の脱落したそのよ
うな食肉を揚げた場合には、衣の脱落部分で焦げが生じ
て均一に揚がらず、外観や食感が不良になるという欠点
がある。
【0006】
【発明の内容】上記のような状況下に、本発明者らは、
具材を柔らかくしてカラ揚げの食感を良好にすると共
に、衣が具材の表面に均一に付着して脱落がなく、揚げ
油中の揚げかすの発生が少なく且つ得られるカラ揚げの
外観が良好であり、しかも高い歩留りでカラ揚げを得る
ことのできるカラ揚げ粉を提供することを目的として研
究を行ってきた。そして、カラ揚げに使用する配合成分
について種々検討を続けた結果、カラ揚げ粉中に特定の
乳化剤を特定の量で配合すると上記の目的を達成できる
ことを見出した。更に、本発明者らは、そのような特定
の乳化剤と共に、粒径が10μm以下の小麦粉微粉、デ
キストロース当量5〜50の澱粉加水分解物およびα化
澱粉のうちの少なくとも1つを更に配合すると、カラ揚
げの食感が一層良好になることを見出した。
【0007】すなわち、本発明は、ショ糖脂肪酸エステ
ル、プロピレングリコール脂肪酸エステルおよびレシチ
ンから選ばれる乳化剤の少なくとも1種をカラ揚げ粉の
全重量に基づいて0.5〜5重量%含有していることを
特徴とするカラ揚げ粉である。
【0008】そして、本発明は、ショ糖脂肪酸エステ
ル、プロピレングリコール脂肪酸エステルおよびレシチ
ンから選ばれる乳化剤の少なくとも1種をカラ揚げ粉の
全重量に基づいて0.5〜5重量%含有すると共に、更
に粒径が10μm以下の小麦粉微粉、デキストロース当
量5〜50の澱粉加水分解物およびα化澱粉のうちの少
なくとも1つを含有しているカラ揚げ粉である。
【0009】多数の食品用乳化剤が知られているが、本
発明ではそのような多数の食品用乳化剤のうちで、特に
ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エ
ステルおよびレシチンから選ばれる乳化剤の少なくとも
1種を使用することが必要であり、それらの限られた乳
化剤を使用することによって、カラ揚げに良好な柔らか
い食感を付与することができ、それと同時にカラ揚げの
歩留りの向上および揚げかす量の減少を図ることができ
る。
【0010】ショ糖脂肪酸エステルやプロピレングリコ
ール脂肪酸エステルとしては種々のものが知られ且つ市
販されているが、食品用として安全に使用し得るもので
あればいずれも使用でき、またレシチンも同様に本発明
における乳化剤として有効に使用できる。本発明はそれ
ら3種の乳化剤のうちの1種類のみを使用しても2種ま
たは3種を組み合わせて使用してもよい。
【0011】上記した乳化剤の含有量はカラ揚げ粉の全
重量に基づいて0.5〜5重量%(以後単に%という)
とすることが必要であり、2種以上の乳化剤を使用する
場合は、その合計量が上記0.5〜5%の範囲になるよ
うにする。乳化剤の含有量が0.5%よりも少ないとカ
ラ揚げの食感が柔らかくならず、しかもカラ揚げの歩留
りの低下、揚げかす量の増加などを招く。一方、乳化剤
の含有量が5%よりも多いと、カラ揚げの食感が硬くな
って劣ったものになる。乳化剤の含有量が1〜3%であ
るのがより好ましい。
【0012】また、本発明のカラ揚げ粉には、上記した
乳化剤と共に、粒径が10μm以下の小麦粉微粉、デキ
ストロース当量5〜50の澱粉加水分解物およびα化澱
粉のうちの少なくとも1つを含有させることができ、そ
の場合には食感の一層優れたカラ揚げが得られる。
【0013】ここで、上記の小麦粉微粉の粒径はマイク
ロトラック法により測定したとき粒径をいい、具体的に
は(株)日機装社製の「Microtrac FRA」を使用し
て測定することができる。本発明では粒径が10μm以
下の小麦粉微粉はいずれも使用できその調製方法等は特
に制限されないが、空気分級機を使用すると円滑に調製
することができ、そのような空気分級機としては例えば
日清エンジニアリング(株)製の空気分級機「ターボク
ラシファイヤーTC15M」などを挙げることができ
る。
【0014】上記した乳化剤と共に粒径10μm以下の
小麦粉微粉をカラ揚げ粉中に配合する場合には、該小麦
粉微粉の配合量が小麦粉微粉も含めたカラ揚げ粉の製造
に用いる穀粉類の合計重量の20%以上にするのが、カ
ラ揚げの食感の向上に有効である。
【0015】また、本発明のカラ揚げ粉で含有させるこ
とのできるデキストロース当量5〜50の澱粉加水分解
物は、澱粉の部分加水分解物である。一般に、澱粉を加
水分解すると最終的にはその最小構成単位であるブドウ
糖(デキストロース)まで分解するが、その加水分解の
程度によって各種の中間分解物の混合物が得られる。本
発明でいうデキストロース当量(Dextrose Equivalent)
(以下「DE」という)とは、そのような澱粉の加水分
解の程度を示す指標であり、通常、下記の数式1により
求められる。
【0016】
【数1】DE=(B/A)×100 式中、A=加水分解前の澱粉の量(重量) B=加水分解生成物におけるブドウ糖の量(重量)
【0017】上記数式1より、DEが大きいものほど加
水分解が進んでいて、DE=100のものでは澱粉のす
べてが完全にブドウ糖(デキストロース)にまで加水分
解されていること、一方DEが小さいほど加水分解の程
度が小さいことがわかり、かかる点から本発明で使用す
るデキストロース当量5〜50の澱粉加水分解物は、加
水分解の程度が中程度より小さいものであるということ
ができる。
【0018】DEが5未満のものではカラ揚げの食感を
柔らかくする効果が小さく且つ揚げ衣の剥離が多くな
る。一方、DEが50よりも大きいものでは、サラサラ
とした流動性に富むカラ揚げ粉が得られなくなり、カラ
揚げ粉にべとつきや団塊などが生じて取扱い性が低下
し、具材への付着性も悪くなり、しかもカラ揚げの歩留
りの低下、揚げ色が過度になって焦げなどを生ずる。本
発明においては、特にDE15〜40のものを使用する
のが好ましい。DEが5〜50の澱粉加水分解物の例と
しては、粉末デキストリン、粉末水あめなどがあり、特
に粉末水あめが好ましい。
【0019】また、DE5〜50の澱粉加水分解物は例
えば馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、小麦
澱粉、米澱粉、ライ澱粉、ワキシーコーンスターチなど
の種々の澱粉より得ることができ、DEが5〜50であ
る限りその原料である澱粉の種類は特に制限されない。
【0020】カラ揚げ粉中にDE5〜50の澱粉加水分
解物を配合する場合は、一般にカラ揚げ粉の全重量に基
づいて、約2〜50%、特に約5〜30%の割合とする
のが、得られるカラ揚げの食感、歩留り、外観、カラ揚
げ粉の取り扱い性などの点から好ましい。
【0021】また、α化澱粉は、α化された澱粉であれ
ばいずれも使用でき、その種類を問わないが、特にα化
馬鈴薯澱粉が好ましい。カラ揚げ粉中にα化澱粉を配合
する場合は、一般にカラ揚げ粉の全重量に基づいて、約
5〜40%、特に約15〜30%の割合とするのが、得
られるカラ揚げの食感、歩留り、外観、カラ揚げ粉の取
り扱い性などの点から好ましい。
【0022】本発明のカラ揚げ粉は、任意成分として従
来からカラ揚げ粉において使用されている粉末醤油、食
塩、糖類、粉末味噌、アミノ酸やその他の調味料、香辛
料、香料、ビタミン等の栄養成分などの他の材料や成分
のうちの任意のものを必要に応じて含有することができ
る。
【0023】また、本発明のカラ揚げ粉は、上記した材
料や成分の他にも、必要に応じて、増粘剤、ゲル化
剤、合成糊料(アルギン酸プロピレングリコールエステ
ル、繊維素グリコール酸のカルシウム塩やナトリウム
塩、澱粉グリコール酸ナトリウム、澱粉リン酸エステル
ナトリウム、メチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリ
ウム、アルギン酸ナトリウム、トラガントガム、ガッテ
イガム、アラビアガム、カラヤガム、グアーガム、ロー
カストビーンガム、ゼラチン等);プロテアーゼ、リ
パーゼ、アミラーゼなどの酵素;粉末酒や粉末アルコ
ール(ワイン、ブランデー、ラム酒粉末);などの1種
または2種以上を含有することができ、これらの1種ま
たは2種以上を含有させた場合には、油で揚げたときに
具材がより柔らかくなって、ソフトで良好な食感を有す
るカラ揚げを得ることができる。
【0024】上記において、カラ揚げ粉中にの増粘
剤、ゲル化剤、合成糊料等を配合する場合はカラ揚げ粉
の全重量に基づいて約1〜10%、の粉末酒を配合す
る場合はカラ揚げ粉の全重量に基づいて約1〜6%程度
の割合で配合するのがよい。
【0025】そして、本発明のカラ揚げ粉の調製方法は
特に限定されず従来公知の方法で製造することができ、
例えば上記した材料や成分は同時に混合しても逐次に混
合してもよい。
【0026】カラ揚げ粉には、粉末状のカラ揚げ粉を具
材にそのまままぶして油揚げするいわゆる“まぶし”タ
イプのものと、粉末状のカラ揚げ粉を水などの液体で溶
いて液状またはペースト状にしそれを具材に付着させて
油揚げするいわゆる“溶き”タイプのものがあるが、本
発明のカラ揚げ粉は、“まぶし”タイプとして用いるの
に特に適している。
【0027】本発明のカラ揚げ粉は、鶏、アヒル、カ
モ、七面鳥などのトリ肉、豚、牛、羊、ヤギなどの畜
肉、魚介類、野菜類などの種々の具材のカラ揚げに使用
することができ、特に肉類や魚介類のカラ揚げ粉として
適している。
【0028】本発明のカラ揚げ粉を用いてカラ揚げをつ
くる際の調理方法は特に限定されないが、通常、具材を
適当な大きさにし、それに本発明のカラ揚げ粉を粉末状
または顆粒状のままでまぶし、必要に応じて所定時間放
置した後、適温(通常約160〜170℃)に熱した油
で揚げるとよい。
【0029】
【実施例】以下に実施例等により本発明を具体的に説明
するが、本発明はそれに限定されない。以下の実施例お
よび比較例において、カラ揚げの歩留り、カラ揚げの食
感および揚げかすの量は次のようにして測定または評価
した。
【0030】カラ揚げの歩留り:次の数式2によりカラ
揚げの歩留り(%)を求めた。
【0031】
【数2】カラ揚げの歩留り(%)=(C/D)×100 式中、C=得られたカラ揚げの重量(g) D=使用した鶏肉と付着させたカラ揚げ粉の合計重量
【0032】カラ揚げの食感:下記の表1に示した評価
基準にしたがってパネラー10名によりカラ揚げの食感
を点数評価し、その平均値を採った。
【0033】
【表1】 カラ揚げの食感の評価基準 点 数 : 評 価 内 容 5 :非常に柔らかくジューシーで、極めて良好な食感 4 :柔らかく、良好な食感 3 :やや柔らかく、やや良好な食感 2 :硬く、やや不良な食感 1 :非常に硬く、不良な食感
【0034】揚げかす量:カラ揚げを製造した後に揚げ
油中に残った揚げかすを回収してその重量を測定した。
【0035】《実施例1および比較例1》下記の表2に
示す配合からなるカラ揚げ粉を各々100gずつ準備し
た。鶏肉を約25gの大きさに切断し、この肉1000
gに上記で準備したカラ揚げ粉をまぶし、そのまま室温
で5分間放置した。次いで、このカラ揚げ粉を付着させ
た鶏肉を、160〜170℃に熱したサラダ油で3分間
揚げて鶏肉のカラ揚げをつくった。得られた鶏肉のカラ
揚げの歩留りおよび揚げかす量を上記した方法で求める
とともに、カラ揚げの食感を上記した方法により点数評
価した。その結果を表2に示す。なお、実施例1で用い
た乳化剤は理研ビタミン(株)製造の「エマアップKM−10
0」であり、その具体的な内容は下記の表3に示すとお
りである。
【0036】
【表2】 実施例1 比較例1 配 合(%) 小麦粉(薄力粉) 73 76 乳化剤1) 3 0 食塩 8 8 調味料 10 10 香辛料 6 6 合 計 100 100 カラ揚げ歩留り(%) 84 78 カラ揚げ食感 4.2 1.5 揚げかす量(g) 4.9 8.5 1) 理研ビタミン(株)製:「エマアップKM−100」
【0037】
【表3】 理研ビタミン(株)製「エマアップKM−100」の具体的内容 グリセリン脂肪酸エステル 14% プロピレングリコール脂肪酸エステル 19% レシチン 4% カゼインナトリウム 5% その他 58%
【0038】上記表2の結果から、プロピレングリコー
ル脂肪酸エステルおよびレシチンを含有する実施例1の
カラ揚げ粉の場合は、食感の良好なカラ揚げが高い歩留
りで得られ、しかも鶏肉に対するカラ揚げ粉の付着が良
好で揚げ油中の揚げかすの残留量が少ないこと、それに
対して乳化剤を含有しない比較例1のカラ揚げ粉の場合
は、カラ揚げの食感が硬く不良になり、しかも歩留りも
低く、鶏肉へのカラ揚げの付着が不良で揚げ油中に多量
の揚げかすが残留することがわかる。
【0039】《実施例 2》下記の表4の配合からなる
カラ揚げ粉を各々100gずつ準備した。次いで実施例
1と同様にして鶏肉のカラ揚げをつくり、得られた鶏肉
のカラ揚げの食感を上記した方法により点数評価したと
ころ、表4のとおりの結果を得た。
【0040】
【表4】 試 験 区 a b c d (比較例) (実施例) (実施例) (比較例) 配 合(%) 小麦粉(薄力粉) 75.7 75.5 71.0 70.0 乳化剤1) 0.3 0.5 5.0 6.0 食塩 8 8 8 8 調味料 10 10 10 10 香辛料 6 6 6 6 合 計 100 100 100 100 カラ揚げ食感 2.8 3.6 4.3 2.9 1)三菱化成食品(株)製:「リョートシュガーエステルS370」
【0041】上記表4の結果から、ショ糖脂肪酸エステ
ルを0.5〜5%の範囲で含有している試験区b(実施
例)および試験区c(実施例)のカラ揚げ粉は、ショ糖
脂肪酸エステルの含有量が本発明の範囲から外れる試験
区a(比較例)および試験区d(比較例)に比べて食感
のより良好なカラ揚げが得られ優れていることがわか
る。
【0042】《実施例3〜4》下記の表5の配合からな
るカラ揚げ粉を各々100gずつ準備した。次いで実施
例1と同様にして鶏肉のカラ揚げをつくり、得られた鶏
肉のカラ揚げの食感を上記した方法により点数評価した
ところ、表5のとおりの結果を得た。
【0043】
【表5】 実施例3 実施例4 配 合(%) 小麦粉(薄力粉) 71 72 乳化剤 51) 42) 食塩 8 8 調味料 10 10 香辛料 6 6 合 計 100 100 カラ揚げ食感 4.0 4.3 1)花王(株)製:「ホモテックスPS-200」(プロピレングリ
コール脂肪酸エステルを83%含有) 2)味の素(株)製:「大豆レシチン」
【0044】上記表5の結果から、プロピレングリコー
ル脂肪酸エステルまたはレシチンを本発明の範囲内で含
有する実施例3および実施例4のカラ揚げ粉からは食感
の良好なカラ揚げが得られることがわかる。
【0045】《実施例 5》小麦粉として10μm以下
の微粉を60%含有するものを用い、更に乳化剤、DE
値が29〜33の澱粉加水分解物およびα化澱粉を含有
する下記の表6に示す配合からなるカラ揚げ粉を使用し
て、実施例1と同様にして鶏肉のカラ揚げをつくり、得
られた鶏肉のカラ揚げの食感を上記した方法により点数
評価したところ、表6のとおりの結果を得た。
【0046】
【表6】 実施例5 配 合(%) 小麦粉微粉1) 43 乳化剤2) 3 澱粉加水分解物3) 10 α化澱粉4) 20 食塩 8 調味料 10 香辛料 6 合 計 100 カラ揚げ食感 4.7 1)10μm以下の微粉を60%含有 2)理研ビタミン(株)製:「エマアップKM-100」(内容は表3
のとおり) 3)参松工業(株)製:粉末水あめ(DE値=29〜33) 4)松谷化学(株)製:「マツノリン」
【0047】上記表6の結果から、プロピレングリコー
ル脂肪酸エステルおよびレシチンと共に、粒径が10μ
m以下の小麦粉微粉、DE値が29〜33の澱粉加水分
解物およびα化澱粉を含有する実施例5のカラ揚げ粉を
用いると、食感の極めて良好なカラ揚げが得られること
がわかる。
【0048】
【発明の効果】ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリ
コール脂肪酸エステルおよびレシチンから選ばれる乳化
剤の少なくとも1種をカラ揚げ粉の全重量に基づいて
0.5〜5重量%含有している本発明のカラ揚げ粉を使
用した場合には、柔らかく食感の良好なカラ揚げが高い
歩留りで得られる。しかも、発明のカラ揚げ粉は具材へ
の付着が良好であり、それにより外観の良好なカラ揚げ
を得ることができ、しかも揚げ油中に残留する揚げかす
の発生量が少ない。
【0049】特に、上記した乳化剤と共に、粒径10μ
m以下の小麦粉微粉、デキストロース当量5〜50の澱
粉加水分解物およびα化澱粉のうちの少なくとも1つを
更に含有している本発明のカラ揚げ粉からは、食感の極
めて良好なカラ揚げをつくることができる。本発明のカ
ラ揚げ粉は、肉類、魚介類、野菜などの種々の具材に対
して有効に使用することができ、それらの具材に単にま
ぶして油で揚げるだけで、食感の良好なカラ揚げを極め
て簡単に且つ短時間に製造することができる。
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】 ここで、上記の小麦粉微粉の粒径はマイ
クロトラック法により測定したときの粒径をいい、具体
的には(株)日機装社製の「Microtrac FRA」を使
用して測定することができる。本発明では粒径が10μ
m以下の小麦粉微粉はいずれも使用できその調製方法等
は特に制限されないが、空気分級機を使用すると円滑に
調製することができ、そのような空気分級機としては例
えば日清エンジニアリング(株)製の空気分級機「ター
ボクラシファイヤーTC15M」などを挙げることがで
きる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】 また、本発明のカラ揚げ粉で含有させる
ことのできるデキストロース当量5〜50の澱粉加水分
解物は澱粉の部分加水分解物である。澱粉を加水分解す
ると最終的にはその最終単位であるブドウ糖(デキスト
ロース)まで分解されるが、その加水分解の程度によっ
て各種の中間分解物の混合物が得られる。本発明でいう
デキストロース当量(Dextrose Equivalent)(以下
「DE」という)は、そのような澱粉の加水分解の程度
を示す指標として従来から広く採用されているものであ
り[例えば「総合食料工業」第184〜185頁、
(株)恒星社厚生閣発行(昭和45年9月15日)]、
通常下記の数式1により求められる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】
【数1】DE=(B/A)×100 式中、A=全固形分 B=直接還元糖(グルコースとして表示)
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】 上記数式1より、DEが大きいものほど
加水分解が進んでいること、一方DEが小さいほど加水
分解の程度が小さいことがわかり、かかる点から本発明
で使用する澱粉加水分解物は、加水分解の程度が中程度
より小さいものであるということができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリ
    コール脂肪酸エステルおよびレシチンから選ばれる乳化
    剤の少なくとも1種をカラ揚げ粉の全重量に基づいて
    0.5〜5重量%含有していることを特徴とするカラ揚
    げ粉。
  2. 【請求項2】 粒径が10μm以下の小麦粉微粉、デキ
    ストロース当量5〜50の澱粉加水分解物およびα化澱
    粉のうちの少なくとも1つを更に含有している請求項1
    のカラ揚げ粉。
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