JPH05292954A - ゾイシア属植物からカルスを誘導する組織培養法 - Google Patents
ゾイシア属植物からカルスを誘導する組織培養法Info
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- JPH05292954A JPH05292954A JP4122955A JP12295592A JPH05292954A JP H05292954 A JPH05292954 A JP H05292954A JP 4122955 A JP4122955 A JP 4122955A JP 12295592 A JP12295592 A JP 12295592A JP H05292954 A JPH05292954 A JP H05292954A
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- Japan
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- callus
- plant
- tissue culture
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Abstract
(57)【要約】
【目的】ゾイシア属について胚形成能を有し植物体を再
生しうるカルスを高頻度に誘導する方法を提供すること
にある。 【構成】ゾイシア属植物から胚形成能を有するカルスを
高頻度に誘導するためにサイトカイニン類の添加する組
織培養法にある。 【効果】細胞選抜あるいは遺伝子導入等の細胞・分子育
種に材料を安定に多数提供することができる。
生しうるカルスを高頻度に誘導する方法を提供すること
にある。 【構成】ゾイシア属植物から胚形成能を有するカルスを
高頻度に誘導するためにサイトカイニン類の添加する組
織培養法にある。 【効果】細胞選抜あるいは遺伝子導入等の細胞・分子育
種に材料を安定に多数提供することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゾイシア属植物からカ
ルスを誘導する組織培養法に関するものである。
ルスを誘導する組織培養法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ゾイシア属については、環境ストレスあ
るいは病虫害に対する抵抗性の新品種作成が期待されて
いる。このような需要に対し、近年発展の目覚ましい細
胞育種あるいは分子育種の利用による作成が考えられ
る。これらの育種法には材料を提供することを目的とし
たプロトプラストからの植物体再生を含む組織培養技術
の確立が必要である。現在までにゾイシア属ではプロト
プラストからの植物体再生を含む組織培養技術が確立さ
れている。
るいは病虫害に対する抵抗性の新品種作成が期待されて
いる。このような需要に対し、近年発展の目覚ましい細
胞育種あるいは分子育種の利用による作成が考えられ
る。これらの育種法には材料を提供することを目的とし
たプロトプラストからの植物体再生を含む組織培養技術
の確立が必要である。現在までにゾイシア属ではプロト
プラストからの植物体再生を含む組織培養技術が確立さ
れている。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】従来の培養法技術で
は、植物体を再生しうるカルスが得られる頻度は極めて
低いという欠点がある。このことは、分子育種等に材料
を供給するのに実験材料の不足といったことが起こる原
因となっている。
は、植物体を再生しうるカルスが得られる頻度は極めて
低いという欠点がある。このことは、分子育種等に材料
を供給するのに実験材料の不足といったことが起こる原
因となっている。
【0004】
【本発明の目的】本発明は、ゾイシア属について胚形成
能を有し植物体を再生しうるカルスを高頻度に誘導する
方法を提供することにある。
能を有し植物体を再生しうるカルスを高頻度に誘導する
方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ゾイシア属植
物からカルスを誘導する組織培養法において、ゾイシア
属植物の完熟種子、未熟種子または生長点の一部をサイ
トカイニン類の添加された培地に置床し、カルスを誘導
することを特徴とする組織培養法にある。
物からカルスを誘導する組織培養法において、ゾイシア
属植物の完熟種子、未熟種子または生長点の一部をサイ
トカイニン類の添加された培地に置床し、カルスを誘導
することを特徴とする組織培養法にある。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例ついて説明する。な
お、本文中において胚形成能を有するカルスとはカルス
表面に胚様態を形成しているカルスとした。 <イ>カルスの誘導の概要 本発明で使用するゾイシア属としてはノシバ、コウシュ
ンシバ、コウライシバ等があげられる。これら植物から
胚形成能を有するカルスを誘導するための材料として
は、完熟または未熟種子、または植物体の生長点を含む
葉基部等の切片が使用可能である。 これらの組織を通
常用いられる一般的な滅菌法(例えば、エタノール、次
亜塩素酸水溶液、滅菌水等を用いる方法)により滅菌し
た後、培地に置床し胚形成能を有するカルスを誘導す
る。即ち、例えば、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸
(2,4−D)、ピクロラム、ダイカンバ等から選ばれ
る少なくとも一つのオーキシン類を添加した液体培地あ
るいは寒天、ゲルライト等から選ばれる少なくとも一つ
の固化剤による固形培地に置床し、20−30℃の条件
下で必要に応じて振盪し培養する。
お、本文中において胚形成能を有するカルスとはカルス
表面に胚様態を形成しているカルスとした。 <イ>カルスの誘導の概要 本発明で使用するゾイシア属としてはノシバ、コウシュ
ンシバ、コウライシバ等があげられる。これら植物から
胚形成能を有するカルスを誘導するための材料として
は、完熟または未熟種子、または植物体の生長点を含む
葉基部等の切片が使用可能である。 これらの組織を通
常用いられる一般的な滅菌法(例えば、エタノール、次
亜塩素酸水溶液、滅菌水等を用いる方法)により滅菌し
た後、培地に置床し胚形成能を有するカルスを誘導す
る。即ち、例えば、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸
(2,4−D)、ピクロラム、ダイカンバ等から選ばれ
る少なくとも一つのオーキシン類を添加した液体培地あ
るいは寒天、ゲルライト等から選ばれる少なくとも一つ
の固化剤による固形培地に置床し、20−30℃の条件
下で必要に応じて振盪し培養する。
【0007】<ロ>培地 本発明においては、さらに当該の培地にベンジルアデニ
ン(BA)、カイネチン等から選ばれる少なくとも一つ
のサイトカイニン類を添加することが特徴である。添加
する濃度は、ベンジルアデニンでは0.1mg/lから
3.0mg/lが好ましく、さらに好ましくは0.1m
g/lから1.0mg/lである。培地としてはムラシ
ゲ&スクーグ(MS)培地 (Physiol, Plant 196
2)、リンスマイヤー&スクーグ(LS)培地 (Physio
l,Plant 1965)、N6培地(Sci,Sin.1975)、
ガンボルグらの培地 (Exp Cell.Res.1968)、ヘラ
ーの培地 (Ann.Sci,Nat.1953)、AA培地 (Plant.
Sci.1985)等が挙げられる。また、これらの培地の
組成を改変したものが挙げられる。かかる培養条件によ
り1−2か月間培養することにより胚形成能を有するカ
ルスおよび胚形成能を有しないカルスが誘導される。
ン(BA)、カイネチン等から選ばれる少なくとも一つ
のサイトカイニン類を添加することが特徴である。添加
する濃度は、ベンジルアデニンでは0.1mg/lから
3.0mg/lが好ましく、さらに好ましくは0.1m
g/lから1.0mg/lである。培地としてはムラシ
ゲ&スクーグ(MS)培地 (Physiol, Plant 196
2)、リンスマイヤー&スクーグ(LS)培地 (Physio
l,Plant 1965)、N6培地(Sci,Sin.1975)、
ガンボルグらの培地 (Exp Cell.Res.1968)、ヘラ
ーの培地 (Ann.Sci,Nat.1953)、AA培地 (Plant.
Sci.1985)等が挙げられる。また、これらの培地の
組成を改変したものが挙げられる。かかる培養条件によ
り1−2か月間培養することにより胚形成能を有するカ
ルスおよび胚形成能を有しないカルスが誘導される。
【0008】<ハ>サイトカイニン類添加による培養 本発明のサイトカイニン類添加培養での胚形成能を有す
るカルスの誘導率は、添加濃度が適切である場合、従来
の培養方法、即ちサイトカイニン無添加培養での誘導率
に対して2倍以上となる。本発明を用いない場合、ゾイ
シア属のカルス誘導については胚形成能を有し植物体を
再生しうるカルスがえられる率は極めて低頻度である。
そのために、大量の完熟種子あるいは成長点等を使用し
選抜するという手法を取らざるを得なかった。したがっ
て、本発明のようにサイトカイニン類を添加し胚形成能
を有するカルスを高頻度に誘導することを可能としたこ
とは非常に重要な点である。
るカルスの誘導率は、添加濃度が適切である場合、従来
の培養方法、即ちサイトカイニン無添加培養での誘導率
に対して2倍以上となる。本発明を用いない場合、ゾイ
シア属のカルス誘導については胚形成能を有し植物体を
再生しうるカルスがえられる率は極めて低頻度である。
そのために、大量の完熟種子あるいは成長点等を使用し
選抜するという手法を取らざるを得なかった。したがっ
て、本発明のようにサイトカイニン類を添加し胚形成能
を有するカルスを高頻度に誘導することを可能としたこ
とは非常に重要な点である。
【0009】以下に、更に詳細に実施例を説明する。 <イ>ベンジルアデニン添加培地によるカルスの誘導 ノシバの完熟種子を70%のエタノールにより1分間、
有効塩素1%の次亜塩素酸ナトリウム(界面活性剤とし
てツィーン20を0.1%添加)により20分間浸漬し
滅菌処理を行いその後滅菌水により3回洗浄し、LS培
地(5mg/l2,4−D、30g/lシュークロー
ス、8g/lアガロース)にベンジルアデニン(BA)
を0〜3.0mg/l添加した培地に置床し、28℃暗
黒下で2か月間培養することによりカルスを誘導した。
誘導されたカルスの内、胚様体を形成しているものを胚
形成能を有するカルスとした。
有効塩素1%の次亜塩素酸ナトリウム(界面活性剤とし
てツィーン20を0.1%添加)により20分間浸漬し
滅菌処理を行いその後滅菌水により3回洗浄し、LS培
地(5mg/l2,4−D、30g/lシュークロー
ス、8g/lアガロース)にベンジルアデニン(BA)
を0〜3.0mg/l添加した培地に置床し、28℃暗
黒下で2か月間培養することによりカルスを誘導した。
誘導されたカルスの内、胚様体を形成しているものを胚
形成能を有するカルスとした。
【0010】<ロ>カルス誘導結果 サイトカイニン類の適切な濃度の添加が胚形成能を有す
るカルスを高頻度に誘導することは明らかであり、本実
施例でのサイトカイニン添加培養においての誘導率は表
1に示すように、0.1mg/l添加時に最高となり、
無添加培養においてのそれに比較して2.3倍となっ
た。
るカルスを高頻度に誘導することは明らかであり、本実
施例でのサイトカイニン添加培養においての誘導率は表
1に示すように、0.1mg/l添加時に最高となり、
無添加培養においてのそれに比較して2.3倍となっ
た。
【表1】
【0011】
【本発明の効果】本発明により、芝草としての利用価値
の極めて高いゾイシア属について、高頻度に胚形成能を
有するカルスを誘導することが可能となった。これによ
り、細胞選抜あるいは遺伝子導入等の細胞・分子育種に
材料を安定に多数提供することができる。
の極めて高いゾイシア属について、高頻度に胚形成能を
有するカルスを誘導することが可能となった。これによ
り、細胞選抜あるいは遺伝子導入等の細胞・分子育種に
材料を安定に多数提供することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】ゾイシア属植物からカルスを誘導する組織
培養法において、ゾイシア属植物の完熟種子、未熟種子
または生長点の一部をサイトカイニン類の添加された培
地に置床し、カルスを誘導することを特徴とする組織培
養法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4122955A JPH05292954A (ja) | 1992-04-17 | 1992-04-17 | ゾイシア属植物からカルスを誘導する組織培養法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4122955A JPH05292954A (ja) | 1992-04-17 | 1992-04-17 | ゾイシア属植物からカルスを誘導する組織培養法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05292954A true JPH05292954A (ja) | 1993-11-09 |
Family
ID=14848766
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4122955A Pending JPH05292954A (ja) | 1992-04-17 | 1992-04-17 | ゾイシア属植物からカルスを誘導する組織培養法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05292954A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004145901A (ja) * | 1998-12-22 | 2004-05-20 | Hitachi Ltd | 記憶装置システム |
-
1992
- 1992-04-17 JP JP4122955A patent/JPH05292954A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004145901A (ja) * | 1998-12-22 | 2004-05-20 | Hitachi Ltd | 記憶装置システム |
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