JPH06237715A - 冷凍米飯の製造方法 - Google Patents

冷凍米飯の製造方法

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JPH06237715A
JPH06237715A JP50A JP4870193A JPH06237715A JP H06237715 A JPH06237715 A JP H06237715A JP 50 A JP50 A JP 50A JP 4870193 A JP4870193 A JP 4870193A JP H06237715 A JPH06237715 A JP H06237715A
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cooked rice
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義隆 平野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高品質の冷凍米飯の製造方法を提供する。 【構成】 米に常法よりも少なめの水を加えて炊飯器な
どの常圧釜で常法により炊飯し、得られた米飯を蒸し器
などで蒸気加熱して、米粒の含有水分を均一化し、もし
くは炊飯後、釜の蓋を開けずに、そのまま、更に保温し
て米粒の含有水分を均一化すると同時に、匂い成分を生
成増加させ、次に、米飯の米粒の表面に、米飯100g
に対して約10〜20gの水を、スプレーなどで均一に
付着させた後、約20分程度、室温に放置し、次いで、
必要により適宜の形状に成形した後、−40℃エアーな
どで−20℃付近まで急速冷凍させる冷凍米飯の製造方
法。 【効果】 電子レンジで解凍することにより、常法で炊
きあげた直後のような食感の米飯、及び炊きたての香り
の保持された米飯に再現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炊きあげた直後のよう
な食感を有する米飯となる冷凍米飯、及び米飯に特有の
匂いを有する米飯となる冷凍米飯の製造方法に関するも
のであり、更に詳しくは、本発明は、電子レンジで解凍
することにより、米粒同士の結着性の低い状態の、常法
で炊きあげた直後のような食感で、かつ米飯の表面組織
が崩れていず、しっかりと張りがある状態を有する米飯
となる冷凍米飯、及び炊きあげた直後の米飯に特有の匂
い、すなわち炊きたての香りを損失していない米飯とな
る冷凍米飯の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子レンジで簡便に解凍調理する
ことが可能な冷凍米飯類の製品化が試みられているが、
一般に、これらの冷凍米飯類は、電子レンジで解凍調理
した場合、保湿性が悪く、解凍調理後に米飯粒の表面よ
り水分が急激に蒸発するために、米飯の米粒の表面が乾
燥固化した状態になり、結着性が著しく上昇するため、
その食感が著しく劣るものがほとんどである。
【0003】そこで、このような冷凍米飯類の問題点を
解決するために、例えば、炊飯時の生米に対する加水量
を増量する方法等が試みられているが、当該方法では、
炊飯米自体が過度に柔らかいものとなり、これを冷凍し
た冷凍米飯を電子レンジで解凍調理しても、前記乾燥固
化等問題点を解決することは困難であった。
【0004】また、冷凍米飯類を製造するに際して、各
種のゲル化剤等の品質改良剤、炊飯改良剤等を使用する
方法が提案されており、例えば、特開昭52−1569
48号公報には、調理冷凍米飯食品にキサンタンガム等
を添加することにより、水分の蒸発を抑制し、米飯の固
化を防止する方法が開示されている。しかしながら、一
般に、このようなゲル化剤等を使用して製造された冷凍
米飯を電子レンジで解凍調理した場合、炊飯米粒の表面
にゲル化剤の皮膜が固着し、凍結前の炊飯直後の米飯の
食感とは著しく相違したものとなる傾向が強く、満足の
いく製品を得ることは困難であった。
【0005】また、冷凍調理食品類を製造するに際し
て、加熱調理した冷凍調理食品の周囲に氷を付着せしめ
る方法が提案されており、例えば、特開平1−1962
64号公報には、一旦凍結した食品を水に浸漬処理し
て、氷の皮膜を形成する方法が開示されている。しかし
ながら、一般に、このような方法は、処理工程が複雑
で、熱効率が悪く、また、得られる冷凍米飯は、米飯の
表面のみしか氷の皮膜が形成されていないため、電子レ
ンジで解凍調理した場合、水分の蒸発を抑えることは困
難であり、米飯自体からの水分の蒸発が早期に起こるた
め、凍結前の炊飯直後の米飯の食感を再現することは困
難であった。
【0006】更に、従来、このような電子レンジにより
解凍調理を行った場合にみられる米飯粒表面の乾燥固化
を防止すると共に、解凍調理後においても良好な保湿性
を有し、かつ凍結前の食感食味を損なうことのない電子
レンジ用の冷凍米飯製品を製造する方法の開発が、種
々、試みられており、例えば、特開平3−254651
号公報には、炊飯米あるいは調理米飯に水を噴霧した後
凍結することを特徴とする電子レンジ用冷凍米飯製品の
製造方法が開示されている。
【0007】しかしながら、当該方法は、電子レンジで
解凍調理した場合、米飯粒表面の水分以外に米飯粒相互
の隙間の水分も蒸発することとなり、米飯粒自体からの
水分の蒸発が抑えられ保湿性が比較的良好に維持される
ものであるとしても、解凍調理後の米飯は、過剰量の水
分により全体として糊が溶けたようなヌルヌルとした状
態を呈し、凍結前の炊飯直後の米飯にみられるようなし
っかりと張りのある状態を再現することは困難であっ
た。従って、米を主原料として具材、調味料、油等を添
加した五目ご飯、ピラフ、ドライカレー等の調理米飯の
場合にはそれほど感じられないが、白飯の場合には特に
その傾向が強いものであった。
【0008】一方、このような方法により製造した冷凍
米飯を、これを電子レンジで解凍調理した場合、得られ
る米飯の風味は、凍結前の炊飯直後にみられる米飯に特
有の匂い、すなわち炊きたての香りは、ほとんど消失
し、これを感じることはほとんど困難であり、特に白米
をそのまま炊飯し、凍結した冷凍米飯製品については、
当該炊きたての香りのなさが、製品のグレードを著しく
低下させる原因の一つとなっていた。
【0009】このようなことから、従来、冷凍米飯を含
めた米飯製品について、その香りを改善するための種々
の方策が試みられており、例えば、特開昭63−148
942号公報には、食味をよくする焦飯香を米飯に付与
する方法が提案されており、連続炊飯装置で、ベルトコ
ンベアーで移動中の飯を、放射線、高温度の空気を単独
もしくは併用してその表面を直接加熱することを特徴と
する連続炊飯方法、及び飯ほごし機で飯に上質米、又は
ブドウ糖、しょ糖、デキストリン等の糖質成分の糊化液
を散布混合して飯をほごした後、ベルトコンベアーで移
動中の飯を加熱することを特徴とする連続炊飯方法が開
示されている。しかしながら、当該方法は、加熱による
焦飯香と、加熱により米飯の表面の水分を蒸発させるこ
とにより食味を改善しようとするものであり、炊飯後、
そのまま食する米飯の場合はともかく、これを冷凍し、
凍結米飯製品としたものを電子レンジで解凍調理して食
する冷凍米飯製品の場合に、このような方法を適用する
ことは、前記した米飯表面の水分含量の問題があり困難
であった。
【0010】一方、調理機器としての電子レンジの一般
家庭への普及と、当該電子レンジで簡便に調理可能な電
子レンジ専用食品の品目が拡大するに伴って、各種の調
理済食品が開発されており、ケーキ、米飯、調理ソー
ス、各種調理済冷凍食品の分野を中心として、優れた製
品が、種々、出現しているが、これらの製品の中でも、
特に、優れた食感、風味等が要求される冷凍米飯製品に
ついては、いまだ前記したような問題点が完全には解決
されておらず、電子レンジで簡便に解凍調理可能で、か
つ凍結前の炊飯直後の食感、風味等を確実に再現し得る
ような高品質の冷凍米飯製品の開発が強く望まれてい
た。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、このような情勢を踏まえ、前記した従来の冷凍米飯
製品にみられる各種問題点を解決し、電子レンジにより
解凍調理することにより、凍結前の炊飯直後のような食
感を有する、すなわち、米飯表面がヌルヌルせず張りが
あり、米粒同士の結着性の低い状態の米飯となるような
冷凍米飯、及び炊飯米に特有の匂い、すなわち炊きたて
の香りを保持した米飯となるような冷凍米飯を開発する
ことを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、少しシン
が残るように加水量を調整して炊飯器などの常圧釜で炊
飯した炊飯米を、蒸し器で約100℃の蒸気中で米飯の
品温が約100℃達温後に1分程度加熱し、米粒の含有
水分を均一化する工程、ないし、同様にして炊飯した炊
飯米を、釜の蓋を開けることなく、更に約100℃で3
0分程度保温して、米粒の含有水分を均一化する工程を
採用することにより、所期の目的を達成し得ることを見
い出し、本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明は、電子レンジで解凍す
ることにより、常法で炊きあげた直後のような食感の米
飯となる冷凍米飯の製造方法を提供することを目的とす
るものである。
【0013】また、本発明は、電子レンジで解凍するこ
とにより、常法で炊きあげた直後のような食感で、かつ
米飯に特有の匂い、すなわち炊きたての香りを損失して
いない米飯となる冷凍米飯の製造方法を提供することを
目的とするものである。
【0014】更に、本発明は、電子レンジで解凍調理し
ても、従来の冷凍米飯製品にみられるような米粒の表面
組織が糊が溶けたようなヌルヌルした状態がみられず、
米粒の組織が崩れていず、しっかりと張りがある状態の
炊飯直後の米粒の表面組織の状態を保持した米飯を得る
ことが可能な冷凍米飯の製造方法を提供することを目的
とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るための本発明の構成は、次の(1)〜(6)の技術的
手段からなるものである。 (1)米に約1.2重量倍の水を加えて炊飯器などの常
圧釜で常法により炊飯し、得られた米飯を蒸し器などで
蒸気加熱して、米粒の含有水分を均一化し、次いで、米
飯の米粒の表面に、水をスプレーなどで均一に付着させ
た後、約20分程度、室温に放置し、次いで、必要によ
り適宜の形状に成形した後、米飯を−40℃エアーなど
で−20℃付近まで急速冷凍させることを特徴とする冷
凍米飯の製造方法。
【0016】(2)蒸し器で常圧下で米飯の品温が約1
00℃達温後に約30秒〜2分の蒸気加熱をする前記
(1)記載の冷凍米飯の製造方法。
【0017】(3)米に約1.05重量倍の水を加えて
炊飯器などの常圧釜で常法により炊飯し、炊飯後、釜の
蓋を開けずに、そのまま、更に保温して、米粒の含有水
分を均一化すると同時に匂い成分を生成増加させ、得ら
れた米飯の米粒の表面に、水をスプレーなどで均一に付
着させた後、約20分程度、室温に放置し、次いで、必
要により適宜の形状に成形した後、米飯を−40℃エア
ーなどで−20℃付近まで急速冷凍させることを特徴と
する冷凍米飯の製造方法。
【0018】(4)炊飯後、釜の蓋を開けずに、そのま
ま、更に約100℃で約30分程度保温する前記(3)
記載の冷凍米飯の製造方法。
【0019】(5)米飯の米粒の表面に、米飯100g
に対して約10〜20gの水をスプレーなどで均一に付
着させる前記(1)又は(3)記載の冷凍米飯の製造方
法。
【0020】(6)米飯の米粒の表面に付着させる水の
温度が約50〜70℃である前記(5)記載の冷凍米飯
の製造方法。
【0021】続いて、本発明について詳細に説明する。
本発明の冷凍米飯の製造方法は、前記した高品質の冷凍
米飯を製造することを目的とするものであり、大別して
2種類のタイプから構成されるものである。すなわち、
本発明は、常法で炊きあげた直後のような食感の米飯と
なる冷凍米飯製品の製造方法と、常法で炊きあげた直後
のような食感で、かつ米飯に特有の匂い、すなわち炊き
たての香りを損失していない米飯となる冷凍米飯製品の
製造方法に係るものである。
【0022】このうち、先ず、前者の製造方法について
説明すると、当該方法は、米に約1.2重量倍の水を加
えて炊飯器などの常圧釜で常法により炊飯する。この場
合、常法よりも水を少なめに加えることが重要であり、
結果的に、米粒中心部の水分が不足した状態になるよう
に、すなわち、少しシンが残るようにして炊飯する。次
いで、得られた米飯を金属ネットなどに拡げ、蒸し器な
どで蒸気加熱して、米粒の含有水分を均一化する。当該
蒸気加熱工程は、必須のものであり、前記した少しシン
が残るような状態の炊飯米に当該蒸気加熱を施すことに
より、米粒の表面と中心部の水分含有量を効率よく均一
化することができる。これは、少しシンが残るようにし
て炊飯した炊飯米は、米粒表面に亀裂が生じるなどの破
損状態が全くみられず、米粒の表面組織が整った状態を
呈しているが、米粒の表面と中心部の水分含量に片寄り
があるので、これを蒸気加熱することにより、水分含量
の均一化をすみやかに達成するものである。このような
工程を採用することによって、米粒の表面及び全体の組
織が崩れず、しっかりと張りのある状態で、水分含量の
均一化が達成されるものである。
【0023】これに対して、通常の炊飯米、すなわち米
粒の中心にシンが残っていない状態に炊飯した炊飯米を
蒸気加熱しても、米粒表面に亀裂が生じた状態を呈して
しまうために、米粒の表面及び全体の組織が崩れない状
態で米粒の水分含量を均一化することは困難であり、し
っかりと張りのある状態の米粒を得ることはできないこ
とから、本発明における前記蒸気加熱処理は、予じめ加
水量を調整し、少しシンが残るように炊飯した炊飯米に
対して、これらを組み合わせた形で施すことが重要であ
る。
【0024】このような蒸気加熱処理は、ほぐしながら
拡げた状態の米飯を蒸し器などの常圧釜で常圧下で米飯
の品温が約100℃達温後に約30秒〜2分の蒸気加熱
をすることにより好適に行われるが、当該条件に限ら
ず、同様に米粒の含有水分を均一化し得る範囲で、当該
条件を適宜変更することが可能である。
【0025】次に、米飯の米粒の表面に、水をスプレー
などで均一に付着させた後、約20分程度、室温に放置
し、付着した水を米粒の表面付近に所定量滲み込ませ
る。当該水の付着処理は、好適には、例えば米飯100
gに対して約10〜20gの水を、直接米粒表面に噴霧
することにより行われるが、当該方法に限らず、これと
同様の効果が得られる範囲であれば適宜の方法を使用す
ることができる。このように、本発明においては、米飯
100gに対して約10g以上という高スプレー量で水
をスプレーして冷凍米飯を製造する方法が好適なものと
して採用される。また、室温に放置し、付着した水を米
粒の表面付近に所定量滲み込ませる方法についても、同
様の効果が得られる範囲で適宜の条件が使用される。更
に、当該スプレーなどによる水の付着処理は、凍結前の
工程において、炊飯米あるいは調理した米飯に直接に、
もしくは容器などに適量充填した状態の米飯に対して行
うことが可能である。
【0026】米粒に水を付着させる方法は、水のみによ
る一流体噴霧ノズルあるいは水と空気による二次体噴霧
ノズルなどを使用して常法により行えばよく、噴霧する
水の粒子粒は10〜500μ程度で、対象とする製品の
形態などに応じて適宜調整して実施すればよい。噴霧す
る水の温度、処理時間などは、特に限定されるものでは
ないが、好適には、約50〜70℃の水を30〜60秒
程度スプレー処理して水を付着させる。約50〜70℃
の高温の水を使用すると、解凍後の米飯の食感が低温の
水の場合に比べ、ふっくらとしてよりよいものとなる。
このように水を付着させた米粒は、必要により適宜の形
状に成形した後、好適には、−40℃エアーなどによ
り、すみやかに−20℃付近まで急速冷凍処理すること
により凍結するが、当該冷凍処理方法は、常法によりコ
ンタクトフリーザー、液体窒素凍結、エアブラストフリ
ーザーなどによる急速凍結処理を実施すればよく、特に
限定されるものではなく、また、凍結後の冷凍保存は、
好ましくは、−20℃以下で保存する。
【0027】このように、本発明の第1の発明は、少し
シンが残るように炊飯した米飯を蒸し器などで蒸煮加熱
して、米粒の表面組織を崩すことなく、米粒の含有水分
を均一化すると共に、米飯100gに対して約10g以
上の高スプレー量で水をスプレーし、付着させて冷凍す
る工程を含むことを特徴とするものである(表1に、本
発明と従来技術との構成を対比して示す)。
【0028】
【表1】
【0029】一方、電子レンジで解凍調理後において
も、常法で炊きあげた直後のような食感で、かつ米飯に
特有の匂い、すなわち炊きたての香りを損失していない
米飯となる冷凍米飯製品の製造方法について説明する
と、当該方法は、米に第1の発明より更に少ない約1.
05重量倍の水を加えて炊飯器などの常圧釜で常法によ
り炊飯した後、釜の蓋を開けずに、そのまま、更に、保
温して、米粒の含有水分を均一化すると同時に匂い成分
を生成増加させる処理を施す。当該保温処理は、好適に
は、炊飯が終了した後、釜の蓋を開けない状態で、その
まま、更に、100℃程度で約30分程度保温すること
により実施される。第1の発明よりも炊飯の時の加水量
が少ないのは、炊飯後に蓋を開けずにそのまま保温する
ことにより、米粒の水分が蒸発しないので、その分を考
慮してのことである。本発明者らによって、当該保温処
理により、米粒の含有水分が均一化されるだけでなく、
通常の炊飯米にみられる特有の匂い、すなわち炊きたて
の香りを構成する匂い成分の生成が著しく増加すること
が確かめられた。当該保温処理の条件は、このような効
果が得られる範囲において適宜変更することが可能であ
る。
【0030】次いで、得られた米飯の米粒の表面に、水
をスプレーなどで均一に付着させ、前記したと同様にし
て、約20分程度、室温に放置し、付着した水を米粒の
表面付近に所定量滲み込ませた後、米飯を−40℃エア
ーなどで−20℃付近まで急速冷凍して冷凍米飯製品を
製造するが、当該水をスプレーなどで均一に付着させる
処理は、好適には、第1の発明と同様に、米飯100g
に対して約10〜20gの水をスプレーすることにより
実施される。また、使用する水の温度についても、第1
の発明と同様のことがいえる。このように、本発明にお
いては、米飯100gに対して約10g以上という高ス
プレー量で水をスプレーして冷凍米飯を製造する方法が
好適なものとして採用される。
【0031】このようにして製造される冷凍米飯は、通
常の白米を炊飯したものに限らず、米を主原料として、
適宜の具材、調味料、油などを添加し、調理してなる五
目ご飯、ピラフ、ドライカレー、あるいはこれらを適宜
の形態に二次加工してなる成形米飯製品など、適宜の米
飯製品を対象とするものである。そして、このような米
飯製品を調理もしくは成形する方法は、通常行われてい
る適宜の方法を使用することが可能であり、特に制限さ
れるものではない。更に、得られた冷凍米飯の解凍調理
は、電子レンジを利用し、常法により解凍調理して米飯
全体が喫食できる温度になるまで加熱調理することによ
って好適に実施される。
【0032】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明するが、本発明は、当該実施例のみに限定されるもの
ではない。 実施例1 炊飯方法 米500gを水洗いし、全部で1100gになるように
加水して、炊飯器(National SR−H10)
で常法により炊飯した。炊飯後の米飯は少しシンが残る
状態であった。 蒸煮 得られた炊飯米について、常法により返しを行った後、
100gを取り出し、トレー状の金属ネットに約1cm
の厚さの平らな層になるように充填し、蒸気温度100
℃、蒸気圧力2.0kg/cm2 で1分間蒸煮し、米粒
の含有水分を均一化した。
【0033】冷凍米飯の製造 次いで、米飯の品温が50〜60℃になったときに、5
0〜60℃の水15gをノズル(タイプSS−0.4)
を使用して、米粒表面に万遍なくスプレーし、水を米粒
の表面に均一に付着させた。そのまま、室温で20分間
放置した後、米飯を−40℃のエアー(冷媒風量4m/
時)により−20℃まで急速冷凍した。
【0034】解凍調理 得られた冷凍米飯をラップで覆い、電子レンジ(出力5
00W)により2分間加熱解凍調理して、米飯を得た。 官能試験 当該加熱解凍調理を施した後、ラップを取外し、室温に
3分間放置した米飯製品について、米粒組織の状態、性
状、食感及び風味について常法により官能試験を行っ
た。当該官能試験の結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】表2の結果から明らかなように、本発明に
より得られた冷凍米飯製品は、電子レンジで解凍するこ
とにより、常法で炊きあげた直後のような食感を有す
る、すなわち、米飯表面の組織の状態は、組織が崩れて
いず、しっかりと張りがある状態のものであり、米粒同
士の結着性の低い状態の米飯となる優れた冷凍米飯製品
であることが確認された。
【0037】実施例2 炊飯方法 米500gを水洗いし、全部で1025gになるように
加水して、炊飯器(National SR−H10)
で常法により炊飯した。 保温 炊飯が終了した後、中釜を蓋をしたまま取り出し、蒸し
器に移替えて、更に引き続き、温度が100℃になるよ
うにして30分間保温し、米粒の含有水分を均一化する
と同時に匂い成分を生成増加させた。
【0038】得られた米飯について、常法により返しを
行った後、100gを取り出しトレー状の金属ネットに
平らになるように充填した。 冷凍米飯の製造 次いで、品温が50〜60℃になったときに、50〜6
0℃の水20gをノズル(タイプSS−0.4)を使用
して、米粒表面に万遍なくスプレーし、米粒の表面に水
を均一に付着させた。そのまま、室温20分間放置した
後、米飯を−40℃のエアー(冷媒風量4m/時)によ
り−20℃まで急速冷凍した。
【0039】解凍調理 得られた冷凍米飯をラップで覆い、電子レンジ(出力5
00W)により2分間加熱解凍調理して、米飯を得た。 官能試験 当該加熱解凍調理を施した後、ラップを取外し、室温に
3分間放置した米飯製品について、米粒組織の状態、性
状、食感及び風味について常法により官能試験を行っ
た。当該官能試験の結果を表3に示す。
【0040】
【表3】
【0041】表3の結果から明らかなように、本発明に
より得られた冷凍米飯製品は、電子レンジで解凍するこ
とにより、米飯表面の組織の状態は、組織が崩れてい
ず、しっかりと張りがある状態のものであり、米粒同士
の結着性の低い、常法で炊きあげた直後のような食感
で、かつ米飯に特有の匂い、すなわち炊きたての香りを
損失しておらず、高レベルの炊きたての香りを保有して
いる米飯となる優れた冷凍米飯製品であることが確認さ
れた。
【0042】実施例3 炊飯方法 米500gを水洗いし、全部で1100gになるように
加水して、炊飯器(National SR−H10)
で常法により炊飯した。 蒸煮 得られた炊飯米について、米飯返しを行った後、1kg
を取り出して、米飯蒸し用ネットに約10cmの厚さの
層になるようにほぐしながら拡げたものを蒸し器に充填
して、蒸気温度100℃で10分間蒸煮して、米粒の含
有水分を均一化した。
【0043】冷凍米飯の製造 で得られた炊飯米を開口部の内径145mm、深さ3
0mm、容量320ccの丸形の電子レンジ用容器に1
00gずつ充填した。次いで、品温が50〜60℃にな
ったときに、50〜60℃の水15gをノズル(タイプ
SS−0.4)を使用して、米粒表面に万遍なくスプレ
ーた。そのまま、室温で20分間放置した後、米飯を−
40℃のエアー(冷媒風量4m/時)により−20℃ま
で急速冷凍した。 解凍調理 容器入りの冷凍米飯をラップで覆った後、電子レンジ
(出力600W)により3分間加熱調理して、米粒同士
の結着性の低い、炊きあげた直後のような食感の容器入
り米飯製品を得た。
【0044】実施例4 炊飯方法 米500gを水洗いし、全部で1025gになるように
加水して、炊飯器(National SR−H10)
で常法により炊飯した。 保温 次いで、中釜を蓋をしたまま取り出して蒸し器に移替
え、引き続き、そのまま、更に温度が100℃になるよ
うにして30分間保温し、米粒の水分を均一化すると同
時に匂い成分を生成増加させた。
【0045】米飯返しを行った後、100gを取り出し
トレー状の金属ネットに平らになるように充填した。 冷凍米飯の製造 次いで、品温が50〜60℃になったときに、20〜3
0℃の水15gをノズル(タイプSS−0.4)を使用
して、米粒表面に万遍なくスプレーた。そのまま、室温
で20分間放置した後、米飯を−40℃のエアー(冷媒
風量4m/時)により−20℃まで急速冷凍した。 解凍調理 実施例3と同様に電子レンジ(出力600W)により解
凍調理を行い、炊きあげた直後のような食感で、かつ炊
飯米に特有の匂い、すなわち炊きたての香りを損失して
いない米飯製品を得た。
【0046】実施例5 炊飯方法 実施例1と同様にして行った。 蒸煮 実施例1と同様にして行った。
【0047】米飯の形成 で得られた炊飯米500gに対して50gの水を噴霧
して、20分程度、室温に放置した後、おかか25gを
添加混合し、1個90gの三角おむすびに成形した。 冷凍米飯の製造 このおむすびを温度−35℃のエアブラストフリーザー
により急速凍結し、−20℃にて冷凍保存した。 解凍調理 冷凍おむすびを1個ずつ皿に盛りラップで覆った後、電
子レンジ(出力500W)により一皿毎に90秒間加熱
調理し、米粒同士の結着性の低い、炊きあげた直後のよ
うな食感の米飯製品を得た。
【0048】実施例6 炊飯方法 精白米1kgに対して調味料を含む水1200g、大豆
油10g、および鶏肉、ごぼう、にんじん、しいたけ、
グリーンピース、油揚げの具材300gを加え常法によ
り炊飯を行った。 蒸煮 実施例3と同様にして行った。
【0049】調理米飯の製造 次いで、具入り炊飯米を縦120mm、横150mm、
深さ25mm、容量400ccの電子レンジ用容器に2
50gずつ充填した。 冷凍米飯の製造 容器に充填した五目ご飯に水を25g噴霧し、室温で2
0分間放置した後、−45℃のエアブラストフリーザー
により急速凍結し、−20℃で保存した。
【0050】解凍調理 容器入り五目ご飯をラップで覆った後、電子レンジ(出
力600W)により一容器毎に3分間加熱調理し、米粒
同士の結着性の低い、しっかりと張りのある、凍結前の
調理直後のような食感の米飯製品を得た。
【0051】実施例7 炊飯方法 精白米1kgに対して水1200g、マーガリン15g
を加え常法により炊飯を行った。 蒸煮 実施例3と同様にして行った。
【0052】冷凍米飯の製造 炊飯米1kgに対して水を150g噴霧し、室温で20
分間放置した後、調味づけを行ったエビ、タマネギ、グ
リーンピース、ニンジン、スイートコーンの具材150
gを加え混合し、エビピラフを得た。このエビピラフを
縦130mm、横165mm、深さ20mm、容量40
0ccの電子レンジ用容器に250g充填し、−35℃
のエアブラストフリーザーにより急速凍結し、−20℃
にて冷凍保存した。 解凍調理 容器入りエビピラフをラップで覆った後、電子レンジ
(出力500W)により3分間加熱調理した。このもの
は、米粒同士の結着性が低く、しっかりと張りのある、
凍結前の調理直後のような食感の米飯製品であった。
【0053】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明の製造方法
により得られる冷凍米飯は、電子レンジで解凍すること
により、常法で炊きあげた直後のような食感を有する、
すなわち、米飯表面組織の状態は、組織が崩れていず、
しっかりと張りがある状態のものであり、米粒同士の結
着性の低い状態の米飯に再現することができる優れた品
質のものである。
【0054】本発明の製造方法により得られる冷凍米飯
は、電子レンジで解凍することにより、常法で炊きあげ
た直後のような食感で、かつ炊飯米特有の匂い、ずなわ
ち炊きたての香りをを損失しておらず、高レベルに炊き
たての香りの保持されている米飯に再現することができ
る高品質のものである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 米に約1.2重量倍の水を加えて炊飯器
    などの常圧釜で常法により炊飯し、得られた米飯を蒸し
    器などで蒸気加熱して、米粒の含有水分を均一化し、次
    いで、米飯の米粒の表面に、水をスプレーなどで均一に
    付着させた後、約20分程度、室温に放置し、次いで、
    必要により適宜の形状に成形した後、米飯を−40℃エ
    アーなどで−20℃付近まで急速冷凍させることを特徴
    とする冷凍米飯の製造方法。
  2. 【請求項2】 蒸し器で常圧下で米飯の品温が約100
    ℃達温後に約30秒〜2分の蒸気加熱をする請求項1記
    載の冷凍米飯の製造方法。
  3. 【請求項3】 米に約1.05重量倍の水を加えて炊飯
    器などの常圧釜で常法により炊飯し、炊飯後、釜の蓋を
    開けずに、そのまま、更に保温して、米粒の含有水分を
    均一化すると同時に匂い成分を生成増加させ、得られた
    米飯の米粒の表面に、水をスプレーなどで均一に付着さ
    せた後、約20分程度、室温に放置し、次いで、必要に
    より適宜の形状に成形した後、米飯を−40℃エアーな
    どで−20℃付近まで急速冷凍させることを特徴とする
    冷凍米飯の製造方法。
  4. 【請求項4】 炊飯後、釜の蓋を開けずに、そのまま、
    更に約100℃で約30分程度保温する請求項3記載の
    冷凍米飯の製造方法。
  5. 【請求項5】 米飯の米粒の表面に、米飯100gに対
    して約10〜20gの水をスプレーなどで均一に付着さ
    せる請求項1又は請求項3記載の冷凍米飯の製造方法。
  6. 【請求項6】 米飯の米粒の表面に付着させる水の温度
    が約50〜70℃である請求項5記載の冷凍米飯の製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014042537A (ja) * 2013-12-13 2014-03-13 Kao Corp 油脂組成物

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