JPH06237659A - 有機化合物に関する改良 - Google Patents

有機化合物に関する改良

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JPH06237659A JP6002470A JP247094A JPH06237659A JP H06237659 A JPH06237659 A JP H06237659A JP 6002470 A JP6002470 A JP 6002470A JP 247094 A JP247094 A JP 247094A JP H06237659 A JPH06237659 A JP H06237659A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 体細胞不定胚分化の改良。 【構成】 実質的に類似した倍数性レベルを有する体細
胞胚およびPEMを含む体細胞胚懸濁培養および前胚形
成塊懸濁培養(PEM)、そこから誘導された植物、およ
び前記体細胞胚を得る方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、組織培養からの総体植
物再生に適する改良された体細胞不定胚分化方法および
さらに具体的には液体培地自体を用いた体細胞不定胚分
化による体細胞胚の改良された獲得方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】体細胞不定胚分化の有効な利用方法の商
業化は、比較的短い時間間隔で高収量の植物を得られる
可能性があるため、例えば器官形成クローニングよりも
望ましく、かつ経済的にも魅力あるものと考えられてい
る。
【0003】ある種の植物細胞は、適当な植物組織培養
培地で培養された場合に、潜在的に総体植物へ分化する
能力を有することが知られている。上記培地は、一般的
には無機塩類、炭素供給源、例えばスクロース、イノシ
トール、チアミンなどを含む。常用される植物組織培養
培地の例は、ムラシゲおよびスクーグ(MS培地)、リン
ズマイアーおよびスクーグの培地、ガンボーグによる
(B5培地)培地である。
【0004】上記植物組織培養培地の組成に修飾を加え
ることにより、使用される特定植物細胞の生長を最適化
することができる。ほぼ全ての植物細胞は、植物ホルモ
ン、例えばオーキシンまたはオーキシン様化合物、例え
ばインドール酢酸、インドール酪酸、ナフタレン酢酸ま
たは2,4−D、および/またはサイトキニン、例えば
ベンジルアデニン、ゼアチン、キネチンなどを必要とす
る。最適な生長を確実にするためには、ビタミン類、例
えばニコチン酸、ピリドキシンまたは他の成分、例えば
ココヤシ果汁、カゼイン加水分解物などを加えることも
有利であり得る。
【0005】過去において、典型的な体細胞胚の形成
は、次に体細胞胚が誘導され得る一次生長相材料とし
て、非常に大きい液胞を有する細胞および非常に小さい
液胞を有するさらに小さい円形細胞の脱分化集塊を含む
カルス材料の使用を必要としてきた。しかしながら、体
細胞不定胚分化における出発材料としての上記材料の使
用は、多くの欠点を有しており、実質的に類似した表現
型を有し、および/または倍数体レベルに関して実質的
に均一である多数の植物を得る場合には有用性が制限さ
れることが判明した。カルスに端を発する植物は、倍数
体レベルに関してソマクローナル変異および/または非
均一性を示す傾向を有する[チャレフ(1983)、「サイ
エンス」(Science)、219:676−682、ラーキン
(1987)、「アイオワ・ステート・ジャーナル・オブ
・リサーチ」(Iowa State Journal of Research)、
61(4):393−434、デ・クラークG−J(199
0)、「アクタ・ボタニカ・ネーランディカ」(Acta Bo
t.Neerl.)、39(2):129−144、カープおよび
ブライト(1985)、「オックスフォード・サーベイズ
・オブ・プラント・モレキュラー・アンド・セル・バイ
オロジー」(Oxford Surveys of Plant Molecular &
Cell Biology)、2:199−234、カスターズ等
(1990)、「アクタ・ボタニカ・ネーランディカ」(Ac
ta Bot.Neerl.)、39(2):153−161(ククミ
ス・サティブス・エル(cucumis sativus L.))、カイズ
リー等(1987)、「プラント・セル・レポーツ」(Plan
t cell Reports)、6:305−308(ピスム・サティ
ブム・エル(pisum sativum L.))、エズラ(1992)、
「プラント・サイエンス」(Plant Science)、85:20
9−213(ククミス・メロ)、およびキビハルジュ等
(1992)、「プラント・セル、ティシュー・アンド・
オーガン・カルチャー」(Plant Cell, Tissue, and
Organ Culture)、28:187−194(シクラメン・
ペルシクム・ミル(Cyclamen persicum Mill))]。
【0006】特許出願の既知実例は、体細胞不定胚分化
においてカルス材料を使用している。その一例、プラン
ト・ジェネティクス・インコーポレイテッドによるWO
90/01058では、カルス材料の使用による体細胞
胚の獲得および広範囲の合成オーキシンの使用効果の研
究が報告されている。カルス材料は、何週間にもわたっ
て固形培地における培養および/または継代培養の適当
な外植体から形成または生育される。次に、体細胞不定
胚分化は、植物ホルモン、例えば2,4−Dまたはその
類縁体を含む培地へカルス組織を移すことにより開始さ
れる。体細胞胚の倍数体レベルまたは得られた植物の倍
数体レベルについては全く述べられていない。体細胞不
定胚分化におけるカルス材料の使用は、ソマクローナル
変異体の獲得が利用可能な遺伝子プールの強化に関して
興味深いものであり得る植物を得るのには有望であり得
るが、単に実質的に全ての同じ表現型を有する営利的な
数の植物の獲得を欲するだけの種子業者または育種家に
とってはあまり有用なものではない。
【0007】にんじんセルラインは、分裂組織細胞から
成るミクロクラスターからクローン化され、それらの胚
形成能について試験されたことが認められている(コウ
トス−テベノット等、「プラント・セル・レポーツ」(Pl
ant Cell Reports)(1990)8:605−608)。
【0008】著者等は、オーキシン2,4−Dを含む植
物組織培養培地において国産にんじん(S1株)の胚軸か
ら得た初回細胞懸濁液を使用し、ろ過により細胞クラス
ターを単離し、2,4−Dを含む植物組織培養培地に細
胞クラスターを再懸濁してクラスター密集度を高め、単
離クラスターからの細胞コロニーを、2,4−Dおよび
1%バクト−寒天を含む固体植物組織培養培地を含むペ
トリ皿に移して細胞コロニー形成を誘導し、それらをナ
ースS1株カルスを囲む2,4−Dおよび1%バクト−
寒天含有第2固形培地中に沈積させ、2,4−D含有植
物組織培養培地中で各細胞コロニーを解離させ、こうし
て得られた培養物を2,4−D含有植物組織培養培地中
で継代する方法について報告している。この方法により
得られたセルラインの後続分析では、40セルラインの
うちの13は胚形成能を示すが、これらのセルラインの
大部分は時間がたつうちにそれらの胚形成能を喪失して
いることが示された。唯一のセルラインが、長期間かな
り一定した胚形成能を有していた。フローサイトメトリ
ー分析によると、このセルラインは倍数体であった。
【0009】
【発明の効果】本発明は、技術的に簡単な懸濁培養中で
体細胞胚が得られる方法を提供する。その方法は、特に
ナースカルスの周囲にセルラインを沈積させる必要はな
い。従って、本発明方法により商業的規模での体細胞胚
の製造が可能となる。本発明による体細胞胚は、実質的
に同じ表現型を有する植物の大量生産に使用され得る。
【0010】現在までのところ、体細胞不定胚分化法
は、植物獲得における潜在的に強力な手段として指摘さ
れているが、カルス材料から出発する体細胞不定胚分化
の利用は実現不可能であるため、この生産技術の有効利
用は妨げられている。
【0011】驚くべきことに、商業的規模での真正体細
胞胚の生産は、固形培地および/またはカルス組織を使
用する必要も無く、液体培養技術そのものの使用を通し
て達成され得ることが見出された。また、液体培地中の
PEMのバイオマス、従ってそこから体細胞胚を大量生
産させる能力を増加させ得ることも見出された。上記液
体培養技術を用いると、カルス培養/カルス継代培養工
程の使用は不必要となり、倍数性レベルに関して均一な
体細胞胚の集団を得る手段が初めて提供される。
【0012】本発明は、ソマクローナル変異体獲得の危
険を実質的に低減化または削除する体細胞不定胚分化を
介して体細胞胚を得る方法を提供する。
【0013】本発明は、中に含まれる体細胞胚の倍数体
レベルが実質的に均一である非ダウクス体細胞胚懸濁培
養物を提供する。
【0014】さらに本発明は、実質的に所望の倍数体レ
ベルを有する体細胞胚懸濁培養物から誘導される実質的
に均一な倍数性を有する植物(例、2倍体植物または4
倍体植物)を提供する。
【0015】本発明は、外植体から大量の真正体細胞胚
が得られるより確実な手段であって、カルス組織の使用
に依存および/または上記手段の必須成分として固形培
地を使用しない手段を提供する。
【0016】これらおよび本発明の他の対象は、以下の
記載および実施例を一読すれば明白である。
【0017】
【発明の構成】本発明は、前胚形成塊(PEM)が生存可
能な体細胞胚を形成させ得る外植体からのPEM形成の
促進方法であって、非カルス植物組織を、有効量のオー
キシンまたはオーキシン混合物を含む液体植物組織培養
培地と接触させて置くことを特徴とする方法を提供す
る。前胚形成塊(PEM)形成の促進とは、PEM形成を
誘導し得、および/またはPEMバイオマスを増加させ
得ることを意味する。
【0018】使用される外植体は、双子葉または単子葉
植物種であり得る。好ましくは、外植体は、双子葉植物
種から誘導される。典型的には、体細胞胚は、前胚形成
塊(PEM)、すなわちカルス材料とは形態的に異なり、
分裂組織クラスターとしても知られている構造から誘導
される。PEMは、誘導される外植体と同じ倍数性レベ
ルまたは複数の倍数性レベルを有する。すなわち、2倍
体および4倍体細胞を含む外植体は、2倍体植物から採
取され、そこから生じる2倍体および4倍体PEMは、
さらに液体培地中で培養する前にふるい分け、細胞選別
などにより分離されるべきであり得る。
【0019】PEMは、実質的に分化した生長中の植物
組織を含み、真正体細胞胚の前駆体としてみなされ得
る。光学顕微鏡(×40〜×100倍率)下では、PEM
は、小さな液胞を含む小さな円形の細胞質に富む細胞の
集塊として現れる。それ自体本発明のPEMは、それら
が誘導される植物の親細胞と遺伝学用語では実質的に同
一のものであるとしてみなされ得、究極的には真正体細
胞胚であって、両極性である、すなわち分裂機能を備え
た根および茎組織から根および茎を発生させる能力を有
するものとして認識可能な胚を発生させ得る。すなわ
ち、生存し得る真正体細胞胚はまた、当業界で常用され
る適当なさらに別の処理に付された場合、遺伝学的に言
えば、それが誘導される外植体始原細胞材料と実質的に
同一である少なくとも1種の苗木を生じ得るものであ
る。
【0020】本発明方法での使用に適した植物組織材料
は、植物器官またはその一部、または他の好適に分化し
た植物組織、例えば原形質体から得られる外植体であ
る。上記組織は、幹、葉、花弁、胚軸部分、成長点、子
房、接合子胚自体、塊茎、維管束、内鞘、別の花糸など
から成る群から選択され得る。別法として、適当な外植
体は、体細胞胚自体であり得る。植物組織は、興味の対
象である任意の植物種から採取され得、単子葉または双
子葉植物から選択される植物組織を含む。興味の対象で
ある植物タイプの選択は、「ハンドブック・フォー・シ
ードリング・エバリュエイション」(Handbook for See
dling Evaluation)、ベケンダムおよびグロブ、IST
A、チューリッヒ、スイス国、1979、28−29頁
に示されており、これを引用して説明の一部とする。好
ましい植物タイプには、シクラメン、ウリ、リコペルシ
コン(Lycopersicon)、好ましくは食卓用または食用リ
コペルシコン、アリウム、ベゴニア、ベータ(Beta)、
サクラソウ、アブラナ、トウガラシ、シコリウム(Cich
orium)、ガーベラ、ホウセンカ、ラクツカ(Lactuca)、
オリザ(Oryza)、ペラルゴニューム、ペチュニア、スミ
レおよびトウモロコシ属から成る群から選ばれるものが
ある。最も好ましいのは、シクラメン、ウリ、ベータ、
例えばベータ・ブルガリス(Beta vulgaris、テンサ
イ)、アブラナ、例えばブラシカ・オレラセア(B.oler
acea)またはブラシカ・ナプス(B.napus)、スミレ、ペ
ラルゴニュームおよびトウガラシから成る群から選ばれ
る植物タイプである。
【0021】本発明方法での使用に適した液体植物組織
培養培地は、胚形成の誘導および/または促進に適した
液体植物組織培養培地であればよい。当業界で常用され
る塩基性培地の例には、ガンボーグのB5培地(B5)、
ムラシゲおよびスクーグ培地(MS)およびその変形があ
る。
【0022】本発明の企図するところでは、PEM形成
を誘導し得る充分な量のオーキシンを、初期誘導相で外
植体または他の適当な出発物質を含む適当な液体培養培
地に加え、そしてその初期誘導相後、PEMの生長およ
び増殖を促進し得るさらに別の適当な液体培養培地を使
用し、その培地では、オーキシン(複数もあり得る)濃度
(複数もあり得る)を適当な間隔で補充する。従って、懸
濁の発生段階がPEMレベルで固定されているという確
証を得るため、例えば当業界で公知の標準HPLC技術
を用い、時間をかけてオーキシン濃度をモニターするの
が有利である。また、オーキシン(複数もあり得る)に伴
い得る有毒な副作用を回避し、さらに生存し得る状態で
PEMを維持するためには、植物組織培養培地にオーキ
シン(複数もあり得る)を加えすぎないことが重要であ
る。
【0023】PEM生長および増殖用の液体植物組織培
養培地は、体細胞不定胚分化の誘導および促進相が行な
われ得るようにオーキシン濃度および/または他の必須
成分が適当な間隔で簡単に補充される初期誘導相植物組
織培養培地であり得る。初期誘導相培地はまた、適当な
間隔で適当なオーキシン濃度を含む新鮮な植物組織培養
培地と交換され得、この場合、液体植物組織培養培地
は、最初に使用された適当ではあるが異なる液体植物組
織培養培地とは同一または異なるものであり得る。すな
わち、使用される現実の植物組織培養培地(複数もあり
得る)のタイプは、それらが液体であり、適当なオーキ
シン濃度の存在下でPEM形成の誘導および/または促
進に使用され得るものであれば、本発明にとって厳密な
ものではないことがわかる。
【0024】また、必要なオーキシン濃度は、植物の種
類によって異なり、植物の変種ごとに変化し得ることは
容易に理解され得る。所定の変種に関して最適な結果を
与えるオーキシンのタイプおよび濃度は、標準試験によ
り決定され得る。植物変種によっては、オーキシンの混
合物を使用するのが有利であり得る。本発明方法での使
用に適したオーキシンおよびオーキシン様化合物の例に
は、インドール酢酸、インドール酪酸、ナフタレン酢酸
およびそれらの混合物がある。オーキシンレベルは、P
EMの生長および形成を促進する濃度に維持される。
【0025】オーキシン濃度は、PEM数または興味の
対象であるバイオマスおよび植物の種類によって、好ま
しくは約0.1mg/l〜約30mg/lの濃度で維持され
る。オーキシンの適当な混合物は、NAAおよび2,4
−Dを適当な濃度で含み得る。ナフタレン酢酸(NAA)
の有効なオーキシン濃度は、興味の対象である植物の種
類によって、一般には約0−20mg/lの範囲であり、
2,4−Dの場合は約0.1mg/lないし約10mg/l以下
の範囲である。例えば、シクラメンPEMは、NAAの
存在を必要とはしないが、初期濃度約5−10mg/lの
2,4−Dの存在を必要とする。リコペルシコンPEM
は、初期濃度20mg/lのNAAおよび初期濃度1mg/l
の2,4−Dを必要とすることが見出された。
【0026】使用される植物変種および植物組織培養培
地によっては、非植物毒性量のサイトキニンをオーキシ
ン含有培地に加えることによりオーキシン取り込みを容
易にすることが有利であり得る。
【0027】本発明はまた、懸濁培養中実質的に同じ倍
数性レベルを有する体細胞胚を得る方法であって、 i)前胚形成塊(PEM)形成の誘導を促進するのに充分な
有効量のオーキシンまたはオーキシン混合物を含む液体
植物組織培養培地と接触させた状態で外植体を培養し、 ii)適当なオーキシン含有液体植物組織培養培地と接触
させた状態でi)で得られたPEMの数を増加させ、 iii)ii)で得られたPEMを集め、それらを実質的オー
キシン不含有液体培地と接触させた状態に置き、そして iv)iii)で生成されたPEMから誘導去れた胚を集める
ことを含む方法を提供する。
【0028】この方法の段階i)およびii)については上
記で検討されている。それらは例えば下記の要領で行な
われ得る。
【0029】外植体を、興味の対象である種類によって
約0.1mg/l〜約30mg/lの濃度でオーキシンまたは
オーキシン混合物を含み、PEM形成の誘導に有効であ
る適当な液体培地、例えばB5培地またはMS培地中に
置く。外植体を、週単位で時間測定された期間(この期
間中にPEMが現れる)、約0.01グラム(生重量)/l
〜約100グラム(生重量)/l(培養物)、好ましくは約
1.0グラム(生重量)/l〜約10グラム(生重量)/lの
適当な密度で培養する。この期間は、興味の対象である
植物の種類によって、約2週間〜約14週間またはそれ
以上、典型的には約4週間〜約8週間の範囲であり得
る。典型的には、得られたPEMを、例えば培地希釈ま
たは培地取り替えにより初期外植体培養から分離し、そ
して同じまたは類似した新鮮な液体培地でさらに培養す
る。
【0030】得られたPEMは、PEM形成誘導に要求
される条件と同一または類似した環境条件下で直ちに生
長または増殖相に入り得る。PEM数の増加またはPE
Mバイオマスがモニターされ、増大するのが見られるこ
とから、便宜上、この相をここでは増殖相と称す。
【0031】PEM形成の誘導が観察された後、顕著な
PEMの発達を伴うこと無く、オーキシン濃度がPEM
の生長および増殖を促進するのに充分なレベルで維持さ
れるように液体植物組織培養培地をモニターする。オー
キシンレベルが適当な時間間隔でPEM増殖を促進する
のに充分なレベルで制御されるように、増殖相は、選り
抜きの液体植物組織培養培地の標準希釈物中での継代培
養を必要とし得る。別法として、PEMを、初期外植体
培養から分離し、オーキシン含有植物組織培養培地中に
置き、流加培養または連続培養システムを用いることに
より、単に所望のPEMバイオマスとなるまで増殖させ
得る。典型的には、この方法は、オーキシン濃度を一定
期間約0.1mg/lのレベルより上に維持することを必要
とする。増殖相に関する期間は、真正体細胞胚への変換
にいかに多くのPEMが要求されるかによって年単位で
測定され得るが、通常、増殖相は、月または週単位で測
定され、要求されるPEMバイオマスの量によって例え
ば約2〜約30週である。増殖相において1回、PEM
は実質的オーキシン不含有植物組織培養培地中に置き換
えられる時点で集められ得、次いでそれらは続けて真正
体細胞胚へ生長し得る。これは、本明細書記載のふるい
分け、すなわち好適なサイズのふるい(例、150μm孔
サイズのふるい)を通過し得るが、より小さいサイズの
ふるい(例、100μm孔サイズのふるい)では保持され
るあるサイズのPEMフラクションの選択を含み得る。
【0032】PEM形成および増殖は、液体植物組織培
養培地に適当な炭素エネルギー供給源、好都合には可溶
性炭水化物、例えばスクロース、グルコースまたはラフ
ィノースを補充することにより有利に影響される。典型
的な炭水化物濃度は、植物組織培養培地に対し15g/l
〜90g/l、好ましくは20g/l〜60g/lの範囲に含
まれる。
【0033】増殖相は、フラスコまたはバイオリアクタ
ー中で遂行され得る。バイオリアクターは、2次細胞代
謝物製造を目的とする細胞懸濁液の培養に関する業界で
は公知であるが、PEM培養を目的とするバイオリアク
ターの使用についてはこれまでのところ報告されていな
い。我々は、バイオリアクターが、比較的短い時間間隔
で非常に大量のPEMを製造するのに有用であり得るこ
とを見出した。
【0034】便宜上、PEM懸濁培養からパックした細
胞容量を、適当なバイオリアクター中、興味の対象であ
るPEMの種類によって、充分量の適当な炭素エネルギ
ー供給源、例えばスクロース、グルコースおよびラフィ
ノースを、約15g/lないし90g/lまたはそれ以上、
好ましくは約20g/l〜約60g/lの濃度で含む適当な
培地に接種する。プレイルおよびベック[(1991)「ア
クタ・ホルティクルツラエ」(Acta Horticulturae)2
89、「プラント・テクノロジー」(Plant Technolog
y):179−192]は、バイブロミキサーの使用による
バイオリアクター中での体細胞不定胚分化について記載
しているが、その試験では、PEMが体細胞胚へ生長す
る前にPEM形成および増殖が行なわれることは示唆さ
れていない。PEM懸濁培養物においてバイオリアクタ
ー中でバイブロミキサーを使用すると、PEMの寿命が
時間をかけて顕著に増加し、PEMバイオマスの増大が
助長され、PEMバイオマス喪失が低減化され、PEM
の凝集が阻止されることが見出された。穿孔した混合プ
レートまたは撹はんディスクを備えたバイブロミキサー
(各々アプリコンBV(オランダ国)およびチェマップ・
アクチエンゲゼルシャフト(スイス国)から入手可能)を
バイオリアクターの固定面に設置し、実質的にその固定
面で振動させると、PEM懸濁培養物はPEMバイオマ
スを著しく喪失することなく混合または撹はんされる。
【0035】好ましくは、バイブロミキサーを実質的に
垂直面で振動させる。本発明方法で使用されるバイブロ
ミキサーの一般的稼動振動数は50Hzである。振幅
は、好都合には±6mmまたはそれ未満の程度である。一
旦、所望の数の体細胞胚を生じ得るPEMバイオマスが
得られると、PEMを実質的オーキシン不含有液体植物
組織培養培地と接触した状態に置くことができ、そこで
それらは体細胞胚に生長し得る。
【0036】有利にはPEM懸濁液を曝気する。これは
自体公知の方法で遂行され得る。バイブロミキサーを使
用する場合、空気は、例えば多孔分散装置を用いてバイ
ブロミキサーリアクター中へ散布され得る。
【0037】上記および実施例から、様々なパラメータ
ー、例えばオーキシンのタイプおよび濃度、サイトキニ
ンの存在、エネルギー(炭水化物)供給源、撹はんまたは
振動数、酸素供給、光の強度および波長に関する最適条
件は、使用される植物材料によって異なることになる。
上記の最適条件は、標準試験(実施例で説明されている)
を用いて決定され得る。本発明による体細胞胚獲得方法
の後続段階iii)およびiv)は、下記の要領で実施され得
る。
【0038】PEMから体細胞胚への発達の促進は、オ
ーキシン不含有植物組織培養培地中にPEMを置くこと
により達成され得る。生存し得るPEMは、体細胞胚に
発達し得る。オーキシン不含有培地に移す前に、PEM
を有利には例えばナイロンメッシュを通してふるいにか
け、最も効果的に所望の体細胞胚を発生するPEMサイ
ズフラクションを選択する。生存不可能なPEMの含有
率が高すぎると、体細胞胚の形成は阻止される。一般
に、少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、さ
らに好ましくは少なくとも15%の率で生存可能なPE
Mを含むPEMを使用するのが望ましい。最適サイズフ
ラクションは、標準スクリーニング試験により決定され
得る。
【0039】選ばれたサイズのPEMは、例えばふるい
または当業界における他のサイズ選別手段により回収さ
れ得る。熟練者であれば、所望の大きさをしたPEM
(特に高含有率の生存可能なPEMを有するPEMフラ
クション)のサイズは、本明細書で詳述されている通り
種類によって異なることはわかるはずである。
【0040】PEMのふるい分けられたフラクション
は、所定サイズ範囲内のPEMを得るためPEMをろ過
手段、例えば既知孔サイズのネットメッシュ、例えばナ
イロンメッシュに通すことにより得られるものである。
PEMは、植物の種類によっては直径約1mm以下のサイ
ズを有し得るが、PEMの集合体は直径5mm以下であり
得る。一般的に述べると、個々のPEMの望ましいサイ
ズはμmで記される程度である。PEMのサイズは、そ
こから誘導される単一体細胞胚の獲得にとって重要なも
のではないことが見出された。好ましくは、集められた
PEMフラクションは、その中の各PEMが適当な条件
下で1個の体細胞胚を生じ得るものである。当然、特定
の生存可能なふるい分けられたPEMフラクションのサ
イズは、植物の種類によって変化する。例えば、キュウ
リにとって最も有用なPEMフラクションは、PEMの
サイズが約100μm−約150μmの範囲のものであ
る。シクラメンの場合のPEMフラクションは、約15
0μm−約300μmである。より好ましくは、PEMフ
ラクションは、各PEMが少なくとも1個の体細胞胚、
好ましくは単一体細胞胚を生じ得るものである。
【0041】実質的オーキシン不含有液体植物組織培養
培地は、PEMを体細胞胚に発達させ得るものである。
すなわち、実質的オーキシン不含有液体植物組織培養培
地は、残留レベルのオーキシンは存在し得るが、オーキ
シンレベルが存在したとしても、PEMから体細胞胚へ
の発達を実質的に妨害することの無いオーキシン枯渇植
物組織培養培地であり得るか、またはそれはオーキシン
不含有植物組織培養培地であり得ると予測される。当
然、熟練者であれば、実質的オーキシン不含有植物組織
培養培地が、いかに多くの体細胞胚が所望されるかによ
って、フラスコまたは適当なバイオリアクター、例えば
バイブロミキサーを取り付けたものの中に置かれ得るこ
とは認識できるはずである。次いで、得られた体細胞胚
は、当業界で公知の方法を用いて植物に変換され得る。
すなわち、PEMバイオマスをモニターすることによ
り、大量の体細胞胚を商業的規模で得ることが可能とな
る。
【0042】オーキシン不含有培地は、好都合には15
g/l〜90g/l、好ましくは20g/l〜60g/lの濃度
で可溶性炭水化物エネルギー供給源を含む。適当な炭水
化物エネルギー供給源には、スクロース、グルコースお
よびラフィノースがある。
【0043】商業的規模の体細胞胚数は、顧客の必要条
件によって数百(例、500)〜数百万(例、30000
00)またはそれ以上の数値の範囲内で変動し得る。例
えば、必要条件が約200000植物に対するものであ
る場合、PEMバイオマスが実質的に約200000体
細胞胚を生じ得る状態に到達するまでPEM増殖は続行
される。次に、前述のPEMをオーキシン不含有液体植
物組織培養培地と接触した状態に置くと、そこでそれら
は体細胞胚に発達することができる。
【0044】一旦真正体細胞胚が実質的オーキシン不含
有植物組織培養培地中で発達すると、それらは、当業界
で常用されている技術を用いてオーキシン不含有植物組
織培養培地から分離され、植物に変換され得る。
【0045】体細胞胚は、好都合には商業的使用前に生
存不可能なPEMから分離される。これは、自体公知の
方法で行なわれ得る。生存不可能なPEMは、一般に体
細胞胚よりも小さい。体細胞胚は、例えば手動的、ふる
い分けまたは細胞選別により単離され得る。
【0046】本発明のさらに別の態様では、実質的に全
て同じ倍数性レベルを有する体細胞胚を含む体細胞胚の
バッチが提供される。体細胞胚のバッチは、商業的要件
によって数百ないし数万またはそれ以上を含み得る。好
ましくは、体細胞胚のバッチは、実質的に2倍体の体細
胞胚または実質的に4倍体の体細胞胚を含む。体細胞胚
のバッチは、単に液体培地が排出された体細胞胚の懸濁
液であり得、体細胞胚は適当な容器に入れられる。容器
の周囲環境は、高い相対湿度、例えば100%を有し
得、0℃より高く、約15℃以下の適当な冷温で維持さ
れ得る。この方法で貯蔵された体細胞胚は、約4日間以
下の間維持され得る。別法として、体細胞胚は、デシケ
ーター(乾燥)処理、冷凍、ペレット化、ゲル封入などに
付され得る。
【0047】本発明は、実質的に全て同じ倍数性レベル
を有する体細胞胚を含む、ダウクスとは異なるさらに別
の体細胞胚懸濁培養物を提供する。好ましい体細胞胚は
2倍体または4倍体である。体細胞胚は、双子葉または
単子葉植物外植体から誘導される。以下、実施例により
本発明の説明を行う。当然、実施例はいかなる意味でも
本発明の範囲を制限するものとして見なされるべきでは
ないものとする。
【0048】
【実施例】
実施例1 胚形成シクラメン細胞培養の開始およびそこからの体細
胞胚。 シクラメン変種「コンチェルト・スカーレット」(スルイ
スおよびグルート)の種子を、70%エタノール(2分
間)および次亜塩素酸ナトリウムの1.5%溶液(45分
間)により表面殺菌し、次いで滅菌水で充分に洗浄(3
回)する。23℃で2−4週間湿った紙の上で種子を発
芽させ、発芽した塊茎を外植体として使用する。3つの
塊茎を、23℃で暗所中、100rpmの回転震とう器(G
10ジャイロロータリーシェーカー、ニューブルンスウ
ィック・サイエンティフィック、エディソン、ニュージ
ャージー、アメリカ合衆国)において20g/lのスクロ
ース、10mg/lの2,4−D、100mg/lのミオイノ
シトール、1.0mg/lのニコチン酸、1.0mg/lのピリ
ドキシンHCl、10mg/lのチアミンHClを補った塩
基性B5培地(デュチェファ・ビオヘミーBVから入手
可能、ハールレム、オランダ国)10ml中で培養する。
7日後、培地を新鮮な培地と交換する。さらに7日後、
培養物を新鮮な培地により20ml容量に希釈(5倍)す
る。さらに7日後、希釈培養物からの塊茎外植体の維管
束および内鞘を含む中心髄を、塊茎外植体から分離し、
20g/lのスクロース、100mg/lのミオイノシトー
ル、1.0mg/lのニコチン酸、1.0mg/lピリドキシン
HCl、10mg/lのチアミンHCl、5mg/lの2,4−
Dおよび1mg/lのキネチンを補った塩基性B5培地2
5ml中で塊茎の残りとは別に継代培養する。継代培養物
を4週間毎週2倍に希釈する。前胚形成塊は約4週目に
現れる。上記要領で2週間さらに継代培養することによ
り、PEMを増殖させる。20g/lのスクロース、10
0mg/lのミオイノシトール、1.0mg/lのニコチン
酸、1.0mg/lのピリドキシンHCl、10mg/lのチア
ミンHClを補ったオーキシンおよびサイトキニン不含
有B5培地でさらに培養することにより、PEMは生存
可能な真正体細胞胚に発達し得る。
【0049】実施例2 胚形成性シクラメン細胞懸濁培養の開始およびそこから
の体細胞胚。 シクラメン種子(品種コンチェルト・シャルラーケン・
オテロ、ツァーデュニーBVから入手)を、70%エタ
ノール(2分間)および1%次亜塩素酸ナトリウム(45
分間)で表面殺菌し、滅菌水で充分に洗浄(3回)する。
種子を23℃で暗所中、2〜5週間湿った紙の上で発芽
させる。発芽した塊茎を外植体として使用し、2〜8片
に切断する。デ・ラート等(1987)「プラント・ブリ
ーディング」(Plant Breeding)99:303−307の
指示に従い、外植体の倍数性レベルを測定すると、2倍
体であることが見出された。
【0050】3つの塊茎からの外植体を、暗所中23℃
の温度で回転震とう器(100rpm)中、20g/lのスク
ロース、5mg/lの2,4−ジクロロフェノキシ酢酸およ
び1mg/lのキネチンを補った塩基性B5培地(デュチェ
ファ・ビオヘミーBV、ハールレム、オランダ国)10m
l中で培養する。全フラスコをアルミニウムホイルで被
覆する。1週間後、250mlフラスコ中、20g/lのス
クロース、5mg/lの2,4−D、100mg/lのミオイ
ノシトール、1.0mg/lのニコチン酸、1.0mg/lのピ
リドキシンHCl、10mg/lのチアミンHClおよび1m
g/lのキネチンを補った塩基性B5培地で培養物を50
ml容量に5倍希釈する。さらに2週間後、培養物が含む
PEMを、広いノズルを有するピペットで培養物の残り
から分離し、別々に培養する。PEMは、本質的に小さ
な円形の原形質細胞により構成される細胞クランプとし
て視覚的に同定される。この段階で、PEMは、細胞の
単一クランプまたは互いに付着した細胞の若干のクラン
プとして同定される。広いノズルを有するピペットを用
いて250mlフラスコ中、20g/lのスクロース、5mg
/lの2,4−D、100mg/lのミオイノシトール、1.
0mg/lのニコチン酸、1.0mg/lのピリドキシンHC
l、10mg/lのチアミンHClおよび1mg/lのキネチン
を補って最終容量50mlにした塩基性B5培地にパック
した細胞1mlを接種することにより、培養物を2週間ご
とに継代培養する。2分間700×gで培養物からの試
料を遠心分離にかけることより、パックした細胞容量
(PCV)、すなわちPCV(開始)およびPCV(最終)に
関する遠心分離後の全細胞量を測定する。シュレーゲル
(1981)、「アルゲメイン・ミクロビオロジー」(Allg
emeine Microbiologie)、ティーメ、ステュットガル
ト、190頁の公式を用いてPCV(開始)およびPCV
(最終)の測定値から算出したところによると、胚形成性
セルラインは、一般に約4〜6日の倍加時間で生長す
る。この方法で得られた胚形成性セルラインを少なくと
も45週間維持すると、遺伝学的に安定している、すな
わち倍数性レベルは2倍体、最初の外植体の場合と同じ
である。
【0051】PEM培養物を、各々250μmおよび1
00μmの孔サイズを有するナイロンメッシュに通して
ふるい分けることにより、PEMを選択する。継代培養
の8日後、PEM/mlの最高数に到達する。このフラク
ションからは、最適な胚の発達が誘導され、PEM培養
の1PCV当たりの胚の最高数が達成される。ふるい分
けされたPEMの数は、一般に1000〜5000PE
M/ml PCVの範囲である。
【0052】ふるい分け後、PEMを洗浄し、生長培
地、すなわちスクロースまたはグルコースを補って17
4ミリモルの濃度にしたMSまたはB5培地に接種す
る。25〜50PEM/mlを、アルミニウムホイルおよ
びネスコフィルム(バンドー・ケミカル・インダストリ
ー社、日本)で密閉したフラスコ中で培養する。3〜4
週間後、接合子胚に似た魚雷型胚が形成される。この方
法を用いると、250000の胚が形成される。胚培養
の無作為標本に対してデ・ラート(前出)により報告され
たフローサイトメトリー分析技術を用いると、500体
細胞胚のDNA含有率が評価される。胚は全て、2倍体
であることが見出された。
【0053】シクラメン胚の変換(すなわち発芽)は、塊
茎形成、次いで不定根の形成を含み、液体培地、すなわ
ち各々約116ミリモルまたは58ミリモルのグルコー
スまたはスクロース含有率を有するMSまたはB5培地
で胚を培養することにより誘導される。塊茎形成は、塊
茎または塊茎様構造の胚軸からの生長として定義され
る。さらに初葉を形成する子葉の生長は、液体培地また
は固体培地、例えばパーライト、滅菌土壌などで行なわ
れ得る。
【0054】無菌条件下(炭素供給源の存在下)または非
滅菌条件(炭素供給源を全く加えず)下、変換胚をパーラ
イトまたは鉢植え用土に直接播種すると、18°〜20
℃で暗所中2〜4週間後に子葉形成が示される。約90
%という高い相対湿度を使用する。90%を越える胚
が、無菌条件下で子葉段階に変換する。一旦子葉が現れ
ると、生じた苗木を明所に置き、温室へ移す前に寒気に
さらして強くする。
【0055】実施例3 胚形成性トマト細胞培養の開始 トマト変種「マンハッタン」(スルイスおよびグルート)の
種子を、70%エタノール(2分間)および15分間次亜
塩素酸ナトリウムの1.5%溶液で表面滅菌し、次いで
滅菌水により充分に洗浄(3回)する。23℃の温度で3
日間にわたり、種子を湿った紙の上で発芽させる。完全
な実生を集め、各実生を4片に切断し、次いでそれらを
外植体として使用する。10実生をこの方法で切断し、
循環可能な16時間明所期間および8時間暗所期間で、
23℃で100rpmの回転震とう器において20g/lの
スクロース、20mg/lのNAA、1mg/lの2,4−
D、1mg/lのキネチン、100mg/lのミオイノシトー
ル、1mg/lのニコチン酸、1mg/lのピリドキシンHC
lおよび10mg/lのチアミンHClを補った液体塩基性
B5培地(デュチェファ・ビオヘミーBVから入手可
能、ハールレム、オランダ国)15ml中でインキュベー
ションする。当業界で公知のHPLC技術を用いて、培
養培地をオーキシン濃度についてモニターする。一旦オ
ーキシン濃度が0.1mg/lより下に下がると、約7日間
後、20g/lのスクロース、20mg/lのNAA、1mg
/lの2,4−D、1mg/lのキネチン、100mg/lのミ
オイノシトール、1mg/lのニコチン酸、1mg/lのピリ
ドキシンHClおよび10mg/lのチアミンHClを補っ
た新鮮な塩基性B5培地(デュチェファ・ビオヘミーB
Vから入手可能、ハールレム、オランダ国)15mlを加
えて、30mlの培養物の容量にする。外植体および細胞
を15分間静置し、使用済み培地15mlを除き、新鮮な
培地15mlを補充して培養物を清新することにより、こ
の培養物を4−7日ごとに継代培養する。外植体の初回
培養後、約4−7週間後に、前胚形成塊(PEM)が観察
される。上記要領で2週間さらに継代培養することによ
り、PEMを増殖させる。NAA、2,4−Dおよびキ
ネチンを除いて上記と同様に補ったオーキシン不含有塩
基性B5培地においてPEMをさらに継代培養すると、
真正体細胞胚が観察される。
【0056】実施例4 胚形成性トマト細胞培養の開始。 トマト変種「マジョルカ」(スルイスおよびグルート)の種
子を、70%エタノール(2分間)および15分間次亜塩
素酸ナトリウムの1.5%溶液で表面滅菌し、次いで滅
菌水により充分に洗浄(3回)する。暗所中23℃の温度
で7日間種子を湿った紙の上で発芽させる。子葉を集
め、断片に切断し、外植体として使用する。3実生の6
子葉をこの方法で切断し、暗所中23℃で100rpmの
回転震とう器において4mg/lの2,4−Dおよび0.5m
g/lのキネチンを補った液体培地A(表1参照)15ml中
でインキュベーションする。14日後、上記ホルモンを
含む新鮮な培地A(表1参照)35mlを加える。上記ホル
モンを補った新鮮な培地A(表1参照)中で2倍希釈する
ことにより、培養物を14日ごとに継代培養する。外植
体の初回培養の約4週間後、PEMが観察される。上記
要領でさらに継代培養することにより、PEMを増殖さ
せる。
【0057】
【表1】 培地Aの組成 大量成分(g/l): NH4NO3…1.20、 (NH4)2SO4…0.66、 KH2PO4…0.55、 KNO3…1.01、 MgCl2・6H2O…0.30、 CaCl2…0.22、 くえん酸…0.5、 スクロース…20。 大量成分 2ml貯蔵溶液/l ビタミン類 ガンボーグB5(1mg/l) 1ml貯蔵溶液
/l KOH(1モル)を用いてpHを5.8に調節。 少量成分(貯蔵溶液)(g/l): FeSO4・7H2O…6.9、 CuSO4・5H2O…0.65、 CoCl2・6H2O…0.12、 MnCl2・4H2O…2.97、 NaMoO4・2H2O…0.24、 KI…0.041、 HBO3…1.5、 ZnSO4・7H2O…4.3、 NiSO4・6H2O…0.39、 くえん酸…2、 pH=2.3 g24 ビタミン類ガンボーグB5(デュチェファ)、 ミオイノシトール100g/l ニコチン酸1g/l チアミン−HCl1g/l を補った貯蔵溶液
【0058】実施例5 胚形成性キュウリ細胞懸濁培養の開始およびそこからの
体細胞胚。 キュウリ変種「パンドレックス」(スルイスおよびグルー
ト)の種子を、70%エタノール(2分間)および次亜塩
素酸ナトリウムの1.5%溶液(45分間)で表面滅菌
し、次いで滅菌水により充分に洗浄(3回)する。キュウ
リ種子を23℃で2日間湿った紙の上で発芽させる。種
子から発芽した幼根を外植体として使用する。15の幼
根を、23℃の温度で暗所中100rpmの回転震とう器
において20g/lのスクロース、2mg/lの2,4−Dお
よび1mg/lのキネチンを補い、ビタミンを加えた塩基
性液体MS培地(デュチェファ・ビオヘミーBVから入
手可能、ハールレム、オランダ国)10ml中で培養す
る。当業界で公知のHPLC技術を用いることにより、
培養培地をオーキシン濃度についてモニターする。オー
キシン濃度が<0.1mg/lに下がった後、約5日後、2
0g/lのスクロース、2mg/lの2,4−Dおよび1mg/
lのキネチンを補った50mlの塩基性液体MS培地+ビ
タミン(デュチェファ・ビオヘミーBVから入手可能、
ハールレム、オランダ国)で培養物を5倍に希釈する。
20g/lのスクロース、2mg/lの2,4−Dおよび1mg
/lのキネチンを補った塩基性液体MS培地+ビタミン
(デュチェファ・ビオヘミーBVから入手可能、ハール
レム、オランダ国)で培養物を2倍希釈することによ
り、培養物を2週間ごとに継代培養する。8週間後、前
胚形成塊が現れる。
【0059】次いで、2週間ごとに50mlでパックした
細胞容量0.4mlを、10mg/lの2,4−Dおよび0.5
mg/lのキネチンを補った培地A(表1の)に接種するこ
とにより、PEM培養物をさらに継代培養する。シュレ
ーゲルの公式(前出)を用いて測定したところによると、
キュウリセルラインの倍加時間は約2.7日である。大
きさ100−150μm間のPEMに対して、培養物を
各々孔サイズ150μmおよび100μmのナイロンメッ
シュに通してふるい分けることにより、PEMを選択す
る。100−150μmフラクションからは、PEM培
養物の1PCV当たり最高数の単一体細胞胚が生じる。
このセルラインからのPEMは、2倍体または4倍体で
ある。デ・ラート等の方法(前出)により測定したとこ
ろ、2倍体および4倍体細胞間の比率は、10mg/lの
2,4−Dおよび0.5mg/lのキネチンを補った液体培
地Aでは2年を越す期間一定のままである。PEMは2
倍体および4倍体植物を生じる。2倍体:4倍体の測定
比率は、PEMおよび植物に反映されている。
【0060】20gのスクロースおよび5マイクロモル
のABAを補ったオーキシンおよびサイトキニン不含有
MS培地でPEMを培養することにより、PEMを真正
体細胞胚に生長させる。
【0061】実施例6 胚形成性キュウリセルラインの操作による100%2倍
体または100%4倍体懸濁培養物の獲得。 実施例5の懸濁液は、2倍体および4倍体PEMにより
構成され、同じ倍数性レベルを有する胚の発生をもたら
す。
【0062】直径約2mmの個々のPEMを、実施例5の
方法により開始された13週令細胞懸濁液から選び出
す。デ・ラート等(1987)「プラント・ブリーディン
グ」(Plant Breeding)、99、303−307頁の方
法による倍数性レベルに関する個々のPEMの測定結果
は、PEMが100%2倍体または100%4倍体であ
ることを示している。実施例5に記載されている塩基性
M5液体培地中で15週間にわたって個々のPEMをさ
らに培養すると(すなわち継代培養を2週間ごとに遂
行)、デ・ラート等の方法(前出)を用いて測定したとこ
ろ100%2倍体または100%4倍体細胞から成るセ
ルラインが得られた。2倍体PEMからは、2倍体胚お
よび2倍体植物が生じる。4倍体PEMからは、4倍体
胚および4倍体植物が生じる。
【0063】実施例7 胚形成性キュウリセルラインの操作による100%2倍
体または100%4倍体懸濁培養物の獲得。 キュウリ変種「パンドレックス」(スルイスおよびグルー
ト)の植物を、実施例3の方法を用いて無菌条件下で生
長させる。大きさ約1cmの子房を外植体として使用す
る。デ・ラート等(前出)の方法に従い倍数性レベルを測
定すると、外植体が完全に2倍体であることが示され
た。果実の約半分を約0.5mm厚さの薄片に切り刻み、
23℃の温度で暗所中100rpmの回転震とう器におい
て、20g/lのスクロース、2mg/lの2,4−Dおよび
1mg/lのキネチンを補った10mlの塩基性液体MS培
地+ビタミン(デュチェファ・ビオヘミーBVから入手
可能、ハールレム、オランダ国)中で培養する。当業界
で公知のHPLC技術を用いることにより、培養培地を
オーキシン濃度についてモニターする。オーキシン濃度
が<0.1mg/lに下がった後、約5日後、20g/lのス
クロース、2mg/lの2,4−Dおよび1mg/lのキネチ
ンを補った50mlの塩基性液体MS培地+ビタミン(デ
ュチェファ・ビオヘミーBVから入手可能、ハールレ
ム、オランダ国)で培養物を5倍に希釈する。上記要領
で補ったMS培地で培養物を2倍希釈することにより、
培養物を2週間ごとに継代培養する。
【0064】8週間後、前胚形成塊が出現する。PEM
培養物を、10mg/lの2,4−Dおよび0.5mg/lのキ
ネチンを補った培地A(表1)中で実施例5の記載と同様
に継代培養する。パックした細胞容量0.4mlを、10m
g/lの2,4−Dおよび0.5mg/lのキネチンを補った
培地A50mlに接種する。シュレーゲルの公式(前出)を
用いて測定したところによると、キュウリセルラインの
倍加時間は培地A(表1)では約2.7日である。デ・ラ
ート等(前出)の方法に従いPEM懸濁液の倍数性レベル
を測定すると、2倍体であることが見出された。大きさ
100−150μm間のPEMに対して培養物をナイロ
ンメッシュに通してふるい分けることにより、PEMを
選択する。20g/lのスクロースを補ったオーキシンお
よびサイトキニン不含有MS培地において選択されたP
EMを培養することにより、PEMを真正体細胞胚に生
長させる。この方法を用いると、200000の胚がP
EM培養物から4週間で形成される。デ・ラートの方法
(前出)を用いると、無作為選別された500の体細胞胚
の倍数性レベルは全て、2倍体であることが見出され
た。
【0065】実施例8 倍数性レベルに関して安定したPEM懸濁液の維持。 キュウリPEM懸濁液を、10mg/lの2,4−Dおよび
0.5mg/lのキネチンを補った培地A(表1)において生
長させる。継代培養中、大量成分および少量成分を各継
代培養段階でPEM必要量に対して過剰にしておくこと
により、継代培養期間(すなわち2週間)中、これらの成
分の不足がおこらないようにする。同じ方法でオーキシ
ンレベル(すなわち10mg/lの2,4−D)を維持する。
継代培養開始時にキネチン(すなわち0.5mg/l)を培地
に加え、4日で培地から枯渇させる。当業界で公知の標
準HPLC技術を用い、時間をかけてオーキシン濃度を
モニターすることにより、懸濁液の生長段階がPEMレ
ベルで固定されることを確実にする。胚形成性2倍体P
EM懸濁液を2年以下の間、10mg/lの2,4−Dおよ
び0.5mg/lのキネチンを補った培地A(表1)中で維持
すると、それらは安定した倍数性レベルを示す。胚形成
性4倍体PEM懸濁液を6箇月間維持すると、それらは
安定した倍数性レベルを示す。胚の生長が開始されるま
でこの倍数性レベルを維持する。
【0066】実施例9 テンサイPEM懸濁培養の開始およびそこからの体細胞
胚。 テンサイの種子(ヒレショーグ・アクチーボラゲット、
スエーデン国)を、エタノールの70%溶液(2分間)お
よび次亜塩素酸ナトリウムの1.5%溶液(45分間)に
より表面殺菌し、次いで滅菌水で充分に洗浄(3回)す
る。テンサイ種子を23℃で7〜14日間湿った紙の上
で発芽させる。発芽した種子からの子葉を外植体として
使用する。23℃の温度で暗所中100rpmの回転震と
う器において、10mg/lの2,4−Dおよび0.5mg/l
のキネチンを補った液体培地A(表1)10ml中で6子葉
を培養する。培養物を、1または2週間後10mg/lの
2,4−Dおよび0.5mg/lのキネチンを補った液体培
地A(表1)により50mlに希釈(5倍)する。上記要領で
補った培地A(表1)で培養物を2倍希釈するか、または
培地を上記要領で補った新鮮な培地Aと交換することに
より、培養物を2週間ごとに継代培養する。4〜6週間
後、体細胞胚が外植体組織に出現する。胚を外植体から
採取し、別々に培養する。4週間後、培養された胚はP
EMを形成する。10mg/lの2,4−Dおよび0.5mg
/lのキネチンを補った表1の培地Aを補充することに
より、PEM培養物をさらに継代培養する。
【0067】PEM懸濁液を、まず孔サイズ500μm
のナイロンメッシュ、次いで孔サイズ100μmのナイ
ロンメッシュでふるい分けることにより、PEMを集め
る。PEMフラクション100−500μmからは、一
般に単一体細胞胚が優先的に形成される。PEMは、上
記要領で補ったオーキシンおよびサイトキニン不含有培
地A培地で培養されると、真正体細胞胚に生長する。
【0068】実施例10 胚形成性コショウPEM懸濁培養の開始。 コショウの種子(品種ゲデオン(スルイス・エン・グルー
ト))に、エタノールの70%溶液(2分間)および次亜塩
素酸ナトリウムの1.5%溶液(45分間)により表面殺
菌を施し、次いで滅菌水で充分に洗浄する(3回)。コシ
ョウ種子を23℃で7〜14日間湿った紙の上で発芽さ
せる。発芽した種子からの子葉を外植体として使用す
る。23℃の温度で暗所中100rpmの回転震とう器に
おいて、10mg/lの2,4−Dを補った液体培地A(表
1)10ml中で6子葉を培養する。2週間後、培養物を
50mlに5倍希釈する。上記要領で培養物を2倍希釈す
るか、または培地を10mg/lの2,4−Dを補った新鮮
な培地A(表1)と交換することにより、培養物を2週間
ごとに継代培養する。2〜4週間後、外植体の切断端部
から胚が現れる。胚を外植体から採取し、培養物から除
去し、4mg/lの2,4−Dおよび0.5mg/lのゼアチン
を補った液体培地A(表1)において継代培養する。4週
間後、前胚形成塊が現れる。上記要領でさらに継代培養
することにより、PEMを増大させる。実施例5の記載
に従って懸濁液をふるい分けることにより、PEMを集
める。フラクション100−500μmからは、単一体
細胞胚が優先的に形成される。PEMを、オーキシンお
よびサイトキニン不含有培地A(表1)で培養する。
【0069】実施例11 胚形成性スミレPEM懸濁培養の開始およびそこからの
体細胞胚。 スミレの種子(品種デルタ・バイオレット(スルイス・エ
ン・グルート))に、エタノールの70%溶液(2分間)お
よび次亜塩素酸ナトリウムの1.5%溶液(30分間)に
より表面殺菌を施し、次いで滅菌水で充分に洗浄する
(3回)。スミレ種子を23℃で7〜14日間湿った紙の
上で発芽させる。発芽した種子からの子葉を外植体とし
て使用する。23℃の温度で暗所中100rpmの回転震
とう器において、4mg/lの2,4−Dおよび0.1mg/l
のキネチンを補った液体培地A(表1)10ml中で6子葉
を培養する。2週間後、培養物を、4mg/lの2,4−D
および0.1mg/lのキネチンを補った液体培地A(表1)
により50mlに5倍希釈する。培養物を2倍希釈する
か、または培地を4mg/lの2,4−Dおよび0.1mg/l
のキネチンを補った新鮮な培地A(表1)と交換すること
により、培養物を2週間ごとに継代培養する。8〜10
週間後、前胚形成塊が現れる。上記要領でさらに継代培
養することにより、PEMを増大させる。使用されるナ
イロンメッシュ孔サイズが50μmおよび250μmであ
ること以外は実施例5の記載と同じ要領で懸濁液をふる
い分けることにより、PEMを集める。PEMは、上記
要領で補ったオーキシンおよびサイトキニン不含有培地
A(表1)で培養されると、単一体細胞胚に生長する。
【0070】実施例12 胚形成性ペラルゴニュームPEM懸濁培養の開始。 ペラルゴニュームの種子(品種パルサー・レッド(スルイ
ス・エン・グルート))に、エタノールの70%溶液(2
分間)および次亜塩素酸ナトリウムの1.5%溶液(30
分間)により表面殺菌を施し、次いで滅菌水で充分に洗
浄する(3回)。ペラルゴニューム種子を23℃で7〜1
4日間湿った紙の上で発芽させる。発芽した種子からの
子葉を外植体として使用する。23℃の温度で暗所中1
00rpmの回転震とう器において、4mg/lの2,4−D
および0.1mg/lのキネチンを補った液体培地A(表1)
10ml中で6子葉を培養する。1週間後、培養物を、4
mg/lの2,4−Dおよび0.1mg/lのキネチンを補った
液体培地A(表1)により50mlに5倍希釈する。4mg/
lの2,4−Dおよび0.1mg/lのキネチンを補った液体
培地A(表1)で培養物を2倍希釈するか、または培地を
上記要領で補った新鮮な培地Aと交換することにより、
培養物を2週間ごとに継代培養する。
【0071】4〜6週間後、前胚形成塊が現れる。上記
要領でさらに継代培養することにより、PEMを増殖さ
せる。使用されるナイロンメッシュ孔サイズが250μ
mおよび50μmであること以外は実施例5の記載と同じ
要領で懸濁液をふるい分けることにより、PEMを集め
る。50−250μmのPEMフラクションからは、単
一体細胞胚が優先的に形成される。PEMは、オーキシ
ンおよびサイトキニン不含有培地A(表1)で培養される
と、単一体細胞胚に生長する。
【0072】実施例13 バイオリアクター中で増殖しているPEMバイオマス。 4×8mlのPCVを、実施例5の記載に従い継代培養さ
れたキュウリPEM懸濁培養から集め、インペラーを備
えた2つの慣用的な2リットルのバイオリアクターおよ
びチェマップ・アクチエンゲゼルシャフトから市販され
ているバイブロミキサーを備えた2つのバイオリアクタ
ーを含む4つのバイオリアクター(アプリコン・デペン
ダブル・インスツルメンツBV)に接種する。これら
は、各々10mg/lの2,4−Dおよび0.5mg/lのキネ
チンを補った培地A(表1)1リットルを含む。空気は、
リアクターチャンバーの下部に向かって設置されたバイ
ブレーターシャフトの端部に位置する15μm多孔分散
装置を介してバイブロミキサーリアクター中へ散布され
る。当業界で公知の標準技術に従うと、一方のバイブロ
ミキサーリアクターにおける溶解酸素濃度は40%およ
び他方における濃度は97%で測定される。垂直に位置
するバイブロミキサーは、50Hzの振動数および±6m
mの最大振幅で稼動される。振動運動は垂直面で行なわ
れ、水平運動は最小に保たれるように、バイブロミキサ
ーを設置する。流体が、基部、次いで上方に向かってリ
アクター容器の周囲から細胞懸濁液を引き寄せる流動ル
ープに向けられるように、撹はんディスクを振動シャフ
トの端部に取り付ける。
【0073】空気は、15μm多孔スパージャーを備え
た分散管を介してバイオリアクター下部の慣用的バイオ
リアクター中へ散布される。溶解酸素濃度は、上記要領
により各々40%および97%の濃度で測定される。イ
ンペラーの撹はん速度を約150rpm±50rpmに維持す
る。
【0074】接種の6日後、倍加時間を測定し、PEM
懸濁液からPEMをふるい分け、PEM/ml PCVを
実施例5の記載に従い測定する。バイブロミキサーを使
用すると、1単位容量当たりより多数のPEMが得られ
る(表2、図1)。
【0075】
【表2】 装置 倍加時間 PEMs/ml PVC (日) インペラー 2.3 200 (40%DO2)(1) インペラー 2.7 620 (97%DO2) バイブロミキサー 2.8 2284 (40%DO2) バイブロミキサー 3.3 3710 (97%DO2) (1)DO2=溶解酸素
【0076】実施例14 バイブロミキサーバイオリアクター中で増殖しているP
CVバイオマス。 2×8mlのPCVを、実施例3の記載に従い継代培養さ
れたキュウリPEM懸濁培養から集め、チェマップ・ア
クチエンゲゼルシャフトから市販されているバイブロミ
キサーを備えた2つの2リットルバイオリアクターを含
む2つのバイブロミキサーバイオリアクター(アプリコ
ン・デペンダブル・インスツルメンツBV)に接種す
る。一方のバイオリアクターは、10mg/lの2,4−D
および0.5mg/lのキネチンを補った培地A(表1)1リ
ットルを含み、他方もスクロース濃度が55g/lである
こと以外は上記と同じ要領で補った培地A1リットルを
含む。空気は、リアクターチャンバー基部付近のバイブ
レーターシャフトの端部に位置する15μm多孔分散装
置を介してバイブロミキサーリアクター中へ散布され
る。溶解酸素濃度は、当業界で公知の標準技術に従い9
7%で測定される。バイブロミキサーは、50Hzの振
動数および±6mmの最大振幅で稼動される。振動運動は
垂直面で行なわれ、左右または水平運動は最小に保たれ
るように、バイブロミキサーを設置する。流体が、基
部、次いで上方に向かってリアクター容器の周囲から細
胞懸濁液を引き寄せる流動ループ中で流れるように、撹
はんディスクを振動シャフトの端部に取り付ける。
【0077】接種の6日後、倍加時間を測定し、PEM
懸濁液からPEMをふるい分け、PEM/ml PCVを
実施例5の記載に従い測定する。結果を下記表3に示
す。
【0078】
【表3】 装置 倍加時間 PEMs/ml PVC (日) バイブロミキサー 3.3 2284 (97%、20g/lスクロース) バイブロミキサー 2.9 6000 (97%、55g/lスクロース)
【0079】実施例15 撹はんバイオリアクター対バイブロミキサーバイオリア
クターからのPEMの生存能力の経時比較。 3×8mlのPCVを、実施例5の記載に従い継代培養さ
れたキュウリPEM懸濁培養から集め、10mg/lの2,
4−Dおよび0.5mg/lのキネチンを補った培地A(表
1)1リットルを含むインペラーを備えた1つの慣用的
な2リットルのバイオリアクターおよびチェマップ・ア
クチエンゲゼルシャフトから市販されているバイブロミ
キサーを備えた2つのバイオリアクターを含む3つのバ
イオリアクター(アプリコン・デペンダブル・インスツ
ルメンツBV)に接種する。一方は上記要領で補った培
地A1リットルを含み、他方もスクロース濃度が55g
/lであること以外は上記と同じ要領で補った培地A1
リットルを含む。
【0080】空気は、リアクターチャンバーの下部に向
かってバイブレーターシャフトの端部に位置する15μ
m多孔分散装置を介してバイブロミキサーリアクター中
へ散布される。当業界で公知の標準技術に従うと、バイ
ブロミキサーリアクターにおける溶解酸素濃度は97%
で測定される。バイブロミキサーは、50Hzの振動数
および±6mmの最大振幅で稼動される。振動運動は垂直
面で行なわれ、水平振動運動は最小に保たれるように、
バイブロミキサーを設置する。流体が、基部、次いで上
方に向かってリアクター容器の周囲から細胞懸濁液を引
き寄せる流動ループで流れるように、撹はんディスクを
振動シャフトの端部に取り付ける。
【0081】空気は、15μm多孔スパージャーを備え
た分散管を介してバイオリアクター下部の慣用的バイオ
リアクター中へ散布される。溶解酸素濃度は、上記要領
により97%の濃度で測定される。インペラーの撹はん
速度を約150rpm±50rpmに維持する。
【0082】PEM/ml PCVを培養開始時に測定
し、実施例5と同じ要領で6および14日目に倍加時間
を測定する。
【0083】結果は、撹はんバイオリアクター中のPE
Mの数がその間顕著に減少し、バイブロミキサー中のP
EMの数が20g/lのスクロース濃度でその間ほぼ一定
したままであることを示す。PEM数は、55g/lのス
クロース濃度で6日以内に3倍まで増加することが示さ
れた(表4)。
【0084】
【表4】 装置 PEMs/ml PVC 第0日目 第6日目 第14日目 インペラー 2300 800 40 (97%、20g/lスクロース) バイブロミキサー 2300 2300 2280 (97%、20g/lスクロース) バイブロミキサー 2300 6000 6000 (97%、55g/lスクロース)
【0085】実施例16 バイオリアクターにおける魚雷段階体細胞胚へのPEM
の生長。 2×100000のふるい分けされたPEMを、実施例
15の記載に従い継代培養されたキュウリPEM懸濁培
養物から集め(55g/lスクロース、vb/97%Do2
中)、インペラーを備えた1つの慣用的な2リットルの
バイオリアクターおよびチェマップ・アクチエンゲゼル
シャフトから市販されているバイブロミキサーを備えた
1つのバイオリアクターを含む2つのバイオリアクター
(アプリコン・デペンダブル・インスツルメンツBV)に
接種する。各々20g/lのスクロースおよび5.0マイ
クロモルの濃度でABAを含む1リットルのMS培地を
含む。酸素は、リアクターチャンバーの基部付近に位置
するバイブレーターシャフトの端部に設置された15μ
m多孔分散装置を介してバイブロミキサーリアクター中
へ散布される。当業界で公知の標準技術に従うと、バイ
ブロミキサーリアクターにおける酸素濃度は97%で測
定される。バイブロミキサーは、50Hzの振動数およ
び±6mmの最大振幅で稼動される。振動運動は垂直面で
行なわれ、水平運動は最小に保たれるように、バイブロ
ミキサーを設置する。流体が、基部、次いで上方に向か
ってリアクター容器の周囲から細胞懸濁液を引き寄せる
流動ループで流れるように、撹はんディスクを振動シャ
フトの端部に取り付ける。
【0086】酸素は、15μm多孔スパージャーを備え
た分散管を介してバイオリアクター下部の慣用的バイオ
リアクター中へ散布される。溶解酸素濃度は、上記要領
により97%の出発濃度で測定され、7日間かけて30
%±5%に下がる。8日目、溶解酸素濃度を97%にリ
セットし、そのレベルを維持する。インペラーの撹はん
速度を約190rpm±5rpmに維持する。
【0087】慣用的バイオリアクターは、10−15%
間の、PEM〜完全生長した使用可能な魚雷段階体細胞
胚生長効率を有する。バイブロミキサーバイオリアクタ
ーは、20%より大きい、PEM〜完全生長した使用可
能な魚雷段階体細胞胚生長効率を有する。使用可能な魚
雷段階体細胞胚は、正常に見える植物を生じるものであ
る。
【0088】実施例17 体細胞胚から誘導されたシクラメン植物の形態学的安定
性。 実施例2のF1雑種から誘導されたシクラメン体細胞胚
を、鉢植え用土に体細胞胚を置くことにより苗木に変換
させる。初葉形成後、苗木を温室に移し、成熟させる。
植物を開花段階に生長させる。開花植物の形態学的試験
からは植物の異常性は全く示されない。植物からは、遺
伝学的差異によるソマクローナル変異は全く観察されな
い。
【0089】実施例18 体細胞胚から誘導されたキュウリ植物における遺伝学的
ソマクローナル変異。 F1雑種植物から誘導された実施例6の体細胞胚を、ソ
ルバロッド・プラグ(バウムガルトナー・パピエル、ス
イス国)において植物に変換し、結実植物に生長させ
る。デ・ラート等(前出)の方法により、80植物につい
て倍数性レベルを測定する。遺伝学的ソマクローナル変
異が観察されないことから、植物は全て同じ倍数性レベ
ルおよび差異を有する。
【0090】実施例19 キュウリ体細胞胚から植物への変換。 キュウリPEMを、低い光強度でバイブロミキサーを備
えたバイオリアクターにおいて増殖させ、ふるいにかけ
(100−150μm)、20g/lのスクロースおよび5
マイクロモルのABAを補ったMS培地50ml当たり5
000PEMの密度でエルレンマイヤーフラスコ中に接
種する。PEMを2つのバッチに分け、これらをさらに
明所および暗所で体細胞胚に生長させる。両バッチから
の体細胞胚を明所で植物に変換させる。結果は、暗所で
培養されたPEMから誘導された体細胞胚の場合の体細
胞胚から植物への変換効率が、明所で培養された体細胞
胚の場合よりも高いことを示している(表5)。
【表5】 明るさの条件 魚雷型胚から植物への総合的変換率[%] 明所 28.6 暗所 62.7
【0091】実施例20 植物への変換に適した単一魚雷型胚の形成に対するPE
M集合体のサイズ。 10mg/gの2,4−Dおよび0.5mg/lのキネチンを補
った培地を用いて上記実施例5の記載に従い得られた9
日令のPEM懸濁液(50ml PCV/lのPEM濃度)
を、3つの独立事象としてナイロンメッシュでふるい分
けることにより、3種の異なるサイズのPEMフラクシ
ョン:100−150μ、150−200μおよび20
0−250μを得る。胚の生長は、3マイクロモルのA
BAを含むMS培地中約25−50PEM/mlの初期P
EM濃度で遂行される。9日の生長培養後、魚雷段階の
胚の数を光学顕微鏡で評価する。単一魚雷型胚の数を、
多重魚雷型胚の数に対して評価する。魚雷型胚/PEM
比は5−15%である。サイズが100μm未満のフラ
クションはPEMを含まない。結果を表6に示す。
【表6】 ふるい分けされたフラ 全体に対する割合とし クションのサイズ(μm) ての単一魚雷型胚(%) 100−150 85 150−200 20 200−250 5 単一胚は、100−150μmサイズのフラクションか
ら手で分離され、単一植物に変換される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 キュウリPEM懸濁液からPEMをふるい分
け、PEM/mlPCVを測定した結果を示す棒グラフで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 9300705 (32)優先日 1993年1月15日 (33)優先権主張国 イギリス(GB) (72)発明者 ウィールト・ファン・デル・メール オランダ1602エルウェー・エンクハイゼ ン、ヘラルトブラントウェッヒ25番 (72)発明者 エリック・ポストマ オランダ1628エムヘー・ホールン、セデル 35番 (72)発明者 ロブ・アベステー オランダ1602エーエヌ・エンクハイゼン、 クルート30番

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前胚形成塊(pro-embryogenic mass)(P
    EM)から生存可能な体細胞胚が形成され得る外植体か
    らのPEM形成の促進方法であって、非カルス外植体
    が、前胚形成塊(PEM)形成を誘導するのに充分なオー
    キシンまたはオーキシン混合物の有効量を含む液体植物
    組織培養培地と接触した状態に置かれることを特徴とす
    る方法。
  2. 【請求項2】 懸濁培養において実質的に同じ倍数体レ
    ベルの体細胞胚を得る方法であって、 i)前胚形成塊(PEM)形成の誘導を促進するのに充分な
    オーキシンまたはオーキシン混合物の有効量を含む液体
    培地と接触した状態で外植体を培養し、 ii)適当なオーキシン含有液体培地と接触した状態でi)
    で得られたPEMの数を増幅させ、 iii)ii)で得られたPEMを集め、それらを実質的オー
    キシン不含有液体培地と接触した状態に置き、 iv)iii)で生成されたPEMから誘導された体細胞胚を
    集めることを含む方法。
  3. 【請求項3】 iii)段階において、生存し得るPEMに
    富む選択されたサイズ分画のPEMを用いることを含
    む、請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 液体培地がさらに約15g/lないし90
    g/l間の濃度で炭水化物エネルギー供給源を含む、請求
    項1〜3記載の方法。
  5. 【請求項5】 炭水化物エネルギー供給源濃度が約20
    g/lないし60g/lの範囲に含まれる、請求項4記載の
    方法。
  6. 【請求項6】 炭水化物エネルギー供給源が、スクロー
    ス、グルコースおよびラフィノース群から選択される、
    請求項4または請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 オーキシン含有PEM懸濁液をバイブロ
    ミキサー中で振動させる、請求項1〜6記載の方法。
  8. 【請求項8】 バイブロミキサーを実質的垂直面で振動
    させる、請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 外植体が、原形質体、幹、葉、花弁、胚
    軸部分、成長点、接合子胚自体、塊茎、維管束、内鞘、
    子房または別の花糸に由来する請求項1〜8のいずれか
    1項記載の方法。
  10. 【請求項10】 実質的に全て同じ倍数体レベルを有す
    る体細胞胚を含む非ダウクス植物材料からの体細胞胚懸
    濁培養物。
  11. 【請求項11】 実質的倍数体の体細胞胚を含む、請求
    項10記載の体細胞胚懸濁培養物。
  12. 【請求項12】 実質的4倍体の体細胞胚を含む、請求
    項10記載の体細胞胚懸濁培養物。
  13. 【請求項13】 体細胞胚が、双子葉または単子葉植物
    外植体から生成されたPEMから誘導される、請求項1
    0〜12のいずれか1項記載の懸濁培養物。
  14. 【請求項14】 体細胞胚が、シクラメン、ウリ、リコ
    ペルシコン(Lycopersicon)、アリウム、ベゴニア、ベ
    ータ(Beta)、サクラソウ、アブラナ、トウガラシ、シ
    コリウム(Cichorium)、ガーベラ、ホウセンカ、ラクツ
    カ(Lactuca)、オリザ(Oryza)、ペラルゴニューム、ペ
    チュニア、スミレおよびトウモロコシ属から成る群から
    選択される、請求項10〜13のいずれか1項記載の懸
    濁培養物。
  15. 【請求項15】 双子葉植物外植体から得られる、請求
    項14記載の懸濁培養物。
  16. 【請求項16】 シクラメン、ウリ、ベータ、アブラ
    ナ、スミレ、ペラルゴニュームおよびトウガラシから成
    る群から選択される、請求項15記載の懸濁培養物。
  17. 【請求項17】 実質的に倍数体である細胞から成るP
    EMを含む懸濁培養物。
  18. 【請求項18】 実質的に全て同じ倍数体レベルを有す
    る非ダウクス性体細胞胚。
  19. 【請求項19】 実質的に全ての倍数性体細胞胚または
    実質的に全ての4倍性体細胞胚を含む、請求項18記載
    の体細胞胚。
  20. 【請求項20】 請求項2〜19記載の体細胞胚から得
    られる植物。
JP00247094A 1993-01-15 1994-01-14 有機化合物に関する改良 Expired - Lifetime JP4121160B2 (ja)

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