JP4121160B2 - 有機化合物に関する改良 - Google Patents

有機化合物に関する改良 Download PDF

Info

Publication number
JP4121160B2
JP4121160B2 JP00247094A JP247094A JP4121160B2 JP 4121160 B2 JP4121160 B2 JP 4121160B2 JP 00247094 A JP00247094 A JP 00247094A JP 247094 A JP247094 A JP 247094A JP 4121160 B2 JP4121160 B2 JP 4121160B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pem
auxin
medium
somatic
embryos
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP00247094A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06237659A (ja
Inventor
ヘリット・ヤン・ファン・ホルスト
マルク・クレウヘル
ウィールト・ファン・デル・メール
エリック・ポストマ
ロブ・アベステー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Syngenta Participations AG
Original Assignee
Syngenta Participations AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=27450981&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP4121160(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Priority claimed from GB939300705A external-priority patent/GB9300705D0/en
Priority claimed from GB939300707A external-priority patent/GB9300707D0/en
Priority claimed from GB939300729A external-priority patent/GB9300729D0/en
Priority claimed from GB939300706A external-priority patent/GB9300706D0/en
Application filed by Syngenta Participations AG filed Critical Syngenta Participations AG
Publication of JPH06237659A publication Critical patent/JPH06237659A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4121160B2 publication Critical patent/JP4121160B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01HNEW PLANTS OR NON-TRANSGENIC PROCESSES FOR OBTAINING THEM; PLANT REPRODUCTION BY TISSUE CULTURE TECHNIQUES
    • A01H4/00Plant reproduction by tissue culture techniques ; Tissue culture techniques therefor
    • A01H4/005Methods for micropropagation; Vegetative plant propagation using cell or tissue culture techniques
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01HNEW PLANTS OR NON-TRANSGENIC PROCESSES FOR OBTAINING THEM; PLANT REPRODUCTION BY TISSUE CULTURE TECHNIQUES
    • A01H4/00Plant reproduction by tissue culture techniques ; Tissue culture techniques therefor
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01HNEW PLANTS OR NON-TRANSGENIC PROCESSES FOR OBTAINING THEM; PLANT REPRODUCTION BY TISSUE CULTURE TECHNIQUES
    • A01H4/00Plant reproduction by tissue culture techniques ; Tissue culture techniques therefor
    • A01H4/001Culture apparatus for tissue culture
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01HNEW PLANTS OR NON-TRANSGENIC PROCESSES FOR OBTAINING THEM; PLANT REPRODUCTION BY TISSUE CULTURE TECHNIQUES
    • A01H4/00Plant reproduction by tissue culture techniques ; Tissue culture techniques therefor
    • A01H4/008Methods for regeneration to complete plants
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N5/00Undifferentiated human, animal or plant cells, e.g. cell lines; Tissues; Cultivation or maintenance thereof; Culture media therefor
    • C12N5/0018Culture media for cell or tissue culture
    • C12N5/0025Culture media for plant cell or plant tissue culture
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N5/00Undifferentiated human, animal or plant cells, e.g. cell lines; Tissues; Cultivation or maintenance thereof; Culture media therefor
    • C12N5/04Plant cells or tissues

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Developmental Biology & Embryology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Botany (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Environmental Sciences (AREA)
  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)
  • External Artificial Organs (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、組織培養からの総体植物再生に適する改良された体細胞不定胚分化方法およびさらに具体的には液体培地自体を用いた体細胞不定胚分化による体細胞胚の改良された獲得方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
体細胞不定胚分化の有効な利用方法の商業化は、比較的短い時間間隔で高収量の植物を得られる可能性があるため、例えば器官形成クローニングよりも望ましく、かつ経済的にも魅力あるものと考えられている。
【0003】
ある種の植物細胞は、適当な植物組織培養培地で培養された場合に、潜在的に総体植物へ分化する能力を有することが知られている。上記培地は、一般的には無機塩類、炭素供給源、例えばスクロース、イノシトール、チアミンなどを含む。常用される植物組織培養培地の例は、ムラシゲおよびスクーグ(MS培地)、リンズマイアーおよびスクーグの培地、ガンボーグによる(B5培地)培地である。
【0004】
上記植物組織培養培地の組成に修飾を加えることにより、使用される特定植物細胞の生長を最適化することができる。ほぼ全ての植物細胞は、植物ホルモン、例えばオーキシンまたはオーキシン様化合物、例えばインドール酢酸、インドール酪酸、ナフタレン酢酸または2,4−D、および/またはサイトキニン、例えばベンジルアデニン、ゼアチン、キネチンなどを必要とする。最適な生長を確実にするためには、ビタミン類、例えばニコチン酸、ピリドキシンまたは他の成分、例えばココヤシ果汁、カゼイン加水分解物などを加えることも有利であり得る。
【0005】
過去において、典型的な体細胞胚の形成は、次に体細胞胚が誘導され得る一次生長相材料として、非常に大きい液胞を有する細胞および非常に小さい液胞を有するさらに小さい円形細胞の脱分化集塊を含むカルス材料の使用を必要としてきた。しかしながら、体細胞不定胚分化における出発材料としての上記材料の使用は、多くの欠点を有しており、実質的に類似した表現型を有し、および/または倍数体レベルに関して実質的に均一である多数の植物を得る場合には有用性が制限されることが判明した。カルスに端を発する植物は、倍数体レベルに関してソマクローナル変異および/または非均一性を示す傾向を有する[チャレフ(1983)、「サイエンス」(Science)、219:676−682、ラーキン(1987)、「アイオワ・ステート・ジャーナル・オブ・リサーチ」(Iowa State Journal of Research)、61(4):393−434、デ・クラークG−J(1990)、「アクタ・ボタニカ・ネーランディカ」(Acta Bot.Neerl.)、39(2):129−144、カープおよびブライト(1985)、「オックスフォード・サーベイズ・オブ・プラント・モレキュラー・アンド・セル・バイオロジー」(Oxford Surveys of Plant Molecular & Cell Biology)、2:199−234、カスターズ等(1990)、「アクタ・ボタニカ・ネーランディカ」(Acta Bot.Neerl.)、39(2):153−161(ククミス・サティブス・エル(cucumis sativus L.))、カイズリー等(1987)、「プラント・セル・レポーツ」(Plant cell Reports)、6:305−308(ピスム・サティブム・エル(pisum sativum L.))、エズラ(1992)、「プラント・サイエンス」(Plant Science)、85:209−213(ククミス・メロ)、およびキビハルジュ等(1992)、「プラント・セル、ティシュー・アンド・オーガン・カルチャー」(Plant Cell, Tissue, and Organ Culture)、28:187−194(シクラメン・ペルシクム・ミル(Cyclamen persicum Mill))]。
【0006】
特許出願の既知実例は、体細胞不定胚分化においてカルス材料を使用している。その一例、プラント・ジェネティクス・インコーポレイテッドによるWO90/01058では、カルス材料の使用による体細胞胚の獲得および広範囲の合成オーキシンの使用効果の研究が報告されている。カルス材料は、何週間にもわたって固形培地における培養および/または継代培養の適当な外植体から形成または生育される。次に、体細胞不定胚分化は、植物ホルモン、例えば2,4−Dまたはその類縁体を含む培地へカルス組織を移すことにより開始される。体細胞胚の倍数体レベルまたは得られた植物の倍数体レベルについては全く述べられていない。体細胞不定胚分化におけるカルス材料の使用は、ソマクローナル変異体の獲得が利用可能な遺伝子プールの強化に関して興味深いものであり得る植物を得るのには有望であり得るが、単に実質的に全ての同じ表現型を有する営利的な数の植物の獲得を欲するだけの種子業者または育種家にとってはあまり有用なものではない。
【0007】
にんじんセルラインは、分裂組織細胞から成るミクロクラスターからクローン化され、それらの胚形成能について試験されたことが認められている(コウトス−テベノット等、「プラント・セル・レポーツ」(Plant Cell Reports)(1990)8:605−608)。
【0008】
著者等は、オーキシン2,4−Dを含む植物組織培養培地において国産にんじん(S1株)の胚軸から得た初回細胞懸濁液を使用し、ろ過により細胞クラスターを単離し、2,4−Dを含む植物組織培養培地に細胞クラスターを再懸濁してクラスター密集度を高め、単離クラスターからの細胞コロニーを、2,4−Dおよび1%バクト−寒天を含む固体植物組織培養培地を含むペトリ皿に移して細胞コロニー形成を誘導し、それらをナースS1株カルスを囲む2,4−Dおよび1%バクト−寒天含有第2固形培地中に沈積させ、2,4−D含有植物組織培養培地中で各細胞コロニーを解離させ、こうして得られた培養物を2,4−D含有植物組織培養培地中で継代する方法について報告している。この方法により得られたセルラインの後続分析では、40セルラインのうちの13は胚形成能を示すが、これらのセルラインの大部分は時間がたつうちにそれらの胚形成能を喪失していることが示された。唯一のセルラインが、長期間かなり一定した胚形成能を有していた。フローサイトメトリー分析によると、このセルラインは倍数体であった。
【0009】
【発明の効果】
本発明は、技術的に簡単な懸濁培養中で体細胞胚が得られる方法を提供する。その方法は、特にナースカルスの周囲にセルラインを沈積させる必要はない。従って、本発明方法により商業的規模での体細胞胚の製造が可能となる。本発明による体細胞胚は、実質的に同じ表現型を有する植物の大量生産に使用され得る。
【0010】
現在までのところ、体細胞不定胚分化法は、植物獲得における潜在的に強力な手段として指摘されているが、カルス材料から出発する体細胞不定胚分化の利用は実現不可能であるため、この生産技術の有効利用は妨げられている。
【0011】
驚くべきことに、商業的規模での真正体細胞胚の生産は、固形培地および/またはカルス組織を使用する必要も無く、液体培養技術そのものの使用を通して達成され得ることが見出された。また、液体培地中のPEMのバイオマス、従ってそこから体細胞胚を大量生産させる能力を増加させ得ることも見出された。上記液体培養技術を用いると、カルス培養/カルス継代培養工程の使用は不必要となり、倍数性レベルに関して均一な体細胞胚の集団を得る手段が初めて提供される。
【0012】
本発明は、ソマクローナル変異体獲得の危険を実質的に低減化または削除する体細胞不定胚分化を介して体細胞胚を得る方法を提供する。
【0013】
本発明は、中に含まれる体細胞胚の倍数体レベルが実質的に均一である非ダウクス体細胞胚懸濁培養物を提供する。
【0014】
さらに本発明は、実質的に所望の倍数体レベルを有する体細胞胚懸濁培養物から誘導される実質的に均一な倍数性を有する植物(例、2倍体植物または4倍体植物)を提供する。
【0015】
本発明は、外植体から大量の真正体細胞胚が得られるより確実な手段であって、カルス組織の使用に依存および/または上記手段の必須成分として固形培地を使用しない手段を提供する。
【0016】
これらおよび本発明の他の対象は、以下の記載および実施例を一読すれば明白である。
【0017】
【発明の構成】
本発明は、前胚形成塊(PEM)が生存可能な体細胞胚を形成させ得る外植体からのPEM形成の促進方法であって、非カルス植物組織を、有効量のオーキシンまたはオーキシン混合物を含む液体植物組織培養培地と接触させて置くことを特徴とする方法を提供する。前胚形成塊(PEM)形成の促進とは、PEM形成を誘導し得、および/またはPEMバイオマスを増加させ得ることを意味する。
【0018】
使用される外植体 explant material は、双子葉または単子葉植物種であり得る。好ましくは、外植体は、双子葉植物種から誘導される。典型的には、体細胞胚は、前胚形成塊(PEM)、すなわちカルス材料とは形態的に異なってかつ分裂組織クラスター(meristematic clusters)としても知られている構造から誘導される。PEMは、その由来する外植体と同じ倍数性レベルまたは複数の倍数性レベルを有する。すなわち、2倍体および4倍体細胞を含む外植体が2倍体植物から採取される場合、そこから生じる2倍体および4倍体PEMは、さらに液体培地中で培養する前にふるい分け、細胞選別などにより分離されるべきであり得る。
【0019】
PEMは、実質的に分化した生長中の植物組織を含み、真正体細胞胚の前駆体としてみなされ得る。光学顕微鏡(×40〜×100倍率)下では、PEMは、小さな液胞を含む小さな円形の細胞質に富む細胞の集塊として現れる。それ自体本発明のPEMは、それらが誘導される植物の親細胞と遺伝学用語では実質的に同一のものであるとしてみなされ得、究極的には真正体細胞胚であって、両極性である、すなわち分裂機能を備えた根および茎組織から根および茎を発生させる能力を有するものとして認識可能な胚を発生させ得る。すなわち、生存し得る真正体細胞胚はまた、当業界で常用される適当なさらに別の処理に付された場合、遺伝学的に言えば、それが誘導される外植体始原細胞材料と実質的に同一である少なくとも1種の苗木を生じ得るものである。
【0020】
本発明方法での使用に適した植物組織材料は、植物器官またはその一部、または他の好適に分化した植物組織、例えば原形質体から得られる外植体である。上記組織は、幹、葉、花弁、胚軸部分、成長点、子房、接合子胚自体、塊茎、維管束、内鞘、葯の花糸などから成る群から選択され得る。別法として、適当な外植体は、体細胞胚自体であり得る。植物組織は、興味の対象である任意の植物種から採取され得、単子葉または双子葉植物から選択される植物組織を含む。興味の対象である植物タイプの選択は、「ハンドブック・フォー・シードリング・エバリュエイション」(Handbook for Seedling Evaluation)、ベケンダムおよびグロブ、ISTA、チューリッヒ、スイス国、1979、28−29頁に示されており、これを引用して説明の一部とする。好ましい植物タイプには、シクラメン、ウリ、リコペルシコン(Lycopersicon)、好ましくは食卓用または食用リコペルシコン、アリウム、ベゴニア、ベータ(Beta)、サクラソウ、アブラナ、トウガラシ、シコリウム(Cichorium)、ガーベラ、ホウセンカ、ラクツカ(Lactuca)、オリザ(Oryza)、ペラルゴニューム、ペチュニア、スミレおよびトウモロコシ属から成る群から選ばれるものがある。最も好ましいのは、シクラメン、ウリ、ベータ、例えばベータ・ブルガリス(Beta vulgaris、テンサイ)、アブラナ、例えばブラシカ・オレラセア(B.oleracea)またはブラシカ・ナプス(B.napus)、スミレ、ペラルゴニュームおよびトウガラシから成る群から選ばれる植物タイプである。
【0021】
本発明方法での使用に適した液体植物組織培養培地は、胚形成の誘導および/または促進に適した液体植物組織培養培地であればよい。当業界で常用される塩基性培地の例には、ガンボーグのB5培地(B5)、ムラシゲおよびスクーグ培地(MS)およびその変形がある。
【0022】
本発明の企図するところでは、PEM形成を誘導し得る充分な量のオーキシンを、初期誘導相で外植体または他の適当な出発物質を含む適当な液体培養培地に加え、そしてその初期誘導相後、PEMの生長および増殖を促進し得るさらに別の適当な液体培養培地を使用し、その培地では、オーキシン(複数もあり得る)濃度(複数もあり得る)を適当な間隔で補充する。従って、懸濁の発生段階がPEMレベルで固定されているという確証を得るため、例えば当業界で公知の標準HPLC技術を用い、時間をかけてオーキシン濃度をモニターするのが有利である。また、オーキシン(複数もあり得る)に伴い得る有毒な副作用を回避し、さらに生存し得る状態でPEMを維持するためには、植物組織培養培地にオーキシン(複数もあり得る)を加えすぎないことが重要である。
【0023】
PEM生長および増殖用の液体植物組織培養培地は、体細胞不定胚分化の誘導および促進相が行なわれ得るようにオーキシン濃度および/または他の必須成分が適当な間隔で簡単に補充される初期誘導相植物組織培養培地であり得る。初期誘導相培地はまた、適当な間隔で適当なオーキシン濃度を含む新鮮な植物組織培養培地と交換され得、この場合、液体植物組織培養培地は、最初に使用された適当ではあるが異なる液体植物組織培養培地とは同一または異なるものであり得る。すなわち、使用される現実の植物組織培養培地(複数もあり得る)のタイプは、それらが液体であり、適当なオーキシン濃度の存在下でPEM形成の誘導および/または促進に使用され得るものであれば、本発明にとって厳密なものではないことがわかる。
【0024】
また、必要なオーキシン濃度は、植物の種類によって異なり、植物の変種ごとに変化し得ることは容易に理解され得る。所定の変種に関して最適な結果を与えるオーキシンのタイプおよび濃度は、標準試験により決定され得る。植物変種によっては、オーキシンの混合物を使用するのが有利であり得る。本発明方法での使用に適したオーキシンおよびオーキシン様化合物の例には、インドール酢酸、インドール酪酸、ナフタレン酢酸およびそれらの混合物がある。オーキシンレベルは、PEMの生長および形成を促進する濃度に維持される。
【0025】
オーキシン濃度は、PEM数または興味の対象であるバイオマスおよび植物の種類によって、好ましくは約0.1mg/l〜約30mg/lの濃度で維持される。オーキシンの適当な混合物は、NAAおよび2,4−Dを適当な濃度で含み得る。ナフタレン酢酸(NAA)の有効なオーキシン濃度は、興味の対象である植物の種類によって、一般には約0−20mg/lの範囲であり、2,4−Dの場合は約0.1mg/lないし約10mg/l以下の範囲である。例えば、シクラメンPEMは、NAAの存在を必要とはしないが、初期濃度約5−10mg/lの2,4−Dの存在を必要とする。リコペルシコンPEMは、初期濃度20mg/lのNAAおよび初期濃度1mg/lの2,4−Dを必要とすることが見出された。
【0026】
使用される植物変種および植物組織培養培地によっては、非植物毒性量のサイトキニンをオーキシン含有培地に加えることによりオーキシン取り込みを容易にすることが有利であり得る。
【0027】
本発明はまた、懸濁培養中実質的に同じ倍数性レベルを有する体細胞胚を得る方法であって、
i)前胚形成塊(PEM)形成の誘導を促進するのに充分な有効量のオーキシンまたはオーキシン混合物を含む液体植物組織培養培地と接触させた状態で外植体を培養し、
ii)適当なオーキシン含有液体植物組織培養培地と接触させた状態でi)で得られたPEMの数を増加させ、
iii)ii)で得られたPEMを集め、それらを実質的オーキシン不含有液体培地と接触させた状態に置き、そして
iv)iii)で生成されたPEMから誘導去れた胚を集める
ことを含む方法を提供する。
【0028】
この方法の段階i)およびii)については上記で検討されている。それらは例えば下記の要領で行なわれ得る。
【0029】
外植体を、興味の対象である種類によって約0.1mg/l〜約30mg/lの濃度でオーキシンまたはオーキシン混合物を含み、PEM形成の誘導に有効である適当な液体培地、例えばB5培地またはMS培地中に置く。外植体を、週単位で時間測定された期間(この期間中にPEMが現れる)、約0.01グラム(生重量)/l〜約100グラム(生重量)/l(培養物)、好ましくは約1.0グラム(生重量)/l〜約10グラム(生重量)/lの適当な密度で培養する。この期間は、興味の対象である植物の種類によって、約2週間〜約14週間またはそれ以上、典型的には約4週間〜約8週間の範囲であり得る。典型的には、得られたPEMを、例えば培地希釈または培地取り替えにより初期外植体培養から分離し、そして同じまたは類似した新鮮な液体培地でさらに培養する。
【0030】
得られたPEMは、PEM形成誘導に要求される条件と同一または類似した環境条件下で直ちに生長または増殖相に入り得る。PEM数の増加またはPEMバイオマスがモニターされ、増大するのが見られることから、便宜上、この相をここでは増殖相と称す。
【0031】
PEM形成の誘導が観察された後、顕著なPEMの発達を伴うこと無く、オーキシン濃度がPEMの生長および増殖を促進するのに充分なレベルで維持されるように液体植物組織培養培地をモニターする。オーキシンレベルが適当な時間間隔でPEM増殖を促進するのに充分なレベルで制御されるように、増殖相は、選り抜きの液体植物組織培養培地の標準希釈物中での継代培養を必要とし得る。別法として、PEMを、初期外植体培養から分離し、オーキシン含有植物組織培養培地中に置き、流加培養または連続培養システムを用いることにより、単に所望のPEMバイオマスとなるまで増殖させ得る。典型的には、この方法は、オーキシン濃度を一定期間約0.1mg/lのレベルより上に維持することを必要とする。増殖相に関する期間は、真正体細胞胚への変換にいかに多くのPEMが要求されるかによって年単位で測定され得るが、通常、増殖相は、月または週単位で測定され、要求されるPEMバイオマスの量によって例えば約2〜約30週である。増殖相において1回、PEMは実質的オーキシン不含有植物組織培養培地中に置き換えられる時点で集められ得、次いでそれらは続けて真正体細胞胚へ生長し得る。これは、本明細書記載のふるい分け、すなわち好適なサイズのふるい(例、150μm孔サイズのふるい)を通過し得るが、より小さいサイズのふるい(例、100μm孔サイズのふるい)では保持されるあるサイズのPEMフラクションの選択を含み得る。
【0032】
PEM形成および増殖は、液体植物組織培養培地に適当な炭素エネルギー供給源、好都合には可溶性炭水化物、例えばスクロース、グルコースまたはラフィノースを補充することにより有利に影響される。典型的な炭水化物濃度は、植物組織培養培地に対し15g/l〜90g/l、好ましくは20g/l〜60g/lの範囲に含まれる。
【0033】
増殖相は、フラスコまたはバイオリアクター中で遂行され得る。バイオリアクターは、2次細胞代謝物製造を目的とする細胞懸濁液の培養に関する業界では公知であるが、PEM培養を目的とするバイオリアクターの使用についてはこれまでのところ報告されていない。我々は、バイオリアクターが、比較的短い時間間隔で非常に大量のPEMを製造するのに有用であり得ることを見出した。
【0034】
便宜上、PEM懸濁培養からパックした細胞容量を、適当なバイオリアクター中、興味の対象であるPEMの種類によって、充分量の適当な炭素エネルギー供給源、例えばスクロース、グルコースおよびラフィノースを、約15g/lないし90g/lまたはそれ以上、好ましくは約20g/l〜約60g/lの濃度で含む適当な培地に接種する。プレイルおよびベック[(1991)「アクタ・ホルティクルツラエ」(Acta Horticulturae)289、「プラント・テクノロジー」(Plant Technology):179−192]は、バイブロミキサーの使用によるバイオリアクター中での体細胞不定胚分化について記載しているが、その試験では、PEMが体細胞胚へ生長する前にPEM形成および増殖が行なわれることは示唆されていない。PEM懸濁培養物においてバイオリアクター中でバイブロミキサーを使用すると、PEMの寿命が時間をかけて顕著に増加し、PEMバイオマスの増大が助長され、PEMバイオマス喪失が低減化され、PEMの凝集が阻止されることが見出された。穿孔した混合プレートまたは撹はんディスクを備えたバイブロミキサー(各々アプリコンBV(オランダ国)およびチェマップ・アクチエンゲゼルシャフト(スイス国)から入手可能)をバイオリアクターの固定面に設置し、実質的にその固定面で振動させると、PEM懸濁培養物はPEMバイオマスを著しく喪失することなく混合または撹はんされる。
【0035】
好ましくは、バイブロミキサーを実質的に垂直面で振動させる。本発明方法で使用されるバイブロミキサーの一般的稼動振動数は50Hzである。振幅は、好都合には±6mmまたはそれ未満の程度である。一旦、所望の数の体細胞胚を生じ得るPEMバイオマスが得られると、PEMを実質的オーキシン不含有液体植物組織培養培地と接触した状態に置くことができ、そこでそれらは体細胞胚に生長し得る。
【0036】
有利にはPEM懸濁液を曝気する。これは自体公知の方法で遂行され得る。バイブロミキサーを使用する場合、空気は、例えば多孔分散装置を用いてバイブロミキサーリアクター中へ散布され得る。
【0037】
上記および実施例から、様々なパラメーター、例えばオーキシンのタイプおよび濃度、サイトキニンの存在、エネルギー(炭水化物)供給源、撹はんまたは振動数、酸素供給、光の強度および波長に関する最適条件は、使用される植物材料によって異なることになる。上記の最適条件は、標準試験(実施例で説明されている)を用いて決定され得る。本発明による体細胞胚獲得方法の後続段階iii)およびiv)は、下記の要領で実施され得る。
【0038】
PEMから体細胞胚への発達の促進は、オーキシン不含有植物組織培養培地中にPEMを置くことにより達成され得る。生存し得るPEMは、体細胞胚に発達し得る。オーキシン不含有培地に移す前に、PEMを有利には例えばナイロンメッシュを通してふるいにかけ、最も効果的に所望の体細胞胚を発生するPEMサイズフラクションを選択する。生存不可能なPEMの含有率が高すぎると、体細胞胚の形成は阻止される。一般に、少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、さらに好ましくは少なくとも15%の率で生存可能なPEMを含むPEMを使用するのが望ましい。最適サイズフラクションは、標準スクリーニング試験により決定され得る。
【0039】
選ばれたサイズのPEMは、例えばふるいまたは当業界における他のサイズ選別手段により回収され得る。熟練者であれば、所望の大きさをしたPEM(特に高含有率の生存可能なPEMを有するPEMフラクション)のサイズは、本明細書で詳述されている通り種類によって異なることはわかるはずである。
【0040】
PEMのふるい分けられたフラクションは、所定サイズ範囲内のPEMを得るためPEMをろ過手段、例えば既知孔サイズのネットメッシュ、例えばナイロンメッシュに通すことにより得られるものである。PEMは、植物の種類によっては直径約1mm以下のサイズを有し得るが、PEMの集合体は直径5mm以下であり得る。一般的に述べると、個々のPEMの望ましいサイズはμmで記される程度である。PEMのサイズは、そこから誘導される単一体細胞胚の獲得にとって重要なものではないことが見出された。好ましくは、集められたPEMフラクションは、その中の各PEMが適当な条件下で1個の体細胞胚を生じ得るものである。当然、特定の生存可能なふるい分けられたPEMフラクションのサイズは、植物の種類によって変化する。例えば、キュウリにとって最も有用なPEMフラクションは、PEMのサイズが約100μm−約150μmの範囲のものである。シクラメンの場合のPEMフラクションは、約150μm−約300μmである。より好ましくは、PEMフラクションは、各PEMが少なくとも1個の体細胞胚、好ましくは単一体細胞胚を生じ得るものである。
【0041】
実質的オーキシン不含有液体植物組織培養培地は、PEMを体細胞胚に発達させ得るものである。すなわち、実質的オーキシン不含有液体植物組織培養培地は、残留レベルのオーキシンは存在し得るが、オーキシンレベルが存在したとしても、PEMから体細胞胚への発達を実質的に妨害することの無いオーキシン枯渇植物組織培養培地であり得るか、またはそれはオーキシン不含有植物組織培養培地であり得ると予測される。当然、熟練者であれば、実質的オーキシン不含有植物組織培養培地が、いかに多くの体細胞胚が所望されるかによって、フラスコまたは適当なバイオリアクター、例えばバイブロミキサーを取り付けたものの中に置かれ得ることは認識できるはずである。次いで、得られた体細胞胚は、当業界で公知の方法を用いて植物に変換され得る。すなわち、PEMバイオマスをモニターすることにより、大量の体細胞胚を商業的規模で得ることが可能となる。
【0042】
オーキシン不含有培地は、好都合には15g/l〜90g/l、好ましくは20g/l〜60g/lの濃度で可溶性炭水化物エネルギー供給源を含む。適当な炭水化物エネルギー供給源には、スクロース、グルコースおよびラフィノースがある。
【0043】
商業的規模の体細胞胚数は、顧客の必要条件によって数百(例、500)〜数百万(例、3000000)またはそれ以上の数値の範囲内で変動し得る。例えば、必要条件が約200000植物に対するものである場合、PEMバイオマスが実質的に約200000体細胞胚を生じ得る状態に到達するまでPEM増殖は続行される。次に、前述のPEMをオーキシン不含有液体植物組織培養培地と接触した状態に置くと、そこでそれらは体細胞胚に発達することができる。
【0044】
一旦真正体細胞胚が実質的オーキシン不含有植物組織培養培地中で発達すると、それらは、当業界で常用されている技術を用いてオーキシン不含有植物組織培養培地から分離され、植物に変換され得る。
【0045】
体細胞胚は、好都合には商業的使用前に生存不可能なPEMから分離される。これは、自体公知の方法で行なわれ得る。生存不可能なPEMは、一般に体細胞胚よりも小さい。体細胞胚は、例えば手動的、ふるい分けまたは細胞選別により単離され得る。
【0046】
本発明のさらに別の態様では、実質的に全て同じ倍数性レベルを有する体細胞胚を含む体細胞胚のバッチが提供される。体細胞胚のバッチは、商業的要件によって数百ないし数万またはそれ以上を含み得る。好ましくは、体細胞胚のバッチは、実質的に2倍体の体細胞胚または実質的に4倍体の体細胞胚を含む。体細胞胚のバッチは、単に液体培地が排出された体細胞胚の懸濁液であり得、体細胞胚は適当な容器に入れられる。容器の周囲環境は、高い相対湿度、例えば100%を有し得、0℃より高く、約15℃以下の適当な冷温で維持され得る。この方法で貯蔵された体細胞胚は、約4日間以下の間維持され得る。別法として、体細胞胚は、デシケーター(乾燥)処理、冷凍、ペレット化、ゲル封入などに付され得る。
【0047】
本発明は、実質的に全て同じ倍数性レベルを有する体細胞胚を含む、ダウクスとは異なるさらに別の体細胞胚懸濁培養物を提供する。好ましい体細胞胚は2倍体または4倍体である。体細胞胚は、双子葉または単子葉植物外植体から誘導される。以下、実施例により本発明の説明を行う。当然、実施例はいかなる意味でも本発明の範囲を制限するものとして見なされるべきではないものとする。
【0048】
【実施例】
実施例1
胚形成シクラメン細胞培養の開始およびそこからの体細胞胚。
シクラメン変種「コンチェルト・スカーレット」(スルイスおよびグルート)の種子を、70%エタノール(2分間)および次亜塩素酸ナトリウムの1.5%溶液(45分間)により表面殺菌し、次いで滅菌水で充分に洗浄(3回)する。23℃で2−4週間湿った紙の上で種子を発芽させ、発芽した塊茎を外植体として使用する。3つの塊茎を、23℃で暗所中、100rpmの回転震とう器(G10ジャイロロータリーシェーカー、ニューブルンスウィック・サイエンティフィック、エディソン、ニュージャージー、アメリカ合衆国)において20g/lのスクロース、10mg/lの2,4−D、100mg/lのミオイノシトール、1.0mg/lのニコチン酸、1.0mg/lのピリドキシンHCl、10mg/lのチアミンHClを補った塩基性B5培地(デュチェファ・ビオヘミーBVから入手可能、ハールレム、オランダ国)10ml中で培養する。7日後、培地を新鮮な培地と交換する。さらに7日後、培養物を新鮮な培地により20ml容量に希釈(5倍)する。さらに7日後、希釈培養物からの塊茎外植体の維管束および内鞘を含む中心髄を、塊茎外植体から分離し、20g/lのスクロース、100mg/lのミオイノシトール、1.0mg/lのニコチン酸、1.0mg/lピリドキシンHCl、10mg/lのチアミンHCl、5mg/lの2,4−Dおよび1mg/lのキネチンを補った塩基性B5培地25ml中で塊茎の残りとは別に継代培養する。継代培養物を4週間毎週2倍に希釈する。前胚形成塊は約4週目に現れる。上記要領で2週間さらに継代培養することにより、PEMを増殖させる。20g/lのスクロース、100mg/lのミオイノシトール、1.0mg/lのニコチン酸、1.0mg/lのピリドキシンHCl、10mg/lのチアミンHClを補ったオーキシンおよびサイトキニン不含有B5培地でさらに培養することにより、PEMは生存可能な真正体細胞胚に発達し得る。
【0049】
実施例2
胚形成性シクラメン細胞懸濁培養の開始およびそこからの体細胞胚。
シクラメン種子(品種コンチェルト・シャルラーケン・オテロ、ツァーデュニーBVから入手)を、70%エタノール(2分間)および1%次亜塩素酸ナトリウム(45分間)で表面殺菌し、滅菌水で充分に洗浄(3回)する。種子を23℃で暗所中、2〜5週間湿った紙の上で発芽させる。発芽した塊茎を外植体として使用し、2〜8片に切断する。デ・ラート等(1987)「プラント・ブリーディング」(Plant Breeding)99:303−307の指示に従い、外植体の倍数性レベルを測定すると、2倍体であることが見出された。
【0050】
3つの塊茎からの外植体を、暗所中23℃の温度で回転震とう器(100rpm)中、20g/lのスクロース、5mg/lの2,4−ジクロロフェノキシ酢酸および1mg/lのキネチンを補った塩基性B5培地(デュチェファ・ビオヘミーBV、ハールレム、オランダ国)10ml中で培養する。全フラスコをアルミニウムホイルで被覆する。1週間後、250mlフラスコ中、20g/lのスクロース、5mg/lの2,4−D、100mg/lのミオイノシトール、1.0mg/lのニコチン酸、1.0mg/lのピリドキシンHCl、10mg/lのチアミンHClおよび1mg/lのキネチンを補った塩基性B5培地で培養物を50ml容量に5倍希釈する。さらに2週間後、培養物が含むPEMを、広いノズルを有するピペットで培養物の残りから分離し、別々に培養する。PEMは、本質的に小さな円形の原形質細胞により構成される細胞クランプとして視覚的に同定される。この段階で、PEMは、細胞の単一クランプまたは互いに付着した細胞の若干のクランプとして同定される。広いノズルを有するピペットを用いて250mlフラスコ中、20g/lのスクロース、5mg/lの2,4−D、100mg/lのミオイノシトール、1.0mg/lのニコチン酸、1.0mg/lのピリドキシンHCl、10mg/lのチアミンHClおよび1mg/lのキネチンを補って最終容量50mlにした塩基性B5培地にパックした細胞1mlを接種することにより、培養物を2週間ごとに継代培養する。2分間700×gで培養物からの試料を遠心分離にかけることより、パックした細胞容量(PCV)、すなわちPCV(開始)およびPCV(最終)に関する遠心分離後の全細胞量を測定する。シュレーゲル(1981)、「アルゲメイン・ミクロビオロジー」(Allgemeine Microbiologie)、ティーメ、ステュットガルト、190頁の公式を用いてPCV(開始)およびPCV(最終)の測定値から算出したところによると、胚形成性セルラインは、一般に約4〜6日の倍加時間で生長する。この方法で得られた胚形成性セルラインを少なくとも45週間維持すると、遺伝学的に安定している、すなわち倍数性レベルは2倍体、最初の外植体の場合と同じである。
【0051】
PEM培養物を、各々250μmおよび100μmの孔サイズを有するナイロンメッシュに通してふるい分けることにより、PEMを選択する。継代培養の8日後、PEM/mlの最高数に到達する。このフラクションからは、最適な胚の発達が誘導され、PEM培養の1PCV当たりの胚の最高数が達成される。ふるい分けされたPEMの数は、一般に1000〜5000PEM/ml PCVの範囲である。
【0052】
ふるい分け後、PEMを洗浄し、生長培地、すなわちスクロースまたはグルコースを補って174ミリモルの濃度にしたMSまたはB5培地に接種する。25〜50PEM/mlを、アルミニウムホイルおよびネスコフィルム(バンドー・ケミカル・インダストリー社、日本)で密閉したフラスコ中で培養する。3〜4週間後、接合子胚に似た魚雷型胚が形成される。この方法を用いると、250000の胚が形成される。胚培養の無作為標本に対してデ・ラート(前出)により報告されたフローサイトメトリー分析技術を用いると、500体細胞胚のDNA含有率が評価される。胚は全て、2倍体であることが見出された。
【0053】
シクラメン胚の変換(すなわち発芽)は、塊茎形成、次いで不定根の形成を含み、液体培地、すなわち各々約116ミリモルまたは58ミリモルのグルコースまたはスクロース含有率を有するMSまたはB5培地で胚を培養することにより誘導される。塊茎形成は、塊茎または塊茎様構造の胚軸からの生長として定義される。さらに初葉を形成する子葉の生長は、液体培地または固体培地、例えばパーライト、滅菌土壌などで行なわれ得る。
【0054】
無菌条件下(炭素供給源の存在下)または非滅菌条件(炭素供給源を全く加えず)下、変換胚をパーライトまたは鉢植え用土に直接播種すると、18°〜20℃で暗所中2〜4週間後に子葉形成が示される。約90%という高い相対湿度を使用する。90%を越える胚が、無菌条件下で子葉段階に変換する。一旦子葉が現れると、生じた苗木を明所に置き、温室へ移す前に寒気にさらして強くする。
【0055】
実施例3
胚形成性トマト細胞培養の開始
トマト変種「マンハッタン」(スルイスおよびグルート)の種子を、70%エタノール(2分間)および15分間次亜塩素酸ナトリウムの1.5%溶液で表面滅菌し、次いで滅菌水により充分に洗浄(3回)する。23℃の温度で3日間にわたり、種子を湿った紙の上で発芽させる。完全な実生を集め、各実生を4片に切断し、次いでそれらを外植体として使用する。10実生をこの方法で切断し、循環可能な16時間明所期間および8時間暗所期間で、23℃で100rpmの回転震とう器において20g/lのスクロース、20mg/lのNAA、1mg/lの2,4−D、1mg/lのキネチン、100mg/lのミオイノシトール、1mg/lのニコチン酸、1mg/lのピリドキシンHClおよび10mg/lのチアミンHClを補った液体塩基性B5培地(デュチェファ・ビオヘミーBVから入手可能、ハールレム、オランダ国)15ml中でインキュベーションする。当業界で公知のHPLC技術を用いて、培養培地をオーキシン濃度についてモニターする。一旦オーキシン濃度が0.1mg/lより下に下がると、約7日間後、20g/lのスクロース、20mg/lのNAA、1mg/lの2,4−D、1mg/lのキネチン、100mg/lのミオイノシトール、1mg/lのニコチン酸、1mg/lのピリドキシンHClおよび10mg/lのチアミンHClを補った新鮮な塩基性B5培地(デュチェファ・ビオヘミーBVから入手可能、ハールレム、オランダ国)15mlを加えて、30mlの培養物の容量にする。外植体および細胞を15分間静置し、使用済み培地15mlを除き、新鮮な培地15mlを補充して培養物を清新することにより、この培養物を4−7日ごとに継代培養する。外植体の初回培養後、約4−7週間後に、前胚形成塊(PEM)が観察される。上記要領で2週間さらに継代培養することにより、PEMを増殖させる。NAA、2,4−Dおよびキネチンを除いて上記と同様に補ったオーキシン不含有塩基性B5培地においてPEMをさらに継代培養すると、真正体細胞胚が観察される。
【0056】
実施例4
胚形成性トマト細胞培養の開始。
トマト変種「マジョルカ」(スルイスおよびグルート)の種子を、70%エタノール(2分間)および15分間次亜塩素酸ナトリウムの1.5%溶液で表面滅菌し、次いで滅菌水により充分に洗浄(3回)する。暗所中23℃の温度で7日間種子を湿った紙の上で発芽させる。子葉を集め、断片に切断し、外植体として使用する。3実生の6子葉をこの方法で切断し、暗所中23℃で100rpmの回転震とう器において4mg/lの2,4−Dおよび0.5mg/lのキネチンを補った液体培地A(表1参照)15ml中でインキュベーションする。14日後、上記ホルモンを含む新鮮な培地A(表1参照)35mlを加える。上記ホルモンを補った新鮮な培地A(表1参照)中で2倍希釈することにより、培養物を14日ごとに継代培養する。外植体の初回培養の約4週間後、PEMが観察される。上記要領でさらに継代培養することにより、PEMを増殖させる。
【0057】
【表1】
培地Aの組成
大量成分(g/l):
NH4NO3…1.20、
(NH4)2SO4…0.66、
KH2PO4…0.55、
KNO3…1.01、
MgCl2・6H2O…0.30、
CaCl2…0.22、
くえん酸…0.5、
スクロース…20。
大量成分 2ml貯蔵溶液/l
ビタミン類 ガンボーグB5(1mg/l) 1ml貯蔵溶液/l
KOH(1モル)を用いてpHを5.8に調節。
少量成分(貯蔵溶液)(g/l):
FeSO4・7H2O…6.9、
CuSO4・5H2O…0.65、
CoCl2・6H2O…0.12、
MnCl2・4H2O…2.97、
NaMoO4・2H2O…0.24、
KI…0.041、
HBO3…1.5、
ZnSO4・7H2O…4.3、
NiSO4・6H2O…0.39、
くえん酸…2、
pH=2.3
g24
ビタミン類ガンボーグB5(デュチェファ)、
ミオイノシトール100g/l
ニコチン酸1g/l
チアミン−HCl1g/l
を補った貯蔵溶液
【0058】
実施例5
胚形成性キュウリ細胞懸濁培養の開始およびそこからの体細胞胚。
キュウリ変種「パンドレックス」(スルイスおよびグルート)の種子を、70%エタノール(2分間)および次亜塩素酸ナトリウムの1.5%溶液(45分間)で表面滅菌し、次いで滅菌水により充分に洗浄(3回)する。キュウリ種子を23℃で2日間湿った紙の上で発芽させる。種子から発芽した幼根を外植体として使用する。15の幼根を、23℃の温度で暗所中100rpmの回転震とう器において20g/lのスクロース、2mg/lの2,4−Dおよび1mg/lのキネチンを補い、ビタミンを加えた塩基性液体MS培地(デュチェファ・ビオヘミーBVから入手可能、ハールレム、オランダ国)10ml中で培養する。当業界で公知のHPLC技術を用いることにより、培養培地をオーキシン濃度についてモニターする。オーキシン濃度が<0.1mg/lに下がった後、約5日後、20g/lのスクロース、2mg/lの2,4−Dおよび1mg/lのキネチンを補った50mlの塩基性液体MS培地+ビタミン(デュチェファ・ビオヘミーBVから入手可能、ハールレム、オランダ国)で培養物を5倍に希釈する。20g/lのスクロース、2mg/lの2,4−Dおよび1mg/lのキネチンを補った塩基性液体MS培地+ビタミン(デュチェファ・ビオヘミーBVから入手可能、ハールレム、オランダ国)で培養物を2倍希釈することにより、培養物を2週間ごとに継代培養する。8週間後、前胚形成塊が現れる。
【0059】
次いで、2週間ごとに50mlでパックした細胞容量0.4mlを、10mg/lの2,4−Dおよび0.5mg/lのキネチンを補った培地A(表1の)に接種することにより、PEM培養物をさらに継代培養する。シュレーゲルの公式(前出)を用いて測定したところによると、キュウリセルラインの倍加時間は約2.7日である。大きさ100−150μm間のPEMに対して、培養物を各々孔サイズ150μmおよび100μmのナイロンメッシュに通してふるい分けることにより、PEMを選択する。100−150μmフラクションからは、PEM培養物の1PCV当たり最高数の単一体細胞胚が生じる。このセルラインからのPEMは、2倍体または4倍体である。デ・ラート等の方法(前出)により測定したところ、2倍体および4倍体細胞間の比率は、10mg/lの2,4−Dおよび0.5mg/lのキネチンを補った液体培地Aでは2年を越す期間一定のままである。PEMは2倍体および4倍体植物を生じる。2倍体:4倍体の測定比率は、PEMおよび植物に反映されている。
【0060】
20gのスクロースおよび5マイクロモルのABAを補ったオーキシンおよびサイトキニン不含有MS培地でPEMを培養することにより、PEMを真正体細胞胚に生長させる。
【0061】
実施例6
胚形成性キュウリセルラインの操作による100%2倍体または100%4倍体懸濁培養物の獲得。
実施例5の懸濁液は、2倍体および4倍体PEMにより構成され、同じ倍数性レベルを有する胚の発生をもたらす。
【0062】
直径約2mmの個々のPEMを、実施例5の方法により開始された13週令細胞懸濁液から選び出す。デ・ラート等(1987)「プラント・ブリーディング」(Plant Breeding)、99、303−307頁の方法による倍数性レベルに関する個々のPEMの測定結果は、PEMが100%2倍体または100%4倍体であることを示している。実施例5に記載されている塩基性M5液体培地中で15週間にわたって個々のPEMをさらに培養すると(すなわち継代培養を2週間ごとに遂行)、デ・ラート等の方法(前出)を用いて測定したところ100%2倍体または100%4倍体細胞から成るセルラインが得られた。2倍体PEMからは、2倍体胚および2倍体植物が生じる。4倍体PEMからは、4倍体胚および4倍体植物が生じる。
【0063】
実施例7
胚形成性キュウリセルラインの操作による100%2倍体または100%4倍体懸濁培養物の獲得。
キュウリ変種「パンドレックス」(スルイスおよびグルート)の植物を、実施例3の方法を用いて無菌条件下で生長させる。大きさ約1cmの子房を外植体として使用する。デ・ラート等(前出)の方法に従い倍数性レベルを測定すると、外植体が完全に2倍体であることが示された。果実の約半分を約0.5mm厚さの薄片に切り刻み、23℃の温度で暗所中100rpmの回転震とう器において、20g/lのスクロース、2mg/lの2,4−Dおよび1mg/lのキネチンを補った10mlの塩基性液体MS培地+ビタミン(デュチェファ・ビオヘミーBVから入手可能、ハールレム、オランダ国)中で培養する。当業界で公知のHPLC技術を用いることにより、培養培地をオーキシン濃度についてモニターする。オーキシン濃度が<0.1mg/lに下がった後、約5日後、20g/lのスクロース、2mg/lの2,4−Dおよび1mg/lのキネチンを補った50mlの塩基性液体MS培地+ビタミン(デュチェファ・ビオヘミーBVから入手可能、ハールレム、オランダ国)で培養物を5倍に希釈する。上記要領で補ったMS培地で培養物を2倍希釈することにより、培養物を2週間ごとに継代培養する。
【0064】
8週間後、前胚形成塊が出現する。PEM培養物を、10mg/lの2,4−Dおよび0.5mg/lのキネチンを補った培地A(表1)中で実施例5の記載と同様に継代培養する。パックした細胞容量0.4mlを、10mg/lの2,4−Dおよび0.5mg/lのキネチンを補った培地A50mlに接種する。シュレーゲルの公式(前出)を用いて測定したところによると、キュウリセルラインの倍加時間は培地A(表1)では約2.7日である。デ・ラート等(前出)の方法に従いPEM懸濁液の倍数性レベルを測定すると、2倍体であることが見出された。大きさ100−150μm間のPEMに対して培養物をナイロンメッシュに通してふるい分けることにより、PEMを選択する。20g/lのスクロースを補ったオーキシンおよびサイトキニン不含有MS培地において選択されたPEMを培養することにより、PEMを真正体細胞胚に生長させる。この方法を用いると、200000の胚がPEM培養物から4週間で形成される。デ・ラートの方法(前出)を用いると、無作為選別された500の体細胞胚の倍数性レベルは全て、2倍体であることが見出された。
【0065】
実施例8
倍数性レベルに関して安定したPEM懸濁液の維持。
キュウリPEM懸濁液を、10mg/lの2,4−Dおよび0.5mg/lのキネチンを補った培地A(表1)において生長させる。継代培養中、大量成分および少量成分を各継代培養段階でPEM必要量に対して過剰にしておくことにより、継代培養期間(すなわち2週間)中、これらの成分の不足がおこらないようにする。同じ方法でオーキシンレベル(すなわち10mg/lの2,4−D)を維持する。継代培養開始時にキネチン(すなわち0.5mg/l)を培地に加え、4日で培地から枯渇させる。当業界で公知の標準HPLC技術を用い、時間をかけてオーキシン濃度をモニターすることにより、懸濁液の生長段階がPEMレベルで固定されることを確実にする。胚形成性2倍体PEM懸濁液を2年以下の間、10mg/lの2,4−Dおよび0.5mg/lのキネチンを補った培地A(表1)中で維持すると、それらは安定した倍数性レベルを示す。胚形成性4倍体PEM懸濁液を6箇月間維持すると、それらは安定した倍数性レベルを示す。胚の生長が開始されるまでこの倍数性レベルを維持する。
【0066】
実施例9
テンサイPEM懸濁培養の開始およびそこからの体細胞胚。
テンサイの種子(ヒレショーグ・アクチーボラゲット、スエーデン国)を、エタノールの70%溶液(2分間)および次亜塩素酸ナトリウムの1.5%溶液(45分間)により表面殺菌し、次いで滅菌水で充分に洗浄(3回)する。テンサイ種子を23℃で7〜14日間湿った紙の上で発芽させる。発芽した種子からの子葉を外植体として使用する。23℃の温度で暗所中100rpmの回転震とう器において、10mg/lの2,4−Dおよび0.5mg/lのキネチンを補った液体培地A(表1)10ml中で6子葉を培養する。培養物を、1または2週間後10mg/lの2,4−Dおよび0.5mg/lのキネチンを補った液体培地A(表1)により50mlに希釈(5倍)する。上記要領で補った培地A(表1)で培養物を2倍希釈するか、または培地を上記要領で補った新鮮な培地Aと交換することにより、培養物を2週間ごとに継代培養する。4〜6週間後、体細胞胚が外植体組織に出現する。胚を外植体から採取し、別々に培養する。4週間後、培養された胚はPEMを形成する。10mg/lの2,4−Dおよび0.5mg/lのキネチンを補った表1の培地Aを補充することにより、PEM培養物をさらに継代培養する。
【0067】
PEM懸濁液を、まず孔サイズ500μmのナイロンメッシュ、次いで孔サイズ100μmのナイロンメッシュでふるい分けることにより、PEMを集める。PEMフラクション100−500μmからは、一般に単一体細胞胚が優先的に形成される。PEMは、上記要領で補ったオーキシンおよびサイトキニン不含有培地A培地で培養されると、真正体細胞胚に生長する。
【0068】
実施例10
胚形成性コショウPEM懸濁培養の開始。
コショウの種子(品種ゲデオン(スルイス・エン・グルート))に、エタノールの70%溶液(2分間)および次亜塩素酸ナトリウムの1.5%溶液(45分間)により表面殺菌を施し、次いで滅菌水で充分に洗浄する(3回)。コショウ種子を23℃で7〜14日間湿った紙の上で発芽させる。発芽した種子からの子葉を外植体として使用する。23℃の温度で暗所中100rpmの回転震とう器において、10mg/lの2,4−Dを補った液体培地A(表1)10ml中で6子葉を培養する。2週間後、培養物を50mlに5倍希釈する。上記要領で培養物を2倍希釈するか、または培地を10mg/lの2,4−Dを補った新鮮な培地A(表1)と交換することにより、培養物を2週間ごとに継代培養する。2〜4週間後、外植体の切断端部から胚が現れる。胚を外植体から採取し、培養物から除去し、4mg/lの2,4−Dおよび0.5mg/lのゼアチンを補った液体培地A(表1)において継代培養する。4週間後、前胚形成塊が現れる。上記要領でさらに継代培養することにより、PEMを増大させる。実施例5の記載に従って懸濁液をふるい分けることにより、PEMを集める。フラクション100−500μmからは、単一体細胞胚が優先的に形成される。PEMを、オーキシンおよびサイトキニン不含有培地A(表1)で培養する。
【0069】
実施例11
胚形成性スミレPEM懸濁培養の開始およびそこからの体細胞胚。
スミレの種子(品種デルタ・バイオレット(スルイス・エン・グルート))に、エタノールの70%溶液(2分間)および次亜塩素酸ナトリウムの1.5%溶液(30分間)により表面殺菌を施し、次いで滅菌水で充分に洗浄する(3回)。スミレ種子を23℃で7〜14日間湿った紙の上で発芽させる。発芽した種子からの子葉を外植体として使用する。23℃の温度で暗所中100rpmの回転震とう器において、4mg/lの2,4−Dおよび0.1mg/lのキネチンを補った液体培地A(表1)10ml中で6子葉を培養する。2週間後、培養物を、4mg/lの2,4−Dおよび0.1mg/lのキネチンを補った液体培地A(表1)により50mlに5倍希釈する。培養物を2倍希釈するか、または培地を4mg/lの2,4−Dおよび0.1mg/lのキネチンを補った新鮮な培地A(表1)と交換することにより、培養物を2週間ごとに継代培養する。8〜10週間後、前胚形成塊が現れる。上記要領でさらに継代培養することにより、PEMを増大させる。使用されるナイロンメッシュ孔サイズが50μmおよび250μmであること以外は実施例5の記載と同じ要領で懸濁液をふるい分けることにより、PEMを集める。PEMは、上記要領で補ったオーキシンおよびサイトキニン不含有培地A(表1)で培養されると、単一体細胞胚に生長する。
【0070】
実施例12
胚形成性ペラルゴニュームPEM懸濁培養の開始。
ペラルゴニュームの種子(品種パルサー・レッド(スルイス・エン・グルート))に、エタノールの70%溶液(2分間)および次亜塩素酸ナトリウムの1.5%溶液(30分間)により表面殺菌を施し、次いで滅菌水で充分に洗浄する(3回)。ペラルゴニューム種子を23℃で7〜14日間湿った紙の上で発芽させる。発芽した種子からの子葉を外植体として使用する。23℃の温度で暗所中100rpmの回転震とう器において、4mg/lの2,4−Dおよび0.1mg/lのキネチンを補った液体培地A(表1)10ml中で6子葉を培養する。1週間後、培養物を、4mg/lの2,4−Dおよび0.1mg/lのキネチンを補った液体培地A(表1)により50mlに5倍希釈する。4mg/lの2,4−Dおよび0.1mg/lのキネチンを補った液体培地A(表1)で培養物を2倍希釈するか、または培地を上記要領で補った新鮮な培地Aと交換することにより、培養物を2週間ごとに継代培養する。
【0071】
4〜6週間後、前胚形成塊が現れる。上記要領でさらに継代培養することにより、PEMを増殖させる。使用されるナイロンメッシュ孔サイズが250μmおよび50μmであること以外は実施例5の記載と同じ要領で懸濁液をふるい分けることにより、PEMを集める。50−250μmのPEMフラクションからは、単一体細胞胚が優先的に形成される。PEMは、オーキシンおよびサイトキニン不含有培地A(表1)で培養されると、単一体細胞胚に生長する。
【0072】
実施例13
バイオリアクター中で増殖しているPEMバイオマス。
4×8mlのPCVを、実施例5の記載に従い継代培養されたキュウリPEM懸濁培養から集め、インペラーを備えた2つの慣用的な2リットルのバイオリアクターおよびチェマップ・アクチエンゲゼルシャフトから市販されているバイブロミキサーを備えた2つのバイオリアクターを含む4つのバイオリアクター(アプリコン・デペンダブル・インスツルメンツBV)に接種する。これらは、各々10mg/lの2,4−Dおよび0.5mg/lのキネチンを補った培地A(表1)1リットルを含む。空気は、リアクターチャンバーの下部に向かって設置されたバイブレーターシャフトの端部に位置する15μm多孔分散装置を介してバイブロミキサーリアクター中へ散布される。当業界で公知の標準技術に従うと、一方のバイブロミキサーリアクターにおける溶解酸素濃度は40%および他方における濃度は97%で測定される。垂直に位置するバイブロミキサーは、50Hzの振動数および±6mmの最大振幅で稼動される。振動運動は垂直面で行なわれ、水平運動は最小に保たれるように、バイブロミキサーを設置する。流体が、基部、次いで上方に向かってリアクター容器の周囲から細胞懸濁液を引き寄せる流動ループに向けられるように、撹はんディスクを振動シャフトの端部に取り付ける。
【0073】
空気は、15μm多孔スパージャーを備えた分散管を介してバイオリアクター下部の慣用的バイオリアクター中へ散布される。溶解酸素濃度は、上記要領により各々40%および97%の濃度で測定される。インペラーの撹はん速度を約150rpm±50rpmに維持する。
【0074】
接種の6日後、倍加時間を測定し、PEM懸濁液からPEMをふるい分け、PEM/ml PCVを実施例5の記載に従い測定する。
バイブロミキサーを使用すると、1単位容量当たりより多数のPEMが得られる(表2、図1)。
【0075】
【表2】
Figure 0004121160
【0076】
実施例14
バイブロミキサーバイオリアクター中で増殖しているPCVバイオマス。
2×8mlのPCVを、実施例3の記載に従い継代培養されたキュウリPEM懸濁培養から集め、チェマップ・アクチエンゲゼルシャフトから市販されているバイブロミキサーを備えた2つの2リットルバイオリアクターを含む2つのバイブロミキサーバイオリアクター(アプリコン・デペンダブル・インスツルメンツBV)に接種する。一方のバイオリアクターは、10mg/lの2,4−Dおよび0.5mg/lのキネチンを補った培地A(表1)1リットルを含み、他方もスクロース濃度が55g/lであること以外は上記と同じ要領で補った培地A1リットルを含む。空気は、リアクターチャンバー基部付近のバイブレーターシャフトの端部に位置する15μm多孔分散装置を介してバイブロミキサーリアクター中へ散布される。溶解酸素濃度は、当業界で公知の標準技術に従い97%で測定される。バイブロミキサーは、50Hzの振動数および±6mmの最大振幅で稼動される。振動運動は垂直面で行なわれ、左右または水平運動は最小に保たれるように、バイブロミキサーを設置する。流体が、基部、次いで上方に向かってリアクター容器の周囲から細胞懸濁液を引き寄せる流動ループ中で流れるように、撹はんディスクを振動シャフトの端部に取り付ける。
【0077】
接種の6日後、倍加時間を測定し、PEM懸濁液からPEMをふるい分け、PEM/ml PCVを実施例5の記載に従い測定する。結果を下記表3に示す。
【0078】
【表3】
Figure 0004121160
【0079】
実施例15
撹はんバイオリアクター対バイブロミキサーバイオリアクターからのPEMの生存能力の経時比較。
3×8mlのPCVを、実施例5の記載に従い継代培養されたキュウリPEM懸濁培養から集め、10mg/lの2,4−Dおよび0.5mg/lのキネチンを補った培地A(表1)1リットルを含むインペラーを備えた1つの慣用的な2リットルのバイオリアクターおよびチェマップ・アクチエンゲゼルシャフトから市販されているバイブロミキサーを備えた2つのバイオリアクターを含む3つのバイオリアクター(アプリコン・デペンダブル・インスツルメンツBV)に接種する。一方は上記要領で補った培地A1リットルを含み、他方もスクロース濃度が55g/lであること以外は上記と同じ要領で補った培地A1リットルを含む。
【0080】
空気は、リアクターチャンバーの下部に向かってバイブレーターシャフトの端部に位置する15μm多孔分散装置を介してバイブロミキサーリアクター中へ散布される。当業界で公知の標準技術に従うと、バイブロミキサーリアクターにおける溶解酸素濃度は97%で測定される。バイブロミキサーは、50Hzの振動数および±6mmの最大振幅で稼動される。振動運動は垂直面で行なわれ、水平振動運動は最小に保たれるように、バイブロミキサーを設置する。流体が、基部、次いで上方に向かってリアクター容器の周囲から細胞懸濁液を引き寄せる流動ループで流れるように、撹はんディスクを振動シャフトの端部に取り付ける。
【0081】
空気は、15μm多孔スパージャーを備えた分散管を介してバイオリアクター下部の慣用的バイオリアクター中へ散布される。溶解酸素濃度は、上記要領により97%の濃度で測定される。インペラーの撹はん速度を約150rpm±50rpmに維持する。
【0082】
PEM/ml PCVを培養開始時に測定し、実施例5と同じ要領で6および14日目に倍加時間を測定する。
【0083】
結果は、撹はんバイオリアクター中のPEMの数がその間顕著に減少し、バイブロミキサー中のPEMの数が20g/lのスクロース濃度でその間ほぼ一定したままであることを示す。PEM数は、55g/lのスクロース濃度で6日以内に3倍まで増加することが示された(表4)。
【0084】
【表4】
Figure 0004121160
【0085】
実施例16
バイオリアクターにおける魚雷段階体細胞胚へのPEMの生長。
2×100000のふるい分けされたPEMを、実施例15の記載に従い継代培養されたキュウリPEM懸濁培養物から集め(55g/lスクロース、vb/97%Do2中)、インペラーを備えた1つの慣用的な2リットルのバイオリアクターおよびチェマップ・アクチエンゲゼルシャフトから市販されているバイブロミキサーを備えた1つのバイオリアクターを含む2つのバイオリアクター(アプリコン・デペンダブル・インスツルメンツBV)に接種する。各々20g/lのスクロースおよび5.0マイクロモルの濃度でABAを含む1リットルのMS培地を含む。酸素は、リアクターチャンバーの基部付近に位置するバイブレーターシャフトの端部に設置された15μm多孔分散装置を介してバイブロミキサーリアクター中へ散布される。当業界で公知の標準技術に従うと、バイブロミキサーリアクターにおける酸素濃度は97%で測定される。バイブロミキサーは、50Hzの振動数および±6mmの最大振幅で稼動される。振動運動は垂直面で行なわれ、水平運動は最小に保たれるように、バイブロミキサーを設置する。流体が、基部、次いで上方に向かってリアクター容器の周囲から細胞懸濁液を引き寄せる流動ループで流れるように、撹はんディスクを振動シャフトの端部に取り付ける。
【0086】
酸素は、15μm多孔スパージャーを備えた分散管を介してバイオリアクター下部の慣用的バイオリアクター中へ散布される。溶解酸素濃度は、上記要領により97%の出発濃度で測定され、7日間かけて30%±5%に下がる。8日目、溶解酸素濃度を97%にリセットし、そのレベルを維持する。インペラーの撹はん速度を約190rpm±5rpmに維持する。
【0087】
慣用的バイオリアクターは、10−15%間の、PEM〜完全生長した使用可能な魚雷段階体細胞胚生長効率を有する。バイブロミキサーバイオリアクターは、20%より大きい、PEM〜完全生長した使用可能な魚雷段階体細胞胚生長効率を有する。使用可能な魚雷段階体細胞胚は、正常に見える植物を生じるものである。
【0088】
実施例17
体細胞胚から誘導されたシクラメン植物の形態学的安定性。
実施例2のF1雑種から誘導されたシクラメン体細胞胚を、鉢植え用土に体細胞胚を置くことにより苗木に変換させる。初葉形成後、苗木を温室に移し、成熟させる。植物を開花段階に生長させる。開花植物の形態学的試験からは植物の異常性は全く示されない。植物からは、遺伝学的差異によるソマクローナル変異は全く観察されない。
【0089】
実施例18
体細胞胚から誘導されたキュウリ植物における遺伝学的ソマクローナル変異。F1雑種植物から誘導された実施例6の体細胞胚を、ソルバロッド・プラグ(バウムガルトナー・パピエル、スイス国)において植物に変換し、結実植物に生長させる。デ・ラート等(前出)の方法により、80植物について倍数性レベルを測定する。遺伝学的ソマクローナル変異が観察されないことから、植物は全て同じ倍数性レベルおよび差異を有する。
【0090】
実施例19
キュウリ体細胞胚から植物への変換。
キュウリPEMを、低い光強度でバイブロミキサーを備えたバイオリアクターにおいて増殖させ、ふるいにかけ(100−150μm)、20g/lのスクロースおよび5マイクロモルのABAを補ったMS培地50ml当たり5000PEMの密度でエルレンマイヤーフラスコ中に接種する。PEMを2つのバッチに分け、これらをさらに明所および暗所で体細胞胚に生長させる。両バッチからの体細胞胚を明所で植物に変換させる。結果は、暗所で培養されたPEMから誘導された体細胞胚の場合の体細胞胚から植物への変換効率が、明所で培養された体細胞胚の場合よりも高いことを示している(表5)。
【表5】
明るさの条件 魚雷型胚から植物への総合的変換率[%]
明所 28.6
暗所 62.7
【0091】
実施例20
植物への変換に適した単一魚雷型胚の形成に対するPEM集合体のサイズ。
10mg/gの2,4−Dおよび0.5mg/lのキネチンを補った培地を用いて上記実施例5の記載に従い得られた9日令のPEM懸濁液(50ml PCV/lのPEM濃度)を、3つの独立事象としてナイロンメッシュでふるい分けることにより、3種の異なるサイズのPEMフラクション:100−150μ、150−200μおよび200−250μを得る。胚の生長は、3マイクロモルのABAを含むMS培地中約25−50PEM/mlの初期PEM濃度で遂行される。9日の生長培養後、魚雷段階の胚の数を光学顕微鏡で評価する。単一魚雷型胚の数を、多重魚雷型胚の数に対して評価する。魚雷型胚/PEM比は5−15%である。サイズが100μm未満のフラクションはPEMを含まない。結果を表6に示す。
【表6】
ふるい分けされたフラ 全体に対する割合とし
クションのサイズ(μm) ての単一魚雷型胚(%)
100−150 85
150−200 20
200−250 5
単一胚は、100−150μmサイズのフラクションから手で分離され、単一植物に変換される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 キュウリPEM懸濁液からPEMをふるい分け、PEM/mlPCVを測定した結果を示す棒グラフである。

Claims (6)

  1. 懸濁培養において商業的スケールで真正体細胞胚を得る方法であって、下記工程:
    i)シクラメンまたはキュウリの非カルス外植体を、前胚形成塊(PEM)形成の誘導を促進するのに充分なオーキシンまたはオーキシン混合物の有効量を含む液体植物組織培養培地と接触させた状態で培養すること;
    ii)工程i)で得られたPEMを、オーキシン含有液体培地と接触させた状態で培養することによりPEMの数を増加させること、ここにオーキシン濃度は、顕著なPEMの発達を伴うことなくPEMの成長および増殖を促進するに十分なレベルに維持される;
    iii)工程ii)で得られたPEMを集め、それらを実質的にオーキシン不含有の液体培地と接触させた状態に置くことにより、体細胞胚生成を誘導すること;次いで、
    iv)工程iii)で誘導された胚から生ずる体細胞胚を集めること、ここに該体細胞胚は、懸濁培養中の非カルス外植体と実質的に同じ表現型および実質的に同じ倍数性を有する商業的な量の植物を提供するために用いられ得るものである
    を特徴とする方法。
  2. 液体培地が約15g/lないし90g/lの濃度の炭水化物エネルギー供給源をさらに含むものである、請求項1記載の方法。
  3. 炭水化物エネルギー供給源がスクロース、グルコースおよびラフィノースから選択される、請求項2記載の方法。
  4. 非カルス外植体が原形質体、幹、葉、花弁、胚軸部分、成長点、接合子胚自体、塊茎、維管束、内鞘、子房または葯の花糸に由来するものである、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 倍数体レベルが
    a.2倍体;または
    b.4倍体
    である、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の方法で得られた体細胞胚を、それに由来する外植体先祖細胞性材料と遺伝的に同一である植物に生育させることを特徴とする、植物を得る方法。
JP00247094A 1993-01-15 1994-01-14 有機化合物に関する改良 Expired - Lifetime JP4121160B2 (ja)

Applications Claiming Priority (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB939300705A GB9300705D0 (en) 1993-01-15 1993-01-15 Improvements in or relating to organic compounds
GB939300707A GB9300707D0 (en) 1993-01-15 1993-01-15 Improvements in or relating to organic compounds
GB9300705 1993-01-15
GB9300706 1993-01-15
GB939300729A GB9300729D0 (en) 1993-01-15 1993-01-15 Improvements in or relating to organic compounds
GB939300706A GB9300706D0 (en) 1993-01-15 1993-01-15 Improvements in or relating to organic compounds
GB9300729 1993-01-15
GB9300707 1993-01-15

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06237659A JPH06237659A (ja) 1994-08-30
JP4121160B2 true JP4121160B2 (ja) 2008-07-23

Family

ID=27450981

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP00247094A Expired - Lifetime JP4121160B2 (ja) 1993-01-15 1994-01-14 有機化合物に関する改良

Country Status (18)

Country Link
US (1) US5587312A (ja)
EP (2) EP0608716B2 (ja)
JP (1) JP4121160B2 (ja)
KR (1) KR100314969B1 (ja)
CN (1) CN1053468C (ja)
AT (1) ATE187865T1 (ja)
AU (1) AU675094B2 (ja)
CA (1) CA2113374C (ja)
DE (1) DE69422205T3 (ja)
DK (1) DK0608716T4 (ja)
ES (1) ES2140471T5 (ja)
GR (1) GR3032584T3 (ja)
IL (1) IL108330A (ja)
MA (1) MA23089A1 (ja)
PT (1) PT608716E (ja)
TR (1) TR28634A (ja)
TW (1) TW367365B (ja)
ZA (1) ZA94289B (ja)

Families Citing this family (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6164973A (en) * 1995-01-20 2000-12-26 Vincent J. Macri Processing system method to provide users with user controllable image for use in interactive simulated physical movements
GB9703628D0 (en) * 1997-02-21 1997-04-09 Abdelrahman Layla Z Sugar cane production
AR019320A1 (es) * 1998-06-12 2002-02-13 Silvagen Inc Metodo de siembra y germinacion ex vitro de embriones somaticos de plantas
US6946295B2 (en) 1998-06-12 2005-09-20 Cellfor, Inc. Process for ex vitro sowing and germination of plant somatic embryos
US6265217B1 (en) * 2000-03-01 2001-07-24 Tong Yang Moolsan Company Limited Method for producing microbulbs of garlic {Allium sativum l.} in vitro
US7598073B2 (en) 2002-04-09 2009-10-06 Weyerhaeuser Nr Company Methods for producing high yields of zygotic-like cotyledonary pine embryos utilizing media that include a disaccharide and glucose
US7381562B2 (en) 2002-05-30 2008-06-03 Weyerhaeuser Company Methods for producing cotyledonary pine embryos utilizing a gibberellin
CA2435337C (en) 2002-11-14 2010-03-23 Weyerhaeuser Company Methods for producing conifer somatic embryos
US7521237B2 (en) 2003-06-23 2009-04-21 Weyerhaeuser Nr Company Methods for promoting maturation of conifer somatic embryos
US20040266002A1 (en) * 2003-06-30 2004-12-30 Weyerhaeuser Company Use of abscisic acid in somatic embryogenesis of pine trees
US7732205B2 (en) 2003-07-30 2010-06-08 Weyerhaeuser Nr Company Development and stratification of pine somatic embryos using a liquid system
US7520089B2 (en) 2003-11-25 2009-04-21 Weyerhaeuser Nr Company Method to improve manufactured seed germination
CA2495650C (en) 2004-02-25 2011-05-24 Weyerhaeuser Company Continuous culture of conifer embryogenic tissue
US7452722B2 (en) 2004-03-02 2008-11-18 Weyerhaeuser Company Methods for developing conifer somatic embryos
CA2568476C (en) 2005-12-22 2015-03-17 Weyerhaeuser Company Methods for storing conifer somatic embryo germinants
US7858371B2 (en) * 2007-09-26 2010-12-28 Weyerhaeuser Nr Company Method of separating embryo suspension mass
EP2132978A1 (en) 2008-06-13 2009-12-16 Syngeta Participations AG Method for the production of somatic embryos from Euphorbia pulcherrima plant tissue
CN102763598B (zh) * 2012-08-16 2013-09-11 云南省农业科学院花卉研究所 利用体细胞胚繁育文山兜兰苗的方法
CN105104183B (zh) * 2015-08-26 2017-07-04 北京农业生物技术研究中心 一种菊苣原生质体诱导纯合四倍体植物的方法
US10043133B2 (en) 2016-04-08 2018-08-07 Pearson Education, Inc. Systems and methods of event-based content provisioning
CN107164303B (zh) * 2017-07-19 2020-11-20 泗县微腾知识产权运营有限公司 一种南瓜游离小孢子诱导培养基及诱导培养方法
ES2914629B2 (es) * 2020-12-14 2023-03-06 Instituto Madrileno De Investig Y Desarrollo Rural Agrario Y Alimentario Imidra Procedimiento para la obtencion de biomasa y/o sustancias de valor utilizables como aditivos para piensos a partir de cultivos embriogenicos de encina o alcornoque y producto obtenido.
CN114847159B (zh) * 2022-04-28 2023-04-07 云南龙藏生物科技有限公司 一种川贝母鳞茎组织培养再生方法

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5024944A (en) * 1986-08-04 1991-06-18 Lubrizol Genetics, Inc. Transformation, somatic embryogenesis and whole plant regeneration method for Glycine species
US5030572A (en) * 1987-04-01 1991-07-09 Lubrizol Genetics, Inc. Sunflower regeneration from cotyledons
DE3873489D1 (de) * 1987-11-18 1992-09-10 Ciba Geigy Ag Eine leistungsfaehige methode, baumwolle aus kultivierten zellen zu regenerieren.
EP0328424A3 (en) * 1988-02-12 1992-04-29 Kyowa Hakko Kogyo Kabushiki Kaisha Process for the production of somatic embryos
US5236841A (en) * 1989-03-09 1993-08-17 Gupta Pramod K Method for reproducing conifers by somatic embryogenesis using stepwise hormone adjustment
US5482857A (en) * 1989-03-09 1996-01-09 Weyerhaeuser Company Method for reproducing douglas-fir by somatic embryogenesis
US4957866A (en) * 1989-03-09 1990-09-18 Weyerhaeuser Company Method for reproducing coniferous plants by somatic embryogenesis
ES2084706T3 (es) * 1989-09-30 1996-05-16 Kirin Brewery Metodo de produccion de plantones.
ES2079647T5 (es) * 1990-03-02 2009-01-16 Bayer Bioscience N.V. Transformacion genetica y regeneracion de la remolacha azucarera.
US5334530A (en) * 1992-03-10 1994-08-02 Woods Susan H Method and media for the somatic embryogenesis and regeneration of bamboo
WO1993023529A2 (fr) * 1992-05-12 1993-11-25 Champagne Moët & Chandon Culture stabilisee d'agregats cellulaires et procede de developpement des embryons a partir d'une souche proembryogene destine a la regeneration de la vigne
US5294594A (en) * 1992-12-23 1994-03-15 American Cyanamid Company Water dispersible granular herbicidal compositions comprising dinitroaniline herbicides, montmorillonite carrier and water-swellable polymer
US5491090A (en) * 1994-02-09 1996-02-13 Westvaco Corporation Embryogenic coniferous liquid suspension cultures

Also Published As

Publication number Publication date
ES2140471T3 (es) 2000-03-01
PT608716E (pt) 2000-05-31
KR100314969B1 (ko) 2002-02-19
ZA94289B (en) 1995-07-14
EP0608716B1 (en) 1999-12-22
TW367365B (en) 1999-08-21
CN1053468C (zh) 2000-06-14
AU5314294A (en) 1994-07-21
IL108330A0 (en) 1994-04-12
DE69422205D1 (de) 2000-01-27
AU675094B2 (en) 1997-01-23
CA2113374C (en) 2008-04-29
US5587312A (en) 1996-12-24
DE69422205T2 (de) 2000-09-07
JPH06237659A (ja) 1994-08-30
CA2113374A1 (en) 1994-07-16
MA23089A1 (fr) 1994-01-10
EP0934691A3 (en) 2001-03-28
DK0608716T3 (da) 2000-06-13
EP0934691A2 (en) 1999-08-11
GR3032584T3 (en) 2000-05-31
ES2140471T5 (es) 2004-06-01
IL108330A (en) 2004-02-19
KR940018012A (ko) 1994-08-16
CN1092107A (zh) 1994-09-14
DE69422205T3 (de) 2004-04-29
EP0608716A2 (en) 1994-08-03
EP0608716B2 (en) 2003-08-06
DK0608716T4 (da) 2003-11-24
TR28634A (tr) 1996-12-04
EP0608716A3 (en) 1994-12-07
ATE187865T1 (de) 2000-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4121160B2 (ja) 有機化合物に関する改良
Klimaszewska et al. Conifer somatic embryogenesis: I. Development
US5008200A (en) Propagating multiple whole fertile plants from immature leguminous
Redenbaugh Application of artificial seed to tropical crops
Blake Tissue culture propagation of coconut, date and oil palm
Takahata et al. Effect of donor plant age and inflorescence age on microspore culture of Brassica napus L.
Takamura et al. Somatic embryogenesis of Cyclamen persicum Mill.‘Anneke’from aseptic seedlings
US7785884B2 (en) Low density spreading methods for conifer somatic embryogenesis
Hymowitz et al. Plant regeneration from leaf explants of Glycine clandestina Wendl
Giri et al. Plant biotechnology: practical manual
AU2004203346B2 (en) Development and stratification of pine embryos using a liquid system
AU2007216903B2 (en) Low density spreading methods for somatic embryogenesis
Karim An overview of oil palm cultivation via tissue culture
JP3463756B2 (ja) ユーカリ属植物の苗条原基集塊及びその製造方法並びにユーカリ属植物の増殖方法
Ordogh et al. Micropropagation of Echo cultivars of Eustoma grandiflorum
Heszky et al. Tissue culture technology for long-term storage and propagation of potato (Solanum tuberosum L.) germplasms
JPH0585135B2 (ja)
UA136225U (uk) Спосіб клонального мікророзмноження лаванди вузьколистої в культурі in vitro
PINE ISOLATION OF HIGH YIELDS OF VIABLE PROTOPLASTS FROM QUAKING ASPEN SEEDLINGS AND CULTURED LOBLOLLY PINE CELL SUSPENSIONS DEVI C. VERMA AND SR WANN
US20040237130A1 (en) Embryogenic culture initiation of douglas-fir by maltose
Kanchanapoom et al. Cell suspension, isolation and culture of cacao (Theobroma cacao L.) protoplasts
Nautiyal et al. Micropropagation Studies on Important Forest Trees of High Importance: an Effort for Large-Scale Commercial Multiplication and Their Field Plantation
JPH0746940A (ja) 木本植物の発根促進方法
JPH057438A (ja) シクラメンのカルス誘導方法およびシクラメンの増殖方法
JPH05211824A (ja) シクラメン

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20031202

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040301

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040323

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040713

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041105

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20041115

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20050107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080428

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110509

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110509

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120509

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130509

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130509

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term